JPH09267110A - 圧延機の振動防止装置 - Google Patents

圧延機の振動防止装置

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JPH09267110A
JPH09267110A JP33547096A JP33547096A JPH09267110A JP H09267110 A JPH09267110 A JP H09267110A JP 33547096 A JP33547096 A JP 33547096A JP 33547096 A JP33547096 A JP 33547096A JP H09267110 A JPH09267110 A JP H09267110A
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JP
Japan
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vibration
rolling mill
damping
rolling
additional mass
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Application number
JP33547096A
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English (en)
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Kazunari Ishino
和成 石野
Kazuhisa Kabeya
和久 壁矢
Takuichi Nishimura
拓一 西村
Akihiko Kohiyama
昭彦 小檜山
Daijiro Yuasa
大二郎 湯浅
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/007Control for preventing or reducing vibration, chatter or chatter marks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B2203/00Auxiliary arrangements, devices or methods in combination with rolling mills or rolling methods
    • B21B2203/44Vibration dampers

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延機の振動をよりコンパクトな付加質量
(制振用重り)で効果的に抑制する装置を提供する。 【解決手段】 金属帯を圧延する圧延機1のバックアッ
プロール3の2つのチョック4の間または2つの圧力台
9の間に取り付けられた弾性を有する梁11と、この梁
に搭載された付加質量10と、付加質量10の動きを制
動するダンパとを備えた圧延機の振動防止装置。さら
に、アクチュエータ19を備えた圧延機の振動防止装
置。また、バックアップロール3の左右2つのチョック
4の間または左右2つの圧力台9の間にバネを介して取
り付けられた付加質量10と、ダンパとを備えた圧延機
の振動防止装置。これらの振動防止装置を上下のバック
アップロールの双方について備えた圧延機の振動防止装
置。圧力台の周囲にバネを介して取り付けられた付加質
量10と、ダンパとを備えた圧延機の振動防止装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機において被
圧延材を高速圧延する際に発生する振動(チャタリン
グ)を抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばタンデム冷延ライン等の圧
延機による金属帯の圧延を行う際に、圧延速度をある程
度高めると圧延機にチャタリングと称される数十Hz〜
数百Hzの異常振動が発生し、被圧延材に板厚不良を生
じることがある。この問題に対してはチャタリング発生
を早期に検知するセンサを設け、そのセンサ情報により
圧延速度を低下させることで板厚不良を防ぐことが一般
に行われてきた。
【0003】しかしながら、この方法では圧延速度を低
下させるため、生産効率の低下を伴う。そこで、動吸振
器を利用して圧延機の振動を抑制する方法が開発されて
おり、例えば特開平5−104117号公報に記載され
ているような技術が提案されている。
【0004】図19はこの従来技術による圧延機の振動
を抑制する装置を示す図である。この図において、1は
圧延機本体、2はハウジング、3a、3bはバックアッ
プロール、4a、4bはバックアップロールチョック、
5a、5bはワークロール、6a、6bはワークロール
チョック、7は圧下用アクチュエータ、8は圧下スクリ
ュー、9は圧力台、Bは動吸振器である。
【0005】圧延材を圧延するワークロール5a、5b
を中心にして、一対のバックアップロール3a、3bを
ワークロール5a、5bに当接させて配置し、圧下スク
リュー8により定められる圧下量により、圧下力がバッ
クアップロール3a、3bを介し、ワークロール5a、
5bに作用するように構成されている。振動防止装置B
はハウジングに設置されている。
【0006】図20は、上記動吸振器Bによる振動防止
の原理を示す模式図である。この図において、25は重
り、26はコイルバネである。この重り25とコイルバ
ネ26からなる動吸振器Bは、ハウジング2に設けられ
ている。ここでは、動吸振器Bの固有振動数が圧延機1
のチャタリング周波数に一致するように、あらかじめ重
り25とコイルバネ26の値が設定されている。こうし
て、ハウジング2の振動を、重り25の振動によりコイ
ルバネ26を通じて作用する力で打ち消すことにより、
圧延機1のチャタリングを抑制する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の特
開平5−104117号公報に記載されているような従
来技術においては、以下のような問題点があった。
【0008】この技術では、振動防止装置(動吸振器=
TMD)を圧延機のハウジングに設置している。そのた
め、ハウジングに動吸振器を設置した場合、付加質量
(制振用重り)を重くしなければ十分な振動低減効果を
得られないという問題がある。これは圧延機のハウジン
グの質量が非常に大きいため、被圧延材の板厚変動を引
き起こす圧延機振動モードでのハウジングの等価質量も
非常に大きいということに起因する。
【0009】また、圧延機の圧下荷重やロール径の変化
により圧延機の固有振動数が変化すると、十分な振動低
減効果が得られないという問題点もあった。
【0010】本発明は、上記のような従来の問題点に鑑
み、圧延機の振動をよりコンパクトな付加質量(制振用
重り)で効果的に抑制する装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
より解決される。
【0012】請求項1の発明は、金属帯を圧延する圧延
機のバックアップロールの2つのチョックの間または2
つの圧力台の間に取り付けられた弾性を有する梁と、こ
の梁に搭載された付加質量と、この付加質量の動きを制
動するダンパとを備えた圧延機の振動防止装置である。
【0013】この発明では、振動防止装置の制振力はチ
ョックを介してバックアップロールそのものに作用す
る。バックアップロールは、被圧延材の板厚変動を引き
起こす圧延機振動モードにおける等価質量が、ハウジン
グに比べてはるかに小さいため、コンパクトな装置(小
さな付加質量)で圧延機の減衰性能を向上できる。その
結果、被圧延材の板厚不良を低減できる。
【0014】請求項2の発明は、金属帯を圧延する圧延
機のバックアップロールの2つのチョックの間または2
つの圧力台の間に取り付けられた弾性を有する梁と、こ
の梁に取り付けられたアクチュエータと、このアクチュ
エータにより駆動される付加質量とを備えた圧延機の振
動防止装置である。
【0015】この発明では、付加質量をアクチュエータ
で振動させ、アクティブマスダンパとすることで、さら
に減衰性能を向上できる。この場合、梁がバネ要素とし
て作用し、動吸振器との複合型、即ち、ハイブリッド型
の装置となるため、制御エネルギーが小さくてすむ。更
に、万が一アクチュエータが故障しても、動吸振器とし
ての性能は維持されるという特徴がある。
【0016】請求項3の発明は、金属帯を圧延する圧延
機のバックアップロールの左右2つのチョックの間また
は左右2つの圧力台の間にバネを介して取り付けられた
付加質量と、この付加質量の動きを制動するダンパとを
備えた圧延機の振動防止装置である。
【0017】この発明では、付加質量をバネで直接左右
(両端)のチョック又は圧力台に取り付けているので、
減衰性能を損なわずに装置をさらにコンパクトとするこ
とができる。
【0018】請求項4の発明は、金属帯を圧延する圧延
機の上下のバックアップロールの双方について、請求項
1ないし請求項3記載の振動防止装置を備えた圧延機の
振動防止装置である。
【0019】この発明では、振動防止装置を圧延機の上
下に取り付けることにより、コンパクトな複数の振動防
止装置で振動防止効果をさらに向上させることができ
る。
【0020】請求項5の発明は、金属帯を圧延する圧延
機のバックアップロールの圧力台の周囲にバネを介して
取り付けられた付加質量と、この付加質量の動きを制動
するダンパとを備えた圧延機の振動防止装置である。
【0021】この発明では、振動防止装置が左右に分離
しているので、それぞれの固有振動数と減衰定数を互い
に少しずつずらせて設定することができる。これによ
り、振動防止装置を1個だけ用いる場合よりも、有効に
振動防止ができる振動数の範囲を広げることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の振動防止装置の実
施の形態の一例を示す構成図である。この図において、
1は圧延機全体、2はハウジング、3a,3bはバック
アップロール、4a,4bはそのチョック、5a,5b
はワークロール、6a,6bはそのチョック、7は圧下
(圧上)用アクチュエータ、8は圧下スクリュー、10
は制振用重り、11は制振用重り支持梁、Aは動吸振器
をそれぞれ示す。
【0023】このように、金属帯を圧延する圧延機のバ
ックアップロールチョック間または圧力台間に梁を渡
し、これをバネ要素とし、この梁に付加質量、即ち制振
用重りを搭載する。これにダンパを組み合わせると動吸
振器となり、圧延機の振動防止装置が構成される。
【0024】ここで、制振用重り支持梁11は弾性を有
する梁であり、動吸振器Aの受動要素の1つ(バネ)で
ある。この動吸振器Aのバネ定数は、目標とする固有振
動数(チャタリングの振動数)と制振用重りの質量等と
から決定できる。動吸振器Aのバネ定数kと減衰定数c
は、次の式で表される。
【0025】 ここで、mは制振用重りの質量、Mはバックアップロー
ルチョックの等価質量、μはその比(=m/M)、Kは
チャタリング振動モードにおけるバックアップロールチ
ョックの等価剛性である。また、RとTは定数で、それ
ぞれ次の式で表される。 R=(0.241+1.74 μ-2.6μ20-(1-1.9μ+ μ20 2 T=(0.13+0.12μ+0.4μ20-(0.01+0.9 μ+3μ20 2 である。なお、ζ0 はチャタリング振動モードにおける
バックアップロールチョックの減衰比である。
【0026】圧延機のバックアップロールの上または下
(上バックアップロールの上側、ないし下バックアップ
ロールの下側)は、通常は空間となっている。したがっ
て、圧延機のドライブ側、フリー側のバックアップロー
ルチョック間に梁を渡すことが可能である。また、通
常、バックアップロールチョックに接触して、圧延荷重
測定用ロードセルの入った圧力台や油圧圧下シリンダな
どが配置されているので、ドライブ側、フリー側の圧力
台や油圧圧下シリンダ間に梁を渡してもよい。
【0027】更に、この振動防止装置において、付加質
量をアクチュエータで駆動するアクティブマスダンパに
することで、ハイブリッド型の振動防止装置を構成す
る。ここでハイブリッド型とは、バネやダンパなどの受
動要素からなるパッシブ制振装置と、アクチュエータな
どの能動要素を有するアクティブ制振装置を組み合わせ
たものを言う。
【0028】図11は、本発明の振動防止装置の実施の
形態の別の1例を示す構成図である。この図において、
1は圧延機全体、2はハウジング、3a,3bはバック
アップロール、4a,4bはそのチョック、5a,5b
はワークロール、6a,6bはそのチョック、7は圧下
(圧上)用アクチュエータ、8は圧下スクリュー、9は
圧力台、10は制振用重り、31はバネ、Aは動吸振器
をそれぞれ示す。
【0029】この発明では、金属帯を圧延する圧延機の
バックアップロールチョック間または圧力台間にバネを
取り付け、更に付加質量、即ち制振用重りを搭載する。
これにダンパを組み合わせると動吸振器となり、圧延機
の振動防止装置が構成される。バネ31については、図
では板バネを使用しているが、板状以外の形状のバネで
もよいことは言うまでもない。また、バネとして機能す
るものであれば弾性体を用いてもよく、その場合、形状
が通常のバネの形状ではなくてもよい。
【0030】圧延機のバックアップロールの上または下
(上バックアップロールの上側、ないし下バックアップ
ロールの下側)は、通常は空間となっている。したがっ
て、圧延機のドライブ側、フリー側のバックアップロー
ルチョック間にバネを介して付加質量、即ち制振用重り
を設置することが可能である。また、通常、バックアッ
プロールチョックに接触して、圧延荷重測定用ロードセ
ルの入った圧力台や油圧圧下シリンダなどが配置されて
いるので、ドライブ側、フリー側の圧力台や油圧圧下シ
リンダ間に制振用重りを設置してもよい。
【0031】図13は、図11に示す振動防止装置A
を、上下のバックアップロールの圧力台の間に取り付け
た例を示す。図中、9a,9bはそれぞれ上と下のバッ
クアップロールの圧力台を示し、その他の符号は図1に
同じである。
【0032】この例では、下の圧力台9bは、下のバッ
クアップロールのチョック4bを支持する必要上から、
厚さをあまり厚くできない。そのため、下の圧力台9b
は上の圧力台9aとは形状が若干異なり偏平としてい
る。また、図では、圧力台9aのバネを取り付ける部分
を若干立ち上げているが、これは、バネを取り付けるこ
とができればどの様な形状でもよい。
【0033】図14は、圧延機の上のバックアップロー
ルの圧力台の周囲に付加質量(制振用重り)を取り付け
た例を示す。図中、10a,10cは制振用重りを示
し、その他の符号は図1に同じである。圧力台は、図で
は見えていないが、制振用重り10a,10cの中に囲
まれた状態で設置されている。
【0034】この実施の形態では、振動防止装置(図で
は制振用重り10a,10cとその内部の部分)が左右
に分離しているので、それぞれの固有振動数と減衰定数
を互いに少しずつずらせて設定することができる。これ
により、振動防止装置を1個だけ用いる場合よりも、有
効に振動防止ができる振動数の範囲を広げることができ
る。
【0035】図15は、図14と同じ制振装置を、上下
のバックアップロールの圧力台の間に各1個、合計4個
取り付けた例を示す。図中、10a,10b,10c,
10dはそれぞれ制振用重りを示し、その他の符号は図
1に同じである。制振用重り10a,10b,10c,
10dは、上と下のバックアップロールの圧力台の周囲
にバネを介して取り付けられている。
【0036】下の制振用重り10b,10dは、下のバ
ックアップロールのチョック4b,4dの下に設置する
ので、スペースの制約から上の制振用重り10a,10
cとは形状が若干異なり偏平としている。
【0037】この実施の形態では、振動防止装置(図で
は制振用重り10a,10b,10c,10dとその内
部の部分)が4個あるので、それぞれの固有振動数と減
衰定数を互いに少しずつずらせて設定すれば、更に、有
効に振動防止ができる振動数の範囲を広げることができ
る。
【0038】
【実施例】図2は、本発明の一実施例における振動防止
装置Aの詳細を示す図である。図2の(a)は正面図、
(b)は断面図(a−a’断面)である。図中、10は
制振用重り、11は制振用重り支持梁、12はダンパ用
梁、13はダンパ用ピストン、14は粘性流体(シリコ
ンオイルなど)である。対象とした圧延機は冷間圧延用
で被圧延材最大幅1270mm、最大圧延速度1870mpm のタン
デム圧延機である。
【0039】制振用重り支持梁11は、断面が中空の矩
形で弾性を有する梁であり、両端は圧力台9に固定さ
れ、中央部の制振用重り10(3トン)を支持してい
る。ダンパ用梁12は、矩形断面の梁で制振用重り支持
梁11に内装された構成となっており、両端は同じく圧
力台9に固定されている。この梁の中央部は中空で粘性
流体14が充填され、ダンパ用ピストン13が配されて
いる。ダンパ用ピストン13は、ダンパ用梁12に対し
て自由な動きが可能で制振用重り10に固定されてい
る。
【0040】この結果、制振用重り10が質点、制振用
重り支持梁11がバネ要素、ダンパ用梁12、ダンパ用
ピストン13、粘性流体14が減衰要素となり、鉛直方
向1自由度系の動吸振器が構成される。ここで、固有振
動数と減衰定数は動吸振器の基本設計式に基づき調整し
ておく。
【0041】図3は、別の実施例における振動防止装置
Aの詳細を示す構成図である。図3の(a)は正面図、
(b)は断面図(a−a’断面)である。図中、11は
制振用重り支持梁、12はダンパ用梁、14は粘性流体
である。ここでは、制振用重り10が質点、制振用重り
支持梁11がバネ要素、ダンパ用梁12、粘性流体14
が減衰要素となり、鉛直方向1自由度系の動吸振器が構
成される。この実施例では、ダンパ用梁12はコ型の断
面の梁で構成されており、制振用重り支持梁11自体が
図2のピストン13の役割を果たすため、構成が簡素に
なる効果がある。
【0042】図4は、更に別の実施例における振動防止
装置Aの詳細を示す図である。図4の(a)は正面図、
(b)は断面図(a−a’断面)である。この場合、制
振用重り支持梁11自体が、構造材17とゴムなどの高
減衰材18との積層構造になっている。これにより本構
造は、制振用重り10が質点、制振用重り支持梁11が
バネ要素と減衰要素を兼ねることになり、鉛直方向1自
由度系の動吸振器が構成される。この場合、制振用重り
支持梁自体に減衰機能を持たせたので、ダンパが不要で
構成が更に簡素になる効果がある。
【0043】図5は、図2の実施例の振動防止効果を示
す周波数特性図である。振動防止装置設置後(実線)で
は設置前(破線)に比べて減衰性能が向上し、チャタリ
ング振動数のピーク(この場合3次モード)が良く抑え
られている。
【0044】図6は、従来例の振動防止効果を示す周波
数特性図である。制振用重りの質量は図5の場合と同じ
3トンである。このように、従来技術は、振動防止装置
が等価質量の大きなハウジングに設置されているため、
図5に比べて減衰性能が劣っている。
【0045】図7〜9は、圧延機入側の板厚にステップ
状変動があった場合の出側板厚変動のシミュレーション
結果を示した図である。ステップ状変動の大きさは、50
μとした。
【0046】図7は、圧延機に振動防止装置が設置され
ていない場合で、圧延機の減衰が十分大きくないため、
チャタリングが発生している。
【0047】図8は、本発明の実施例の場合で、制振用
重り3トンの振動防止装置が上バックアップロール上に
設置されている。入側のステップ状変動に対して、出側
板厚変動は収束し、チャタリング発生が抑えられている
ことが分かる。
【0048】図9は、従来例の場合で、図8と同じ制振
用重り3トンの振動防止装置がハウジングに設置されて
いる。この場合、振動防止装置が設置されていない図7
よりは振動の発散速度は小さいが、振動が減衰しておら
ず、チャタリング発生を抑えられていない。
【0049】図10は、振動防止装置Aにアクチュエー
タを設置し、AMD(アクティブマスダンパ)を構成し
た実施例の構成を示す図である。図10の(a)は正面
図、(b)は断面図(a−a’断面)である。図中、1
9はアクチュエータ、20はリニアガイド、10は制振
用重り、22は振動センサ、23はAMD支持梁、24
はケーシングである。
【0050】この実施例では、制振用重り10はリニア
ガイド20に沿って動くことができる。振動センサ22
が圧延機振動(チャタリング)を感知し、この信号をも
とにアクチュエータ19により制振用重り10をリアル
タイムに駆動し、圧延機振動(チャタリング)を抑制す
る。
【0051】上記の実施例は、いずれも圧下側(スタン
ドの上部)に制振装置を組み込んだ例を示した。この制
振装置は圧上側(スタンドの下部)に設置することも可
能である。圧下側、圧上側の両方に設置しても良い。こ
の場合は約1/2の質量でほぼ同等の制振効果が得られ
る。
【0052】また、制振装置のバネ要素や減衰要素に自
動調整機能を組み込むことで、チューニングを簡便にで
き、かつ圧延機の動特性の変化に追従できるようにする
ことも容易に実施できる。
【0053】また、動吸振器の場合、設置場所が同じな
らば、一般に制振用重りが重いほど減衰性能の向上が大
きいことが知られている。従って、制振対象に対して、
できる限り重い(大きい)制振用重りを設置することが
課題となる。しかしながら、通常の圧延機においては、
バックアップロールに制振力を作用させる装置を設置で
きるスペースは限られており、バックアップロールの2
つのチョックの間又は2つの圧力台の間が最大のスペー
スである。本発明は、このスペースを最大限に活用し
て、最大の減衰性能向上の効果を上げたものである。
【0054】図12は、本発明の一実施例における振動
防止装置Aの詳細を示す図である。図12の(a)は概
観図、(b)は側面図(左半分は断面図)である。図
中、10は制振用重り、31はバネ、32はダンパ、を
それぞれ示す。対象とした圧延機は冷間圧延用で被圧延
材最大幅1270mm、最大圧延速度1870mpm のタンデム圧延
機である。
【0055】バネ(板バネ)31は、片端が圧力台9に
固定され、もう一方に取り付けられた中央部の制振用重
り10(3トン)を支持している。ダンパ32は、ダン
パ用ピストン13、粘性流体からなる粘性ダンパ用であ
る。
【0056】この結果、制振用重り10が質点、バネ3
1がバネ要素、ダンパ32が減衰要素となり、鉛直方向
1自由度系の動吸振器が構成される。ここで、固有振動
数と減衰定数は動吸振器の基本設計式に基づき調整して
おく。
【0057】図16は、圧力台の周囲に付加質量(制振
用重り)を取り付けた場合の振動防止装置の詳細を示す
図である。図16の(a)は平面図、(b)は断面図
(C−C’断面)である。図中、9は圧力台、10は制
振用重り、31はバネ、32はダンパをそれぞれ示す。
この例では、圧力台9の周囲に、制振用重り10を配置
し、板バネ31で両者を連結している。
【0058】具体例としては、図16に示すように、制
振用重り10が圧力台9を完全に囲むような形状として
いる。板バネ31はL字形であり、圧力台9の4方向に
板バネ31のL字形のコーナ部を取り付け、制振用重り
10の4隅に板バネ31の両端部を取り付けている。
【0059】ここで、制振用重り10の形状は、圧力台
9の周囲に板バネ31で取り付けることができれば、特
に制限はない。なお、ダンパ32は、圧力台9と制振用
重り10との間隙に設けてあり、ダンパ用ピストンと粘
性流体からなる粘性ダンパである。
【0060】この実施の形態においても、制振用重り1
0が質点、バネ31がバネ要素、ダンパ32が減衰要素
となり、鉛直方向1自由度系の動吸振器が構成されてい
る。ここで、固有振動数と減衰定数は前述の動吸振器の
基本設計式に基づき調整しておく。
【0061】図17は、上記の実施例(図11、19)
の振動防止効果を示す周波数特性図である。図17の
(a)は振動防止装置を圧延機の左右のバックアップロ
ールの圧力台の間に1個取り付けた場合(図11)、
(b)は上下のバックアップロールの圧力台の間に各1
個、合計2個取り付けた場合(図14)の周波数特性を
示す。図17(c)、(d)は、それぞれ図17
(a)、(b)の中から、100〜300Hzの部分を
拡大した図である。図中、破線は振動防止装置を取り付
けていない場合の周波数特性図である。
【0062】振動防止装置設置後(実線)では設置前
(破線)に比べて減衰性能が向上し、チャタリング振動
数のピーク(この場合3次モード)が良く抑えられてい
る。
【0063】図18は、圧延機の固有振動数が変化した
場合の振動防止効果を示す周波数特性図である。図18
(a)、(b)は圧延機の固有振動数が増加した場合、
(c)、(d)は圧延機の固有振動数が減少した場合の
周波数特性を示す。また、図18(a)、(c)は、振
動防止装置を圧延機のバックアップロールの左右の圧力
台の間に1個取り付けた場合(図11)、これに対し図
18(b)、(d)は、バックアップロールの左右の圧
力台に各1個、合計2個取り付けた場合の周波数特性を
示す。図中、破線は振動防止装置を取り付けていない場
合、即ち従来技術の場合の周波数特性図である。
【0064】圧延機の固有振動数の増加、減少のいずれ
の場合も、振動防止装置を複数取り付けた方(図18
(b)と(d))が、単独で取り付けた方(図18
(a)と(c))よりも減衰性能が向上し、チャタリン
グ振動数のピーク(この場合3次モード、図では破線の
ピーク)が良く抑えられている。このように、振動防止
装置を複数に分散させて取り付けた方が、制振効果がよ
り高いことがわかる。
【0065】この実施例では、複数の振動防止装置を上
下一方(上側)のバックアップロールの左右の圧力台に
それぞれ取り付けた場合の制振効果を示したが、上下双
方のバックアップロールの圧力台の間に取り付けた場合
(図13)も、制振作用の原理から、同様の制振効果が
期待できることは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、被圧延
材の板厚変動を引き起こす圧延機振動モードにおける等
価質量が小さいバックアップロールに制振力が作用する
ため、小さな付加質量で圧延機の減衰性能を向上でき
る。この結果、装置がコンパクトとなり、既存の圧延機
にも搭載可能な効率の良い振動防止装置が実現され、被
圧延材のチャタリング等の板厚不良が解消される効果が
ある。
【0067】また、本発明は、バックアップロールに制
振力を作用させる装置を、バックアップロールの2つの
チョックの間又は2つの圧力台の間のスペースを最大限
に活用して設置することにより、最大の減衰性能向上の
効果を上げている。
【0068】さらに、複数の振動防止装置を分散設置す
ることにより、コンパクトな装置で振動防止効果を向上
させることができるとともに、それぞれの固有振動数を
ずらせておくことにより、圧延機の固有振動数の変化に
対しても十分な制振性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す構成図であ
る。
【図2】本発明の1実施例を示す構成図である。 (a)正面図、(b)断面図
【図3】本発明の別の1実施例を示す構成図である。 (a)正面図、(b)断面図
【図4】本発明の更に別の1実施例を示す構成図であ
る。 (a)正面図、(b)断面図
【図5】本発明の実施例の振動防止効果を示す周波数特
性図である。
【図6】従来技術における振動防止効果を示す周波数特
性図である。
【図7】振動防止装置を搭載していない場合の圧延機出
側板厚変動を示す図である。
【図8】本発明実施例の圧延機出側板厚変動を示す図で
ある。
【図9】従来技術における圧延機出側板厚変動を示す図
である。
【図10】本発明の更に別の実施例を示す構成図であ
る。 (a)正面図、(b)断面図
【図11】本発明の実施の形態の1例を示す構成図であ
る。
【図12】本発明の1実施例を示す構成図である。 (a)概観図、(b)側面図(左半分は断面図)
【図13】振動防止装置を上下のバックアップロールの
圧力台の間に取り付けた例を示す図である。
【図14】振動防止装置をバックアップロールの左右の
圧力台に各1個、合計2個取り付けた例を示す図であ
る。
【図15】上下のバックアップロールの圧力台に各1
個、合計4個取り付けた例を示す図である。
【図16】圧力台の周囲に付加質量(制振用重り)を取
り付けた場合の振動防止装置の詳細を示す図である。 (a)平面図、(b)断面図
【図17】圧力台の周囲に付加質量(制振用重り)を取
り付けた場合の振動防止効果を示す周波数特性図であ
る。 (a) 振動防止装置を左右の圧力台の間に1個取り付
けた場合 (b) 振動防止装置を左右の圧力台に各1個、合計2
個取り付けた場合 (c)(d) 上記(a)(b)の拡大図
【図18】圧延機の固有振動数が変化した場合の振動防
止効果を示す周波数特性図である。 (a) 図17(a)の振動防止装置の配置で、圧延機
の固有振動数が増加した場合 (b) 図17(b)の振動防止装置の配置で、圧延機
の固有振動数が増加した場合 (c) 図17(a)の振動防止装置の配置で、圧延機
の固有振動数が減少した場合 (d) 図17(b)の振動防止装置の配置で、圧延機
の固有振動数が減少した場合
【図19】従来技術の一例を示す構成図である。
【図20】従来技術の振動防止の原理を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
A 振動防止装置 B 動吸振器 1 圧延機 2 ハウジング 3 バックアップロール 4 チョック 5a、5b ワークロール 6a、6b ワークロールチョック 7 圧下用アクチュエータ 8 圧下スクリュー 9 圧力台 10 制振用重り 11 制振用重り支持梁 12 ダンパ用梁、 13 ダンパ用ピストン、 14 粘性流体(シリコンオイルなど) 17 構造材 18 高減衰材 19 アクチュエータ 20 リニアガイド 10 制振用重り 22 振動センサ 23 AMD支持梁 24 ケーシング 25 重り 26 コイルバネ 31 バネ 32 ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小檜山 昭彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 湯浅 大二郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯を圧延する圧延機のバックアップ
    ロールの2つのチョックの間または2つの圧力台の間に
    取り付けられた弾性を有する梁と、この梁に搭載された
    付加質量と、この付加質量の動きを制動するダンパとを
    備えた圧延機の振動防止装置。
  2. 【請求項2】 金属帯を圧延する圧延機のバックアップ
    ロールの2つのチョックの間または2つの圧力台の間に
    取り付けられた弾性を有する梁と、この梁に取り付けら
    れたアクチュエータと、このアクチュエータにより駆動
    される付加質量とを備えた圧延機の振動防止装置。
  3. 【請求項3】 金属帯を圧延する圧延機のバックアップ
    ロールの左右2つのチョックの間または左右2つの圧力
    台の間にバネを介して取り付けられた付加質量と、この
    付加質量の動きを制動するダンパとを備えた圧延機の振
    動防止装置。
  4. 【請求項4】 金属帯を圧延する圧延機の上下のバック
    アップロールの双方について、請求項1ないし請求項3
    記載の振動防止装置を備えた圧延機の振動防止装置。
  5. 【請求項5】 金属帯を圧延する圧延機のバックアップ
    ロールの圧力台の周囲にバネを介して取り付けられた付
    加質量と、この付加質量の動きを制動するダンパとを備
    えた圧延機の振動防止装置。
JP33547096A 1995-12-28 1996-12-16 圧延機の振動防止装置 Pending JPH09267110A (ja)

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Cited By (8)

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