JP3392705B2 - 圧延機の振動抑制装置 - Google Patents

圧延機の振動抑制装置

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孝一 時安
光宏 吉田
守 坪井
由勝 野原
正司 柴田
廣之 中島
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Nippon Steel Corp
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    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は圧延機における振動
抑制装置に係り、詳しくは被圧延材の高速、高圧下圧延
時に発生するライン方向の振動、特に数１０Ｈｚ〜数１
００Ｈｚの周波数領域の振動発生を抑制するための技術
に関する。 【０００２】 【従来の技術】圧延機においては、一対のワークロール
間に被圧延材を通過させることにより圧延が行われる。
一対のワークロールへの圧下力印加は、それぞれ上下バ
ックアップロールを介して行われ、全ロールはハウジン
グで囲まれ、パスライン方向に固定されている。 【０００３】このような圧延機では、圧延速度が遅く、
かつ圧下力が小さい場合には振動は発生しないが、圧延
速度がある程度高く、又は圧下力も大きくなると数１０
Ｈｚ〜数１００Ｈｚ程度のパスライン方向振動が発生す
る。 【０００４】そこで従来にあっては、そのような振動が
発生した場合、圧延速度を遅くさせて振動を抑制するこ
とが行われている。また、タンデムに並んだ圧延機の場
合、振動発生しやすいスタンドへの負荷を他のスタンド
に分配させることで振動を抑制している。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、速度を
下げる方法では、圧延速度の低下で圧延能率が低下し、
生産性が下がることになる。また、他のスタンドへの負
荷分配の方法では、他のスタンドの振動発生限界による
負荷分配の限界があり、圧下力を下げ圧延能率を下げざ
るを得ないため望ましくない。 【０００６】本発明は、ワークロールやハウジングを振
動させることなく高速、高圧下条件で安定した圧延を行
うことを可能とする圧延機の振動抑制装置を提供するこ
とを課題としている。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、被圧延材を上
下に挟圧して圧延を行う一対のワークロールと、それら
ワークロールのそれぞれに圧下力を作用せしめるバック
アップロールと、これらのロールを囲む構造を持つハウ
ジングを有する圧延機における前記課題を解決するた
め、次の構成の振動抑制装置を提供する。 【０００８】すなわち、本発明は、ハウジング外側の鋼
板が通過する位置であるパスライン付近へ、マス（重
り）とバネ、及び油等の減衰材で構成したパスライン方
向のダンパーを、その固有振動数が、ワークロールとハ
ウジングのパスライン方向に動く数１０Ｈｚ〜数１００
Ｈｚの周波数となるようにハウジングとマスの結合バネ
定数ｋを請求項に記載の数式（１）で決まる値とし、減
衰定数ｃを請求項に記載の数式（２）で決まる値に最適
設定（チューニング）された状態で設置してなる振動抑
制装置を提供する。 【０００９】本発明では、ワークロールで発生するパス
ライン方向振動が、ハウジングポストに伝わりハウジン
グポストがパスライン方向にワークロールと同程度の振
動を起こすことに注目し、上記構成の振動抑制装置を提
供するものである。 【００１０】この振動抑制装置においては、ハウジング
ポストのパスライン方向振動の周波数にチューニングし
たバネ定数を持つバネ、及び油等の減衰材とマス（重
り）を最小構成とする振動抑制装置をハウジングポスト
外側へパスライン方向に動くように接続することによ
り、圧延機の振動を圧延機と振動抑制装置のマスとの連
成振動に変換し、この振動を減衰材で抑制することで圧
延機の振動を防止することができる。 【００１１】本発明の振動抑制装置によれば、図４に示
すように、振動防止装置がない場合におけるハウジング
の振動の振幅Ａ（単位力で加振した場合）に対して、防
振装置のバネ定数、減衰定数を、具体的には、前述の式
（１）、及び（２）で決まる最適値に設定（チューニン
グ）して設置する。 【００１２】これによって、図４に示すように、この振
動抑制装置を設置していない場合のハウジング振動特性
Ａのエネルギーを、振動抑制装置を設置した場合の振動
特性Ｂのように防振装置マスとハウジングの２自由度系
における連成振動（同相、逆相モード）のエネルギーに
分配させ、この連成振動のエネルギーを防振装置の減衰
材が大幅に押さえることで振動の抑制をもたらす。 【００１３】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態に基づいて添付図を参照して説明を行う。図１は本
発明の実施の一形態による振動防止装置の構成とそれを
適用した圧延機の構成を示した図である。マス（重り）
ｍは油等の減衰材を入れるシリンダ部ｃを持ち、ハウジ
ングＨから出たピストン状の治具ｐがこの減衰材の中に
入れる形で設置される。必要な場合、剛性の小さなシー
ルｓで油等をシールする。 【００１４】マスｍは前述のチューニング式（１）で決
まるバネ定数ｋを持つバネ１（形状は問わない）でハウ
ジングＨに接続され、水平方向に可動である。このと
き、減衰材の減衰定数はチューニング式（２）で決まる
値に設定する。 【００１５】 【００１６】 【００１７】マスは、滑り摩擦の小さな車輪２で上下方
向ｚに支え台３で支持され、鋼板の噛み込み、尻抜け時
の衝撃で上下方向ｚ、左右方向（ロール軸方向）ｙに大
きく振れないようにレール４等の滑り治具により動きを
制限する。 【００１８】前記車輪２は図２に示すように摩擦の小さ
な滑り治具５に変えてもよい。また、この滑り治具５
は、上下方向、左右方向（ロール軸方向）の運動を制限
するよう図３に示す状態でマスの上部、下部に設置する
構造でもよい。 【００１９】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による振動抑制装置を、圧延機ハウジングの外側パスラ
イン付近に、その固有振動数が、ワークロールとハウジ
ングのパスライン方向に動く数１０Ｈｚ〜数１００Ｈｚ
の周波数となるようにハウジングとマスの結合バネ定
数、減衰定数を最適設定（チューニング）された状態で
設置することで、ハウジング振動を減衰させることが可
能である。 【００２０】これにより、従来ワークロールとハウジン
グの振動が発生していた高速、高圧下条件での圧延を安
定して行うことができ、より効率的かつ高品質な鋼板生
産が可能となる。 【００２１】また、本発明の振動抑制装置は圧延機ハウ
ジングの外側に設置できる構成なので現在稼働中の圧延
機にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施の一形態による振動抑制装置を設
けた圧延機の構成を示した説明図で、（ａ）は全体側面
図、（ｂ）はそのマス部分の端面図。 【図２】本発明の他の実施形態による振動抑制装置の構
成を示した説明図。 【図３】本発明の更に他の実施形態による振動抑制装置
の構成を示した説明図で、（ａ）は全体側面図、（ｂ）
はそのマス部分の端面図。 【図４】本発明の圧延機振動抑制装置を設置することに
よる防振効果の説明図。 【符号の説明】 ｍ マス（重り） ｃ シリンダ部 ｓ シール ｐ ピストン状の治具 Ｈ ハウジング ｚ 上下方向 ｙ 左右方向 Ａ 防振装置がない場合のハウジング振動特性 Ｂ 防振装置を設置した場合のハウジング振動特性 １ バネ ２ 車輪 ３ 支え台 ４ レール ５ 滑り治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 時安 孝一 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 吉田 光宏 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 坪井 守 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 野原 由勝 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内 (72)発明者 柴田 正司 千葉県富津市新富20−１ 新日本製鐵株 式会社技術開発本部内 (72)発明者 中島 廣之 広島市西区南観音六丁目４番31号 株式 会社リョーセンエンジニアリング内 (56)参考文献 特開 平８−247211（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−164403（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−29250（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B21B 33/00 F16F 15/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 圧延機のハウジング外側の鋼板が通過す
    る位置であるパスライン付近へ、マス（重り）とバネ、
    及び油等の減衰材で構成したパスライン方向のダンパー
    を、その固有振動が、ワークロールとハウジングのパス
    ライン方向に動く数１０Ｈｚ〜数１００Ｈｚの周波数と
    なるようにハウジングとマスの結合バネ定数ｋを次式
    （１）で決まる値とし、減衰定数ｃを次式（２）で決ま
    る値に最適設定（チューニング）された状態で設置する
    ことを特徴とする、圧延機の振動抑制装置。 【数１】 【数２】
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