JPH09266789A - 初代培養肝細胞の細胞凝集塊とその形成方法 - Google Patents

初代培養肝細胞の細胞凝集塊とその形成方法

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JPH09266789A
JPH09266789A JP8077358A JP7735896A JPH09266789A JP H09266789 A JPH09266789 A JP H09266789A JP 8077358 A JP8077358 A JP 8077358A JP 7735896 A JP7735896 A JP 7735896A JP H09266789 A JPH09266789 A JP H09266789A
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JP
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cell
collagen
hepatocytes
culture
medium
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JP8077358A
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English (en)
Inventor
Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送によってもその構造を保ち、輸送後の培
養再開時に肝細胞機能を良好に発現することのできる初
代培養肝細胞の細胞凝集塊と、簡便な方法で、特殊な装
置等を必要とすることなくこの細胞凝集塊を形成するこ
とのできる方法を提供する。 【解決手段】 コラーゲン含有培地を充填した細胞非付
着性培養面上で初代肝細胞を培養し、培地中のコラーゲ
ンと培養細胞自身が分泌した細胞外マトリックスとの複
合体により抱埋されている細胞凝集塊を得ることを特徴
とする初代培養肝細胞の細胞凝集塊の形成方法と、この
方法によって得られる細胞凝集塊。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、組織培養、細胞
培養等の分野で利用される初代培養肝細胞の細胞凝集塊
とその形成方法に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、短期間の保存または通常の流通手段による
輸送の後も細胞の生存率が高く、しかも肝細胞としての
機能を保持、発現することのできる初代培養肝細胞の細
胞凝集塊と、この凝集塊の形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】生体の組織および細胞の体外培養は、生
物学、医学、薬学、農学など、生物を対象とする全ての
研究領域において不可欠の技術として位置づけされてい
る。また、近年では、遺伝子工学、細胞融合、発生工学
などにおける技術的進歩によって、培養した細胞を、例
えば有用な生理活性物質の生産、人工臓器、薬剤等の毒
性または薬効評価などに積極的に利用する試みが展開さ
れている。そして、これらの研究用あるいは産業用とし
て、培養細胞付きの培養キットが各種市販されるように
なってきてもいる。
【0003】細胞を生体組織から単離し、この細胞(初
代細胞)を培養し、あるいは初代細胞を継代的に培養し
て株化する方法等については既に様々な技術が確立して
いるが、培養細胞を製品として市場に流通させるために
は、短期間の保存または輸送の後にも多くの細胞が生存
し、しかもその本来の機能が保持、発現されるものでな
ければならない。
【0004】従来より、細胞を保存または輸送するため
には、主として2つの方法が採られてきた。一つは、細
胞を凍結させた状態で保存・輸送を行なう方法であり、
もうーつの方法は、培地を充満した培養用のフラスコ内
の培養面に細胞を接着させて培養し、このフラスコを密
封して保存・輸送する方法である。凍結法は、接着系、
浮遊系を問わず広範な細胞種の保存および輸送が可能で
ある。特に、株化細胞は初代培養細胞に比べて凍結によ
るダメージが少ないため、め、株化細胞にはこの凍結法
が用いられることが多い。この方法で保存した培養細胞
は、37℃で速やかに解凍し、培養器中で再び培養を開
始すれば細胞は増殖を開始する。
【0005】フラスコ内培養は、例えば繊維芽細胞、上
皮細胞、血管内皮細胞など増殖力旺盛な細胞の初代培養
細胞を数日間輸送する場合に広く用いられている。それ
らの初代培養細胞は、比較的振動には強いため、フラス
コ内に培地を充満させることにより、輸送中の培地の動
きを抑えて攪拌による細胞の剥離を防止すれば細胞にダ
メージを与えることなく輸送することができる。輸送は
常温20℃前後で行なわれ、細胞はこの問増殖を停止し
ており、フラスコ内の培地を除去して増殖用の培地を加
え、37℃のインキュベーター中で培養すれば細胞は再
び増殖を開始する。増殖力の旺盛な細胞は、このような
フラスコ内培養による保存および輸送が可能であり、単
に細胞の輸送のみを目的とする場合は特に問題はない。
【0006】ところが、肝細胞の場合には、その初代培
養細胞はダメージを受けやすく、凍結や振動により細胞
が死滅するほか、フラスコ内の正常な単層培養であって
も1週問ほどしか生存することができない。このため、
初代培養肝細胞付きの培養キットは最近になっても製品
化されていないのが実情である。一方、近年になって、
細胞の種類によっては培養器の培養面に単層で接着させ
た培養細胞では、その細胞の本来の機能が発現しにくい
ことが指摘されるようになってきた。そして、培養細胞
が、実際の生体内に近似した立体的な構造、すなわち
「細胞凝集塊」を形成した状態においてその生理的機能
を発現しうることが明らかにされてきている。例えば、
肝細胞の場合には、細胞凝集塊を形成することにより、
細胞は長期に亘りアルブミンの合成能を維持したり、薬
物の代謝機能が持続することが報告されている。
【0007】また、癌細胞においては、細胞凝集塊を形
成することによって細胞間構造が実際の癌組織に近似
し、抗癌剤への応答や放射線への感受性を培養条件下で
も正確に評価しうることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】細胞凝集塊を形成させ
るには種々の方法が知られているが、いずれの方法にお
いてもその調製には最低1週間程度の期間と、その間の
面倒な作業が必要であった。そこで、研究目的等に応じ
て必要な細胞凝集塊が随時供給されるようになれば、研
究室等における作業量、時間の大幅な省略化が可能にな
るものと期待される。
【0009】しかしながら、従来の方法によって形成さ
れた細胞凝集塊の場合には、これを通常の流通手段によ
って輸送すると、振動により細胞凝集塊がダメージを受
け、細胞凝集塊としての構造が崩れたり、細胞の機能が
保てなくなるといった問題が生じる。このような事情は
初代培養肝細胞についても同様であり、初代培養肝細胞
の生存期間を延ばし、かつその機能を維持・発現させる
ためには、細胞凝集塊として培養することの必要性が求
められているにも係わらず、振動に耐えられる状態でそ
の細胞凝集塊を形成する方法は見いだされておらず、従
って、初代培養肝細胞の細胞凝集塊を備えた培養キット
の製品化も全く目処がたっていないのが現状である。
【0010】この発明は、以上のとおりの事情に鑑みて
なされたものであって、従来の初代培養肝細胞の細胞凝
集塊における問題点を解決し、輸送によってもその構造
を保ち、輸送後の培養再開時に肝細胞機能を良好に発現
することのできる初代培養肝細胞の細胞凝集塊と、簡便
な方法で、特殊な装置等を必要とすることなくこの細胞
凝集塊を形成することのできる方法を提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための第1の発明として、培地中のコラーゲ
ンと培養細胞自身が分泌した細胞外マトリックスとの複
合体により抱埋されている初代培養肝細胞の細胞凝集塊
を提供する。また、第2の発明として、培地中のコラー
ゲンと培養細胞自身が分泌したた細胞外マトリックスと
の複合体により抱埋された状態で支持体に保持されてい
る初代培養肝細胞の細胞凝集塊を提供する。この第2の
発明においては、支持体が、2次元的または3次元的な
編み目構造または細孔を有するものであることを好まし
い態様としてもいる。
【0012】以上のとおりの構成からなる初代培養肝細
胞の細胞凝集塊は、複数の細胞が強固に接合した細胞凝
集塊であって、その周囲が細胞外マトリックスとコラー
ゲンとの複合体により抱埋されていることにより、振
動、衝撃から保護されていて、輸送によってもその構造
が崩壊することはない。もちろん、輸送後の培養開始時
においてもその細胞機能を良好に発現することができ
る。
【0013】さらにこの発明は、第3の発明として、コ
ラーゲン含有培地を充填した細胞非付着性培養面上で初
代肝細胞を培養し、培地中のコラーゲンと培養細胞自身
が分泌した細胞外マトリックスとの複合体により抱埋さ
れている細胞凝集塊を得ることを特徴とする初代培養肝
細胞の細胞凝集塊の形成方法を提供する。この第3の発
明においては、上記の細胞非付着性培養面が、目的とす
る細胞凝集塊サイズと略同一径の複数の凹みを有し、こ
れらの凹みが互いに接しているか、または細胞凝集塊の
直径の範囲内の間隔で配置されていること、並びに、細
胞非付着性培養面上に2次元的または3次元的な編み目
構造または細孔を有する支持休が着脱自在に配置されて
いることを各々好ましい態様としている。
【0014】さらにまた、第4の発明として、培地を充
填し、コラーゲンを主成分とするゲル上で初代肝細胞を
培養し、ゲル中のコラーゲンと培養細胞自身が分泌した
細胞外マトリックスとの複合体により抱埋されている細
胞凝集塊を形成させた後、コラゲナーゼ処置によりこの
凝集塊をゲルから単離することを特徴とする初代培養肝
細胞の細胞凝集塊の形成方法と提供する。この第4の発
明においては、培地を充填し、コラーゲンを主成分とす
るゲルが、目的とする細胞凝集塊サイズと略同一径の複
数の凹みを有し、これらの凹みが互いに接しているか、
または細胞凝集塊の直径の範囲内の間隔で配置されてい
ること、並びに、細胞非付着性培養面上に2次元的また
は3次元的な編み目構造または細孔を有する支持休が着
脱自在に配置されていることを各々好ましい態様として
いる。
【0015】そして、これらの第3および第4の発明に
おいては、各々、コラーゲン含有培地が、インシュリン
およびデキサメサゾンを含み、そして/または細胞中の
活性酸素を消去する効果を有する成分および/または細
胞中のサイクリックAMP(cAMP)量を増加させる
効果を有する成分を含んでいることを別の態様としても
いる。これらの成分としては、例えば、ジメチルスルホ
キシド、スーパーオキシドジムスターゼ、セルロプラス
ミン、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、L−アスコルビ
ン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、トコフェロ
ール、フラボノイド、尿酸、ビリルビン、含セレン化合
物、トランスフェリン、不飽和脂肪酸、アルブミン、テ
オフィリン、フォルスコリン、グルカゴン、およびヂブ
チルリルcAMPの少なくとも1つとすることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の細胞凝集塊は、培地中
に添加したコラーゲンと細胞自らが分泌した細胞外マト
リックスとの複合体によって抱埋されていることを特徴
とする。そして、このような細胞凝集塊は、コラーゲン
含有培地を充填した細胞非付着性培養面上で初代肝細胞
を培養する方法(第3の発明)、またはコラーゲンを主
成分とするゲル上で初代肝細胞を培養する方法(第4の
発明)によって形成することができる。
【0017】先ず、コラーゲン含有培地を充填した細胞
非付着性培養面上で初代肝細胞を培養する方法について
説明する。この細胞非接着性培養面を使用する場合は、
まず、動物(ラット等)の肝細胞を採取し、細胞浮遊液
を調製し、非接着性を付与した培養器中に播種して培養
を行なう。この時、培養液中にコラーゲンを添加して一
週間ほど培養を続けると、肝細胞は細胞凝集塊を形成す
る。この細胞凝集塊は、自らが分泌した細胞外マトリッ
クス類(例えば、細胞性コラーゲン、プロテオグリカ
ン、ファイブロネクチンなどの多糖類、エラスチン、ヒ
アルロン酸など)と培地中に添加したコラーゲンとの複
合体によって抱埋された形態を形成する。
【0018】このとき用いる細胞非接着性面としては、
一般のシャーレなどの容器の培養面に、細胞非接着性物
をコートしたものなどを用いることができる。細胞非接
着性物としは、アガロース、ポリ−HEMA(ポリ−
(2−ハイドロキシ−エチルメタクリレート)などが挙
げられるが、細胞毒性がなければ、これらに限定される
ものではない。
【0019】培地中に添加するコラーゲンとしては、中
性の1型コラーゲンを用いることができ、培地への添加
濃度としては、培地1リットルあたり、5mg〜50m
gとすることができる。さらに、インシュリンとデキサ
メサゾンを培地に加えると、コラーゲン−細胞外マトリ
ックス複合体の形成速度が早く、また形成効率も高く良
好である。
【0020】また、さらには、培地中に、細胞中の活性
酸素を消去する効果を有する成分、および/または細胞
中のサイクリックAMP(cAMP)量を増加させる効
果のある成分を添加した場合には、細胞凝集塊の形成が
早く、かつ細胞凝集塊の維持も良好となる。このような
効果を有する成分としては、のあるものとして、ジメチ
ルスルホキシド、スーパーオキシドジムスターゼ、セル
ロプラスミン、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、L−ア
スコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、ト
コフェロール、フラボノイド、尿酸、ビリルビン、含セ
レン化合物、トランスフェリン、不飽和脂肪酸、アルブ
ミン、テオフィリン、フォルスコリン、グルカゴン、ヂ
ブチルリルcAMPなどを例示することができる。ま
た、含セレン化合物としては、亜セレン酸ナトリウム、
セレン酸ナトリウム、ジメチルセレニド、セレン化水
素、セレノメチオニン、Se- メチルセレノシステイン、
セレノシスタチオニン、セレノシステイン、セレノホモ
システイン、アデノシン−5’−ホスホセレン酸、Se−
アデノシルセレノメチオニンなどである。
【0021】これらの成分のなかには、これまでにも初
代培養肝細胞での単層培養で用いられているものも存在
するが、細胞凝集塊の形成を目的として使用されたもの
はない。なお、これらの成分の幾つかのものは、過度に
添加すると細胞毒性を示し、目的とする効果を得ること
が出来ないため、それらのついては適度な量を培地中に
添加することが好ましい。例えば、ジメチルスルホキシ
ドの場合は1〜2%、含セレン化合物の場合には10〜
20ng/ml程度が適当である。
【0022】次に、コラーゲンを主成分とするゲル上で
細胞凝集塊を形成させる方法についえ説明する。まず、
コラーゲンを主成分とするゲルは一般的な方法で形成す
ることができる。すなわち、ペプシン処理した酸可溶化
コラーゲンの酸性溶液に、塩類等の調製溶液を加え、ア
ルカリ溶液により中和した溶液を、一般のシャーレなど
の培養器中に流し込み、37℃で加温してゲルを形成す
る。コラーゲンゲルが調製できたら、上記細胞非接着性
培養面を用いる方法と同様にして細胞浮遊液を調製し、
コラーゲンゲルを形成させた培養器中に播種して培養を
行なう。3日〜1週問ほど培養を続けると、肝細胞は細
胞凝集塊を形成する。この時この細胞凝集塊はコラーゲ
ンゲルに接着している。次に、肝細胞を動物組織から採
取する際に使用したコラゲナーゼ液を培養器中に加え、
37℃にて加温する。これによってコラーゲンゲルが消
化され、細胞凝集塊形成過程で細胞自身が分泌した細胞
外マトリックス類と、消化されたコラーゲンとの複合体
中に抱埋された細胞凝集塊を得ることができる。
【0023】この方法の場合も、培地中に、インシュリ
ン、デキサメサゾンを添加することによって、細胞凝集
塊の形成は良好となる。さらには、上記と同様に、培地
中に細胞中の活性酸素を消去する効果を有する成分およ
び/または細胞中のサイクリックAMP(cAMP)量
を増加させる効果のある成分を添加することも、細胞凝
集塊の形成およびその後の維持維持に有効である。
【0024】なお、細胞非接着性培養面を用いる方法、
コラーゲンゲルを用いる方法のいずれにおいても、フリ
ーな状態の細胞凝集塊を抱埋したコラーゲン−細胞外マ
トリックス複合体は、自らの粘着性のために小さく固ま
ってしまうことがある。これを防ぐためには、コラーゲ
ン−細胞外マトリックスで抱埋した細胞凝集塊を支持体
で保持するようにすると取り扱いが容易となる。支持体
としては、2次元的または3次元的な編み目構造または
細孔を有するものであって、ピンセット等で取り扱うの
に十分な強度を有し、かつ細胞毒性のなく、細胞接着性
の少ないものが好ましい。例えば、ポリエステルやポリ
エチレンなどのメッシュやウレタンスポンジなどであ
る。
【0025】このような支持体を、細胞播種時に、非接
着培養面またはコラーゲンを主成分とするゲル上に導入
すれば、細胞凝集塊形成時に、コラーゲン−細胞外マト
リックス複合体が支持体に付着して、支持体に支えられ
た細胞凝集塊集団を得ることができる。細胞凝集塊の大
きさとしては、肝細胞の機能維持、機能発現を考慮した
場合には、細胞数として6、7個〜数十個の範囲内とす
ることが好ましい。また、埋想とするサイズの均一な細
胞凝集塊を得るためには、使用する細胞非付着性培養面
上に、目的とする細胞凝集塊と略同一径の複数の凹みを
導入する。これらの凹みが互いに接しているか、あるい
は目的とする細胞凝集塊の直径の範囲内であれば、細胞
を播種した際、播種した細胞は凹みと凹みの間で細胞凝
集塊を形成することなく、確実に凹みの中でその容積に
応じた大きさの細胞凝集塊形成し、これらの細胞凝集塊
は培地に添加したコラーゲンと自らが分泌した細胞外マ
トリックス類との複合体中に抱埋され、均一サイズの細
胞凝集塊集団を得ることができる。なお、凹みの形状と
しては半球または円錐上が好ましい。
【0026】コラーゲンを主成分とするゲル上で細胞凝
集塊を形成させる場合も、同様な凹みをコラーゲンゲル
表面に導入することができる。導人の方法としては、コ
ラーゲンを主成分とするゲルの形成時に、ゲル化させる
前即ち溶液状の時点で凹みを形成するための突起を有す
る型を使用すれば良い。型としては、ゲル溶液より比重
の軽い材質のものを使用すれば、突起部を下向きにして
ゲル溶液上に浮かせながら溶液をゲル化させ、その後に
型を除去することにより、容易にゲル表面に凹みを導入
することができる。
【0027】以上の各方法によって得られた細胞凝集塊
は、乾燥および菌などによるコンタミを防止する目的で
容器を蓋などで密閉し、輸送および保存を行なう。コラ
ーゲンと細胞外マトリックスの複合休は振動および衝撃
の吸収材となり、輸送中の振動や衝撃が細胞凝集塊に及
ぶことがないため、細胞がダメージを受けず、肝細胞の
機能が良好に維持される。
【0028】なお、このようにして形成し、あるいは保
存、輸送した細胞凝集塊を、再培養する場合には、例え
ば、ポリ−HEMA等をコートした培養器などの細胞非
接着性培養器中、あるいはコラーゲンゲル上に細胞凝集
塊を移し、使用する培地を加えて37℃で培養を開始す
ればよい。保存および輸送中の細胞のダメージがないた
め、再培養された肝細胞は、細胞の生存率が高く、細胞
凝集塊の形態を保持し、細胞機能を保持したまま、長期
に亘る培養が可能である。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示してこの発明についてさら
に詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に
限定されるものではない。 実施例1 0.3%酸性コラーゲン1型溶液に、10倍濃度PBS
(−)および0.01N水酸化ナトリウム水溶液を氷冷
下8:1:1の割合で無菌的に混合し、培養面積9cm
2 のポリスチレン樹脂製培養用シャーレに2ml分注
し、37℃で加温してコラーゲンゲルを形成した。一
方、コラゲナーゼ還流法により、ラット (ウィスター
系:雄:5週令) より肝実質細胞を採取し、10%FB
S、10-7Mインシュリン、10-7Mデキサメサゾン、
0.5mMヂブチルリルcAMPを添加したウィリアム
スE培地を用い、シャーレあたり1×106 個の細胞を
播種した。播種後、2時間で培地交換を行ない、ポリエ
チレン製のメッシュをゲル上に配設し、その後、2日毎
に培地交換を行ない、7日間培養して初代培養肝細胞の
細胞凝集塊を形成させた。培地除去後、PBS(−)で
軽く洗った後、細胞採取の際用いたコラゲナーゼ環流液
をシャーレ当たり1ml加え、37℃で10分間インキ
ュベートし、ピンセットによりメッシュを取り出し、P
BS(−)で良くすすいでコラゲナーゼ液を除去し、メ
ッシュ中でコラーゲン−細胞外マトリックスに抱埋され
たラッ卜初代培養肝細胞の細胞凝集塊を得た。この細胞
凝集塊を含むメッシュを密閉容器中に移し、細胞凝集塊
形成に用いた培地を満たし、キャップを施し、輸送試験
を行なった後、培養試験に供した。 実施例2 培養面積9cm2 のポリスチレン樹脂製培養用シャーレ
の培養面にポリ−HEMAでコートを施し、細胞非接着
性培養面とした。また、コラゲナーゼ還流法により、ラ
ット(ウィスター系:雄:5週令)より肝実質細胞を採
取した。一方、10%FBS、10-7Mインシュリン、
10-7Mデキサメサゾン、0.5mMヂブチルリルcA
MPを添加したウィリアムスE培地を調製するとおも
に、0.3%酸性コラーゲン1型溶液に、10倍濃度1
0倍濃度PBS(−)および0.01N水酸化ナトリウ
ム水溶液を氷冷下8:1:1の割合で無菌的に混合して
中性のコラーゲン溶液を調製し、氷冷下このコラーゲン
中性液を上記培地に1リットル当たり10ml加え、細
胞凝集塊形成用培地とした。シャーレあたり1×10 6
個の細胞を播種し、ポリエチレン製のメッシュをゲル上
に配設した後、細胞凝集塊形成用培地で、播種後2時間
で培地交換を行い、7日間培養し、メッシュ中でコラー
ゲン−細胞外マトリックスに抱埋されたラッ卜初代培養
肝細胞の細胞凝集塊を得た。この細胞凝集塊を保持した
メッシュを密封容器中に移し、細胞凝集塊形成に用いた
培地を満たし、キャップを施し、輸送試験を行なった
後、培養試験に供した。 比較例1 0.3%酸性コラーゲン1型溶液に、10倍濃度PBS
(−)および0.01N水酸化ナトリウム水溶液を氷冷
下8:1:1の割合で無菌的に混合し、培養面積25c
2 のポリスチレン樹脂製培養用フラスコに2ml分注
し、37℃で加温してコラーゲンゲルを形成した。一
方、コラゲナーゼ還流法により、ラット (ウィスター
系:雄:5週令) より肝実質細胞を採取し、10%FB
S、10-7Mインシュリン、10-7Mデキサメサゾン、
0.5mMヂブチルリルcAMPを添加したウィリアム
スE培地を用い、フラスコあたり1×106 個の細胞を
播種した。播種後、2時間で培地交換を行ない、その
後、2日毎に培地交換を行ない、7日間培養して初代培
養肝細胞の細胞凝集塊を形成させた。一方、L−15培
地粉末を通常の濃度で加えて濾過滅菌を施し、重炭酸ナ
トリウムを加えpHを7.4に調整し、フラスコ中に充満
し、輸送試験を行なった後、培養試験に供した。 比較例2 0.3%酸性コラーゲン1型溶液をPBS(−)で10
倍に希釈した溶液を培養面積25cm2 のポリスチレン
樹脂製培養用フラスコに5ml分注し、37℃で加温し
てコラーゲンコートした。一方、コラゲナーゼ還流法に
より、ラット (ウィスター系:雄:5週令) より肝実質
細胞を採取し、10%FBS、10-7Mインシュリン、
10-7Mデキサメサゾン、0.5mMヂブチルリルcA
MPを添加したウィリアムスE培地を用い、フラスコあ
たり1×106 個の細胞を播種した。播種後、2時間で
培地交換を行ない、その後、2日毎に培地交換を行な
い、単層培養で7日間培養した。上記培地をフラスコ内
に充満させ、輸送試験を行なった後、培養試験に供し
た。 比較例3 0.3%酸性コラーゲン1型溶液に、10倍濃度PBS
(−)および0.01N水酸化ナトリウム水溶液を氷冷
下8:1:1の割合で無菌的に混合し、培養面積25c
2 のポリスチレン樹脂製培養用フラスコに2ml分注
し、37℃で加温してコラーゲンゲルを形成した。一
方、コラゲナーゼ還流法により、ラット (ウィスター
系:雄:5週令) より肝実質細胞を採取し、10%FB
S、10-7Mインシュリン、10-7Mデキサメサゾン、
0.5mMヂブチルリルcAMPを添加したウィリアム
スE培地を用い、フラスコあたり1×106 個の細胞を
播種した。播種後、2時間で培地交換を行ない、その
後、2日毎に培地交換を行ない、7日間培養して初代培
養肝細胞の細胞凝集塊を形成させ、そのままの状態で3
7℃で培養を続けた。 試験例 実施例1、2と比較例1の細胞凝集塊、および比較例2
の単層培養細胞をトラック便にて3日問に亘り往復13
00キロを輪送し、以下の試験を実施した。なお、実施
例1および2については、10%FBS含有ウィリアム
スE培地にインシュリン、グルカゴン、デキサメサゾ
ン、EGFを添加した培地を加え通常の37℃での培養
を行なった。比較例1、比較例2については、輸送後、
上記培地を加え通常の37℃の培養を行なった。比較例
3については輪送は行なわず、上記培地で通常の37℃
での培養を続けた。 <生細胞数測定および細胞形態観察>輸送後の通常の培
養開始後、12時間後の生細胞数を測定し、比較例3の
生細胞数を100として実施例1、実施例2、比較例1
および比較例2と比較した。 <細胞機能試験>通常の培養再開後3日、7日および1
5日 (細胞採取後13日、17日、25日)における培
地中のアルブミン量を測定し、比較例3のアルブミン量
を100として実施例1、実施例2、比較例1および比
較例2と比較した。
【0030】各観察、測定の結果は表1に示した通りで
ある。この表1に結果からも明らかなように、この発明
の方法によって形成した細胞凝集塊は、輸送によっても
肝細胞に損傷を与えることなく、輸送後も肝細胞の機能
が変わらず維持されていることが確認された。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、肝細胞機能を保持した状態で保存および輸送が
可能な初代培養肝細胞の細胞凝集塊が提供される。これ
によって、機能発現能を有する初代培養肝細胞を備えた
培養細胞キットの製品化が可能となる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培地中のコラーゲンと培養細胞自身が分
    泌した細胞外マトリックスとの複合体により抱埋されて
    いる初代培養肝細胞の細胞凝集塊。
  2. 【請求項2】 培地中のコラーゲンと培養細胞自身が分
    泌したた細胞外マトリックスとの複合体により抱埋され
    た状態で支持体に保持されている初代培養肝細胞の細胞
    凝集塊。
  3. 【請求項3】 支持体が、2次元的または3次元的な編
    み目構造を有するか、または細孔を有するものである請
    求項2の初代培養肝細胞の細胞凝集塊。
  4. 【請求項4】 コラーゲン含有培地を充填した細胞非付
    着性培養面上で初代肝細胞を培養し、培地中のコラーゲ
    ンと培養細胞自身が分泌した細胞外マトリックスとの複
    合体により抱埋されている細胞凝集塊を得ることを特徴
    とする初代培養肝細胞の細胞凝集塊の形成方法。
  5. 【請求項5】 コラーゲン含有培地が、インシュリンお
    よびデキサメサゾンを含んでいる請求項4の初代培養肝
    細胞の細胞凝集塊の形成方法。
  6. 【請求項6】 コラーゲン含有培地が、細胞中の活性酸
    素を消去する効果を有する成分および/または細胞中の
    サイクリックAMP(cAMP)量を増加させる効果を
    有する成分を含んでいる請求項4または5の初代培養肝
    細胞の細胞凝集塊の形成方法。
  7. 【請求項7】 コラーゲン含有培地が含んでいる成分
    が、ジメチルスルホキシド、スーパーオキシドジムスタ
    ーゼ、セルロプラスミン、カタラーゼ、ペルオキシダー
    ゼ、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エ
    ステル、トコフェロール、フラボノイド、尿酸、ビリル
    ビン、含セレン化合物、トランスフェリン、不飽和脂肪
    酸、アルブミン、テオフィリン、フォルスコリン、グル
    カゴン、およびヂブチルリルcAMPの少なくとも1つ
    である請求項6の初代培養肝細胞の細胞凝集塊の形成方
    法。
  8. 【請求項8】 細胞非付着性培養面が、目的とする細胞
    凝集塊サイズと略同一径の複数の凹みを有し、これらの
    凹みが互いに接しているか、または細胞凝集塊の直径の
    範囲内の間隔で配置されている請求項4の初代培養肝細
    胞細胞凝集塊の形成方法。
  9. 【請求項9】 細胞非付着性培養面上に、2次元的また
    は3次元的な編み目構造または細孔を有する支持休が着
    脱自在に配置されている請求項4の初代培養肝細胞の細
    胞凝集塊の形成方法。
  10. 【請求項10】 培地を充填し、コラーゲンを主成分と
    するゲル上で初代肝細胞を培養し、ゲル中のコラーゲン
    と培養細胞自身が分泌した細胞外マトリックスとの複合
    体により抱埋されている細胞凝集塊を形成させた後、コ
    ラゲナーゼ処置によりこの凝集塊をゲルから単離するこ
    とを特徴とする初代培養肝細胞の細胞凝集塊の形成方
    法。
  11. 【請求項11】 培地またはゲルが、インシュリンおよ
    びデキサメサゾンを含んでいる請求項10の初代培養肝
    細胞の細胞凝集塊の形成方法。
  12. 【請求項12】 培地またはゲルが、細胞中の活性酸素
    を消去する効果を有する成分および/または細胞中のサ
    イクリックAMP(cAMP)量を増加させる効果を有
    する成分を含んでいる請求項10または11の初代培養
    肝細胞の細胞凝集塊の形成方法。
  13. 【請求項13】 培地またはゲルが含んでいる成分が、
    ジメチルスルホキシド、スーパーオキシドジムスター
    ゼ、セルロプラスミン、カタラーゼ、ペルオキシダー
    ゼ、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エ
    ステル、トコフェロール、フラボノイド、尿酸、ビリル
    ビン、含セレン化合物、トランスフェリン、不飽和脂肪
    酸、アルブミン、テオフィリン、フォルスコリン、グル
    カゴン、およびヂブチルリルcAMPの少なくとも1つ
    である請求項12の初代培養肝細胞の細胞凝集塊の形成
    方法。
  14. 【請求項14】 コラーゲンを主成分とするゲルが、目
    的とする細胞凝集塊サイズと略同一径の複数の凹みを有
    し、これらの凹みが互いに接しているか、または細胞凝
    集塊の直径の範囲内の間隔で配置されている請求項10
    の初代培養肝細胞細胞凝集塊の形成方法。
  15. 【請求項15】 コラーゲンを主成分とするゲル上に、
    2次元的または3次元的な編み目構造または細孔を有す
    る支持休が着脱自在に配置されている請求項10の初代
    培養肝細胞の細胞凝集塊の形成方法。
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