JPH09266432A - 弾性表面波マッチドフィルタ及びこれを用いた通信システムとこの受信装置 - Google Patents

弾性表面波マッチドフィルタ及びこれを用いた通信システムとこの受信装置

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JPH09266432A
JPH09266432A JP8074182A JP7418296A JPH09266432A JP H09266432 A JPH09266432 A JP H09266432A JP 8074182 A JP8074182 A JP 8074182A JP 7418296 A JP7418296 A JP 7418296A JP H09266432 A JPH09266432 A JP H09266432A
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acoustic wave
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JP8074182A
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Akane Yokota
あかね 横田
Kouichi Egara
光一 江柄
Tadashi Eguchi
正 江口
Takahiro Hachisu
高弘 蜂巣
Akihiro Koyama
晃広 小山
Akira Torisawa
章 鳥沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力電極上を伝搬する弾性表面波が出力電極
の外部に拡散することを抑制し、損失の少ない弾性表面
波マッチドフィルタを提供する。 【解決手段】 圧電基板上に入力用すだれ状電極と出力
用すだれ状電極とを有し、上記入力用すだれ状電極によ
って弾性表面波を励起し、ある定められた符号列に合わ
せて配置された出力用すだれ状電極で信号を受け取るこ
とによって上記符号に一致した符号列の信号を検出する
弾性表面波マッチドフィルタにおいて、入力電極が励振
する弾性表面波の伝搬方向に導波路を設け、該導波路上
に出力電極指の交差部分を配置することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波マッチド
フィルタ及びこれを用いた通信システムと通信システム
の受信装置とに関する。
【0002】
【従来例】近年、マッチドフィルタ、特に弾性表面波
(Surface Acoustic Wave;SAW)マッチドフィルタ
は、スペクトラム拡散(Spread Spectrum ;SS)通信
を行うにあたって、同期確立のためのデバイスとして、
その重要性が増大しつつあり、その開発、研究が進んで
いる。
【0003】ここで、マッチドフィルタは、所定の符号
列に従った信号に対して相関値を得るものであるが、一
般にSAW素子を利用し、アナログ信号用の遅延線とも
考えられ、入力電極により励振されたSAWの伝搬路途
中に一定間隔で電極を取り付け、中間的な遅延量の信号
を中間タップとして多数取り出せる構造になっている。
それぞれのタップの間隔は丁度遅延量が所定の符号列、
例えばPN系列のチップ幅に相当するように設定されて
いる。アナログ波形を扱うタップ付遅延線であるSAW
マッチドフィルタは、入力された信号が順次一方向にシ
フトされ、所定の符号列の信号分が到着し、その符号列
と同一のタップ列のときに相関関係が一致して相関ピー
クを得ることができる。この相関ピークは、各タップの
出力が全て加算され、空間積分を行うことによって得ら
れる。従って、積分による時間遅れがなく、高速相関動
作が可能である。
【0004】図13はこのような従来のSAWマッチド
フィルタを示す概略図である。図において、101はS
Tカット水晶やニオブ酸リチウムなどの圧電基板、12
1は入力ブスバー1211,1212を有する電気信号
を弾性表面波に変換する入力用すだれ状電極(InterDeg
ital Transducer;IDT)、131は出力電極であ
る。図で示したSAWマッチドフィルタでは入力電極の
電極指交差幅と出力電極の電極指の交差幅は等しく、入
力電極で励振された弾性表面波が効率良く出力電極に入
力される構成になっている。1321、1322は出力
信号用のブスバーで、通常一方を出力端子とし、他方は
接地電位に接続される。また、1311、1312、1
313…、131xは出力電極131の電極指対であ
る。各電極指対1311、1312、1313…、13
1xを構成する電極指のうち、どちらの電極指をブスバ
ー1321に接続するかは、入力電極に入力される信号
のPN符号に合わせて決められている。例えば図13の
構成で、電極指対1311を1とすると、110101
1……01の符号列を例示している。
【0005】これらの出力電極の電極指対の間隔は、入
力電極121から発生した弾性表面波がPN符号列の1
チップ長の時間で伝搬する距離に相当する。
【0006】これらの入力電極121及び出力電極13
1はアルミニウムなどの導電性材料からなり、通常フォ
トリソグラフィー技術を用いて圧電基板101上に直接
形成される。
【0007】このような構成のSAWマッチドフィルタ
において、入力電極121にPN符号を掛け合わせた搬
送角周波数ωの電気信号を入力すると、基板の圧電効果
により電気信号から弾性表面波に変換される。たとえ
ば、PN符号が2値信号の場合、符号値が変わるごとに
位相が反転する弾性表面波が、入力電極121より励振
され、入力電極121の両側に伝搬する。出力電極13
1では、構成している電極指対1311、1312、1
313…、131xの電極方向は、用いるPN符号に合
わせて決められ、形成されている。電極指対の間隔は、
入力電極121から発生した弾性表面波が、PN符号列
の1チップ長の時間で伝搬する距離に相当しているた
め、入力電極121で励振された弾性表面波が1チップ
長(1ビット区間)の時間だけ伝搬したときのみ、入力
電極121より出力電極131へ伝搬してきた弾性表面
波と出力電極指対1311、1312、1313、…、
131xのすべての位相が一致し、大きな出力電気信号
が得られる。この出力信号は1つのPN符号列が出力電
極131を伝搬し終わる毎に出力されるため、入力信号
の符号に同期した同期信号が得られることとなる。
【0008】このような弾性表面波マッチドフィルタの
しくみは「弾性表面波工学;200−205頁:電子通
信学会、柴山乾夫監修」などに詳述されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな弾性表面波マッチドフィルタでは、入力電極121
で励起された弾性表面波は出力電極131の電極指対1
311、1312、1313、…、131xを通過する
ごとに弾性表面波の一部が電気信号に変換されるので、
入力電極121から遠ざかる毎に弾性表面波の強度が徐
々に弱くなるという問題があった。また、入力電極12
1で励起された弾性表面波は、出力電極131に入らず
に漏れ出ていったり、出力電極131の外部にバルク波
とともに拡散しながら伝搬していくので、入力電極12
1から離れている出力電極指対では、入力電極121の
近くにある出力電極指対に比べ、伝搬してきた弾性表面
波の強度が弱くなる。
【0010】例えば、圧電基板101としてSTカット
水晶基板など電気機械結合係数の小さい基板を用いる場
合では、電極指対1311、1312、1313、…、
131xを通過するごとに弾性表面波の一部が電気信号
に変換されてしまうことによる損失よりも、弾性表面波
が出力電極131の外部に拡散しながら伝搬していくこ
とによる損失の方が大きいので、出力電極131の外部
に弾性表面波が拡散するのを抑制する必要がある。上記
損失により、弾性表面波マッチドフィルタで得られる出
力電気信号は入力電極121の近くにある出力電極指対
から得られる信号ほど強度が強い信号となるので、早く
入力された信号ほど出力電極から得られる出力信号のレ
ベルが低下する。結果として、SAWマッチドフィルタ
の出力信号レベルが低下してしまうという問題があっ
た。さらに、該出力信号を同期信号として用いる通信シ
ステムや通信システムの受信装置では、同期が不安定と
なり、信頼性が低下するという問題があった。
【0011】また、このような弾性表面波マッチドフィ
ルタでは、出力電極131の電極指対の総数は、PN符
号の符号長によって決定される。したがって、PN符号
の符号長が長い場合には出力電極131の電極指対の総
数が増え、出力電極131のインピーダンスが低くなっ
てしまうという問題があった。
【0012】この場合、出力電極131の電極指対の総
数を一定とすると、出力電極の電極指の交差幅を狭める
ことで、出力電極131のインピーダンスを大きくする
ことができる。従来例で示したようなSAWマッチドフ
ィルタでは、入力電極121の電極指の交差幅と出力電
極131の電極指の交差幅を等しくして、入力電極12
1で励振された弾性表面波が効率良く出力電極131に
入力される構造となっている。従って、出力電極131
の電極指の交差幅を狭めた場合は、入力電極121の電
極指の交差幅も狭めて、出力電極131の入口端面での
弾性表面波の漏れを抑制する必要がある。しかし、出力
電極131の電極指の交差幅を狭めると、出力電極13
1のインピーダンスは大きくなり、インピーダンス整合
が取りやすくなるが、弾性表面波は出力電極131の外
部に拡散しやすくなり損失が多くなるという問題があっ
た。また、出力電極131の交差幅に合せて入力電極1
21の電極指の交差幅を狭めると、入力電極121のイ
ンピーダンスが高くなってしまい、外部回路のインピー
ダンス整合が困難になるという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
弾性表面波が出力電極の外部に拡散することによる損失
を抑制し、出力電気信号レベルの高い弾性表面波マッチ
ドフィルタを提供することにある。
【0014】本発明の第2の目的は、出力電極の出力イ
ンピーダンス整合が容易な弾性表面波マッチドフィルタ
を提供することにある。
【0015】本発明の第3の目的は、入力電極のインピ
ーダンス整合が容易な弾性表面波マッチドフィルタを提
供することにある。
【0016】本発明の第4の目的は、同期が確実に捕捉
できる信頼性の高い通信システムと通信システムの受信
装置を提供することにある。
【0017】上記第1の目的は、圧電基板上に入力用す
だれ状電極と出力用すだれ状電極とを有し、上記入力用
すだれ状電極によって弾性表面波を励起し、ある定めら
れた符号列に合わせて配置された出力用すだれ状電極の
電極指対によって前記弾性表面波信号に一致した符号列
の信号のみを伝達する弾性表面波マッチドフィルタにお
いて、上記圧電基板の主面上に入力用すだれ状電極が励
振する弾性表面波の伝搬方向に沿って導波路を設け、該
導波路に少なくとも出力用すだれ状電極の電極指対の交
差部を設けたことで達成される。
【0018】上記第2の目的は、導波路の幅を狭め、該
導波路に配置された出力電極の交差部分の幅を狭めた構
成とすることによって達成される。
【0019】上記第3の目的は、入力電極の形状を、弾
性表面波が導波路の入口端面に集中するような形状と
し、入力電極の交差幅を広げる構成とすることによって
達成される。
【0020】上記第4の目的は、通信システム及び通信
システムで用いる受信装置において、上記弾性表面波マ
ッチドフィルタを、受信側の同期信号検出素子として用
いることによって達成される。
【0021】上記弾性表面波マッチドフィルタに用いる
上記圧電基板としては、温度による速度変化が概略0で
あるか、または、上記圧電基板上に薄膜を付けることに
よって温度による速度変化が概略0になるような圧電基
板を用いることが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の上記手段によれば、入力電極で励振さ
れた弾性表面波は圧電基板上に形成された導波路内にエ
ネルギーを集中して伝搬していくことが可能となる。し
たがって、拡散による損失が少なく、導波路上に配置さ
れた出力電極によって、相関ピークの高い出力電気信号
を取り出すことができる。
【0023】また、入力電極で励振された弾性表面波は
圧電基板上に形成された導波路内にエネルギーを集中し
て伝搬していくので、導波路の幅を狭めても弾性表面波
は拡散することなく導波路内を伝搬していくことが可能
となる。したがって、導波路の幅を狭めることによって
導波路に配置された出力電極の電極指対の交差幅を狭
め、出力電極のインピーダンス整合が容易になる。
【0024】さらに、入力電極を、入力電極で励振され
た弾性表面波が出力電極の入口端面に集中するような形
状とすることで交差幅を広げ、入力電極のインピーダン
ス整合が容易になる。
【0025】また、温度特性を一定とすることで、環境
変化の大きな使用状態であっても、安定した出力信号が
得られる。
【0026】また、スペクトラム拡散方式の通信システ
ムや該通信システムで用いる受信装置において、安定性
の高い同期信号を検出することで、同期捕捉の安定性及
び信頼性が向上し、正確な復調を行なうことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】[第1の実施形態]図1,図2は本発明に
よるSAWマッチドフィルタの第1の実施形態を示すも
のである。図1は弾性表面波マッチドフィルタの概略
図、図2はこの弾性表面波装置の概略平面図である。図
1,図2において、101はSTカット水晶などの圧電
基板で、圧電基板101の一主面上に凸状部102を形
成してある。121は入力電極、1211、1212は
入力信号用のブスバー、131は出力電極、1321、
1322は出力信号用のブスバーである。また、131
1、1312、1313、…、131xは出力電極13
1の電極指対である。各電極指対1311、1312、
1313、…、131xを構成する電極指のうち、どち
らの電極指をブスバー1321に接続するかは、入力電
極に入力される信号の例えばPN符号の1ビット区間の
符号列に合わせて決められている。図2に示す電極指対
の場合、電極指対1311が例えば1の符号に対応する
とすれば、該出力電極131は1101011……01
の符号に該当する。
【0029】また、これらの電極指対の間隔は、入力電
極121から発生した弾性表面波が、符号列の1チップ
長の時間で伝搬する距離に相当している。入力電極12
1および出力電極131の電極指対1311、131
2、1313、…、131xの交差部分は圧電基板10
1に形成された凸状部102上に配置され、出力信号用
ブスバー1321、1322は圧電基板101上に配置
される。これらの電極は、例えばアルミニウムなどの導
電性材料からなり、通常フォトリソグラフィー技術を用
いて圧電基板上に直接形成される。また、凸状部102
は圧電基板101の表面を除去して形成する。
【0030】本実施形態では圧電基板101上に形成さ
れた凸状部102がいわゆるトポグラフィック導波路と
して作用する。トポグラフィック導波路とは弾性表面波
が基板上の凸状部を導波路として伝搬することを利用し
たもので、弾性表面波の閉じ込め効果が大きい。したが
って、凸状部102と同一平面上にある入力電極121
で励振された弾性表面波は、出力電極131の外部に拡
散することなく凸状部102の表面を伝搬し、出力電極
131の各電極指対1311、1312、1313、
…、131xによって出力電気信号として取り出され
る。
【0031】出力電極131の各電極指対で得られる出
力電気信号のレベルは入力IDTからの距離によらず、
ほぼ等しくなるので、出力電極から得られる出力電気信
号レベルが向上する。そして、この出力電気信号を用い
た同期信号は安定したものとなり、同期捕捉及び同期追
跡を確実なものとする相関ピークを継続して得ることが
できる。
【0032】また、上記圧電基板として、温度による速
度変化が概略0であるか、または、圧電基板上に薄膜を
付けることによって温度による速度変化が概略0になる
ような圧電基板を用いることで、温度変化に対しても安
定した出力信号を得ることができる。
【0033】なお、本実施形態においては、凸状部10
2の側面と圧電基板101の表面がほぼ直角となってい
る例を示したが、凸状部102の側面と圧電基板101
の表面とが斜めになっていてもよい。
【0034】[第2の実施形態]図3は本発明による弾
性表面波マッチドフィルタの第2の実施形態を示す概略
図である。同図において、図1に示した部材と同様な部
材には同一符号を付し、重複する説明を一部省略する。
図3において、入力電極121の各電極指の交差部分お
よび出力電極131の電極指対1311、1312、1
313、…、131xの交差部分を圧電基板101に形
成された凸状部102上に配置したことが、第1の実施
形態と異なる。
【0035】かかる構造の弾性表面波マッチドフィルタ
は、入力電極121にて励振された弾性表面波は出力電
極131方向に進行し、凸状部102にSAWエネルギ
ーを閉じこめられてその表面に沿って伝送し、各出力電
極131の電極指対で電気信号に変換されて出力され
る。この際、凸状部102に励振されたSAWが入力部
分から閉じこめられて伝達するので、入力電極121で
励振された弾性表面波が出力電極131の電極指対の所
定の符号列に一致した場合に、高い信号レベルの出力信
号を得ることができる。
【0036】[第3の実施形態]また、本実施形態で
は、入力電極121または出力電極131の少なくとも
どちらか一方の電極をダブル電極(スプリット電極)と
することで、該電極内での弾性表面波の反射を抑制し、
弾性表面波マッチドフィルタの特性を良好なものとする
ことができる。その一例として、出力電極131をダブ
ル電極とした場合を図4に示す。ここでは出力電極13
1をダブル電極としているが、入力電極121をダブル
電極としてもよい。また、入力電極および出力電極の両
方をダブル電極としてもよい。
【0037】この圧電基板の形状は第1の実施形態と同
様であるが、出力電極の各電極指をダブル電極とし、凸
状部102の上に出力電極指の交差部分を配置してもよ
い。出力電極指をダブル電極とすることによって、出力
電極内でのSAWの反射が抑制されるので、入力電極1
21から遠い終端までSAWエネルギーの減衰を抑制
し、さらに高い相関ピークを得ることができる。
【0038】[第4の実施形態]図5は本発明による弾
性表面波マッチドフィルタの他の実施形態を示す概略図
である。同図において、図2と同様な部材には同一符号
を付けて表している。図中、211は出力電極131側
に中心を有する概略円弧状の入力電極、212は圧電基
板101上に設けられた凸状部で、導波路として作用す
る。該凸状部212上には出力電極131の電極指の交
差部分である電極指対1311,1312,1313,
…,131Xおよび入力電極211が配置されている。
この場合、圧電基板の形状は第1の実施形態と同様であ
る。
【0039】本実施形態の基本的な作用は図1で説明し
た第1の実施形態と同様である。加えて、入力電極21
1の形状を概略円弧状とし、励振する弾性表面波を出力
電極131の入口端面に集中させることで、該弾性表面
波は外部に拡散することなく、凸状部212上に形成さ
れている出力電極131に入力される。ここで、凸状部
212は導波路として作用している。したがって、弾性
表面波は導波路内にエネルギーを集中して伝搬していく
ことが可能であり、損失の少ない弾性波マッチドフィル
タが得られる。
【0040】また、入力電極211で励振された弾性表
面波は導波路内にエネルギーを集中して伝搬していくの
で、凸状部212上に形成されている出力電極131の
交差幅を狭めても弾性表面波は拡散することなく、出力
電極を伝搬していく。したがって、出力電極131の電
極指の交差路を狭くして出力電極131のインピーダン
スを大きくし、外部回路とのインピーダンス整合が容易
となる。
【0041】また、入力電極211の形状を概略円弧と
することで、入力電極211の交差幅を広げてインピー
ダンスを小さくすることが可能となり、外部回路とのイ
ンピーダンス整合が容易となる。
【0042】なお、本実施形態においては、凸状部21
2の側面と圧電基板101の表面がほぼ直角となってい
る例を示したが、凸状部212の側面と圧電基板101
の表面とが斜めになっていてもよい。この点は第1の実
施形態と同様である。
【0043】また、本実施形態では、入力電極211の
形状が概略円弧状のものを用いた場合を示したが、たと
えば、入力電極と出力電極との間に金属膜を概略台形状
に形成したホーンを用いた入力電極や、音響レンズを用
いた入力電極など、入力電極で励振された弾性表面波が
出力電極の入口端面に集中するような形状の入力電極で
あればよい。
【0044】また、本実施形態における入力電極または
出力電極の少なくともどちらか一方の電極にダブル電極
を用いることで、該電極内での弾性表面波の反射を抑制
し、弾性表面波素子の特性を良好なものとすることがで
きる。
【0045】[第5の実施形態]図6は本発明による弾
性表面波マッチドフィルタの他の実施形態を示す概略
図、図7はその概略平面図である。図6,図7におい
て、図1,図2と同様な部材は同一符号を付けて表して
いる。図中、202は弾性表面波の伝搬速度が上記圧電
基板より遅い薄膜を圧電基板上に形成し、薄膜202を
導波路として用いるもので、薄膜202は、いわゆる薄
膜リボン導波路として作用する。薄膜リボン導波路とは
弾性表面波の伝搬速度が上記圧電基板より遅い薄膜を用
いることで導波路を形成し、該導波路に弾性表面波を閉
じ込めるもので、弾性表面波の閉じ込め効果が大きい。
したがって、ブスバー1211,1212を有する入力
電極121で励振された弾性表面波は出力電極131の
外部に拡散することなく薄膜202上を伝搬し、出力電
極131の各電極指対1311、1312、1313、
…、131xによって出力電気信号に変換され、信号レ
ベルの高い出力信号を得ることができる。さらに、この
出力電気信号を用いた同期信号は安定したものとなり、
同期のタイミングを一定にすることが可能となる。
【0046】また、本実施形態では出力電極131のみ
を薄膜202に配置した例を示したが、入力電極121
の各電極指の交差部分および出力電極131の電極指対
1311、1312、1313、…、131xの交差部
分を共に薄膜202に形成してもよい。こうすること
で、入力電極で励振された弾性表面波は、拡散すること
なく薄膜202上を伝達することができる。
【0047】また、本実施形態における入力電極または
出力電極の少なくともどちらか一方の電極をダブル電極
とすることで、該電極内での弾性表面波の反射を抑制
し、素子の特性を良好なものとすることができる。ま
た、入力電極の形状を概略円弧状としてもよい。
【0048】[第6の実施形態]図8は本発明による弾
性表面波マッチドフィルタの他の実施形態を示す概略
図、図9はその概略平面図である。図8,図9におい
て、図1,図2と同一部分は同一符号を付して表してい
る。図中、302は弾性表面波の伝搬速度が圧電基板1
01より速い薄膜で、薄膜302で挟まれた部分222
が導波路として作用する。これはスロット導波路と呼ば
れ、スチフネス負荷効果により薄膜部の速度が基板部よ
りも速くなる薄膜302をガイド部たる導波路222の
両側に付けたもので、ガイド部222への弾性表面波の
閉じ込め効果が大きい。したがって、入力電極121で
励振された弾性表面波は、出力電極131の外部に拡散
することなく、導波路222の上を伝搬し、出力電極1
31の各電極指対1311、1312、1313、…、
131xによって出力電気信号に変換され、レベルの高
い出力信号を得ることができる。さらに、この出力電気
信号を用いた同期信号の形状は安定したものとなり、同
期のタイミングを一定にすることが可能となる。
【0049】また、本実施形態では、出力電極131の
みを導波路222に配置した例を示したが、入力電極1
21の各電極指の交差部分および出力電極131の電極
指対1311、1312、1313、…、131xの交
差部分を共に導波路222に形成してもよい。
【0050】また、本実施形態における入力電極または
出力電極の少なくともどちらか一方の電極をダブル電極
とすることで、該電極内での弾性表面波の反射を抑制
し、弾性表面波マッチドフィルタの特性をより良好なも
のとすることができる。更に、入力電極の形状を概略円
弧状として、SAWを出力電極の入力端部に集中してS
AWエネルギーの拡散を防止してもよい。
【0051】[第7の実施形態]図10は、以上説明し
たような弾性表面波マッチドフィルタを用いた通信シス
テムの一例を示すブロック図である。図において、上段
の40は送信装置を示す。この送信装置は送信すべき信
号を拡散符号を用いて、スペクトラム拡散変調して、ア
ンテナ401より送信する。送信された信号は、受信装
置41で受信され、復調される。受信装置41は、アン
テナ411、高周波信号処理部412、同期回路41
3、符号発生器414、拡散復調回路415、復調回路
416より構成される。
【0052】アンテナ411にて受信された受信信号は
高周波信号処理部412にて適当にフィルタリング及び
増幅され、送信周波数帯信号のまま若しくは適当な中間
周波数帯(IF)信号に変換され出力される。該信号は
同期回路413に入力される。
【0053】同期回路413は本発明の上記実施形態に
記載の弾性表面波(SAW)マッチドフィルタである弾
性表面波素子4131と、弾性表面波素子4131から
出力された信号を処理し、送信信号に対する拡散符号同
期信号とクロック同期信号を符号発生器414に出力す
る信号処理回路4133からなる。弾性表面波素子41
31には高周波信号処理部412からの出力信号が入力
され、受信信号に含まれる同期専用拡散符号成分と弾性
表面波素子4131の出力電極の各電極指対の符号配列
の極性とが一致した時に相関ピークが出力される。従っ
て、上記各実施形態で説明した弾性表面波素子によっ
て、ノイズに干渉されない、相関ピークの高い、S/N
のよい同期信号を得ることができる。
【0054】信号処理回路4133では、弾性表面波素
子4131から入力される同期信号から、相関ピークを
検出し、クロック信号を再生し、拡散符号同期信号及び
クロック信号が符号発生器414に出力される。同期確
立後、符号発生器414は送信側の拡散符号に対しクロ
ック及び拡散符号位相が一致した拡散符号を発生する。
この拡散符号は拡散復調回路415に出力され、拡散復
調回路415では拡散変調される前の信号が復元され
る。拡散変復調回路415から出力される信号は、いわ
ゆる周波数変調、位相変調などの変調方式により変調さ
れている信号であり、その変調回路に対応する復調回路
416により、データ復調がなされる。
【0055】本実施形態に上記各導波路を構成したSA
Wマッチドフィルタを用いることで、安定した同期信号
が得られるので、信頼性の高い安定した通信を可能とす
る。
【0056】[第8の実施形態]図11、図12は、上
記各実施形態で説明したような弾性表面波マッチドフィ
ルタを用いた通信システムの送信装置及び受信装置の一
例を示すブロック図である。
【0057】図11において、501は直列に入力され
るデータをn個の並列データに変換する直並列変換器、
502−1〜nは並列化された各データと拡散符号発生
器503から出力されるn個の拡散符号とを乗算する乗
算器群、503はn個のそれぞれ異なる拡散符号PN
1,PN2,……PNnと同期専用の拡散符号PN0を発
生する拡散符号発生器、504は拡散符号発生器503
から出力される同期専用拡散符号と乗算器群502−1
〜nのn個の出力を加算する加算器、505は加算器5
04の出力を送信周波数信号に変換するための高周波
段、506は送信アンテナである。
【0058】また、図12において、601は受信アン
テナ、602は高周波信号処理部、603は送信側の拡
散符号とクロックに対する同期を捕捉し追跡・維持する
上記実施形態で説明した弾性表面波マッチドフィルタを
用いた同期回路、604は同期回路603より入力され
る符号同期信号及びクロック信号により、送信側の拡散
符号群と同一のn+1個の拡散符号及び参照用拡散符号
を発生する拡散符号発生器、605は拡散符号発生器6
04より出力されるキャリア再生用拡散符号と高周波信
号処理部602の出力から搬送波信号を再生するキャリ
ア再生回路、606はキャリア再生回路605の出力と
高周波信号処理部602の出力と拡散符号発生器604
の出力であるn個の拡散符号を用いてベースバンドで復
調を行うベースバンド復調回路、607はベースバンド
復調回路606の出力であるn個の並列復調データを並
直列変換する並直列変換器である。
【0059】上記構成において、送信側ではまず入力さ
れたデータが直並列変換器501によって符号分割多重
数に等しいn個の並列データに変換される。一方、拡散
符号発生器503はn+1個の符号周期が同一でそれぞ
れ異なる拡散符号PN0 〜PNn を発生している。この
うち拡散符号PN0 は同期及びキャリア再生専用であ
り、前記並列データによって変調されず直接加算器50
4に入力される。残りのn個の拡散符号PN1〜nは乗算
器群502−1〜nにてn個の並列データにより乗算・
変調され、加算器504に入力される。各並列データの
加算器504は、入力されたn+1個の信号を線形に加
算し、高周波段505に加算されたベースバンド信号を
出力する。該ベースバンド信号は続いて高周波段505
にて適当な中心周波数を持つ高周波信号に変換され、送
信アンテナ506より送信される。
【0060】受信側では、受信アンテナ601で受信さ
れた信号は高周波信号処理部602にて適当にフィルタ
リング及び増幅され、送信周波数帯信号のまま若しくは
適当な中間周波数帯(IF)信号に変換され出力され
る。該信号は同期回路603に入力される。同期回路6
03は本発明の上記実施形態で説明したSAWマッチド
フィルタを用いた弾性表面波素子6031と、弾性表面
波素子6031から出力された信号を処理し、送信信号
に対する拡散符号同期信号およびクロック同期信号を拡
散符号発生器604に出力する信号処理回路6033か
らなる。
【0061】SAWマッチドフィルタを用いた弾性表面
波素子6031には高周波信号処理部602からの出力
信号が入力される。ここで弾性表面波素子6031で
は、受信信号に含まれる同期専用拡散符号成分と、弾性
表面波素子6031の出力電極指対の符号に合わせた電
極指の配列極性とが弾性表面波素子6031の出力電極
指対配列上にて一致した時に高い相関ピークが出力さ
れ、これにより高S/Nの同期信号を得ることが出来
る。信号処理回路6033では、弾性表面波素子603
1から入力される信号から相関ピークを検出し、送信さ
れた拡散符号PN0のクロック信号を再生し、符号同期
信号及びクロック信号が拡散符号発生器604に出力さ
れる。
【0062】同期確立後、拡散符号発生器604は送信
側の拡散符号群に対しクロック及び拡散符号位相が一致
した拡散符号群を発生する。これらの符号群のうち同期
専用の拡散符号PN0 はキャリア再生回路605に入力
される。キャリア再生回路605では同期専用拡散符号
PN0 により、高周波信号処理部602の出力である送
信周波数帯若しくは中間周波数帯に変換された受信信号
を逆拡散し、送信周波数帯若しくは中間周波数帯の搬送
波を再生する。キャリア再生回路605の構成は、たと
えば位相ロックループを利用した回路が用いられる。受
信信号と同期専用拡散符号PN0 は乗算器にて乗算され
る。同期確立後は受信信号中の同期専用拡散符号と参照
用の同期専用拡散符号のクロック及び符号位相は一致し
ており、送信側の同期専用拡散符号PN0はデータで変
調されていないため、乗算器で逆拡散され、その出力に
は搬送波の成分が現れる。該出力は続いて帯域通過フィ
ルタに入力され、搬送波成分のみが取り出され出力され
る。該出力は次に位相検出器、ループ・フィルタ及び電
圧制御発振器にて構成されるよく知られた位相ロックル
ープに入力され、電圧制御発振器より帯域通過フィルタ
より出力される搬送波成分に位相のロックした信号が再
生搬送波として出力される。
【0063】再生された搬送波はベースバンド復調回路
606に入力される。ベースバンド復調回路606では
キャリア再生回路605からの該再生搬送波と高周波信
号処理部602の出力よりベースバンド信号が生成され
る。該ベースバンド信号はn個に分配され拡散符号発生
器604の出力である拡散符号群PN1 〜PNn により
各符号分割チャネル毎に逆拡散され、続いて並列信号と
してデータ復調がなされる。復調されたn個の並列復調
データは並直列変換器607にて直列データに変換され
出力される。
【0064】本実施形態は2値変調の場合であるが、直
交変調など、他の変調方式でも良い。また、本通信シス
テムに上記SAWマッチドフィルタを用いることによ
り、従来の同期捕捉のためにPLL回路のようなフィー
ドバックループを構成する場合に比較して、フィードバ
ックのための引込み時間が不要となり、高速な同期信号
の検出を可能とし、また回路的な動作ばかりでなく簡単
な構成となることから、高速応答及び小型化を要求され
る移動体通信システムに極めて有効である。
【0065】また、上記実施形態では送信装置と受信装
置とを別々に説明したが、通信システムとしては同一パ
ッケージ内に両者を格納したシステムとしてもよいこと
は勿論である。
【0066】さらに、上記種々の導波路を有する弾性表
面波素子を適宜に通信システムに用いることで、高レベ
ルの相関ピークを得ることができ、同期信号の安定性が
増し、通信システムの信頼性の向上を図ることが可能と
なる。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、圧
電基板の主面上に入力用すだれ状電極が励振する弾性表
面波の伝搬方向に沿って導波路を形成し、該導波路上に
少なくとも出力用すだれ状電極の電極指の交差部分を配
置することで、弾性表面波を導波路内に閉じ込め、出力
電極からの弾性表面波の漏れを抑制することができる。
したがって、導波路上に配置された出力電極によって、
該弾性表面波から出力信号レベルが高い出力電気信号を
取り出すことができ、効率のよい弾性表面波マッチドフ
ィルタが得られる。
【0068】さらに入力電極を、入力電極で励振された
弾性表面波が出力電極の入口端面に集中するような形状
とすることによって、出力電極の交差幅を狭めても弾性
表面波を出力電極の入口端部に集中させることが可能と
なり、更に効率の良い弾性表面波マッチドフィルタが得
られる。
【0069】また、各出力電極指対で得られる出力電気
信号のレベルがほぼ等しく、信号レベルの高い出力信号
が得られるので、この出力電気信号を同期信号として用
いることで、同期の安定性が増す。従って、通信システ
ムや通信システムで用いる受信装置に、かかる弾性表面
波マッチドフィルタを同期信号検出素子として用いるこ
とで、安定した同期信号を得て、正確な復調信号を得る
ことができ、安定で信頼性の高い通信システムや通信シ
ステムで用いる受信装置が得られる。
【0070】また、導波路の幅を狭めることによって導
波路上に配置された出力電極の電極指対の交差幅を狭く
してインピーダンスを高くし、外部回路とのインピーダ
ンス整合が容易な弾性表面波マッチドフィルタが得られ
る。また、入力電極の形状を概略円弧状とすることで、
入力電極の交差幅を広げてインピーダンスを下げ、外部
回路とのインピーダンス整合が容易な弾性表面波マッチ
ドフィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略図
である。
【図2】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略平
面図である。
【図3】本発明による一実施形態の弾性表面波素子の変
形例を示す概略図である。
【図4】本発明による一実施形態の弾性表面波素子の変
形例を示す概略平面図である。
【図5】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略平
面図である。
【図6】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略図
である。
【図7】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略平
面図である。
【図8】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略図
である。
【図9】本発明の一実施形態の弾性表面波素子の概略平
面図である。
【図10】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システ
ムの一例を示すブロック図である。
【図11】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システ
ムの送信装置の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システ
ムの受信装置の一例を示すブロック図である。
【図13】従来の弾性表面波マッチドフィルタの概略図
である。
【符号の説明】
101 STカット水晶などの圧電基板 102 圧電基板101上に形成された導波路 121 電気信号を弾性表面波に変換する入力電極 1211、1212 入力信号用バスバー 131 出力電極 1321、1322 出力信号用バスバー 1311、1312、1313、…、131x 出力電
極の電極指対 202 圧電基板101より弾性表面波の伝搬速度が遅
い薄膜 212 圧電基板101より弾性表面波の伝搬速度が速
い薄膜 222 導波路 40 送信装置 401 送信用アンテナ 41 受信装置 411 受信用アンテナ 412 高周波信号処理部 413 同期回路 414 符号発生器 415 拡散復調回路 416 復調回路 501 直列に入力されるデータをn個の並列データに
変換する直並列変換器 502−1 〜n 乗算器群 503 拡散符号発生器 504 加算器 505 高周波段 506 送信アンテナ 601 受信アンテナ 602 高周波信号処理部 603 同期回路 604 拡散符号発生器 605 キャリア再生回路 606 ベースバンド復調回路 607 並直列変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蜂巣 高弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小山 晃広 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鳥沢 章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に形成された入力用すだれ状
    電極によって弾性表面波を励起し、所定の符号列に合わ
    せて配置された複数の電極指対からなる出力用すだれ状
    電極で信号を受け取ることによって前記所定の符号列に
    一致した符号列の信号のみを伝達する弾性表面波マッチ
    ドフィルタにおいて、 前記圧電基板の主面上に前記入力用すだれ状電極が励振
    する前記弾性表面波の伝搬方向に沿って導波路を設け、
    該導波路に少なくとも前記出力用すだれ状電極の電極指
    対の交差部を設けることを特徴とする弾性表面波マッチ
    ドフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記導波路は、前記圧電基板の主面上に
    形成された凸状部であることを特徴とする請求項1に記
    載の弾性表面波マッチドフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記導波路として、前記圧電基板上に形
    成された薄膜を用いることを特徴とする請求項1に記載
    の弾性表面波マッチドフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記薄膜を、少なくとも出力用すだれ状
    電極の電極指対の交差部に形成することを特徴とする請
    求項3に記載の弾性表面波マッチドフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記薄膜を、少なくとも出力用すだれ状
    電極の電極指対の交差部を除く出力電極に形成したこと
    を特徴とする請求項3に記載の弾性表面波マッチドフィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 前記入力用すだれ状電極の形状は、前記
    弾性表面波が前記出力電極の入口端面に集中する形状で
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載の弾性表面波マッチドフィルタ。
  7. 【請求項7】 前記入力用すだれ状電極の形状は、概略
    円弧状であることを特徴とする請求項6に記載の弾性表
    面波マッチドフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記入力用すだれ状電極もしくは前記出
    力用すだれ状電極の少なくとも一方のすだれ状電極のイ
    ンピーダンスが所望のインピーダンスに整合されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載
    の弾性表面波マッチドフィルタ。
  9. 【請求項9】 上記弾性表面波素子に用いる前記圧電基
    板として、温度による速度変化が概略0であるか、また
    は、前記圧電基板上に薄膜を付けることによって温度に
    よる速度変化が概略0になるような圧電基板であること
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の弾
    性表面波マッチドフィルタ。
  10. 【請求項10】 前記圧電基板としてSTカット水晶基
    板を用いることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1
    項に記載の弾性表面波マッチドフィルタ。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の弾性表面波マッチドフィルタを送信信号に含まれる
    同期信号に同期した相関ピークを検出する同期検出素子
    として用いることを特徴とする通信システム。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の弾性表面波マッチドフィルタを受信側の同期検出素
    子として用いることを特徴とする通信システムの受信装
    置。
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