JPH09298450A - 弾性表面波装置及びそれを用いた通信システム - Google Patents

弾性表面波装置及びそれを用いた通信システム

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JPH09298450A
JPH09298450A JP8109349A JP10934996A JPH09298450A JP H09298450 A JPH09298450 A JP H09298450A JP 8109349 A JP8109349 A JP 8109349A JP 10934996 A JP10934996 A JP 10934996A JP H09298450 A JPH09298450 A JP H09298450A
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surface acoustic
acoustic wave
wave device
input
waveguide
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JP8109349A
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Tadashi Eguchi
正 江口
Kouichi Egara
光一 江柄
Akane Yokota
あかね 横田
Akihiro Koyama
晃広 小山
Takahiro Hachisu
高弘 蜂巣
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細い出力電極に入力IDTで励起された弾性
表面波を効率良く伝播させ、インピーダンス整合を取り
やすくすることを課題とする。 【解決手段】 圧電性を有する基板と、弾性表面波を励
振する入力変換器と、上記励振された弾性表面波を入力
し且つ該弾性表面波を導波する導波路と、前記入力変換
器が励振する弾性表面波を集束して前記導波路に導く集
束手段とを設けられている弾性表面波装置において、前
記集束手段が集束した弾性表面波の波面の法線が前記導
波路の長手方向となす角度である波面角を減少させる波
面角緩和手段を有し、導波路への結合効率を高めること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2つの信号のコンボ
リューション信号を取り出す弾性表面波装置及びそれを
用いた通信システムに関する。
【0002】
【従来技術】弾性表面波コンボルバは、2つの信号のコ
ンボリューション演算を行う信号処理デバイスであり、
近年、スペクトラム拡散通信システムのキーデバイスと
して注目されている。弾性表面波コンボルバは圧電性基
板の非線形効果を利用する素子のため、一般に効率が低
い。そこで、効率を向上させる方法として、弾性表面波
のビーム幅を圧縮する手段を設け、狭い出力電極にエネ
ルギー密度を高めて弾性表面波を伝搬させ、効率を向上
させる方法がいくつか提案されている。その一つの方法
として、入力櫛形電極(IDT;Interdigital Transdu
cer)を円弧型にして弾性表面波を集束させて出力電極
に入力させる方法がある。円弧形状、またはそれに近い
形状のIDTを用いた弾性表面波コンボルバについて
は、文献1(J.B.Green,G.S.Kino ,"SAW Convolvers Us
ing Focused Interdigital Transducers," IEEE Trans.
on Sonics and Ultrasonics, VOL.30,NO.1 ,43-50(198
3))、文献2(DE−P3330034.8)などに
記載され、公知である。文献1では、素子を形成する基
板を伝搬する弾性表面波の速度の角度依存性を近似し
て、円弧型のIDTにて発生した弾性表面波が集束する
位置を計算により導き、その位置に出力電極の端部がく
るように配置されている。また、文献2では、出力電極
を伝搬する弾性表面波が出力電極端から放射されて伝搬
する波面の屈曲形状に近似的に合わせて、IDTを形成
し、更に、IDTは周波数分散性を有し、IDTを構成
する電極指間の間隔は等間隔ではなく、分散によるそれ
ぞれの波長領域において異なった間隔になるように、配
置形成されている。
【0003】また、さらに文献3(特開平6−1886
75号公報)のように、円弧型IDTと出力電極の間の
圧電基板表面を金属薄膜で覆い、基板を伝搬する弾性表
面波の速度の角度依存性を小さくする、図8に示すよう
な構成によって、弾性表面波を集中させ、効率を高める
方法も行われている。図8において、12,12’は各
入力信号を入力して弾性表面波を励起する円弧状の櫛形
IDT、13は導波路兼出力電極、14,14’は櫛形
IDT12,12’で励起された弾性表面波の速度の角
度依存性を抑制する金属薄膜である。櫛形IDT12,
12’で励起された各入力信号に応じた弾性表面波は金
属薄膜14,14’で弾性表面波の角度依存性を小さく
して集束され、導波路13の両端に入力され、相互に逆
方向に伝搬されて導波路内に閉じこめられて、両入力信
号に応じた出力信号を出力する。例えば、両入力信号が
角周波数ωの信号である場合、コンボリューション信号
として角周波数2ωの信号が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように弾性表面波を集中する形状のIDTで弾性表面波
を励起すると、IDTから励起される弾性表面波の励起
モードにおいて、単一の横モードだけでなく複数の横モ
ードが生じるため、導波路の外側にも弾性表面波が伝播
してしまう。特にYカットZ伝搬ニオブ酸リチウム基板
(以後、「YZ−ニオブ酸リチウム基板」と称する)上
で、入力電極から出力電極までの距離が約20λ(λは
YZ−ニオブ酸リチウム基板において、導波路の長軸方
向であるZ軸方向に伝搬する弾性表面波の波長である)
以上になると、特にこの傾向が大きくなる。文献3のよ
うに基板を伝搬する弾性表面波の速度の角度依存性を小
さくすると、弾性表面波が集中する焦点が円弧型IDT
の曲率中心付近になるだけでなく、横モードの高次モー
ドの励起強度が小さくなり、出力電極に弾性表面波が効
率良く伝播できる。
【0005】ところで、図8に示すようなコンボルバの
場合、細い出力電極に入力IDTで励起された弾性表面
波をなるべく効率良く伝播させるため、入力IDTを導
波路から離すことができず、このため入力IDTが小さ
くなり入力IDTのリアクタンスが小さくなる。入力I
DTのリアクタンスが小さくなるとインピーダンス整合
がとりにくくなるため、インピーダンスの不整合、また
はインピーダンスの整合素子内の損失による効率低下が
生じるという問題があった。
【0006】さらにこのようなコンボルバを同期検出素
子として用いたスペクトル拡散通信システムにおいて
は、コンボルバの出力信号が小さいため、同期信号のS
/Nが小さく、同期信号の不安定性が通信システムの通
信の信頼性を低下させていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこでIDTと出力電極
に間をなるべく近づけ、しかもなるべく大きいIDTで
弾性表面波を励起するため、文献3のようにIDTと出
力電極間の圧電基板表面を金属薄膜で覆い、IDTと出
力電極間の金属薄膜の出力電極側の端面の形状を出力電
極から見て凹状の形状にすることによって、円弧IDT
によって集中する弾性表面波の波面の角度を導波路の開
口角内にすることでIDTの中心角を広げ、しかもID
Tと出力電極間の結合効率を高くすることができる。
【0008】また、このコンボルバを用いたスペクトル
拡散通信システムにおいては、コンボルバの出力信号が
大きくなり、通信システムの通信の信頼性を向上させる
ことができる。
【0009】具体的には、本発明は、圧電性を有する基
板と、弾性表面波を励振する入力変換器と、上記励振さ
れた弾性表面波を入力し且つ該弾性表面波を導波する導
波路と、前記入力変換器が励振する弾性表面波を集束し
て前記導波路に導く集束手段とを設けられている弾性表
面波装置において、前記集束手段が集束した弾性表面波
の波面の法線が前記導波路の長手方向となす角度である
波面角を減少させる波面角緩和手段を有することを特徴
とする。
【0010】ここで、入力変換器とは電気信号から弾性
表面波である力学的な振動に変換するもので、例えば複
数の電極指対の櫛形電極が該当する。また、集束手段と
は、弾性表面波を集束するもので、例えば円弧型櫛形電
極やホーン、マルチストリップカプラ等が該当する。ま
た、波面角緩和手段とは弾性表面波の波面角を緩和する
ものであり、例えば以下に示すものがある。
【0011】また、上記弾性表面波装置において、前記
波面角緩和手段は、前記減少された波面角の最大値が前
記導波路の開口角以内になるように減少させることを特
徴とする。また、前記波面角緩和手段は、前記集束手段
と前記導波路の間に設けられた金属薄膜であり、該金属
薄膜の前記導波路側の境界の形状は前記導波路側から見
て凹面であることを特徴とする。さらに、前記波面角緩
和手段は、前記導波路が兼ねるものであり、前記導波路
の前記弾性表面波が入力される端面は前記集束手段側か
らみて凹型形状に形成されていることを特徴とする。ま
た、前記集束手段は、前記入力変換器が兼ねるものであ
り、該入力変換器は櫛形電極を前記導波路側から見て凹
型に構成した円弧型櫛形電極であることを特徴とする。
また上記の弾性表面波装置において、前記入力変換器を
2つ有しており、前記導波路は前記2つの入力変換器の
間に設けられており且つ前記2つの入力変換器で励振さ
れた弾性表面波のコンボリューション信号を取り出す出
力電極として機能するものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]図1は本発明の実施形態のコンボルバを
示す概念図である。図1において、11はYカット(Z
伝搬)ニオブ酸リチウム基板(以後、「YZ−ニオブ酸
リチウム基板」と称する。)、12,12’は円弧状の
入力櫛形電極(InterDisital Transducer;IDT)で
構成された入力変換器(以後、「円弧状IDT」と称す
る。)、13は導波路として作用する出力電極、14,
14’は円弧状IDTと出力電極の間の圧電基板表面を
覆う金属薄膜である。図2は図1のコンボルバの一部を
拡大した図である。同図において、円弧状IDT12は
出力電極にエネルギーを集中させるために出力電極13
に対し凹面の円弧形状になっている。θは円弧状IDT
12の中心角、φは導波路として作用する出力電極13
への金属薄膜14の出力端の開口角である。円弧状ID
T12と出力電極13間の金属薄膜14の円弧状IDT
12側の端面は円弧状IDT12の電極指から励起され
た弾性表面波の波面が金属薄膜14の端面反射や屈折に
よってみだれないように、円弧状IDT12の電極指と
同一の曲率中心をもつ円弧になっている。141は円弧
状IDT12と出力電極13間の金属薄膜14の出力電
極側の端面の凹型形状部分を表している。
【0013】出力電極13の開口角φは出力電極13の
幅のよって異なり、理論的には文献5「小柴、鈴木、信
学論(B),J61−B,p689(1978)」、文
献6「R.V.Schmidt & L.A.Coldren,IEEE Transaction o
n sonics and ultrasonics.Vol.su-22. No.2,March 197
5,p115-」などに示される導波路を伝播する波動理論に
よって示されるが、実際には出力電極の端面でのモード
変換等により28°程度である。これに対し、円弧状I
DT12の中心角θは、円弧状IDT12と出力電極1
3の間の圧電基板表面を覆う金属薄膜14の出力電極側
の端面の凹型形状部分141が弾性表面波を屈折させる
作用により30°以上にすることが可能となる。円弧状
IDT12の中心角を大きくできると、インピーダンス
整合素子として用いるインダクタンスを小さくでき、イ
ンダクタンス内での損失を低減でき、さらに、円弧状I
DT12によって励起される弾性表面波の励起モードの
横モードの高次成分が小さくなり、出力電極13の外側
に伝播する弾性表面波が少なくなり、IDT12と出力
電極13間での弾性表面波の結合効率を高くできる。
【0014】このようにIDT12と出力電極13間で
の弾性表面波の結合効率を高くし、インピーダンス整合
素子での損失を小さくすることでコンボルバの出力信号
が大きくなり、この信号を同期信号として用いるスペク
トル拡散通信システムの通信の信頼性を向上させること
ができる。
【0015】[実施形態2]図3は本発明による他の実
施形態のコンボルバを示す概念図である。図3におい
て、図1と同一機能を有する部位には同一符号を付し、
詳細な説明を省略する。簡単に説明すると、11はYZ
−ニオブ酸リチウム基板、12,12’は円弧状ID
T、13は出力電極、14,14’は金属薄膜である。
また、図4は図3の弾性表面波コンボルバの一部を拡大
した図であり、131は出力電極13の開口部で、円弧
状IDT12側からみて凹型形状になっている。
【0016】出力電極13の開口角φは出力電極13の
幅によって異なり、理論的には文献5「小柴、鈴木、信
学論(B),J61−B,p689(1978)」、文
献6「R.V.Schmidt & L.A.Coldren,IEEE Transaction o
n sonics and ultrasonics.Vol.su-22. No.2,March 197
5,p115-」などに示される導波路を伝播する波動理論に
よって示されるが、実際には出力電極の端面が主伝搬方
向(YZ−ニオブ酸リチウムの場合のZ方向)に垂直に
なっている場合、モード変換等により28°程度であ
る。これに対し、出力電極側の両端の形状をそれぞれ近
いほうの入力円弧状IDT側から見て凹状の形状にする
ことによって、弾性表面波を屈折させる作用により、円
弧状IDT12の中心角θは30°以上にすることが可
能となる。円弧状IDT12の中心角を大きくできる
と、インピーダンス整合素子として用いるインダクタン
スを小さくでき、インダクタンス内での損失を低減で
き、さらに、円弧状IDT12によって励起される弾性
表面波の励起モードの横モードの高次成分が小さくな
り、出力電極13の外側に伝播する弾性表面波が少なく
なり、入力円弧状IDT12と出力電極13間での弾性
表面波の結合効率を高くできる。
【0017】このように入力円弧状IDT12と出力電
極間での弾性表面波の結合効率を高くし、インピーダン
ス整合素子での損失を小さくすることで、コンボルバの
出力信号が大きくなり、この信号を同期信号として用い
るスペクトル拡散通信システムの通信の信頼性を向上さ
せることができる。
【0018】なお、本発明は実施形態1,2において、
YZ−ニオブ酸リチウムを用いた例を示したが、これ以
外のカットや伝搬方向でもよく、これ以外のタンタル酸
リチウムや水晶等の材料の圧電基板でもよい。
【0019】また、上記実施形態1,2では、基板にモ
ノリシックな圧電基板を用いた例を示したが、非圧電基
板上に圧電性薄膜を形成したような層状構造をもつ基板
でもよく、この場合でも、入出力電極や金属薄膜は該圧
電性薄膜上にフォトリソグラフィ等の技術によってAl
膜等で所定の形状に形成する。
【0020】さらに、上記実施形態1,2では、円弧状
IDT12,12’の電極指の交差幅が等しい例を示し
たが、アポダイズ型等、交差幅が異なる構成でもよい。
【0021】また、上記実施形態1,2では、エラステ
ィック型コンボルバの例を示したが、AE型等、ほかの
非線形効果を用いた方式でもよい。
【0022】また本発明において、IDTをダブル電極
にし、電極での反射を抑えることも可能である。更に、
本発明のIDTにおいて、例えば3相以上の電気信号を
入力し、弾性表面波を一方向性にのみ励起する、いわゆ
る一方向性櫛形電極を用いることも可能である。
【0023】[実施形態3]図5は、以上説明したよう
な弾性表面波素子を用いた通信システムの一例を示すブ
ロック図である。図において、40は送信装置を示す。
この送信装置は送信すべき信号を拡散符号を用いて、ス
ペクトラム拡散変調して、アンテナ401より送信す
る。送信された信号は、受信装置41で受信され、復調
される。受信装置41は、アンテナ411、高周波信号
処理部412、同期回路413、符号発生器414、拡
散復調回路415、復調回路416より構成される。
受信装置41において、アンテナ411にて受信された
受信信号は高周波信号処理部412にて適当にフィルタ
リング及び増幅され、送信周波数帯信号のまま若しくは
適当な中間周波数帯信号に変換され出力される。該高周
波信号は同期回路413に入力される。
【0024】同期回路413は本発明の上記実施形態に
記載の弾性表面波素子装置4131と符号発生器414
より入力される参照用拡散符号を変調する変調回路41
32と弾性表面波装置4131から出力された信号を処
理し、送信信号に対する拡散符号同期信号及びクロック
同期信号を符号発生器414に出力する信号処理回路4
133からなる。弾性表面波素子装置4131には高周
波信号処理部412からの出力信号と変調回路4132
からの出力信号が入力され、2つの入力信号のコンボリ
ューション演算が行われる。ここで符号発生器414よ
り変調回路4132に入力される参照用拡散符号が送信
側から送信される拡散符号を時間反転させた符号とする
と、弾性表面波素子装置4131では、受信信号に含ま
れる同期専用拡散符号成分と符号発生器414から出力
され、変調回路4132で変調された参照用拡散符号と
が、弾性表面波素子装置4131の導波路上にて一致し
た時にピークが出力される。ここで、上述の実施形態
1,2にて説明した圧電性基板上に形成された金属薄膜
または導波路の両端の形状を特定することによってコン
ボリューションピークを高いS/N比レベルで検出でき
る。
【0025】信号処理回路4133では、弾性表面波素
子装置4131より入力される信号から、相関ピークを
検出し、参照用拡散符号の符号開始から相関ピーク出力
までの時間から、符号同期のずれ量を割り出し、符号同
期信号及びクロック信号が符号発生器414に出力され
る。同期確立後、符号発生器414は送信側の拡散符号
に対しクロック及び拡散符号位相が一致した拡散符号を
発生する。この拡散符号は、拡散復調回路415に入力
され、拡散変調される前の信号が復元される。拡散復調
回路415から出力される信号は、いわゆる周波数変
調、位相変調などの一般に使用されている変調方式によ
り変調されている信号なので、復調回路416により、
送信された原データの復調がなされる。
【0026】《第4実施形態》図6、図7は、上記に説
明したような弾性表面波素子を用いた通信システムの送
信装置及び受信装置の一例を示すブロック図である。図
6において、501は直列に入力されるデータをn個の
並列データに変換する直並列変換器、502−1〜nは
並列化された各データと拡散符号発生器から出力される
n個の拡散符号とを乗算する乗算器群、503はn個の
それぞれ異なる拡散符号と同期専用の拡散符号を発生す
る拡散符号発生器、504は拡散符号発生器503から
出力される同期専用拡散符号と乗算器群502−1〜n
のn個の出力を加算する加算器、505は加算器504
の出力を送信周波数信号に変換するための高周波段、5
06は送信アンテナである。
【0027】また、図7において、601は受信アンテ
ナ、602は高周波信号処理部、603は送信側の拡散
符号とクロックに対する同期を捕捉し維持する同期回
路、604は同期回路603より入力される符号同期信
号及びクロック信号により、送信側の拡散符号群と同一
のn+1個の拡散符号及び参照用拡散符号を発生する拡
散符号発生器、605は拡散符号発生器604より出力
されるキャリア再生用拡散符号と高周波信号処理部60
2の出力から搬送波信号を再生するキャリア再生回路、
606はキャリア再生回路605の出力と高周波信号処
理部602の出力と拡散符号発生器604の出力である
n個の拡散符号を用いてベースバンドで復調を行うベー
スバンド復調回路、607はベースバンド復調回路60
6の出力であるn個の並列復調データを並直列変換する
並直列変換器である。
【0028】上記構成において、送信側ではまず入力さ
れたデータが直並列変換器501によって符号分割多重
数に等しいn個の並列データに変換される。一方、拡散
符号発生器503はn+1個の符号周期が同一でそれぞ
れ異なる拡散符号PN0〜PNnを発生している。この
うちPN0は同期及びキャリア再生専用であり、前記並
列データによって変調されず直接加算器504に入力さ
れる。残りのn個の拡散符号は乗算器群502−1〜n
にてn個の並列データにより変調され加算器504に入
力される。加算器504は入力されたn+1個の信号を
線形に加算し高周波段505に加算されたベースバンド
信号を出力する。該ベースバンド信号は続いて高周波段
505にて適当な中心周波数を持つ高周波信号に変換さ
れ、送信アンテナ506より送信される。
【0029】受信側では、受信アンテナ601で受信さ
れた信号は高周波信号処理部602にて適当にフィルタ
リング及び増幅され、送信周波数帯信号のまま若しくは
適当な中間周波数帯信号に変換され出力される。該送信
周波数帯信号又は中間周波数帯信号は同期回路603に
入力される。同期回路603は本発明の実施形態に記載
の弾性表面波素子装置6031と符号発生器604より
入力される参照用拡散符号を変調する変調回路6032
と弾性表面波素子装置6031から出力された信号を処
理し、送信信号に対する拡散符号同期信号及びクロック
同期信号を拡散符号発生器604に出力する信号処理回
路6033からなる。弾性表面波素子装置6031には
高周波信号処理部602からの出力信号と変調回路60
32からの出力信号が入力され、2つの入力信号のコン
ボリューション演算が行われる。
【0030】ここで符号発生器604より変調回路60
32に入力される参照用拡散符号が送信側から送信され
る同期専用拡散符号を時間反転させた符号とすると、弾
性表面波素子装置6031では、受信信号に含まれる同
期専用拡散符号成分と参照拡散符号とが、弾性表面波素
子装置6031の導波路上にて一致した時に相関ピーク
が出力される。特に、上記実施形態1による金属薄膜が
出力電極に対向する部分の形状を凹状としたこと及び実
施形態2の出力電極の両端の形状を凹状としたことによ
りコンボリューション効率を向上し、相関ピークのS/
Nを向上して、ジッタが減少するため、正確な同期を捕
捉するのに効果的である。
【0031】次の信号処理回路6033では、弾性表面
波素子装置6031より入力される信号から、相関ピー
クを検出し、参照用拡散符号の符号開始から相関ピーク
出力までの時間から、符号同期のずれ量を割り出し、符
号同期信号及びクロック信号が拡散符号発生器604に
出力される。同期確立後、拡散符号発生器604は送信
側の拡散符号群に対しクロック及び拡散符号位相が一致
した拡散符号群を発生する。これらの符号群のうち同期
専用の拡散符号PN0はキャリア再生回路605に入力
される。
【0032】キャリア再生回路605では同期専用拡散
符号PN0により高周波信号処理部602の出力である
送信周波数帯若しくは中間周波数帯に変換された受信信
号を、逆拡散し、送信周波数帯若しくは中間周波数帯の
搬送波を再生する。キャリア再生回路605の構成は、
たとえば位相ロックループを利用した回路が用いられ
る。受信信号と同期専用拡散符号PN0は乗算器にて乗
算される。同期確立後は受信信号中の同期専用拡散符号
と参照用の同期専用拡散符号のクロック及び符号位相は
一致しており、送信側の同期専用拡散符号はデータで変
調されていないため、乗算器で逆拡散され、その出力に
は搬送波成分が現れる。該出力は続いて帯域通過フィル
タに入力され、搬送波の成分のみが取り出され出力され
る。該出力は、次に位相検出器、ループ・フィルタ及び
電圧制御発振器にて構成されるよく知られた位相ロック
ループに入力され、電圧制御発振器より帯域通過フィル
タより出力される搬送波成分に位相のロックした信号が
再生搬送波として出力される。
【0033】再生された搬送波はベースバンド復調回路
606に入力される。ベースバンド復調回路606では
該再生搬送波と高周波信号処理部602の出力よりベー
スバンド信号が生成される。該ベースバンド信号はn個
に分配され拡散符号発生器604の出力である拡散符号
群PN1〜PNnにより、各符号分割チャネル毎に逆拡
散され、続いてデータ復調がなされる。復調されたn個
の並列復調データは並直列変換器607にて直列データ
に変換され出力される。
【0034】本実施形態は2値変調の場合について説明
したが、直交変調など、他の変調方式でもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば入
力IDTと出力電極間での弾性表面波の結合効率が高く
なり、インピーダンス整合素子での損失が小さくなるた
め、コンボルバの出力信号が大きくなり、この信号を同
期信号として用いるスペクトル拡散通信システムの通信
の信頼性を向上させることができる。
【0036】また、本発明によれば、入出力電極や金属
電極の形成には通常のフォトリソグラフィ技術を用いる
ことができ、その形状の特定には特別な工程を必要とせ
ず弾性表面波の結合効率を高めることができるので、極
めて実効的効果が奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態のコンボルバを示す概念
図である。
【図2】図1のコンボルバの一部を拡大した図である。
【図3】本発明による実施形態のコンボルバを示す概念
図である。
【図4】図3のコンボルバの一部を拡大した図である。
【図5】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システム
の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システム
の送信装置の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の弾性表面波素子を用いた通信システム
の受信装置の一例を示すブロック図である。
【図8】従来のコンボルバを示す概念図である。
【符号の説明】
11 ニオブ酸リチウム基板 12 入力IDT 13 導波路として作用する出力電極 14 円弧状IDTと出力電極の間の圧電基板表面を覆
う金属薄膜 141 円弧状IDT12と出力電極13間の金属薄膜
14の出力電極側の端面の凹型形状部分 θ 円弧状IDT12の中心角 φ 導波路として作用する出力電極13の開口角 40 送信機 401 送信用アンテナ 41 受信機 411 受信用アンテナ 412 高周波信号処理部 413 同期回路 414 符号発生器 415 拡散復調回路 416 復調回路 501 直列に入力されるデータをn個の並列データに
変換する直並列変換器 502−1〜n 乗算器群 503 拡散符号発生器 504 加算器 505 高周波段 506 送信アンテナ 601 受信アンテナ 602 高周波信号処理部 603 同期回路 604 拡散符号発生器 605 キャリア再生回路 606 ベースバンド復調回路 607 並直列変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 晃広 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 蜂巣 高弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性を有する基板と、弾性表面波を励
    振する入力変換器と、上記励振された弾性表面波を入力
    し且つ該弾性表面波を導波する導波路と、前記入力変換
    器が励振する弾性表面波を集束して前記導波路に導く集
    束手段とを設けられている弾性表面波装置において、 前記集束手段が集束した弾性表面波の波面の法線が前記
    導波路の長手方向となす角度である波面角を減少させる
    波面角緩和手段を有することを特徴とする弾性表面波装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の弾性表面波装置におい
    て、前記波面角緩和手段は、前記減少された波面角の最
    大値が前記導波路の開口角以内になるように減少させる
    ことを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の弾性表面波装置
    において、前記波面角緩和手段は、前記集束手段と前記
    導波路の間に設けられた金属薄膜であり、該金属薄膜の
    前記導波路側の境界の形状は前記導波路側から見て凹面
    であることを特徴とする弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の弾性表面波装置
    において、前記波面角緩和手段は、前記導波路が兼ねる
    ものであり、前記導波路の前記弾性表面波が入力される
    端面は前記集束手段側からみて凹型形状に形成されてい
    ることを特徴とする弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    弾性表面波装置において、前記集束手段は、前記入力変
    換器が兼ねるものであり、該入力変換器は櫛形電極を前
    記導波路側から見て凹型に構成した円弧型櫛形電極であ
    ることを特徴とする弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    弾性表面波装置において、前記入力変換器を2つ有して
    おり、前記導波路は前記2つの入力変換器の間に設けら
    れており且つ前記2つの入力変換器で励振された弾性表
    面波のコンボリューション信号を取り出す出力電極とし
    て機能するものであることを特徴とする弾性表面波装
    置。
  7. 【請求項7】 圧電性を有する基板の第1の主面上に形
    成した第1及び第2の弾性表面波を励振する2つの入力
    変換器と、前記第1及び第2の弾性表面波の導波路とし
    て作用し且つ物理的非線形効果を利用して該2つの弾性
    表面波信号のコンボリュ−ション信号を取り出す積分電
    極として作用する出力電極とを有し、前記2つの入力変
    換器は、弾性表面波の伝搬軸に沿って置かれた前記出力
    電極の両側にお互い対向して設けられている弾性表面波
    装置において、 前記2つの入力変換器は対向する前記出力電極から見て
    凹状の複数対の櫛型電極指で構成され、前記入力変換器
    と前記出力電極の間の前記圧電性基板の第1の主面上に
    金属薄膜に覆われている部分を有し、上記金属薄膜の出
    力電極側の境界の形状は出力電極からみて凹面であるこ
    とを特徴とする弾性表面波装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の弾性表面波装置におい
    て、前記金属薄膜の出力電極側の形状は、前記出力電極
    側から見て凹状の入力変換器の形状によって集中する弾
    性表面波の波面の法線が弾性表面波の伝播主軸となす角
    度を前記導波路の開口角内にする形状であることを特徴
    とする弾性表面波装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の弾性表面波装置
    において、前記出力電極端面から見て凹状の入力変換器
    は円弧状の櫛型電極であることを特徴とする弾性表面波
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれか1項に記載
    の弾性表面波装置において、前記2つの入力変換器の少
    なくとも一方が、スプリット電極になっていることを特
    徴とする弾性表面波装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至9のいずれか1項に記載
    の弾性表面波装置において、上記2つの入力変換器の少
    なくとも一方が、弾性表面波を一方向に励振する、若し
    くは一方向から伝搬してきた弾性表面波のみを電気信号
    に変換するいわゆる一方向性電極指であることを特徴と
    する弾性表面波装置。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれか1項に記
    載の弾性表面波装置において、圧電性を有する基板はニ
    オブ酸リチウムからなり、前記第1の主面は結晶のY軸
    に垂直であるいわゆるYカット板であり、且つ前記出力
    電極の長手方向が示す弾性表面波の伝搬軸が結晶のZ軸
    であることを特徴とする弾性表面波装置。
  13. 【請求項13】 前記出力電極の幅は、前記入力変換器
    から励振される弾性表面波の中心周波数成分の波長をλ
    とした時、概略1λ以上4λ以下であることを特徴とす
    る請求項7乃至11のいずれか1項に記載の弾性表面波
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれか1項に記
    載の弾性表面波装置を同期検出素子として用いることを
    特徴とする通信システム。
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