JPH07162264A - 弾性表面波装置及びそれを用いた通信システム - Google Patents

弾性表面波装置及びそれを用いた通信システム

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JPH07162264A
JPH07162264A JP31018793A JP31018793A JPH07162264A JP H07162264 A JPH07162264 A JP H07162264A JP 31018793 A JP31018793 A JP 31018793A JP 31018793 A JP31018793 A JP 31018793A JP H07162264 A JPH07162264 A JP H07162264A
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surface acoustic
acoustic wave
waveguide
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electrode
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JP31018793A
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Norihiro Mochizuki
規弘 望月
Akihiro Koyama
晃広 小山
Takahiro Hachisu
高弘 蜂巣
Tadashi Eguchi
正 江口
Kouichi Egara
光一 江柄
Akira Torisawa
章 鳥沢
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力電極と出力パッド等の出力手段を接続す
る電極接合部の電気的抵抗による出力低下の少ない弾性
表面波装置を実現することにある。 【構成】 圧電性基板1上に第1及び第2の弾性表面波
を励振する少なくとも2つの励振電極2,3と、該励振
電極から励振される該第1及び第2の弾性表面波を互い
に反対向きに伝搬させる弾性表面波導波路4と、該弾性
表面波導波路4にて発生する信号を取り出す出力手段5
と、該弾性表面波導波路と該出力手段とを電気的に接続
する電極接合部6とを少なくとも備える弾性表面波装置
において、該電極接合部6が上記弾性表面波導波路4と
接する部分の幅が、上記第1又は第2の弾性表面波の波
長の0.2倍から5倍の範囲であることを特徴とする弾
性表面波装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波装置に関
し、特に2つの信号のコンボリューション信号を取り出
す弾性表面波コンボルバ装置及びそれを用いた通信シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置、特に弾性表面波コンボ
ルバは、2つの信号のコンボリューション演算を行う信
号処理デバイスであり、近年、スペクトラム拡散通信シ
ステムのキーデバイスとして注目されている。
【0003】図9は、従来の弾性表面波装置の構成を示
す概略平面図である。図9において、1は圧電性基板で
あり、2,3は該基板1の表面上に適宜距離隔てて対向
配置され形成されている2つの弾性表面波励振用電極で
ある。4は電極2,3間において基板1の表面に形成さ
れている弾性表面波導波路、5は弾性表面波導波路4に
て発生した信号を電気的に取り出す出力タップである。
【0004】この弾性表面波装置において、弾性表面波
励振用電極2,3に対し適当な角周波数ωの電気信号を
入力すると、弾性表面波が励振され、該弾性表面波は弾
性表面波導波路4を互いに反対向きに伝搬し、該弾性表
面波導波路4にてパラメトリック・ミキシング現象によ
り角周波数2ωで2つの信号の積成分の電気信号が発生
する。該弾性表面波導波路4は導電性材料にて形成され
ており、該弾性表面波導波路4は出力電極としても作用
し、該弾性表面波導波路4にて発生した電気信号は合成
され、弾性表面波導波路4と電気的に接続された出力タ
ップ5からワイヤ等を介して取り出される。
【0005】このような弾性表面波装置は、文献1(日
本学術振興会弾性波素子技術第150委員会編,“弾性
波素子技術ハンドブック”,オーム社,246−250
(1991))により公知である。
【0006】また、このような弾性表面波装置を改良し
た装置が文献2(FR−8011225)により提案さ
れている。
【0007】文献2では、弾性表面波導波路に発生した
信号を取り出す時に、この信号が出力取り出し口に到達
するまでの時間差による信号の劣化を抑えるために、弾
性表面波導波路の複数箇所から信号を取り出し、さら
に、出力取り出し口が、弾性表面波導波路を伝搬する弾
性表面波の伝搬の妨げにならないように、弾性表面波導
波路と接する電極接合部が、弾性表面波の波長をλa
して、λa /5より細くなるように配置形成する。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記文献2に示される従来例では弾性表面波導波路と接す
る電極接合部を、λa /5より細くするため、周波数が
高くなると電極接合部の線幅が非常に細くなり(例え
ば、入力信号の中心周波数を200MHzとすると、弾
性表面波の速度は1500〜4000m/sであるの
で、接合部は1.5〜4μmとなり)、電極接合部にお
ける抵抗が無視できなくなり、出力が低下するという問
題点があった。
【0009】ここで、一例として、弾性表面波導波路の
幅を弾性表面波の波長の約2.5倍とし、電極接合部6
を弾性表面波導波路4の両側に弾性表面波導波路4に沿
って8ヵ所設けた場合に、電極接合部6の幅を変化させ
た時の出力を測定した結果(相対値)を図5に示す。こ
こで、測定結果は電極接合部6の幅を弾性表面波の波長
(λa )に等しくした場合を基準として、相対値で表し
ている。図より、電極接合部6の幅をλa /5より細く
すると出力が大きく低下することがわかる。
【0010】さらに、電極接合部の線幅が非常に細いた
め、断線が起こりやすく歩留まりが劣化するという問題
点があった。
【0011】[発明の目的]本発明の目的は、出力電極
と出力パッド又は伝送路等の出力手段とを接続する電極
接合部の電気的抵抗による出力低下の少ない弾性表面波
装置を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波装置
は、圧電性基板上に第1及び第2の弾性表面波を励振す
る少なくとも2つの励振電極と、該励振電極から励振さ
れる該第1及び第2の弾性表面波を互いに反対向きに伝
搬させる弾性表面波導波路と、該弾性表面波導波路にて
発生する信号を取り出す出力パッドあるいは伝送線路等
の出力手段と、該弾性表面波導波路と該出力パッドある
いは伝送線路等の出力手段とを電気的に接続する電極接
合部とを少なくとも備え、該電極接合部が上記弾性表面
波導波路と接する部分の幅が、上記第1又は第2の弾性
表面波の波長の0.2倍から5倍の範囲となるように構
成する。
【0013】
【作用】本構成により、弾性表面波導波路上を伝搬する
弾性表面波の伝搬損失を増大させることなく、出力の低
下を妨げ、さらに、歩留まりを上げることができる。
【0014】
【実施例】〔第1実施例〕図1は本発明による弾性表面
波装置の第1実施例を示す概略平面図である。図2は図
1の部分拡大図である。
【0015】図1において、1は圧電性基板である。該
圧電性基板としては例えばニオブ酸リチウム等の圧電性
基板を用いることができる。
【0016】2,3は基板1の表面上に適宜距離隔てて
対向配置され形成されている弾性表面波励振用電極であ
る。該電極2,3は櫛形電極であり、例えばアルミニウ
ム,銀,金等の導電体からなる。
【0017】4は電極2,3間に形成されている弾性表
面波導波路である。弾性表面波導波路4は、例えばアル
ミニウム,銀,金等の導電体からなる。
【0018】5は弾性表面波導波路4に発生した信号を
電気的に取り出すための出力手段としての出力パッドで
ある。
【0019】6は弾性表面波導波路4と出力パッド5と
を電気的に接続する電極接合部である。本実施例におい
て、弾性表面波励振用電極2あるいは3にて励振される
弾性表面波の波長をλa として、電極接合部6の幅w
(図2)を、0.2λa から5λa の範囲とする。
【0020】なお、図1,図2において、説明を分かり
やすくするため、便宜上、第1の弾性表面波が弾性表面
波導波路4を伝搬する方向をx、基板1の表面の法線方
向をz、xz平面の法線方向をyとする。このx,y,
zは、基板の結晶軸を意味するものではない。
【0021】本実施例の弾性表面波素子において、一方
の励振用電極2に対し、該励振用電極2の特性に応じた
中心角周波数ωの電気信号を入力すると第1の弾性表面
波が励振され、弾性表面波導波路4に入射する。また、
同様にして他方の励振用電極3に対し、該励振用電極3
の特性に応じた中心角周波数ωの電気信号を入力すると
第2の弾性表面波が励振され、第1の弾性表面波とは反
対方向から弾性表面波導波路4に入射する。該弾性表面
波導波路4には両端から上記第1及び第2の弾性表面波
が互いに反対方向に伝搬し、弾性表面波導波路4にてパ
ラメトリック・ミキシング現象により中心角周波数2ω
の電気信号が発生する。弾性表面波導波路4は導電体に
て形成されているので、該弾性表面波導波路4は出力電
極としても作用し、この電気信号は該弾性表面波導波路
4上にて合成され、電極接合部6を介して出力パッド5
より取り出される。
【0022】ここで、弾性表面波導波路4は、導電体に
より電界が短絡された表面を伝搬する弾性表面波の速度
(Vm)と自由表面を伝搬する弾性表面波の速度(V
o)の違いにより導波路として機能しているが、Voと
Vmとの差は僅かであるため、第1および第2の弾性表
面波が弾性表面波導波路4を伝搬する際、図3に示す導
電体によって覆われていない表面にまでエネルギーが広
がっている。図3は、弾性表面波導波路4を伝搬する弾
性表面波の伝搬方向と直交する方向(y方向)における
振幅分布を示している。このような弾性表面波は、通
常、弾性表面波導波路4を低損失で伝搬するが、弾性表
面波導波路4に電極接合部6が接続している箇所では、
導波路幅が広がったかのように見えるため、弾性表面波
エネルギーが弾性表面波導波路の幅方向(y方向)に広
がり、伝搬損失が増大する。
【0023】一例として、弾性表面波導波路の幅を弾性
表面波の波長の約2.5倍とし、電極接合部6を弾性表
面波導波路4の両側に弾性表面波導波路4に沿って8ヵ
所設けた場合に、電極接合部6の幅wを変化させた時の
伝搬損失を測定した結果(相対値)を図4に示す。ここ
で、測定結果は電極接合部がない場合を基準として、相
対値で表している。図より、電極接合部6の幅wが増大
するにつれて伝搬損失が増大することがわかり、電極接
合部6の幅wを5λa 以下とすると電極接合部による伝
搬損失を1dB以下に抑えることができる。
【0024】また、電極接合部6は、y方向において弾
性表面波のエネルギーが充分小さくなるまでは、幅wを
5λa 以下とする事が望ましく、弾性表面波導波路4の
近傍の領域でy方向において少なくとも弾性表面波の全
エネルギーの内、99%を占める範囲に弾性表面波導波
路4及び電極接合部6以外の導電体が存在しないように
することが望ましい。
【0025】また、前述した図5より、電極接合部6の
幅wを0.2λa から5λa の範囲とすることにより、
出力の低下を1dB以内に抑えることができる。
【0026】従って、電極接合部の幅wを0.2λa
ら5λa の範囲とすることにより、電極接合部における
伝搬損失を抑え、更に、出力の低下を抑えることができ
る。
【0027】〔第2実施例〕図6は、本発明による弾性
表面波装置の第2実施例を示す概略平面図である。図6
において、上記第1実施例と同一の部材には、同一の符
号が付せられている。本実施例は、基板1上に伝送線路
7が形成され、伝送線路7と電極接合部6とが電気的に
接続されている点のみ、上記第1実施例と異なる。
【0028】本実施例においても、上記第1実施例と同
様の作用効果があるが、本実施例では、伝送線路7によ
り、複数の電極接合部6からの出力を合成したり、ま
た、インダクタンスやキャパシタンスなどの回路素子を
基板1上に形成することができるため、弾性表面波装置
の周辺回路を減らすことができる。 〔第3実施例〕図7は、本発明による弾性表面波装置の
第3実施例を示す概略平面図である。図7において、上
記第1実施例と同一の部材には、同一の符号が付せられ
ている。本実施例は、電極接合部6が弾性表面波導波路
4の第1の弾性表面波が伝搬する方向の中心線に対し
て、対称に設けられている点のみ、上記第1実施例と異
なる。
【0029】本実施例においても、上記第1実施例と同
様の作用効果があるが、本実施例では、電極接合部6が
弾性表面波導波路4に対して対称に設けられているた
め、以下のような効果がある。
【0030】本発明の弾性表面波装置では、出力を高め
るためには、一般に弾性表面波導波路4の幅を狭めて、
その中に弾性表面波のエネルギーを多く集中させるよう
に、構成されている。幅の狭い弾性表面波導波路4にエ
ネルギーを集中させる方法としては、従来より、いくつ
か提案されていて、狭い幅の励振用電極に分散性を持た
せる方法や、広い幅の励振用電極から広いビーム幅の弾
性表面波を励振し、マルチストリップカプラやホーン型
導波路により、ビーム幅を圧縮させる方法や、励振用電
極を湾曲させて円弧状等にして、ビーム幅を圧縮する方
法などがある。これらの方法は本実施例並びに上記第1
及び第2実施例において用いることができる。
【0031】しかしながら、弾性表面波導波路4の幅が
狭い場合、伝搬する導波モードによる速度差が大きいた
め、周波数特性を良好にするには弾性表面波導波路4を
伝搬するモードが1つになる、すなわち、シングルモー
ドであることが望ましい。図8に、一例として、yカッ
トz伝搬ニオブ酸リチウム基板における導波路幅と導波
モードの位相速度との関係を示す。図8において、導波
路幅を1次モードが存在できない幅とすれば、0次モー
ドしか存在できず、シングルモードの導波路となる。ま
た、1次モードは非対称モードであるので、弾性表面波
導波路4に入射される弾性表面波が導波路中央線に対し
て略対称となるように励振用電極並びに弾性表面波導波
路を配置すれば、導波路幅を0次モードと1次モードの
みが存在可能な幅としても、シングルモードの導波路と
なる。
【0032】そこで、弾性表面波導波路4の幅を0次モ
ードのみが存在可能な幅、または、0次モードと1次モ
ードのみが存在可能な幅とすると、弾性表面波導波路4
には、導波路の中心線に対して対称な弾性表面波が伝搬
する。この弾性表面波が電極接合部6が形成されている
部分を伝搬する際、弾性表面波導波路4の両側に電極接
合部6があるので、弾性表面波は導波路の中心線に対す
る対称性を保ち、電極接合部6における損失をさらに抑
圧することができる。
【0033】本実施例は、シングルモードの導波路以外
でも、弾性表面波が導波路の中心線に対して対称に分布
している場合に有効である。また、本実施例において、
電極接合部6に伝送線が接続されていてもよい。
【0034】また、上記第1,第2実施例においても、
弾性表面波導波路がシングルモードの導波路であっても
良いことは言うまでもない。
【0035】上記第1,第2,第3実施例において、電
極接合部6の数は図示の数に限定されるものではない。
【0036】また、上記第1,第2,第3実施例におけ
る弾性表面波励振用電極2,3をダブル電極(スプリッ
ト電極)とすることにより、該弾性表面波励振用電極
2,3における弾性表面波の反射を抑圧でき、素子の特
性をより一層良好なものにすることができる。
【0037】さらに、上記第1,第2,第3実施例にお
いて、基板1はニオブ酸リチウム等の圧電体単結晶に限
定されるものではなく、例えば半導体やガラス基板上に
圧電膜を付加した構造等、パラメトリック・ミキシング
効果がある材料及び構造であればよい。
【0038】図10は、以上説明したような弾性表面波
装置を用いた通信システムの一例を示すブロック図であ
る。図において、40は送信機を示す。この送信機は送
信すべき信号を拡散符号を用いて、スペクトラム拡散変
調して、アンテナ401より送信する。送信された信号
は、受信機41で受信され、復調される。受信機41
は、アンテナ411、高周波信号処理部412、同期回
路413、符号発生器414、拡散復調回路415、復
調回路416より構成される。アンテナ411にて受信
された受信信号は高周波信号処理部412にて適当にフ
ィルタリング及び増幅され、送信周波数帯信号のまま若
しくは適当な中間周波数帯信号に変換され出力される。
該信号は同期回路413に入力される。同期回路413
は図1,図6,図7に示す本発明の実施例に記載の弾性
表面波装置4131と符号発生器414より入力される
参照用拡散符号を変調する変調回路4132と弾性表面
波装置4131から出力された信号を処理し、送信信号
に対する拡散符号同期信号およびクロック同期信号を符
号発生器414に出力する信号処理回路4133からな
る。
【0039】弾性表面波装置4131には高周波信号処
理部412からの出力信号と変調回路4132からの出
力信号が入力され、2つの入力信号のコンボリューショ
ン演算が行われる。ここで符号発生器414より変調回
路4132に入力される参照用拡散符号が送信側から送
信される拡散符号を時間反転させた符号とすると、弾性
表面波装置4131では、受信信号に含まれる同期専用
拡散符号成分と参照用拡散符号とが、弾性表面波装置4
131の導波路上にて一致した時に相関ピークが出力さ
れる。
【0040】信号処理回路4133では、弾性表面波装
置4131より入力される信号から、相関ピークを検出
し、参照用拡散符号の符号開始から相関ピーク出力まで
の時間から、符号同期のずれ量を割り出し、符号同期信
号及びクロック信号が符号発生器414に出力される。
同期確立後、符号発生器414は送信側の拡散符号に対
しクロック及び拡散符号位相が一致した拡散符号を発生
する。この拡散符号は、拡散復調回路415に入力さ
れ、拡散変調される前の信号が復元される。拡散変復調
回路415から出力される信号は、いわゆる周波数変
調、位相変調などの一般に使用されている変調方式によ
り変調されている信号なので、同業者が周知の復調回路
416により、データ復調がなされる。
【0041】また、図11,図12は、以上説明したよ
うな弾性表面波装置を用いた他の通信システムの送信機
及び受信機の一例を示すブロック図である。図11にお
いて、101は直列に入力されるデータをn個の並列デ
ータに変換する直並列変換器、102−1〜nは並列化
された各データと拡散符号発生器から出力されるn個の
拡散符号とを乗算する乗算器群、103はn個のそれぞ
れ異なる拡散符号と同期専用の拡散符号を発生する拡散
符号発生器、104は拡散符号発生器103から出力さ
れる同期専用拡散符号と乗算器群102−1〜nのn個
の出力を加算する加算器、105は加算器104の出力
を送信周波数信号に変換するための高周波段、106は
送信アンテナである。
【0042】また、図12において、201は受信アン
テナ、202は高周波信号処理部、203は送信側の拡
散符号とクロックに対する同期を捕捉し維持する同期回
路、204は同期回路203より入力される符号同期信
号及びクロック信号により、送信側の拡散符号群と同一
のn+1個の拡散符号及び参照用拡散符号を発生する拡
散符号発生器、205は拡散符号発生器204より出力
されるキャリア再生用拡散符号と高周波信号処理部20
2の出力から搬送波信号を再生するキャリア再生回路、
206はキャリア再生回路205の出力と高周波信号処
理部202の出力と拡散符号発生器204の出力である
n個の拡散符号を用いてベースバンドで復調を行うベー
スバンド復調回路、207はベースバンド復調回路20
6の出力であるn個の並列復調データを並直列変換する
並直列変換器である。
【0043】上記構成において送信側ではまず入力され
たデータが直並列変換器101によって符号分割多重数
に等しいn個の並列データに変換される。一方、拡散符
号発生器103はn+1個の符号周期が同一でそれぞれ
異なる拡散符号PN0 〜PN n を発生している。このう
ちPN0 は同期及びキャリア再生専用であり前記並列デ
ータによって変調されず直接加算器104に入力され
る。残りのn個の拡散符号は乗算器群102−1〜nに
てn個の並列データにより変調され加算器104に入力
される。
【0044】加算器104は入力されたn+1個の信号
を線形に加算し高周波段105に加算されたベースバン
ド信号を出力する。該ベースバンド信号は続いて高周波
段105にて適当な中心周波数を持つ高周波信号に変換
され、送信アンテナ106より送信される。受信側で
は、受信アンテナ201で受信された信号は高周波信号
処理部202にて適当にフィルタリング及び増幅され、
送信周波数帯信号のまま若しくは適当な中間周波数帯信
号に変換され出力される。該信号は同期回路203に入
力される。
【0045】同期回路203は本発明の実施例に記載の
弾性表面波装置2031と符号発生器204より入力さ
れる参照用拡散符号を変調する変調回路2032と弾性
表面波装置2031から出力された信号を処理し、送信
信号に対する拡散符号同期信号およびクロック同期信号
を拡散符号発生器204に出力する信号処理回路203
3からなる。
【0046】弾性表面波装置2031には高周波信号処
理部202からの出力信号と変調回路2032からの出
力信号が入力され、2つの入力信号のコンボリューショ
ン演算が行われる。ここで符号発生器204より変調回
路2032に入力される参照用拡散符号が送信側から送
信される同期専用拡散符号を時間反転させた符号とする
と、弾性表面波装置2031では、受信信号に含まれる
同期専用拡散符号成分と参照用拡散符号とが、弾性表面
波装置2031の導波路上にて一致した時に相関ピーク
が出力される。
【0047】信号処理回路2033では、弾性表面波装
置2031より入力される信号から、相関ピークを検出
し、参照用拡散符号の符号開始から相関ピーク出力まで
の時間から、符号同期のずれ量を割り出し、符号同期信
号及びクロック信号が拡散符号発生器204に出力され
る。同期確立後、拡散符号発生器204は送信側の拡散
符号群に対しクロック及び拡散符号位相が一致した拡散
符号群を発生する。これらの符号群のうち同期専用の拡
散符号PN0 はキャリア再生回路205に入力される。
【0048】キャリア再生回路205では同期専用拡散
符号PN0 により高周波信号処理部202の出力である
送信周波数帯若しくは中間周波数帯に変換された受信信
号を逆拡散し送信周波数帯若しくは中間周波数帯の搬送
波を再生する。キャリア再生回路205の構成は、たと
えば位相ロックループを利用した回路が用いられる。受
信信号と同期専用拡散符号PN0 は乗算器にて乗算され
る。同期確立後は受信信号中の同期専用拡散符号と参照
用の同期専用拡散符号のクロック及び符号位相は一致し
ており、送信側の同期専用拡散符号はデータで変調され
ていないため、乗算器で逆拡散されその出力には搬送波
の成分が現れる。
【0049】該出力は続いて帯域通過フィルタに入力さ
れ搬送波成分のみが取り出され出力される。該出力は次
に位相検出器、ループ・フィルタ及び電圧制御発振器に
て構成されるよく知られた位相ロック・ループに入力さ
れ、電圧制御発振器より帯域通過フィルタより出力され
る搬送波成分に位相のロックした信号が再生搬送波とし
て出力される。再生された搬送波はベースバンド復調回
路206に入力される。
【0050】ベースバンド復調回路では該再生搬送波と
高周波信号処理部202の出力よりベースバンド信号が
生成される。該ベースバンド信号はn個に分配され拡散
符号発生器204の出力である拡散符号群PN1 〜PN
n により各符号分割チャネル毎に逆拡散され、続いてデ
ータ復調がなされる。復調されたn個の並列復調データ
は並直列変換器207にて直列データに変換され出力さ
れる。
【0051】本実施例は2値変調の場合であるが、直交
変調など、他の変調方式でも良い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
弾性表面波導波路に電気的に接続される電極接合部が弾
性表面波導波路に接する部分の幅を該弾性表面波導波路
を伝搬する弾性表面波の波長の0.2倍から5倍の範囲
となるようにすることにより、弾性表面波導波路上を伝
搬する弾性表面波の伝搬損失を増大させることなく、出
力の低下を抑えることができ、更に、歩留まりを上げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による弾性表面波装置の第1実施例を示
す概略平面図。
【図2】第1実施例の部分拡大図。
【図3】弾性表面波導波路を伝搬する弾性表面波の振幅
分布を示す図。
【図4】電極接合部の幅と伝搬損失の関係を示す図。
【図5】電極接合部の幅と出力の関係を示す図。
【図6】本発明による弾性表面波装置の第2実施例を示
す図。
【図7】本発明による弾性表面波装置の第3実施例を示
す図。
【図8】導波路幅と各導波モードの位相速度との関係を
示す図。
【図9】従来例を示す図。
【図10】本発明による弾性表面波装置を用いた通信シ
ステムの一実施例を示す図。
【図11】本発明による弾性表面波装置を用いた通信シ
ステムの他の実施例の送信機を示す図。
【図12】本発明による弾性表面波装置を用いた通信シ
ステムの他の実施例の受信機を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 励振電極 4 弾性表面波導波路 5 出力パッド 6 電極接合部 7 伝送線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 江柄 光一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鳥沢 章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板上に第1及び第2の弾性表面
    波を励振する少なくとも2つの励振電極と、該励振電極
    から励振される該第1及び第2の弾性表面波を互いに反
    対向きに伝搬させる弾性表面波導波路と、該弾性表面波
    導波路にて発生する信号を取り出すための出力手段と、
    該弾性表面波導波路と該出力手段とを電気的に接続する
    電極接合部とを少なくとも備える弾性表面波装置におい
    て、 上記電極接合部の上記弾性表面波導波路と接する部分の
    幅が、上記第1又は第2の弾性表面波の波長の0.2倍
    から5倍の範囲であることを特徴とする弾性表面波装
    置。
  2. 【請求項2】 上記出力手段が、出力パッドであること
    を特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 上記出力手段が、伝送線路であることを
    特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 上記弾性表面波導波路の導波路幅が、該
    弾性表面波導波路を伝搬する上記弾性表面波の0次モー
    ド又は0次モードと1次モードの弾性表面波のみ存在す
    ることが可能な幅であることを特徴とする請求項1又は
    2又は3に記載の弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 上記電極接合部が、上記弾性表面波導波
    路に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項
    1又は2又は3に記載の弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 上記電極接合部が、上記弾性表面波導波
    路の上記弾性表面波が伝搬する方向と略平行な側面の両
    側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の
    弾性表面波装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾
    性表面波装置を用いたことを特徴とする通信システム。
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