JPH0926485A - 白金合金時計外装部品の製造方法 - Google Patents

白金合金時計外装部品の製造方法

Info

Publication number
JPH0926485A
JPH0926485A JP19808295A JP19808295A JPH0926485A JP H0926485 A JPH0926485 A JP H0926485A JP 19808295 A JP19808295 A JP 19808295A JP 19808295 A JP19808295 A JP 19808295A JP H0926485 A JPH0926485 A JP H0926485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
platinum alloy
platinum
copper
boron
hardened layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19808295A
Other languages
English (en)
Inventor
Setsuo Shoji
節夫 東海林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP19808295A priority Critical patent/JPH0926485A/ja
Publication of JPH0926485A publication Critical patent/JPH0926485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adornments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 傷つきにくく、鏡面研磨性の良い、しかも高
強度で薄型形状の時計ケース・バンド・中留めなどの白
金合金時計外装部品を得る。 【構成】 白金合金時計外装部品の製造方法において、
白金合金の組成は白金、銅或いは白金、パラジウム、銅
からなる白金合金の外装部品、すなわちケース5及びバ
ンド4をあらかじめホウ素単独或いはホウ素とシリコン
を複合で拡散浸透させ硬化するようにし、硬化層を硬化
層の融点温度直下まで中性或いは不活性雰囲気で加熱し
接合した。 【効果】 従来にない硬さと嵌合特性が得られ同時に鏡
面性がより改善される。さらにろう材を用いないで部品
同士を接合できるので、接合部の色違いも生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は白金合金時計外装部品に
関するもので、従来にない薄く高強度で傷付きにくい白
金合金の時計外装部品が得られる。
【0002】
【従来技術】従来は白金にパラジュウムを添加して得た
白金合金を用いて時計外装部品の強度・硬度を得ていた
が、実用的な強度を確保するには時計外装の肉厚を厚く
したり裏蓋の嵌合部をねじ止めして行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】パラジュウムの白金合
金はやわらかいので、時計外装などに用いる場合落とし
ても変形したりバンドがはずれたりしないように強度を
確保しなければならない。しかし、合金化による強度ア
ップには限界があり、結局構造や組立て方で工夫するし
かなかった。たとえば外装部品の肉厚を厚く構成してい
たが、厚くなると時計外装全体が重くなる。さらには、
嵌合部(裏蓋のダボ食いつき、中留めの食いつき部)の
様な弾力性をもって嵌め合う部分では、強度とばね性を
必要とするので、ねじなどの別部品や、白金合金以外の
材料を使用せざるを得なかった。また、表面硬化により
強度を向上させ強度不足の改善が図られたが、これも硬
化のために浸透させた元素が均一に拡散しないため、そ
の後の鏡面研磨が充分にできないという課題を有してい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では白金合金時計外装部品の製造方法におい
て、白金合金の組成は白金,銅或いは、白金,パラジウ
ム,銅からなり、その表面からホウ素単独或いはホウ素
とシリコンを複合で拡散浸透させ硬化するようにした。
【0005】
【作用】上記製造方法によれば、強度・硬度を向上させ
るとともに表面に微量元素が均一に拡散され鏡面性も確
保できることになる。
【0006】
【実施例】
(実施例1)以下に本発明を実施例を用いて詳しく説明
する。図9は従来の材料、白金とパラジュウムからなる
合金へ微量ホウ素元素を拡散させた断面の拡大写真であ
り、不均一なギザギザがみえる。一方、図8は本発明に
よる銅を混入した白金合金へ微量ホウ素元素を拡散させ
たときの硬化層の断面を示す拡大写真である。硬化層が
均一で図9のようにデンドライトの様な不均一は認めら
れない。表1に各種合金組成と硬化層の深さ、均一性、
鏡面性の比較を示す。処理条件は硬化剤濃度60% ,活性
剤濃度7.5% ,処理温度700C ,処理時間 5H である。
【0007】
【表1】
【0008】表1から銅を合金化させることが硬化の均
一性に著しく効果のあることが判る。特に銅の存在は微
量ホウ素の拡散を助け、拡散距離を長くしている。さら
に中心部まで拡散が進むと表層部に硬度の高い硬化層が
図10に示すように形成される。しかしこの硬化層はHv
700前後と硬く脆いため、時計ケース・裏蓋などの部
品への適用は現実的でない。したがってこの硬化層が形
成されない硬化処理条件の選択が実用化のポイントとな
る。同時に鏡面性もこの脆い硬化層が存在すると劣る。
以下の表2に硬化処理条件と硬化層の状態を示す。実用
的な強度が得られ、表面に脆い硬化層が形成されない条
件は、活性剤濃度7.5%以下、硬化剤濃度60% ,処理温度
700C以下,処理時間 5H となる。表2の処理条件は処理
時間 5H,材質 95Pt-4Cu-1Pdである。各温度において、
表層25μm の硬度(Hv50)、硬度200 以下となる表層から
の深さ( μm)、脆い硬化層の有無の順に示してある。
【0009】
【表2】
【0010】銅の添加量は微量でも効果があり、貴金属
成分の濃度に対応して適に選択されるが、耐食性・色調
の点から上限を10%を最大とした。単独の合金化では
硬化層に脆い層が形成されない上限としても10%とし
た。パラジウムについては硬化処理時の黒色化を避ける
ために5%を上限とした。
【0011】(実施例2)図1は一体成形時計裏蓋の断
面図である。図1(a)は従来の一体成形した断面図で
ある。図1(b)は一体成形した時計裏蓋に本発明の硬
化層12を設けた図である。表3に硬化処理後のこの裏
蓋のケースとの嵌合特性を示す。ステンレススチールの
ケースと裏蓋の要求特性5Kg をクリアしており、実用可
能なことが判る。表3においてはケース、裏蓋の材質は
95Pt-4Cu-1Pd, 処理条件は硬化剤濃度60%,活性剤濃度7.
5% ,処理温度 700°C,処理時間 5H である。
【0012】
【表3】
【0013】(実施例3)図2は二体構造の裏蓋の断面
図であり、中子2と蓋1をろう付け部22で接合した図
である。図2(a)は従来のろう付け後二体構造の断面
図であり、図2(b)は本発明による硬化層12を設け
た図である。胴部2と蓋1をろう付け部22で接合した
後硬化層12で硬化処理した。図3はケースとバンドの
接合部の断面図であり、ケース5とバンド4をろう付け
部41で接合した図である。図3(a)は従来のケース
とバンドの接合部の断面図であり図3(b)は本発明に
よる硬化層を設けた図である。ケース5とバンド4をろ
う付け部41で接合した後硬化層12で硬化処理した。
図4は中留め接合部の断面図であり、中留め部品をろう
付け部41で接合した図である。図4(a)は従来の中
留め接合後の断面図であり、図4(b)は中留部品をろ
う付け部41で接合した後硬化層12で硬化処理した図
である。。表4にそれぞれの硬化処理前後のろう付け部
の硬度を示す。硬化処理によるろう付け部品質に問題な
いことが判る。材質及び処理条件は表3と同じである。
【0014】
【表4】
【0015】(実施例4)硬化処理により形成された硬
化層の融点が低下することを利用し、前記のような各種
時計外装部品を硬化処理した後ろう付けすることなく、
硬化層の融点温度直下まで中性或いは不活性雰囲気で加
熱し接合することにより接着することができる。以下の
表5に接合前の硬度と接合後の接合部硬度及び被接合部
の硬度を前記二体裏蓋、ケースとバンドの接合時、及び
中留めをそれぞれに説明する。材質、硬化処理条件は表
3と同じで接合温度 700°C/5Hr である。
【0016】
【表5】
【0017】
【発明の効果】以上本発明によれば、銅と白金或いは
胴、パラジウムと白金からなる白金合金に微量元素を拡
散浸透させることにより、従来にない硬さと嵌合品質が
得られ、同時に鏡面性がより改善される。さらに、ろう
材を用いないで部品同士を接合できるので、接合部の色
違いも生じないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一体成形したダボ食いつきタイプ裏蓋
の左半分の断面図で、(b)は硬化処理後の一体成形し
たダボ食いつきタイプ裏蓋の左半分の断面図である。
【図2】(aは)二体タイプ裏蓋のろう付け後の左半分
の断面図で、(b)は二体タイプ裏蓋のろう付け後に硬
化処理した左半分の断面図である。
【図3】(a)は時計ケースとバンドのろう付け後の左
半分の断面図で、(b)は時計ケースとバンドのろう付
け後に硬化処理した左半分の断面図である。
【図4】(a)はダブルフックタイプ中留めのろう付け
後の断面図で、(b)はダブルフックタイプ中留めのろ
う付け後に硬化処理した断面図である。
【図5】(a)二体タイプ裏蓋の接合前に硬化処理した
部品の左半分の断面図で(b)は二体タイプ裏蓋の接合
前に硬化処理した部品を接合した後の左半分の断面図で
ある。
【図6】(a)時計ケースとバンドの接合前に硬化処理
した部品の左半分の断面図で、(b)は時計ケースとバ
ンドの接合前に硬化処理した部品を接合した後の左半分
の断面図である。
【図7】(a)ダブルフックタイプ中留めの接合前に硬
化処理した部品の断面図で、(b)はダブルフックタイ
プ中留めの接合前に硬化処理した部品を接合した後の断
面図である。
【図8】白金合金への微量ホウ素元素を拡散させたとき
の硬化層の断面を示す図面代用写真である。
【図9】従来の材料(Pt,Pt-Pd合金)への微量ホウ素元
素を拡散させたときの硬化層の断面を示す図面代用写真
である。
【図10】中心部まで拡散が進むと表層部により硬度の
高い硬化層が形成されたことを示す図面代用写真であ
る。
【符号の説明】
1 うらぶた 2 胴部 4 バンド 5 ケース 6 ダブルフックタイプ中留め 11 ダボ 12 硬化層 22,41 ろう付け

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金合金時計外装部品の製造方法におい
    て、前記白金合金の組成は白金,銅或いは、白金,パラ
    ジウム,銅からなり、その表面からホウ素単独或いはホ
    ウ素とシリコンを複合で拡散浸透させ硬化したことを特
    徴とする白金合金時計外装部品。
  2. 【請求項2】 前記白金合金の総重量に対して、銅は1.
    0 〜10.0 重量%、パラジュウムは1.0 〜5.0 重量%含
    有し、残部が白金であることを特徴とする請求項1記載
    の白金合金時計外装部品。
  3. 【請求項3】 胴部と一体成形した裏蓋を、その成形加
    工後に硬化処理したことを特徴とする請求項1及び請求
    項2記載の白金合金時計外装部品。
  4. 【請求項4】 前記白金合金外装部品の接合部をろう付
    け後、前記硬化処理したことを特徴とする請求項1及び
    請求項2記載の白金合金時計外装部品。
  5. 【請求項5】 前記白金合金外装部品に微量元素を拡散
    浸透させてなる硬化層を硬化層の融点温度直下まで中性
    あるいは不活性雰囲気で加熱して部品同士接合したこと
    を特徴とする請求項1及び請求項2記載の白金合金時計
    外装部品。
  6. 【請求項6】 白金合金時計外装部品の製造方法におい
    て、前記白金合金の組成は白金,銅或いは、白金,パラ
    ジウム,銅からなり、その表面からホウ素単独或いはホ
    ウ素とシリコンを複合で拡散浸透させ硬化したことを特
    徴とする白金合金時計外装部品の製造方法。
JP19808295A 1995-07-11 1995-07-11 白金合金時計外装部品の製造方法 Pending JPH0926485A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19808295A JPH0926485A (ja) 1995-07-11 1995-07-11 白金合金時計外装部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19808295A JPH0926485A (ja) 1995-07-11 1995-07-11 白金合金時計外装部品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0926485A true JPH0926485A (ja) 1997-01-28

Family

ID=16385219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19808295A Pending JPH0926485A (ja) 1995-07-11 1995-07-11 白金合金時計外装部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0926485A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321719A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Furuya Kinzoku:Kk 装飾品用白金合金
JP2008156709A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Pilot Corporation 装飾用物品及びその製造方法
CN106521446A (zh) * 2016-10-09 2017-03-22 深圳市万普拉斯科技有限公司 真空镀膜方法和真空镀膜治具
CN107058788A (zh) * 2017-04-12 2017-08-18 深圳市星光达珠宝首饰实业有限公司 一种多元铂钌合金及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321719A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Furuya Kinzoku:Kk 装飾品用白金合金
JP2008156709A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Pilot Corporation 装飾用物品及びその製造方法
CN106521446A (zh) * 2016-10-09 2017-03-22 深圳市万普拉斯科技有限公司 真空镀膜方法和真空镀膜治具
CN107058788A (zh) * 2017-04-12 2017-08-18 深圳市星光达珠宝首饰实业有限公司 一种多元铂钌合金及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0926485A (ja) 白金合金時計外装部品の製造方法
US3574570A (en) Composite contact structure for connection to an aluminum support
JPH10102232A (ja) 金属拡散層を有するアルミニウム材およびその製造方法、並びに金属拡散処理用ペースト
JP2726796B2 (ja) 複層摺動部材及びその製造方法
JPH0520392B2 (ja)
KR101798075B1 (ko) 금합금과 구리 소재간 구리의 확산 방지를 위한 열처리 방법을 이용한 할로우 체인 제품
JPS61180685A (ja) 装飾用外装基体への付属部品の接合方法
JPH05179420A (ja) 耐摩耗性に優れたアルミニウム材およびその製造方法
JP2909511B2 (ja) アルミニウム複合材
JP2001015188A5 (ja)
JPH0677829B2 (ja) 摺動部品の製造方法
JP2956493B2 (ja) 時計用外装部品及びその製造方法
JP2001277134A (ja) 超砥粒ホイール用台金
US5419784A (en) Surface treatment material for a metallic base of an artificial tooth and a surface treatment process using the surface treatment material
JP3290258B2 (ja) セラミックスと金属の接合体の製造方法
JPH04294884A (ja) ステンレス鋼の液相拡散接合方法
JPS5833457A (ja) 異質金属の複合金属板材
JPS60145363A (ja) 成分濃度勾配を有する合金の製造方法
JPH0469226B2 (ja)
JPS61185440A (ja) 装飾品用複合素材及びその製造方法
JPS6225725A (ja) 眼鏡フレ−ム用複合素材
JP2001129652A (ja) アルミニウムと銅の接合方法
JPH0517806A (ja) 複合部材とその製造方法
JPH07292455A (ja) 複合材料
JPH02261415A (ja) チタン製魔法瓶の製造方法