JPH09263711A - 耐候性、撥水性に優れた塗膜を与える粉体塗料およびその塗装物 - Google Patents
耐候性、撥水性に優れた塗膜を与える粉体塗料およびその塗装物Info
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- JPH09263711A JPH09263711A JP7447496A JP7447496A JPH09263711A JP H09263711 A JPH09263711 A JP H09263711A JP 7447496 A JP7447496 A JP 7447496A JP 7447496 A JP7447496 A JP 7447496A JP H09263711 A JPH09263711 A JP H09263711A
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- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】エポキシ樹脂の長所である各種基材に対する高
い密着性、すぐれた機械的性能を損なうことなく、耐候
性を向上させ、撥水性、耐水性も十分に兼ね備えた塗膜
を形成することのできる粉体塗料およびその塗装物を提
供すること。 【解決手段】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹
脂(A)と、下記一般式 【化1】 (Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメチル
基、Yは炭素数1〜3のアルキレン基または−(C
H2 )nN(R)SO2 −を表す。Rは炭素数1〜4の
アルキル基、Rf は炭素数3〜15のパ−フルオロアル
キル基を表す。)で表されるパ−フルオロアルキル基含
有アクリレ−トまたはメタクリレ−トとカルボキシル基
含有α,β−エチレン性不飽和単量体の共重合を必須成
分として含み、該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない含
フッ素樹脂(B)とを反応させる際、樹脂(A)のグリ
シジル基と樹脂(B)のカルボキシル基を一部または全
部反応させた変性エポキシ樹脂(C)およびポリエステ
ル樹脂(D)を必須成分として含むことを特徴とする粉
体塗料、およびその塗装物。
い密着性、すぐれた機械的性能を損なうことなく、耐候
性を向上させ、撥水性、耐水性も十分に兼ね備えた塗膜
を形成することのできる粉体塗料およびその塗装物を提
供すること。 【解決手段】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹
脂(A)と、下記一般式 【化1】 (Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメチル
基、Yは炭素数1〜3のアルキレン基または−(C
H2 )nN(R)SO2 −を表す。Rは炭素数1〜4の
アルキル基、Rf は炭素数3〜15のパ−フルオロアル
キル基を表す。)で表されるパ−フルオロアルキル基含
有アクリレ−トまたはメタクリレ−トとカルボキシル基
含有α,β−エチレン性不飽和単量体の共重合を必須成
分として含み、該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない含
フッ素樹脂(B)とを反応させる際、樹脂(A)のグリ
シジル基と樹脂(B)のカルボキシル基を一部または全
部反応させた変性エポキシ樹脂(C)およびポリエステ
ル樹脂(D)を必須成分として含むことを特徴とする粉
体塗料、およびその塗装物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド系粉
体塗料およびその塗装物に関する。さらに詳しくは、エ
ポキシ樹脂の長所である各種基材に対する高い密着性、
機械的性能を損なうことなく耐候性を向上させ、撥水
性、耐水性にも優れた塗膜を与える粉体塗料およびその
塗装物に関する。
体塗料およびその塗装物に関する。さらに詳しくは、エ
ポキシ樹脂の長所である各種基材に対する高い密着性、
機械的性能を損なうことなく耐候性を向上させ、撥水
性、耐水性にも優れた塗膜を与える粉体塗料およびその
塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】パ−フルオロアルキル基を有する(メ
タ)アクリレ−ト(以下、PFAということがある。こ
こで(メタ)アクリレ−トとは、アクリレ−トおよびメ
タクリレ−トのことをいう。)を重合して得られる樹脂
は優れた撥水性を有することが知られている。(例え
ば、「ふっ素樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊) このようなパ−フルオロアルキル基を有する(メタ)ア
クリレ−トを重合して得られる樹脂の特性を利用して、
特開昭48−4528号公報、特開昭50−55630
号公報、特開平4−328151号公報には、該樹脂の
塗料用途への展開が開示されている。特に、特開平4−
328151号公報では、パ−フルオロアルキル基を有
する(メタ)アクリレ−トを含有する特定の共重合体を
含むエポキシ樹脂組成物についての開示がある。また、
特公平6−4785号公報には、フッ素樹脂を含有して
なる熱硬化性粉体塗料についての技術の開示がある。こ
れには、フッ素樹脂、なかでもフッ化ビニリデン樹脂を
含有させて、熱硬化性粉体塗料からなる塗膜の平滑性や
可とう性および耐汚染性を改良する記載がされている。
さらに、特開平6−122840号公報にはフッ化グラ
ファイトを低表面エネルギ−成分とし、バインダ−にポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの中
から選ばれた一種類以上の樹脂を用いた撥水塗料につい
て開示されている。
タ)アクリレ−ト(以下、PFAということがある。こ
こで(メタ)アクリレ−トとは、アクリレ−トおよびメ
タクリレ−トのことをいう。)を重合して得られる樹脂
は優れた撥水性を有することが知られている。(例え
ば、「ふっ素樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊) このようなパ−フルオロアルキル基を有する(メタ)ア
クリレ−トを重合して得られる樹脂の特性を利用して、
特開昭48−4528号公報、特開昭50−55630
号公報、特開平4−328151号公報には、該樹脂の
塗料用途への展開が開示されている。特に、特開平4−
328151号公報では、パ−フルオロアルキル基を有
する(メタ)アクリレ−トを含有する特定の共重合体を
含むエポキシ樹脂組成物についての開示がある。また、
特公平6−4785号公報には、フッ素樹脂を含有して
なる熱硬化性粉体塗料についての技術の開示がある。こ
れには、フッ素樹脂、なかでもフッ化ビニリデン樹脂を
含有させて、熱硬化性粉体塗料からなる塗膜の平滑性や
可とう性および耐汚染性を改良する記載がされている。
さらに、特開平6−122840号公報にはフッ化グラ
ファイトを低表面エネルギ−成分とし、バインダ−にポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの中
から選ばれた一種類以上の樹脂を用いた撥水塗料につい
て開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】PFAの重合体は、そ
の撥水性はパ−フルオロアルキル基の炭素数が大きくな
るほど高くなるが、その場合、同時に通常用いられてい
る炭化水素系の溶剤やエポキシ樹脂にも難溶となる。し
たがって、上述の従来技術においては、それを溶剤等に
可溶化するためPFAにある種の単量体成分を共重合さ
せてPFA共重合体とし、それを溶剤あるいはエポキシ
樹脂に溶解させて使われてきた。しかしながら、このよ
うなPFAの共重合体は、PFAの単独重合体に比べて
撥水性能が低下したり、これを用いたエポキシ樹脂組成
物は、エポキシ樹脂の長所である耐熱性や密着性の低下
を招き、必ずしも十分な性能を有するものではなかっ
た。また、バインダ−の主成分がエポキシ樹脂であるこ
とから、耐候性が低くかった。さらに、フッ化グラファ
イトを用いた撥水塗料ではバインダ−とフッ化グラファ
イト間の界面接着が極めて低いため、塗膜としての種々
の基本性能に劣ることが考えられる。本発明の目的は、
エポキシ樹脂の長所である各種基材に対する高い密着
性、すぐれた機械的性能を損なうことなく、耐候性を向
上させ、撥水性、耐水性も十分に兼ね備えた塗膜を形成
することのできる粉体塗料およびその塗装物を提供する
ことである。
の撥水性はパ−フルオロアルキル基の炭素数が大きくな
るほど高くなるが、その場合、同時に通常用いられてい
る炭化水素系の溶剤やエポキシ樹脂にも難溶となる。し
たがって、上述の従来技術においては、それを溶剤等に
可溶化するためPFAにある種の単量体成分を共重合さ
せてPFA共重合体とし、それを溶剤あるいはエポキシ
樹脂に溶解させて使われてきた。しかしながら、このよ
うなPFAの共重合体は、PFAの単独重合体に比べて
撥水性能が低下したり、これを用いたエポキシ樹脂組成
物は、エポキシ樹脂の長所である耐熱性や密着性の低下
を招き、必ずしも十分な性能を有するものではなかっ
た。また、バインダ−の主成分がエポキシ樹脂であるこ
とから、耐候性が低くかった。さらに、フッ化グラファ
イトを用いた撥水塗料ではバインダ−とフッ化グラファ
イト間の界面接着が極めて低いため、塗膜としての種々
の基本性能に劣ることが考えられる。本発明の目的は、
エポキシ樹脂の長所である各種基材に対する高い密着
性、すぐれた機械的性能を損なうことなく、耐候性を向
上させ、撥水性、耐水性も十分に兼ね備えた塗膜を形成
することのできる粉体塗料およびその塗装物を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPFAから
なる重合体の持つ高撥水性や耐水性を十分に発揮させ、
しかも耐候性を含めた塗膜の基本性能を損なわないため
には、エポキシ樹脂とPFAとからなる重合体がエポキ
シ樹脂とポリエステル樹脂からなるハイブリッド樹脂に
相互に溶解せず、それぞれ独立したドメイン(部位また
は領域)を有する2相分離した構造を保持し、かつ界面
の接着が良好である系が好ましいことをつきとめた。す
なわち、本発明はエポキシ樹脂とポリエステル樹脂から
なるハイブリッド樹脂に実質的に溶解しないPFA中の
パ−フルオロアルキル基を主成分とするドメインが、表
層および内部に分布する2相構造を有する塗膜を形成す
ることを可能にする粉体塗料およびその塗装物を提供す
るものである。本発明は以下に記す発明よりなる。 (1)グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と、下記一般式
なる重合体の持つ高撥水性や耐水性を十分に発揮させ、
しかも耐候性を含めた塗膜の基本性能を損なわないため
には、エポキシ樹脂とPFAとからなる重合体がエポキ
シ樹脂とポリエステル樹脂からなるハイブリッド樹脂に
相互に溶解せず、それぞれ独立したドメイン(部位また
は領域)を有する2相分離した構造を保持し、かつ界面
の接着が良好である系が好ましいことをつきとめた。す
なわち、本発明はエポキシ樹脂とポリエステル樹脂から
なるハイブリッド樹脂に実質的に溶解しないPFA中の
パ−フルオロアルキル基を主成分とするドメインが、表
層および内部に分布する2相構造を有する塗膜を形成す
ることを可能にする粉体塗料およびその塗装物を提供す
るものである。本発明は以下に記す発明よりなる。 (1)グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と、下記一般式
【0005】
【化2】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
チル基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基または
−(CH2 )nN(R)SO2 −を表す。ここでRは炭
素数1〜4のアルキル基を示す。Rf は炭素数3〜15
のパ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フ
ルオロアルキル基含有アクリレ−トまたはメタクリレ−
トとカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量
体の共重合を必須成分として含み、該エポキシ樹脂に実
質的に溶解しない含フッ素樹脂(B)とを反応させる
際、樹脂(A)のグリシジル基と樹脂(B)のカルボキ
シル基を一部または全部反応させた変性エポキシ樹脂
(C)およびポリエステル樹脂(D)を必須成分として
含むことを特徴とする粉体塗料。 (2)(1)記載のポリエステル樹脂(D)がカルボキ
シル基を含有していることを特徴とする粉体塗料。 (3)(1)または(2)記載の組成物にさらに室温で
固体状のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする粉体塗
料。 (4)(1),(2)または(3)記載の粉体塗料の塗
装物であって、その変性エポキシ樹脂(C)に由来する
フッ素ドメインが硬化塗膜の表面および内部に分布して
いることを特徴とする塗装物。
チル基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基または
−(CH2 )nN(R)SO2 −を表す。ここでRは炭
素数1〜4のアルキル基を示す。Rf は炭素数3〜15
のパ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フ
ルオロアルキル基含有アクリレ−トまたはメタクリレ−
トとカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量
体の共重合を必須成分として含み、該エポキシ樹脂に実
質的に溶解しない含フッ素樹脂(B)とを反応させる
際、樹脂(A)のグリシジル基と樹脂(B)のカルボキ
シル基を一部または全部反応させた変性エポキシ樹脂
(C)およびポリエステル樹脂(D)を必須成分として
含むことを特徴とする粉体塗料。 (2)(1)記載のポリエステル樹脂(D)がカルボキ
シル基を含有していることを特徴とする粉体塗料。 (3)(1)または(2)記載の組成物にさらに室温で
固体状のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする粉体塗
料。 (4)(1),(2)または(3)記載の粉体塗料の塗
装物であって、その変性エポキシ樹脂(C)に由来する
フッ素ドメインが硬化塗膜の表面および内部に分布して
いることを特徴とする塗装物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料は、塗膜の焼き
つけ後においてエポキシ樹脂とポリエステル樹脂とから
なるハイブリッド樹脂に実質的に溶解しない含フッ素
(メタ)アクリレ−ト系樹脂が2相分離構造をなし、該
含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂相が塗膜表面とハ
イブリッド樹脂中に分散した塗膜を提供する。この際、
含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂とエポキシ樹脂を
単純に混合したものに比べて、本系のように含フッ素
(メタ)アクリレ−ト系樹脂がエポキシ樹脂に付加した
場合、含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂相の界面の
接着が極めて良好となる。焼きつけ塗膜の前駆体をなす
本発明の粉体塗料において、含フッ素(メタ)アクリレ
−ト系樹脂微粒子の粒径は、10μm以下が好ましい範
囲であり、それ以上の粒径では、塗膜内でのフッ素樹脂
微粒子の均一分散が困難となる傾向がみられる。
つけ後においてエポキシ樹脂とポリエステル樹脂とから
なるハイブリッド樹脂に実質的に溶解しない含フッ素
(メタ)アクリレ−ト系樹脂が2相分離構造をなし、該
含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂相が塗膜表面とハ
イブリッド樹脂中に分散した塗膜を提供する。この際、
含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂とエポキシ樹脂を
単純に混合したものに比べて、本系のように含フッ素
(メタ)アクリレ−ト系樹脂がエポキシ樹脂に付加した
場合、含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂相の界面の
接着が極めて良好となる。焼きつけ塗膜の前駆体をなす
本発明の粉体塗料において、含フッ素(メタ)アクリレ
−ト系樹脂微粒子の粒径は、10μm以下が好ましい範
囲であり、それ以上の粒径では、塗膜内でのフッ素樹脂
微粒子の均一分散が困難となる傾向がみられる。
【0007】次に、本発明に用いられる各成分について
説明する。室温において固体状のエポキシ樹脂(A)と
しては軟化温度が室温以上、好ましくは50℃以上であ
り、かつ一分子あたりグリシジル基を2個以上有する化
合物であればに限定されないが、具体的に例示すると以
下のようなものがある。例えば、ビスフェノ−ルA、ビ
スフェノ−ルF、1,1’−ビス(3−t−ブチル−6
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラメ
チルビフェノ−ル、ナフタレンジオ−ルなどの2価フェ
ノ−ル類から誘導されるグリシジルエ−テル化合物、p
−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル
酸、イソフタル酸などの芳香族カルボン酸から誘導され
るグリシジルエステル化合物、あるいはトリグリシジル
イソシアヌレ−トなどがある。また、フェノ−ル、o−
クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p−クレゾ−ル等のフェ
ノ−ル類とホルムアルデヒドの反応生成物であるノボラ
ック樹脂から誘導されるノボラック系エポキシ樹脂、フ
ロログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−
メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ
フェニル)等の3価以上のフェノ−ル類から誘導される
グリシジルエ−テル化合物等がある。これらは単独であ
るいは2種類以上の混合物として用いることができる。
また、エポキシ分子中に含まれる水素原子の一部を臭素
などのハロゲン原子により置換されたハロゲン化エポキ
シ樹脂も難燃性付与等において有用な材料である。特に
本発明においては、一分子中に3個以上のグリシジル基
を有するノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ま
しいものである。
説明する。室温において固体状のエポキシ樹脂(A)と
しては軟化温度が室温以上、好ましくは50℃以上であ
り、かつ一分子あたりグリシジル基を2個以上有する化
合物であればに限定されないが、具体的に例示すると以
下のようなものがある。例えば、ビスフェノ−ルA、ビ
スフェノ−ルF、1,1’−ビス(3−t−ブチル−6
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラメ
チルビフェノ−ル、ナフタレンジオ−ルなどの2価フェ
ノ−ル類から誘導されるグリシジルエ−テル化合物、p
−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル
酸、イソフタル酸などの芳香族カルボン酸から誘導され
るグリシジルエステル化合物、あるいはトリグリシジル
イソシアヌレ−トなどがある。また、フェノ−ル、o−
クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p−クレゾ−ル等のフェ
ノ−ル類とホルムアルデヒドの反応生成物であるノボラ
ック樹脂から誘導されるノボラック系エポキシ樹脂、フ
ロログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−
メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ
フェニル)等の3価以上のフェノ−ル類から誘導される
グリシジルエ−テル化合物等がある。これらは単独であ
るいは2種類以上の混合物として用いることができる。
また、エポキシ分子中に含まれる水素原子の一部を臭素
などのハロゲン原子により置換されたハロゲン化エポキ
シ樹脂も難燃性付与等において有用な材料である。特に
本発明においては、一分子中に3個以上のグリシジル基
を有するノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ま
しいものである。
【0008】本発明には主鎖がエステル結合で形成され
ているポリエステル樹脂が使用されるが、末端および/
または側鎖中にカルボキシル基をもつカルボキシル基含
有ポリエステルを用いることが好ましい。また、一般の
粉体塗料に使用できるものであれば特に限定されない。
本発明に用いるポリエステル樹脂は公知の方法を用いて
得ることができる。例えば、多価酸成分を多価アルコ−
ル成分に対して過剰に反応させて得る方法、または、一
旦高重合度にしたポリエステルを分子量調整,分岐状と
するため、さらにトリメリット酸、ピロメリット酸など
の多価カルボン酸を用いて解重合する方法などがある。
ポリエステル樹脂を構成する成分は、基本的には多価ア
ルコ−ルと多価カルボン酸より成り、場合によっては油
(脂肪酸)などの変性剤が添加される。多価アルコ−ル
としては、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリ
コ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ
−ルなどの二価アルコ−ル類、グリセリン、トリメチロ
−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、トリスヒドロキ
シメチルアミノメタンなどの三価アルコ−ル類、ペンタ
エリスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル等が例示され
る。多価カルボン酸としては、例えば、無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、またはこれらの低級アル
キルエステル、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラク
ロル無水フタル酸、無水ヘット酸、3,6−エンドメチ
レン−△4 −テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二価カル
ボン酸類、無水トリメリット酸、トリメリット酸、メチ
ルシクロヘキセントリカルボン酸などの三価カルボン酸
類、無水ピロメリット酸等が例示される。油(脂肪酸)
の例としては、アマニ油、桐油、脱水ヒマシ油、大豆
油、サフラワ−油、ヤシ油、ヒマシ油などの油や、アマ
ニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ト−ル油脂肪酸などの脂肪
酸があげられる。その他、ロジン、フェノ−ル類、エポ
キシ化合物、ビニル化合物などを添加し、さらに変性し
た樹脂も用いることができる。
ているポリエステル樹脂が使用されるが、末端および/
または側鎖中にカルボキシル基をもつカルボキシル基含
有ポリエステルを用いることが好ましい。また、一般の
粉体塗料に使用できるものであれば特に限定されない。
本発明に用いるポリエステル樹脂は公知の方法を用いて
得ることができる。例えば、多価酸成分を多価アルコ−
ル成分に対して過剰に反応させて得る方法、または、一
旦高重合度にしたポリエステルを分子量調整,分岐状と
するため、さらにトリメリット酸、ピロメリット酸など
の多価カルボン酸を用いて解重合する方法などがある。
ポリエステル樹脂を構成する成分は、基本的には多価ア
ルコ−ルと多価カルボン酸より成り、場合によっては油
(脂肪酸)などの変性剤が添加される。多価アルコ−ル
としては、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリ
コ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリ
コ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ
−ルなどの二価アルコ−ル類、グリセリン、トリメチロ
−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、トリスヒドロキ
シメチルアミノメタンなどの三価アルコ−ル類、ペンタ
エリスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル等が例示され
る。多価カルボン酸としては、例えば、無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、またはこれらの低級アル
キルエステル、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラク
ロル無水フタル酸、無水ヘット酸、3,6−エンドメチ
レン−△4 −テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの二価カル
ボン酸類、無水トリメリット酸、トリメリット酸、メチ
ルシクロヘキセントリカルボン酸などの三価カルボン酸
類、無水ピロメリット酸等が例示される。油(脂肪酸)
の例としては、アマニ油、桐油、脱水ヒマシ油、大豆
油、サフラワ−油、ヤシ油、ヒマシ油などの油や、アマ
ニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ト−ル油脂肪酸などの脂肪
酸があげられる。その他、ロジン、フェノ−ル類、エポ
キシ化合物、ビニル化合物などを添加し、さらに変性し
た樹脂も用いることができる。
【0009】本発明で用いられるパ−フルオロアルキル
基含有(メタ)アクリレ−トは、前記一般式で表される
化合物であって、これより得られる含フッ素樹脂はエポ
キシ樹脂に実質的に溶解しないものである。エポキシ樹
脂に実質的に溶解しないとは、エポキシ樹脂と含フッ素
樹脂を加熱攪拌等の操作により混合した場合、外観上不
透明で、ほとんど相溶しないことをいう。含フッ素樹脂
(B)の撥水性から、Rfで示されるパ−フルオロアル
キル基の炭素数が6以上のものが特に好ましく、その群
より選ばれた1種類もしくは2種類以上を混合して用い
ることができる。パ−フルオロ基含有(メタ)アクリレ
−トを具体的に例示すると、
基含有(メタ)アクリレ−トは、前記一般式で表される
化合物であって、これより得られる含フッ素樹脂はエポ
キシ樹脂に実質的に溶解しないものである。エポキシ樹
脂に実質的に溶解しないとは、エポキシ樹脂と含フッ素
樹脂を加熱攪拌等の操作により混合した場合、外観上不
透明で、ほとんど相溶しないことをいう。含フッ素樹脂
(B)の撥水性から、Rfで示されるパ−フルオロアル
キル基の炭素数が6以上のものが特に好ましく、その群
より選ばれた1種類もしくは2種類以上を混合して用い
ることができる。パ−フルオロ基含有(メタ)アクリレ
−トを具体的に例示すると、
【0010】
【化3】 CH2 =CHCOO−CH2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CHCOO−CH2 CH2 −(CF2 )n −C
F3 CH2 =C(CH3 )−COO−CH2 −(CF2 )n
−CF3 CH2 =C(CH3 )−COO−CH2 CH2 −(CF
2 )n −CF3 CH2 =CHCOO−CH2 CH2 −N(CH3 )SO
2 −(CF2 )n −CF 3 CH2 =CHCOO−CH2 CH2 −N(C3 H7 )S
O2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CFCOO−CH2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CFCOO−CH2 CH2 −(CF2 )n −C
F3 (ここでnは2〜14の整数を表す。)等があるがこの
限りではない。カルボキシル基含有α,β−エチレン性
不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が例示されるが、作
業性や性能からアクリル酸あるいはメタクリル酸が好適
なものであり、特にアクリル酸が好ましい。
F3 CH2 =C(CH3 )−COO−CH2 −(CF2 )n
−CF3 CH2 =C(CH3 )−COO−CH2 CH2 −(CF
2 )n −CF3 CH2 =CHCOO−CH2 CH2 −N(CH3 )SO
2 −(CF2 )n −CF 3 CH2 =CHCOO−CH2 CH2 −N(C3 H7 )S
O2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CFCOO−CH2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CFCOO−CH2 CH2 −(CF2 )n −C
F3 (ここでnは2〜14の整数を表す。)等があるがこの
限りではない。カルボキシル基含有α,β−エチレン性
不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が例示されるが、作
業性や性能からアクリル酸あるいはメタクリル酸が好適
なものであり、特にアクリル酸が好ましい。
【0011】変性エポキシ樹脂を合成する際の原料量比
について説明する。含フッ素樹脂(B)を合成する場合
において、パ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
レ−トは、カルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽
和単量体1モルに対して0.1〜10モル、さらに好ま
しくは0.3〜2モルになるように仕込むことが望まし
い。エポキシ樹脂(A)と含フッ素樹脂(B)との反応
において、両者の割合は、後者の樹脂中のカルボキシル
基含有α,β−エチレン性不飽和単量体単位が、エポキ
シ樹脂中のグリシジル基1モルに対して0.01〜0.
5モルの範囲となるようにするのが好ましい。
について説明する。含フッ素樹脂(B)を合成する場合
において、パ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
レ−トは、カルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽
和単量体1モルに対して0.1〜10モル、さらに好ま
しくは0.3〜2モルになるように仕込むことが望まし
い。エポキシ樹脂(A)と含フッ素樹脂(B)との反応
において、両者の割合は、後者の樹脂中のカルボキシル
基含有α,β−エチレン性不飽和単量体単位が、エポキ
シ樹脂中のグリシジル基1モルに対して0.01〜0.
5モルの範囲となるようにするのが好ましい。
【0012】次に変性エポキシ樹脂の調製方法について
説明する。まず、パ−フルオロアルキル基含有(メタ)
アクリレ−トとカルボキシル基含有α,β−エチレン性
不飽和単量体の共重合体を得るためには、種々の重合反
応の方式や条件を任意に選択することができ、塊状重
合、溶液重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合などがあ
げられる。例えば、分散安定剤の存在下で非水系の分散
重合と呼ばれる方法を用いることができる。該方法では
ポリマ−の重合の進行に伴い、均一溶液から含フッ素樹
脂粒子が分離、析出してくる。この場合、分散安定剤と
しては、フルオロアルキル部位を有するオリゴマ−また
はポリマ−が好ましい。例えば、パ−フルオロアルキル
基を疎水基として有するオリゴマ−またはポリマ−が好
ましく、具体的に例示すると、 (1)メガファックF−117(商品名、大日本インキ
(株)製のパ−フルオロアルキル基含有オリゴマ−、ノ
ニオン性) (2)フロラ−ドFC−430(商品名、住友スリ−エ
ム(株)製のフルオロアリファティックポリメリックエ
ステルズ、ノニオン性) 等、があげられるが、この限りではない。ここで用いる
重合開始剤としては、公知のものが使用でき、熱分解あ
るいは紫外線の刺激等によりラジカルを発生する各種化
合物を用いることができる。例示すると、クメンヒドロ
ペルオキシド、第三ブチルヒドロペルオキシド、ジクミ
ルペルオキシド、ジ第三ブチルヒドロペルオキシド、過
酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、メチルエチルケトン
ペルオキシド、過酸化ラウロイル等の過酸化物、N=N
結合を有するアゾビスイソブチロニトリル(以下AIB
Nという)等のアゾ系化合物、過酸化水素−Fe2+、過
硫酸塩−NaHSO3 、過酸化ベンゾイル−ジメチルア
ニリン等の単一開始剤や二元開始剤を用いることができ
る。
説明する。まず、パ−フルオロアルキル基含有(メタ)
アクリレ−トとカルボキシル基含有α,β−エチレン性
不飽和単量体の共重合体を得るためには、種々の重合反
応の方式や条件を任意に選択することができ、塊状重
合、溶液重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合などがあ
げられる。例えば、分散安定剤の存在下で非水系の分散
重合と呼ばれる方法を用いることができる。該方法では
ポリマ−の重合の進行に伴い、均一溶液から含フッ素樹
脂粒子が分離、析出してくる。この場合、分散安定剤と
しては、フルオロアルキル部位を有するオリゴマ−また
はポリマ−が好ましい。例えば、パ−フルオロアルキル
基を疎水基として有するオリゴマ−またはポリマ−が好
ましく、具体的に例示すると、 (1)メガファックF−117(商品名、大日本インキ
(株)製のパ−フルオロアルキル基含有オリゴマ−、ノ
ニオン性) (2)フロラ−ドFC−430(商品名、住友スリ−エ
ム(株)製のフルオロアリファティックポリメリックエ
ステルズ、ノニオン性) 等、があげられるが、この限りではない。ここで用いる
重合開始剤としては、公知のものが使用でき、熱分解あ
るいは紫外線の刺激等によりラジカルを発生する各種化
合物を用いることができる。例示すると、クメンヒドロ
ペルオキシド、第三ブチルヒドロペルオキシド、ジクミ
ルペルオキシド、ジ第三ブチルヒドロペルオキシド、過
酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、メチルエチルケトン
ペルオキシド、過酸化ラウロイル等の過酸化物、N=N
結合を有するアゾビスイソブチロニトリル(以下AIB
Nという)等のアゾ系化合物、過酸化水素−Fe2+、過
硫酸塩−NaHSO3 、過酸化ベンゾイル−ジメチルア
ニリン等の単一開始剤や二元開始剤を用いることができ
る。
【0013】また、含フッ素樹脂の共重合体中に、他の
フッ素原子を有しないラジカル重合性単量体を共重合し
て導入することも有用な技術である。これらの共重合可
能な成分としては、スチレン系単量体、アクリル系単量
体が好適なものであり、例えば、スチレン、メチルスチ
レン、エチルスチレンなどのアルキルスチレン、メチル
(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、
イソブチル(メタ)アクリレ−ト、等のアルキル(メ
タ)アクリレ−ト、アルコキシ(メタ)アクリレ−ト、
シアノエチル(メタ)アクリレ−ト、アクリルアミド、
グリシジル(メタ)アクリレ−ト等がある。
フッ素原子を有しないラジカル重合性単量体を共重合し
て導入することも有用な技術である。これらの共重合可
能な成分としては、スチレン系単量体、アクリル系単量
体が好適なものであり、例えば、スチレン、メチルスチ
レン、エチルスチレンなどのアルキルスチレン、メチル
(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、
イソブチル(メタ)アクリレ−ト、等のアルキル(メ
タ)アクリレ−ト、アルコキシ(メタ)アクリレ−ト、
シアノエチル(メタ)アクリレ−ト、アクリルアミド、
グリシジル(メタ)アクリレ−ト等がある。
【0014】含フッ素樹脂または含フッ素樹脂分散液と
エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂溶液を、触媒の存在下
または非存在下で反応させ、エポキシ樹脂に含フッ素樹
脂中のカルボキシル基の一部または全部を付加させ、変
性エポキシ樹脂を得る。触媒としては公知のものが使用
でき、例えば、トリフェニルフォスフィンや2−エチル
−4−メチルイミダゾ−ル等のイミダゾ−ル化合物等の
塩基性触媒を用いることができる。また、反応時、必要
に応じて用いられる有機溶剤は不活性有機溶剤を使用す
ることが望ましい。この不活性有機溶剤の代表的なもの
としては、脂肪族炭化水素系のペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、またはシクロヘキサン等や、芳香族
炭化水素系のベンゼン、トルエン、あるいはキシレン等
がある。さらには、石油エ−テル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ブタノ−ル、イソプロパノ−ル等を用いるこ
とができる。溶剤を用いて合成された変性エポキシ樹脂
は粉体塗料の必須成分となるため、合成後溶剤を除去
し、固体とする必要がある。
エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂溶液を、触媒の存在下
または非存在下で反応させ、エポキシ樹脂に含フッ素樹
脂中のカルボキシル基の一部または全部を付加させ、変
性エポキシ樹脂を得る。触媒としては公知のものが使用
でき、例えば、トリフェニルフォスフィンや2−エチル
−4−メチルイミダゾ−ル等のイミダゾ−ル化合物等の
塩基性触媒を用いることができる。また、反応時、必要
に応じて用いられる有機溶剤は不活性有機溶剤を使用す
ることが望ましい。この不活性有機溶剤の代表的なもの
としては、脂肪族炭化水素系のペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、またはシクロヘキサン等や、芳香族
炭化水素系のベンゼン、トルエン、あるいはキシレン等
がある。さらには、石油エ−テル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ブタノ−ル、イソプロパノ−ル等を用いるこ
とができる。溶剤を用いて合成された変性エポキシ樹脂
は粉体塗料の必須成分となるため、合成後溶剤を除去
し、固体とする必要がある。
【0015】次に上記変性エポキシ樹脂を用いた粉体塗
料組成物について説明する。本発明において、変性エポ
キシ樹脂(C)、ポリエステル樹脂(D)、固体状エポ
キシ樹脂(E)の組成割合について特に限定はないが、
組成物の経済性、機械的性能、表面性能などの観点か
ら、ポリエステル樹脂(D)またはポリエステル樹脂
(D)と固体状エポキシ樹脂(E)より成るハイブリッ
ド樹脂100重量部に対して、変性エポキシ樹脂(C)
が好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは40
重量部以下である。また、該組成物中のカルボキシル基
とグリシジル基のモル数を合わせておくことが好まし
い。本組成物には必要に応じて硬化促進剤が添加され
る。カルボキシル基とグリシジル基の反応を促進するも
のであれば特に限定されないが、硬化促進剤としてはイ
ミダゾ−ル化合物などの3級アミンが例示される。ま
た、添加量は各硬化条件でゲルタイムを考慮して決定さ
れる。
料組成物について説明する。本発明において、変性エポ
キシ樹脂(C)、ポリエステル樹脂(D)、固体状エポ
キシ樹脂(E)の組成割合について特に限定はないが、
組成物の経済性、機械的性能、表面性能などの観点か
ら、ポリエステル樹脂(D)またはポリエステル樹脂
(D)と固体状エポキシ樹脂(E)より成るハイブリッ
ド樹脂100重量部に対して、変性エポキシ樹脂(C)
が好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは40
重量部以下である。また、該組成物中のカルボキシル基
とグリシジル基のモル数を合わせておくことが好まし
い。本組成物には必要に応じて硬化促進剤が添加され
る。カルボキシル基とグリシジル基の反応を促進するも
のであれば特に限定されないが、硬化促進剤としてはイ
ミダゾ−ル化合物などの3級アミンが例示される。ま
た、添加量は各硬化条件でゲルタイムを考慮して決定さ
れる。
【0016】このほかにも本発明の塗料には必要に応じ
て、顔料、難燃剤、レベリング剤などの添加剤を配合す
ることもできる。顔料としては、二酸化チタン、ベンガ
ラ、黄色酸化鉄、カ−ボンブラック、フタロシアニンブ
ル−、フタロシアニングリ−ン、キナクリドン系赤色顔
料、イソインドリノン系黄色顔料などの着色顔料、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質
顔料、アルミ粉、ステンレス粉などの金属粉、ならびに
マイカ粉などを挙げることができる。難燃剤としては三
酸化アンチモン、赤リン系難燃剤、含臭素系難燃剤を挙
げることができる。本発明の塗料は、以上の所望成分を
一般的な方法を用いて混合・混練し、微粉砕することで
調製できる。例えば、各成分をヘンシェルミキサ−で混
合後、押出し機で溶融混練した後、ピンミルを用いて微
粉砕し、さらにふるいを用いて分級することにより、粉
体塗料とすることができる。また、鋼板などの基材に塗
装するにあっては、公知の粉体塗料の塗装方法によって
塗装される。
て、顔料、難燃剤、レベリング剤などの添加剤を配合す
ることもできる。顔料としては、二酸化チタン、ベンガ
ラ、黄色酸化鉄、カ−ボンブラック、フタロシアニンブ
ル−、フタロシアニングリ−ン、キナクリドン系赤色顔
料、イソインドリノン系黄色顔料などの着色顔料、タル
ク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの体質
顔料、アルミ粉、ステンレス粉などの金属粉、ならびに
マイカ粉などを挙げることができる。難燃剤としては三
酸化アンチモン、赤リン系難燃剤、含臭素系難燃剤を挙
げることができる。本発明の塗料は、以上の所望成分を
一般的な方法を用いて混合・混練し、微粉砕することで
調製できる。例えば、各成分をヘンシェルミキサ−で混
合後、押出し機で溶融混練した後、ピンミルを用いて微
粉砕し、さらにふるいを用いて分級することにより、粉
体塗料とすることができる。また、鋼板などの基材に塗
装するにあっては、公知の粉体塗料の塗装方法によって
塗装される。
【0017】
1.光沢:JIS K5400 7.6(60°鏡面反
射率)に準ずる。 2.碁盤目試験:JIS K5400 8.5.1に準
じて行い、評価はマス目の残存率(残存数/100)で
表した。 3.鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.2に準ず
る。 4.エリクセン:JIS K5400 8.2.2に準
ずる。 5.耐衝撃試験:JIS K5400 8.3.2に準
ずる。 6.耐煮沸試験:塗板を沸騰している水中に1時間浸漬
させた後、表面性状を観察。 7.耐湿試験:JIS K5400 9.2.2の方法
にもとづいて、300時間行った。 8.耐酸性試験:25℃,5%硫酸水溶液に240時間
浸漬させた後、表面性状を観察。 9.耐アルカリ性試験:25℃,5%水酸化ナトリウム
水溶液に240時間浸漬させた後、表面性状を観察。 10.接触角測定:接触角は協和界面科学(株)製接触
角計モデルCA−Aを用いて測定した。 11.促進耐候性試験:スガ試験機(株)製強エネルギ
−キセノンウエザ−メ−タSC700−WN型を用い
て、JIS K5400 9.8.1に記載のある運転
条件で100時間試験を行った。評価は試験前後の光沢
保持率を用いて行った。
射率)に準ずる。 2.碁盤目試験:JIS K5400 8.5.1に準
じて行い、評価はマス目の残存率(残存数/100)で
表した。 3.鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.2に準ず
る。 4.エリクセン:JIS K5400 8.2.2に準
ずる。 5.耐衝撃試験:JIS K5400 8.3.2に準
ずる。 6.耐煮沸試験:塗板を沸騰している水中に1時間浸漬
させた後、表面性状を観察。 7.耐湿試験:JIS K5400 9.2.2の方法
にもとづいて、300時間行った。 8.耐酸性試験:25℃,5%硫酸水溶液に240時間
浸漬させた後、表面性状を観察。 9.耐アルカリ性試験:25℃,5%水酸化ナトリウム
水溶液に240時間浸漬させた後、表面性状を観察。 10.接触角測定:接触角は協和界面科学(株)製接触
角計モデルCA−Aを用いて測定した。 11.促進耐候性試験:スガ試験機(株)製強エネルギ
−キセノンウエザ−メ−タSC700−WN型を用い
て、JIS K5400 9.8.1に記載のある運転
条件で100時間試験を行った。評価は試験前後の光沢
保持率を用いて行った。
【0018】合成例1 トルエン114g、商品名フロラ−ドFC−430(住
友スリ−エム(株)製のフルオロアリファティクポリメ
リックエステルズ、ノニオン性)2.0gを温度計、冷
却管および攪拌装置を付けた500mlのセパラブルフ
ラスコに仕込み、100℃、窒素雰囲気の条件で商品名
ライトエステルFA−108(共栄社化学(株)製、β
−(パ−フルオロオクチル)エチルアクリレ−ト)30
g、アクリル酸6.0gおよびトルエン30gを混合
し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以
下AIBNと略記)2.0gを添加、溶解させたものを
1時間かけて滴下した。該溶液は、滴下途上で均一透明
溶液から乳白色の溶液に変化した。さらに、100℃で
2時間保持し、赤外吸収スペクトルでCH2 =CH基の
吸収(1640cm-1)の消失を確認して重合反応の終
点とした。該乳白液を冷却後トルエンをさらに114g
追加し、遠心分離器を用いて分散質を分離、回収した。
収量は33.5g,収率は83.8%であった。続い
て、回収した該フッ素オリゴマ−33.5gと商品名ス
ミエポキシESCN−195(住友化学工業(株)製、
o−クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当
量195g/eq)41.9gとを500mlのセパラ
ブルフラスコにとり、130℃、窒素気流下で溶融させ
一時間攪拌した。均一になっていることを確認した後、
反応触媒としてトリフェニルフォスフィン0.17gを
添加し、さらに3時間攪拌を続けた。得られた変性エポ
キシ樹脂の286g/eqであった。
友スリ−エム(株)製のフルオロアリファティクポリメ
リックエステルズ、ノニオン性)2.0gを温度計、冷
却管および攪拌装置を付けた500mlのセパラブルフ
ラスコに仕込み、100℃、窒素雰囲気の条件で商品名
ライトエステルFA−108(共栄社化学(株)製、β
−(パ−フルオロオクチル)エチルアクリレ−ト)30
g、アクリル酸6.0gおよびトルエン30gを混合
し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以
下AIBNと略記)2.0gを添加、溶解させたものを
1時間かけて滴下した。該溶液は、滴下途上で均一透明
溶液から乳白色の溶液に変化した。さらに、100℃で
2時間保持し、赤外吸収スペクトルでCH2 =CH基の
吸収(1640cm-1)の消失を確認して重合反応の終
点とした。該乳白液を冷却後トルエンをさらに114g
追加し、遠心分離器を用いて分散質を分離、回収した。
収量は33.5g,収率は83.8%であった。続い
て、回収した該フッ素オリゴマ−33.5gと商品名ス
ミエポキシESCN−195(住友化学工業(株)製、
o−クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当
量195g/eq)41.9gとを500mlのセパラ
ブルフラスコにとり、130℃、窒素気流下で溶融させ
一時間攪拌した。均一になっていることを確認した後、
反応触媒としてトリフェニルフォスフィン0.17gを
添加し、さらに3時間攪拌を続けた。得られた変性エポ
キシ樹脂の286g/eqであった。
【0019】合成例2 トルエン114g、商品名フロラ−ドFC−430(住
友スリ−エム(株)製のフルオロアリファティクポリメ
リックエステルズ、ノニオン性)2.0gを温度計、冷
却管および攪拌装置を付けた500mlのセパラブルフ
ラスコに仕込み、100℃、窒素雰囲気の条件で商品名
ライトエステルFA−108(共栄社化学(株)製、β
−(パ−フルオロオクチル)エチルアクリレ−ト)30
g、アクリル酸6.0gおよびトルエン30gを混合
し、重合開始剤としてAIBN2.0gを添加、溶解さ
せたものを1時間かけて滴下した。該溶液は、滴下途上
で均一透明溶液から乳白色の溶液に変化した。さらに、
100℃で2時間保持し、赤外吸収スペクトルでCH2
=CH基の吸収(1640cm-1)の消失を確認して重
合反応の終点とした。該乳白液を冷却後トルエンをさら
に114g追加し、遠心分離器を用いて分散質を分離、
回収した。収量は36.0g,収率は90.0%であっ
た。続いて、回収した該フッ素オリゴマ−35.1gと
商品名スミエポキシESCN−195(住友化学工業
(株)製、o−クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、
エポキシ当量195g/eq)22.5gとを500m
lのセパラブルフラスコにとり、130℃、窒素気流下
で溶融させ1時間攪拌した。均一になっていることを確
認した後、反応触媒としてトリフェニルフォスフィン
0.18gを添加し、さらに3時間攪拌を続けた。得ら
れた変性エポキシ樹脂の375g/eqであった。
友スリ−エム(株)製のフルオロアリファティクポリメ
リックエステルズ、ノニオン性)2.0gを温度計、冷
却管および攪拌装置を付けた500mlのセパラブルフ
ラスコに仕込み、100℃、窒素雰囲気の条件で商品名
ライトエステルFA−108(共栄社化学(株)製、β
−(パ−フルオロオクチル)エチルアクリレ−ト)30
g、アクリル酸6.0gおよびトルエン30gを混合
し、重合開始剤としてAIBN2.0gを添加、溶解さ
せたものを1時間かけて滴下した。該溶液は、滴下途上
で均一透明溶液から乳白色の溶液に変化した。さらに、
100℃で2時間保持し、赤外吸収スペクトルでCH2
=CH基の吸収(1640cm-1)の消失を確認して重
合反応の終点とした。該乳白液を冷却後トルエンをさら
に114g追加し、遠心分離器を用いて分散質を分離、
回収した。収量は36.0g,収率は90.0%であっ
た。続いて、回収した該フッ素オリゴマ−35.1gと
商品名スミエポキシESCN−195(住友化学工業
(株)製、o−クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、
エポキシ当量195g/eq)22.5gとを500m
lのセパラブルフラスコにとり、130℃、窒素気流下
で溶融させ1時間攪拌した。均一になっていることを確
認した後、反応触媒としてトリフェニルフォスフィン
0.18gを添加し、さらに3時間攪拌を続けた。得ら
れた変性エポキシ樹脂の375g/eqであった。
【0020】実施例1 表1にもとづいて、商品名スミエポキシESA014
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)283g、商品名ER8101(日本エステル
(株)製カルボキシル基含有ポリエステル樹脂)347
g、商品名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系
化合物)0.33g、商品名レジフロ−P67(エスト
ロンケミカル社製アクリル系流動調整剤)5.2g、商
品名セイコ−ルZ(精工社製ベンゾイン)5.2gの混
合物に合成例1で合成した変性エポキシ樹脂29.4g
を加え、ス−パ−ミキサ−Y−5((株)カワタ製)を
用いて予備混合した。つづいて、この組成物をラボプラ
ストミル30C150(東洋精機(株)製)を用いて1
00℃で溶融混練した後、ピンミル(アルピネ社)を用
いて微粉砕し、さらに#140のふるいを用いて分級し
て粉体塗料とした。この塗料を日本テストパネル工業
(株)製リン酸亜鉛処理板JIS G3141(SPC
C−SD)PB137Tに静電塗装し、180℃の熱風
オ−ブン中で30分硬化させた。塗膜性能は表2に示し
た。耐煮沸試験後の接触角は102°、耐湿性試験後の
接触角は108°であり、いづれの塗膜も試験後の光沢
低下やふくれ、はがれは観察されなかった。以上のこと
から、本塗膜は耐湿性や初期の撥水性にすぐれるばかり
でなく、耐水関連試験後もそのすぐれた撥水性が保持さ
れていることが明らかになった。また、促進耐候性試験
の結果、光沢保持率は55%であった。
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)283g、商品名ER8101(日本エステル
(株)製カルボキシル基含有ポリエステル樹脂)347
g、商品名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系
化合物)0.33g、商品名レジフロ−P67(エスト
ロンケミカル社製アクリル系流動調整剤)5.2g、商
品名セイコ−ルZ(精工社製ベンゾイン)5.2gの混
合物に合成例1で合成した変性エポキシ樹脂29.4g
を加え、ス−パ−ミキサ−Y−5((株)カワタ製)を
用いて予備混合した。つづいて、この組成物をラボプラ
ストミル30C150(東洋精機(株)製)を用いて1
00℃で溶融混練した後、ピンミル(アルピネ社)を用
いて微粉砕し、さらに#140のふるいを用いて分級し
て粉体塗料とした。この塗料を日本テストパネル工業
(株)製リン酸亜鉛処理板JIS G3141(SPC
C−SD)PB137Tに静電塗装し、180℃の熱風
オ−ブン中で30分硬化させた。塗膜性能は表2に示し
た。耐煮沸試験後の接触角は102°、耐湿性試験後の
接触角は108°であり、いづれの塗膜も試験後の光沢
低下やふくれ、はがれは観察されなかった。以上のこと
から、本塗膜は耐湿性や初期の撥水性にすぐれるばかり
でなく、耐水関連試験後もそのすぐれた撥水性が保持さ
れていることが明らかになった。また、促進耐候性試験
の結果、光沢保持率は55%であった。
【0021】実施例2 表1にもとづいて、商品名スミエポキシESA014
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)310g、商品名ER8101(日本エステル
(株)製カルボキシル基含有ポリエステル樹脂)331
g、商品名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系
化合物)0.66g、商品名レジフロ−P67(エスト
ロンケミカル社製アクリル系流動調整剤)5.2g、商
品名セイコ−ルZ(精工社製ベンゾイン)5.2gの混
合物に合成例2で合成した変性エポキシ樹脂18.6g
を加え、ス−パ−ミキサ−Y−5((株)カワタ製)を
用いて予備混合した。つづいて、この組成物をラボプラ
ストミル30C150(東洋精機(株)製)を用いて1
00℃で溶融混練した後、ピンミル(アルピネ社)を用
いて微粉砕し、さらに#140のふるいを用いて分級し
て粉体塗料とした。この塗料を日本テストパネル工業
(株)製リン酸亜鉛処理板JIS G3141(SPC
C−SD)PB137Tに静電塗装し、180℃の熱風
オ−ブン中で30分硬化させた。塗膜性能は表2に示し
た。この塗料を日本テストパネル工業(株)製リン酸亜
鉛処理板JIS G3141(SPCC−SD)PB1
37Tに静電塗装し、180℃の熱風オ−ブン中で30
分硬化させた。塗膜性能は表2に示した。耐煮沸試験後
の接触角は104°、耐湿性試験後の接触角は109°
であり、いづれの塗膜も試験後の光沢低下やふくれ、は
がれは観察されなかった。以上のことから、本塗膜は耐
湿性や初期の撥水性にすぐれるばかりでなく、耐水関連
試験後もそのすぐれた撥水性が保持されていることが明
らかになった。また、促進耐候性試験の結果、光沢保持
率は57%であった。
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)310g、商品名ER8101(日本エステル
(株)製カルボキシル基含有ポリエステル樹脂)331
g、商品名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系
化合物)0.66g、商品名レジフロ−P67(エスト
ロンケミカル社製アクリル系流動調整剤)5.2g、商
品名セイコ−ルZ(精工社製ベンゾイン)5.2gの混
合物に合成例2で合成した変性エポキシ樹脂18.6g
を加え、ス−パ−ミキサ−Y−5((株)カワタ製)を
用いて予備混合した。つづいて、この組成物をラボプラ
ストミル30C150(東洋精機(株)製)を用いて1
00℃で溶融混練した後、ピンミル(アルピネ社)を用
いて微粉砕し、さらに#140のふるいを用いて分級し
て粉体塗料とした。この塗料を日本テストパネル工業
(株)製リン酸亜鉛処理板JIS G3141(SPC
C−SD)PB137Tに静電塗装し、180℃の熱風
オ−ブン中で30分硬化させた。塗膜性能は表2に示し
た。この塗料を日本テストパネル工業(株)製リン酸亜
鉛処理板JIS G3141(SPCC−SD)PB1
37Tに静電塗装し、180℃の熱風オ−ブン中で30
分硬化させた。塗膜性能は表2に示した。耐煮沸試験後
の接触角は104°、耐湿性試験後の接触角は109°
であり、いづれの塗膜も試験後の光沢低下やふくれ、は
がれは観察されなかった。以上のことから、本塗膜は耐
湿性や初期の撥水性にすぐれるばかりでなく、耐水関連
試験後もそのすぐれた撥水性が保持されていることが明
らかになった。また、促進耐候性試験の結果、光沢保持
率は57%であった。
【0022】実施例3 表1にもとづいて、商品名スミエポキシESA014
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)310g、商品名ER8101(日本エステル
(株)製カルボキシル基含有ポリエステル樹脂)331
g、商品名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系
化合物)0.66g、商品名タイピュア−R902(デ
ュポンジャパン製酸化チタン)330g、商品名レジフ
ロ−P67(エストロンケミカル社製アクリル系流動調
整剤)5.2g、商品名セイコ−ルZ(精工社製ベンゾ
イン)5.2gの混合物に合成例2で合成した変性エポ
キシ樹脂18.6gを加え、ス−パ−ミキサ−Y−5
((株)カワタ製)を用いて予備混合した。つづいて、
この組成物をラボプラストミル30C150(東洋精機
(株)製)を用いて100℃で溶融混練した後、ピンミ
ル(アルピネ社)を用いて微粉砕し、さらに#140の
ふるいを用いて分級して粉体塗料とした。この塗料を日
本テストパネル工業(株)製リン酸亜鉛処理板JIS
G3141(SPCC−SD)PB137Tに静電塗装
し、180℃の熱風オ−ブン中で30分硬化させた。塗
膜性能は表2に示した。耐煮沸試験後の接触角は100
°、耐湿性試験後の接触角は106°であり、いづれの
塗膜も試験後の光沢低下やふくれ、はがれは観察されな
かった。以上のことから、本塗膜は耐湿性や初期の撥水
性にすぐれるばかりでなく、耐水関連試験後もそのすぐ
れた撥水性が保持されていることが明らかになった。ま
た、促進耐候性試験の結果、光沢保持率は47%であっ
た。
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)310g、商品名ER8101(日本エステル
(株)製カルボキシル基含有ポリエステル樹脂)331
g、商品名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系
化合物)0.66g、商品名タイピュア−R902(デ
ュポンジャパン製酸化チタン)330g、商品名レジフ
ロ−P67(エストロンケミカル社製アクリル系流動調
整剤)5.2g、商品名セイコ−ルZ(精工社製ベンゾ
イン)5.2gの混合物に合成例2で合成した変性エポ
キシ樹脂18.6gを加え、ス−パ−ミキサ−Y−5
((株)カワタ製)を用いて予備混合した。つづいて、
この組成物をラボプラストミル30C150(東洋精機
(株)製)を用いて100℃で溶融混練した後、ピンミ
ル(アルピネ社)を用いて微粉砕し、さらに#140の
ふるいを用いて分級して粉体塗料とした。この塗料を日
本テストパネル工業(株)製リン酸亜鉛処理板JIS
G3141(SPCC−SD)PB137Tに静電塗装
し、180℃の熱風オ−ブン中で30分硬化させた。塗
膜性能は表2に示した。耐煮沸試験後の接触角は100
°、耐湿性試験後の接触角は106°であり、いづれの
塗膜も試験後の光沢低下やふくれ、はがれは観察されな
かった。以上のことから、本塗膜は耐湿性や初期の撥水
性にすぐれるばかりでなく、耐水関連試験後もそのすぐ
れた撥水性が保持されていることが明らかになった。ま
た、促進耐候性試験の結果、光沢保持率は47%であっ
た。
【0023】比較例1 表1にもとづいて、商品名スミエポキシESA014
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)570g、ジシアンジアミド12.4g、商品
名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系化合物)
0.65g、商品名レジフロ−P67(エストロンケミ
カル社製アクリル系流動調整剤)5.2g、商品名セイ
コ−ルZ(精工社製ベンゾイン)5.2g、商品名タイ
ピュア−R902(デュポンジャパン製酸化チタン)2
64gの混合物に合成例1で合成した変性エポキシ樹脂
76gを加え、ス−パ−ミキサ−Y−5((株)カワタ
製)を用いて予備混合した。つづいて、この組成物をラ
ボプラストミル30C150(東洋精機(株)製)を用
いて100℃で溶融混練した後、ピンミル(アルピネ
社)を用いて微粉砕し粉体塗料とした。この塗料を日本
テストパネル工業(株)製リン酸亜鉛処理板JIS G
3141(SPCC−SD)PB137Tに静電塗装
し、180℃の熱風オ−ブン中で30分硬化させた。塗
膜性能は表2に示した。また、本組成の耐候性は先の実
施例1〜3の値に比べて極めて低く、光沢保持率は7.
5%であった。
(住友化学工業(株)製ビスフェノ−ルA型固形エポキ
シ樹脂)570g、ジシアンジアミド12.4g、商品
名C11Z(四国化成(株)製イミダゾ−ル系化合物)
0.65g、商品名レジフロ−P67(エストロンケミ
カル社製アクリル系流動調整剤)5.2g、商品名セイ
コ−ルZ(精工社製ベンゾイン)5.2g、商品名タイ
ピュア−R902(デュポンジャパン製酸化チタン)2
64gの混合物に合成例1で合成した変性エポキシ樹脂
76gを加え、ス−パ−ミキサ−Y−5((株)カワタ
製)を用いて予備混合した。つづいて、この組成物をラ
ボプラストミル30C150(東洋精機(株)製)を用
いて100℃で溶融混練した後、ピンミル(アルピネ
社)を用いて微粉砕し粉体塗料とした。この塗料を日本
テストパネル工業(株)製リン酸亜鉛処理板JIS G
3141(SPCC−SD)PB137Tに静電塗装
し、180℃の熱風オ−ブン中で30分硬化させた。塗
膜性能は表2に示した。また、本組成の耐候性は先の実
施例1〜3の値に比べて極めて低く、光沢保持率は7.
5%であった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】エポキシ樹脂の長所である各種基材に対
する高い密着性、すぐれた機械的性能を損なう事なく耐
候性を向上させ、撥水性、耐水性も十分に兼ね備えた塗
膜を形成することのできる粉体塗料およびその塗装物を
提供できる。
する高い密着性、すぐれた機械的性能を損なう事なく耐
候性を向上させ、撥水性、耐水性も十分に兼ね備えた塗
膜を形成することのできる粉体塗料およびその塗装物を
提供できる。
Claims (4)
- 【請求項1】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹
脂(A)と、下記一般式 【化1】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
チル基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基または
−(CH2 )nN(R)SO2 −を表す。ここでRは炭
素数1〜4のアルキルキル基を示す。Rf は炭素数3〜
15のパ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ
−フルオロアルキル基含有アクリレ−トまたはメタクリ
レ−トとカルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和
単量体の共重合物であって、該エポキシ樹脂に実質的に
溶解しない含フッ素樹脂(B)とを反応させてなり、そ
の反応の際、樹脂(A)のグリシジル基と樹脂(B)の
カルボキシル基を一部または全部反応させた変性エポキ
シ樹脂(C)およびポリエステル樹脂(D)を必須成分
として含むことを特徴とする粉体塗料。 - 【請求項2】請求項1記載のポリエステル樹脂(D)が
カルボキシル基を含有していることを特徴とする粉体塗
料。 - 【請求項3】請求項1または2記載の組成物にさらに室
温において固体状のエポキシ樹脂(E)を含むことを特
徴とする粉体塗料。 - 【請求項4】請求項1,2または3記載の粉体塗料の塗
装物であって、その変性エポキシ樹脂(C)に由来する
パ−フルオロアルキル基のドメインが硬化塗膜の表面お
よび内部に分布していることを特徴とする塗装物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7447496A JPH09263711A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 耐候性、撥水性に優れた塗膜を与える粉体塗料およびその塗装物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7447496A JPH09263711A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 耐候性、撥水性に優れた塗膜を与える粉体塗料およびその塗装物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09263711A true JPH09263711A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13548303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7447496A Pending JPH09263711A (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 耐候性、撥水性に優れた塗膜を与える粉体塗料およびその塗装物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09263711A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10120989A1 (de) * | 2001-04-25 | 2002-11-07 | Inst Polymerforschung Dresden | Hydrophobe permanente Beschichtungen auf Substraten und Verfahren zu ihrer Herstellung |
JP2012041383A (ja) * | 2010-08-12 | 2012-03-01 | Dainippon Toryo Co Ltd | 層分離タイプの艶消し粉体塗料組成物 |
WO2018181377A1 (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-04 | Agc株式会社 | 含フッ素重合体を含む粉体粒子の製造方法 |
-
1996
- 1996-03-28 JP JP7447496A patent/JPH09263711A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10120989A1 (de) * | 2001-04-25 | 2002-11-07 | Inst Polymerforschung Dresden | Hydrophobe permanente Beschichtungen auf Substraten und Verfahren zu ihrer Herstellung |
JP2012041383A (ja) * | 2010-08-12 | 2012-03-01 | Dainippon Toryo Co Ltd | 層分離タイプの艶消し粉体塗料組成物 |
WO2018181377A1 (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-04 | Agc株式会社 | 含フッ素重合体を含む粉体粒子の製造方法 |
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