JPH08151503A - エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物およびその製造方法Info
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- JPH08151503A JPH08151503A JP29740094A JP29740094A JPH08151503A JP H08151503 A JPH08151503 A JP H08151503A JP 29740094 A JP29740094 A JP 29740094A JP 29740094 A JP29740094 A JP 29740094A JP H08151503 A JPH08151503 A JP H08151503A
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- glycidyl
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Abstract
(57)【要約】
【目的】エポキシ樹脂中に、該エポキシ樹脂に実質的に
溶解しない、PFA(パ−フルオロアルキル基を有する
(メタ)アクリレート)の重合体を含む樹脂が微粒子状
(サスペンジョン状および/またはエマルジョン状と言
ってもよい)に均一に分散された構造を有するエポキシ
樹脂組成物およびその製造方法、ならびに該組成物を含
んでなる塗料を提供すること。 【構成】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない下記一般
式 【化1】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル
基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基、または−
CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15の
パ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フル
オロアルキル基含有ラジカル重合性モノマ−の重合体を
必須成分として含む樹脂(B)からなるエポキシ樹脂組
成物において、樹脂(B)が粒径2μm以下の微粒子状
で樹脂(A)内に均一に安定分散されていることを特徴
とするエポキシ樹脂組成物およびその製造方法、ならび
に該組成物を含んでなる塗料。
溶解しない、PFA(パ−フルオロアルキル基を有する
(メタ)アクリレート)の重合体を含む樹脂が微粒子状
(サスペンジョン状および/またはエマルジョン状と言
ってもよい)に均一に分散された構造を有するエポキシ
樹脂組成物およびその製造方法、ならびに該組成物を含
んでなる塗料を提供すること。 【構成】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない下記一般
式 【化1】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル
基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基、または−
CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15の
パ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フル
オロアルキル基含有ラジカル重合性モノマ−の重合体を
必須成分として含む樹脂(B)からなるエポキシ樹脂組
成物において、樹脂(B)が粒径2μm以下の微粒子状
で樹脂(A)内に均一に安定分散されていることを特徴
とするエポキシ樹脂組成物およびその製造方法、ならび
に該組成物を含んでなる塗料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来のエポキシ樹脂の
長所である基材との密着性や耐熱性、あるいは機械的強
度を損なうことなく優れた撥水性を与え、塗料、コ−テ
ィング材料、繊維の撥水加工等に好適なエポキシ樹脂組
成物、その製造方法および該組成物を含んでなる塗料に
関する。
長所である基材との密着性や耐熱性、あるいは機械的強
度を損なうことなく優れた撥水性を与え、塗料、コ−テ
ィング材料、繊維の撥水加工等に好適なエポキシ樹脂組
成物、その製造方法および該組成物を含んでなる塗料に
関する。
【0002】
【従来の技術】パ−フルオロアルキル基を有する(メ
タ)アクリレ−ト(以下PFAということがある)(以
下(メタ)アクリレ−トとは、アクリレ−トおよびメタ
クリレ−トを指称する)を重合して得られるふっ素系樹
脂は、従来より知られている高撥水性樹脂であるポリテ
トラフルオロエチレン(以下PTFEという)等のオレ
フィン系ふっ素樹脂に比較して、表面エネルギ−が低く
撥水性が高いことは周知のことである(例えば「ふっ素
樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊)。このようなパ
−フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレ−トか
ら得られるふっ素系樹脂の特性を利用して特開昭48−
4528、あるいは特開昭50−55630には、エポ
キシ樹脂と組み合わせた塗料用途への応用が開示されて
いる。また、特開昭60−23811では、パ−フルオ
ロアルキル基を有する(メタ)アクリレ−トを含む特定
の共重合体を含むエポキシ樹脂組成物についての開示が
ある。
タ)アクリレ−ト(以下PFAということがある)(以
下(メタ)アクリレ−トとは、アクリレ−トおよびメタ
クリレ−トを指称する)を重合して得られるふっ素系樹
脂は、従来より知られている高撥水性樹脂であるポリテ
トラフルオロエチレン(以下PTFEという)等のオレ
フィン系ふっ素樹脂に比較して、表面エネルギ−が低く
撥水性が高いことは周知のことである(例えば「ふっ素
樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊)。このようなパ
−フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレ−トか
ら得られるふっ素系樹脂の特性を利用して特開昭48−
4528、あるいは特開昭50−55630には、エポ
キシ樹脂と組み合わせた塗料用途への応用が開示されて
いる。また、特開昭60−23811では、パ−フルオ
ロアルキル基を有する(メタ)アクリレ−トを含む特定
の共重合体を含むエポキシ樹脂組成物についての開示が
ある。
【0003】一方、PFAを重合して得られる重合体に
おいて、その撥水性はパ−フルオロアルキル基の炭素数
が大きくなるほど高くなるが、その場合同時に通常用い
られる炭化水素系の溶剤やエポキシ樹脂等に難溶とな
る。したがって、上述の従来の技術によるエポキシ樹脂
との組合せにおいては、PFAと種々の共重合成分と組
合せて共重合体とする等の技術により合成された、溶解
性の改良されたPFAの共重合体等を、溶剤あるいはエ
ポキシ樹脂に溶解させて使われたきた。本発明者らはP
FAを重合して得られる重合体の持つ高撥水性や耐水性
を十分に発揮させ、しかも少量の添加によりエポキシ樹
脂の良好な特性を損なわないためには、エポキシ樹脂と
PFAを重合して得られる重合体が、相互に溶解せず、
それぞれ独立したドメインを有する2相分離した構造が
好ましいことをつきとめた。
おいて、その撥水性はパ−フルオロアルキル基の炭素数
が大きくなるほど高くなるが、その場合同時に通常用い
られる炭化水素系の溶剤やエポキシ樹脂等に難溶とな
る。したがって、上述の従来の技術によるエポキシ樹脂
との組合せにおいては、PFAと種々の共重合成分と組
合せて共重合体とする等の技術により合成された、溶解
性の改良されたPFAの共重合体等を、溶剤あるいはエ
ポキシ樹脂に溶解させて使われたきた。本発明者らはP
FAを重合して得られる重合体の持つ高撥水性や耐水性
を十分に発揮させ、しかも少量の添加によりエポキシ樹
脂の良好な特性を損なわないためには、エポキシ樹脂と
PFAを重合して得られる重合体が、相互に溶解せず、
それぞれ独立したドメインを有する2相分離した構造が
好ましいことをつきとめた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エポ
キシ樹脂中に、該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない、
PFAの重合体を含む樹脂が微粒子状(サスペンジョン
状および/またはエマルジョン状と言ってもよい)に均
一に分散された構造を有するエポキシ樹脂組成物および
その製造方法を提供することである。
キシ樹脂中に、該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない、
PFAの重合体を含む樹脂が微粒子状(サスペンジョン
状および/またはエマルジョン状と言ってもよい)に均
一に分散された構造を有するエポキシ樹脂組成物および
その製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下のと
おりである。 (1)グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない下記一般
式
おりである。 (1)グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない下記一般
式
【0006】
【化2】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル
基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基、または−
CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15の
パ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フル
オロアルキル基含有ラジカル重合性モノマ−の重合体を
必須成分として含む樹脂(B)からなるエポキシ樹脂組
成物において、樹脂(B)が粒径2μm以下の微粒子状
で樹脂(A)内に均一に安定分散されていることを特徴
とするエポキシ樹脂組成物。 (2)有機溶剤を含有することを特徴とする(1)記載
のエポキシ樹脂組成物。
基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基、または−
CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭素
数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15の
パ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フル
オロアルキル基含有ラジカル重合性モノマ−の重合体を
必須成分として含む樹脂(B)からなるエポキシ樹脂組
成物において、樹脂(B)が粒径2μm以下の微粒子状
で樹脂(A)内に均一に安定分散されていることを特徴
とするエポキシ樹脂組成物。 (2)有機溶剤を含有することを特徴とする(1)記載
のエポキシ樹脂組成物。
【0007】(3)エポキシ樹脂(A)またはエポキシ
樹脂(A)と有機溶剤からなるエポキシ樹脂溶液中で、
系内に存在するグリシジル基に反応する官能基とラジカ
ル重合性の官能基の両方を併せ持つ化合物を反応させ、
しかる後に上記(1)記載のパ−フルオロ基含有モノマ
−を該系内で重合させることを特徴とする(1)または
(2)記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。 (4)グリシジル基と反応性の官能基とラジカル重合性
の官能基の両方を併せ持つ化合物がアクリル酸であるこ
とを特徴とする上記(3)記載のエポキシ樹脂組成物の
製造方法。 (5)エポキシ樹脂がノボラック型エポキシ樹脂を含む
ことを特徴とする上記(3)または(4)記載のエポキ
シ樹脂組成物の製造方法。 (6)上記(1)または(2)記載のエポキシ樹脂組成
物を含んでなることを特徴とする塗料。
樹脂(A)と有機溶剤からなるエポキシ樹脂溶液中で、
系内に存在するグリシジル基に反応する官能基とラジカ
ル重合性の官能基の両方を併せ持つ化合物を反応させ、
しかる後に上記(1)記載のパ−フルオロ基含有モノマ
−を該系内で重合させることを特徴とする(1)または
(2)記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。 (4)グリシジル基と反応性の官能基とラジカル重合性
の官能基の両方を併せ持つ化合物がアクリル酸であるこ
とを特徴とする上記(3)記載のエポキシ樹脂組成物の
製造方法。 (5)エポキシ樹脂がノボラック型エポキシ樹脂を含む
ことを特徴とする上記(3)または(4)記載のエポキ
シ樹脂組成物の製造方法。 (6)上記(1)または(2)記載のエポキシ樹脂組成
物を含んでなることを特徴とする塗料。
【0008】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂、あるいはエポキシ樹脂溶液を連続相に、該エポキ
シ樹脂に実質的に溶解しない含フッ素(メタ)アクリレ
−トの重合体を含有する樹脂が2μm以下の微粒子状の
分散相をなす構造のエポキシ樹脂組成物であり、該2相
分離した構造は、長期において安定である特長がある。
さらに説明すれば、PFAのみを重合して得られたパ−
フルオロ(メタ)アクリレ−ト樹脂は、このもの単体で
は、エポキシ樹脂あるいはそれを溶解した有機溶剤への
親和性が極めて乏しく安定な分散液を得ることはできな
い。本発明によれば、PFAを必須成分として含むモノ
マーを重合して得られる、エポキシ樹脂に実質的に溶解
しない樹脂を、エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂溶液中
に微粒子状に安定均一に分散させることが可能となる。
即ち、エポキシ樹脂に存在するグリシジル基の一部に、
アクリル酸の如きグリシジル基と反応することのできる
基とラジカル重合可能な基を持つ化合物を予め付加反応
させ、しかる後にPFAを系内で重合することで安定な
分散液を得ることができる。この理由は、エポキシ樹脂
とPFAがアクリル酸の如き化合物を仲介として、化学
的に繋がった化合物が生成することで、パ−フルオロア
クリレ−トの重合体を含む樹脂部とエポキシ樹脂の親和
性が向上し、安定な分散液が得られるものと考えられ
る。
樹脂、あるいはエポキシ樹脂溶液を連続相に、該エポキ
シ樹脂に実質的に溶解しない含フッ素(メタ)アクリレ
−トの重合体を含有する樹脂が2μm以下の微粒子状の
分散相をなす構造のエポキシ樹脂組成物であり、該2相
分離した構造は、長期において安定である特長がある。
さらに説明すれば、PFAのみを重合して得られたパ−
フルオロ(メタ)アクリレ−ト樹脂は、このもの単体で
は、エポキシ樹脂あるいはそれを溶解した有機溶剤への
親和性が極めて乏しく安定な分散液を得ることはできな
い。本発明によれば、PFAを必須成分として含むモノ
マーを重合して得られる、エポキシ樹脂に実質的に溶解
しない樹脂を、エポキシ樹脂またはエポキシ樹脂溶液中
に微粒子状に安定均一に分散させることが可能となる。
即ち、エポキシ樹脂に存在するグリシジル基の一部に、
アクリル酸の如きグリシジル基と反応することのできる
基とラジカル重合可能な基を持つ化合物を予め付加反応
させ、しかる後にPFAを系内で重合することで安定な
分散液を得ることができる。この理由は、エポキシ樹脂
とPFAがアクリル酸の如き化合物を仲介として、化学
的に繋がった化合物が生成することで、パ−フルオロア
クリレ−トの重合体を含む樹脂部とエポキシ樹脂の親和
性が向上し、安定な分散液が得られるものと考えられ
る。
【0009】本発明に用いられる各成分について説明す
る。エポキシ樹脂(A)は、一分子あたりグリシジル基
が2個以上有する化合物であれば特に限定されないが、
例示すると以下のようなものがある。例えば、ビスフェ
ノ−ルA、ビスフェノ−ルF、1,1’−ビス(3−t
−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、テトラメチルビフェノ−ル、ナフタレンジオ−ル等
の二価フェノ−ル類から誘導されるグリシジルエ−テル
化合物、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸から誘
導されるグリシジルエステル化合物、あるいはトリグリ
シジルイソシアヌレ−トなどがある。また、フェノ−
ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p−クレゾ−ル
等のフェノ−ル類とホルムアルデヒドの反応生成物であ
るノボラック樹脂から誘導されるノボラック系エポキシ
樹脂、フロログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−メタン、1,1,2,2,−テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)等の3価以上のフェノ−ル類から
誘導されるグリシジルエ−テル化合物等がある。これら
の中から1種類乃至2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。また、エポキシ樹脂分子に含まれる水素原
子の一部を臭素等のハロゲン原子により置換されたハロ
ゲン化エポキシ樹脂も難燃性付与等において有用な材料
である。特に本発明においては、一分子中に3個以上の
グリシジル基を有するノボラック型エポキシ樹脂を用い
ることが製造上あるいは樹脂組成物の性能上好ましいも
のである。パ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
レ−トについて説明する。本発明で用いられるパ−フル
オロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トとは、下記一
般式
る。エポキシ樹脂(A)は、一分子あたりグリシジル基
が2個以上有する化合物であれば特に限定されないが、
例示すると以下のようなものがある。例えば、ビスフェ
ノ−ルA、ビスフェノ−ルF、1,1’−ビス(3−t
−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、テトラメチルビフェノ−ル、ナフタレンジオ−ル等
の二価フェノ−ル類から誘導されるグリシジルエ−テル
化合物、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸から誘
導されるグリシジルエステル化合物、あるいはトリグリ
シジルイソシアヌレ−トなどがある。また、フェノ−
ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p−クレゾ−ル
等のフェノ−ル類とホルムアルデヒドの反応生成物であ
るノボラック樹脂から誘導されるノボラック系エポキシ
樹脂、フロログリシン、トリス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−メタン、1,1,2,2,−テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)等の3価以上のフェノ−ル類から
誘導されるグリシジルエ−テル化合物等がある。これら
の中から1種類乃至2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。また、エポキシ樹脂分子に含まれる水素原
子の一部を臭素等のハロゲン原子により置換されたハロ
ゲン化エポキシ樹脂も難燃性付与等において有用な材料
である。特に本発明においては、一分子中に3個以上の
グリシジル基を有するノボラック型エポキシ樹脂を用い
ることが製造上あるいは樹脂組成物の性能上好ましいも
のである。パ−フルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
レ−トについて説明する。本発明で用いられるパ−フル
オロアルキル基含有(メタ)アクリレ−トとは、下記一
般式
【0010】
【化3】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
チル基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基または
−CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭
素数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15
のパ−フルオロアルキル基を表す。)で表される化合物
をいう。パ−フルオロアルキル基含有重合性モノマ−と
しては、上記一般式で表される化合物であれば特に限定
はないが、重合された含フッ素樹脂(B)の撥水性か
ら、Rfで示されるパ−フルオロアルキル基の炭素数が
6以上のものが特に好ましいものであり、その群より選
ばれた一種類もしくは二種類以上を混合して用いること
ができる。上記一般式で表されるパ−フルオロ基含有
(メタ)アクリレ−トを具体的に例示すると、
チル基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基または
−CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭
素数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15
のパ−フルオロアルキル基を表す。)で表される化合物
をいう。パ−フルオロアルキル基含有重合性モノマ−と
しては、上記一般式で表される化合物であれば特に限定
はないが、重合された含フッ素樹脂(B)の撥水性か
ら、Rfで示されるパ−フルオロアルキル基の炭素数が
6以上のものが特に好ましいものであり、その群より選
ばれた一種類もしくは二種類以上を混合して用いること
ができる。上記一般式で表されるパ−フルオロ基含有
(メタ)アクリレ−トを具体的に例示すると、
【0011】
【化4】 CH2 =CH−COO−CH2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −(CF2 )n
−CF3 CH2 =C(CH3 )COO−CH2 −(CF2 )n −
CF3 CH2 =C(CH3 )COO−CH2 −CH2 −(CF
2 )n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −N(CH3 )
SO2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −N(C
3 H7 )SO2 −(CF2 )n−CF3 CH2 =CF−COO−CH2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CF−COO−CH2 −CH2 −(CF2 )n
−CF3 (ここでnは2〜14の整数を表す。)等を例示できる
がこの限りではない。
−CF3 CH2 =C(CH3 )COO−CH2 −(CF2 )n −
CF3 CH2 =C(CH3 )COO−CH2 −CH2 −(CF
2 )n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −N(CH3 )
SO2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −N(C
3 H7 )SO2 −(CF2 )n−CF3 CH2 =CF−COO−CH2 −(CF2 )n −CF3 CH2 =CF−COO−CH2 −CH2 −(CF2 )n
−CF3 (ここでnは2〜14の整数を表す。)等を例示できる
がこの限りではない。
【0012】グリシジル基と反応する官能基とラジカル
重合性官能基を併せもつ化合物としては、分子の一部に
1級アミン、カルボン酸、フェノ−ル性水酸基などグリ
シジル基に付加する塩基性または酸性の活性水素を有
し、さらにエチレン性不飽和二重結合などラジカル反応
性基を有するものであれば特に限定はないが、工業的な
見地からアクリル酸あるいはメタクリル酸が好適なもの
であり、特にアクリル酸が好ましい。
重合性官能基を併せもつ化合物としては、分子の一部に
1級アミン、カルボン酸、フェノ−ル性水酸基などグリ
シジル基に付加する塩基性または酸性の活性水素を有
し、さらにエチレン性不飽和二重結合などラジカル反応
性基を有するものであれば特に限定はないが、工業的な
見地からアクリル酸あるいはメタクリル酸が好適なもの
であり、特にアクリル酸が好ましい。
【0013】次に、本発明のエポキシ樹脂組成物の製造
方法について説明する。まず、エポキシ樹脂またはエポ
キシ樹脂溶液にグリシジル基と反応する官能基とラジカ
ル重合性の官能基を併せもつ化合物を仕込み、トリフェ
ニルホスフィン等の触媒の存在下あるいは非存在下で、
エポキシ樹脂に該化合物を付加させる。続いて、本系に
パ−フルオロ(メタ)アクリレ−トを仕込みその場でラ
ジカル重合を行う。これは、一般に非水系の分散重合と
呼ばれる手法の一種であり、ポリマ−の重合の進行に伴
い、均一溶液から含ふっ素樹脂が分離、析出してくる。
本発明の製造法によれば、析出してくる含ふっ素樹脂は
2μm以下の微粒子となり該微粒子が均一に安定分散し
た樹脂組成物となる。
方法について説明する。まず、エポキシ樹脂またはエポ
キシ樹脂溶液にグリシジル基と反応する官能基とラジカ
ル重合性の官能基を併せもつ化合物を仕込み、トリフェ
ニルホスフィン等の触媒の存在下あるいは非存在下で、
エポキシ樹脂に該化合物を付加させる。続いて、本系に
パ−フルオロ(メタ)アクリレ−トを仕込みその場でラ
ジカル重合を行う。これは、一般に非水系の分散重合と
呼ばれる手法の一種であり、ポリマ−の重合の進行に伴
い、均一溶液から含ふっ素樹脂が分離、析出してくる。
本発明の製造法によれば、析出してくる含ふっ素樹脂は
2μm以下の微粒子となり該微粒子が均一に安定分散し
た樹脂組成物となる。
【0014】この場合、重合開始剤としては、公知のも
のが使用でき、熱分解あるいは紫外線の刺激等によりに
よりラジカルを発生する各種化合物を用いることができ
る。例示すると、クメンヒドロペルオキシド、第三ブチ
ルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ第三
ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化
アセチル、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ラ
ウロイルなど過酸化物、N−N結合を有するアゾビスイ
ソブチロニトリル(以下AIBNという)等のアゾ系化
合物、過酸化水素−Fe2+、過硫酸塩−NaHSO3 、
過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリンなどの単一開始剤
や二元開始剤を用いることができる。
のが使用でき、熱分解あるいは紫外線の刺激等によりに
よりラジカルを発生する各種化合物を用いることができ
る。例示すると、クメンヒドロペルオキシド、第三ブチ
ルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ第三
ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化
アセチル、メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ラ
ウロイルなど過酸化物、N−N結合を有するアゾビスイ
ソブチロニトリル(以下AIBNという)等のアゾ系化
合物、過酸化水素−Fe2+、過硫酸塩−NaHSO3 、
過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリンなどの単一開始剤
や二元開始剤を用いることができる。
【0015】また、上記一般式で表されるパ−フルオロ
アルキル基含有のラジカル重合性単量体と他のフッ素原
子を有しないラジカル重合性単量体を組み合わせて共重
合体とすることも有用な技術である。これらの共重合可
能な成分としては、アクリル系単量体が好適なものであ
り、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メ
タ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、
イソブチル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル(メタ)
アクリレ−ト、アルコキシ(メタ)アクリレ−ト、シア
ノエチル(メタ)アクリレ−ト、アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレ−トなど
がある。上記要領で得られたエポキシ樹脂組成物にさら
に適宜エポキシ樹脂や有機溶剤を添加して使用に供する
ことができる。
アルキル基含有のラジカル重合性単量体と他のフッ素原
子を有しないラジカル重合性単量体を組み合わせて共重
合体とすることも有用な技術である。これらの共重合可
能な成分としては、アクリル系単量体が好適なものであ
り、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メ
タ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、
イソブチル(メタ)アクリレ−ト等のアルキル(メタ)
アクリレ−ト、アルコキシ(メタ)アクリレ−ト、シア
ノエチル(メタ)アクリレ−ト、アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレ−トなど
がある。上記要領で得られたエポキシ樹脂組成物にさら
に適宜エポキシ樹脂や有機溶剤を添加して使用に供する
ことができる。
【0016】本発明に使用する原料の量比について説明
する。エポキシ樹脂とグリシジル基と反応する官能基と
ラジカル重合性官能基を併せもつ化合物については、エ
ポキシ樹脂のグリシジル基1モルに対して0.01〜
0.2モルが付加する量比の範囲が好適である。さら
に、その後添加するラジカル重合性単量体は、エポキシ
樹脂に付加して存在するラジカル重合性基1モルに対し
て0.1〜10モル、さらに好ましくは0.3モルから
2モルになるように仕込むことが望ましい。
する。エポキシ樹脂とグリシジル基と反応する官能基と
ラジカル重合性官能基を併せもつ化合物については、エ
ポキシ樹脂のグリシジル基1モルに対して0.01〜
0.2モルが付加する量比の範囲が好適である。さら
に、その後添加するラジカル重合性単量体は、エポキシ
樹脂に付加して存在するラジカル重合性基1モルに対し
て0.1〜10モル、さらに好ましくは0.3モルから
2モルになるように仕込むことが望ましい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物は、常法によ
りエポキシ樹脂硬化剤を配合し、加熱硬化される。これ
らのエポキシ硬化剤に特に限定はないが、例えば、芳香
族アミンおよび脂肪族アミンなどのアミン系硬化剤、フ
ェノ−ルノボラックやクレゾ−ルノボラックなどのポリ
フェノ−ル化合物、さらには酸無水物、ジシアンジアミ
ド、ヒドラジド化合物がなどがあげられる。エポキシ樹
脂と硬化剤の割合は、硬化剤の活性水素がエポキシ1モ
ルに対して0.3〜1.5モルとなるよう配合されるこ
とが硬化性や硬化物の性能から好ましい。
りエポキシ樹脂硬化剤を配合し、加熱硬化される。これ
らのエポキシ硬化剤に特に限定はないが、例えば、芳香
族アミンおよび脂肪族アミンなどのアミン系硬化剤、フ
ェノ−ルノボラックやクレゾ−ルノボラックなどのポリ
フェノ−ル化合物、さらには酸無水物、ジシアンジアミ
ド、ヒドラジド化合物がなどがあげられる。エポキシ樹
脂と硬化剤の割合は、硬化剤の活性水素がエポキシ1モ
ルに対して0.3〜1.5モルとなるよう配合されるこ
とが硬化性や硬化物の性能から好ましい。
【0018】さらに必要に応じて、硬化促進剤を添加す
ることができる。例えば、硬化促進剤としては、ベンジ
ルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノ−ル、1,8−ジアザビシクロウンデ
センなどのアミン類や2−エチル−4−メチルイミダゾ
−ルなどのイミダゾ−ル化合物、三フッ化ホウ素アミン
錯体などがあげられる。
ることができる。例えば、硬化促進剤としては、ベンジ
ルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノ−ル、1,8−ジアザビシクロウンデ
センなどのアミン類や2−エチル−4−メチルイミダゾ
−ルなどのイミダゾ−ル化合物、三フッ化ホウ素アミン
錯体などがあげられる。
【0019】本発明において必要に応じて有機溶剤を用
いることをできるが、該有機溶剤としては通常塗料にお
いて用いられる不活性有機溶剤を使用することができ
る。この不活性有機溶剤の代表的なものとしては、脂肪
族炭化水素系のペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンまたはシクロヘキサン等や、芳香族炭化水素系のベン
ゼン、トルエンあるいはキシレン等がある。さらには、
石油エ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブタノ−
ル、イソプロパノ−ル等を用いることができる。
いることをできるが、該有機溶剤としては通常塗料にお
いて用いられる不活性有機溶剤を使用することができ
る。この不活性有機溶剤の代表的なものとしては、脂肪
族炭化水素系のペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンまたはシクロヘキサン等や、芳香族炭化水素系のベン
ゼン、トルエンあるいはキシレン等がある。さらには、
石油エ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブタノ−
ル、イソプロパノ−ル等を用いることができる。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物に、使用目的
によって、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、アルミナ
水和物、炭化ケイ素、カ−ボンブラック、シリカ等の粒
状物や、炭化ケイ素、硼酸アルミニウムなどのウイスカ
−や、あるいは顔料、染料などを混用することもでき
る。特に、本発明の樹脂組成物を塗料用途に供するとき
は、染料や顔料、さらには粘度調整剤、分散剤、消泡
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カップリング剤等の公知
慣用の成分を適宜添加することができる。
によって、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、アルミナ
水和物、炭化ケイ素、カ−ボンブラック、シリカ等の粒
状物や、炭化ケイ素、硼酸アルミニウムなどのウイスカ
−や、あるいは顔料、染料などを混用することもでき
る。特に、本発明の樹脂組成物を塗料用途に供するとき
は、染料や顔料、さらには粘度調整剤、分散剤、消泡
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カップリング剤等の公知
慣用の成分を適宜添加することができる。
【0021】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。 実施例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾ−ルノボラック型エポキ
シ樹脂である商品名スミエポキシ ESCN195(住
友化学工業(株)製、エポキシ当量195g/eq)を
100g、トルエン140g、アクリル酸4g、および
反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.2gを冷却
用コンデンサ−を取りつけた300ccセパラブルフラ
スコに仕込み、窒素雰囲気下で110℃で2時間反応さ
せた。続いて、β−(パ−フルオロオクチル)エチルア
クリレ−ト(共栄社化学(株)製、商品名ライトエステ
ルFA−108)40gとトルエン20gを混合し、重
合開始剤としてAIBNを0.1gを添加、溶解させた
ものを1時間かけて滴下した。この際、液温は110℃
に制御した。さらに2時間110℃に維持し重合反応を
完了させた。得られた組成物は、乳白色の均一なエマル
ジョンであり、一昼夜室温で保持したものも粒子の凝集
や沈殿は生じなかった。また、得られた樹脂組成物を光
学顕微鏡により観察したところ粒径1μm(最大粒径)
以下の微粒子が均一に分散した構造であることが分かっ
た。本実施例により得られた樹脂組成物をPF−1とし
た。
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。 実施例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾ−ルノボラック型エポキ
シ樹脂である商品名スミエポキシ ESCN195(住
友化学工業(株)製、エポキシ当量195g/eq)を
100g、トルエン140g、アクリル酸4g、および
反応触媒としてトリフェニルホスフィン0.2gを冷却
用コンデンサ−を取りつけた300ccセパラブルフラ
スコに仕込み、窒素雰囲気下で110℃で2時間反応さ
せた。続いて、β−(パ−フルオロオクチル)エチルア
クリレ−ト(共栄社化学(株)製、商品名ライトエステ
ルFA−108)40gとトルエン20gを混合し、重
合開始剤としてAIBNを0.1gを添加、溶解させた
ものを1時間かけて滴下した。この際、液温は110℃
に制御した。さらに2時間110℃に維持し重合反応を
完了させた。得られた組成物は、乳白色の均一なエマル
ジョンであり、一昼夜室温で保持したものも粒子の凝集
や沈殿は生じなかった。また、得られた樹脂組成物を光
学顕微鏡により観察したところ粒径1μm(最大粒径)
以下の微粒子が均一に分散した構造であることが分かっ
た。本実施例により得られた樹脂組成物をPF−1とし
た。
【0022】実施例2 エポキシ樹脂としてビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂で
ある商品名スミエポキシELA128(住友化学工業
(株)製、エポキシ当量180g/eq)100g、ア
クリル酸1gを冷却用コンデンサ−を取りつけた300
ccセパラブルフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で12
0℃で2時間反応させた。続いて、β−(パ−フルオロ
オクチル)エチルアクリレ−ト(共栄社化学(株)製、
商品名ライトエステルFA−108)10gに、重合開
始剤としてAIBNを0.1gを添加、溶解させたもの
を1時間かけて滴下した。この際、液温は110℃に制
御した。さらに2時間110℃に維持し重合反応を完了
させた。得られた組成物は、乳白色の均一なエマルジョ
ンであり、一昼夜室温で保持したものも粒子の凝集や沈
殿は生じなかった。また、得られた樹脂組成物を光学顕
微鏡により観察したところ粒径1μm以下の微粒子が均
一に分散した構造であることが分かった。本実施例によ
り得られた樹脂組成物をPF−2とした。
ある商品名スミエポキシELA128(住友化学工業
(株)製、エポキシ当量180g/eq)100g、ア
クリル酸1gを冷却用コンデンサ−を取りつけた300
ccセパラブルフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で12
0℃で2時間反応させた。続いて、β−(パ−フルオロ
オクチル)エチルアクリレ−ト(共栄社化学(株)製、
商品名ライトエステルFA−108)10gに、重合開
始剤としてAIBNを0.1gを添加、溶解させたもの
を1時間かけて滴下した。この際、液温は110℃に制
御した。さらに2時間110℃に維持し重合反応を完了
させた。得られた組成物は、乳白色の均一なエマルジョ
ンであり、一昼夜室温で保持したものも粒子の凝集や沈
殿は生じなかった。また、得られた樹脂組成物を光学顕
微鏡により観察したところ粒径1μm以下の微粒子が均
一に分散した構造であることが分かった。本実施例によ
り得られた樹脂組成物をPF−2とした。
【0023】実施例3、4、5 上記実施例1および2で得られた樹脂組成物を用いて、
表1に示す組成で配合し、焼きつけ塗膜の水に対する接
触角を測定した。結果を表1に示した。 比較例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾ−ルノボラック型エポキ
シ樹脂である商品名スミエポキシ ESCN195(住
友化学工業(株)製、エポキシ当量195g/eq)を
100g、トルエン140gを冷却用コンデンサ−を取
りつけたセパラブルフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で
110℃に昇温させた。続いて、アクリル酸4g、反応
触媒としてトリフェニルホスフィン0.2g、β−(パ
−フルオロオクチル)エチルアクリレ−ト(共栄社化学
(株)製、商品名ライトエステルFA−108)40
g、重合開始剤としてAIBNを0.05gを混合、溶
解させたものを1時間かけて滴下した。この際、液温は
110℃に制御した。滴下途上で液は、乳濁しはじめ滴
下終了以前に目視できる凝集粒や白色の沈殿を生じ、安
定な分散液はできなかった。
表1に示す組成で配合し、焼きつけ塗膜の水に対する接
触角を測定した。結果を表1に示した。 比較例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾ−ルノボラック型エポキ
シ樹脂である商品名スミエポキシ ESCN195(住
友化学工業(株)製、エポキシ当量195g/eq)を
100g、トルエン140gを冷却用コンデンサ−を取
りつけたセパラブルフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で
110℃に昇温させた。続いて、アクリル酸4g、反応
触媒としてトリフェニルホスフィン0.2g、β−(パ
−フルオロオクチル)エチルアクリレ−ト(共栄社化学
(株)製、商品名ライトエステルFA−108)40
g、重合開始剤としてAIBNを0.05gを混合、溶
解させたものを1時間かけて滴下した。この際、液温は
110℃に制御した。滴下途上で液は、乳濁しはじめ滴
下終了以前に目視できる凝集粒や白色の沈殿を生じ、安
定な分散液はできなかった。
【0024】比較例2 冷却用コンデンサ−を備えた500ccセパラブルフラ
スコにトルエン200gとふっ素系界面活性剤、商品名
フロラ−ド FC430(住友スリ−エム社製)1.0
gを仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温した。しか
る後に、β−(パ−フルオロオクチル)エチルアクリレ
−ト(共栄社化学(株)製、商品名ライトエステルFA
−108)50g、アクリル酸5g、トルエン55g、
AIBN0.5gよりなる溶液を1時間かけて滴下し
た。この際、液温は110℃に制御した。さらに2時間
110℃に維持し重合反応を完了させた。得られた溶液
を取り出し、メタノ−ル500gを加えポリマ−を沈殿
させ、濾別、乾燥した。得られたパ−フルオロアクリレ
−ト共重合樹脂20gを秤取し、上記スミエポキシES
CN195を100gおよびトルエン140gを混合
し、110℃で攪拌した。攪拌下では、溶液は乳白色の
エマルジョン状となった。攪拌停止し、室温において1
時間静置したところ容器下部にふっ素系ポリマ−の沈殿
が見られ安定な分散液を得ることはできなかった。 比較例3 表1に示した配合により、ふっ素系樹脂を含まないエポ
キシ樹脂塗膜を作成し、水に対する接触角を測定した。
結果を表1に示した。
スコにトルエン200gとふっ素系界面活性剤、商品名
フロラ−ド FC430(住友スリ−エム社製)1.0
gを仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温した。しか
る後に、β−(パ−フルオロオクチル)エチルアクリレ
−ト(共栄社化学(株)製、商品名ライトエステルFA
−108)50g、アクリル酸5g、トルエン55g、
AIBN0.5gよりなる溶液を1時間かけて滴下し
た。この際、液温は110℃に制御した。さらに2時間
110℃に維持し重合反応を完了させた。得られた溶液
を取り出し、メタノ−ル500gを加えポリマ−を沈殿
させ、濾別、乾燥した。得られたパ−フルオロアクリレ
−ト共重合樹脂20gを秤取し、上記スミエポキシES
CN195を100gおよびトルエン140gを混合
し、110℃で攪拌した。攪拌下では、溶液は乳白色の
エマルジョン状となった。攪拌停止し、室温において1
時間静置したところ容器下部にふっ素系ポリマ−の沈殿
が見られ安定な分散液を得ることはできなかった。 比較例3 表1に示した配合により、ふっ素系樹脂を含まないエポ
キシ樹脂塗膜を作成し、水に対する接触角を測定した。
結果を表1に示した。
【0025】
【表1】 (注) 1)樹脂組成の単位は重量部を表す 2)硬化条件:120℃×1時間 3)HN5500(商品名):酸無水物系硬化剤、日立化成工業(株)製 4)スミキュアD(商品名):三級アミン系硬化促進剤、住友化学工業(株) 製
Claims (6)
- 【請求項1】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹
脂(A)と該エポキシ樹脂に実質的に溶解しない下記一
般式 【化1】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
チル基を表す。Yは炭素数1〜3のアルキレン基または
−CH2 CH2 N(R)SO2 −を表す。ここでRは炭
素数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜15
のパ−フルオロアルキル基を表す。)で表されるパ−フ
ルオロアルキル基含有モノマ−の重合体を必須成分とし
て含む樹脂(B)からなるエポキシ樹脂組成物におい
て、樹脂(B)が粒径2μm以下の微粒子状で樹脂
(A)内に均一に分散されていることを特徴とするエポ
キシ樹脂組成物。 - 【請求項2】有機溶剤を含有することを特徴とする請求
項1記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】エポキシ樹脂(A)またはエポキシ樹脂
(A)と有機溶剤からなるエポキシ樹脂溶液中で、系内
に存在するエポキシ樹脂のグリシジル基の一部にグリシ
ジル基と反応する官能基とラジカル重合性の官能基の両
方を併せ持つ化合物を反応させ、しかる後に請求項1記
載のパ−フルオロ基含有モノマ−を該系内でラジカル重
合させることを特徴とする請求項1または2記載のエポ
キシ樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項4】グリシジル基と反応する官能基とラジカル
重合性の官能基の両方を併せ持つ化合物がアクリル酸で
あることを特徴とする請求項3記載のエポキシ樹脂組成
物の製造方法。 - 【請求項5】エポキシ樹脂がノボラック型エポキシ樹脂
を含むことを特徴とする請求項3または4記載のエポキ
シ樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項6】請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成
物を含んでなる塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29740094A JPH08151503A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29740094A JPH08151503A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151503A true JPH08151503A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=17846011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29740094A Pending JPH08151503A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08151503A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0931817A1 (en) * | 1996-10-09 | 1999-07-28 | Daikin Industries, Ltd. | Water-repellent, oil-repellent resin composition |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP29740094A patent/JPH08151503A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0931817A1 (en) * | 1996-10-09 | 1999-07-28 | Daikin Industries, Ltd. | Water-repellent, oil-repellent resin composition |
EP0931817A4 (ja) * | 1996-10-09 | 1999-07-28 | ||
US6225405B1 (en) | 1996-10-09 | 2001-05-01 | Daikin Industries, Ltd. | Water and oil-repellent resin composition |
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