JPH07268185A - 粉体塗料およびその製造方法 - Google Patents

粉体塗料およびその製造方法

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JPH07268185A
JPH07268185A JP6102094A JP6102094A JPH07268185A JP H07268185 A JPH07268185 A JP H07268185A JP 6102094 A JP6102094 A JP 6102094A JP 6102094 A JP6102094 A JP 6102094A JP H07268185 A JPH07268185 A JP H07268185A
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JP
Japan
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epoxy resin
meth
fluorine
resin
acrylate
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Application number
JP6102094A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Noriyuki Arai
規之 新井
Yoshiki Matsuoka
祥樹 松岡
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一分子中に少なくとも二つのグリシジル基を有
する室温において固体状のエポキシ樹脂(A)、該エポ
キシ樹脂に実質的に溶解しない一般式化1 【化1】 〔式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
チル基を表す。Yは炭素数1〜4のアルキレン基または
−(CH2 )n N(R)SO2 −(式中、Rは炭素数1
〜4のアルキル基または水素原子、n は1〜4の整数を
表す。)を表す。Rf は炭素数1〜15のパーフルオロ
アルキル基を表す。〕で表されるパーフルオロアルキル
基を含有する重合性単量体を必須成分とする原料を重合
して得られる含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂
(B)およびエポキシ樹脂硬化剤(C)を必須成分とし
て含み、該含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂(B)
が、粒径10μm以下の粒子として、該エポキシ樹脂
(A)内に均一に分散していることを特徴とする粉体塗
料およびその製造方法。 【効果】エポキシ樹脂の長所である耐熱性や密着性の低
下を招くことなく、高撥水性や耐水性を十分に備えた塗
膜を形成することのできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂系粉体塗
料およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、エポ
キシ樹脂の長所である各種基材に対する高い密着性、耐
熱性および高い機械的強度を損なうことなく、撥水性お
よび耐水性にも優れたエポキシ樹脂系粉体塗料およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パーフルオロアルキル基を有する(メ
タ)アクリレート(以下、PFAということがある。こ
こで(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメ
タクリレートのことをいう。)から重合される樹脂は優
れた撥水性を有することが知られている。(例えば、
「ふっ素樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊)。
【0003】このようなパーフルオロアルキル基を有す
る(メタ)アクリレートから重合される樹脂の特性を利
用して、特開昭48−4528号公報、あるいは特開昭
50−55630号公報には、該樹脂の塗料用途への応
用が開示されている。また、特開平4−328151号
公報では、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)ア
クリレートを含む特定の共重合体を含むエポキシ樹脂組
成物についての開示がある。
【0004】また、特公平6−4785号公報には、ふ
っ素樹脂を含有してなる熱硬化性粉体塗料についての技
術の開示がある。これには、ふっ素樹脂、なかでも特に
好ましくはふっ化ビニリデン樹脂を含有させて、熱硬化
性粉体塗料からなる塗膜の平滑性や可とう性および耐汚
染性を改良する技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、PFAからなる
重合体は、その撥水性はパーフルオロアルキル基の炭素
数が大きくなるほど高くなるが、その場合、同時に通常
用いられる炭化水素系の溶剤やエポキシ樹脂等にも難溶
となる。したがって、上述の従来技術による該樹脂とエ
ポキシ樹脂との組合せにおいては、PFAと他の種々の
単量体成分を共重合させて得られるPFA共重合体を溶
剤あるいは、エポキシ樹脂に溶解させて使われたきた。
【0006】しかしながら、このようにして得られるエ
ポキシ樹脂組成物は、PFAからなる重合体を溶剤可溶
化にするため他の重合成分と組み合わせるので、PFA
からなる重合体の本来の良好な撥水性を低下させたり、
エポキシ樹脂の長所である耐熱性や密着性の低下を招
き、必ずしも十分な性能を有するものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPFAから
なる重合体の持つ高撥水性や耐水性を十分に発揮させ、
しかもそれの少量の添加によりエポキシ樹脂の良好な特
性を損なわないためには、エポキシ樹脂と該PFAから
なる重合体がエポキシ樹脂と相互に溶解せず、それぞれ
が独立したドメインを有する2相分離した構造が好まし
いことつきとめた。すなわち、本発明はエポキシ樹脂中
に該エポキシ樹脂に実質的に溶解しないPFAを主成分
として重合されてなる重合体が微粒子状に均一に分散さ
れた2相構造を有する塗膜を形成することを可能にする
粉体塗料およびその製造方法を提供するものである。
【0008】本発明は以下に記す発明よりなる。 1.一分子中に少なくとも二つのグリシジル基を有する
室温において固体状のエポキシ樹脂(A)、該エポキシ
樹脂に実質的に溶解しない一般式化2
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素
原子またはメチル基を表す。Yは炭素数1〜4のアルキ
レン基または−(CH2 )n N(R)SO2 −(式中、
Rは炭素数1〜4のアルキル基または水素原子、n は1
〜4の整数を表す。)を表す。Rf は炭素数1〜15の
パーフルオロアルキル基を表す。〕で表されるパーフル
オロアルキル基を含有する重合性単量体を必須成分とす
る原料を重合して得られる含フッ素(メタ)アクリレー
ト系樹脂(B)からなる粒径10μm以下の粒子、およ
びエポキシ樹脂硬化剤(C)を主成分として含むことを
特徴とする粉体塗料。
【0011】2.前記エポキシ樹脂(A)、前記含フッ
素(メタ)アクリレート系樹脂(B)およびエポキシ樹
脂硬化剤(C)を主成分として含み、該含フッ素(メ
タ)アクリレート系樹脂(B)が、粒径10μm以下の
粒子として、該エポキシ樹脂(A)内に均一に分散して
いることを特徴とする粉体塗料。 3.さらに分散安定剤(D)を含有する前記項1または
2記載の粉体塗料。
【0012】4.前記エポキシ樹脂(A)と前記含フッ
素(メタ)アクリレート系樹脂(B)を溶融状態にて混
合して、該エポキシ樹脂中に該含フッ素(メタ)アクリ
レート系樹脂を微粒子状に均一に分散させる工程を経る
ことを特徴とする粉体塗料の製造方法。 5.前記工程において、分散安定剤(D)の存在下でエ
ポキシ樹脂中(A)に含フッ素(メタ)アクリレート系
樹脂(B)を微粒子状に均一に分散させることを特徴と
する前記項4記載の粉体塗料の製造方法。
【0013】本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料は、塗膜
の焼きつけ後においてエポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂
に実質的に溶解しない含フッ素(メタ)アクリレ−ト系
樹脂が2相分離構造をなし、該含フッ素(メタ)アクリ
レ−ト系樹脂相がエポキシ樹脂中に均一に分散した塗膜
を提供する。焼きつけ塗膜の前駆体をなす本発明の粉体
塗料において、含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂微
粒子の粒径は、10μm以下が好ましい範囲であり、そ
れ以上の粒径では、塗膜のレベリング性の低下や塗膜内
でのフッ素樹脂微粒子の均一分散が困難となる傾向がみ
られる。
【0014】なお、分散安定剤(D)の添加は、塗膜焼
きつけ工程において含フッ素樹脂(B)からなる微粒子
の合一によるマクロ相分離を抑制し、分散安定性を向上
することからも好ましいものである。
【0015】本発明の粉体塗料の製造方法は限定される
ものではない。例えば、硬化剤を含む固体状エポキシ樹
脂の微粉砕品と、粉砕等により粒径10μm以下の微粒
子状としたPFAを主成分として重合される含フッ素
(メタ)アクリレ−ト系樹脂の混合品から得る方法等が
可能である。本発明の粉体塗料を製造する工業的により
有利な方法として、つぎに記す方法がある。
【0016】すなわち、室温において固体状のエポキシ
樹脂(A)に、それに実質的に溶解しないPFAを主成
分として重合される含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹
脂(B)を混合し、両者を溶融状態にせしめ、攪拌等に
より剪断力を与え、混合することにより、エポキシ樹脂
中に該含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂を粒径10
μm以下の微粒子として均一分散させる方法である。
【0017】この製造工程において、含フッ素(メタ)
アクリレ−ト系樹脂の微粒子の粒径あるいは分散状態の
安定性は、与える剪断力の強さ、すなわち剪断速度と各
成分の粘度や各成分の凝集エネルギ−の差などにより複
合的に決定されるものであり、その条件は適宜選択され
るものである。
【0018】さらには、分散安定剤(D)を用いること
により、含フッ素(メタ)アクリレ−ト系樹脂の微粒子
の粒径制御ができ、分散安定性を向上させることができ
るので、分散安定剤(D)の添加はより好ましいもので
ある。
【0019】つぎに、本発明に用いられる各成分につい
て説明する。室温において固体状のエポキシ樹脂(A)
としては軟化温度が室温以上、好ましくは50℃以上も
のであれば特に限定されないが、具体的に例示すると以
下のようなものがある。
【0020】例えば、ビスフェノールA、1,1’−ビ
ス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、テトラメチルビフェノール、ナフタレン
ジオール等の二価フェノール類から誘導されるグリシジ
ルエーテル化合物;p−オキシ安息香酸、m−オキシ安
息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボ
ン酸から誘導されるグリシジルエステル化合物;トリグ
リシジルイソシアヌレート等の室温において固体状のエ
ポキシ樹脂が挙げられる。
【0021】また、フェノール、o−クレゾール、m−
クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類とホルム
アルデヒドの反応生成物であるノボラック樹脂から誘導
されるノボラック系エポキシ樹脂;フロログリシン、ト
リス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1,1,
2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)等の
3価以上のフェノール類から誘導されるグリシジルエー
テル化合物等の室温において固体状のエポキシ樹脂を用
いることもできる。
【0022】また、上記エポキシ樹脂分子に含まれる水
素原子の一部が臭素等のハロゲン原子により置換された
ハロゲン化エポキシ樹脂を用いることにより、難燃性が
付与された本発明のエポキシ樹脂系粉体塗料を得ること
ができる。
【0023】含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂
(B)とは、化3
【化3】
【0024】〔式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素
原子またはメチル基を表す。Yは炭素数1〜4のアルキ
レン基または−(CH2 )n N(R)SO2 −(式中、
Rは炭素数1〜4のアルキル基または水素原子、n は1
〜4の整数を表す。)を表す。Rf は炭素数1〜15の
パーフルオロアルキル基を表す。〕で表されるパーフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリレート系重合性単量
体を必須成分として含む原料を重合して得られる樹脂を
いう。
【0025】パーフルオロアルキル基含有(メタ)アク
リレート系重合性単量体としては、上記一般式で表され
るものであれば特に限定はないが、得られる樹脂の撥水
性をより高めるためには、Rf で示されるパーフルオロ
アルキル基の炭素数が6以上のものが特に好ましい。重
合に際しては、それらから選ばれた一種類もしくは二種
類以上を混合して用いることができる。また、本発明の
目的を損なわない範囲で、他の重合性単量体を混合して
用いることもできる。上記一般式で表されるパーフルオ
ロアルキル基含有(メタ)アクリレート系重合性単量体
は、例えば 化4
【0026】
【化4】CH2=CH-COO-CH2-(CF2)n-CF3 CH2=CH-COO-CH2-CH2-(CF2)n-CF3 CH2=C(CH3)COO-CH2-(CF2)n-CF3 CH2=C(CH3)COO-CH2-CH2-(CF2)n-CF3 CH2=CH-COO-CH2-CH2-N(CH3)S02-(CF2)n-CF3 CH2=C(CH3)COO-CH2-CH2-N(CH3)S02-(CF2)n-CF3 CH2=CH-COO-CH2-CH2-N(C2H5)S02-(CF2)n-CF3 CH2=CH-COO-CH2-CH2-N(C3H7)S02-(CF2)n-CF3 CH2=CF-COO-CH2-(CF2)n-CF3 CH2=CF-COO-CH2-CH2-(CF2)n-CF3 (式中、nは2〜14、より好ましくは5〜14の整数
を表す)で表される化合物等であるが、この限りではな
い。
【0027】上記パーフルオロアルキル基含有(メタ)
アクリレート系重合性単量体の重合は常法のラジカル重
合法により行うことができる。この場合、溶液重合、分
散重合、懸濁重合、乳化重合法を用いることができる。
エポキシ樹脂中に該モノマーを重合開始剤とともに添加
し、分散安定剤の存在下で非水系の分散重合を行うこと
も可能であり工業的に有利な方法である。ラジカル重合
開始剤としては、公知のものが使用でき、該重合開始剤
としては、熱分解あるいは紫外線照射等によりラジカル
を発生する各種化合物を用いることができる。具体的に
は以下のものを例示することができる。
【0028】クメンヒドロペルオキシド、第三ブチルヒ
ドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチ
ルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、
メチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ラウロイル等
の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル(以下、
AIBNということがある)等のアゾ系化合物;過酸化
水素−Fe2+、過硫酸塩−NaHSO3 、過酸化ベンゾ
イル−ジメチルアニリン等の二元開始剤を用いることも
できる。
【0029】重合される含フッ素(メタ)アクリレート
系樹脂(B)の分子量や分子量分布等は常法により重合
条件等を適宜選択することで制御される。また、前記し
たように、上記一般式で表されるパーフルオロアルキル
基含有(メタ)アクリレート系重合性単量体と他のフッ
素原子を有しないラジカル重合性単量体を組み合わせて
共重合体とすることも有用な技術である。これらの共重
合可能な成分としては、アクリル系単量体が好適なもの
であり、具体的には、以下のものが例示することができ
る。
【0030】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート類;メトキシ(メタ)アクリレート等
のアルコキシ(メタ)アクリレート類;シアノエチル
(メタ)アクリレート、アクリルアミド、(メタ)アク
リル酸、グリシジル(メタ)アクリレート等である。
【0031】なかでもグリシジル(メタ)アクリレート
を共重合させた含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂粒
子はエポキシ樹脂との親和性を高め、含フッ素(メタ)
アクリレート系樹脂粒子とエポキシ樹脂との界面接着を
向上させ、また、エポキシ樹脂硬化時に該含フッ素(メ
タ)アクリレート系樹脂中のグリシジル基とエポキシ樹
脂との反応、あるいはエポキシ樹脂硬化剤により該含フ
ッ素(メタ)アクリレート系樹脂の三次元化が起こり、
機械的性能や耐熱性等の向上があり好適なものである。
【0032】本発明において、必須成分である含フッ素
(メタ)アクリレート系樹脂(B)は、エポキシ樹脂
(A)に実質的に溶解しないことが必要であり、かつ、
含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂の少量添加により
高性能を得るためには、該含フッ素(メタ)アクリレー
ト系樹脂(B)の組成は、含フッ素(メタ)アクリレー
ト系単量体の含有率が好ましくは50重量%以上、さら
に好ましくは70%重量以上のものが用いられる。
【0033】本発明において、エポキシ樹脂(A)と含
フッ素(メタ)アクリレート系樹脂(B)の組成割合に
ついて特に限定はないが、分散構造の安定性や組成物の
経済性という観点から、エポキシ樹脂(A)100重量
部に対して、含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂
(B)が好ましくは100重量部以下、さらに好ましく
は30重量部以下である。
【0034】本発明に用いられる分散安定剤(D)につ
いて説明する。該分散安定剤としては、例えば、パーフ
ルオロアルキル基を疎水基として有する各種のオリゴマ
ー、あるいはポリマーが好ましいものであるが、含フッ
素(メタ)アクリレート系樹脂の均一分散あるいは分散
状態の安定性に寄与するものであればこの限りではな
い。
【0035】具体的に本発明に好ましい分散安定剤を市
販品から例示すると以下のものを挙げることができる。 (1)メガファックF−177(商品名、大日本インキ
(株)製のパーフルオロアルキル基含有オリゴマー) (2)フロラードFC−430(商品名、スリーエム社
製のフルオロアリファティックポリメリックエステル) (3)ユニダインDS−451(商品名、ダイキン工業
(株)製のパーフルオロアルキルオリゴマー)等であ
る。
【0036】該分散安定剤の添加量は、エポキシ樹脂
(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜
5.0重量部、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部
の範囲である。
【0037】本発明のエポキシ樹脂硬化剤(C)につい
て説明する。これらの、エポキシ樹脂硬化剤に特に限定
はないが、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0038】芳香族アミンおよび脂肪族アミン等のアミ
ン系硬化剤;フェノールノボラックやクレゾールノボラ
ック等のポリフェノール化合物;さらには酸無水物、ジ
シアンジアミド、ヒドラジド化合物等が例示される。な
かでも、ジシアンジアミドは潜在硬化性に優れるので好
適なものである。エポキシ樹脂と硬化剤の割合は、硬化
剤の活性水素がエポキシ基1モルに対して0.5〜1.
5モルとなるよう配合されることが硬化性や硬化物の性
能から好ましい。
【0039】さらに必要に応じて、硬化促進剤を添加す
ることができる。硬化剤促進剤としては、例えば、ベン
ジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロウン
デセン等のアミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾ
ールなどのイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン
錯体等が挙げられる。
【0040】本発明の粉体塗料には、さらに必要に応じ
て各種の着色剤成分等を含有して用いる。例えば、着色
剤としては染料や顔料を使用できる。具体的に例示する
と、酸化チタン、亜鉛華、カーボン黒、鉄黒、銅クロム
ブラック、銅鉄マンガンブラック、弁柄、亜鉛鉄ブラウ
ン、カドミウムレッド、クロムバーミリオン、黄鉛、カ
ドミウムイエロー、ジンククロメート、コバルトグリー
ン、クロムグリーン、コバルトクロムグリーン、酸化ク
ロムグリーン、ピリジアン、コバルトグリーン、紺青、
群青、コバルトブルー、コバルトバイオレット、マンガ
ンバイオレット、マンガンバイオレット、ホワイトカー
ボン、シリカ白、アルミナホワイト、石膏、沈降性硫酸
バリウム、沈降性炭酸バリウム等の無機系顔料、および
β−ナフトール、β−オキシナフトエ酸系、ナフトール
NAS系、ピラゾロン系、アセト酢酸エステル系、フタ
ロシアニン系、アントラキノン系、インジゴー系、ベリ
レン系、ベリノン系、ジオキサジン系、キナクリドン
系、イソインドリン系、金属錯塩系、フルオルピン系、
キノフタロン系等の有機系顔料等が挙げられる。
【0041】さらに、使用目的によって、タルク、マイ
カ、炭酸カルシウム、アルミナ水和物、炭化ケイ素、金
属粉末等の粒状物や炭化ケイ素、硼酸アルミニウム等の
ウイスカ−等を混用することもできる。さらに、必要に
応じて他の各種成分として、溶剤類、粘度調製剤、分散
剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、カ
ップリング剤等の塗料において慣用のものを用いること
もできる。
【0042】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0043】参考例1 パーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート系重
合性単量体として、β−(パーフルオロオクチル)エチ
ルアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名:ライト
エステルFA−108)50gに重合開始剤としてAI
BN0.05gを加え、冷却用コンデンサ−を備えた2
00mlセパラブルフラスコに仕込み、系内に窒素を吹
き込みながら100℃で60分間重合した。その後、1
20℃に昇温して10mmHgに減圧し残存モノマーを
除去してパーフルオロアルキル基含有アクリレートポリ
マーを得た。
【0044】得られたポリマーは均一透明な、室温にお
いて固体状の樹脂であり、その収率は95重量%であっ
た。示差熱量分析(DSC)によれば、このポリマーの
融点は81℃であり、100℃における粘度は100.
2ポイズであった。以下の実施例においてこのポリマー
をPF−1という。
【0045】参考例2 パーフルオロ基含有(メタ)アクリレート系重合性単量
体として、β−(パーフルオロオクチル)エチルアクリ
レート(同上)45gとフッ素原子を含まない共重合成
分としてグリシジルメタクリレート(共栄社化学(株)
製、商品名:ライトエステルG)5gを均一に溶解さ
せ、重合開始剤としてAIBN0.05gを加え、以後
の操作は参考例1と全く同様にしてグリシジルメタクリ
レートを共重合成分に含むパ−フルオロアルキル基含有
アクリレート系ポリマーを得た。
【0046】得られたポリマーは、室温で固体状の白濁
した樹脂で、その収率は96重量%であった。元素分析
の結果、このポリマーの共重合モノマー比は仕込みモノ
マー比と同一であることを確認した。また、100℃に
おけるこのポリマ−の粘度は190ポイズであった。以
下の実施例においてこのポリマ−をPF−2という。
【0047】実施例1〜4、比較例1 参考例1および参考例2で得られたパ−フルオロアルキ
ル基含有アクリレート系ポリマーを用いて本発明のエポ
キシ樹脂系粉体塗料を調製して、その塗膜性能を評価し
た。評価に供したエポキシ樹脂組成物の組成は、表1に
示すとおりである。
【0048】まず、室温で固体状のビスフェノールA型
エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、商品名:スミエ
ポキシESA011)100g、所定量の参考例1また
は参考例2で得られたパ−フルオロアルキル基含有アク
リレート系ポリマーおよび分散安定剤である住友スリー
エム(株)製の「フロラードFC430」(FC430
ということがある)1gを、200mlのセパラブルフ
ラスコに仕込み、150℃にて該エポキシ樹脂および該
パ−フルオロアルキル基含有アクリレート系ポリマ−を
溶融し、ついで真空下で回転数500rpmで10分間
攪拌し、乳白色の均一な樹脂組成物を得た。
【0049】該樹脂組成物を冷却し、顕微鏡で観察した
結果、いずれの系も粒径が1〜5μmのパ−フルオロア
ルキル基含有アクリレート系ポリマー微粒子がエポキシ
樹脂に均一に分散した樹脂組成物であった。該樹脂組成
物とエポキシ樹脂硬化剤であるジシアンジアミド(DI
CYということがある)および2−エチル−4−メチル
イミダゾール(2E4MZということがある)を室温に
おいて所定量混合し、60〜70℃で3本ロール混合
し、硬化剤を含んだ樹脂組成物を得た。
【0050】該樹脂組成物を冷却し、コーヒーミルを用
いて粉砕し、目開き75μmの篩にかけて本発明の粉体
塗料を得た。該粉体塗料を180℃に余熱してあるガラ
ス基材に均一に降りかけ約100μmの塗膜を形成し
た。ついで該塗膜をオーブン中で180℃で30分硬
化、焼き付けたさせた。得られた塗膜はマクロ相分離は
なく、表面が均一に黄白色不透明であり、含フッ素(メ
タ)アクリレート系樹脂微粒子とエポキシ樹脂からなる
2相系であった。
【0051】塗膜性能の評価として、塗膜の密着性を評
価するためのゴバン目テスト(JIS準拠)および撥水
性を評価するための水に対する接触角の測定を行った。
なお接触角の評価は、表面を#1200エメリーペーパ
ーで研磨した系についても評価した。評価結果を表1に
示した。この結果より本発明によるエポキシ樹脂組成物
が、極めて良好な撥水性を示し、しかもエポキシ樹脂の
特長である基材への密着性を損なわない有用な材料であ
ることが分かった。
【0052】
【表1】 ────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 ────────────────────────────────── 樹脂組成 ESA011 100 100 100 100 100 PF−1 10 20 − − − PF−2 − − 10 20 − DICY 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 2E4MZ 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 FC430 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 ────────────────────────────────── 評価結果 接触角°(表面)110 115 111 116 82 同(#1200研磨面) − 131 127 131 93 ゴバン目試験 − 100 − 100 100 (ケ/100) ────────────────────────────────── (樹脂組成の単位は重量部を表す)
【0053】
【発明の効果】エポキシ樹脂の長所である耐熱性や密着
性の低下を招くことなく、高撥水性や耐水性を十分に備
えた塗膜を形成することのできる粉体塗料およびその製
造方法を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中に少なくとも二つのグリシジル基
    を有する室温において固体状のエポキシ樹脂(A)、該
    エポキシ樹脂に実質的に溶解しない一般式化1 【化1】 〔式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
    チル基を表す。Yは炭素数1〜4のアルキレン基または
    −(CH2 )n N(R)SO2 −(式中、Rは炭素数1
    〜4のアルキル基または水素原子、n は1〜4の整数を
    表す。)を表す。Rf は炭素数1〜15のパーフルオロ
    アルキル基を表す。〕で表されるパーフルオロアルキル
    基を含有する重合性単量体を必須成分とする原料を重合
    して得られる含フッ素(メタ)アクリレート系樹脂
    (B)からなる粒径10μm以下の粒子、およびエポキ
    シ樹脂硬化剤(C)を主成分として含むことを特徴とす
    る粉体塗料。
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂(A)、前記含フッ素
    (メタ)アクリレート系樹脂(B)およびエポキシ樹脂
    硬化剤(C)を主成分として含み、該含フッ素(メタ)
    アクリレート系樹脂(B)が、粒径10μm以下の粒子
    として、該エポキシ樹脂(A)内に均一に分散している
    ことを特徴とする粉体塗料。
  3. 【請求項3】さらに分散安定剤(D)を含有する請求項
    1または2記載の粉体塗料。
  4. 【請求項4】前記エポキシ樹脂(A)と前記含フッ素
    (メタ)アクリレート系樹脂(B)を溶融状態にて混合
    して、該エポキシ樹脂中に該含フッ素(メタ)アクリレ
    ート系樹脂を微粒子状に均一に分散させる工程を経るこ
    とを特徴とする粉体塗料の製造方法。
  5. 【請求項5】前記工程において、分散安定剤(D)の存
    在下でエポキシ樹脂中(A)に含フッ素(メタ)アクリ
    レート系樹脂(B)を微粒子状に均一に分散させること
    を特徴とする請求項4記載の粉体塗料の製造方法。
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EP0931817A1 (en) * 1996-10-09 1999-07-28 Daikin Industries, Ltd. Water-repellent, oil-repellent resin composition

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EP0931817A1 (en) * 1996-10-09 1999-07-28 Daikin Industries, Ltd. Water-repellent, oil-repellent resin composition
EP0931817A4 (ja) * 1996-10-09 1999-07-28
US6225405B1 (en) 1996-10-09 2001-05-01 Daikin Industries, Ltd. Water and oil-repellent resin composition

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