JPH08333439A - 表面処理剤、有機質充填材の表面処理方法及びフッ素樹脂組成物 - Google Patents

表面処理剤、有機質充填材の表面処理方法及びフッ素樹脂組成物

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JPH08333439A
JPH08333439A JP7140429A JP14042995A JPH08333439A JP H08333439 A JPH08333439 A JP H08333439A JP 7140429 A JP7140429 A JP 7140429A JP 14042995 A JP14042995 A JP 14042995A JP H08333439 A JPH08333439 A JP H08333439A
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epoxy resin
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fluororesin
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Yoshio Yamakoshi
美穂 山越
Hiroshi Nakamura
宏 中村
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】低摩擦性を維持しつつ、同時に耐磨耗性の向上
したフッ素樹脂成形体を与える表面処理有機質充填材を
含むフッ素樹脂組成物、その表面処理方法及びその表面
処理剤の提供。 【構成】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と、下記式 (式中、Xは水素、塩素、フッ素またはメチル基をYは
C1〜3のアルキレン基または−CH2 CH2 N(R)
SO2 −を表わす。RはC1〜4のアルキル基を示し、
RfはC3〜15のパーフルオロアルキル基を表わ
す。)で表わすパーフルオロアルキル基含有アクリレー
トまたはメタクリレートとカルボキシル基含有α,β−
エチレン性不飽和単量体との共重合体を必須成分として
含む樹脂(B)とを反応させ、グリシジル基とカルボキ
シル基が一部または全部反応している変性エポキシ樹脂
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂との密着性
を向上するのに好適な有機質充填材の表面処理剤、それ
を用いる表面処理方法及びその方法で表面処理した有機
質充填材を含むフッ素樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フッ素樹脂は撥水、撥油性、
非粘着性、低摩擦性、耐薬品性等の優れた材料として知
られており、低摩擦性が要求される軸受等の摺動部材や
非粘着コーティングを行なった家庭用品等の幅広い分野
で使用されている。しかしながら、摺動部材として上記
フッ素樹脂を用いた場合、耐磨耗性等の摺動特性が十分
でないという問題がある。そこで、このような問題を解
決するために各種充填材を配合したフッ素樹脂成形体が
開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記フッ素樹
脂成形体では、低摩擦性を維持しつつ、耐磨耗性を向上
させることが困難である。これは、フッ素樹脂が非粘着
性という特性を有するために充填材との密着性が悪いこ
とに起因している。本発明の目的は、低摩擦性を維持し
つつ、同時に耐磨耗性の向上したフッ素樹脂成形体を与
えるような表面処理有機質充填材を含むフッ素樹脂組成
物、その表面処理方法及びその表面処理剤を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の有する上記課題を解決するために鋭意研究を続けた結
果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は次に
記すとおりである。 (1)グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂
(A)と、下記一般式
【0005】
【化2】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
チル基を表わす。Yは炭素数1〜3のアルキレン基また
は−CH2 CH2 N(R)SO2 −を表わす。ここでR
は炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜
15のパーフルオロアルキル基を表わす。)で表わされ
るパーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタ
クリレートとカルボキシル基含有α,β−エチレン性不
飽和単量体との共重合体を必須成分として含む樹脂
(B)とを反応させてなり、グリシジル基とカルボキシ
ル基が一部または全部反応している変性エポキシ樹脂を
含有することを特徴とする有機質充填材の表面処理剤。 (2)有機質充填材が芳香族ポリアミド樹脂であること
を特徴とする(1)記載の有機質充填材の表面処理剤。 (3)カルボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単
量体がアクリル酸であることを特徴とする(1)または
(2)記載の有機質充填材の表面処理剤。 (4)エポキシ樹脂(A)がノボラック型エポキシ樹脂
を含むことを特徴とする(1)、(2)または(3)記
載の有機質充填材の表面処理剤。 (5)エポキシ樹脂硬化剤を含むことを特徴とする
(1)、(2)、(3)または(4)記載の有機質充填
材の表面処理剤。 (6)(1)記載の変性エポキシ樹脂を含有する溶液ま
たはエマルジョンに有機質充填材を浸漬し、濾過、乾燥
することを特徴とする有機質充填材の表面処理方法。 (7)(1)記載の変性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂
硬化剤を含有する溶液またはエマルジョンに有機質充填
材を浸漬し、濾過、乾燥、硬化することを特徴とする有
機質充填材の表面処理方法。 (8)フッ素樹脂と、(1)、(2)、(3)、(4)
または(5)記載の表面処理剤で表面処理した有機質充
填材からなることを特徴とするフッ素樹脂組成物。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。エポキシ
樹脂(A)は、一分子あたりグリシジル基を2個以上有
する化合物であれば特に限定されないが、例示すると以
下のようなものがある。例えば、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、1,1’−ビス(3−t−ブチル−6
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラメ
チルビフェノール、ナフタレンジオール等の2価フェノ
ール類から誘導されるグリシジルエーテル化合物、p−
オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリ
シジルエステル化合物、あるいはトリグリシジルイソシ
アヌレート等がある。また、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類
とホルムアルデヒドの反応生成物であるノボラック樹脂
から誘導されるノボラック系エポキシ樹脂、フロログリ
シン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)
等の3価以上のフェノール類から誘導されるグリシジル
エーテル化合物等がある。これらは単独であるいは2種
類以上の混合物として用いることができる。また、エポ
キシ樹脂分子に含まれる水素原子の一部を臭素等のハロ
ゲン原子により置換されたハロゲン化エポキシ樹脂も難
燃性付与等において有用な材料である。特に本発明にお
いては、一分子中に3個以上のグリシジル基を有するノ
ボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましいもので
ある。
【0007】本発明で用いられるパーフルオロアルキル
基含有(メタ)アクリレート{(メタ)アクリレート
は、アクリレート及びメタクリレートを指称する。以下
同じ。}とは、上記一般式で表される化合物をいう。パ
ーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートとして
は、上記一般式で表される化合物であれば特に限定はな
いが、フッ素樹脂との密着性から、Rfで示されるパー
フルオロアルキル基の炭素数が6以上のものが特に好ま
しいものであり、その群より選ばれた1種類もしくは2
種類以上を混合して用いることができる。上記一般式で
表されるパーフルオロ基含有(メタ)アクリレートを具
体的に例示すると、
【0008】
【化3】 CH2 =CH−COO−CH2 −(CF2 n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −(CF2 n
−CF3 CH2 =C(CH3 )COO−CH2 −(CF2 n
CF3 CH2 =C(CH3 )COO−CH2 −CH2 −(CF
2 n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −N(CH3
SO2 −(CF2 n −CF3 CH2 =CH−COO−CH2 −CH2 −N(C
3 7 )SO2 −(CF2 n−CF3 CH2 =CF−
COO−CH2 −(CF2 n −CF3 CH2 =CF−COO−CH2 −CH2 −(CF2 n
−CF3 (ここでnは2〜14の整数を表す。)等があるがこの
限りではない。
【0009】カルボキシル基含有α,β−エチレン性不
飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸等が例示されるが、作業
性や性能からアクリル酸あるいはメタクリル酸が好適な
ものであり、特にアクリル酸が好ましい。また、上記共
重合体中に、他のフッ素原子を有しないラジカル重合性
単量体を共重合することも有用な技術である。これらの
共重合可能な成分としては、アクリル系単量体が好適な
ものであり、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、イソブチル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレー
ト、シアノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミ
ド、グリシジル(メタ)アクリレート等がある。
【0010】本発明に使用する変性エポキシ樹脂の原料
量比について説明する。樹脂(B)の合成において、パ
ーフルオロ基含有(メタ)アクリレートは、カルボキシ
ル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体1モルに対し
て0.1〜10モル、さらに好ましくは0.3モル〜2
モルになるように仕込むことが望ましい。エポキシ樹脂
(A)と樹脂(B)との反応において、後者はそのカル
ボキシル基含有α,β−エチレン性不飽和単量体単位
が、エポキシ樹脂(A)のグリシジル基1モルに対して
0.01〜0.2モルの範囲となるように仕込むのが望
ましい。
【0011】次に、変性エポキシ樹脂の製造方法につい
て説明する。まず、パーフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリレートとカルボキシル基含有α,β−エチレ
ン性不飽和単量体の共重合反応を有機溶剤及び分散安定
剤の存在下で、分散重合によって行なう。続いて、本系
にトリフェニルホスフィン等の触媒の存在下または非存
在下でエポキシ樹脂(A)またはその溶液を仕込み、エ
ポキシ樹脂に上記共重合体のカルボキシル基の一部また
は全部を付加させ、変性エポキシ樹脂を得る。ここで使
用される有機溶剤としては、ベンゼン、トルエンまたは
キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤や、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、ブタノール、イソプロ
パノール等が挙げられる。また、分散安定剤としては、
フルオロアルキル部位を有するオリゴマーまたはポリマ
ーが好ましい。例えば、パーフルオロアルキル基を疎水
基として有するオリゴマーまたはポリマーが好ましく、
具体的に例示すると、(1)メガファックF−177
(商品名、大日本インキ(株)製のパーフルオロアルキ
ル基含有オリゴマー、ノニオン性)、(2)フロラード
FC−430(商品名、住友スリーエム(株)製のフル
オロアリファティックポリメリックエステルズ、ノニオ
ン性)、等が挙げられるが、この限りではない。
【0012】重合開始剤としては、公知のものが使用で
き、熱分解あるいは紫外線の刺激等によりラジカルを発
生する各種化合物を用いることができる。例示すると、
クメンヒドロペルオキシド、第三ブチルヒドロペルオキ
シド、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルヒドロペル
オキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、メチル
エチルケトンペルオキシド、過酸化ラウロイル等の過酸
化物、N−N結合を有するアゾビスイソブチロニトリル
(以下AIBNという)等のアゾ系化合物、過酸化水素
−Fe2+ 、過硫酸塩−NaHSO3 、過酸化ベンゾイ
ル−ジメチルアニリン等の単一開始剤や二元開始剤を用
いることができる。
【0013】本発明の表面処理剤は、変性エポキシ樹
脂、必要に応じて加えられる、他のエポキシ樹脂、エポ
キシ樹脂硬化剤、硬化促進剤や有機溶剤からなる。通
常、溶液状またはエマルジョン状にして使用される。こ
こで使用されるエポキシ樹脂硬化剤に特に限定はない
が、例えば、芳香族アミンおよび脂肪族アミン等のアミ
ン系硬化剤、フェノールノボラックやクレゾールノボラ
ック等のポリフェノール化合物、さらには酸無水物、ジ
シアンジアミド、ヒドラジド化合物等が挙げられる。変
性エポキシ樹脂と硬化剤の割合は、硬化剤の活性水素が
変性エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対して0.3
〜1.5モルとなるよう配合されることが硬化性や性能
から好ましい。硬化促進剤としては、例えば、ベンジル
ジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロウンデセ
ンなどのアミン類や2−エチル−4−メチルイミダゾー
ルなどのイミダゾール化合物、三フッ化ホウ素アミン錯
体等が挙げられる。溶液状またはエマルジョン状にする
のに使われる有機溶剤としては、前述の変性エポキシ樹
脂の製造に使われるものとおなじものを挙げることがで
きるが、その他にヘプタン、ヘキサン、オクタンまたは
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、石油エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を用いることが
できる。有機質充填材としては、芳香族ポリアミド樹
脂、ポリオキシベンゾイルエステル樹脂粉末、ポリイミ
ド粉末等が例示され、これらは単独であるいは2種類以
上の混合物として用いることができるが、特に、耐磨耗
性から芳香族ポリアミド樹脂が好ましい。
【0014】また、フッ素樹脂は特に限定されないが、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合
体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロ
ロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等が挙げら
れ、これらは単独であるいは2種類以上の混合物として
用いることができる。
【0015】有機質充填材の表面処理は、通常湿式法で
行なわれる。溶液状またはエマルジョン状の表面処理剤
に有機質充填材を浸漬した後、濾過、乾燥する。エポキ
シ樹脂硬化剤を配合した場合には乾燥により変性エポキ
シ樹脂が硬化する。これらの操作により、変性エポキシ
樹脂が有機質充填材に付着する。有機質充填材に対する
変性エポキシ樹脂の付着量は、充填材100重量部に対
して0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5
重量部である。また、溶液またはエマルジョン中の変性
エポキシ樹脂の濃度は、通常0.1〜20重量%、さら
に好ましくは0.2〜10重量%である。
【0016】本発明のフッ素樹脂組成物の製造法は特に
限定されないが、例えば、上記の方法で表面処理した有
機質充填材とフッ素樹脂を、ヘンシェルミキサー等の高
速回転ミキサーを用いて混合すること等が挙げられる。
表面処理有機質充填材とフッ素樹脂との混合割合は、フ
ッ素樹脂および充填材の種類等によって変わり得るが、
フッ素樹脂100重量部に対して通常表面処理有機質充
填材1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部
である。充填材が少な過ぎる場合には、耐磨耗性が向上
せず、充填材が多過ぎる場合には、フッ素樹脂と充填材
の密着力が弱くなり、その成形体が脆くなる。フッ素樹
脂組成物の成形法としては、フッ素樹脂のモールディン
グパウダー、ファインパウダーまたはPTFE等に適用
される各種成形法、例えば、プレス成形、自動成形、ゴ
ム型成形、ラム押出成形、ホットコイニング成形、ペー
スト押出成形、加熱溶融による押出あるいは射出成形等
が適用され、これらにより任意の形状の成形体を作製す
ることができる。これらの成形体は、軸受、ブレーキ、
歯車等の摺動部材やパッキン、オイルシール等として好
適である。
【0017】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。 実施例1 (1)変性エポキシ樹脂の合成 トルエン43.6g、商品名フロラードFC−430
(住友スリーエム(株)製のフルオロアリファティック
ポリメリックエステルズ、ノニオン性)2.4gを温度
計、冷却管および撹拌装置を付けた500mlセパラブ
ルフラスコに仕込み、100℃、窒素雰囲気の条件下で
β−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(共
栄社化学(株)製、商品名ライトエステルFA−10
8)40g、アクリル酸5.8gおよびトルエン40g
を混合し、重合開始剤としてAIBN2.4gを添加、
溶解させたものを1時間かけて滴下した。さらに、10
0℃で2時間保持し、赤外線吸収スペクトルでCH2
CH基の吸収(1640cm-1)の消失を確認して重合
反応の終点とした。続いて、o−クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミエ
ポキシESCN−195、エポキシ当量195g/e
q)100gおよびトルエン67gを混合し、反応触媒
としてトリフェニルホスフィン0.2gを添加、溶解さ
せたものを100℃で1時間かけて滴下した後、3時間
保持してグリシジル基とカルボキシル基の付加反応を行
ない、樹脂固形分50.2重量%の樹脂分散液301.
1gを得た。得られた樹脂の酸価測定を行なった結果、
カルボキシル基の87%がグリシジル基に付加してい
た。また、このものは、乳白色の均一なエマルジョンで
あり、一昼夜室温で保持したものも粒子の凝集や沈殿は
生じなかった。 (2)芳香族ポリアミド粒子の表面処理 (1)で得た変性エポキシ樹脂10.7g(固形分5.
37g)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成
工業(株)製、商品名HN−5500)4.56gおよ
び2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール53.8mgをトルエン984.7gに溶解して1
kgの1重量%処理溶液を調製した。この中に200g
の芳香族ポリアミド粒子(商品名トワロン5011、日
本アラミド(有)、平均粒径 55μm)を分散させ、
20分間室温で攪拌した後減圧で濾別し、風乾後120
℃のオーブン中で1時間加熱処理して表面処理した芳香
族ポリアミド粒子を得た。 (3)芳香族ポリアミド粒子/PTFE組成物の製造及
び成形体の成形 芳香族ポリアミド粒子(20重量%)、PTFE(80
重量%)からなる成形体試料の作製を以下の様に行なっ
た。 (イ)30gの上記表面処理芳香族ポリアミド粒子と1
20gのPTFE(商品名フルオンGl63、旭硝子
(株)製、平均粒径25μm)を5L縦型高速スーパー
ミキサー(カワタ製)により攪拌(攪拌速度2000r
pm、攪拌時間2分)し、均一な混合物を作製した。 (ロ)該混合物l20gを直径38mmの塩化ビニール
製パイプに充填し、3kgf/cm2 の面圧を加えて、
高さ約l70mmの中間体を作製した。 (ハ)該中間体をl20℃で30分乾燥した。 (ニ)乾燥した該中間体を内径40mm、高さ280m
mの金型に装填した後、真空ポンプにより脱気を行いな
がら加圧(l000kgf/cm2 、l0分間)し、直
径40mm、高さ50mmの予備成形品を室温において
作製した。(脱気は、金型側面に設けた直径2mmの孔
より行なった。) (ホ)常圧下において該予備成形品を380℃にl時間
保持し、成形体を作製した。(室温から380℃までの
昇温と380℃から室温までの降温速度は、ともに50
℃/時間とした。) (4)摩擦磨耗試験 得られた成形体から試験片を作製し、鈴木式摩擦摩耗試
験機により動摩擦係数と摩擦磨耗係数の測定を行なった
(試験条件は下記の通り)。その結果、プレス成形時の
加圧方向と直角方向の面の動摩擦係数は0.16であ
り、摩擦磨耗係数は7×10-5mm/(kmkgf/c
2 )であった。また、プレス成形時の加圧方向と平行
な面の動摩擦係数は0.16であり、摩擦磨耗係数は2
×10-5mm/(kmkgf/cm2 )であった。 試験条件 面圧:6kgf/cm2 摺動速度:40m/min 摺動面積:2cm2 試験温度:室温 試験時問:24時間 相手材:アルミニウム(JIS 5052)
【0018】比較例1 未処理の芳香族ポリアミド粒子を用いる以外は実施例1
と全く同様の方法で試験片を作成し同様に摩擦磨耗試験
を行なった。その結果、プレス成形時の加圧方向と直角
方向の面の動摩擦係数は0.16であり、摩擦磨耗係数
は16×10-5mm/(kmkgf/cm2 )であっ
た。また、プレス成形時の加圧方向と平行な面の動摩擦
係数は0.19であり、摩擦磨耗係数は17×10-5
m/(kmkgf/cm2 )であった。
【0019】
【発明の効果】本発明の特定の表面処理有機質充填材を
含むフッ素樹脂組成物は、低摩擦性を維持しつつ、耐磨
耗性向上した成形体を与える。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリシジル基を2個以上有するエポキシ樹
    脂(A)と、下記一般式 【化1】 (式中、Xは水素原子、塩素原子、フッ素原子またはメ
    チル基を表わす。Yは炭素数1〜3のアルキレン基また
    は−CH2 CH2 N(R)SO2 −を表わす。ここでR
    は炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rfは炭素数3〜
    15のパーフルオロアルキル基を表わす。)で表わされ
    るパーフルオロアルキル基含有アクリレートまたはメタ
    クリレートとカルボキシル基含有α,β−エチレン性不
    飽和単量体との共重合体を必須成分として含む樹脂
    (B)とを反応させてなり、グリシジル基とカルボキシ
    ル基が一部または全部反応している変性エポキシ樹脂を
    含有することを特徴とする有機質充填材の表面処理剤。
  2. 【請求項2】有機質充填材が芳香族ポリアミド樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1記載の有機質充填材の表面
    処理剤。
  3. 【請求項3】カルボキシル基含有α,β−エチレン性不
    飽和単量体がアクリル酸であることを特徴とする請求項
    1または2記載の有機質充填材の表面処理剤。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂(A)がノボラック型エポキ
    シ樹脂を含むことを特徴とする請求項1、2または3記
    載の有機質充填材の表面処理剤。
  5. 【請求項5】エポキシ樹脂硬化剤を含むことを特徴とす
    る請求項1、2、3または4記載の有機質充填材の表面
    処理剤。
  6. 【請求項6】請求項1記載の変性エポキシ樹脂を含有す
    る溶液またはエマルジョンに有機質充填材を浸漬し、濾
    過、乾燥することを特徴とする有機質充填材の表面処理
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の変性エポキシ樹脂及びエポ
    キシ樹脂硬化剤を含有する溶液またはエマルジョンに有
    機質充填材を浸漬し、濾過、乾燥、硬化することを特徴
    とする有機質充填材の表面処理方法。
  8. 【請求項8】フッ素樹脂と、請求項1、2、3、4また
    は5記載の表面処理剤で表面処理した有機質充填材から
    なることを特徴とするフッ素樹脂組成物。
JP7140429A 1995-06-07 1995-06-07 表面処理剤、有機質充填材の表面処理方法及びフッ素樹脂組成物 Pending JPH08333439A (ja)

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Cited By (4)

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