JPH09263639A - 室温硬化性組成物 - Google Patents

室温硬化性組成物

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JPH09263639A
JPH09263639A JP9745196A JP9745196A JPH09263639A JP H09263639 A JPH09263639 A JP H09263639A JP 9745196 A JP9745196 A JP 9745196A JP 9745196 A JP9745196 A JP 9745196A JP H09263639 A JPH09263639 A JP H09263639A
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伸一 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿気の作用により容易に硬化する室温硬化性
組成物に関するものであり、特に耐溶剤性、耐薬品性、
耐熱性、耐寒性に優れた硬化物を形成し得る硬化性組成
物を提供する。 【解決手段】 本発明の室温硬化性組成物は、下記一般
式: 【化1】 〔式中、aは1以上の整数、bは2または3、R1 は、
同一でも異なってもよく、非置換または置換一価炭化水
素基、R2 は同一でも異なってもよく、非置換または置
換二価炭化水素基、Xは加水分解可能基、Rfは同一で
も異なってもよく、二価パーフルオロアルキル基または
二価パーフルオロアルキルエーテル基、Qは二価のテト
ラシクロシロキサン基であって、ケイ素の原子のフリー
の結合手には一価の炭化水素基が結合しているものとす
る〕で表わされる含フッ素有機化合物を含有しているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿気の作用により
容易に硬化する室温硬化性組成物に関するものであり、
特に耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性に優れた硬化
物を形成し得る硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、密閉下では流動性を有するまま安
定に保存されるが、大気中においては湿気の作用により
室温で硬化してゴム弾性体となるいわゆる室温硬化性組
成物が知られている。この硬化性組成物は、建築産業分
野、機械産業分野あるいは電気産業分野においてシーリ
ング材、コーティング材、接着剤等として広く利用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来公知の室
温硬化性組成物では、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び
耐寒性の全ての特性に優れた硬化物を形成し得るものは
ない。例えば室温硬化性のオルガノポリシロキサン組成
物は、耐熱性、耐寒性に優れた硬化物を形成することが
できるが、その硬化物は、耐溶剤性、耐薬品性に対して
は満足し得るものではない。また、その他の室温硬化性
組成物は耐熱性に劣っている。従って本発明の課題は、
耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び耐寒性の全てに優れた
硬化物を形成し得る室温硬化性組成物を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明によれば、下記一般式(1):
【0005】
【化4】
【0006】式中、aは、1以上の整数、bは、2また
は3、R1 は、同一でも異なっていてもよく、非置換ま
たは置換一価炭化水素基、R2 は、加水分解可能基、X
は、同一でも異なっていてもよく、アルコキシ基または
アルケニルオキシ基、Rfは、同一でも異なっていても
よく、二価パーフルオロアルキレン基または二価パーフ
ルオロアルキルエーテル基、Qは、下記式(2):
【0007】
【化5】
【0008】または下記式(3):
【化6】
【0009】(ここでR3 及びR4 は、それぞれ同一で
も異なっていてもよく、非置換または置換一価炭化水素
基)で示されるシロキサン基、で表される含フッ素有機
ケイ素化合物を含有して成る室温硬化性組成物が提供さ
れる。
【0010】ベース成分 本発明の硬化性組成物は、前記一般式(1)で表される
含フッ素有機ケイ素化合物をベース成分として有する。
即ち、この含フッ素有機ケイ素化合物は、分子鎖の両端
に複数の加水分解性の基を有しており、これが大気中の
水分と接触することによって加水分解及び縮合を生じて
ゴム弾性体の硬化物を形成するものである。
【0011】前記一般式(1)において、非置換または
置換一価炭化水素基R1 としては、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペノ
キシ基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のア
リール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキ
ル基;及びこれらの基の水素原子の一部もしくは全部を
ハロゲン等で置換した基、例えば3,3,3−トリフル
オロプロピル基、6,6,6,5,5,4,4,3,3
−ノナフルオロヘキシル基、クロロメチル基、3−クロ
ロプロピル基等を例示することができる。本発明におい
て、特に好適なR1 は、メチル基、フェニル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0012】また非置換または置換二価炭化水素基R2
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等のアルキレン基、フェニレン基、トリレン基
等のアリーレン基、及びこれらの基の水素原子の一部も
しくは全部をハロゲン等で置換した基を例示することが
できる。本発明において、特に好適なR2 は、エチレン
基、プロピレン基である。
【0013】さらに、加水分解可能基Xとしては、アル
コキシ基、アルケニルオキシ基、オキシモ基、カルボキ
シル基、アミノ基、アミノキシ基等が例示される。アル
コキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、アルケニル
オキシ基としてはイソプロペノキシ基、オキシモ基とし
てはメチルエチルケトオキシモ基、カルボキシル基とし
てはアセトキシ基、アミノ基としてジエチルアミノ基、
アミノキシ基としてはジエチルアミノキシ基等が例示す
ることができる。本発明において特に好適なXはメトキ
シ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基である。
【0014】含フッ素基Rfは、二価パーフルオロアル
キレン基または二価パーフルオロアルキルエーテル基で
ある。この二価パーフルオロアルキレン基としては、炭
素数が4〜8のものが好適であり、特に好適なものは、
−C4 6 −,−C6 12−である。また二価パーフル
オロアルキルエーテル基としては、炭素数が6〜100
のものが好適であり、特に好適なものは、以下の通りで
ある。
【0015】
【化7】
【0016】またQは、前記式(Z)または(3)で表
されるシロキサン基であり、該(2)または(3)式中
の非置換または置換一価炭化水素基R3 及びR4 として
は、前記R1 について例示した基を挙げることができ、
特に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、フェ
ニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0017】さらに一般式(1)中、aは1以上の数で
あり、好ましくはこの含フッ素有機ケイ素化合物の25
℃における粘度が25〜500,00cSt、特に1,
000〜100,000cStの範囲となるような数で
ある。この粘度が25cStよりも低いと、得られる硬
化物は機械的強度等の特性が不満足なものとなりやす
く、また500,000cStよりも高いと、組成物の
作業性が低下する傾向にある。またbは分子鎖両端の官
能基の数であり、この含フッ素有機ケイ素化合物が適当
な室温硬化性を示すためには、このbは2または3であ
ることが必要である。
【0018】その他の成分 本発明の硬化性組成物においては、補強、増量等のため
に、ベース成分である上記含フッ素有機ケイ素化合物
に、該化合物100重量部当たり500重量部以下、好
ましくは10〜100重量部の量で充填材を配合するこ
とができる。この、充填材としては、煙霧質シリカ、沈
降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、石英粉末、タルク、セリサイトおよびベントナ
イトなどの補強剤、アスベスト、ガラス繊維および有機
繊維などの繊維質充填材等を例示することができる。
【0019】また必要により有機錫化合物、有機チタン
化合物等の縮合硬化触媒;メタクリル酸カリウムなどの
耐油性向上剤;着色剤;ベンガラおよび酸化セリウムな
どの耐熱性向上剤;耐寒性向上剤;ポリエーテルなどの
チクソトロピー剤;脱水剤;γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどの接着性向上剤;などを添加してもよ
く、これらは、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び耐寒性
の全てに優れた硬化物を形成するという本発明の目的が
損なわれない程度の量で目的に応じて使用される。
【0020】硬化性組成物 本発明の硬化性組成物は上記した各成分の所定量を、乾
燥雰囲気中で均一に混合することにより一液型の室温硬
化性組成物として調製される。この硬化性組成物は、こ
れを空気中に暴露すると空気中の湿分によって加水分解
−縮合による架橋反応が進行し、ゴム弾性体の硬化物を
形成する。得られる硬化物は、組成物中のベース成分で
ある含フッ素有機ケイ素化合物のフッ素含有率が極めて
高いことに関連して、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び
耐寒性の何れの特性にも優れている。
【0021】この硬化性組成物は、建築、土木産業にお
けるシーリング材、コーティング材として適しているほ
か、電気、電子部品の接着、シール材および自動車産業
におけるFIPG材料としても非常に有用なものであ
る。
【0022】
【実施例】つぎに本発明の実施例をあげるが、例中の部
はいずれも重量部を示したものであり、粘度は25℃で
の測定値を示したものである。
【0023】実施例1 下記式(4):
【0024】
【化8】
【0025】(式中、Rf,Qは下記式(5)、(6)
で示される。)
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】の混合物
【0029】で示される粘度21,000cp、メトキ
シ基含量が0.014モル/100gのポリマー100
g、MTカーボン20gを混合し、三本ロールを一回通
すことにより組成物Iを得た。この組成物Iを厚さ2m
mのシートに成形し、温度20℃、相対湿度55%の雰
囲気下で14日間放置したところこのシートは硬化して
ゴム弾性体となった。また、この組成物Iは密封状態で
は室温で6ヶ月以上安定であり、この6ヶ月経過後の組
成物Iを厚さ2mmのシートに成形し、上記と同様な条
件で硬化させたところゴム弾性体となった。この初期お
よび6ヶ月経過後のゴム物性をJIS−C−2123の
方法に準じて測定したところ、下記表1に示した結果が
得られた。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 実施例1で用いたものと同様のポリマー100g、MT
カーボン20g、煙霧質シリカ2g、ジブチルチンラウ
レート0.3g、ビニルトリメトキシシラン2g、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン1gを混合し、三本
ロールを1回通すことにより組成物IIを得た。この組成
物IIを実施例1と同様な方法により硬化させたところゴ
ム弾性体が得られた。実施例1と同様に、このゴム弾性
体の物性を測定したところ、表2に示す結果となった。
【0032】
【表2】
【0033】また上記実施例の組成物I及び組成物IIか
ら得られた硬化物の耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、耐寒
性を測定した結果を、表3、表4、表5及び表6に示
す。尚、耐熱性及び耐寒性は、組成物IIについてのみ測
定した。
【0034】
【表3】
【0035】試験条件:25℃の各溶剤に7日間、硬化
物を浸漬した時の体積変化率で評価した。比較のために
用いたフッ素ゴムはデュポン社製バイトンE−60C
【0036】
【表4】
【0037】試験条件:25℃の各薬液に7日間、硬化
物を浸漬した時の体積変化率で評価した。比較のために
用いたシリコーンゴムは信越化学工業(株)製 KE−
951
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】尚、耐寒性試験は、以下の方法で行った。
上島製作所製ゲーマンねじり試験機を用い、試験片をド
ライアイス/エタノール中で−70℃に冷却し、1℃/
minの速度で昇温した。この時、各温度における剛性
率を測定し、室温の剛性率に対して2倍、5倍、10倍
及び100倍となった時の温度を、それぞれT2
5 ,T10,T100 として示した。
【0041】
【発明の効果】本発明の室温硬化性組成物によれば、耐
溶剤性、耐薬品性、耐熱性及び耐寒性の全てに優れた硬
化物を形成することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 式中、aは、1以上の整数、 bは、2または3、 R1 は、同一でも異なっていてもよく、非置換または置
    換一価炭化水素基、 R2 は、同一でも異なっていてもよく、非置換または置
    換二価炭化水素基、 Xは、加水分解可能基、 Rfは、同一でも異なっていてもよく、二価パーフルオ
    ロアルキレン基または二価パーフルオロアルキルエーテ
    ル基、 Qは、下記式(2): 【化2】 または下記式(3): 【化3】 (ここでR3 及びR4 は、それぞれ同一でも異なってい
    てもよく、非置換または置換一価炭化水素基)で示され
    るシロキサン基、で表される含フッ素有機ケイ素化合物
    を含有して成る室温硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物を硬化して得られる硬
    化物。
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