JPH09263084A - メモリカード及びその製造方法 - Google Patents

メモリカード及びその製造方法

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JPH09263084A
JPH09263084A JP8143635A JP14363596A JPH09263084A JP H09263084 A JPH09263084 A JP H09263084A JP 8143635 A JP8143635 A JP 8143635A JP 14363596 A JP14363596 A JP 14363596A JP H09263084 A JPH09263084 A JP H09263084A
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JP
Japan
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sealing resin
memory card
resin layer
circuit element
layer
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JP8143635A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Onozawa
哲也 小野澤
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SHINKO NEEMUPUREETO KK
Original Assignee
SHINKO NEEMUPUREETO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦度が高く、薄厚でも内部素子が透けて見
えず、また暗所でも表示内容が容易に確認できるメモリ
カード及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体素子31や送受信素子32等の回
路素子部3を封止樹脂層19にて封止してなる平板状の
メモリカードにおいて、薄厚の被覆層16〜18、44
〜47を回路素子部3の表面側部やその他の任意の箇所
の少なくとも一の箇所に配設し、この被覆層16〜1
8、44〜47を封止樹脂層19にて実質的に封止す
る。またこの被覆層16〜18を表面が平坦でかつ非透
明状とし、被覆層44〜47を夜光塗料を混入して照光
部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカード、非接
触型カード等、半導体素子や送受信素子等の回路素子部
を封止樹脂層にて封止してなる平板状のメモリカード及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にメモリカードは、ツーピース型、
カートエッジ型及びICカード等のその他のメモリカー
ドに大別される。本願発明は、特に、IDカード等とし
て使用されるICカードや非接触型カード、無線カー
ド、光カード等のメモリカードを対象とする。これらの
メモリカードは、例えばICカードは、各種金融機関、
流通、企業、医療機関等において使用されており、記憶
容量が磁気カードに比して大きいことを利用して、近年
キャッシュカードの機能と個人情報を記録した機能の双
方を併せ持つものも登場しており、個人情報をも記録し
た運転免許証等への展開も図られている。また、非接触
型カードは、接触型カードと比較して悪環境下における
使用に強みを有することから、作業管理等FA用や鉄
道、車両の運行管理等に利用されている。
【0003】一方、無線カードは、マイクロウエブや光
通信を利用して入退室管理等のセキュリティシステムに
活用されており、今後通勤・通学定期券や駐車場の精
算、高速道路の料金精算、テーマパーク等のレジャー用
等IDカード的な活用が図られる方向で開発が進行して
いる。さらに、光カードは、その大記憶容量(磁気カー
ドの3万倍、ICカードの350倍)により、医療デー
タ用等に使用され、将来的には電子出版等にも需要拡大
が予想されている。
【0004】ところで、このようなメモリカードの製造
方法として、UV封止樹脂中にICチップ等を実装し、
その後にUV封止樹脂をUV硬化させてメモリカードを
形成する方法が提案されている。この場合、例えば無線
カードであれば、ICチップの他にさらに面状アンテナ
や回路用素子類を取付けることによりカードを形成す
る。また、このように製造されるメモリカードの厚みに
ついて若干説明すれば、接触型のメモリカードに対して
は、JIS規格において0.76±0.08mmと規定
されているが、非接触型のメモリカードに対しては、規
格はまだ規定されていない。この一方、現在、メモリカ
ードを運転免許証へ適用することが具体的に検討されて
おり、現在の運転免許証の厚み規格が0.5mm程度で
あるため、非接触型のメモリカードの厚みとしても、こ
の0.5mm程度に納めることが最も望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のメモリカードの製造方法にあっては、次のよ
うな問題が生じていた。すなわち第1に、UV封止樹脂
をUV硬化させてメモリカードを形成していたため、U
V硬化時に樹脂が硬化収縮し、メモリカードの表面の平
坦度が悪くなるという問題があった。特にメモリカード
にICチップ等を実装するため、このICチップ等のあ
る部分とない部分とでは樹脂の厚みが異なり、UV硬化
時の硬化収縮率が一定に保てないため、メモリカード表
面の平坦度が極端に悪くなる場合があった。このような
問題は、メモリカード表面に各種印刷を施す場合には極
めて不都合であった。
【0006】また第2に、上記の運転免許証の厚み規格
に適合した薄厚のメモリカードを製造する場合におい
て、ICチップ等を一層薄くすることは困難であるた
め、このICチップ等を封止するUV封止樹脂や表裏の
シート部材等を薄くする必要があるが、この場合には内
部のICチップ等の金属色で色濃い部分が薄厚のUV封
止樹脂を透過して外部から見えてしまうという問題があ
った。このような問題も、メモリカード表面に各種印刷
を施す場合に、この印刷が内部の金属色で濁ってしまう
といった不都合を生じさせていた。
【0007】本発明は上記課題を解決し、平坦度が高
く、また薄厚であるにも関わらず内部素子が透けて見え
ることのないメモリカード及びその製造方法を提供とす
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、上記請求項1に記載の本発明は、半導体素子や
送受信素子等の回路素子部を封止樹脂層にて封止してな
る平板状のメモリカードにおいて、封止樹脂材又は合成
樹脂製のシート部材等にて形成した薄厚の被覆層を、上
記回路素子部の表面側部やその他の任意の箇所の少なく
とも一の箇所に配設し、この被覆層を上記封止樹脂層に
て実質的に封止してなることを特徴として構成されてい
る。
【0009】また上記請求項2に記載の本発明は、請求
項1に記載の本発明において、上記回路素子部と共にス
ペーサを上記封止樹脂層にて封止してなり、上記スペー
サの実質的な内側に上記回路素子部の半導体素子を配置
すると共に、このスペーサの実質的な外周部に上記回路
素子部の送受信素子を配置してなり、かつ、上記被覆層
を少なくとも上記半導体素子と送受信素子の各表面側部
に、各々に略対応した平面形状として配設してなること
を特徴として構成されている。
【0010】さらに上記請求項3に記載の本発明は、上
記請求項1又は2に記載の本発明において、少なくとも
上記回路素子部に対応した箇所に配設された上記上記被
覆層の全部又は一部を、その表面を極めて平坦度の高い
平坦面とすると共に、この平坦面を表側として配設して
なることを特徴として構成されている。さらにまた上記
請求項4に記載の本発明は、上記請求項1乃至3に記載
の本発明において、少なくとも上記回路素子部に対応し
た箇所に配設された上記被覆層の全部又は一部を、非透
明塗料を混入して非透視状に形成してなることを特徴と
して構成されている。
【0011】また上記請求項5に記載の本発明は、上記
請求項1乃至4に記載の本発明において、少なくともメ
モリカード表面の内容表示部に対応した箇所に配設され
た上記被覆層の全部又は一部を、夜光塗料を混入して照
光部としてなることを特徴として構成されている。しか
もまた上記請求項6に記載の本発明は、上記請求項1乃
至5に記載の本発明において、少なくともメモリカード
表面の内容表示部に対応した箇所の上記封止樹脂層の全
部又は一部を、夜光塗料を混入して照光部としてなるこ
とを特徴として構成されている。
【0012】さらに上記請求項7に記載の本発明は、上
記請求項1乃至6に記載の本発明において、上記被覆層
と封止樹脂層との表面若しくは表裏面を合成樹脂製のシ
ート部材にて被覆してなることを特徴として構成されて
いる。さらにまた上記請求項8に記載の本発明は、上記
請求項1乃至7に記載の本発明において、上記被覆層と
封止樹脂層との表面若しくは表裏面を第二の封止樹脂層
にて封止してなることを特徴として構成されている。
【0013】また上記請求項9に記載の本発明は、上記
請求項1乃至8に記載の本発明において、少なくともメ
モリカード表面の内容表示部に対応した箇所の上記第二
の封止樹脂層の全部又は一部を、夜光塗料を混入して照
光部としてなることを特徴として構成されており、上記
請求項10に記載の本発明は、上記請求項8又は9に記
載の本発明において、上記第二の封止樹脂層の表面若し
くは表裏面を合成樹脂製のシート部材にて被覆してなる
ことを特徴として構成されている。さらにまた上記請求
項11に記載の本発明は、上記請求項5、6又は9に記
載の本発明において、上記夜光塗料の全部又は一部を、
特定波長の光若しくは所定量以上のエネルギーにのみ反
応する夜光塗料としてなることを特徴として構成されて
いる。
【0014】また上記請求項12に記載の本発明は、半
導体素子や送受信素子等の回路素子部を封止樹脂層にて
封止してなる平板状のメモリカードの製造方法であっ
て、(a)上記回路素子部を配置する箇所やその他の任
意の箇所のうちの少なくとも一の箇所に、封止樹脂材又
は合成樹脂製のシート部材等にて薄厚の被覆層を設ける
工程と、(b)上記被覆層に上記回路素子部を配置する
工程と、(c)上記回路素子部を実装する前後のいずれ
か又は双方において上記被覆層若しくは被覆層及び回路
素子部に対し封止樹脂を注入し、この封止樹脂を硬化さ
せて上記封止樹脂層を形成する工程と、(d)上記封止
樹脂層を所定寸法に仕上げる工程とからなることを特徴
として構成されている。
【0015】しかもまた上記請求項13に記載の本発明
は、半導体素子や送受信素子等の回路素子部を封止樹脂
層にて封止してなる平板状のメモリカードの製造方法で
あって、(a)上記回路素子部を配置する箇所やその他
の任意の箇所のうちの少なくとも一の箇所に、封止樹脂
材又は合成樹脂製のシート部材等にて薄厚の被覆層を設
ける工程と、(b)上記被覆層に上記回路素子部をスペ
ーサに実装させた状態でスペーサと共に配置する工程
と、(c)上記回路素子部を敷設する前後のいずれか又
は双方において上記被覆層若しくは被覆層及び回路素子
部に対し封止樹脂を注入し、この封止樹脂を硬化させて
上記封止樹脂層を形成する工程と、(d)上記封止樹脂
層を所定寸法に仕上げる工程とからなることを特徴とし
て構成されている。
【0016】さらにまた上記請求項14に記載の本発明
は、上記請求項12又は13に記載の本発明において、
上記被覆層を設ける工程において、合成樹脂製のシート
部材や平台等の受け部材の平坦面上に被覆材を注入し、
この被覆材を硬化させることにより被覆層を設けてなる
ことを特徴として構成されている。しかもまた上記請求
項15に記載の本発明は、上記請求項12乃至14に記
載の本発明において、上記封止樹脂層の形成後、この封
止樹脂層と被覆層との表面若しくは表裏面を合成樹脂製
のシート部材にて被覆することを特徴として構成されて
いる。
【0017】また上記請求項16に記載の本発明は、上
記請求項12乃至14に記載の本発明において、上記封
止樹脂層の形成後、この封止樹脂層と被覆層との表面若
しくは表裏面に第二の封止樹脂を注入し、この第二の封
止樹脂を硬化させて第二の封止樹脂層を形成することを
特徴として構成されている。しかもまた上記請求項17
に記載の本発明は、上記請求項16に記載の本発明にお
いて、上記第二の封止樹脂層の形成後、この第二の封止
樹脂層の表面若しくは表裏面を合成樹脂製のシート部材
にて被覆することを特徴として構成されている。
【0018】また上記請求項18に記載の本発明は、半
導体素子や送受信素子等の回路素子部を封止樹脂層にて
封止してなる平板状のメモリカードの製造方法であっ
て、(a)合成樹脂製のシート部材や平台等の受け部材
の平坦面上の箇所であって、上記回路素子部を配置する
箇所やその他の任意の箇所のうちの少なくとも一の箇所
に、封止樹脂材又は合成樹脂製のシート部材等の被覆材
を注入し、この被覆材を硬化させることにより被覆層を
設けてなる工程と、(b)上記被覆層に対し封止樹脂を
注入する工程と、(c)上記封止樹脂と被覆層とに、上
記回路素子部をスペーサを実装させた状態でスペーサと
共に配置する工程と、(d)上記回路素子部及びスペー
サに対し封止樹脂を再度注入する工程と、(e)上記被
覆層、回路素子部及び封止樹脂の表面を押え部材にて被
覆する工程と、(f)上記封止樹脂を硬化させて上記封
止樹脂層を形成する工程と、(g)上記受け部材及び押
え部材を除去する工程と、(h)上記封止樹脂層と被覆
層との表裏面に第二の封止樹脂を注入し、この第二の封
止樹脂を硬化させて第二の封止樹脂層を形成する工程
と、(i)上記第二の封止樹脂層の表裏面を合成樹脂製
のシート部材にて被覆する工程と、(j)上記封止樹脂
層を所定寸法に仕上げる工程とからなることを特徴とし
て構成されている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。まず図1〜図4を
参照し、メモリカード1の構成を説明する。当該メモリ
カード1はいわゆるキャッシュカード等のIDカード、
定期券あるいは運転免許証等として使用されるものを想
定しており、封止樹脂層19、該封止樹脂層19にて封
止された回路素子部3とスペーサ5、及びシート4によ
って構成されるものである。
【0020】上記封止樹脂層19は封止樹脂材を硬化さ
せて形成されている。この封止樹脂材としては、ポリウ
レタン系やポリエステル系、ウレタン系、軟質塩化ビニ
ル系、シリコン系、エラストマ系、ゴム系、アクリル
系、エポキシ系、フッ素系、UV硬化樹脂系、PPS・
POM等のエンプラ系そしてビトロ社(住友3M社)製
ビトロフレックス(商品名)等が用いられる。これら封
止樹脂材は、透明、半透明、有色あるいは無色何れであ
っても良い。
【0021】また、回路素子部3は、封止樹脂層19の
内部に包み込まれる形で封止されており、その種類は大
きく半導体素子31と送受信素子32に大別される。こ
こで半導体素子31としては、モノリシックICやハイ
ブリッドIC、トランジスタ、ダイオード、各種セン
サ、抵抗器、コンデンサ、半導体レーザ、液晶、発光ダ
イオード、回路素子付フレキシブル板、LSI等が用い
られる。また、送受信素子32としては、コイル状アン
テナ、面状アンテナ、光センサ、赤外線センサ、熱セン
サ、バイブレータ等が用いられる。この回路素子部3に
よって、所定の個人情報が対応する関連機器との間で授
受され、IDカードとしての機能が果たされる。なお、
回路素子3は必ずしも半導体素子31と送受信素子32
で構成されなくともよく、磁気式や光学式の各種の記憶
素子、外部との小型接続端子等の任意の要素で構成して
も、本発明の効果は同様である。
【0022】上記スペーサ5は、長方形状の平板状に形
成された第1のスペーサ5a(以下、単に「スペーサ5
a」とする)と、さらに第2のスペーサ5b(以下、単
に「スペーサ5b」とする)とからなる。本発明におけ
るメモリカード1は、回路素子部3のみならず、このス
ペーサ5をも封止することにより、ねじり等により回路
素子部3が塑性変形してメモリカードそのものが変形し
てしまうことを防止している。また封止樹脂層19にこ
のスペーサ5を封止することによって封止樹脂層19の
厚みを薄くでき、この封止樹脂層19の形成工程での硬
化収縮を少なくできて平坦度を高めることができる。た
だし、この変形や収縮等を考慮しなければスペーサ5は
必ずしも必要ではない。
【0023】このスペーサ5のスペーサ5aは平板状に
形成されており、その内側には半導体素子31が実質的
に配置されている。具体的には、スペーサ5aには開孔
部6と、該開孔部6から外側部に連通する切欠部7とが
形成されており、この開孔部6には、回路素子部3のう
ちの半導体素子31と、該半導体素子31を固定するた
めの基板たるモジュール基板9とからなるモジュール8
が配置されている。ここでスペーサ5aの内側に半導体
素子31が「実質的に」配置されているといったのは、
必ずしも半導体素子31が完全にスペーサ5aの内側に
配置されているのではなく、その一部がスペーサ5aの
外側に突出等する場合をも含める意味であり、あくまで
半導体素子31の略全体がスペーサ5aの内側に配置さ
れていればよい。
【0024】またモジュール基板9は、例えばポリエス
テル板やガラス入りのエポキシ板に金メッキを施したフ
ィルム上のプリント基板であり、スペーサ5aより薄厚
とされ、その上面に半導体素子31が載置されている。
このように半導体素子31をモジュール基板9に固定し
てモジュール8としてユニット化するのは、実装の容易
化等を図るためである。
【0025】このモジュール8は、その平坦な面、すな
わち半導体素子31の固定されていない側の面がメモリ
カード1の表面側(メモリカード1の両面のうちの写真
等が印刷等され主に用いられる側を表面側とし、反対側
を裏面側とする)にくるように配置されている。すなわ
ち、メモリカード1の表面側を示した図1では、メモリ
カード1の破断面においてモジュール基板9のみが露出
しており、半導体素子31は見えない。一方、メモリカ
ード1の裏面側を示した図3では、メモリカード1の破
断面において半導体素子31が露出している。従って、
半導体素子31等によってメモリカード1の側面に微細
な凹凸が生じても、この凹凸部分がメモリカード1の表
面側の側面には現れないので、印刷特性を向上させるこ
とができる。
【0026】なお開孔部6はカード折曲げによる負荷の
かからない所、すなわち、メモリカード縦中央線及び横
中央線を外れたところに形成される。従って、開孔部6
内に配置されたモジュール8に負荷が加わって悪影響を
与えることがない。なお上記切欠部7はスペーサ5aの
裏面側を溝状とすることによって形成されており、表面
側は単なる平坦面のままに維持され凹凸が生じないよう
にされている。
【0027】一方、スペーサ5aの実質的な外周部に
は、回路素子部3のうちの送受信素子32が配置されて
いる。この送受信素子32は、丸線材をスペーサ5aの
周囲に数十回巻かれてなるもので、コイル状のアンテナ
を構成するものである(巻き数等の詳細は後述する)。
ここでスペーサ5aの「実質的な」外周部に送受信素子
32が配置されているといったのは、必ずしも送受信素
子32が完全にスペーサ5aの外周部に配置されている
のではなく、その一部たる引込部32aが後述するよう
にスペーサ5aの内側に入込む場合等をも含める意味で
あり、あくまで送受信素子32の略全体がスペーサ5a
の外周部に配置されていればよい。なお送受信素子32
は丸線材でなく平角線材にて形成してもよく、この場合
には丸線材に比べ厚みを安定させることができる。
【0028】送受信素子32には上記スペーサ5aの切
欠部7を通って開孔部6に至る引込部32aが設けられ
ており、この引込部32aにおいて上記モジュール8の
半導体素子31とハンダ付け等により接続されている。
これによって、半導体素子31と送受信素子32とが電
気的に略一体とされ、全体として回路素子部3が形成さ
れている。
【0029】なお引込部32aは、送受信素子32を跨
ぐように引き出す必要があるため、送受信素子32と一
部重なってしまう。この点を考慮して、引込部32aが
送受信素子32に重なる部分がメモリカード1の裏面側
にくるように、引込部32aの引き込みが行われてい
る。すなわち、メモリカード1の表面側を示した図1で
は、引込部32aは送受信素子32と重なっていない。
一方、メモリカード1の裏面側を示した図3では、引込
部32aは送受信素子32と重なっている。従って、引
込部32aが送受信素子32と重なることによって、メ
モリカードの側面に微細な凹凸が生じても、この凹凸部
分がメモリカード1の表面側の側面に現れないので、カ
ードの体裁をより平坦で美しいものにできる。
【0030】またスペーサ5bは、メモリカード1の外
周及び外周から若干内側にいたる部分(周縁部)に形成
されている。このスペーサ5bは、製造初期工程におい
ては最終製品の外形寸法より約5mm程度大きく作られ、
製造最終工程において最終製品外形寸法からはみ出た部
分が切断され、図1〜図4に示したような形状とされ
る。なおこれまで説明したスペーサ5や回路素子部3の
形状、相互の配置及び相互の接続等は必ずしも本実施形
態のものに限られない。例えば、スペーサ5をより薄厚
にしてその裏面側部等に回路素子部3を重ねて配置して
もよい。またスペーサ5に切欠部7ではなく貫通孔を形
成し、この貫通孔を介して送受信素子32を半導体素子
31に接続してもよい。
【0031】そして本発明の最も特徴的な点として、図
2、図4に示すように、モジュール8、送受信素子32
等の回路素子部3の表面側部には、被覆層16〜18が
配設されている。これら被覆層16〜18は、例えば後
述する封止樹脂層19と同じ封止樹脂材に非透明UV塗
料を任意の割合で混合させた樹脂を硬化させること等に
より形成された平坦面を有する非透明の薄厚層で、その
平坦面がメモリカード1の表面側に向くようにされてい
る。
【0032】このような非透明の被覆層16〜18を、
回路素子部3の表面側部に配設することにより、これら
モジュール8等の金属色が表面側から透けて見えないよ
うにされている。また被覆層16〜18の平坦面がメモ
リカード1の表面側に向くように配設したことにより、
メモリカード1の表面側の表面がより一層平坦なものと
されている。したがって、図1に示すように、モジュー
ル8や送受信素子32等の回路素子部3に表面側に顔写
等の印刷を施した場合でも、この表面の凹凸によって印
刷特性が低下したり、内部の金属色が表面側から透けて
見えて印刷色を濁らせたりすることがないので、印刷特
性を極めて向上させることができる。
【0033】なお各被覆層16〜18は、UV樹脂を硬
化させること等の他、他の合成樹脂を硬化させることに
よって、あるいは既存の合成樹脂製のシート部材をその
まま用いてもよく、少なくとも平坦面を有する非透明の
ものであればよい。あるいはメモリカード1の平坦度の
みを高めればよい場合には、各被覆層16〜18は非透
明でなくともよく、あるいはメモリカード1の内部素子
が透けて見えないことのみを目的とするのであれば、各
被覆層16〜18には平坦面を設けなくとも良い。
【0034】また各被覆層16〜18の配設箇所につい
ても種々の可能性が考えられる。例えば、回路素子部3
でなく、例えば本実施形態のようにスペーサ5に設けた
位置決め孔12、13の表面側部に配設してもよい。ま
た必ずしも各部の表面側部のみに配設されるものではな
く、メモリカード1の裏面側にも印刷を施す等の場合に
は各部の表面側部及び裏面側部の双方に配設してもよ
い。極端には、メモリカード1の表面側部と裏面側部の
全面に配設してもよい。つまり、平坦度を向上させた
い、あるいは内部素子が透けて見えないようにしたい部
分の全てあるいは任意の一部に配設してよい。特に後述
の封止樹脂層19、20の肉厚箇所は硬化収縮による凹
凸が生じ易いので、この箇所に配設することは有効であ
る。
【0035】また各被覆層16〜18、回路素子部3及
びスペーサ5を封止した封止樹脂層19は、図4に示す
ように、さらに第二の封止樹脂層20にて封止されてい
る。この第二の封止樹脂層20は、封止樹脂層19に用
いられてよいのと同じ封止樹脂材からなるもので、封止
樹脂層19の表裏両面に薄厚に設けられている。
【0036】そして第二の封止樹脂層20がさらにシー
ト4によって被覆されている。このシート4は樹脂シー
トであり、第二の封止樹脂層20の表裏両面に張合され
る。このシート4は、製品毎の仕様に基づき適宜厚みが
定められ、概ね0.01〜0.3mmに形成されてい
る。そして、その素材としては、ポリエステルフィルム
や合成紙、塩化ビニルシート、ポリカーボネートフィル
ム等が用いられる。またこれら素材の中でも、本実施形
態のようにシート4によって封止樹脂層20等を被覆す
る場合には、これら封止樹脂層20等との関係において
相互接着性の高いものの組合わせが選択される。例えば
PETのシートに上記ビトロフレックス(商品名)の組
合せ等があげられる。なお、このシート4も、透明、半
透明、有色あるいは無色のいずれでもよく、適宜製品の
仕様によって定められる。
【0037】このシート4の表面側の側面には、各カー
ド仕様に基づく模様や文字あるいは顔写真等が印刷表示
されている。この印刷は片面でも両面でもその使用によ
り任意に設定でき、スクリーン印刷やオフセット印刷、
シール印刷等により行われる。なお表面に模様や文字を
表示させる方法は印刷に限らず、塗装やホットスタンプ
等の種々の手段を採用することもできる。また、下記製
造工程において、型の内側に凹凸を設け、模様等をカー
ド表面に直接形成することも可能である。
【0038】なお本実施形態においては上記したように
封止樹脂層19の表裏両面を第二の封止樹脂層20によ
って封止したが、この第二の封止樹脂層20は必ずしも
なくともよく、封止樹脂層19の表裏両面を直接シート
4によって被覆してもよい。あるいは、封止樹脂層19
の表裏いずれか片面のみを第二の封止樹脂層20によっ
て封止してもよい。またシート4も第二の封止樹脂層2
0の表裏両面でなくいずれか片面のみを被覆してもよ
く、あるいはシート4を設けなくとも良い。さらに極端
にいえば、封止樹脂層19を他の部材により封止や被覆
等することなく露出させてもよい。すなわち第二の封止
樹脂層20やシート4はメモリカード1の平坦度や印刷
特性を高めるため、あるいは規格に適合した厚みをもた
せるために必要となるものであり、これら目的を達成す
ることができれば、いかなる組合わせによって用いられ
てもよい。
【0039】さて、これまでの説明においては、被覆
層、封止樹脂層あるいは第二の封止樹脂層を単に封止樹
脂材や非透明UV塗料等により形成するとしたが、その
全部や一部を、夜光塗料を混入して照光部として形成し
てもよい。被覆層に夜光塗料を混入して照光部として例
を示す。図33に示すように、運転免許証としてのメモ
リカード40のシート4の表面側には、上記した印刷技
術によって、本籍、住所及び氏名等の表示欄たる内容表
示部41、免許証番号の表示欄たる内容表示部42、顔
写真たる内容表示部43が印刷されている。ここで、こ
れら内容表示部41〜43に対応する箇所には、図3
3、34に示すように、被覆層44〜46が上記被覆層
16〜18と同様に封止樹脂層19によって封止されて
いる(図33等において、被覆層44〜46は点線にて
表示する)。具体的には、被覆層44〜46は、平面的
には内容表示部41〜43と略同様の位置で、厚み方向
に関してはスペーサ5と第二の封止樹脂層20との間に
おいて封止樹脂層19にて封止されている。また顔写真
たる内容表示部43を跨ぐように、桜の花形の被覆層4
7も封止樹脂層19によって封止されている。これら被
覆層44〜47は上記被覆層16〜18と異なり、封止
樹脂材や非透明UV塗料等に夜光塗料を所定の割合で混
入して照光部とされている。
【0040】ここで、夜光塗料とは、外部からの光エネ
ルギーを蓄えて、この光エネルギーを暗所にて放出して
光る蓄光性夜光塗料や、放射性物質を含有し、外部から
の光エネルギーなしに自発光する自発性夜光塗料であ
り、これら蓄光性夜光塗料や自発性夜光塗料として考え
得る周知の全てのものが用いられてよい。なお蓄光性夜
光塗料としては例えば、日本ケミックス(中央区日本橋
本町2丁目8番2号)社製のケミカラーNLが挙げられ
る。また用途に応じて、蓄光性夜光塗料のうちでも、特
に特定の波長にのみ反応して光るものを用いてもよい。
本実施形態においては被覆層47が、特定の波長にのみ
反応して光る蓄光性夜光塗料を混入して形成されてい
る。
【0041】なお夜光塗料の混入は、具体的には、封止
樹脂層等19の原材料たる封止樹脂材や非透明UV塗料
等に対し、夜光塗料を30〜60%の割合で混ぜ合わせ
て行われる。この割合は、高ければ高い程発光量が多く
なる一方、強度が低くなるため、これら両特性を考慮し
て最もバランスのいい割合が採用される。
【0042】このように夜光塗料を混入して被覆層44
〜47を照光部とすることにより、これら照光部たる被
覆層44〜47中の夜光塗料が光エネルギーを蓄え、夜
間の検問等のような周囲が暗い場合に、図35に示すよ
うに、被覆層44〜46が発光する。するとこの光は、
第二の封止樹脂層20やシート4に若干妨げられながら
も、メモリカード40の表面に到達しシート4上に印刷
された内容表示部41〜43を浮び上がらせる。したが
って、暗所でもこれら内容表示部41〜43を容易に認
識できる。
【0043】また照光部たる被覆層47は、単に周囲が
暗いだけでは発光しないが、図36に示すように、警官
が特定波長の光を照射した場合にのみ発光して、それ自
身が浮び上がる。したがって、メモリカード1が偽造品
でなく真正品であることを容易に確認することができ
る。しかもこれら被覆層44〜47は、乳白色をしてい
るため、太陽光線下や通常の照明下では目立たず、シー
ト4上の内容表示部41〜43を濁らせることもない。
【0044】なおこのように被覆層等に夜光塗料を混入
して照光部とする場合、上記図33〜36に示すものの
他、種々の異なる形態が考えられる。例えば被覆層44
〜47のみでなく上記被覆層16〜18にも夜光塗料を
混入して照光部としてもよい。すなわち複数の被覆層の
うちの全部又は任意の一部の被覆層が照光部とされてよ
く、この配置は内容表示部との対応を考慮して定められ
る。つまり極端にいえば、内容表示部がメモリカード1
の表裏面全体にある場合には、照光部たる被覆層もメモ
リカード1の全面に渡り配置する。なお内容表示部の下
側に配置せず、内容表示部周囲の下側に配置することに
よって、内容表示部を周囲から照らして光らせてもよ
い。
【0045】また被覆層のみならず、封止樹脂層や第二
の封止樹脂層にも夜光塗料を混入して照光部としてもよ
い。例えば、封止樹脂層か第二の封止樹脂層のいすれか
一方を照光部とすればメモリカード1全体が光るので、
被覆層は照光部としなくともよい。また上記例において
は通常の夜光塗料を用いた被覆層44〜46と、特定の
波長にのみ反応する夜光塗料を用いた被覆層47とを併
用するものとしたが、いずれか一方のみでもよいことは
無論である。また偽造検知のためには、被覆層47のた
めの夜光塗料として、特定の波長にのみ反応する夜光塗
料の代わりに、所定量以上のエネルギーを加えられた場
合にのみ反応する夜光塗料を用いてもよい。ここで、エ
ネルギーとは光エネルギー、熱エネルギー等をいい、こ
の場合には、被覆層47に所定量以上の光を照射しある
いは、所定量以上の熱を加えることによって、所定量以
上のエネルギーを加えれば、被覆層47が発光する。な
お夜光塗料として放射性物質を含有した自発性夜光塗料
を使用してもよいことは上述したが、この場合であって
も、被覆層44等を封止樹脂層19、第二の封止樹脂層
20、シート4で覆うことにより放射能をシールドでき
る。
【0046】なおこれまで説明した被覆層16〜18、
44〜47は、実質的に封止樹脂層19によって封止さ
れている。ここで「実質的」とは、被覆層全体が完全に
封止樹脂層19によって覆われている場合に加え、被覆
層の一部のみが封止樹脂層19から該封止樹脂層19の
外部に露出している場合であって被覆層が封止樹脂層1
9に融合して略一体となっている場合を含む意味であ
る。
【0047】次に、本発明にかかるメモリカードの製造
方法の一実施形態について説明する。図5〜図32は本
実施形態を説明する図である。本実施形態においては、
0.76±0.08mmの厚み規格用のメモリカードの
製造方法と、約0.5mmの厚み規格用のメモリカード
の製造方法について並行して説明する。ここで、0.7
6±0.08mmの厚み規格用のメモリカードを以下
「0.76mm用」、約0.5mmの厚み規格用のメモ
リカードを以下「0.5mm用」とする。なお本実施形
態の説明は、メモリカード1を1枚製造する例を示す
が、実際の製造工程においては複数枚のメモリカード
1、1を多面的に並列製造し、製造効率の向上を図って
もよい。
【0048】まずスペーサ5の形成及びこのスペーサ5
への回路素子部3の実装工程について図5〜図15を用
いて説明する。このスペーサ5の形成を概略すれば、裏
面側のスペーサ基材51と表面側のスペーサ基材52と
を張合せることによって形成される。これら裏面側及び
表面側のスペーサ基材51、52は、メモリカード1よ
り若干大きめの方形シートよりなり、その材質は白PE
T、白PCや白PVC等が用いられる。また、各スペー
サ基材51、52の片側全面にはUV密着用易接着コー
トが施してある。
【0049】裏面側のスペーサ基材51のUV密着用易
接着コートが施していない面には、該スペーサ基材51
と略同形のシート状部材たるヒートシール11が張合わ
される。ここでヒートシール11とは、熱を加えること
により接着するシート状の接着剤(熱ボンド)である。
具体的には、セパレータ板31の片面にヒートシール1
1をコートする。そして、図5、図6に示すように、こ
のヒートシール11をセパレータ板31とスペーサ基材
51とでサンドイッチするように、スペーサ基材51を
ヒートシール11に面接させ、熱を加える。なお、セパ
レータ板31は、ヒートシール11が容易に剥離可能な
部材にて形成される。この状態において、図7、図8に
示すように、スペーサ基材51、ヒートシール11及び
セパレータ板31をともに貫通する穴抜き加工が行わ
れ、切欠部7が形成される。
【0050】次にヒートシール11のスペーサ基材51
と反対側の面に表面側のスペーサ基材52を張合わせ
る。この張合わせは、ヒートシール11からセパレータ
板31を剥し、このセパレータ板31のあった面にスペ
ーサ基材52を面接させ、熱を加えることにより行われ
る。これにより、図9、図10に示すように、スペーサ
基材51とスペーサ基材52とでヒートシール11をサ
ンドイッチした状態となり、スペーサ5の基板の形成が
完了する。
【0051】そして、このサンドイッチ状のスペーサ基
材51、52及びヒートシール11の一部が穴抜き加工
され、図11、図12に示すように、回路素子部3の送
受信素子32を実装するための素子実装部32b、モジ
ュール8を実装するための開孔部6、後工程での位置決
め基準に用いられる位置決め孔12、13、固定用のガ
イドポストが挿入されるガイド孔5cが形成される。こ
のうちの素子実装部32bは、送受信素子32の形状に
適合して方形環状に形成されるもので、このように素子
実装部32bが形成されることによって、スペーサ5が
内側のスペーサ5aと外側のスペーサ5bとに分離され
る。
【0052】また開孔部6は、モジュール8の形状に適
合して円状に形成される。このように形成された開孔部
6は、図12に示すように、スペーサ5aの裏面側にお
いては、裏面側のスペーサ基材51に形成された切欠部
7と連通され、送受信素子32がスペーサ5aの内外に
引込可能とされている。一方、スペーサ5aの表面側は
切欠部7が形成されることなく平坦面のまま維持され
る。本実施形態において上記のようにスペーサ5を形成
するのは、切欠部7をスペーサ5aの裏面側にのみ形成
し、表面側には凹凸が生じないようにするためである。
この目的が達成できれば、本実施形態のようにスペーサ
5を張合せによって形成することなく、1枚の基材を打
抜くことによって形成してもよい。
【0053】また位置決め孔12、13は円形の小孔と
して形成されている。このうちの位置決め孔12はスペ
ーサ5aの略中心に形成されており、位置決め孔13は
位置決め孔12を挟んで開孔部6と略対称位置に形成さ
れている。これら位置決め孔12、13の形成位置や形
状は本実施形態のものに限られず、例えば円筒形や方形
孔をスペーサ5aの外周に形成してもよい。なお図11
において、最終製品の外形寸法を寸法表示線10によっ
て示す。
【0054】次にスペーサ5aの外周に回路素子部3の
送受信素子32が巻付けられる。具体的には、図13に
示すように、スペーサ5aを線材巻付け機の巻付けプレ
ート29、30により両面から挟込む。この巻付けプレ
ート29にはガイドポスト29aが突設されており、こ
のガイドポスト29aをスペーサ5aの位置決め孔1
2、13に貫通させることによって、スペーサ5aの位
置決め及び保持が行われる。そして線材巻付け機の線材
巻付けアーム(図示省略)が線材を繰り出しつつ、スペ
ーサ5aの周囲を回ることによって、スペーサ5aの周
囲に送受信素子32が巻付けられる。また送受信素子3
2には、モジュール8との接続のため、スペーサ5aの
切欠部7を通って開孔部6に至る引込線たる引込部32
aが設けられる。この引込は、上記したように、引込部
32aが送受信素子32に重なる部分がメモリカード1
の裏面側にくるように行われる。
【0055】なお、線材巻付け方法は本実施形態のもの
に限らず、例えば線材巻付けアームを固定する一方、ス
ペーサ5aを巻付けプレート29、30と共に回転させ
ることによって、上記の巻付けを行ってもよい。あるい
は、予め丸線材をスペーサ5aの外形に略適合した方形
枠状に形成して送受信素子32とし、この状態の送受信
素子32内にスペーサ5aを嵌込むようにしてもよい。
すなわち、スペーサ5aへの送受信素子32の実装方法
は、最もコストが低く容易であり、量産性に適した方法
が採用される。その後、このようにスペーサ5aに巻付
けられた送受信素子32に対し接着剤を流し込み、送受
信素子32自体及び送受信素子32とスペーサ5aとの
接着固定を行う。この送受信素子32固定後のスペーサ
5aを図14に示す。なお送受信素子32の接着固定
は、接着剤を流し込むことによって行うのではなく、例
えば線材自体を熱接着用の被覆層にて被覆し、この線材
に熱風を吹きつけながらスペーサ5aに巻付け、あるい
はアルコールに浸しながら巻付けてもよい。
【0056】次に、図15に示すように、別途モジュー
ル化したモジュール8をスペーサ5aの開孔部6に配置
し、このモジュール8の半導体素子31に送受信素子3
2の引込部32aをハンダ付けにより接続する。これに
より、半導体素子31と送受信素子32とが接続され、
全体として回路素子部3が構成される。このモジュール
8の配置は、上記したように、その平坦な面、すなわち
半導体素子31の固定されていない側の面がメモリカー
ド1の表面側にくるように行われる。この工程において
は半導体素子31が予めモジュール基板9に固定されモ
ジュール8としてユニット化されているので、これら部
品の取扱及び位置決めを容易に行うことができ、自動化
を容易に図ることができる。また上記のようにスペーサ
5aに送受信素子32や半導体素子31を予め実装する
ことにより、樹脂を流す際に各部品が相互に動くことを
防止できる。以上が、スペーサ5の形成及びこのスペー
サ5への回路素子部3の実装工程である。
【0057】次に、上記工程にて完成した回路素子部3
を実装したスペーサ5への樹脂の封入工程等について、
図16以降を用いて説明する。まず図16、図17に示
すように、受け部材14の片面の素子実装部32b、開
孔部6及び位置決め孔12、13の配置する箇所に被覆
層16〜18を設けるための被覆材をスクリーン印刷す
る。この被覆材には、上記したように封止樹脂材に不透
明の白UV塗料を混合させた樹脂が用いられ、素子実装
部32b、開孔部6及び位置決め孔12、13に対応す
る位置及び形状に印刷される。ここで、照光部としての
被覆層を設けたい場合には封止樹脂材に夜光塗料を混合
させた樹脂を用いればよく、また照光部でありかつ非透
明の被覆層を設けたい場合には封止樹脂材に夜光塗料と
不透明の白UV塗料を混合させた樹脂を用いればよい。
【0058】そして第一の乾燥工程に入り、被覆材のU
V硬化が行われ、被覆層16〜18が形成される。この
乾燥工程においては、受け部材14をその上下両面に配
置した乾燥ランプの間に所定速度で通過させる。これに
より、被覆材が受け部材14側に硬化収縮して被覆層1
6〜18が形成される。ここで、白UV樹脂の受け部材
14側の表面は、収縮等することなく平坦鏡面状に硬化
する。このことは、例えば硬化工程後に粘着テープを用
いて被覆層16〜18を剥し、これら被覆層16〜18
の受け部材14側の面を検査することにより確認でき
る。ただし、被覆層16〜18を被覆材を硬化させて形
成するのでなく、PETシート等により形成する場合に
は、これらPETシート等を任意の方法で所定の形状に
した後、受け部材14上に配置する。なお、受け部材1
4としては、被覆材が接着することなく容易に剥離する
ことのできる部材であって、シート材や各種台部材等の
平坦面を有するものが用いられる。本実施形態において
は、透明PETシートが用いられる。ただしこの受け部
材14上でなく、既知の任意の方法を応用して被覆層1
6〜18を形成してよい。
【0059】次に図18、図19に示すように、受け部
材14の被覆層16〜18側の面に、封止樹脂層19を
形成するための白色半透明の封止樹脂をコート(あるい
はスクリーン印刷、注入)する。ここで封止樹脂層19
を照光部とする場合には、事前に封止樹脂に夜光塗料を
混合したものをコートする。この封止樹脂のコートは、
封止パターン16〜19を略完全に覆うような厚みで、
スペーサ5bよりやや広い範囲に渡って行われる。そし
て、この受け部材14上の封止樹脂側にスペーサ5bが
載せられ、さらに前記工程において回路素子部3が実装
されたスペーサ5aが載せられる。この状態を図20に
示す。なおスペーサ5bの内周縁と回路素子部3の受送
信素子32との隙間は少ないほどよい。
【0060】そしてさらに図21に示すように、スペー
サ5a、5bの略全面に渡り、再度白色半透明の封止樹
脂を注入した後、図22に示すように、上記受け部材1
4と同様の部材からなる押え部材15によって、被覆層
16〜18、回路素子部3及び封止樹脂を被覆する。こ
の押え部材15の被覆は、その長手方向の一端部のみを
スペーサ5a、5b等の上に載せ、さらに中央部、他端
部を順次載せるように行われる。このようにすること
で、スペーサ5等と押え部材15との間の気泡が外部へ
押し出され、メモリカード1の質が向上する。
【0061】次に図23に示すように、受け部材14、
15に挟まれた状態のスペーサ5a、5b等を取外して
任意の板部材23、23で挟み、上下両方向より押圧ロ
ール22、22を用いて押圧する。このことにより、気
泡や余分な封止樹脂19が押出され、不均一で凹凸のあ
ったカード表面を平坦にできる。なおカードの片面のみ
を平坦にすればよい場合には、上記押圧はカードの片面
のみに行われる。また両面を平坦にする場合でも、本実
施形態のようにカードの両面を同時に押圧するのではな
く、押圧ロール22を上下いずれかに設けて、カードを
片面ずつ押圧してもよい。
【0062】そして次の第二の乾燥工程において封止樹
脂の乾燥が行われ封止樹脂層19が形成される。この乾
燥は、図24に示すように、板部材23、23で挟んだ
状態のスペーサ5a、5b等を上下に配置した乾燥ラン
プ24の間を所定の速度で通過させることにより行われ
る。この工程により、封止樹脂層19のための封止樹脂
が約5%〜10%の硬化収縮する。
【0063】なお乾燥ランプ24を用いるのは、自然乾
燥や熱乾燥に比べて乾燥時間を短縮でき、量産工程に適
しているからである。ただし当然のことながら、メタル
ハラルドランプに限られない。またこの乾燥工程におい
て板部材23としてはガラス板がよい。これはガラス板
でカードの平面状態を維持しつつカードを乾燥させるこ
とにより、硬化収縮によってカードが変形することを防
ぐことができる一方、乾燥ランプ24の照射エネルギー
を妨げることがないからである。なお、本乾燥工程にお
ける乾燥ランプ24としてUVランプを用いた場合に
は、UVランプの照射光がカード表面まで届く必要があ
るため、受け部材14、15には本実施形態のように透
明なものを用いる。
【0064】そして、受け部材14と押え部材15を除
去する。この状態を図25に示す。ここで、受け部材1
4上の各被覆層16〜18は、封止樹脂層19の形成に
伴って、この封止樹脂層19に強固に接着されている。
このため、これら被覆層16〜18は、受け部材14を
除去する時にこの受け部材14から離れ、封止樹脂層1
9の内部に留まる。
【0065】ここで重要なことは、受け部材14上の被
覆層16〜18は、前記第一の乾燥工程ですでに硬化収
縮しているので、第二の乾燥工程では再び硬化収縮する
ことがない点である。このため、これら被覆層16〜1
8の受け部材14側の面は平坦鏡面状のまま維持され
る。したがって、これら被覆層16〜18が配置された
素子実装部32b、開孔部6及び位置決め孔12、13
の表面側の面は、凹凸のない平坦面16a〜18aに仕
上がることになる。
【0066】次に、封止樹脂層19の表裏両面にさらに
微量の白色半透明の第二の第二の封止樹脂層20を補助
的に注入する。これは第二乾燥工程で生じた硬化収縮を
補うため、第一及び第二乾燥工程で被覆層16〜18や
封止樹脂層19に生じた気泡を埋めるため、及び被覆層
16〜18とスペーサ5との間に生じた隙間を埋めるた
めである。ここで第二の封止樹脂層20を照光部とする
場合には、事前に封止樹脂に夜光塗料を混合したものを
注入する。
【0067】具体的には、図26に示すように、受け部
材14と略同様の材質及び厚みの第二の受け部材25と
第二の押え部材26とに、第二の封止樹脂層20を形成
するための白色半透明の封止樹脂をコートする。そし
て、この受け部材25と押え部材26によって樹脂体を
両面から挟み、前記工程と同様に、図27に示すよう
に、板部材23で挟むと共に、押圧ロール22によって
押圧し、図28に示すように、乾燥ランプ24の間を所
定の速度で通過させる第三の乾燥工程を経る。そして板
部材23を取外し、受け部材25と押え部材26とを剥
す。この状態を図29に示す。
【0068】なお第二の封止樹脂層20の形成は、前記
のような方法以外に、例えば封止樹脂層19を両面ロー
ルコータ等にてUV樹脂コートし、透明PETシートを
両面にラミネートしてもよい。また、第一及び第二の乾
燥工程で生じた収縮硬化や気泡が小さい場合には、第二
の封止樹脂層20の形成を省略し次の工程に移る。ここ
までの工程で、表面が平坦で内部気泡が露出しない、板
状の白色不透明の樹脂体が形成できる。特に表面側は、
内部の回路素子3の銅色や金色等が被覆層16〜18で
遮られるため、これら金属色が透き通ることなく仕上が
る。
【0069】次の工程においては、第二の封止樹脂層2
0の両面を研磨ロール32にて研磨する。このような研
磨を行うのは、第二の封止樹脂層20の硬化収縮等によ
ってスペーサ5の表面等にできる凹凸が顔写真等を印刷
する場合に障害となるため、このような微細な凹凸を除
去するためである。したがって写真等の印刷が不要であ
れば研磨は不要である。また片面にのみ印刷する場合
は、当該片面のみ研磨すればよい。ただし本発明におい
ては、前記したように研磨工程以前の工程で樹脂表面を
平坦に仕上げることができるので、この研磨工程はほと
んど不要である。
【0070】そして第二の封止樹脂層20の両面に接着
剤27をコーティングする。このコーティングは、例え
ば両面ロールコーター等の接着ロールを用いて行われ
る。また、接着剤27としては例えば2液反応型のもの
が用いられる。その後、接着剤27の硬化前に、図30
に示すように、樹脂体の第二の封止樹脂層20の表面側
及び裏面側の各面に仕上げ用のシート4を加圧しつつ張
合わせ、図31に示すように、樹脂体を板部材23で両
側から挟込み、押圧ロール22で押圧する。これによっ
て第二の封止樹脂層20の両面に各シート4を固着させ
る。ただし、このシート4の固着は、各シート4に1液
熱硬化タイプの接着剤をラミネートし、これを樹脂体の
両面に熱プレスにて接着してもよい。
【0071】そして表面には熱昇華プリント用プライマ
等の印刷を施し、裏面には筆記用プロティーン印刷その
他の文字スクリーン印刷を施して、カード表裏面の仕上
げが完成する。なお白PET表面に熱昇華プリンター等
でデジタル印刷を行う場合には、あらかじめ当該表面に
受像用コートを施した材料を使用する必要がある。ただ
し、白PVC表面には直接プリント可能である。そして
最後に、位置決め孔12、13を光学的に検出し、最終
カード寸法である85.6mm×54mmにプレス加工
してメモリカードの製造が完了する。なお印刷とプレス
加工の順序は逆でも良く、例えばプレス加工した後、顔
写真等を熱昇華式プリンタを用いてデジタル印刷しても
よい。
【0072】これまで説明した本実施形態の他、本発明
はことなる形態で実施され得る。例えば、上記したよう
に封止樹脂層19を形成した時点でメモリカード1の平
坦度等が所定の程度に達している場合には第二の第二の
封止樹脂層20の注入を省略してもよい。したがってこ
の場合には、受け部材14や押え部材15は除去する必
要もないため、これらを被覆層16〜18から剥れにく
い恒久的なシート材で形成し、除去せずに仕上げ用のシ
ート4としてもよい。あるいは図16〜図22において
受け部材14や押え部材15の代わりに板部材23等を
用いれば、そのまま乾燥工程に移ることができる。この
場合には、板部材23の表面に剥離剤を塗り、被覆層1
6〜18が容易に剥れるようにしておけばよい。
【0073】また仕上げ用のシート4の接着前に、樹脂
体の表面に易接着層を塗布し、シート4を容易に接着で
きるようにしてもよい。あるいはシート4の外側面に昇
華染料吸収受像層や筆記用水性インキ及び朱肉吸収層を
形成し、メモリカード1に対して印刷、水性インキによ
る筆記、押捺等が良好となるようにしてもよい。
【0074】
【実施例】最後に、本発明の一実施例を具体的数値と共
に説明する。本発明については、以下に示すように、規
格内に納まる寸法で、かつ平坦度が高く内部素子が透け
て見えないメモリカード1を数百枚製造することに成功
している。まずスペーサ基材51、52には、材質が白
PET、厚みが0.76mm用が約0.188mm、
0.5mm用が約0.1mmのものを用いた。これら各
スペーサ基材51、52の片側全面には、UV密着用易
接着コートを施した。次にヒートシール11として、厚
みが0.76mm用と0.5mm用のいずれにも約0.
03〜0.09mmで、乳白色のものを用いた。
【0075】そして、このヒートシール11をスペーサ
基材51にラミネートし、孔抜き加工により開孔部6を
形成した後、ヒートシール11のスペーサ基材51と反
対側の面にスペーサ基材52をラミネートし、孔抜き加
工により素子実装部32b等を形成した。この状態にお
いて、全体の厚みは、0.76mm用のものが約0.4
66mm、0.5mm用のものが約0.29mmであ
る。
【0076】次にスペーサ5aの周囲に巻線機等を用い
て受送信素子32を巻付けた。この受送信素子32は、
0.76mm用のものを約3段×17回巻いて形成し、
引込部32aを含む厚みは約0.48mmとした(被覆
付き線材の直径約0.12mm×4段(3段+引込部3
2a分の1段))。同様に、0.5mm用のものを約2
段×25回巻いて形成し、引込部32aを含む厚みは約
0.36mmとした(被覆付き線材の直径約0.12m
m×3段(2段+引込部32a分の1段))。そして、
このスペーサ5aにモジュール8をハンダ付けにより実
装した。このモジュール8の厚みは、0.76mm用の
ものを約0.54mm、0.5mm用のものを約0.3
4mmとした。
【0077】次に表面側の受け部材14として、約0.
25mm厚の透明PETを用い、この受け部材14上に
白不透明封止樹脂をスクリーン印刷し、第一の乾燥を行
って被覆層16〜18を形成した。この被覆層16〜1
8の厚みは約0.04〜0.05mmとした。なお、こ
の白不透明封止樹脂としては、封止樹脂材とUV不透明
塗料とを約1:1程度の比率で混合したものを用いた。
これは、UV不透明塗料の混合比を高める程不透明性を
向上させることができる一方、あまり混合比を高めると
強度が低下することや、この白不透明封止樹脂を存在等
を光学的に透過させて検出していることからあまり不透
明にできないこと等を考慮して定めた値である。そして
受け部材14の被覆層16〜18側の面に、白色半透明
の封止樹脂をコートし、この封止樹脂にスペーサ5b、
スペーサ5aと共に回路素子部3を配置した。ここでス
ペーサ5bの内周縁と回路素子3の受送信素子32との
隙間は約0.2mmとした。
【0078】さらに、スペーサ5a、5bに封止樹脂を
注入し、受け部材14と同様の部材からなる押え部材1
5を敷設した。次に、カード全体を押圧ロール22を用
いて押圧し、その後、第二の乾燥工程において封止樹脂
19、20を乾燥させた。この第二の乾燥工程では、板
部材23としてガラス板を用い、その厚さを1〜2mm
程度とした。また乾燥ランプ24に出力3Kwのメタル
ハラルドランプを用い、乾燥ランプ24とガラス板23
との距離を120mm程度隔て、カードの通過速度は約
1m/分程度とした。
【0079】そして、受け部材14と押え部材15を除
去した。この時点において、被覆層16〜18の受け部
材14側の面は平坦鏡面状のまま維持され、被覆層16
〜18が配置された素子実装部32b、開孔部6及び位
置決め孔12、13の表面側の面が、凹凸のない平坦鏡
面状に仕上がっていることを確認した。次に、受け部材
14と略同様の材質及び厚みの第二の受け部材25と第
二の押え部材26に白色半透明のUV樹脂をコートし、
これら第二の受け部材25と第二の押え部材26によっ
てカードを両面から挟み、第三の乾燥を行った。ここ
で、表面が平坦で内部気泡が露出しない、板状の白色不
透明の封止樹脂が形成できたので、カード研磨を行うこ
となく次工程に移行した。
【0080】次の工程においては、カードの両面に接着
剤27をコーティングした。この接着剤27には、2液
反応型の白色のものを用いた。また厚みは10μ〜30
μとした。その後、カード両面に仕上げ用のシート4を
張合わせた。ここで、表面側のシート4としては、0.
76mm用には約0.125mmと0.1mmの厚さの
ものを用い、0.5mm用には約0.05mmの厚さの
ものを用いた。また裏面側のシート4としては、0.7
6mm用と0.5mm用のいずれにも約0.05mmの
厚さのものを用いた。そして、カード表面に印刷を施
し、最終カード寸法にプレス加工してカードの製造を完
了した。
【0081】この0.76mm用のカードの仕上り厚
は、表面側のシート4を約0.125mmとしたものが
約0.76〜0.79mm、表面側のシート4を約0.
1mmとしたものが約0.73〜0.77mmであっ
た。これは、規格厚0.76±0.08mmに十分に納
まる数値である。また0.5mm用のカードの仕上り厚
は、約0.5mmであった。
【0082】
【発明の効果】これまで説明したように請求項1、2記
載の本発明は、薄厚の被覆層を回路素子部の表面側部や
その他の任意の箇所の少なくとも一の箇所に配設し、こ
の被覆層を封止樹脂層にて実質的に封止してなることに
より、この被覆層の特性に応じて、回路素子部を被覆し
てその金属色等を表面側から透けて見えにくくし、薄厚
であっても内部が透けて見えにくくなり、この回路素子
部の表面に施した印刷が濁ること等を防止でき印刷特性
の向上を図ることができる等、メモリカードの体裁等を
向上させることができる。また凹凸の生じ易い回路素子
部の表面部が被覆層によって被覆されて表面側に露出し
ないので、メモリカードの平坦度を向上させることがで
き印刷特性等を向上させることができる。被覆層の特性
に応じて、被覆層を照光部とし、メモリカードの表示内
容を暗所にて浮かび上がらせて確認可能とすることがで
きる。
【0083】しかも請求項3記載の本発明によれば、被
覆層の表面を極めて平坦度の高い平坦面とし、この平坦
面を表側としてなることにより、凹凸の生じ易い回路素
子部の表面部が被覆層の滑らかな平坦面によって被覆さ
れて表面側に露出しないので、メモリカードの平坦度を
より一層向上させることができ印刷特性等を向上させる
ことができる。
【0084】しかもまた請求項4記載の本発明によれ
ば、上記被覆層は、非透明塗料を混入して非透視状にて
形成されてなることにより、この被覆層によって回路素
子部が被覆されてその金属色等が表面側から完全に透け
なくなるので、内部が透けて見えることを完全に防止で
き、表面の印刷特性やメモリカードの体裁を一層向上さ
せることができる。
【0085】さらに請求項5、6又は9に記載の本発明
によれば、少なくともメモリカード表面の内容表示部に
対応した箇所に配設された被覆層や封止樹脂層等の全部
又は一部を、夜光塗料を混入して照光部としてなること
により、この照光部によってメモリカード表面の内容表
示部が照らし出され、表示内容が暗所でも容易に確認で
きるという、これまでとは全くことなる付加価値を有す
るメモリカードを構成することができる。
【0086】さらにまた請求項7、8又は10に記載の
本発明によれば、被覆層が封止樹脂層やシート部材によ
りに封止等され、あるいは封止樹脂層が第二の封止樹脂
層やシート部材により封止等され、あるいは第二の封止
樹脂層がシート部材により被覆されてなるので、これら
第二の封止樹脂層やシート部材によってカード表面を覆
ってより平坦で不透明なものにでき、メモリカードの印
刷特性や体裁等を一層向上させることができる。
【0087】また請求項11に記載の本発明によれば、
被覆層の夜光塗料の全部又は一部を特定波長の光若しく
は所定量以上のエネルギーにのみ反応する夜光塗料とす
ることにより、検査者や検査機器にてメモリカードに特
定波長の光や所定量以上の光を当ててその反応を確認す
ることにより、その反応の有無によってメモリカードの
真贋を判断することができる。
【0088】しかも請求項12、13記載の本発明によ
れば、被覆層を設け、この被覆層に回路素子部等を配置
し、この回路素子部を配置する前後のいずれか又は双方
において封止樹脂を注入硬化させて封止樹脂層を形成し
てなることにより、封止樹脂層内部の任意の箇所に被覆
層を容易に配設することができる。
【0089】しかもまた請求項14記載の本発明によれ
ば、受け部材の平坦面上に被覆材を注入し、この被覆材
を硬化させることによって被覆層を形成してなることに
より、この受け部材の平坦面に適合してその表面を平坦
とした被覆材がその状態のまま硬化されるので、被覆層
の受け部材側の面が平坦面とでき、平坦面を有する被覆
層を容易に形成できる。
【0090】さらに請求項15、16又は17記載の本
発明によれば、被覆層が封止樹脂層やシート部材により
に封止等され、あるいは封止樹脂層が第二の封止樹脂層
やシート部材により封止等され、あるいは第二の封止樹
脂層がシート部材により被覆されてなるので、これら第
二の封止樹脂層やシート部材によってカード表面を覆っ
てより平坦で不透明なものにでき、体裁や印刷特性を一
層向上させたメモリカードを容易に製造できる。
【0091】さらにまた請求項18記載の本発明によれ
ば、受け部材上に被覆層を形成し、被覆層に対し封止樹
脂を注入し、封止樹脂と被覆層とに、回路素子部を配置
し、回路素子部等に対し封止樹脂を再度注入し、第二の
封止樹脂層を形成し、この第二の封止樹脂層の表裏面を
合成樹脂製のシート部材にて被覆してなることにより、
被覆層、回路素子部、封止樹脂層、第二の封止樹脂層及
びシート部材を所定の箇所に連続的に配設等させること
ができ、平坦度が高く、薄厚でも内部素子の透けて見え
ず、暗所でも表示内容の確認できるメモリカードを容易
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるメモリカードを表
面側から見た図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるメモリカードを裏
面側から見た図である。
【図4】図2のモジュール部周辺の拡大図である。
【図5】スペーサ形成工程における裏面側のスペーサ基
材等の正面図である。
【図6】図5のB−B矢視断面図である。
【図7】裏面側のスペーサ基材の打抜き後の正面図であ
る。
【図8】図7のC−C矢視断面図である。
【図9】スペーサ形成工程における表面側のスペーサ基
材等の正面図である。
【図10】図9のD−D矢視断面図である。
【図11】打抜き後のスペーサ基材等の正面図である。
【図12】図11のE−E矢視断面図である。
【図13】受送信素子の巻付け工程におけるスペーサ等
の縦断面図である。
【図14】受送信素子の巻付け後のスペーサ等の正面図
である。
【図15】モジュール実装後のスペーサ等の正面図であ
る。
【図16】被覆層を印刷した受け部材の正面図である。
【図17】図16のF−F矢視断面図である。
【図18】封止樹脂を注入した受け部材の正面図であ
る。
【図19】図18のG−G矢視断面図である。
【図20】スペーサ等配置後の受け部材の正面図であ
る。
【図21】封止樹脂をさらに注入した受け部材の正面図
である。
【図22】裏面側の受け部材を張合せている状態におけ
る樹脂体の縦断面図である。
【図23】押圧状態における樹脂体の縦断面図である。
【図24】第一の乾燥工程における樹脂体の縦断面図で
ある。
【図25】第一の乾燥工程後、受け部材等を剥した状態
の樹脂体の縦断面図である。
【図26】第二の受け部材を張合せている状態における
樹脂体の縦断面図である。
【図27】押圧状態における樹脂体の縦断面図である。
【図28】第二の乾燥工程における樹脂体の縦断面図で
ある。
【図29】第二の乾燥工程終了後、第二の受け部材を剥
した樹脂体の縦断面図である。
【図30】仕上げ用のシートを張合せている状態におけ
る樹脂体の縦断面図である。
【図31】押圧状態における樹脂体の縦断面図である。
【図32】仕上げ用のシートの張合せ完了後における樹
脂体の縦断面図である。
【図33】照光部たる被覆層を備えたメモリカードを表
面側から見た図である。
【図34】図33のHーH矢視断面図である。
【図35】暗所において図33のメモリカードを表面側
から見た図である。
【図36】暗所において図33のメモリカードを表面側
から見た図である。
【符号の説明】
1、40 メモリカード 3 回路素子部 4 シート 5 スペーサ 5a 第一のスペーサ 5b 第二のスペーサ 6 開孔部 7 切欠部 8 モジュール 9 モジュール基板 10 寸法表示線 11 ヒートシール 12、13 位置決め孔 14 受け部材 15 押え部材 16〜18、44〜47 被覆層 19 封止樹脂層 20 第二の封止樹脂層 22 押圧ロール 23 板部材 24 乾燥ランプ 25 第二の受け部材 26 第二の押え部材 27 接着剤 28 巻付けガイド 31 半導体素子 32 受送信素子 33 セパレータ板 41〜43 内容表示部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子や送受信素子等の回路素子部
    を封止樹脂層にて封止してなる平板状のメモリカードに
    おいて、 封止樹脂材又は合成樹脂製のシート部材等にて形成した
    薄厚の被覆層を、上記回路素子部の表面側部やその他の
    任意の箇所の少なくとも一の箇所に配設し、 この被覆層を上記封止樹脂層にて実質的に封止してなる
    ことを特徴とするメモリカード。
  2. 【請求項2】 上記回路素子部と共にスペーサを上記封
    止樹脂層にて封止してなり、上記スペーサの実質的な内
    側に上記回路素子部の半導体素子を配置すると共に、こ
    のスペーサの実質的な外周部に上記回路素子部の送受信
    素子を配置してなり、かつ、 上記被覆層を少なくとも上記半導体素子と送受信素子の
    各表面側部に、各々に略対応した平面形状として配設し
    てなることを特徴とする請求項1に記載のメモリカー
    ド。
  3. 【請求項3】 少なくとも上記回路素子部に対応した箇
    所に配設された上記上記被覆層の全部又は一部を、その
    表面を極めて平坦度の高い平坦面とすると共に、この平
    坦面を表側として配設してなることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のメモリカード。
  4. 【請求項4】 少なくとも上記回路素子部に対応した箇
    所に配設された上記被覆層の全部又は一部を、非透明塗
    料を混入して非透視状に形成してなることを特徴とする
    請求項1乃至3に記載のメモリカード。
  5. 【請求項5】 少なくともメモリカード表面の内容表示
    部に対応した箇所に配設された上記被覆層の全部又は一
    部を、夜光塗料を混入して照光部としてなることを特徴
    とする請求項1乃至4に記載のメモリカード。
  6. 【請求項6】 少なくともメモリカード表面の内容表示
    部に対応した箇所の上記封止樹脂層の全部又は一部を、
    夜光塗料を混入して照光部としてなることを特徴とする
    請求項1乃至5に記載のメモリカード。
  7. 【請求項7】 上記被覆層と封止樹脂層との表面若しく
    は表裏面を合成樹脂製のシート部材にて被覆してなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6に記載のメモリカード。
  8. 【請求項8】 上記被覆層と封止樹脂層との表面若しく
    は表裏面を第二の封止樹脂層にて封止してなることを特
    徴とする請求項1乃至7に記載のメモリカード。
  9. 【請求項9】 少なくともメモリカード表面の内容表示
    部に対応した箇所の上記第二の封止樹脂層の全部又は一
    部を、夜光塗料を混入して照光部としてなることを特徴
    とする請求項1乃至8に記載のメモリカード。
  10. 【請求項10】 上記第二の封止樹脂層の表面若しくは
    表裏面を合成樹脂製のシート部材にて被覆してなること
    を特徴とする請求項8又は9に記載のメモリカード。
  11. 【請求項11】 上記夜光塗料の全部又は一部を、特定
    波長の光若しくは所定量以上のエネルギーにのみ反応す
    る夜光塗料としてなることを特徴とする請求項5、6又
    は9に記載のメモリカード。
  12. 【請求項12】 半導体素子や送受信素子等の回路素子
    部を封止樹脂層にて封止してなる平板状のメモリカード
    の製造方法であって下記の工程からなるもの。 (a)上記回路素子部を配置する箇所やその他の任意の
    箇所のうちの少なくとも一の箇所に、封止樹脂材又は合
    成樹脂製のシート部材等にて薄厚の被覆層を設ける工
    程。 (b)上記被覆層に上記回路素子部を配置する工程。 (c)上記回路素子部を実装する前後のいずれか又は双
    方において上記被覆層若しくは被覆層及び回路素子部に
    対し封止樹脂を注入し、この封止樹脂を硬化させて上記
    封止樹脂層を形成する工程。 (d)上記封止樹脂層を所定寸法に仕上げる工程。
  13. 【請求項13】 半導体素子や送受信素子等の回路素子
    部を封止樹脂層にて封止してなる平板状のメモリカード
    の製造方法であって下記の工程からなるもの。 (a)上記回路素子部を配置する箇所やその他の任意の
    箇所のうちの少なくとも一の箇所に、封止樹脂材又は合
    成樹脂製のシート部材等にて薄厚の被覆層を設ける工
    程。 (b)上記被覆層に上記回路素子部をスペーサに実装さ
    せた状態でスペーサと共に配置する工程。 (c)上記回路素子部を敷設する前後のいずれか又は双
    方において上記被覆層若しくは被覆層及び回路素子部に
    対し封止樹脂を注入し、この封止樹脂を硬化させて上記
    封止樹脂層を形成する工程。 (d)上記封止樹脂層を所定寸法に仕上げる工程。
  14. 【請求項14】 上記被覆層を設ける工程において、合
    成樹脂製のシート部材や平台等の受け部材の平坦面上に
    被覆材を注入し、この被覆材を硬化させることにより被
    覆層を設けてなることを特徴とする請求項12又は13
    記載のメモリカードの製造方法。
  15. 【請求項15】 上記封止樹脂層の形成後、この封止樹
    脂層と被覆層との表面若しくは表裏面を合成樹脂製のシ
    ート部材にて被覆することを特徴とする請求項12乃至
    14記載のメモリカードの製造方法。
  16. 【請求項16】 上記封止樹脂層の形成後、この封止樹
    脂層と被覆層との表面若しくは表裏面に第二の封止樹脂
    を注入し、この第二の封止樹脂を硬化させて第二の封止
    樹脂層を形成することを特徴とする請求項12乃至14
    記載のメモリカードの製造方法。
  17. 【請求項17】 上記第二の封止樹脂層の形成後、この
    第二の封止樹脂層の表面若しくは表裏面を合成樹脂製の
    シート部材にて被覆することを特徴とする請求項16記
    載のメモリカードの製造方法。
  18. 【請求項18】 半導体素子や送受信素子等の回路素子
    部を封止樹脂層にて封止してなる平板状のメモリカード
    の製造方法であって下記の工程からなるもの。 (a)合成樹脂製のシート部材や平台等の受け部材の平
    坦面上の箇所であって、上記回路素子部を配置する箇所
    やその他の任意の箇所のうちの少なくとも一の箇所に、
    封止樹脂材又は合成樹脂製のシート部材等の被覆材を注
    入し、この被覆材を硬化させることにより被覆層を設け
    てなる工程。 (b)上記被覆層に対し封止樹脂を注入する工程。 (c)上記封止樹脂と被覆層とに、上記回路素子部をス
    ペーサを実装させた状態でスペーサと共に配置する工
    程。 (d)上記回路素子部及びスペーサに対し封止樹脂を再
    度注入する工程。 (e)上記被覆層、回路素子部及び封止樹脂の表面を押
    え部材にて被覆する工程。 (f)上記封止樹脂を硬化させて上記封止樹脂層を形成
    する工程。 (g)上記受け部材及び押え部材を除去する工程。 (h)上記封止樹脂層と被覆層との表裏面に第二の封止
    樹脂を注入し、この第二の封止樹脂を硬化させて第二の
    封止樹脂層を形成する工程。 (i)上記第二の封止樹脂層の表裏面を合成樹脂製のシ
    ート部材にて被覆する工程。 (j)上記封止樹脂層を所定寸法に仕上げる工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002279380A (ja) * 2001-03-19 2002-09-27 Toppan Printing Co Ltd Icカード記録媒体及びその製造方法

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