JPH09262854A - 樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂積層体の製造方法

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JPH09262854A
JPH09262854A JP8085493A JP8549396A JPH09262854A JP H09262854 A JPH09262854 A JP H09262854A JP 8085493 A JP8085493 A JP 8085493A JP 8549396 A JP8549396 A JP 8549396A JP H09262854 A JPH09262854 A JP H09262854A
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JP
Japan
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methyl methacrylate
weight
polymer
parts
mold
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Application number
JP8085493A
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English (en)
Inventor
Mutsuhide Amekawa
睦英 飴川
Kazuhiro Yokoo
和宏 横尾
Tomohiro Mizumoto
智裕 水本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性に優れ、成形品の耐久性に優れた樹脂
積層体を容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 アクリルコンパウンド中のメチルメタク
リレートを主体とする重合体とメチルメタクリレートを
主体とする単量体の合計100重量部に対して、メチル
メタクリレートを主体とする重合体の含有量が50〜9
7重量部であるアクリルコンパウンドとシートモールデ
ィングコンパウンドまたはバルクモールディングコンパ
ウンドとを型内で加熱加圧して成形することにより、密
着性に優れ、成形品の耐久性に優れた樹脂積層体を容易
に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐久性、耐候性、さ
らに密着性に優れる樹脂積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック(FRP)は、そ
の軽量、高強度な点を活かして船艇、浄化槽、タンク、
浴槽、耐食機器、工業部材、自動車および電機部品など
の各種用途に使用されている。FRPの中でもシートモ
ールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールデ
ィングコンパウンド(BMC)のように型内で圧縮成形
できる材料は、一体成形が容易でかつ、成形速度も速
く、さらに作業環境の改善にも寄与できるため、従来の
ハンドレイアップ成形材料やスプレーアップ成形材料に
取ってかわってきている。
【0003】従来の不飽和ポリエステルを樹脂成分とし
て含むSMCやBMCでは成形性、強度などは優れるも
のの、表面の平滑性や塗着性、耐候性に問題が有り、こ
れを解決するために種々の方法が提案されている。例え
ば、特開昭59-76255号には導電性樹脂シート、塩化ビニ
ルシート、ガラス、繊維強化6ナイロンシート、アクリ
ル樹脂シート、ABS樹脂シート、シートモールディン
グコンパウンド等の樹脂材料にて形成された基材と、上
記樹脂材料により形成され上記基材より薄い表面部材と
を加熱加圧して積層したことを特徴とする樹脂成型品が
開示されている。
【0004】また、特公昭64-11652号公報には、カルボ
キシル基を有するビニルモノマーを少なくとも部分的に
共重合させた架橋型アクリルシラップ(1)、アルカリ
土類金属酸化物又は水酸化物(2)、重合開始剤
(3)、繊維補強材(4)および必要に応じて充填剤、
離型剤、着色剤等の成分(5)からなるコンパウンドを
離型性フィルムで包み、熟成するシート状またはバルク
状成形材料の製造方法が、さらにこの成形材料を不飽和
ポリエステル樹脂を用いたSMCやBMCと複合化して
成型品を得ることが記載されている。
【0005】また、特公平1-46530 号公報には、ヒドロ
キシル基を有するビニルモノマーを少なくとも部分的に
共重合させた架橋型アクリルシラップ(1)、有機ポリ
イソシアネート(2)、アルミニウムアルコラートおよ
びアルミニウムアルコラートのアセチルアセトネートか
らなる群(3)、繊維補強剤(4)および必要に応じて
充填剤、離型剤、着色剤などの成分(5)からなるコン
パウンドを離型性フィルムで包み、熟成するシート状ま
たはバルク状成形材料の製造方法が、さらにこの成形材
料を不飽和ポリエステル樹脂を用いたSMCやBMCと
複合化して成型品を得ることが記載されている。
【0006】また、半透明層を密着させた人造代理石調
成型品の製造方法として、特開平4-265716号公報には、
(1)一対の成形型間にセットした半透明層用プレス成
形材料が半硬化するまでの所定時間加熱加圧を継続し、
その所定時間経過後に加圧を一旦停止する工程、(2)
半硬化状態の半透明層用プレス成形材料の被成形面一面
と、一方の成形型との間に着色用樹脂を注入する工程、
(3)再び加圧加熱し、成形対の硬化後成形型を脱型す
る工程、を順次実施することを特徴とする人造大理石の
製造方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59-76255号公報に記載の方法では、基材の特徴を活かし
たまま表層に機能を付与することが可能であるが、使用
される樹脂シートはそのほとんどが重合体からなる各種
の樹脂シート同士を加熱加圧して積層するため、基材と
表面部材との密着性が悪く、剥がれ等の問題を生じる。
【0008】特公昭64-11652号公報に記載の方法では、
増粘の方法としてアルカリ土類金属酸化物もしくは水酸
化物を必須成分として含んでおり、これら無機物はアク
リルシラップ中に分散させることは可能であるが、完全
に溶解することは無く、成形後も粒子が残存する。さら
にアルカリ土類金属酸化物や水酸化物は吸水性があるた
め、共存する水分の影響により熟成が安定しないという
問題を有するだけでなく、水周り用途で用いられる成形
品に使用するには耐久性の面で問題がある。
【0009】特公平1-46530 号公報に記載の方法では、
有機ポリイソシアネート化合物を用いて部分的にウレタ
ン結合を形成させる方法であり、イソシアネート基は水
分の影響を受けやすいことは一般に知られており、水分
と反応してカルバミン酸やアミンを形成する。さらにウ
レタン結合は共有結合であるため、成型時の流動性が良
くないという問題がある。
【0010】また、特公昭64-11652号公報、特公平1-46
530 号公報に記載の方法は、いずれも混合後のコンパウ
ンドを離型性フィルムで包み、熟成するという工程を有
しており、工業的にはこれらの工程の温度だけでなく湿
度の管理が必要になり、好ましい方法ではない。
【0011】さらに特公昭64-11652号公報、および特公
平1-46530 号公報に記載の方法で用いられるアクリルシ
ロップは、アクリル系モノマー、ヒドロキシル基含有モ
ノマーまたはカルボキシル基含有モノマーの合計重量が
シロップの50%以上を占めるが、これらのモノマー成
分は熟成工程中においてほとんど重合に関与しないの
で、熟成後に得られるSMCまたはBMC材料はモノマ
ー分に由来する臭気が著しいという問題がある。
【0012】また、特開平4-265716号公報に記載の方法
は、表層の半透明調材料として、周知のSMCやBMC
を用いている。この場合にはガラス繊維や他の充填剤を
含有しているため半透明としかならず、透明層を表層に
付与することは出来ない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる事情に鑑
み、基材との密着性に優れ、成形品の耐久性に優れる樹
脂積層体の製造方法について鋭意検討した結果、アクリ
ルコンパウンド中のメチルメタクリレートを主体とする
重合体とメチルメタクリレートを主体とする単量体の合
計100重量部に対して、メチルメタクリレートを主体
とする重合体の含有量が50〜97重量部であるアクリ
ルコンパウンドを用いて、シートモールディングコンパ
ウンドまたはバルクモールディングコンパウンドと型内
で加熱加圧して成形することによって、基材との密着
性、成形品の耐久性に優れた積層体を、取り扱い時のモ
ノマー分に由来する臭気が少なく、より簡便に製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は、アクリルコンパウンド
中のメチルメタクリレートを主体とする重合体とメチル
メタクリレートを主体とする単量体の合計100重量部
に対して、メチルメタクリレートを主体とする重合体の
含有量が50〜97重量部であるアクリルコンパウンド
とシートモールディングコンパウンドまたはバルクモー
ルディングコンパウンドとを型内で加熱加圧して成形す
ることを特徴とする樹脂積層体の製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるアクリルコンパウ
ンドは、メチルメタクリレートを主体とする重合体とメ
チルメタクリレートを主体とする不飽和単量体を含有す
る。メチルメタクリレートを主体とする重合体とメチル
メタクリレートを主体とする不飽和単量体とは必ずしも
同一組成である必要はない。
【0016】メチルメタクリレートを主体とする重合体
とはメチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体の
重合体であり、メチルメタクリレートを主体とする不飽
和単量体とは、メチルメタクリレートを50重量%以上
含有し、メチルメタクリレートと共重合可能な他の不飽
和単量体との混合物をいう。
【0017】本発明で用いるメチルメタクリレートを主
体とする重合体には、ラジカル重合で得られるアタクチ
ックな重合体だけでなく、高度な立体規則性を有する重
合体も使用することが出来る。本発明においてメチルメ
タクリレートを主体とする重合体は、数平均分子量で8
万〜20万の範囲にあるものを20重量%以上含有する
ものが好ましい。20重量%より少ないと成型時の流動
性が悪くなるため好ましくない。分子量が8万より低い
重合体では、成形後の製品の耐水性や耐溶剤性をはじめ
とする耐久性に問題を生じ、20万より高い重合体では
成型時の流動性が良くないため、8万〜20万の範囲と
するのが好ましい。
【0018】アクリルコンパウンド中のメチルメタクリ
レートを主体とする重合体とメチルメタクリレートを主
体とする単量体の合計100重量部に対して、メチルメ
タクリレートを主体とする重合体の含有量が97重量部
を越えた場合には、SMCと一体成形した際の密着性が
悪く、剥がれ等の問題を生じる。また、含有量が50%
を下回る場合には表面のべとつきが大きく、取り扱い性
が悪くなる。従って、メチルメタクリレートを主体とす
る重合体の含有量は50〜97重量部の範囲、より好ま
しくは60〜95重量部の範囲である。
【0019】本発明における共重合可能な不飽和単量体
としては、メタクリル酸またはアクリル酸と脂肪族、芳
香族、脂環族アルコールとのエステルの他、ヒドロキシ
アルキルエステル類等の(メタ)アクリル系単量体、ス
チレン系単量体、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の単
官能の不飽和単量体、アリルメタクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメ
タンテトラ(メタ)アクリレートなどの一分子内にラジ
カル重合可能な二重結合を複数個有する多官能の不飽和
モノマー類等が挙げられる。
【0020】本発明におけるアクリルコンパウンドの形
状は、シート状、バルク状など特に制限されるものでは
ないが、取り扱い易さ、成形性などからシート状のもの
が好ましく用いられる。
【0021】本発明におけるアクリルコンパウンドの製
造方法としては、以下のような方法が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではなく、アクリルコンパウンド
中のメチルメタクリレートを主体とする重合体とメチル
メタクリレートを主体とする単量体の合計100重量部
に対して、メチルメタクリレートを主体とする重合体の
含有量が50〜97重量部の範囲に制御できる方法が採
用される。例えば、メチルメタクリレートを主体とする
不飽和単量体の混合物またはメチルメタクリレートを主
体とする重合体をメチルメタクリレートを主体とする不
飽和単量体に溶解混合したシロップに重合開始剤を添加
して、一定時間加熱して重合させ、その後冷却して所望
する重合体含有量のコンパウンドを得る方法、または比
較的低い温度で重合を実施する方法が挙げられる。
【0022】その際には、成形時に重合硬化に必要なラ
ジカルを発生する開始剤がアクリルコンパウンド中に残
存していることが必要である。そのためには予めアクリ
ルシロップに残存することのできるように重合開始剤の
添加量を多くするか、または重合時に完全に分解しない
ように分解温度の高い重合開始剤を単独または併用する
ことが望ましい。
【0023】このアクリルコンパウンドをシート状とす
る場合の製造は、通常、少なくとも2枚の平板を相対向
させて形成する型内で実施される。この型を構成する材
質としては、メチルメタクリレートを主体とする不飽和
単量体の混合物に浸食されたり溶解しないものであれば
特に限定されず、ガラス、金属の他、各種樹脂も使用す
ることができる。型の表面には離型剤などを塗布しても
よいし、離型フィルムなどを貼合しておいてもよい。
【0024】本発明のアクリルコンパウンド中のメチル
メタクリレートを主体とする重合体が、数平均分子量で
8万〜20万のものを20重量%以上含有するものとす
るには、シロップを調製する際に分子量が8万〜20万
の範囲にある重合体を溶解する方法がある。また、他の
方法として、メチルメタクリレートを主体とする不飽和
単量体を重合する際に添加する重合開始剤量を調整する
ことで所望する重合体を含有するアクリルコンパウンド
を得ることも可能である。用いる重合開始剤の量を多く
し、さらに10時間半減温度の低い重合開始剤を用いれ
ば、重合を開始するラジカルの量が多くなり、目的とす
る範囲の分子量を有する重合体を含有させることができ
る。用いる開始剤の種類及び量は試行錯誤的に求めるこ
とが出来る。また、メチルメタクリレートを主体とする
不飽和単量体の混合物に連鎖移動剤を溶解混合して重合
しても所望する分子量を有する重合体を含有させること
ができる。
【0025】また、このアクリルコンパウンドにはその
意匠性を高める目的で、無機粉末を添加、含有させても
よい。ここでいう無機粉末とは、メチルメタクリレート
を主体とする不飽和単量体に不溶で、その重合反応を妨
害しないものであれば特に制限されない。このような無
機粉末として、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、硅酸カルシウム、硫酸カル
シウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレ
ー、ベントナイトなどの粉末を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。特に人造大理石調の
外観、物性などが望まれる場合には、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、シリカが好ましく用いられ
る。この無機粉末は1種類のみならず、2種類以上用い
ることもできる。この無機粉末の量は、通常、アクリル
シート中のメチルメタクリレートを主体とする重合体と
メチルメタクリレートを主体とする単量体の合計100
重量部に対して、30〜300重量部用いられる。
【0026】さらに必要に応じて、可塑剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、染料、顔料、難燃化剤、補強剤などを
さらに添加、含有させることもできる。
【0027】本発明におけるSMCまたはBMCは、特
に制限されるものではないが、例えば特開昭54-68892号
公報に記載されているような不飽和ポリエステル樹脂か
らなる成形材料、具体的にはカルボキシル基またはヒド
ロキシル基を含有する不飽和ポリエステルと充填剤、繊
維補強剤、その他添加剤を熟成、増粘して得られる成形
材料が好ましく用いられる。
【0028】樹脂積層体は上記のアクリルコンパウンド
とSMCまたはBMCを型内に入れ、加熱加圧して成形
して得られる。アクリルコンパウンドとSMCまたはB
MCを同時に入れて成形することも、また予め型内でS
MCまたはBMCを加熱加圧して成形し、型と成形体の
間にアクリルコンパウンドを配設して再度加熱加圧して
成形することもできる。
【0029】通常、予めSMCまたはBMCを成形す
る。成形条件はそれぞれのSMCやBMCに応じた条件
で実施すれば良いが、一般的には、温度が120〜17
0℃、圧力が30〜200kg/cm2 の範囲である。
【0030】予めSMCまたはBMCを成形する場合に
は硬化を終了させても良いが、より密着性を高めるため
には、SMCやBMCを半硬化の状態まで加熱加圧し、
その時点でアクリルコンパウンドを投入することが望ま
しい。ここでいう半硬化の状態とはSMCやBMCを型
から脱型することができ、かつ未反応の不飽和単量体が
残存している状態をいう。半硬化の状態のSMCやBM
Cは、先端の鋭利な金属などで突き刺して容易に変形で
きる。
【0031】得られた成型体と金型の間に、上記のアク
リルコンパウンドを配設し、再度加熱、加圧してプレス
成形を行う。アクリルコンパウンドの成形の条件として
は、温度が90〜150℃、圧力が30〜200kg/
cm2 の範囲でである。90℃より低い温度では良い流
動性が得られず、逆に150℃を越えて重合させると重
合反応だけでなく解重合反応に起因する分解、あるいは
高温による着色等の問題を生じるため好ましくない。と
りわけ、先に成形するSMCまたはBMCと同じ温度と
なるようにすれば同じ金型で型の温度を変更することな
く生産できるため好ましい。また、圧力も30kg/c
2 を下回る場合にはアクリルコンパウンドが充分流動
しないため好ましくない。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法により、密着性に優れ、成
形品の耐久性に優れた樹脂積層体を容易に製造すること
ができる。
【0033】
【実施例】本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。 〔重合体の含有量の測定〕1gのアクリルコンパウンド
を20mlのアセトン中に溶解し、100mlのメタノ
ール中に投入し、重合体成分を再沈殿して分離した。沈
殿を濾過して取り出し、減圧下にて乾燥した後、その重
量を測定して重合体の含有量を求めた。 〔密着性の評価〕成形して得られた積層体から4×4c
mの大きさのサンプルを切り出した。この試片を90℃
の温水に3時間浸漬後、1時間室温で放置するサイクル
を繰り返し実施し、界面での状態の変化について調べ
た。
【0034】実施例1 200mlのナス型フラスコにメチルメタクリレート単
量体80重量部、メチルメタクリレート重合体(スミペ
ックスMHF、住友化学工業(株)製)25重量部を入
れ、60℃で3時間撹拌して溶解した。得られた溶液を
室温まで冷却し、ターシャリブチルパーオキシピバレー
ト(サンペロックスPV、三建化工(株)製)0.5重
量部を添加し、アクリルシロップを得た。2枚のガラス
板と軟質塩化ビニル製のチューブを用いて空隙が3mm
となるようにセルを作製し、上記アクリルシロップを減
圧下で脱泡した後、このセル内に注入した。このセルを
熱風乾燥炉内にて30℃の温度で12時間保持した後、
室温まで冷却してガラスを除去して、シート状のアクリ
ルコンパウンドを得た。得られたシート状アクリルコン
パウンドは臭気もほとんど無いものであった。中に含ま
れる重合体の量は95%であった。
【0035】次に、幅5cm、長さ12cm、深さ4c
mの箱形の成型金型内に、不飽和ポリエステルSMC
(商品名ポリマールマット:武田薬品(株)製)を入
れ、温度140℃、圧力120kg/cm2 の条件にて
3分間プレス成形を行い、成型体を作製した。成形金型
を開けて箱形の内部の成形体上に上記のシート状アクリ
ルコンパウンド50gを配設し、再度金型を閉めて14
0℃、圧力20kg/cm 2 の条件にて10分間アクリ
ルコンパウンドの成形を行った。表層に厚さ200μm
の透明なアクリル層が付与された樹脂積層体を得た。密
着性のテストを10サイクル実施した結果、特に異常は
見られなかった。
【0036】実施例2 200mlのナス型フラスコにメチルメタクリレート単
量体80重量部、メチルメタクリレートメチル重合体
(スミペックスMHF、住友化学工業(株)製)20重
量部を入れ、60℃で3時間撹拌して溶解した。この溶
液100gに対して水酸化アルミニウム(CW−32
5、住友化学工業(株)製)を150重量部入れ、よく
混合した。さらに室温まで冷却した後、エチレングリコ
ールジメタクリレート0.5重量部、ターシャリブチル
パーオキシピバレート(サンペロックスPV、三建化工
(株)製)0.5重量部を添加し、混合してアクリルシ
ロップを得た。
【0037】このシロップを用いて実施例1と同様にし
てシート状アクリルコンパウンドを得た。アクリルコン
パウンド中のメチルメタクリレート重合体とメチルメタ
クリレート単量体の合計100重量部に対して、メチル
メタクリレート重合体の含有量は92%であった。この
シート状アクリルコンパウンドを用いて実施例1と同様
にして表層に人造大理石調の層を有する樹脂成形体を得
た。表層の厚みは1.5mmであった。密着性のテスト
を10サイクル実施した結果、特に異常は見られなかっ
た。
【0038】実施例3 実施例1と同様にしてアクリルコンパウンドを得た。実
施例1と同じ箱形の成型金型内に、不飽和ポリエステル
SMC(商品名ポリマールマット:武田薬品(株)製)
を入れ、温度130℃、圧力120kg/cm2 の条件
にて4分間プレス成形を行い、半硬化のSMC成型体を
作製した。成形金型を開けて、SMCの状態を見たとこ
ろSMC成形体の表面は艶のない状態で、針金などを用
いてつつくと容易に変形した。箱形の内部の成形体上に
上記のシート状アクリルコンパウンド50gを配設し、
再度金型を閉めて130℃、圧力20kg/cm2 の条
件にて10分間アクリルコンパウンドの成形を行った。
表層に厚さ350μmの透明なアクリル層が付与された
樹脂積層体を得た。密着性のテストを10サイクル実施
した結果、特に異常は見られなかった。
【0039】比較例1 幅5cm、長さ12cm、深さ4cmの箱形の成型金型
内に、不飽和ポリエステルSMC(商品名ポリマールマ
ット:武田薬品(株)製)を投入し、温度140℃、圧
力120kg/cm2 の条件にて3分間プレス成形を行
い、成型品を作製した。その上に厚さ250μmのポリ
メチルメタクリレートのシートを置き、温度140℃、
圧力120kg/cm2 の条件で加熱加圧して樹脂積層
体を作製した。密着性のテストを実施する前に周辺部分
の剥離が見られた。さらにテストを実施しても1サイク
ルで剥がれを生じた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルコンパウンド中のメチルメタク
    リレートを主体とする重合体とメチルメタクリレートを
    主体とする単量体の合計100重量部に対して、メチル
    メタクリレートを主体とする重合体の含有量が50〜9
    7重量部であるアクリルコンパウンドとシートモールデ
    ィングコンパウンドまたはバルクモールディングコンパ
    ウンドとを型内で加熱加圧して成形することを特徴とす
    る樹脂積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 予め型内でシートモールディングコンパ
    ウンドまたはバルクモールディングコンパウンドを加熱
    加圧して成形体とし、メチルメタクリレートを主体とす
    る重合体とメチルメタクリレートを主体とする単量体の
    合計100重量部に対して、メチルメタクリレートを主
    体とする重合体の含有量が50〜97重量部であるアク
    リルコンパウンドを該成形体と型の間に配設し、加熱加
    圧して成形することを特徴とする樹脂積層体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】予め型内でシートモールディングコンパウ
    ンドまたはバルクモールディングコンパウンドを加熱加
    圧して半硬化の状態まで成形し、さらにメチルメタクリ
    レートを主体とする重合体とメチルメタクリレートを主
    体とする単量体の合計100重量部に対して、メチルメ
    タクリレートを主体とする重合体の含有量が50〜97
    重量部であるアクリルコンパウンドを該成形体と型の間
    に配設し、加熱加圧して成形することを特徴とする樹脂
    積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 メチルメタクリレートを主体とする重合
    体が、数平均分子量で8万〜20万のものを20重量%
    以上含有する重合体である請求項1、請求項2または請
    求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機粉末を含有するアクリルコンパウン
    ドを用いる請求項1、請求項2または請求項3記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 無機粉末が水酸化アルミニウム、水酸化
    マグネシウムまたはシリカである請求項5記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 無機粉末の量が、アクリルコンパウンド
    中のメチルメタクリレートを主体とする重合体とメチル
    メタクリレートを主体とする単量体の合計100重量部
    に対して、30〜300重量部である請求項5または請
    求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 アクリルコンパウンドがシート状である
    請求項1〜3記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039609A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Sumitomo Chem Co Ltd 樹脂積層体およびその製造方法

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