JPH09262614A - 連続熱間仕上げ圧延における圧延材接合部の圧延方法 - Google Patents

連続熱間仕上げ圧延における圧延材接合部の圧延方法

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JPH09262614A
JPH09262614A JP8073809A JP7380996A JPH09262614A JP H09262614 A JPH09262614 A JP H09262614A JP 8073809 A JP8073809 A JP 8073809A JP 7380996 A JP7380996 A JP 7380996A JP H09262614 A JPH09262614 A JP H09262614A
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joint
rolled material
joining
bender force
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JP8073809A
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English (en)
Inventor
Yoshikiyo Tamai
良清 玉井
Katsuhiro Takebayashi
克浩 竹林
Toshio Imae
敏夫 今江
Hideyuki Nikaido
英幸 二階堂
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅中央部が非接合であっても、圧延材を接合
する際の形状変化に起因した仕上げ圧延中の圧延材の破
断を防止する。 【解決手段】 幅の両端部(11e)を接合し、幅の中
央部(11c)を非接合とした後、仕上げ圧延する前
に、予め接合部の荷重変動を予測し、該荷重変動からベ
ンダー力を算出し、前記接合部を圧延する際に、予め決
められたパターンでベンダー力を作用させて、腹伸び形
状にすることで、安定な圧延を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続熱間仕上げ圧
延における圧延材接合部の圧延方法に係り、特に、シー
トバー材やスラブ等の鋼片を数本乃至は数十本にわたっ
て連続して圧延する際に用いるのに好適な、幅中央部が
非接合であっても、接合部圧延時の形状変化に起因した
仕上げ圧延中の圧延材の破断を防止して、安定した連続
熱間仕上げ圧延を実現可能な圧延材接合部の圧延方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼片の熱間圧延ラインでは、圧延
すべき鋼片を一本ずつ加熱、粗圧延、仕上げ圧延して所
望の厚さになる熱延板に仕上げていたが、このような圧
延方法は、仕上げ圧延での圧延材の噛み込み不良による
ラインの停止が避けられず、又、圧延材の先・後端の形
状不良に起因した歩留りの低下を招く不利があった。
【0003】このため最近では、仕上げ圧延に先立ち、
先行鋼片の後端部と後行鋼片の先端部をつなぎ合わせ、
この接合鋼片を熱間圧延ラインに連続的に供給して圧延
する連続熱間圧延方法が採用されるようになってきた。
【0004】しかしながら、このような連続熱間圧延方
法を採用するに当たっては、以下のような問題が残され
ていた。
【0005】即ち、鋼片を接合するに当たっては、接合
予定部(鋼片の先・後端部)を加熱・昇温することにな
るが、その際に、この部位に温度偏差が生じ、これが圧
延中の荷重変動を起こす外乱となり、圧延ロールの撓み
が変化し、圧延材の形状が乱れる不具合があった。この
圧延材の形状の乱れは、幅方向における張力の分布を変
化させるため、接合部の幅端部に引張力が集中し、仕上
げ圧延中に圧延材が破断することもあって、圧延作業の
停止を余儀無くされていた。
【0006】この点に関して従来は、圧延機のロールベ
ンダーを使用し、フィードバック制御によって接合部に
おける形状変化を抑制することが試みられていたが、ロ
ールベンダーによる形状制御は応答の遅れが著しく、形
状変化の抑制は困難であり、有効な手段とはいえなかっ
た。
【0007】上記のような従来技術の欠点を克服する手
段として、特開平2−127904には、鋼片の接合部
を基準板厚よりも厚くなるように圧延して、板の破断を
防止するようにした技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術を適用しても、形状変化により生じる接合部での破断
は防止することができなかった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、先行材の後端部と後行材の先端部の
幅両端部を突き合わせ、該幅両端部が接合していて幅中
央部が接合していないように接合した後に行う連続熱間
仕上げ圧延において、圧延材接合部の圧延時における急
峻な荷重変動により生じる形状変化によって接合部の幅
端に引張力が生じ、これによって仕上げ圧延中に圧延材
が破断するのを回避し、且つ、接合部での形状変化によ
る通板性の悪化を改善して、安定した仕上げ圧延を実施
できるようにすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、先行材の後端
部と後行材の先端部の幅両端部を突き合わせ、該幅両端
部が接合していて、幅中央部が接合していないように接
合した後、ワークロールのベンディング機能を有する複
数のスタンドを配置した連続熱間圧延設備に送給して仕
上げ圧延するに当たり、仕上げ圧延に先立ち、圧延材の
接合に起因する非定常域の圧延に際して圧延荷重の変動
値を予測し、この圧延荷重の変動値から圧延材接合部の
圧延時におけるワークロールのベンダー力の変更量を算
出すると共に、該変更量を加味したベンダー力変更パタ
ーンを決定し、次いで、圧延材の接合部を、その接合直
後からトラッキングして、1スタンド以上において上記
パターンに従ってベンダー力を作用させて、圧延材接合
部の非定常域を仕上げ圧延するようにして、前記課題を
解決したものである。
【0011】又、仕上げ出側温度がAr3変態点以下、
500℃以上の温度となるように仕上げ圧延をする際
に、前記圧延材接合部を腹伸び圧延するようにしたもの
である。
【0012】なお、圧延材の接合部が第i番目のスタン
ドに到達するまでの時間の計算値と実測値との差をトラ
ッキング誤差時間Ti として、圧延材接合部の荷重変動
に対応したベンダー力の実負荷時間2Ti 以上となるよ
うにベンダー力変更パターンを決定することが好まし
い。
【0013】又、上記の方法を複数スタンドにおいて実
施する際に、前記トラッキング誤差時間Ti が最大とな
るスタンドのTi を用いてベンダー力変更パターンを決
定することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
【0015】連続熱間圧延を目的とした鋼片の接合方法
としては、これまでに数種類の方法が提案されている。
【0016】その代表的なものとしては、鋼片の先後端
部を誘導加熱し、その端部を相互に押圧して接合する方
法、あるいは鋼片の先後端部を突き合わせ、その部位を
レーザないしはプラズマを用いて溶接して接合する方法
等がある。更に、前記誘導加熱や溶接による接合方法に
おいては、図1に示す如く、先行鋼片10と後行鋼片1
2の幅端部のみ突き合わせて接合し(接合部11e)、
幅中央部には非接合部11cを残し、この非接合部は圧
延工程等で圧接する方法もある。この幅端部のみ接合す
る方法は、全体を接合しないため、短時間で鋼片を接合
できる利点があり、これまでのところ有効な接合方法で
ある。
【0017】ところが、このような方法で鋼片を接合し
た場合においては、鋼片の接合部とそれを除く領域(接
合部を除く領域を、以下単に定常域と記す)とでは、図
2に示すような温度差が生じることとなる。
【0018】一方、仕上げ圧延機内でα−γ2相域圧延
を行うような、仕上げ出側温度FDTがAr3変態点以
下;500℃以上の低FDT材では、温度の上昇と共に
変形抵抗も増加する性質がある。
【0019】その結果、鋼片の接合部は定常域よりも温
度が高いことから変形抵抗が大きくなる(圧延荷重が大
きくなる)ので、定常域に比べると、その部位の板クラ
ウンが増加し、幅中央部は幅端部に比べると圧延方向の
伸び率が小さくなり、図3(接合部)及び図4(定常
域)に示すように、板材の長手方向に張力が作用するこ
とになる。このとき、接合部の板形状は耳伸びになって
いる。
【0020】又、鋼片の接合部は定常域に比べ強度的に
弱いことに加え、未接合部が残存していた場合には、そ
の部分がノッチとなるために、圧延中に応力が集中し、
このような部分から亀裂が進展し、破断に至ることもあ
る。
【0021】これは、鋼片の接合に際して温度偏差が生
じている場合のみの現象ではなく、接合に際して生じる
寸法変化等のように、接合部において圧延荷重を増加さ
せる要因となり得る他の外乱についても全く同様なこと
が言える。
【0022】本発明においては、鋼片等の圧延材の接合
部の外乱である温度や幅寸法を計測し、これらを基にし
て接合部の圧延時における荷重変動を予測(仕上げ圧延
時に通常行う設定計算と同じ計算方法を用いることによ
って、その予測は可能であり、又、同鋼種、同パススケ
ジュールの圧延材による接合部圧延時の荷重変動実績値
を用いてもよい)し、この予測した荷重変動値ΔPを用
いて、接合部におけるベンダー力の変更量ΔPBを、次
式を用いて算出し、このような変更量を加味したベンダ
ー力変更パターンで圧延するものである。
【0023】ΔPB=(α/β)ΔP …(1)
【0024】ここで、αは、圧延機撓みに対する圧延荷
重の影響係数、βは、圧延機撓みに対するベンダー力の
影響係数であり、これらの値は、圧延機各部の寸法、材
質等により決定される値であって、圧延に先立って予め
算出しておけばよい。
【0025】なお、圧延荷重の変動値が正の場合に、ベ
ンダー力を上下のワークロール間隔が開く方向に作用さ
せる場合をインクリースベンダー(ΔPBが正)とし、
逆に、閉じる方向に作用させる場合をディクリースベン
ダー(ΔPBが負)とする。
【0026】圧延材の接合部を圧延する際のベンダー力
変更パターンとしては、例えば、図5に示すような矩形
状のパターン、あるいは図6に示すような台形状のパタ
ーンを用いることができる。
【0027】接合部の各スタンドへの到達タイミング
は、例えばメジャリングロールを適用することによって
把握することができるが、圧延材の搬送速度に基づく位
置検出器を適用する等の既存のトラッキング方法により
追跡することによって、到達タイミングを把握するよう
にしてもよい。
【0028】そして、図5あるいは図6に示すように、
圧延材の接合部がベンダー力変更時間の中間に到達する
タイミングで、ベンダー力を変更するようにする。
【0029】但し、スタンドに圧延材の接合部が実際に
到達するタイミングと、トラッキングによる到達のタイ
ミングの間では差が生じることがあるので、圧延材の接
合部を、より正確なパターンで圧延するためには、この
トラッキングの差をトラッキング誤差時間Ti として考
慮するのが好ましい。
【0030】このトラッキング誤差時間Ti は、図7に
示すように、圧延材の搬送速度等により算出される接合
部の到達時間(接合直後からトラッキングを開始する)
と実際の接合部の到達時間の差から求めればよい。
【0031】ベンダー力の変更が、もし、トラッキング
誤差等により圧延材の接合部以外の部位で実施された場
合、接合部においては耳伸びが起こるため、該接合部に
引張力が発生し、破断に至ることになるのは前述したと
おりであるが、このような圧延材の破断を確実に回避す
るためには、ベンダー力の変更時間(指令値)が2T i
となるようにするのが好ましい。より好ましくは、ベン
ダー力の変更時間2T i にベンダー力の応答遅れ時間t
を加算し、2Ti +tとするのがよい。
【0032】本発明に従って圧延材を圧延すれば、圧延
材接合部の圧延時における荷重変動に対応したベンダー
力が各スタンドで実質的に出力されている時間内に接合
部が各スタンドに到達するので、所定のベンダー力を常
に圧延材接合部に負荷することができ、形状の劣化を伴
ったり、圧延材が破断するようなことはなくなる。
【0033】複数スタンドにおいて、このような操作を
実施するには、トラッキング誤差時間が最大となるスタ
ンドの誤差時間Ti を用いて、上記方法により変更時間
を決定し、他のスタンドでは、これに同期させてベンダ
ー力を変更するような変更パターンにすればよい。
【0034】ベンダー力変更パターンは、特に図5や図
6に示したものに限定されるものではない。図6に示し
たような台形状のパターンで圧延する場合においては、
台形の上底部の時間が2Ti +tとなるように変更時間
を設定するのが好ましい。
【0035】但し、この台形状のパターンのうちの傾斜
している領域で、十分な時間(ベンダーの応答が可能な
時間)を取ることができる場合には、台形状の上底部の
時間におけるベンダーの応答遅れ時間tは考慮する必要
がない。
【0036】図8は、本発明を実施するのに適した連続
熱間仕上げ圧延設備の一例であって、図中の番号10は
先行鋼片、12は後行鋼片、20は粗圧延機、22は鋼
片の端部を所定の形状に切断する切断機、24は切断後
の鋼片の端部を加熱・昇温、押圧する接合装置、26は
複数のスタンドを配置してなる連続圧延機群、27は該
連続圧延機のスタンドに配設されたベンダー、28は鋼
片の接合部をトラッキングするためのトラッキング装
置、30、30′は圧延後の板材を巻き取る巻取機、3
2は圧延後の板材を所定の長さに切断する切断機であ
る。
【0037】
【実施例】本発明の第1実施例では、幅1200mm、
厚さ30mmになる鋼片に接合処理(先行鋼片の後端部
と後行鋼片の先端部の幅端部を突き合わせ、図1に示し
たように、幅の両端部からそれぞれ500mmの範囲を
接合し(接合部11e)、幅の中央部の200mmの範
囲は接合せず(非接合部11c)に誘導加熱し、相互に
押圧して接合)を施した後、7スタンドのタンデム配列
になる、図8に示したような設備を用いて、連続的に熱
間仕上げ圧延を行った。
【0038】このとき圧延材として、C成分0.02
%、仕上げ出側目標温度(FDT)780℃の材料を用
いた。
【0039】仕上げ圧延機内で変態を生じるような低F
DT材では、接合部の温度が周囲より高くても、Ar3
変態点以下では、温度の上昇と共に変形抵抗が増加する
ため、接合部において定常部に対し荷重が増加する。こ
のとき接合部の形状は耳伸びとなり、幅中央に未接合部
が残存するので、未接合部端部に引張力が作用し、破断
の危険性がある。
【0040】そこで、本発明の接合部形状制御法によ
る、接合部におけるベンダー力の変更を、最終スタンド
の第7スタンドにて実施した。ベンダー力変更パターン
は矩形状とし、変更時間は、第7スタンドにおける接合
部のトラッキング誤差時間0.3秒、ベンダーの応答遅
れ時間0.2秒に基づき、0.5秒とした。
【0041】接合後に接合部の温度を計測したところ、
図9に示すように、その温度偏差は周辺の定常部に対し
最大+200℃であった。これに基づき仕上げ圧延時の
温度計算及び圧延荷重計算を行い、接合部における第7
スタンドでの荷重変動は+200tonfと予測された。
又、予め設定計算により圧延機撓みに対する圧延荷重の
影響係数α、及び、圧延機撓みに対するベンダー力の影
響係数βを算出したところ、α/βの値は0.1となっ
た。従って、前述の(1)式より荷重変動に対応するベ
ンダー力は+20tonf/chock と算出され、第7スタン
ドのベンダー力変更量をそのように設定した。
【0042】仕上げ圧延に際して、接合装置24におい
て接合直後に接合部の位置をトラッキング装置28に記
憶させ、鋼板速度に基づきトラッキングし、接合部が第
7スタンドに到達したときにベンダー力を変更した。
【0043】この第1実施例のベンダー力変更要領を図
10に示す。更に、図10中の各手順で用いた、第7ス
タンドにおけるベンダー指令値、作用したベンダー力、
急峻度及び荷重変動を図11に示す。
【0044】圧延後のコイルを巻き戻し、接合部の形状
を測定した結果、接合部の急峻度は0以下であり、腹伸
びになっていた。接合部(幅端部両側1000mm)に
おける亀裂の発生はみられず、安定に通板できたことを
確認した。
【0045】次に、本発明の第2実施例を説明する。こ
の第2実施例では、第7スタンドにおけるベンダー力の
実質負荷時間を、第7スタンドにおける接合部のトラッ
キング誤差時間0.3秒、ベンダーの応答遅れ時間0.
2秒に基づき、0.8秒に設定したが、それ以外の条件
は第1実施例と同じである。
【0046】図12に、第2実施例の第7スタンドにお
けるベンダー指令値、作用したベンダー力及び急峻度の
変化状態を示す。
【0047】前記第1実施例においては、ベンダーの変
更時間は0.5秒であり、トラッキング誤差が0.3秒
のため、接合部で確実にベンダー力変更が実施されない
ことが懸念されていた。しかし、この第2実施例では、
トラッキング誤差時間を考慮してベンダー力の変更時間
を設定することによって、接合部が確実に腹伸びとなる
ようにして圧延した結果、板の破断を招くことなしに圧
延することができた。
【0048】次に、本発明の第3実施例を説明する。こ
の第3実施例では、鋼片の接合部におけるベンダー力の
変更を第5、6、7スタンドにおいて実施した。ベンダ
ー力の変更パターンは矩形状とし、ベンダー力の変更時
間は、第5〜第7スタンドにおける接合部のトラッキン
グ誤差時間の最大値0.3秒(第7スタンドの値)、ベ
ンダー応答遅れ時間0.2秒に基づき、0.8秒に設定
した。ベンダー力の変更スタンド数と実負荷時間以外
は、第1実施例と同じである。
【0049】圧延に先立ちベンダー力を計算したとこ
ろ、第5〜第7スタンドにおける接合部の荷重変動が、
それぞれ+100tonf、+150tonf、+200tonfで
あり、これに対応するベンダー力は、それぞれ+10to
nf/chock 、+15tonf/chock 、+20tonf/chock
であった。
【0050】この第3実施例における第7スタンドの実
施結果を図13に示す。図13は、最終スタンド(第7
スタンド)における圧延荷重、ベンダー指令値、ベンダ
ー力、幅端より25mm内側の点における板クラウン及
び急峻度の時間推移を示したものである。
【0051】この第3実施例では、接合部圧延時にベン
ダー力をパターンで変更し、接合部を含むその周辺でベ
ンダー力を変更したので、定常域に対する接合部直下の
板クラウンの変動量も極めて小さくなり、接合部におけ
る板形状が、腹伸びから平坦の範囲となるようにして圧
延した結果、圧延中に板が破断するようなことはなかっ
た。
【0052】前記第1〜3実施例に対する比較例とし
て、図14に、接合部に対し従来のベンダーによる荷重
連動フィードバック制御を適用した場合の例を示す。こ
の比較例は、ベンダー力の作用方法以外は第1実施例の
条件と同じである。この比較例では、圧延荷重の変動を
検出した後、それに対応したベンダー力を作用させる荷
重連動フィードバック制御で行った。ベンダー力の変更
量は20tonf/chock で、鋼片の接合部の圧延荷重の増
加量200tonfに対応したベンダー力である。従来の荷
重連動フィードバック制御では、接合部の荷重変動は
0.2秒程度の時間内に生じる急峻なものであるため、
応答の遅れから追従不可能であり、接合部において十分
なベンダー力は作用せず、接合部での板クラウンは増加
し、板形状は耳伸びになり、圧延中に板が接合部から破
断した。
【0053】なお、前記説明では、幅端部が誘導加熱に
より接合されていたが、本発明は、レーザないしプラズ
マを用いて、幅の両側端部を接合し、幅中央を接合しな
い場合にも同様に適用できる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、鋼片の連続熱間圧延に
おいて、幅中央部が非接合であっても、接合部を圧延す
る際に生じる形状変化に起因した引張力を軽減すること
ができるので、圧延中に板が破断するようなことはなく
なり、通板性の向上によって安定した操業が行えるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】幅中央部に非接合部を残した鋼片の接合状態を
示す平面図
【図2】鋼片の接合部と定常域の温度の状況を比較して
示した線図
【図3】鋼片の接合部における板クラウンと張力の状況
を示した線図
【図4】鋼片の定常域における板クラウンと張力の状況
を示した線図
【図5】ベンダー力の変更パターンの一例である矩形パ
ターンを示した線図
【図6】同じく他の一例である台形パターンを示した線
【図7】第iスタンドにおける接合部の到達タイミング
とトラッキング指令の状況を示した線図
【図8】本発明の実施に好適な連続熱間仕上げ圧延設備
の構成図
【図9】本発明の第1実施例における、接合部の温度測
定結果を示す線図
【図10】本発明の第1実施例における、ベンダー力の
変更パターンの決定から接合部の圧延に至るまでの手順
を示した流れ図
【図11】本発明の第1実施例における、ベンダー指令
値、ベンダー力、急峻度及び荷重変動の状態を示す線図
【図12】本発明の第2実施例における、ベンダー指令
値、ベンダー力及び急峻度の変化状態を示す線図
【図13】本発明の第3実施例における、荷重変動、ベ
ンダー指令値、ベンダー力、板クラウン及び急峻度の変
化状態を示す線図
【図14】従来法による比較例における、荷重変動、ベ
ンダー指令値、ベンダー力、板クラウン及び急峻度の変
化状態を示す線図
【符号の説明】
10…先行鋼片 11c…非接合部 11e…接合部 12…後行鋼片 20…粗圧延機 22、32…切断機 24…接合装置 26…連続圧延機群 27…ベンダー 28…トラッキング装置 30、30′…巻取機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今江 敏夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先行材の後端部と後行材の先端部の幅両端
    部を突き合わせ、該幅両端部が接合していて、幅中央部
    が接合していないように接合した後、ワークロールのベ
    ンディング機能を有する複数のスタンドを配置した連続
    熱間圧延設備に送給して仕上げ圧延するに当たり、 仕上げ圧延に先立ち、圧延材の接合に起因する非定常域
    の圧延に際して圧延荷重の変動値を予測し、 この圧延荷重の変動値から圧延材接合部の圧延時におけ
    るワークロールのベンダー力の変更量を算出すると共
    に、該変更量を加味したベンダー力変更パターンを決定
    し、 次いで、圧延材の接合部を、その接合直後からトラッキ
    ングして、1スタンド以上において上記パターンに従っ
    てベンダー力を作用させて、圧延材接合部の非定常域を
    仕上げ圧延することを特徴とする連続熱間仕上げ圧延に
    おける圧延材接合部の圧延方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、仕上げ出側温度がAr
    3変態点以下、500℃以上の温度となるように仕上げ
    圧延をする際に、前記圧延材接合部を腹伸び圧延するこ
    とを特徴とする連続熱間仕上げ圧延における圧延材接合
    部の圧延方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記圧延材接合
    部の荷重変動に対応したベンダー力の実負荷時間が、該
    圧延材接合部が第i番目のスタンドに到達するまでの時
    間の計算値と実測値との差であるトラッキング誤差時間
    の2倍となるように、ベンダー力変更パターンを決定す
    ることを特徴とする連続熱間仕上げ圧延における圧延材
    接合部の圧延方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方
    法を複数スタンドにおいて実施する際に、圧延材の接合
    部がi番目のスタンドに到達するまでの時間の計算値と
    実測値との差であるトラッキング誤差時間が最大となる
    スタンドのトラッキング誤差時間を用いて、ベンダー力
    変更パターンを決定すること特徴とする連続熱間仕上げ
    圧延における圧延材接合部の圧延方法。
JP8073809A 1996-03-28 1996-03-28 連続熱間仕上げ圧延における圧延材接合部の圧延方法 Withdrawn JPH09262614A (ja)

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JP8073809A JPH09262614A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 連続熱間仕上げ圧延における圧延材接合部の圧延方法

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JP8073809A JPH09262614A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 連続熱間仕上げ圧延における圧延材接合部の圧延方法

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010120046A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Nippon Steel Corp 板圧延方法
JP2015193026A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 Jfeスチール株式会社 平坦度に優れたテーパ鋼板の圧延方法

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