JPH09262543A - 模様を有する樹脂製品の製造方法 - Google Patents

模様を有する樹脂製品の製造方法

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JPH09262543A
JPH09262543A JP7480396A JP7480396A JPH09262543A JP H09262543 A JPH09262543 A JP H09262543A JP 7480396 A JP7480396 A JP 7480396A JP 7480396 A JP7480396 A JP 7480396A JP H09262543 A JPH09262543 A JP H09262543A
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pattern
base material
partially
sheet
magnetic
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JP7480396A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Ogisu
康彦 荻巣
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材の形状や、模様の内容が比較的複雑であっ
ても、所望とする模様を確実に得ることができる樹脂製
品の製造方法を提供する。 【解決手段】所定形状を有する基材2を成形する。続い
て、未着磁で、かつ、可撓性を有する2枚のシートを用
意し、それぞれについて模様を構成するべく、導電性を
有する線状体6を配置せしめ、電流を流すことで、第1
及び第2の部分着磁シート9を得る。次に、第1の部分
着磁シート上に基材2を設置し、表面に磁性塗料を塗布
する。第1の部分着磁シートの磁力により、磁性塗料中
の磁性体の配向及び密度の少なくとも一方が、部位に応
じて変更され、着磁に応じたストライプ模様が形成され
る。次に、当該基材2を第2の部分着磁シート9上に設
置する。すると、今度は、該第2の部分着磁シート9の
磁力により、ストライプ模様が形成された上から、
「T」の文字模様が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の内
装品や外装品等に適用され、表面に美観を有する模様の
形成されてなる樹脂製品の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として例えば特開昭
63−175670号公報に開示されたものが知られて
いる。この技術では、磁界を利用して模様を現出させる
旨が示されている。すなわち、微細粉末として磁性体材
料を利用し、該磁性体を含有させた液状塗料を樹脂製の
基材の表面に塗布して塗膜を形成する。そして、その塗
膜が未だ液状で磁性体がその塗膜中を自由に移動できる
状態で、磁界を作用させ模様を形成するのである。この
方法によれば、磁界を作用させることにより、磁性体の
塗装面に対する配向を変化させるとともに、該磁性体の
密度を部位に応じて変化させることにより、塗膜内部に
模様が現出する。
【0003】一方、特開平5−228428号公報に開
示された技術では、塗装の前段階において、予め模様又
はパターンに従った磁場を形成しておく。そして、塗装
に際しては、磁場が形成された状態で上記磁性体を含ん
だ塗料が塗布される。かかる方法によれば、塗料が塗布
される際には、磁性体の動きが拘束されにくいため、磁
性体は比較的自由に移動しうる。このため、より明瞭な
線図模様を形成することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来技術においては、以下に記すような問題があった。
すなわち、磁界を作用させるに際しては、例えば固定さ
れた板状体に永久磁石が固定された状態で行われてい
た。このため、複雑で、込み入った模様を形成しようと
した場合には、隣接しあう永久磁石同士が作用しあっ
て、磁石の設置作業に支障を来すおそれがあり、場合に
よっては所望の模様が得られないおそれがあった。
【0005】さらに、上記永久磁石が用いられた場合で
あって、樹脂製の基材の形状が複雑な場合には、塗装面
と磁石表面との距離を適切に制御するのが困難となるお
それがあった。その結果、かかる場合にも所望とする模
様が得られないおそれがあった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、基材の形状や、模様の
内容が比較的複雑であっても、所望とする模様を確実に
得ることができ、優れた美観を呈しうる模様を有する樹
脂製品の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、樹脂材料により
所定形状を有する基材を成形する工程と、未着磁で、か
つ、可撓性を有するシートに対し、模様を構成するべ
く、部分的に着磁せしめることにより、部分着磁シート
を形成する工程と、前記基材の表面に、多数の微細な磁
性体を含んでなる透明性を有する塗料を塗布する工程
と、前記塗料の塗布された前記基材を前記部分着磁シー
ト上に設置し、該部分着磁シートの磁力により、前記磁
性体の配向及び密度の少なくとも一方を、部位に応じて
変更させ、模様を形成する工程と、その後、前記塗料を
硬化させる工程とを備えた模様を有する樹脂製品の製造
方法をその要旨としている。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、樹脂材
料により所定形状を有する基材を成形する工程と、未着
磁で、かつ、可撓性を有するシートに対し、模様を構成
するべく、部分的に着磁せしめることにより、部分着磁
シートを形成する工程と、前記基材を前記部分着磁シー
ト上に設置した状態で、前記基材の表面に、多数の微細
な磁性体を含んでなる透明性を有する塗料を塗布し、こ
の際、前記部分着磁シートの磁力によって前記磁性体の
配向及び密度の少なくとも一方を、部位に応じて変更さ
せ、模様を形成する工程と、その後、前記塗料を硬化さ
せる工程とを備えた模様を有する樹脂製品の製造方法を
その要旨としている。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明では、樹脂
材料により所定形状を有する基材を成形する工程と、未
着磁で、かつ、可撓性を有する2枚以上のシートに対
し、それぞれ異なる模様を構成するべく、部分的に着磁
せしめ、少なくとも2種類の部分着磁シートを形成する
工程と、前記基材の表面に、多数の微細な磁性体を含ん
でなる透明性を有する塗料を塗布する工程と、前記塗料
の塗布された前記基材を前記1種類の部分着磁シート上
に設置し、該部分着磁シートの磁力により、前記磁性体
の配向及び密度の少なくとも一方を、部位に応じて変更
させ、第1の模様を形成する工程と、前記第1の模様の
形成された前記基材を前記とは異なる部分着磁シート上
に設置し、該部分着磁シートの磁力により、前記磁性体
の配向及び密度の少なくとも一方を、部位に応じて変更
させ、前記第1の模様が形成された上からそれ以外の模
様を形成する工程と、その後、前記塗料を硬化させる工
程とを備えた模様を有する樹脂製品の製造方法をその要
旨としている。
【0010】併せて、請求項4に記載の発明では、樹脂
材料により所定形状を有する基材を成形する工程と、未
着磁で、かつ、可撓性を有する2枚以上のシートに対
し、それぞれ異なる模様を構成するべく、部分的に着磁
せしめ、少なくとも2種類の部分着磁シートを形成する
工程と、前記基材を前記1種類の部分着磁シート上に設
置し、前記基材の表面に、多数の微細な磁性体を含んで
なる透明性を有する塗料を塗布し、この際、前記部分着
磁シートの磁力により、前記磁性体の配向及び密度の少
なくとも一方を、部位に応じて変更させ、第1の模様を
形成する工程と、前記第1の模様の形成された前記基材
を前記とは異なる部分着磁シート上に設置し、該部分着
磁シートの磁力により、前記磁性体の配向及び密度の少
なくとも一方を、部位に応じて変更させ、前記第1の模
様が形成された上からそれ以外の模様を形成する工程
と、その後、前記塗料を硬化させる工程とを備えた模様
を有する樹脂製品の製造方法をその要旨としている。
【0011】加えて、請求項5に記載の発明では、請求
項1〜4のいずれかに記載の模様を有する樹脂製品の製
造方法において、前記部分着磁シートを形成する工程
は、未着磁で、かつ、可撓性を有するシート上に、導電
性を有する線状体を所望の形状に加工する工程と、前記
線状体に電流を流すことにより、そのときに生じる磁界
を利用して部分的に着磁する工程とを含んでいることを
その要旨としている。
【0012】さらに、請求項6に記載の発明では、請求
項3又は4に記載の模様を有する樹脂製品の製造方法に
おいて、前記第1の模様が形成された上からそれ以外の
模様を形成する工程は、前記塗料の硬化途中に行うこと
をその要旨としている。
【0013】ここで、上記「塗料を硬化させる」とある
のは、塗料中の溶媒を蒸発させることにより塗料の硬化
を完了させることと、焼き付け等により塗料の硬化を完
了させることとの双方を含む趣旨である。
【0014】また、上記「基材を部分着磁シート上に設
置し」とあるのは、基材を直接的に部分着磁シート上に
設置する場合と、基材を所定間隔を隔てて部分着磁シー
トの上に設置する場合との双方を含む趣旨である。
【0015】(作用)上記請求項1又は2に記載の発明
によれば、樹脂材料により所定形状を有する基材が成形
される。一方、未着磁で、かつ、可撓性を有するシート
が、部分的に着磁させられることにより、模様を構成す
るべく、部分着磁シートが形成される。そして、基材の
表面に、多数の微細な磁性体を含んでなる透明性を有す
る塗料が塗布され、塗料の塗布された基材が部分着磁シ
ート上に設置される。或いは、基材が前記部分着磁シー
ト上に設置された状態で、基材の表面に、多数の微細な
磁性体を含んでなる透明性を有する塗料が塗布される。
このとき、部分着磁シートの磁力により、塗料中の磁性
体の配向及び密度の少なくとも一方が、部位に応じて変
更され、磁力に応じた模様が形成される。その後、塗料
が硬化させられることにより、模様を有する樹脂製品が
製造される。
【0016】このように、本発明によれば、板状体に永
久磁石が固定されていた従来技術とは異なり、未着磁の
シートに部分的に着磁が施され、これにより部分着磁シ
ートが得られる。このため、複雑で、込み入った模様を
形成しようとした場合でも、そのような模様を有するべ
く着磁させることにより、容易にその模様を形成するこ
とが可能となる。また、基材の形状が複雑であったとし
ても、部分着磁シートは可撓性を有するため、基材の表
面形状に追従して容易に変形しうる。このため、このよ
うにシートを変形させた状態で、塗料中の磁性体の配
向、密度を変更する作業を行うことにより、塗装面と部
分着磁シートとの距離を適切に制御することが可能とな
る。
【0017】また、請求項3及び4に記載の発明では、
樹脂材料により所定形状を有する基材が成形される。一
方、未着磁で、かつ、可撓性を有する2枚以上のシート
が、それぞれ異なる模様を構成するべく、部分的に着磁
させられ、少なくとも2種類の部分着磁シートが形成さ
れる。そして、基材の表面に、多数の微細な磁性体を含
んでなる透明性を有する塗料が塗布され、その塗料の塗
布された基材が前記1種類の部分着磁シート上に設置さ
れる。或いは、基材が前記1種類の部分着磁シート上に
設置され、その基材の表面に、多数の微細な磁性体を含
んでなる透明性を有する塗料が塗布される。このとき、
該部分着磁シートの磁力により、磁性体の配向及び密度
の少なくとも一方が、部位に応じて変更され、第1の模
様が形成される。
【0018】その後、第1の模様の形成された基材が前
記とは異なる部分着磁シート上に設置される。すると、
今度は、該部分着磁シートの磁力により、磁性体の配向
及び密度の少なくとも一方が、部位に応じて変更され、
第1の模様が形成された上からそれ以外の模様が形成さ
れる。その後、塗料が硬化させられることにより模様を
有する樹脂製品が製造される。
【0019】このように、本実施の形態においても、上
記発明と同様の作用を奏する。また、それに加えて、本
実施の形態によれば、少なくとも2種類の部分着磁シー
トが順次用いられることにより、2種類以上の模様を形
成することが可能となる。特に、第1の模様が形成され
た上から、それ以外の模様が形成されるに際しては、両
者の境界部分において微妙な模様が形成され、より一層
外観品質が高められることとなる。
【0020】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
請求項1〜4に記載の発明の作用に加えて、前記部分着
磁シートを形成する工程においては、未着磁で、かつ、
可撓性を有するシート上に、導電性を有する線状体が所
望の形状に加工され、その線状体に電流が流されること
により、そのときに生じる磁界が利用されて部分的に着
磁が施される。このため、このような工程を経ることに
より、容易に部分着磁シートが得られる。
【0021】併せて、請求項6に記載の発明によれば、
請求項3及び4に記載の発明の作用に加えて、前記第1
の模様が形成された上からそれ以外の模様が形成される
工程は、前記塗料の硬化途中に行われる。このため、そ
れ以外の模様が形成されるに際しては、塗料が幾分固ま
っており、第1の模様が消滅してしまうことがない。一
方、当該第1の模様が形成されている部分は、それ以外
の模様を形成するための部分着磁シートの磁力線の作用
により、第1の模様とは微妙に或いは幾分異なった模様
が形成されることとなり、外観品質がさらに良好なもの
となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図7に基づいて説明する。なお、本実施
の形態では、説明の簡略化のため、表面に斜めのストラ
イプ模様及び「T」の文字をあしらった樹脂プレート1
を本実施の形態に係る樹脂製品として説明することとす
る。
【0023】図1,2に示すように、本実施の形態にお
ける樹脂プレート1は、アクリル樹脂製の基材2と、そ
の上に形成された塗膜層3とを有している。この塗膜層
3の表面には、上述のとおり、斜めのストライプ模様及
び「T」の文字模様が形成されている。
【0024】上記の塗膜層3を形成するに際しては、多
数の微細な磁性体を含んでなる透明性を有する塗料(磁
性塗料)が主として使用されている。より詳しくは、塗
膜層3は、上記磁性塗料(例えば関西ペイント株式会社
製 商品名:レタンPG60磁性塗料)により形成され
てなる磁性塗膜層と、その表面に形成された透明のクリ
ヤ塗料(例えば関西ペイント株式会社製 商品名:ソフ
レックス♯5200クリヤー塗料)により形成されてな
るクリヤ塗膜層とからなっている。
【0025】次に、上記の樹脂プレート1の製造方法に
ついて説明する。まず、樹脂材料により所定形状を有す
る基材2を公知の金型成形法等により成形する。
【0026】続いて、未着磁で、かつ、可撓性を有する
2枚のシート4,5(図3,4参照)を用意する。そし
て、そのうちの1枚のシート(第1のシート)4の上
に、図3に示すように、ストライプ模様を構成するべ
く、導電性を有する線状体6を加工して配置せしめる。
このとき、線状体6としては1本のみを用いた方が着磁
しやすいため望ましい。また、他方のシート(第2のシ
ート)5の上には、図4に示すように、「T」の字を構
成するべく、同じく導電性を有する線状体7を加工して
配置せしめる。このときにも、線状体7としては1本の
みを用いた方が着磁しやすいため望ましい(線状体7の
端縁部を第2のシート5の下部へ潜らせて電気的導通を
可能とする)。そして、それぞれの線状体6,7に電流
を流す。すると、線状体6,7からは磁界が生じ、その
ときに生じる磁界によって上記未着磁のシート4,5が
部分的に着磁され、これにより、第1及び第2の部分着
磁シート8,9(図5,6参照)が得られる。
【0027】次に、図5に示すように、第1の部分着磁
シート8上に、上記成形された基材2を設置し、該基材
2の表面に、上記磁性塗料を塗布する。すると、第1の
部分着磁シート8の磁力により、磁性塗料中の磁性体の
配向及び密度の少なくとも一方が、部位に応じて変更さ
れ、着磁に応じた第1の模様たるストライプ模様が形成
される。
【0028】そして、当該ストライプ模様の形成された
基材2を、図6に示すように、第2の部分着磁シート9
上に設置する。すると、今度は、該第2の部分着磁シー
ト9の磁力により、磁性体の配向及び密度の少なくとも
一方が、部位に応じて変更され、ストライプ模様が形成
された上から、「T」の文字模様が形成される。ここ
で、当該「T」の文字模様を形成する工程は、前記磁性
塗料の硬化途中に行われる。このため、「T」の文字模
様が形成されるに際しては、塗料が幾分固まった状態と
なっており、第2の部分着磁シート9の磁力により、ス
トライプ模様が完全に消滅してしまうことがない。ま
た、当該ストライプ模様が既に形成されている部分と
「T」の文字模様が形成される境界部分は、第2の部分
着磁シート9の磁力線の作用により、既に形成されたス
トライプ模様とは微妙に或いは幾分異なった模様が形成
されることとなる。
【0029】一方、磁力線強度や、第2の部分着磁シー
ト9の設置タイミングを変えることで、上記境界部分の
磁性体の配向、密度を変化させて、例えば図7に示すよ
うに、境界部分の幅を広くとることで「T」の文字の輪
郭をより明確に浮き出させることもできる。
【0030】さらに、その後、クリヤ塗料がその上から
塗布され、80℃で30分間焼き付けられることによ
り、上記の樹脂プレート1が得られるのである。次に、
本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0031】(イ)本実施の形態では、板状体に永久磁
石が固定されていた従来技術とは異なり、未着磁のシー
ト4,5に部分的に着磁が施され、これにより部分着磁
シート8,9が得られる。このため、複雑で、込み入っ
た模様を形成しようとした場合でも、そのような模様を
有するべく着磁させることができる。そして、当該部分
着磁シート8,9を用いることにより、容易にその模様
を形成することができる。
【0032】その結果、模様の内容が比較的複雑であっ
ても、所望とする模様を確実に得ることができ、得られ
た樹脂プレート1は優れた美観を呈しうる。 (ロ)本実施の形態では、説明の便宜上、四角板状の基
材2を用いたが、例え基材2の形状が複雑であったとし
ても、部分着磁シート8,9は可撓性を有するため、基
材2の表面形状に追従して容易に変形しうる。このた
め、場合によっては、このように部分着磁シート8,9
を変形させた状態で、塗料中の磁性体の配向、密度を変
更する作業を行うことにより、塗装面と部分着磁シート
8,9との距離を適切に制御することが可能となる。そ
の結果、所望とする模様をより確実に得ることができ
る。
【0033】(ハ)さらに、本実施の形態では、2枚の
部分着磁シート8,9を用い、一枚の樹脂プレート1の
表面に2種類の異なった模様を構成するようにした。こ
のため、一層の外観品質の向上を図ることができる。
【0034】特に、本実施の形態では、「T」の文字模
様を形成する工程を、磁性塗料の硬化途中に行うように
した。このため、「T」の文字模様が形成されるに際し
ては、塗料が幾分固まった状態となっており、第2の部
分着磁シート9の磁力により、ストライプ模様が完全に
消滅してしまうことがない。一方、当該ストライプ模様
が既に形成されている部分と「T」の文字模様が形成さ
れる境界部分は、第2の部分着磁シート9の磁力線の作
用により、既に形成されたストライプ模様とは微妙に或
いは幾分異なった模様が形成されることとなる。その結
果、より一層の外観品質の向上を図ることができる。
【0035】(ニ)併せて、本実施の形態では、部分着
磁シート8,9を得るに際しては、未着磁のシート3,
4上に、導電性を有する線状体6,7を所望の形状に加
工し、その線状体に電流を流すことにより、そのときに
生じる磁界を利用して部分的に着磁を施すこととした。
このため、このような工程を経ることにより、容易に部
分着磁シート8,9を得ることができる。
【0036】また、一旦得られた部分着磁シート8,9
を一旦消磁し、再度同じような処理を施すことにより、
何度でも利用に供することができ、1枚のシートで異な
った種類の模様を随時形成することができる。そのた
め、本実施の形態の製造方法は、汎用性、応用性に富む
ものとなる。
【0037】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の
一部を適宜に変更して次のように実施することもでき
る。 (1)上記実施の形態では、基材2を第1の部分着磁シ
ート8上に設置した状態で、基材2の表面に、磁性塗料
を塗布するようにした。これに対し、先に基材2の表面
に、磁性塗料を塗布しておき、塗料の塗布された基材2
を第1の部分着磁シート8上に設置するようにしてもよ
い。このように順序を逆にするようにしても、磁性体が
移動可能な状態であれば、第1の部分着磁シート8の磁
力により、塗料中の磁性体の配向及び密度の少なくとも
一方が、部位に応じて変更され、磁力に応じた模様が形
成されうる。
【0038】(2)上記実施の形態では、2枚の部分着
磁シート8,9を用いる構成としたが、1枚のみを用い
ることとしてもよい。また、磁性体が移動可能な状態で
ある限り、3枚以上の部分着磁シートを用いることとし
てもよい。
【0039】(3)上記実施の形態では、模様の例とし
て、ストライプ模様、文字模様を採用したが、製品の用
途等に応じて、格子模様、散点模様等いかなる模様を採
用してもよい。
【0040】(4)上記実施の形態では、樹脂製品とし
て、樹脂プレート1に具体化したが、その他の自動車用
内装品、外装品をはじめ、いかなる樹脂製品に適用して
もよい。特に、本発明では、複雑な形状を有する基材に
も好適に適用することができる。
【0041】(5)基材2の素材、塗料の素材等は、上
記実施の形態に記載されたものに何ら限定されるもので
はない。 (6)上記実施の形態におけるクリヤ塗膜層を省略する
ような構成としてもよい。
【0042】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記実施の形態から把握できる技術的思
想について以下にその効果とともに記載する。 (a)請求項1〜6に記載の模様を有する樹脂製品の製
造方法において、さらに、前記塗料を覆うよう透明性を
有する塗膜層を形成する工程を設けたことを特徴とす
る。
【0043】かかる構成とすることにより、磁性体を含
む塗膜層が保護される等により、製品自体の耐久性を確
保することができる。また、場合によっては、光沢によ
る外観品質のさらなる向上をも図ることができる。
【0044】(b)請求項5,6、上記付記(a)に記
載の模様を有する樹脂製品の製造方法において、前記線
状体は、1本によって構成されていることを特徴とす
る。このような構成とすることにより、着磁作業が容易
なものとなり、作業性の向上を図ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の樹脂製品
の製造方法によれば、基材の形状や、模様の内容が比較
的複雑であっても、所望とする模様を確実に得ることが
でき、優れた美観を呈しうる模様を有する樹脂製品を得
ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における樹脂プレートを示す斜視
図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】未着磁の第1のシートに線状体を設けた状態を
示す模式的な平面図である。
【図4】未着磁の第2のシートに線状体を設けた状態を
示す模式的な平面図である。
【図5】樹脂プレートの製造方法の一工程を示す斜視図
である。
【図6】樹脂プレートの製造方法の一工程を示す斜視図
である。
【図7】別の態様における樹脂プレートを示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…樹脂製品としての樹脂プレート、2…基材、3…塗
膜層、4…第1のシート、5…第2のシート、6,7…
線状体、8…第1の部分着磁シート、9…第2の部分着
磁シート。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料により所定形状を有する基材
    (2)を成形する工程と、 未着磁で、かつ、可撓性を有するシート(3,4)に対
    し、模様を構成するべく、部分的に着磁せしめることに
    より、部分着磁シート(8,9)を形成する工程と、 前記基材(2)の表面に、多数の微細な磁性体を含んで
    なる透明性を有する塗料を塗布する工程と、 前記塗料の塗布された前記基材(2)を前記部分着磁シ
    ート(8,9)上に設置し、該部分着磁シート(8,
    9)の磁力により、前記磁性体の配向及び密度の少なく
    とも一方を、部位に応じて変更させ、模様を形成する工
    程と、 その後、前記塗料を硬化させる工程とを備えたことを特
    徴とする模様を有する樹脂製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂材料により所定形状を有する基材
    (2)を成形する工程と、 未着磁で、かつ、可撓性を有するシート(3,4)に対
    し、模様を構成するべく、部分的に着磁せしめることに
    より、部分着磁シート(8,9)を形成する工程と、 前記基材(2)を前記部分着磁シート(8,9)上に設
    置した状態で、前記基材(2)の表面に、多数の微細な
    磁性体を含んでなる透明性を有する塗料を塗布し、この
    際、前記部分着磁シート(8,9)の磁力によって前記
    磁性体の配向及び密度の少なくとも一方を、部位に応じ
    て変更させ、模様を形成する工程と、 その後、前記塗料を硬化させる工程とを備えたことを特
    徴とする模様を有する樹脂製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂材料により所定形状を有する基材
    (2)を成形する工程と、 未着磁で、かつ、可撓性を有する2枚以上のシート
    (3,4)に対し、それぞれ異なる模様を構成するべ
    く、部分的に着磁せしめ、少なくとも2種類の部分着磁
    シート(8,9)を形成する工程と、 前記基材(2)の表面に、多数の微細な磁性体を含んで
    なる透明性を有する塗料を塗布する工程と、 前記塗料の塗布された前記基材(2)を前記1種類の部
    分着磁シート(8)上に設置し、該部分着磁シート
    (8)の磁力により、前記磁性体の配向及び密度の少な
    くとも一方を、部位に応じて変更させ、第1の模様を形
    成する工程と、 前記第1の模様の形成された前記基材(2)を前記とは
    異なる部分着磁シート(9)上に設置し、該部分着磁シ
    ート(9)の磁力により、前記磁性体の配向及び密度の
    少なくとも一方を、部位に応じて変更させ、前記第1の
    模様が形成された上からそれ以外の模様を形成する工程
    と、 その後、前記塗料を硬化させる工程とを備えたことを特
    徴とする模様を有する樹脂製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂材料により所定形状を有する基材
    (2)を成形する工程と、 未着磁で、かつ、可撓性を有する2枚以上のシート
    (3,4)に対し、それぞれ異なる模様を構成するべ
    く、部分的に着磁せしめ、少なくとも2種類の部分着磁
    シート(8,9)を形成する工程と、 前記基材(2)を前記1種類の部分着磁シート(8)上
    に設置し、前記基材(2)の表面に、多数の微細な磁性
    体を含んでなる透明性を有する塗料を塗布し、この際、
    前記部分着磁シート(8)の磁力により、前記磁性体の
    配向及び密度の少なくとも一方を、部位に応じて変更さ
    せ、第1の模様を形成する工程と、 前記第1の模様の形成された前記基材(2)を前記とは
    異なる部分着磁シート(9)上に設置し、該部分着磁シ
    ート(9)の磁力により、前記磁性体の配向及び密度の
    少なくとも一方を、部位に応じて変更させ、前記第1の
    模様が形成された上からそれ以外の模様を形成する工程
    と、 その後、前記塗料を硬化させる工程とを備えたことを特
    徴とする模様を有する樹脂製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記部分着磁シート(8,9)を形成す
    る工程は、 未着磁で、かつ、可撓性を有するシート(3,4)上
    に、導電性を有する線状体(6,7)を所望の形状に加
    工する工程と、 前記線状体(6,7)に電流を流すことにより、そのと
    きに生じる磁界を利用して部分的に着磁する工程とを含
    んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の模様を有する樹脂製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の模様が形成された上からそれ
    以外の模様を形成する工程は、前記塗料の硬化途中に行
    うことを特徴とする請求項3又は4に記載の模様を有す
    る樹脂製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009122796A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 本田技研工業株式会社 柄模様を有する塗膜の形成方法

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