JPH09261670A - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

Info

Publication number
JPH09261670A
JPH09261670A JP8068811A JP6881196A JPH09261670A JP H09261670 A JPH09261670 A JP H09261670A JP 8068811 A JP8068811 A JP 8068811A JP 6881196 A JP6881196 A JP 6881196A JP H09261670 A JPH09261670 A JP H09261670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image
transmitting
adjacent
regions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8068811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3223103B2 (ja
Inventor
Eiji Yamada
栄二 山田
Tetsuo Iwaki
哲男 岩木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP06881196A priority Critical patent/JP3223103B2/ja
Publication of JPH09261670A publication Critical patent/JPH09261670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3223103B2 publication Critical patent/JP3223103B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Color Television Image Signal Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色モアレが少なく、画質の良い高解像度画像
を得る。 【解決手段】 被写体からの画像光は、光学系63を通
過し、固体撮像素子64の光入射側に備えられる色フィ
ルタの各フィルタ要素を通過する。このフィルタ要素
は、画像光のうち第1〜第4色彩光だけを通過させ、素
子64の対応する受光領域に入射させる。素子64は2
画素混合読出し型の素子であり、2つの色彩光の受光量
に対応する混合データからなる原画像信号を出力する。
通常モードでは、信号処理回路74は単一の原画像信号
から単一の出力画像を生成する。高解像度モードでは、
画像光の結像位置を、斜め方向の4つの位置に平行移動
させる斜めイメージシフトを行う。素子64はイメージ
シフトによって結像位置が移動されるたびに、画像光を
撮像する。回路74は、異なる結像位置で撮像された4
つの原画像信号から単一の出力画像を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単一の固体撮像素
子を用いて、素子の受光領域の数以上の画素から成るカ
ラー画像を得ることができる撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、単一の固体撮像素子を用いて
カラー画像を撮像する単板式の撮像装置が、動画像およ
び静止画像の撮像に用いられる。この撮像装置では、固
体撮像素子の受光領域の数と等しい画素数を有する画像
を撮像することができるけれども、素子の受光領域の数
が少ないと、画像の解像度が低下する。ゆえに、固体撮
像素子を用いた撮像装置において、撮像される画像の解
像度を向上させる技術が様々に提案されている。
【0003】第1の従来技術として、特開平7−996
64号公開公報が挙げられる。本公報には、単一の固体
撮像素子を用いた高精細撮像装置が開示されている。こ
の撮像装置では、素子の受光領域の数以上の数の画素か
ら成る画像を撮像することができる。
【0004】撮像装置はいわゆる単板式の撮像装置であ
り、固体撮像素子の各受光領域上に予め定める色彩光だ
けを通過させる色フィルタを配置する。この色フィルタ
は、たとえば予め定める4種類の色のうちのいずれか1
つの色に対応し、対応した色の光だけを通過させる。色
フィルタは、4色のうちのいずれか1つの色に対応する
フィルタだけが市松状に配置される。
【0005】この撮像装置では、まず上述したフィルタ
を介して入射した光を固体撮像素子の受光領域に受光さ
せる。このとき素子の受光領域に対する光の受光位置
は、画素のピッチの半分の長さだけ水平および垂直方向
に4回移動される。固体撮像素子は、各移動位置ごとに
画像を撮像する。これによって、撮像素子の受光領域間
の画像を撮像することができるので、この撮像装置の等
価的な受光領域数が増加する。次いで、撮像された4枚
の画像を、撮像時のずれと同様にずらして重ね合わせ
る。これによって、用いられる固体撮像素子の受光領域
の数よりも多い画素から成る画像を撮像することができ
る。
【0006】第2の従来技術として、特開平6−225
317号公開公報が挙げられる。本公報には、固体撮像
素子の受光領域よりも多い数の画素から成る画像を撮像
することができる電子スチルカメラが開示されている。
【0007】図28は、第2の従来技術である電子スチ
ルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。電子
スチルカメラ1は、いわゆる単板式の撮像装置である。
【0008】被写体からの画像光は、光学系3を介して
固体撮像素子4の受光領域上に結像する。固体撮像素子
4には、複数の受光領域が二次元平面である結像面上に
行列状に配置される。この結像面には、後述する色フィ
ルタがかぶせられている。画像光は、光学系3において
所望の状態に集光された後、色フィルタを通過して各受
光領域に受光される。
【0009】図28の電子スチルカメラ1は、通常モー
ドおよび高解像度モードとを切換えることができる。通
常モードでは、固体撮像素子4の受光領域の数と同等の
数の画素から成る出力画像が得られる。高解像度モード
では、素子4の受光領域の数よりも多い画素から成る出
力画像が得られる。高解像度モードでは、いわゆるイメ
ージシフト動作が行われる。
【0010】固体撮像素子4は、画像光を撮像して、原
画像信号を前処理回路5に出力する。この原画像信号
は、各受光領域において受光された光の受光量に対応す
る受光データから成る。このとき、各受光領域からの受
光データは、個別的に読出される。前処理回路5では、
素子4から与えられた原画像信号を増幅し、ホワイトバ
ランス調整およびγ補正などの処理を施す。処理が施さ
れた信号は、アナログ/デジタル変換回路(図面では
「A/D変換回路」と略称する)6においてアナログ信
号がデジタル信号に変換された後、画像メモリ7にスト
アされる。
【0011】信号処理回路8は、画像メモリ7に少なく
とも単一の出力画像に対応するだけの原画像信号がスト
アされると、画像メモリ7にストアされた信号を読出
す。信号処理回路8では、読出した原画像信号の受光デ
ータに基づいて、出力画像の輝度信号および色差信号を
生成する。生成された輝度信号および色差信号は、たと
えば単一の出力画像毎に関連されて圧縮処理が施された
後、記録媒体9に記録される。
【0012】この電子スチルカメラ1では、通常モード
では単一の原画像信号から単一の出力画像信号を生成す
る。出力画像は、出力画像信号を目視表示したものであ
る。また高解像度モードにおいては、複数の原画像信号
から単一の出力画像信号を生成する。これら複数の原画
像信号は、固体撮像素子4の結像面における画像光の結
像位置を移動させて複数回画像光を撮像して得られる。
結像面での結像位置を移動させるには、たとえば光学系
3において画像光の光軸を予め定めるシフト方向に予め
定めるシフト長さだけ平行移動させる。また別の手法と
しては、画像光の光軸の位置を固定して、固体撮像素子
4の配置位置を所望とするシフト方向にシフト長さだけ
光軸に対して移動させるようにしてもよい。このよう
に、画像光の結像位置を移動させる動作を、イメージシ
フト動作と称する。
【0013】電子スチルカメラ1の使用者はモード切換
え回路11を操作して、通常モードと高解像度モードと
を切換える。モード切換え回路11から出力される信号
が高解像度モードを示すとき、同期信号発生回路12は
同期信号を発生する。駆動回路13は、同期信号発生回
路12から出力される同期信号に基づいて、光学系3ま
たは固体撮像素子4の構成要素を駆動して画像光の光軸
を移動させる。また同期信号は、メモリコントロール回
路14に与えられる。メモリコントロール回路14は、
同期信号に基づいて、アナログ/デジタル変換回路6か
ら出力される原画像を示す原画像信号の記憶手法を制御
する。
【0014】図29は、固体撮像素子4の色フィルタ1
6のフィルタ要素17の配置状態を示す図である。色フ
ィルタ16では、複数の透光領域であるフィルタ要素1
7が、垂直方向Vおよび水平方向Hに沿って行列状に配
置される。図29において、実線で囲まれた矩形領域が
各フィルタ要素17を示す。また各フィルタ要素の矩形
領域内に描かれる記号は、そのフィルタ要素17におい
て通過される色彩光の色を示す。「Ye」は黄色を示
す。同様に「Cy」はシアンを示し、「Mg」はマゼン
タを示し、「G」は緑を示す。
【0015】各フィルタ要素17は、垂直方向Vに沿っ
て周期PVで配置される。また要素17は、水平方向H
に沿って周期PHで配置される。この色フィルタ16の
フィルタ要素17の配置状態は、固体撮像素子4の受光
領域の配置状態と等価である。
【0016】各フィルタ要素17の配置は、2点鎖線2
1で囲む4行2列の8つのフィルタ要素17の配置を基
本配置パターンとして、基本配置パターンが垂直方向V
および水平方向Hに複数回繰返される。その基本配置パ
ターンでは、マゼンタのフィルタ要素17と緑のフィル
タ要素17とが、黄色のフィルタ要素17を1つ介して
交互に垂直方向Vに沿って並べられる。また、緑のフィ
ルタ要素17とマゼンタのフィルタ要素17とが、シア
ンのフィルタ要素17を介して交互に配置される。さら
に水平方向Hにおいて、黄色のフィルタ要素17および
シアンのフィルタ要素17、ならびに緑のフィルタ要素
17およびマゼンタのフィルタ要素17が、それぞれ水
平方向Hに沿って交互に配置される。
【0017】図30は、図28の電子スチルカメラ1に
おいて、通常モードで撮像された出力画像の輝度の基底
帯域、および水平および垂直方向H,Vの色差信号のキ
ャリア周波数を示す空間周波数平面図である。空間周波
数平面図は、いわゆるCZPチャートに対応するもので
ある。
【0018】出力画像において、出力画像における画素
の配列周期の逆数である出力画像のサンプリング周波数
を、輝度信号のサンプリング周波数とする。電子スチル
カメラ1の通常モードでは、出力画像の各画素の輝度信
号のレベルは、各画素毎に得られる。
【0019】出力画像の画素の配置は、固体撮像素子4
の受光領域の配置と等価である。すなわち画素の配列は
色フィルタ16のフィルタ要素17の配列と等価であ
る。垂直方向Vにおいて、画素は周期PVで配列され
る。また水平方向Hにおいて、画素は周期PHで配列さ
れる。したがって、水平および垂直方向H,Vの輝度信
号のサンプリング周波数fH,fVは、以下の式で示さ
れる。
【0020】 fH=1/PH …(1) fV=1/PV …(2) 空間周波数平面において、水平および垂直方向H,Vの
輝度信号のスペクトルのうち、画像光のスペクトルと一
致する所望信号成分が存在しうる領域を、輝度の基底領
域と称する。本従来技術の電子スチルカメラ1におい
て、輝度の基底領域は、(fH/2,0)、(fH/
2,fV/2)、(−fH/2,fV/2)および(−
fH/2,0)の4点を頂点とした矩形領域となる。図
30では、輝度の基底領域に斜線を付して示す。また、
色差信号のキャリア周波数のうち、輝度の基底領域内に
存在するものは、以下に示す7箇所である。この7つの
キャリア周波数の位置に図面では○印を付して示す。
【0021】 ( fH/2,0 ) (−fH/2,0 ) ( fH/2,fV/4) (−fH/2,fV/4) ( fH/2,fV/2) (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) …(3) このような位置に現れるキャリア周波数を中心とした色
差信号の折返し成分は、輝度の基底領域内に現れる輝度
信号成分と重なり合って干渉する。これによって、色モ
アレが生じる。
【0022】図31は、図28の電子スチルカメラ1の
高解像度モードにおいて、固体撮像素子4の画像光の結
像位置の移動位置の位置関係を示す図である。高解像度
モードでは、固体撮像素子4の結像面上における画像光
の結像位置を第1位置Qa〜第4位置Qdの4通りの移
動位置に変位させる。第1位置Qaは、たとえば通常モ
ードにおける画像光の結像位置である。第2位置Qbは
第1位置Qaから水平方向Hにシフト長さPHだけ移動
した位置である。第3位置Qcは、第1位置Qaから水
平方向Hにシフト長さ(−PH/2)および垂直方向に
シフト長さ(PV/2)だけ移動した位置である。第4
位置Qdは、第1位置Qaから垂直方向にシフト長さ
(PV/2)および水平方向にシフト長さ(PH/2)
だけ移動した位置である。シフト長さが負の値であると
きは、シフト長さが正の値であるときのシフト移動と同
じ方向に平行で相反する向きに、第1位置Qaからシフ
ト移動することを示す。
【0023】固体撮像素子4は、被写体からの画像光の
結像位置が上述した4つの移動位置にそれぞれ移動され
る度に、画像光を撮像して原画像信号を出力する。これ
らの原画像信号は、画像メモリ7にストアされた後、信
号処理回路8に与えられる。信号処理回路8では、上述
した第1〜第4位置Qa〜Qdにずらせて移動させて得
た原画像を図31に示す位置のシフト方向とは逆向きに
同じシフト長さだけ移動させて重ね合わせる。これによ
って、固体撮像素子4の受光領域の数以上の画素から成
る出力画像が形成される。
【0024】図32は、高解像度モードにおいて生成さ
れる出力画像のうち、各原画像の前述した基本単位21
から成る部分の画素配置を示す図である。上述したよう
に、固体撮像素子4での結像位置は、光電変換素子であ
る受光領域の水平および垂直方向H,Vの配列周期P
H,PVの半分の長さだけ移動される。ゆえに、高解像
度モードの出力画像の画素の数は、通常モードの出力画
像の画素の数の4倍となり、画素1つ当たりの面積が4
分の1となる。
【0025】図32において、実線で描かれる矩形領域
は、輝度信号および色差信号の画素単位の成分が直接得
られる画素である。この画素を以後「実画素」と称す
る。破線で示される矩形領域は、実画素の輝度信号およ
び色差信号から輝度信号および色差信号を補間して得る
画素である。この画素を以後「仮想画素」と称する。矩
形領域内に「Fa」と描かれた実画素では、黄色および
シアンのフィルタ要素を通過した光を受光する受光領域
からの受光データが該当する。「Fb」と描かれた実画
素には、緑およびマゼンタのフィルタ要素を通過した光
を受光する受光領域からの受光データが該当する。
【0026】高解像度モードの出力画像では、黄色およ
びシアンの受光データが該当する実画素と、緑およびマ
ゼンタの受光データが該当する実画素とが、2列置きに
交互に配置される。実画素と仮想画素とは水平および垂
直方向H,Vに隣接し、各画素がそれぞれ市松状に配置
される。このように高解像度モードの出力画像では、水
平および垂直方向H,Vの画素の配列数が増加し、かつ
画素の配列周期が短くなる。ゆえにこの出力画像では、
通常モードの出力画像と比較して、水平および垂直方向
の画像の解像度がほぼ2倍となる。
【0027】図33は、図28の電子スチルカメラ1の
高解像度モードにおいて、生成される出力画像の輝度の
基底領域および色差信号のキャリア周波数を示す空間周
波数平面図である。高解像度モードの出力画像は、水平
および垂直方向H,Vの画素の配列数がそれぞれ通常モ
ードの出力画像の2倍となり、画素の配列周期が半分と
なる。ゆえに水平および垂直空間周波数軸上の基底領域
の範囲がそれぞれ2倍となる。
【0028】また、各受光領域からの受光データは、黄
色およびシアンの受光データ、ならびに緑およびマゼン
タの受光データの2組のデータに分けられ、かつ個々の
組のデータは垂直方向Vに沿って2行毎に切換わる。こ
れによって、モアレの原因となる色差信号のキャリア周
波数が、通常モードと比較して異なる。
【0029】また、高解像度モードにおける結像位置の
移動位置の別の例を、図34に示す。第1位置Qaは、
通常モードにおける結像位置である。第2位置Qbは、
第1位置Qaから水平方向Hにシフト長さPHだけ移動
した位置である。第3位置Qcは、第1位置Qaから垂
直方向Vにシフト長さPVだけ移動し、かつ水平方向H
にシフト長さ(−PH/2)だけ移動した位置である。
第4位置Qdは、第1位置Qaから垂直方向Vにシフト
長さPVだけ移動し、水平方向Hにシフト長さ(PH/
2)だけ移動した位置である。これによって、高解像度
モードの出力画像の水平方向Hの画素の配列数は、通常
モードの画素の配列数の2倍となる。
【0030】図35は、電子スチルカメラ1において、
図34に示す移動位置へのイメージシフトを行った高解
像度モードの出力画像の、輝度の基底領域および色差信
号のキャリア周波数を示す空間周波数平面図である。輝
度の基底領域は、水平方向Hに関して、前述した通常モ
ードの基底領域と比べて2倍に広がっている。垂直方向
に関しては変化がない。モアレの原因となる色差信号の
キャリア周波数は、(fH,fV/2)および(−f
H,fV/2)に現れる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】このように、単板式の
撮像装置では、その色フィルタのフィルタ要素の配置、
イメージシフト動作における移動位置が異なると、それ
ぞれ違う位置にキャリア周波数が現れる。また、従来技
術の撮像装置および電子スチルカメラでは、イメージシ
フト動作の移動方向が互いに交差する2方向であったの
で、結像位置の移動機構が複雑なものになる。このよう
な複雑な移動機構は、部品点数が多くコストが増大す
る。
【0032】本発明の目的は、単板式の撮像装置におい
て、通常モードの高画質化と高解像度モードの高画質化
とを同時に図ることができる撮像装置を提供することで
ある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1〜第4色
彩光にそれぞれ対応し、入射される画像光のうち対応す
る色彩光だけを通過させる複数の第1〜第4透光領域を
有する色分離フィルタ手段であって、各透光領域は、2
次元平面上に予め定める一方方向および一方方向と直交
する他方方向に平行に、一方方向に予め定める第1の周
期でかつ他方方向に予め定める第2の周期で行列状に配
置され、第1および第3透光領域が他方方向に沿って隣
接して交互に配置される第1の行と、第2および第4透
光領域が他方方向に沿って隣接して交互に配置される第
2の行とが、一方方向に沿って隣接して交互に配置さ
れ、第2透光領域には、一方方向に沿って第1透光領域
と第3透光領域とが隣接して配置され、第4透光領域に
は、一方方向に沿って第1透光領域と第3透光領域とが
隣接して配置される色分離フィルタ手段と、画像光を撮
像して、画像信号を出力する撮像素子であって、色分離
フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受光領域
が2次元平面上に配置され、各受光領域では、対応した
透光領域を通過した色彩光だけを受光し、各受光領域の
受光量を示す画素データを、前記一方方向に沿って隣接
する複数の各受光領域において混合して、一括して出力
し、各受光領域からの画素データから構成される画像信
号を出力する撮像素子と、前記撮像素子に入射される画
像光の受光位置を、前記一方方向に第1の周期の半分の
長さのi倍(i=0,1)の長さだけ、相互にずれた移
動位置に、相対的に移動させる移動手段と、撮像素子の
出力に応答し、出力された2つの画像信号を色彩光の空
間的位置が一致するように重ね合わせて、合成画像信号
を生成する画像生成手段と、画像の撮像が開始される
と、移動手段によって画像光の受光位置を各回毎に異な
る移動位置に移動させ、各移動位置で撮像素子に画像光
を撮像させ、各受光領域の画素データを複数の領域毎に
混合して読出して画像生成手段に与える制御手段とを含
むことを特徴とする撮像装置である。本発明に従えば、
撮像装置は、単一の撮像素子でカラー画像を撮像する単
板式の撮像装置である。撮像装置に入射された被写体か
らの画像光は、色分離フィルタ手段を通過する。色分離
フィルタ手段は、複数の第1〜第4透光領域を有する。
これら透光領域は、2次元平面上に(4×2)個の透光
領域を基本配置パターンとする上述した構成を有する。
各透光領域は、画像光のうち予め定める色彩光だけを通
過させる。色彩光のスペクトルは、予め定める周波数帯
域内に存在し、予め定める1または複数の周波数を中心
とした山形の波形を示す。第1〜第4透光領域は、それ
ぞれ異なる色彩光だけを通過させる。これら色彩光はた
とえば、全ての色彩光を混合すると白色光となるような
組合わせの色が選ばれる。このような色彩光は、たとえ
ば原色系の赤青緑、または補色系の緑、黄、シアン、マ
ゼンタである。色分解フィルタ手段を通過した画像光
は、撮像素子の結像面に結像される。この結像面は2次
元平面であり、透光領域の数と等しい数の受光領域が一
方方向および他方方向に沿って行列状に配置される。各
受光領域は、フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応
し、対応した透光領域を通過した色彩光だけを受光す
る。フィルタ手段と撮像素子とは、一体的に形成される
ことが好ましい。撮像素子の結像面の光入射側には、移
動手段が設けられる。移動手段では、入射された画像光
の結像面での受光位置を、予め定める移動位置に移動さ
せる。予め定める移動位置は、たとえば2箇所存在す
る。この2箇所のうち一方の位置を基準位置とすると、
他方の位置は一方の位置からフィルタ手段の透光領域の
配列の一方方向と平行に、その方向の配列周期の半分の
シフト長さだけ移動された位置である。移動手段は、た
とえば色分離フィルタ手段の光入射側に設けられ、フィ
ルタ手段に入射される画像光の光軸を平行移動させる構
成を有する。受光位置を各移動位置に移動させるとき、
移動手段は画像光の光軸を一方方向に沿って前述したシ
フト長さだけ平行移動させる。このように、結像面にお
ける受光位置を移動させる動作をイメージシフト動作と
称する。また、上述する2つの移動位置に受光位置を移
動させるイメージシフト動作を、平行2ポジションイメ
ージシフトと称する。撮像素子は、移動手段がイメージ
シフトを行って受光位置が移動される度に、画像光を撮
像して原画像信号を出力する。原画像信号は、各受光領
域で受光した色彩光の受光量を示す受光データから構成
される。この撮像素子は、各受光領域からの画素データ
を一方方向に隣接する他の受光領域からの画素データと
混合して出力する。このような素子は、2画素混合読出
し型と称される。ゆえに、原画像信号の各受光データ
は、2つの受光データが混合された混合データの形態で
出力される。画像光は、透光領域の配列方向である一方
および他方方向に平行な空間軸上で連続的に輝度変化す
る。撮像素子は、空間軸に平行に配列される複数の受光
領域でこの画像光を受光する。ゆえに、原画像は、連続
的な画像光を受光領域単位で平滑化した画像となる。す
なわち、輝度が連続して変化する画像光を受光領域単位
でサンプリングしたことと等価である。原画像は、原画
像信号を仮想的に目視表示した画像である。撮像素子で
撮像された原画像信号は、画像生成手段に与えられる。
画像生成手段は、複数の原画像信号から、合成画像信号
を生成する。単一の合成画像信号の生成には、異なる移
動位置に受光位置が移動された時に撮像された画像光に
対応する原画像信号が用いられる。画像生成手段では、
色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
成画像信号を生成する。合成画像は、各原画像を、受光
位置のシフト方向とは逆向きに同じシフト長さだけ重ね
合わせた画像と等しい。合成画像とは、合成画像信号を
仮想的に目視表示した画像である。画像生成手段は、合
成画像の各画素に対して、画素データから輝度信号およ
び2種類の色差信号を生成して、これら信号から成る出
力画像信号を生成する。さらにこの合成画像に基づい
て、補間処理を行うこともある。本発明のイメージシフ
トにおいて、シフト方向は一方方向であり、シフト長さ
はフィルタ手段の透光領域の配列周期の半分である。一
方および他方の位置に受光位置があるときに撮像され出
力された原画像信号を、それぞれ第1および第2原画像
と称する。合成画像において、第1原画像の各画素は、
第2原画像の画素のうち一方方向と平行に配置される2
つの画素の間に配置される。ゆえに、合成画像を構成す
る画素の数は、原画像信号の画素の数よりも多い。さら
に、合成画像が原画像と同一の大きさを有するとき、一
方方向の画素の数が2倍となり、各画素の大きさが半分
になる。したがって、一方方向の画像の解像度が2倍と
なる。また、本発明の撮像装置は単板式の装置であり、
撮像素子の各受光領域には、単一の色彩光が入射され
る。かつ、撮像素子は2画素混合読出し型の素子であ
る。このような撮像装置で得られる合成画像では、輝度
信号は合成画像の各画素毎に、画素データに基づいて求
められる。また色差信号は、合成画像の各画素において
いずれか一方しか求めることができない。いずれか他方
の色差信号は、他の画素に求められた同一種類の色差信
号から補間する。これら輝度信号および色差信号は、画
素単位で求められる。ゆえに、この出力画像全体の輝度
信号および色差信号はデジタル信号であり、折返し成分
を含む。上述したように、輝度信号および色差信号の出
力画像の画素への対応関係が異なる。輝度信号および色
差信号のサンプリング周波数は、各信号が対応する実画
素の配列周期の逆数と見なされる。ゆえに、色差信号の
サンプリング周波数は、輝度信号のサンプリング周波数
よりも小さい。これによって、色差信号の折返し成分と
輝度信号の所望信号成分とが干渉して、色モアレが生じ
る。本発明の撮像装置の色分離フィルタ手段および撮像
素子を用い、平行2ポジションイメージシフトを行う
と、輝度信号のサンプリング周波数は、一方方向に関し
てイメージシフトを行わないときの2倍になる。これに
よって、出力画像の画質をさらに向上することができ
る。また、前述した移動手段は一方方向にだけ受光位置
を移動させる。このようにシフト方向が1方向である移
動手段は、シフト方向が複数方向にわたる従来の移動手
段と比較して、簡単な構成で実現することができる。
【0034】また本発明は、第1〜第4色彩光にそれぞ
れ対応し、入射される画像光のうち対応する色彩光だけ
を通過させる複数の第1〜第4透光領域を有する色分離
フィルタ手段であって、各透光領域は、2次元平面上に
予め定める一方方向および一方方向と直交する他方方向
に平行に、一方方向に予め定める第1の周期でかつ他方
方向に予め定める第2の周期で行列状に配置され、第1
および第3透光領域が他方方向に沿って隣接して交互に
配置される第1の行と、第2および第4透光領域が他方
方向に沿って隣接して交互に配置される第2の行とが、
一方方向に沿って隣接して交互に配置され、第2透光領
域には、一方方向に沿って第1透光領域と第3透光領域
とが隣接して配置され、第4透光領域には、一方方向に
沿って第1透光領域と第3透光領域とが隣接して配置さ
れる色分離フィルタ手段と、画像光を撮像し、画像信号
を出力する撮像素子であって、色分離フィルタ手段の各
透光領域に個別的に対応した受光領域が2次元平面上に
配置され、各受光領域では、対応した透光領域を通過し
た色彩光だけを受光し、各受光領域の受光量を示す画素
データを、前記一方方向に沿って隣接する複数の各受光
領域において混合して、一括して出力し、各受光領域か
らの画素データから構成される画像信号を出力する撮像
素子と、前記撮像素子に入射される画像光の受光位置
を、前記一方方向に第1の周期の半分の長さのi倍(i
=0,1,2,3)の長さだけ、かつ前記他方方向に第
2の周期の半分の長さのi倍の長さだけ相互にずれた第
1〜第4移動位置に、相対的に移動させる移動手段と、
撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
成画像信号を生成する画像生成手段と、画像の撮像が開
始されると、移動手段によって画像光の受光位置を各回
毎に異なる移動位置に移動させ、各移動位置で撮像素子
に画像光を撮像させ、各受光領域の画素データを複数の
領域毎に混合して読出して画像生成手段に与える制御手
段とを含むことを特徴とする撮像装置である。本発明に
従えば、撮像装置は、単一の撮像素子でカラー画像を撮
像する単板式の撮像装置である。この撮像素子は、2画
素混合読出し型の素子である。この撮像素子にかぶせら
れる色分離フィルタ手段は(4×2)のフィルタ要素を
基本配置パターンとする上述した構成を有する。フィル
タ手段は、装置に入射した画像光のうち、各透光領域で
予め定める色彩光だけを通過させて、撮像素子の結像面
の対応する受光領域に受光させる。撮像素子の結像面の
光入射側には、移動手段が設けられる。移動手段では、
入射された画像光の結像面での受光位置を、予め定める
4箇所の移動位置に移動させる。この4箇所の移動位置
のうちの1つの位置を基準位置である第1の位置とする
と、第2〜第4の位置は、第1の位置からフィルタ手段
の透光領域の配列の一方および他方方向に沿って、その
方向の配列周期の半分の長さのi倍であるシフト長さだ
け移動された位置である。iは、1、2および3であ
る。ゆえに、移動位置は、一方および他方方向に平行で
大きさが各方向の配列周期である2つの基本ベクトルで
規定される斜め方向に平行に移動する。上述する4つの
移動位置に受光位置を移動させるイメージシフト動作
を、斜め4ポジションイメージシフトと称する。撮像素
子は、各移動位置に受光位置が移動される度に画像光を
撮像して、原画像信号を出力する。第1〜第4受光位置
に受光位置が一致する時に撮像された原画像信号を第1
〜第4原画像信号と称する。画像生成手段では、第1〜
第4原画像信号を色彩光の空間的位置が一致するように
重ね合わせて、合成画像信号を生成する。さらにこの合
成画像信号から、出力画像信号を生成する。本発明のイ
メージシフトにおいて、シフト方向は斜め方向であり、
シフト長さはフィルタ手段の透光領域の一方および他方
方向の配列周期の半分である。ゆえに、第1〜第4原画
像は、斜め方向にずらして重ねられる。合成画像では、
第2および第4原画像の各画素は、第1原画像の画素の
うち斜め方向に配置される2つの画素の間に位置する。
さらに、第3原画像の画素は、第1原画像の斜め方向に
1つずれた画素に重ねられる。ゆえに、合成画像を構成
する画素の数は、原画像信号の画素の数よりも多い。さ
らに、合成画像が原画像と同一の大きさを有するとき、
斜め方向の画素の数が2倍となる。したがって、一方お
よび他方方向の画像の解像度が2倍となる。また、前述
した移動手段は一方方向にだけ受光位置を移動させる。
このようにシフト方向が1方向である移動手段は、シフ
ト方向が複数方向にわたる従来の移動手段と比較して、
簡単な構成で実現することができる。
【0035】また本発明は、第1〜第4色彩光にそれぞ
れ対応し、入射された画像光のうち対応する色彩光だけ
を通過させる複数の第1〜第4透光領域を有する色分離
フィルタ手段であって、各透光領域は、2次元平面上に
予め定める一方方向および一方方向と直交する他方方向
に平行に、一方方向に予め定める第1の周期でかつ他方
方向に予め定める第2の周期で行列状に配置され、第1
透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第2透
光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向きと反
対の第2の向き側に第4透光領域が隣接し、さらに他方
方向に沿って両側に第3透光領域が隣接して配置され、
第2透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
3透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
と反対の第2の向き側に第1透光領域が隣接し、さらに
他方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接して配置さ
れ、第3透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側
に第4透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の
向きと反対の第2の向き側に第2透光領域が隣接し、さ
らに他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接して配
置され、第4透光領域には、一方方向に沿った第1の向
き側に第1透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第
1の向きと反対の第2の向き側に第3透光領域が隣接
し、さらに他方方向に沿って両側に第2透光領域が隣接
して配置される色分離フィルタ手段と、画像光を撮像
し、画像信号を出力する撮像素子であって、色分離フィ
ルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受光領域が2
次元平面上に配置され、各受光領域は、対応した各透光
領域を通過した色彩光だけをそれぞれ受光して、各受光
領域の受光量を示す画素データを個別的に出力し、各受
光領域の画素データから構成される画像信号を出力する
撮像素子と、前記撮像素子における入射される画像光の
受光位置を、前記一方方向にだけ、第1の周期の半分の
長さのi倍(i=0,1,2,3)の長さだけ相互にず
れた第1〜第4移動位置に、相対的に移動させる移動手
段と、撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像
信号を色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせ
て、合成画像信号を生成する画像生成手段と、画像の撮
像が開始されると、移動手段によって画像光の受光位置
を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動位置で撮
像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素データを
個別的に読出して画像生成手段に与える制御手段とを含
むことを特徴とする撮像装置である。本発明に従えば、
撮像装置は、単一の撮像素子でカラー画像を撮像する単
板式の撮像装置である。この撮像素子にかぶせられる色
分離フィルタ手段は(4×2)のフィルタ要素を基本配
置パターンとする上述した構成を有する。フィルタ手段
は、装置に入射した光のうち、各透光領域で予め定める
色彩光だけを通過させて、撮像素子の結像面の対応する
受光領域に受光させる。撮像素子の結像面の光入射側に
は、移動手段が設けられる。移動手段では、入射された
画像光の結像面での受光位置を、予め定める4箇所の移
動位置に移動させる。この4箇所の移動位置のうちの1
つの位置を基準位置である第1の位置とすると、第2〜
第4の位置は、第1の位置からフィルタ手段の透光領域
の配列の一方方向に沿って、その方向の配列周期の半分
の長さのi倍であるシフト長さだけ移動された位置であ
る。iは、1、2および3である。ゆえに、移動位置
は、一方方向に平行に移動する。このように、一方方向
に平行に4つの移動位置に受光位置を移動させるイメー
ジシフト動作を、平行4ポジションイメージシフトと称
する。撮像素子は、各移動位置に受光位置が移動される
度に画像光を撮像して、第1〜第4原画像信号を出力す
る。この撮像素子は、各受光領域からの画素データを各
受光領域ごとに個別的に出力する。このような撮像素子
は、いわゆる全画素読出し型の素子である。各原画像信
号は、個別的な画素データから構成される。画像生成手
段では、第1〜第4原画像信号を色彩光の空間的位置が
一致するように重ね合わせて、合成画像信号を生成す
る。さらにこの合成画像信号から、出力画像信号を生成
する。本発明のイメージシフトにおいて、シフト方向は
一方方向であり、シフト長さはフィルタ手段の透光領域
の配列周期の半分の整数倍である。合成画像において、
第2および第4原画像の各画素は相互に重なり、第1原
画像の画素のうち一方方向に配置される2つの画素の間
に配置される。さらに第3原画像の各画素は、第1原画
像の画素と重なる。ゆえに、合成画像を構成する画素の
数は、原画像信号の画素の数よりも多い。さらに、合成
画像が原画像と同一の大きさを有するとき、一方方向の
画素の数が2倍となり、各画素の大きさが半分になる。
したがって、一方方向の画像の解像度が2倍となる。ま
た、本発明の撮像装置は単板式の装置であり、撮像素子
の各受光領域には、単一の色彩光が入射される。かつ、
撮像素子は全画素読出し型の素子である。このような撮
像装置で得られる合成画像では、輝度信号、および2種
類の色差信号が合成画像の各画素毎に、画素データに基
づいて求められる。ゆえに、輝度信号と色差信号とのサ
ンプリング周波数が一致する。したがって、色差信号の
折返し成分と輝度信号の所望信号成分とが干渉すること
を防止する。これによって、モアレの発生を防止するこ
とができる。このように本発明の撮像装置では、2画素
混合読出し型の撮像素子を用いた撮像装置よりも、得ら
れる出力画像の画質が向上する。また、前述した移動手
段は一方方向にだけ受光位置を移動させる。このように
シフト方向が1方向である移動手段は、シフト方向が複
数方向にわたる従来の移動手段と比較して、簡単な構成
で実現することができる。
【0036】また本発明は、第1〜第4色彩光にそれぞ
れ対応し、入射された画像光のうち対応する色彩光だけ
を通過させる複数の第1〜第4透光領域を有する色分離
フィルタ手段であって、各透光領域は、2次元平面上に
予め定める一方方向および一方方向と直交する他方方向
に平行に、一方方向に予め定める第1の周期でかつ他方
方向に予め定める第2の周期で行列状に配置され、第1
透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第2透
光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向きと反
対の第2の向き側に第4透光領域が隣接し、さらに他方
方向に沿って両側に第3透光領域が隣接して配置され、
第2透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
3透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
と反対の第2の向き側に第1透光領域が隣接し、さらに
他方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接して配置さ
れ、第3透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側
に第4透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の
向きと反対の第2の向き側に第2透光領域が隣接し、さ
らに他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接して配
置され、第4透光領域には、一方方向に沿った第1の向
き側に第1透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第
1の向きと反対の第2の向き側に第3透光領域が隣接
し、さらに他方方向に沿って両側に第2透光領域が隣接
して配置される色分離フィルタ手段と、画像光を撮像
し、画像信号を出力する撮像素子であって、色分離フィ
ルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受光領域が2
次元平面上に配置され、前記受光領域は、対応した各透
光領域を通過した色彩光だけをそれぞれ受光して、各受
光領域の受光量を示す画素データを個別的に出力し、各
受光領域からの画素データから構成される画像信号を出
力する撮像素子と、前記撮像素子における画像光の受光
位置を、予め定める基準位置、基準位置から前記一方方
向のいずれか一方の向きにその周期の長さだけ、かつ前
記他方方向のいずれか一方の向きにその周期の半分の長
さだけずれた第1移動位置、基準位置から前記一方方向
のいずれか一方の向きにその周期の長さだけ、かつ前記
他方方向のいずれか他方の向きにその周期の半分の長さ
だけずれた第2移動位置、および基準位置から前記一方
方向のいずれか一方の向きにその周期の2倍の長さだけ
ずれた第3移動位置に相対的に移動させる移動手段と、
撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
成画像信号を生成する画像生成手段と、画像の撮像が開
始されると、移動手段によって画像光の受光位置を各回
毎に異なる移動位置に移動させ、各移動位置で撮像素子
に画像光を撮像させ、各受光領域の画素データを個別的
に読出して画像生成手段に与える制御手段とを含むこと
を特徴とする撮像装置である。本発明に従えば、撮像装
置は、単一の撮像素子でカラー画像を撮像する単板式の
撮像装置である。この撮像素子は、全画素読出し型の素
子である。この撮像素子にかぶせられる色分離フィルタ
手段は、(4×2)のフィルタ要素を基本配置パターン
とする上述した構成を有する。フィルタ手段は、装置に
入射した光のうち、各透光領域で予め定める色彩光だけ
を通過させて、撮像素子の結像面の対応する受光領域に
受光させる。撮像素子の結像面の光入射側には、移動手
段が設けられる。移動手段では、入射された画像光の結
像面での受光位置を、予め定める4箇所の移動位置に移
動させる。この4箇所の移動位置は、そのうちの1つの
位置を基準位置とすると、上述した位置関係を示す。ゆ
えに、移動位置は、一方方向および斜め方向に平行に移
動する。このように、基準位置から複数の方向にある4
つの移動位置に受光位置を移動させるイメージシフト動
作を、複数軸4ポジションイメージシフトと称する。撮
像素子は、各移動位置に受光位置が移動される度に画像
光を撮像して、原画像信号を出力する。画像生成手段で
は、第1〜第4原画像信号を色彩光の空間的位置が一致
するように重ね合わせて、合成画像信号を生成する。さ
らにこの合成画像信号から、出力画像信号を生成する。
本発明のイメージシフトにおいて、第1〜第4原画像
は、それぞれ異なる方向にずらして重ねられる。合成画
像では、第2および第4原画像の各画素は相互に重な
り、第1原画像の画素のうち相互に直交する2種類の斜
め方向に配置される2つの画素の間にそれぞれ配置され
る。さらに、第3原画像の画素は、第1原画像の他方方
向に1つずれた画素に重ねられる。ゆえに、合成画像を
構成する画素の数は、原画像信号の画素の数よりも多
い。さらに、合成画像が原画像と同一の大きさを有する
とき、他方方向の画素の数が2倍となり、各画素の大き
さが半分になる。したがって、他方方向の画像の解像度
が2倍となる。また、本発明の撮像装置は単板式の装置
であり、撮像素子の各受光領域には、単一の色彩光が入
射される。かつ、撮像素子は全画素読出し型の画素であ
る。このような撮像装置で得られる出力画像の輝度信号
と色差信号とのサンプリング周波数は一致する。したが
って、色差信号の折返し成分と輝度信号の所望信号成分
とが干渉することを防止して、モアレの発生を押さえる
ことができる。このように、本発明の撮像装置では、2
画素混合読出し型の撮像素子を用いた撮像装置よりも、
得られる出力画像の画質が向上する。
【0037】また本発明は、第1〜第4色彩光にそれぞ
れ対応し、入射された画像光のうち対応する色彩光だけ
を通過させる複数の第1〜第4透光領域を有する色分離
フィルタ手段であって、各透光領域は、2次元平面上に
予め定める一方方向および一方方向と直交する他方方向
に平行に、一方方向に予め定める第1の周期でかつ他方
方向に予め定める第2の周期で行列状に配置され、第1
透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第2透
光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向きと反
対の第2の向き側に第4透光領域が隣接し、さらに他方
方向に沿って両側に第3透光領域が隣接して配置され、
第2透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
3透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
と反対の第2の向き側に第1透光領域が隣接し、さらに
他方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接して配置さ
れ、第3透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側
に第4透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の
向きと反対の第2の向き側に第2透光領域が隣接し、さ
らに他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接して配
置され、第4透光領域には、一方方向に沿った第1の向
き側に第1透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第
1の向きと反対の第2の向き側に第3透光領域が隣接
し、さらに他方方向に沿って両側に第2透光領域が隣接
して配置される色分離フィルタ手段と、画像光を撮像
し、画像信号を出力する撮像素子であって、色分離フィ
ルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受光領域が2
次元平面上に配置され、前記受光領域は、対応した各透
光領域を通過した色彩光だけをそれぞれ受光して、各受
光領域の受光量を示す画素データを個別的に出力し、各
受光領域からの画素データから構成される画像信号を出
力する撮像素子と、前記撮像素子における画像光の受光
位置を、前記一方方向に第1の周期の半分の長さのi倍
(i=0,1,2,3)の長さだけ、かつ前記他方方向
に第2の周期の半分の長さのi倍の長さだけ相互にずれ
た第1〜第4移動位置に、相対的に移動させる移動手段
と、撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信
号を色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせ
て、合成画像信号を生成する画像生成手段と、画像の撮
像が開始されると、移動手段によって画像光の受光位置
を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動位置で撮
像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素データを
個別的に読出して画像生成手段に与える制御手段とを含
むことを特徴とする撮像装置である。本発明に従えば、
撮像装置は、単一の撮像素子でカラー画像を撮像する単
板式の撮像装置である。この撮像素子は、全画素読出し
型の素子である。この撮像素子にかぶせられる色分離フ
ィルタ手段は、(4×2)のフィルタ要素を基本配置パ
ターンとする上述した構成を有する。フィルタ手段は、
装置に入射した光のうち、各透光領域で予め定める色彩
光だけを通過させて、撮像素子の結像面の対応する受光
領域に受光させる。撮像素子の結像面の光入射側には、
移動手段が設けられる。移動手段では、斜め4ポジショ
ンイメージシフトを行う。撮像素子は、各移動位置に受
光位置が移動される度に画像光を撮像して、原画像信号
を出力する。画像生成手段では、第1〜第4原画像信号
を色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、
合成画像信号を生成する。さらにこの合成画像信号か
ら、出力画像信号を生成する。本発明の移動手段では斜
め4ポジションイメージシフトを用う。ゆえに、第1〜
第4原画像は、斜め方向にずらして重ねられる。ゆえ
に、合成画像を構成する画素の数は、原画像信号の画素
の数よりも多い。さらに、合成画像が原画像と同一の大
きさを有するとき、斜め方向の画素の数が2倍となる。
したがって、一方および他方方向の画像の解像度が2倍
となる。また、本発明の撮像装置は単板式の装置であ
り、撮像素子の各受光領域には、単一の色彩光が入射さ
れる。かつ、撮像素子は全画素読出し型の画素である。
このような撮像装置で得られる出力画像の輝度信号と色
差信号とのサンプリング周波数は一致する。したがっ
て、色差信号の折返し成分と輝度信号の所望信号成分と
が干渉することを防止して、モアレの発生を押さえるこ
とができる。このように、本発明の撮像装置では、2画
素混合読出し型の撮像素子を用いた撮像装置よりも、得
られる出力画像の画質が向上する。さらに、前述した移
動手段は一方方向にだけ受光位置を移動させる。このよ
うにシフト方向が1方向である移動手段は、シフト方向
が複数方向にわたる従来の移動手段と比較して、簡単な
構成で実現することができる。
【0038】また本発明は、第1〜第4色彩光に個別的
に対応し、入射される画像光のうち対応する色彩光だけ
を通過させる複数の第1〜第4透光領域を有する色分離
フィルタ手段であって、各透光領域は、2次元平面上に
予め定める一方方向および一方方向と直交する他方方向
に平行に、一方方向に予め定める第1の周期でかつ他方
方向に予め定める第2の周期で行列状に配置され、同一
色彩光に対応する2つの透光領域は、一方方向および他
方方向に異なる色彩光に対応する透光領域を1つ介して
それぞれ配置され、第1透光領域には、一方方向に沿っ
て両側に第2透光領域が隣接し、かつ他方方向に沿って
両側に第3透光領域が隣接し、第2透光領域には、一方
方向に沿って両側に第1透光領域が隣接し、かつ他方方
向に沿って両側に第4透光領域が隣接し、第3透光領域
には、一方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接し、
かつ他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接し、第
4透光領域には、一方方向に沿って両側に第3透光領域
が隣接し、かつ他方方向に沿って両側に第2透光領域が
隣接するように配置される色分離フィルタ手段と、画像
光を撮像し、画像信号を出力する撮像素子であって、色
分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受光
領域が2次元平面上に配置され、前記受光領域は、対応
した各透光領域を通過した色彩光だけをそれぞれ受光し
て、各受光領域の受光量を示す画素データを個別的に出
力し、各受光領域からの画素データから構成される画像
信号を出力する撮像素子と、前記撮像素子における画像
光の受光位置を、前記一方方向に第1の周期の半分の長
さのi倍(i=0,1,2,3)の長さだけ、かつ前記
他方方向に第2の周期の半分の長さのi倍の長さだけ相
互にずれた第1〜第4移動位置に、相対的に移動させる
移動手段と、撮像素子の出力に応答し、出力された4つ
の画像信号を色彩光の空間的位置が一致するように重ね
合わせて、合成画像信号を生成する画像生成手段と、画
像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の受
光位置を各回ごとに異なる移動位置に移動させ、各移動
位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素
データを個別的に読出して画像生成手段に与える制御手
段とを含むことを特徴とする撮像装置である。本発明に
従えば、撮像装置は、単一の撮像素子でカラー画像を撮
像する単板式の撮像装置である。この撮像素子は、全画
素読出し型の素子である。この撮像素子にかぶせられる
色分離フィルタ手段は、(2×2)のフィルタ要素を基
本配置パターンとする上述した構成を有する。フィルタ
手段は、装置に入射した光のうち、各透光領域で予め定
める色彩光だけを通過させて、撮像素子の結像面の対応
する受光領域に受光させる。撮像素子の結像面の光入射
側には、移動手段が設けられる。移動手段では、斜め4
ポジションイメージシフトを行う。撮像素子は、各移動
位置に受光位置が移動される度に画像光を撮像して、原
画像信号を出力する。画像生成手段では、第1〜第4原
画像信号を色彩光の空間的位置が一致するように重ね合
わせて、合成画像信号を生成する。さらにこの合成画像
信号から、出力画像信号を生成する。本発明の移動手段
では斜め4ポジションイメージシフトを用う。ゆえに、
第1〜第4原画像は、斜め方向にずらして重ねられる。
したがって、合成画像を構成する画素の数は、原画像信
号の画素の数よりも多い。さらに、合成画像が原画像と
同一の大きさを有するとき、斜め方向の画素の数が2倍
となる。したがって、一方および他方方向の画像の解像
度が2倍となる。また、本発明の撮像装置は単板式の装
置であり、撮像素子の各受光領域には、単一の色彩光が
入射される。かつ、撮像素子は全画素読出し型の画素で
ある。このような撮像装置で得られる出力画像の輝度信
号と色差信号とのサンプリング周波数は一致する。した
がって、色差信号の折返し成分と輝度信号の信号成分と
が干渉することを防止して、モアレの発生を押さえるこ
とができる。このように、本発明の撮像装置では、2画
素混合読出し型の撮像素子を用いた撮像装置よりも、得
られる出力画像の画質が向上する。さらに、前述した移
動手段は一方方向にだけ受光位置を移動させる。このよ
うにシフト方向が1方向である移動手段は、シフト方向
が複数方向にわたる従来の移動手段と比較して、簡単な
構成で実現することができる。
【0039】また本発明は、前記第1〜第4色彩光は、
それぞれマゼンタ、黄、緑、およびシアンである色彩光
のうちの1つであることを特徴とする。本発明に従え
ば、色分離フィルタ手段の各透光領域が通過させる第1
〜第4色彩光は、それぞれマゼンタ、黄、緑、およびシ
アンである色彩光のうちの1つである。これらの色彩光
は、いわゆる補色系の色彩光である。補色系の色彩光を
第1〜第4色彩光とするときと、赤青緑の原色系の色彩
光を第1〜第4色彩光とするときとを比較すると、補色
系の色彩光を用いた方が、各受光領域での受光量が増大
し、画像光の感度が増加する。ゆえに、微弱な画像光を
も充分に受光して、画像光を撮像することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある撮像装置61の構成を示すブロック図である。この
撮像装置61は、いわゆる単板式のカラー撮像装置であ
る。撮像装置61は、被写体からの画像光を光学系63
で集光して、固体撮像素子64の結像面上に結像させ
る。結像面には、後述する配置パターンで、複数の受光
領域が配置される。素子64の結像面の光入射側には、
後述する色フィルタが備えられている。色フィルタは、
画像光のうち予め定める複数の色彩光だけを通過させ
る。色フィルタを通過した色彩光は、結像面上の受光領
域に受光される。
【0041】この撮像装置61では、通常モードと高解
像度モードとの2つの撮像モードによって画像光を撮像
することができる。通常モードでは、固体撮像素子64
の受光領域の数と同数の画素から成る第1出力画像が得
られる。高解像度モードでは、素子64の受光領域の数
以上の数の画素から成る第2出力画像が得られる。第2
出力画像は、素子64で撮像される原画像を複数重ね合
わせて合成される。
【0042】固体撮像素子64の受光領域は、予め定め
る時間毎に原画像信号を前処理回路65に導出する。原
画像信号は、各受光領域で受光した色彩光の受光量に対
応する受光データから構成される。素子64から出力さ
れた段階では、各受光データは受光量に対応するレベル
のアナログ電気信号である。
【0043】前処理回路65では、素子64から出力さ
れた原画像信号を増幅した後、ホワイトバランス補正お
よびγ補正などの処理を施す。陰極線管(ブラウン管)
の電気−光変換特性は、非直線性を持っている。このた
め、撮像装置の受光量と陰極線管の発光強度とが比例す
るように、受光量に対応する受光データを補正する。こ
の補正をγ補正と称する。前処理回路65において処理
された原画像信号は、アナログ/デジタル変換回路(以
後、図面ではA/D変換回路と略称する)66において
デジタル信号に変換された後、画像メモリ67にストア
される。
【0044】前述した通常モードおよび高解像度モード
は、モード切換え回路69において切換えられる。モー
ド切換え回路69の出力は同期信号発生回路70に与え
られる。同期信号発生回路70では、たとえば通常モー
ドが選択されたとき、単一の原画像信号に対応する同期
信号を発生させる。発生された同期信号は駆動回路71
およびメモリ制御回路72に与えられる。駆動回路71
は光学系63および固体撮像素子64をそれぞれ予め定
める第1の状態に固定した後に、素子64の受光領域か
ら予め定める時間毎に受光データを前処理回路65に出
力させる。このとき、光学系63および色フィルタを介
して撮像素子64の結像面に達する光の結像位置は、予
め定める第1移動位置に固定される。またこのとき、メ
モリ制御回路72は、同期信号発生回路70から出力さ
れる同期信号に応答して、与えられる受光データを単一
の原画像信号毎に関連させて画像メモリ67にストアさ
せる。
【0045】また、モード切換え回路69から高解像度
モードを示す信号が出力されるとき、同期信号発生回路
70は、複数の原画像信号に対応した同期信号を駆動回
路71およびメモリ制御回路72に出力する。駆動回路
71は、光学系63内のイメージシフト機構を用いて、
被写体からの画像光の光軸を予め定めるシフト方向に予
め定めるシフト長さだけ平行移動させる。固体撮像素子
64の結像面において、画像光の結像位置が光軸を平行
移動した分だけ移動前の位置から移動する。これによっ
て、素子64では、各受光領域が受光する色彩光が、被
写体の像の中で移動前の色彩光とずれる。メモリ制御回
路72は、画像メモリ67において、受光データを複数
の原画像信号ごとに関連させてストアさせる。
【0046】画像メモリ67にストアされた原画像信号
は、信号処理回路74に与えられる。通常モードが選択
されているとき、画像メモリ67からは、単一の原画像
信号に対応する受光データが信号処理回路74に与えら
れる。また高解像度モードが選択されているとき、画像
メモリ67からは複数の原画像信号に対応した受光デー
タが与えられる。信号処理回路74では、与えられた受
光データに基づいて、それぞれの撮像モードに応じた手
法で、出力画像の画素の輝度信号および色差信号を演算
および補間する。演算および補間された輝度信号および
色差信号は、出力画像の出力画像信号として記録媒体7
5にストアされる。
【0047】図2は、固体撮像素子64の結像面の具体
的な構成を示す平面図である。固体撮像素子64は、
(N×M)個の受光領域FDが行列状に配列された結像
面を有する。受光領域FDは、たとえば光電変換素子で
実現される。
【0048】以後、水平方向Hに沿って直線状に並べら
れる1群の構成要素を「行」と称する。同様に垂直方向
Vに沿って直線状に並べられた1群の構成要素を「列」
と称する。行列状に配置された1群の構成要素におい
て、紙面上側から下側に向かって、各行を第1行,第2
行,…,第N行と称する。また紙面左側から右側に向か
って各列を第1列,第2列,…,第M列と称する。
【0049】結像面に行列状に配置された受光領域FD
のうち、第n行第m列に属する受光領域を「受光領域F
D(n,m)」と称する。n,mは1以上N,M以下の
任意の整数である。また、受光領域FD(1,1)〜F
D(N,M)を「受光領域FD」と総称する。図2で
は、受光領域FDの配置パターンを8行4列の32個の
受光領域FD(1,1)〜FD(8,4)で表す。実際
の固体撮像素子64の結像面では、図2に示す構造が、
水平および垂直方向H,Vに周期的に繰返される。
【0050】受光領域FDの各列の間に、垂直転送CC
D(Charge Coupled Device;電荷結合素子)群81a
〜81dが介在される。総称するときは、「垂直転送C
CD群81」とする。垂直転送CCD群81には、隣接
する受光領域FDの列に属する領域の数の半分の数の電
荷結合素子Cが垂直方向Vに直線状に配置され、かつ相
互に電気的に接続される。たとえば垂直転送CCD群8
1aには、電荷結像素子Ca(1)〜Ca(4)が含ま
れる。これらの電荷結合素子を総称するときは、「電荷
結合素子C」とする。この垂直転送CCD群81は、受
光領域FDの列の数と等しい数だけ存在する。垂直転送
CCD群81は、各電荷結合素子C内に転送された受光
データを、垂直方向Vに平行な一方の向き84に順次的
に転送する。
【0051】受光領域FDの一方端部には、水平転送C
CD群82が設けられる。水平転送CCD群82は、受
光領域FDの列の数と等しい数の電荷結像素子Ce
(1)〜Ce(4)(総称するときは「電荷結合素子C
e」とする)が、水平方向Hに直線状に配置され、かつ
相互に電気的に接続される。水平転送CCD群82の各
電荷結像素子Ceは、受光領域FDの各列に隣接する垂
直転送CCD群81と電気的に接続される。これら各電
荷結合素子Ceには、接続された垂直転送CCD群81
からのデータが転送される。水平転送CCD群82は、
水平方向Hに平行な一方の向き85に向かって、各電荷
結像素子Ceに転送された受光データを順次的に転送す
る。
【0052】水平転送CCD群82の一方端部には、出
力部86が取付けられる。水平CCD群82内の電荷結
像素子Ceに順次的に転送された受光データは、出力部
86から固体撮像素子64の外部の構成に出力される。
たとえば前処理回路65に出力される。
【0053】固体撮像素子64は、いわゆる2画素混合
読出し型の固体撮像素子である。素子64では、垂直方
向Vに隣接する2つの受光領域からの受光データを混合
して混合データを生成し、その混合データを前処理回路
65に出力する。固体撮像素子64では、単一の画像光
の撮像において、各受光領域FDから受光データを出力
させる走査を2回行い、2種類の画像信号を出力する。
以後、単一の画像光の撮像において、1回目および2回
目の走査を、それぞれ奇数および偶数フィールドと称す
る。
【0054】第1回目および第2回目の走査では、固体
撮像素子64の受光領域FDは、たとえばラスタ順で走
査される。ラスタ順とは、たとえば垂直方向Vを主の順
とし、水平方向Hを従の順として、受光領域FDを順次
的に走査して行く順である。たとえば固体撮像素子64
では、受光領域FD(1,1)から領域FD(1,4)
まで水平方向Hの一方の向き85の逆の向きに沿って順
次的に走査された後、素子FD(2,1)から素子FD
(2,4)まで水平方向Hの一方の向き85の逆の向き
に沿って走査される。
【0055】固体撮像素子64と光学系63との間に
は、色フィルタが介在される。この色フィルタは、(N
×M)個のフィルタ要素が、受光領域FDの配置パター
ンと同じ配置パターンで配列される。光学系63から出
射された画像光は、各フィルタ要素を通過した後に、素
子64の結像面に至る。このとき、各フィルタ要素は、
画像光のうち後述する所望の色彩光だけを通過させる。
【0056】固体撮像素子64では、予め定める露光時
間の間、結像面に色彩光を入射させて、各受光領域FD
に光を受光させる。露光時間が経過すると、素子64は
一旦各受光領域FDへの色彩光を遮断する。各受光領域
FDは、次の露光時間に至るまでに、露光時間内に領域
FDで受光した色彩光の受光量を示す受光データを垂直
転送CCD群81の各電荷結像素子Cに出力する。この
受光領域FDから出力された受光データは、前述したよ
うに、アナログ電気信号である。出力された受光データ
は、垂直および水平CCD群81,82の各電荷結合素
子C,Ceを順次的に転送されて、出力部86から外部
の構成に出力される。
【0057】奇数および偶数フィールドの走査を行うと
きは、垂直転送CCD群81において混合される2つの
受光データの出力元である受光領域FDの組合わせが異
なる。たとえば奇数フィールドでは、受光領域FD
(8,1),FD(7,1)からの受光データが垂直転
送CCD群81aの電荷結像素子Ca(4)に転送され
る。これによって、電荷結合素子Ca(4)において、
受光領域FD(7,1),FD(8,1)の受光データ
が混合されて混合データが生成される。同様に各電荷結
合素子Ca(3)〜Ca(1)において、受光領域FD
(5.1),FD(6,1);FD(3,1),FD
(4,1);FD(1,1),FD(2,1)から出力
された各受光データが混合されて、混合データが生成さ
れる。
【0058】このように、各受光領域FDからの受光デ
ータは、垂直帰線期間中に、垂直転送CCD群81a〜
81dの対応した電荷結合素子Cに転送される。垂直転
送CCD群81の各電荷結合素子Cに転送された受光デ
ータが、各電荷結合素子C内で混合されて、混合データ
が生成される。混合データは、水平帰線期間中に垂直転
送CCD群81の各電荷結合素子Cを垂直方向Vの一方
の向き84に順次的に転送される。
【0059】さらに、各垂直転送CCD群81の一方端
部にある電荷結像素子Ca(1),Cb(1),Cc
(1),Cd(1)に転送された混合データは、さら
に、各電荷結像素子Ca(1),Cb(1),Cc
(1),Cd(1)が接続された水平転送CCD群82
の電荷結像素子Ce(1),Ce(2),Ce(3),
Ce(4)に転送される。水平転送CCD群82では、
水平方向Hの一方の向き85に向かって、隣接する電荷
結合素子Ceに混合データが順次的に転送される。水平
転送CCD群82の一方端部であり出力部86に接続さ
れたCe(1)に転送された混合データは、出力部86
から前処理回路65に導出される。垂直帰線期間に受光
領域FDから垂直転送CCD群81の各電荷結像素子C
に転送された受光信号は、混合された後、1フィールド
時間が終了するまでに全て前処理回路65に導出され
る。1フィールド時間は、露光時間と垂直および水平帰
線期間との和の時間である。
【0060】偶数フィールドの走査を行うと、垂直帰線
期間では、受光領域FDは第1フィールドの走査時に受
光データが混合された受光領域FDと逆側に隣接する領
域FDから出力される受光データと混合される。たとえ
ば電荷結合素子Ca(4)には受光領域FD(6,
1),FD(7,1)からの受光データが転送されて混
合される。同様に、受光領域FD(4,1),FD
(5,1);FD(2,1),FD(3,1)からの受
光データがそれぞれ垂直転送CCD群81のCa
(3),Ca(2)に転送されて混合される。この混合
データは、垂直転送CCD群81および水平転送CCD
群82の各電荷結像素子C,Ceを順次的に転送され
て、1フィールド時間内に出力部86から導出される。
【0061】図3は、色フィルタのフィルタ要素の基本
配置パターン91を示す図である。基本配置パターン
は、単位配列に、異なる色彩光をそれぞれ通過させるフ
ィルタ要素を配置するパターンである。単位配列は、
(4×2)個のフィルタ要素を、垂直方向Vに周期PV
で4個、水平方向Hに周期PHで2個並べた配列であ
る。本実施形態の撮像装置61における色フィルタは、
この基本配置パターン91が垂直方向Vおよび水平方向
Hに周期的に繰返されて形成される。
【0062】以後、行列状に配置される構成要素の各行
および列を、図の欄外に割振られている番号に基づいて
第n行、第m列(n,mは番号)と称する。また、第n
行および第m列に属する構成要素には、符号と共に
(n,m)を付して示す。
【0063】この色フィルタは、たとえば予め定める4
色の色彩光だけをそれぞれ通過させるフィルタ要素を含
む。予め定める色彩光は、たとえば黄色、マゼンタ、
緑、シアンの4色である。これら4色はいわゆる補色系
の色である。各フィルタ要素は、黄色の色彩光だけを通
過させるフィルタ要素(以後、黄色のフィルタ要素と略
称する)、マゼンタのフィルタ要素、緑のフィルタ要素
およびシアンのフィルタ要素の4種類が用意される。以
後、フィルタ要素の基本配置パターンを示す図では、実
線の矩形領域でフィルタ要素を示し、その領域内に付す
符号で、そのフィルタ要素で通過させる色彩光を示す。
黄色、マゼンタ、緑、シアンの各色彩光は、それぞれ
「Ye」,「Mg」,「G」,「Cy」で表される。
【0064】基本配置パターン91において、4行2列
の単位配列のうち第1列にはマゼンタのフィルタ要素と
緑のフィルタ要素とが、黄色のフィルタ要素を介して交
互に配置される。第2列には、緑のフィルタ要素および
マゼンタのフィルタ要素とが、シアンのフィルタ要素を
介して交互に配置される。かつ黄色とシアンのフィルタ
要素およびマゼンタと緑のフィルタ要素とは、同一行に
配置される。
【0065】このような基本配置パターン91から成る
色フィルタを光入射側に設置した固体撮像素子64を用
いて画像光を撮像する。この固体撮像素子64は、前述
したように2画素混合読出し型の撮像素子である。ゆえ
に、画像メモリ67にストアされる原画像信号は、2つ
の色彩光の受光データの混合データから構成される。
【0066】図4は、通常モードの第1出力画像の等価
的な画素の基本配置パターン92を示す図である。第1
出力画像とは、第1出力画像信号を目視表示した画像で
ある。第1出力画像は、水平および垂直方向H,Vにこ
の基本配置パターン92が周期的に繰返される。
【0067】信号処理回路74では、原画像信号がその
まま第1出力画像信号と見なされる。原画像信号は、奇
数フィールドおよび偶数フィールドの走査で読出された
混合データが合成されて生成される。すなわち、4行2
列の単位配列のうち、第1行と第3行との画素には奇数
フィールドにおいて出力された受光データの混合データ
が対応する。第2行および第4行の画素には偶数フィー
ルドにおいて出力された受光データの混合データが対応
する。以後、受光領域FDからのいずれかのデータが対
応する画素を「対応画素」と称する。以後、画像の画素
の基本配置パターンを示す図では、実線の矩形領域で、
対応画素を表す。
【0068】これによって、図4に示すように、第1出
力画像の画素の基本配置パターン92では、画素D
(1,1),D(2,1)に黄色の色彩光を受光する受
光領域からの受光データ(以後「黄色の受光データ」と
称する)とマゼンタの受光データとが混合された混合デ
ータ(以後、「黄色とマゼンタの混合データ」と称す
る)が対応する。画素D(3,1),D(4,1)に
は、黄色および緑の混合データが対応する。画素D
(1,2),D(2,2)には、シアンと緑の混合デー
タが対応する。画素D(3,2),D(4,2)には、
シアンとマゼンタの混合データが対応する。以後、画素
の基本配置パターンを示す図では、矩形領域内の符号
で、その画素に対応する受光データまたは混合データを
示す。「Ye」,「Mg」,「G」,「Cy」は、それ
ぞれ黄色、マゼンタ、緑、シアンの受光データを示す。
「α+β」はαとβとの混合データを示し、α,βには
「Ye」,「Mg」,「G」,「Cy」とのいずれかが
対応する。
【0069】信号処理回路74では、このような配置パ
ターンを示す混合データからなる合成画像信号に基づい
て、第1出力画像の輝度信号Yおよび色差信号(B−
Y),(R−Y)を生成する。これら信号は、各画素単
位で求められる。輝度信号および色差信号の各画素単位
の要素を輝度データおよび色差データと称する。各信号
は、画像を構成する全ての画素に対応するデータから構
成される。輝度データYおよび色差データ(B−Y),
(R−Y)の基本的な算出式を以下に示す。
【0070】 Y =Mg+Ye+G+Cy …(4) (R−Y)=Mg+Ye−G−Cy …(5) (B−Y)=Mg−Ye−G+Cy …(6) 「Mg」、「Ye」、「G」、「Cy」は、それぞれマ
ゼンタ、黄色、緑、シアンの受光データを示す。第1出
力画像では、各画素には4色の色彩光のうちいずれか2
つの受光データを混合した混合データが対応する。各画
素の輝度データは、欠けている受光データの代わりに隣
接する他の画素の混合データを用いて求められる。たと
えば画素D(6,2)の輝度データY(6,2)は、以
下の式に基づいて求められる。
【0071】 Y(6,2)=(Cy+G)(6,2)+(Ye+Mg)(6,3) …(7) (α+β)(n,m),は、第n行第m列の画素に対応
するαとβとの混合データを示す。αおよびβは、緑、
黄、シアン、マゼンタのいずれか1つであり、「G,Y
e,Cy,Mg」と表される。
【0072】色差データの算出においてもまた、輝度デ
ータと同様に、欠けている受光データの代わりに隣接す
る他の画素の混合データを用いる。前述したように、第
1出力画像では、同一種類の混合データが対応する対応
画素が垂直方向Vに2画素連続する。ゆえに、各画素に
対し、色差データは画素が有する混合データに応じてい
ずれか一方のデータだけが求められる。したがって、垂
直方向Vに連続した2つの画素では、同一種類の色差デ
ータだけが得られる。たとえば画素D(6,2)の色差
データ(R−Y)(6,2)は、以下の式に基づいて求
められる。
【0073】
【数1】
【0074】上式によって得られない色差データ(B−
Y)(6,2)は、周囲の他の画素において求められる
色差データ(B−Y)を用い、以下の式に基づいて補間
する。
【0075】 (B−Y)(6,2)={(B−Y)(4,2)+(B−Y)(8,2)}/2 …(9) 以後、受光データから輝度データおよび色差データの少
なくとも1つが直接求められる画素を、そのデータの
「実画素」と称する。また、補間処理によって輝度デー
タおよび色差データが求められる画素をそのデータの
「仮想画素」と称する。
【0076】図5は、輝度の基底帯域および色差信号の
キャリア周波数を示す空間周波数平面図である。この空
間周波数平面図は、いわゆるCZP(Circular Zone Pl
ate)チャートに対応する。CZPチャート上に現れる
モアレは、空間周波数平面に示すキャリア周波数の折返
し成分によって現れるモアレと同一位置に生じる。CZ
Pチャートに関しては、「電子情報通信学会 技術研究
報告 IE80−96「固体撮像装置の画像とモア
レ」」に開示される。
【0077】図6は、水平および垂直方向H,Vの空間
周波数軸に対する輝度信号、色差信号のスペクトルを示
すグラフである。輝度信号のサンプリング周波数を周波
数fsとする。サンプリング周波数は、画素の配列周期
の逆数である。所望とする輝度信号の所望信号成分のス
ペクトルは、周波数f0を中心とした山形の波形96を
示す。周波数f0は、たとえば0Hzである。また、輝
度信号は画素単位で求められるので、デジタルデータと
見なされる。ゆえに、折返し成分が存在する。この折返
し成分のスペクトルは、サンプリング周波数fsの0以
外の整数倍の周波数を中心とした山形の波形97を示
す。サンプリング周波数fsの0以外の整数倍の周波数
を、キャリア周波数と称する。
【0078】上述した輝度信号において、輝度信号の所
望信号成分のスペクトルが存在する範囲を輝度の基底帯
域と称する。輝度の基底帯域は、周波数0Hzを中心と
して、その幅が輝度のサンプリング周波数fsの半分と
なる範囲W1である。この輝度の基底帯域は、水平およ
び垂直方向H,Vの空間周波数軸および斜め方向Ux,
Uyの空間周波数軸それぞれについて求められる。斜め
方向Ux,Uyは、水平および垂直方向H,Vにそれぞ
れ平行で大きさがそれぞれ配列周期PH,PVの半分で
ある2つの基本ベクトルで規定される空間軸である。ま
た斜め方向Ux,Uyは、相互に直交する。以後、斜め
方向Ux,Uyを斜め方向Uと総称する。
【0079】前述した図5において、輝度の基底帯域
は、以下の簡略化手法で求めた。
【0080】輝度信号は、各画素ごとに求められるの
で、輝度信号の実画素の配列は、出力画像の配列と同一
と見なされる。ゆえに、実画素の水平および垂直方向
H,Vの配列周期は、それぞれ周期PH,PVである。
ゆえに、水平および垂直方向のサンプリング周波数f
H,fVは、以下の式で示される。
【0081】 fH=1/PH …(10) fV=1/PV …(11) 斜め方向Ux,Uyの配列周期PUx,PUyは、以下
の式で示される。
【0082】 PUx=PUy=√(PH2+PV2) …(12) 斜め方向Ux,Uyのサンプリング周波数fux,fu
yは、それぞれ上式の配列周期PUx,PUyの逆数で
ある。
【0083】 fux=fuy=1/{√(PH2+PV2)} …(13) 以後、斜め方向の配列周期PUx,PUyおよびサンプ
リング周波数をfux,fuyを、配列周期PUおよび
周波数fuと総称する。また、水平、垂直、および斜め
方向H,V,Uのサンプリング周波数fH,fV,fu
を、「サンプリング周波数fs」と総称する。
【0084】再び図5を参照する。上述した手法で得ら
れる輝度の基底帯域を、斜線を付して示す。水平、垂直
および斜め方向H,V,Uの空間周波数軸における輝度
の基底帯域は、以下の式で表される。
【0085】
【数2】
【0086】 0≦f≦(fV/2) …(15) 0≦f≦(fu/2) …(16) したがって、輝度の基底帯域は、以下の4点を頂点とす
る矩形領域である。
【0087】 (−fH/2,0) ( fH/2,0) (−fH/2,fV/2) ( fH/2,fV/2) …(17) 前述した色差データは、前述したように2行おきに2行
ずつ、受光データから直接求められる。色差信号のサン
プリング周波数は、実画素の配列周期の逆数である。色
差信号の実画素の垂直方向の配列周期は、画素の配列周
期PVの2倍の周期2PVであるとみなされる。ゆえ
に、色差信号のサンプリング周波数は、輝度のサンプリ
ング周波数の半分の周波数(fs/2)となる。色差信
号の所望信号成分のスペクトルは、周波数f0を中心と
して山形の波形を示す。また、色差信号はデジタルデー
タであるので、折返し成分が存在する。この折返し成分
のスペクトルは、周波数(fs/2)の0以外の整数倍
のキャリア周波数を中心とした山形の波形を示す。
【0088】図6に、色差信号の折返し成分98を示
す。上述したように、輝度信号と色差信号のサンプリン
グ周波数が異なるので、輝度の基底帯域内に色差信号の
キャリア周波数が存在することがある。このキャリア周
波数を中心とする折返し成分は、輝度信号の所望信号成
分と重なり合い、干渉することがある。このような干渉
が生じると輝度信号の所望信号成分の波形に歪みが生
じ、色モアレが発生する。このように、輝度信号の所望
信号成分の波形と重なり、色モアレの原因となる色差信
号の折返し成分のキャリア周波数を、以後「色モアレの
キャリア周波数」と称する。色モアレの生じた画像は、
画質が劣化する。色モアレを取除くには、たとえば光学
系63において画像光の光路に光学的ローパスフィルタ
を挿入し、画像光の高周波成分を取除く。この光学的ロ
ーパスフィルタは、たとえば水晶板で実現される複屈折
板である。
【0089】挿入される光学的ローパスフィルタの濾波
帯域を、2点鎖線99で示す。このようなフィルタが挿
入されると、色差信号の折返し成分98のスペクトルは
破線98aで示すレベルまで減衰される。このとき、同
時に輝度信号の所望信号成分のスペクトルも同じ減衰量
だけ減衰されて、波形が歪む。ゆえに、出力画像の画質
を向上させるには、輝度の基底帯域内に含まれるモアレ
の数を減少させる必要がある。
【0090】輝度の基底帯域に色差信号の折返し成分が
含まれるとき、そのキャリア周波数ができるだけ輝度の
基底帯域の境界線に近い位置に存在することが好まし
い。キャリア周波数が輝度信号の所望信号成分の中心周
波数から離れていれば、輝度信号の所望信号成分と色差
信号の折返し成分との波形の重なりが小さく、さらに重
なり合う位置での信号強度が小さくなる。これによっ
て、フィルタを挿入したとき輝度信号の所望信号成分の
波形の歪みが小さくなる。
【0091】本実施形態の通常モードの第1出力画像の
輝度の基底帯域内において、モアレの原因となる色差信
号のキャリア周波数の存在する位置は8箇所である。こ
のうち、黄色とマゼンタとの混合データの対応画素、シ
アンと緑との混合データの対応画素、黄色と緑との混合
データの対応画素、およびシアンとマゼンタとの混合デ
ータの対応画素の配列周期に起因する色モアレのキャリ
ア周波数は、以下の7箇所である。
【0092】 (−fH/2,0) ( fH/2,0) (−fH/2,fV/4) ( fH/2,fV/4) (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) ( fH/2,fV/2) …(18) 上述したキャリア周波数は、輝度の基底領域の境界線上
に表れる。これらのキャリア周波数を中心とした色差信
号の折返し成分は、光学系63に前述した光学的ローパ
スフィルタを挿入することによって、その影響を取除く
ことができる。
【0093】また、固体撮像素子が2画素混合読出し型
の素子であることに起因する色モアレのキャリア周波数
は以下の1箇所の位置に現れる。
【0094】 (0,fV/4) …(19) このように、8箇所のキャリア周波数を中心とする折返
し成分のうち、7箇所のキャリア周波数の折返し成分を
減衰させることができる。ゆえに、輝度の基底帯域内
で、色差信号の振幅が大きく、目だって現れるモアレの
数が減少する。
【0095】次いで、高解像度モードの第2出力画像信
号を以下に説明する。本実施形態の撮像装置では、高解
像度モードにおいて、固体撮像素子64の結像面におけ
る画像光の結像位置を2箇所の移動位置に相対的に移動
させる。
【0096】図7は、高解像度モードでの固体撮像素子
64における画像光の結像位置の移動位置の関係を示す
図である。本実施形態の撮像装置61では、結像位置を
第1および第2の位置に移動させる。
【0097】第1位置Qaは、たとえば通常モードでの
結像位置であり、光学系63および固体撮像素子64を
予め定める状態に固定したときに、画像光が結像する位
置である。第2位置Qbは、第1の位置から垂直方向V
にフィルタ要素の垂直方向の配列周期PVの半分の長さ
だけ移動した位置である。このように垂直方向Vに平行
に2箇所の移動位置に結像位置を移動させる動作を、平
行2ポジションイメージシフトと称する。
【0098】固体撮像素子64では、素子64の結像面
内の画像光の結像位置が、第1および第2位置Qa,Q
bにあるときに、それぞれ1回ずつ画像光を撮像する。
単一回の撮像では、奇数フィールドと偶数フィールドの
走査が行われ、各受光データに対応する混合データが導
出される。結像位置が第1および第2位置Qa,Qbに
あるときに得られる原画像信号を、それぞれ第1原画像
信号および第2原画像信号と称する。
【0099】2回の撮像によって得られる2つの原画像
信号に含まれる混合データは、画像メモリ67に関連さ
れてストアされた後、信号処理回路74に与えられる。
信号処理回路74では、これらの混合データから、出力
画像信号を生成する。回路74では、まず2つの原画像
信号を、空間的な撮像位置が一致するように重ね合わせ
て、合成画像信号を生成する。この合成画像信号を仮想
的に目視表示した合成画像は、たとえば2枚の原画像を
受光位置のシフト方向とは逆向きに同じシフト長さだけ
動かして重ね合わせた画像として仮想される。原画像
は、原画像信号をそのまま仮想的に目視表示した画像で
ある。回路74では、この合成画像の各画素に対応する
混合データから第2出力画像信号の輝度信号および色差
信号を生成する。さらに、所望とする出力画像の画素配
列と合成画像の画素配列とを比較し、輝度データおよび
色差データが生成されない仮想画素に、実画素の輝度デ
ータおよび色差データに基づいて、各信号を補間する。
【0100】図8は、合成画像の等価的な画素の基本配
置パターン93を示す図である。合成画像では、水平お
よび垂直方向H,Vにこの基本配置パターン93が周期
的に繰返される。
【0101】高解像度モードの合成画像は、第1および
第2原画像を垂直方向Vにシフト長さ(PV/2)だけ
ずらして重ね合わせた画像として仮想される。ゆえに、
この合成画像の基本配置パターンは、8行2列の単位配
列に4種類の混合データが対応する配置となる。このう
ち、第1行、第3行、第5行および第7行は、第2原画
像信号に対応する。第2行、第4行、第6行、および第
8行は、第1原画像信号に対応する。
【0102】この基本配置パターンにおいて、画素D
(1,1)〜D(4,1)に黄色とマゼンタとの受光デ
ータとが混合された混合データが対応する。画素D
(5,1)〜D(8,1)には、黄色と緑との混合デー
タが対応する。画素D(1,2)〜D(4,2)には、
シアンと緑との混合データが対応する。画素D(5,
2)〜D(8,2)には、シアンとマゼンタとの混合デ
ータが対応する。
【0103】第2出力画像は、たとえば2N行2M列の
(2N×2M)個の画素からなる画像である。ゆえに、
合成画像の基本配置パターン93において、第1列およ
び第2列に隣接して、それぞれ8個の仮想画素からなる
空白列が仮想される。空白列の仮想画素は、輝度データ
および色差データのいずれも対応しない。第2出力画像
の画素の基本配置パターンは、これら空白列を含む8行
4列の単位配置で構成される。
【0104】信号処理回路74は、前述した合成画像に
基づいて、第2出力画像信号の輝度信号および色差信号
の値を演算する。この演算手法は、通常モードの各信号
の演算手法と等しい。ゆえに、第2出力画像の基本配置
パターンにおいて、各対応画素は、輝度データの実画素
となる。また各対応画素は、その画素に対応する混合デ
ータに応じて、色差データ(R−Y),(B−Y)のい
ずれか一方の実画素となる。
【0105】図9は、第2出力画像の輝度の基底帯域お
よび色差信号のキャリア周波数を示す空間周波数平面図
である。第2出力画像の輝度の基底帯域を、図9では斜
線を付して示す。図8に示す画素の基本配置パターンか
ら見て、垂直方向Vの実画素のサンプリング周期は(P
V/2)と見なされる。ゆえに、垂直方向Vの空間周波
数軸における輝度の基底帯域の範囲は、以下の式で表さ
れる。
【0106】 0≦f≦fV …(20) また画素の基本配置パターンにおいて、水平方向Hおよ
び斜め方向Uの配列周期は、それぞれ通常モードの第1
出力画像の配列周期と等しい。ゆえに、水平方向Hの配
列周期は周期PH、斜め方向Uの配列周期は周期PUと
見なされる。したがって、水平方向H、および斜め方向
Uの空間周波数軸における輝度の基底帯域の範囲は以下
の式で表される。
【0107】
【数3】
【0108】 0≦f≦(fu/2) …(16) したがって、輝度の基底帯域は、以下の4点を頂点とす
る矩形領域である。
【0109】 (−fH/2,0) ( fH/2,0) (−fH/2,fV) ( fH/2,fV) …(21) このような輝度の基底帯域内において、モアレの原因と
なる色差信号のキャリア周波数の存在する位置は14箇
所である。モアレは、黄色とマゼンタとの混合データの
対応画素、シアンと緑との混合データの対応画素、黄色
と緑の混合データとの対応画素、およびシアンとマゼン
タとの混合データの対応画素の配列に起因しており、モ
アレのキャリア周波数を以下に示す。
【0110】 (−fH/2,0) ( fH/2,0) (−fH/2,fV/4) ( fH/2,fV/4) (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) ( fH/2,fV/2) (−fH/2,3fV/4) ( fH/2,3fV/4) (−fH/2,fV) ( 0,fV) ( fH/2,fV) ( 0,fV/4) ( 0,3fV/4) …(22) このうち、固体撮像素子が2画素混合読出し型の素子で
あることに起因する色モアレのキャリア周波数は以下の
2箇所の位置に現れる。
【0111】 ( 0,fV/4) ( 0,3fV/4) …(23) 画素の輝度の基底領域の境界線周辺に存在するキャリア
周波数を中心とした色差信号の折返し成分は、光学系6
3に光学的ローパスフィルタを挿入して、その空間周波
数近傍の信号の強度を減衰させたときでも、(0,0)
を中心とした輝度信号の強度に与える影響が小さい。ゆ
えに光学系63に空間的ローパスフィルタを備えること
によって、その影響を除くことができる。
【0112】また、固体撮像素子64は2画素混合読出
し型の素子である。このような素子では、出力される原
画像信号のうち、垂直方向Vの空間周波数が周波数(f
V/2)近傍であるの信号の強度を減衰させる。ゆえ
に、この周波数(fV/2)近傍では、輝度信号および
色差信号の強度が減衰されるフィルタ効果が生じる。こ
れによって、以下の3箇所のキャリア周波数を中心とす
る色差信号の強度の振幅は小さくなる。
【0113】 (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) ( fH/2,fV/2) …(24) ゆえに、この周波数の位置で発生するモアレは見掛け上
目立たなくなる。
【0114】このように、14個のキャリア周波数を中
心とする折返し成分のうち、12個のキャリア周波数を
中心とする折返し成分を減衰させることができる。した
がって、輝度の基底帯域内で、色差信号の振幅が大き
く、目だって現れるモアレの数が減少する。上述した輝
度の基底帯域は、図5で示す通常モードの輝度の基底帯
域と比較して、垂直方向の空間周波数において2倍に拡
大している。輝度の基底帯域が広がると、画像に高周波
成分が含まれることとなるので、その方向の画像の解像
度が増加する。
【0115】このように、本実施形態の撮像装置61で
は、高解像度モードにおけるモアレの発生原因を減少さ
せ、また垂直解像度を改善することができる。
【0116】本発明の第2実施形態である撮像装置を以
下に説明する。本実施形態の撮像装置は、図1の撮像装
置61と同様の電気的構成を有する。固体撮像素子64
の光入射側に設けられる色フィルタは、図3に示す色フ
ィルタの基本配置パターン91でフィルタ要素が並べら
れる構成を有する。本実施形態の撮像装置において、通
常モードでの各構成要素の挙動は第1実施形態の撮像装
置の通常モードの挙動と等しい。第1出力画像の輝度の
基底帯域および色差信号のキャリア周波数は、図5の空
間周波数平面図に示されるものと等しい。
【0117】図10は、本実施形態の撮像装置におい
て、高解像度モードにおける固体撮像素子64の結像面
での画像光の結像位置の移動位置を示す図である。本実
施形態の高解像度モードでは、光学系は第1〜第4位置
Qa〜Qdに対応する位置に光の結像位置を移動させ
る。
【0118】第1位置Qaは、たとえば通常モードでの
画像光の結像位置である。第2〜第4位置Qb〜Qd
は、第1位置Qaを基準として垂直方向Vにシフト長さ
(PV/2×k)(k=1,2,3)だけ、かつ水平方
向Hに(PH/2×k)だけ移動された位置である。す
なわち、第1位置Qaを基準位置を(0,0)とする
と、第2位置Qbは(PH/2,PV/2)と表され
る。同様に第3位置Qcは(PH,PV)と表される。
第4位置Qdは(3PH/2,3PV/2)と表され
る。
【0119】光学系および固体撮像素子は、画像光の光
軸を斜め方向Uに平行に、その結像位置が第1〜第4位
置Qa〜Qdとなるように、順次的に移動させる。この
ような画像光の光軸の移動を、斜め4ポジションイメー
ジシフトと称する。このような第1〜第4位置Qa〜Q
dに結像面における光の結像位置を平行移動させると、
画像光内のサンプリング点が、結像位置のシフト方向と
逆向きであって、かつ同じシフト長さだけ移動した4つ
の原画像信号が得られる。
【0120】固体撮像素子は、結像位置が各移動位置Q
a〜Qdに移動される度に、画像光を撮像して、第1〜
第4原画像信号を出力する。信号処理回路は、第1〜第
4原画像信号から、第2出力画像信号を生成する。信号
処理回路は、まず第1〜第4原画像を結像位置のシフト
方向と逆向きに同じシフト長さだけ移動して重ね合わせ
て、合成画像を生成する。
【0121】図11は、合成画像の等価的な画素の基本
配置パターン101を示す図である。第2出力画像の基
本配置パターン101は、8行4列の単位配列に16個
の対応画素を配列するパターンである。図11(1)と
図11(2)とに示される配置パターン101a,10
1bは、それぞれ同一の画素に対する配置パターンを示
す。たとえば、第1行第1列に属する画素D(1,1)
では、黄色とマゼンタとの混合データおよびシアンとマ
ゼンタとの混合データが得られる。
【0122】合成画像では、固体撮像素子の受光領域か
らの混合データが直接対応する対応画素が、斜め方向U
に沿って並べられる。水平および垂直方向H,Vに沿っ
て並ぶ2つの対応画素の間には、混合データが対応しな
い仮想画素が仮想される。ゆえに、合成画像の水平およ
び垂直方向H,Vには、対応画素と仮想画素とが交互に
配列される。図11では、対応画素を実線の矩形領域で
表し、仮想画素を破線の矩形領域で表す。これによっ
て、高画質モードの等価的な画素配列では、対応画素が
市松状に並べられる。これら実画素の配列周期は、垂直
方向Vの配列周期が周期(PV/2)であり、水平方向
Hの配列周期が周期(PH/2)であり、斜め方向Uの
配列周期が周期PUである。
【0123】各対応画素では、各対応画素毎に異なる2
種類の組合わせの混合データが対応する。画素D(1,
1),D(2,2),D(5,3),D(6,4)は、
黄色とマゼンタとの混合データ、およびシアンとマゼン
タとの混合データが対応する。画素D(3,1),D
(4、2),D(3,3),D(4,4)には、黄色と
マゼンタとの混合データ、およびシアンと緑との混合デ
ータが対応する。画素D(5,1),D(6,2),D
(1,3),D(2,4)では、黄色と緑との混合デー
タ、およびシアンと緑との混合データが対応する。画素
D(7,1),D(8,2),D(7,3),D(8,
4)では、黄色と緑との混合データ、およびシアンとマ
ゼンタとの混合データが対応する。
【0124】信号処理回路は、上述した合成画像に基づ
いて、第2出力画像信号の輝度信号および色差信号を生
成する。第2出力画像の基本配置パターンは、8行4列
の基本単位に合成画像の基本配置パターン101と等し
い配置パターンで対応画素が配列されたパターンであ
る。このような基本配置パターンから成る第2出力画像
では、各対応画素について個別的に輝度データYが得ら
れる。ゆえに、各対応画素は、全て輝度データの実画素
となる。また、色差データは、各対応画素において、そ
の画素に対応する混合データに応じて、いずれか一方だ
けが得られる。ゆえに、各対応画素は、2種類の色差デ
ータ(R−Y),(B−Y)のいずれか一方だけの実画
素となる。信号処理回路は、まず実画素の輝度データお
よび色差データを求め、これらのデータから仮想画素の
輝度データおよび色差データを生成する。
【0125】図12は、本実施形態の撮像装置の高解像
度モードの第2出力画像の輝度の基底帯域、および色差
信号のキャリア周波数の位置を示す空間周波数平面図で
ある。
【0126】前述したように、水平および垂直方向H,
Vの画素の配列周期は、通常モードの配列周期の半分で
ある。また、斜め方向Uの配列周期は通常モードの配列
周期と等しい。ゆえに、輝度の基底帯域の水平、垂直お
よび斜め方向H,V,Uの空間周波数軸上の基底領域の
範囲は以下の式で表される。
【0127】 −fH≦f≦fH …(25) 0≦f≦fV …(20) 0≦f≦(fu/2) …(16) ゆえに、輝度の基底帯域は(−fH,0)、(−fH,
0)、(0,fV)の3点を頂点とした三角形を境界と
した領域となる。輝度の基底帯域を斜線を付して示す。
【0128】この輝度の基底帯域内に含まれる色差信号
のキャリア周波数は9つ存在する。黄色とマゼンタとの
混合データの対応画素の配列周期、シアンと緑との混合
データの対応画素の配列周期、黄色と緑との混合データ
の対応画素の配列周期およびシアンとマゼンタとの混合
データの対応画素の配列周期に起因する色モアレのキャ
リア周波数を、以下に示す。
【0129】 ( −fH,0) ( fH,0) (−fH/2,fV/4) ( fH/2,fV/4) (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) ( 0,fV) ( 0,fV/4) ( 0,3fV/4) …(26) このうち、固体撮像素子が2画素混合読出し型の画素で
あることに起因して生じる色モアレのキャリア周波数
は、以下の2箇所である。
【0130】 (0, fV/4) (0,3fV/4) …(27) 前述したように、本実施形態の固体撮像素子は2画素混
合読出し型の素子であるので、垂直方向の空間周波数が
周波数(fV/2)である輝度信号および色差信号の振
幅は減衰される。ゆえに、以下の2箇所のキャリア周波
数を中心とした色差信号の折返し成分の振幅が減衰され
る。これら2箇所のキャリア周波数の中心とした色差信
号の折返し成分に起因する色モアレは、出力画像上で目
立たなくなる。
【0131】 (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) …(28) また、水平および垂直方向H,Vの周波数成分と比較し
て斜め方向Uの周波数成分は人の目に感じられにくいこ
とが、視覚の空間周波数特性の空間異方特性として一般
に知られている。ゆえに、水平および垂直方向H,Vの
空間周波数軸上のキャリア周波数の中心とした折返し成
分に起因するモアレと比較して、斜め方向Uの空間周波
数軸上のキャリア周波数に起因したモアレは視覚的に気
にならない。
【0132】人が画像を認識するときの視覚特性を表す
指標として空間周波数特性(MTF;Modulation Trans
fer Function)が挙げられる。この空間周波数特性は、
二次元平面である画面上において一方方向にだけ濃淡が
変化する正弦波パターンを表示した場合であって、視者
に明暗の差が感じられなくなるとき、その画面に表示さ
れるパターンの画像とその空間周波数との関係を示す。
【0133】この正弦波パターンの一方方向をたとえば
水平方向Hを基準として水平方向と予め定める角度を持
つように傾けて表示する。この条件において、予め定め
る角度が±45度となるように傾けられ、空間周波数の
高周波成分の人の目に対する感度は最も低下する。この
ように、視覚の空間周波数特性が画像変化の空間的な方
向によって変わることを視覚の空間異方特性と称する。
この空間異方性特性から、画像上の斜め方向Uの高周波
成分を除去しても、画像の視覚的な劣化が少ないことが
分かる。
【0134】第1実施形態の撮像装置において説明した
ように、輝度の基底帯域の境界線上に存在するキャリア
周波数を中心とした色差信号の折返し成分は、光学系に
光学的ローパスフィルタを挿入することによって、その
振幅を減衰させることができる。このとき輝度信号の所
望信号成分のスペクトルの波形の歪みは小さい。このよ
うなことから、本実施形態の撮像装置の高解像度モード
において、視覚的に顕著に目立つモアレは(0,fV/
4),(0,3fV/4)の2箇所のキャリア周波数を
中心とする折返し成分だけに起因する。
【0135】第2出力画像において、輝度の基底帯域は
通常モードの輝度の基底帯域と比較して、水平および垂
直方向H,Vの空間周波数軸上の範囲が拡大される。し
たがって、第2出力画像の水平および垂直解像度が向上
する。また、第2出力画像には、色モアレの原因となる
折返し成分が少ない。これによって、高解像度モードの
第2出力画像において、画像の高精細化を図ることがで
きる。さらに、画像の画質が向上する。
【0136】本発明の第3実施形態である撮像装置を以
下に説明する。本実施形態の撮像装置は、第1実施形態
の撮像装置61と類似の構成を有する。本実施形態の撮
像装置では、固体撮像素子64の代わりに、固体撮像素
子111が用いられる。
【0137】図13は、固体撮像素子111の結像面の
具体的な構成を示す平面図である。この固体撮像素子1
11は、全画素読出し型の撮像素子である。固体撮像素
子111は固体撮像素子64と類似の構成を有し、同一
の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0138】固体撮像素子111は、(N×M)個の受
光領域FDを有する。受光領域FDの配置パターンを8
行4列の32個の受光領域FD(1,1)〜FD(4,
8)で表す。実際の固体撮像素子111では、図13に
示す構造が水平および垂直方向H,Vに周期的に繰返さ
れる。固体撮像素子111の受光領域の配置パターン
は、図2の固体撮像素子64の配置パターンと等しい。
【0139】受光領域FDの各列に隣接して、垂直転送
CCD群118a〜118d(総称するときは「11
8」とする)が配置される。垂直転送CCD群118に
は、隣接する受光領域FDの列に属する素子の数の電荷
結像素子Cが、垂直方向Vに直線状に配置され、相互に
電気的に接続される。この垂直転送CCD群118は、
受光領域FDの列の数と等しい数だけ存在する。垂直転
送CCD群118は、各電荷結合素子C内に転送された
受光データを、垂直方向Hに平行な一方の向き84に順
次的に転送する。
【0140】受光領域FDの一方端部には、各垂直転送
CCD群118と電気的に接続された水平転送CCD群
82が設けられる。水平転送CCD群82の一方端部に
は、出力部86が取付けられる。CCD群82内の電荷
結像素子Ceに順次的に転送された受光データは、出力
部86から前処理回路に出力される。
【0141】固体撮像素子111の光入射側には、色フ
ィルタが設置される。この色フィルタは、(N×M)個
のフィルタ要素が受光領域FDの配置パターンと同じ配
置パターンで配列される。素子111の各受光領域FD
は、予め定める露光時間の間に、対応するフィルタ要素
を通過した色彩光を受光して、その受光量に対応する受
光データを生成する。
【0142】この受光データは、垂直帰線期間中に、垂
直転送CCD群118の各電荷結像素子Cに転送され
る。垂直転送CCD群118には、隣接する受光領域の
列に含まれる受光領域FDの数と同等の数の電荷結像素
子Cが含まれる。これによって、各受光領域FDと垂直
転送CCD群118の電荷結像素子Cとは、1対1で対
応する。各受光領域FDからの受光データは、垂直転送
CCD群118の対応する電荷結像素子Cに個別的に転
送される。
【0143】垂直転送CCD群118に転送された受光
データは、水平帰線期間内に、垂直転送CCD群118
の各電荷結像素子Cを垂直方向Vの第1の向き84に向
かって順次的に転送される。受光データが垂直転送CC
D群118の一方端部の電荷結合素子Cに転送される
と、次いでそのCCD群118と接続された水平転送C
CD群82の電荷結合素子Ceに転送される。水平転送
CCD群82では、受光データを水平方向Hの第1の向
き85に沿って順次的に転送し、出力部86から前処理
回路に転送する。
【0144】このような動作によって、固体撮像素子1
11からは、受光データが個別的に導出される。単一回
の撮像において出力される原画像信号は、(N×M)個
の受光データから構成される。このような素子は、いわ
ゆる全画素読出し型の固体撮像素子である。
【0145】図14は、本実施形態での色フィルタのフ
ィルタ要素の基本配置パターン121を示す図である。
フィルタ要素の基本配置パターン121は、第1実施形
態と同じ4行2列の単位配列に、第1〜第4色彩光を通
過させる第1〜第4フィルタ要素を配置する配置パター
ンである。第1〜第4色彩光は、黄色、マゼンタ、緑、
シアンの4色とする。図14では、「Ye」、「C
y」、「Mg」、「G」が描かれた矩形領域で、それぞ
れ黄色、シアン、マゼンタおよび緑のフィルタ要素を示
す。
【0146】この基本配置パターン121において、第
1行第1列および第3行第2列に黄色のフィルタ要素が
配置される。第2行第1列および第4行第2列にマゼン
タのフィルタ要素が配置される。第1行第2列および第
3行第1列にシアンのフィルタ要素が配置される。第2
行第2列および第4行第1列に緑のフィルタ要素が配置
される。
【0147】本実施形態の撮像装置は、通常モードと高
解像度モードとを有する。通常モードにおける各構成要
素の挙動は、第1実施形態の撮像装置61の通常モード
での挙動と類似する。通常モードで画像光を撮像すると
き、光学系および固体撮像素子111は、予め定める状
態に固定される。固体撮像素子111は、結像位置が固
定された状態で、画像光を撮像する。出力された単一の
原画像信号は、前処理回路で処理された後にデジタル信
号に変換されて、画像メモリにストアされる。このとき
各原画像信号は、個別的にストアされる。信号処理回路
は、単一の原画像信号を、そのまま第1出力画像信号と
見なす。信号処理回路は、出力画像信号に基づいて、第
1出力画像の輝度信号および色差信号を求める。
【0148】第1出力画像の画素の等価的な基本配置パ
ターンは、図14に示す色フィルタの基本配置パターン
121と一致する。すなわち画素の基本配置パターンも
また(4×2)の8個の画素から成る。各画素には、各
画素において黄色の色フィルタを通過した色彩光を受光
した受光領域から出力される受光データ(以後「黄色の
受光データ」と略称する)、マゼンタの受光データ、シ
アンの受光データおよび緑の受光データのいずれか1つ
が対応する。これら各受光データが対応する画素の基本
配置パターンは、色フィルタのフィルタ要素の基本配置
パターン121と一致する。
【0149】第1出力画像は、このような画素の基本配
置パターンが水平および垂直方向H,Vに周期的に繰返
されて形成される。第1出力画像において、輝度信号と
2種類の色差信号の各データは、各画素毎に個別的に直
接求めることができる。ゆえに、第1出力画像の対応画
素は、全て輝度データおよび2種類の色差データの実画
素となる。たとえば第6行第2列に属する画素D(6,
2)の輝度データY(6,2)、色差データ(R−Y)
(6,2),(B−Y)(6,2)は、以下の式で示さ
れる。画素D(6,2)は、緑の受光データだけの対応
画素である。
【0150】
【数4】
【0151】このように輝度データY、色差データ(R
−Y),(B−Y)がそれぞれ各画素毎に個別的に求め
られる。ゆえに、第1出力画像における輝度信号および
色差信号の実画素の配置パターンは、受光データが対応
する画素の配置パターンと等価である。
【0152】図15は、本実施形態の撮像装置におい
て、通常モードで撮像された出力画像の輝度の基底帯域
および色差信号のキャリア周波数の位置を示す空間周波
数平面図である。輝度の基底帯域の範囲は、水平、垂直
および斜め方向H,V,Uの空間周波数軸において、第
1実施形態の撮像装置61における通常モードの画像の
各範囲と等しい。
【0153】
【数5】
【0154】 0≦f≦fV/2 …(15) 0≦f≦fu/2 …(16) この状態において、色モアレの原因となる色差信号のキ
ャリア周波数は、以下の3箇所に存在する。
【0155】 (−fH/2,fV/4) ( 0,fV/2) ( fH/2,fV/4) …(32) この3箇所のキャリア周波数は、全て黄色、シアン、マ
ゼンタおよび緑の受光データの対応画素の配列周期から
得られる。
【0156】上述したように、全画素読出し型の固体撮
像素子を用いると、2画素混合読出し型の素子を用いる
第1実施形態の通常モードの画像と比較して、基底帯域
内の色差信号のキャリア周波数の数が減少する。ゆえ
に、色モアレが発生しにくくなる。かつ、水平方向軸上
に色モアレの原因となるキャリア周波数が存在しない。
ゆえに、水平方向の解像度を向上させることができる。
このように、本実施形態の撮像装置では、通常モードで
の第1出力画像の画質が、第1および第2実施形態の撮
像装置で得られる第1出力画像の画質よりも向上する。
【0157】第3実施形態の撮像装置の高解像度モード
を以下に説明する。高解像度モードでは、予め定める第
1〜第4位置Qa〜Qdに画像光の結像位置が移動する
ように、光学系および固体撮像素子111を駆動して、
被写体からの画像光の光軸を平行移動させる。
【0158】図16は、高解像度モードにおける画像光
の結像位置の移動位置の位置変化を示す図である。第1
位置Qaは、たとえば通常モードでの画像光の結像位置
である。この第1位置を基準位置(0,0)と考える。
第2位置Qbは、第1位置Qaから垂直方向Vにシフト
長さ(PV/2)だけ移動した位置である。第3位置Q
cは、第1位置Qaから見て垂直方向Vにシフト長さP
Vだけ移動した位置である。第4位置Qdは垂直方向V
にシフト長さ(3PV/2)だけ移動した位置である。
第1位置Qaの位置を(0,0)とすると、第2位置Q
bは(0,PV/2)で表される。同様に第3位置Qc
および第4位置Qdは、(0,PV),(0,3PV/
2)と表される。このように、本実施形態の撮像モード
では、画像光の結像位置を垂直方向Vに平行に4つの移
動位置に移動させる。このような結像位置の移動を、垂
直4ポジションイメージシフトと称する。
【0159】光学系および固体撮像素子111は、画像
光の光軸を、その結像位置が第1〜第4位置Qa〜Qd
に一致するように、順次的に平行移動させる。固体撮像
素子111は、画像光の結像位置が第1〜第4位置Qa
〜Qdに移動される度に、画像光を撮像して、4つの原
画像信号を出力する。撮像された4つの原画像信号は、
画像メモリにおいて関連されてストアされる。
【0160】信号処理回路は、関連してストアされる4
つの原画像信号から第2出力画像信号を生成する。信号
処理回路では、まず撮像された4枚の原画像信号を撮像
時の結像位置の移動方向とは逆向きに同じシフト長さだ
けずらして重ね合わせて、合成画像信号を生成する。こ
の合成画像信号に基づいて、第2出力画像信号の輝度信
号Y、色差信号(R−Y),(B−Y)を求める。
【0161】図17は、本実施形態の撮像装置の高解像
度モードにおいて生成される合成画像の等価的な画素の
基本配置パターン123を示す図である。図17(1)
と図17(2)とに示される配置パターン123a,1
23bは、それぞれ同一の画素に対する配置パターンを
示す。すなわち、各対応画素においては、2つの色彩光
に対応した受光データが対応する。この基本配置パター
ン123は、水平および垂直方向の配列周期がそれぞれ
周期PH,PVである8行2列の(8×2)個の画素か
らなる。合成画像は、2N行M列の(2N×M)個の画
素からなる画像である。
【0162】基本配置パターン123において、画素D
(1,1),D(2,1),D(5,2),D(6,
2)には黄色および緑の受光データがそれぞれ対応す
る。画素D(3,1),D(4,1),D(7,2),
D(8,2)には、黄色およびマゼンタの受光データが
それぞれ対応する。画素D(5,1),D(6,1),
D(1,2),D(2,2)には、シアンおよびマゼン
タの受光データがそれぞれ対応する。画素D(7,
1),D(8,1),D(3,2),D(5,2)に
は、シアンおよび緑の受光データがそれぞれ対応する。
【0163】信号処理回路は、図17に示す画素の等価
的な基本配置パターンを示す合成画像に基づいて、輝度
信号と2種類の色差信号を求める。この合成画像では、
空白列の仮想画素以外の対応画素について、各対応画素
毎に輝度データYと色差データ(B−Y),(R−Y)
とを求めることができる。ゆえに、合成画像での受光デ
ータの対応画素は、第2出力画像における実画素とな
る。たとえば第3行第2列に属する画素D(3,2)に
おける輝度データY(3,2)および色差データ(B−
Y)(3,2),(R−Y)(3,2)は以下の式で求
められる。
【0164】
【数6】
【0165】第2出力画像は、たとえば2N行2M列の
(2N×2M)個の画素からなる画像である。ゆえに、
第2出力画像の基本配置パターンは、合成画像の基本配
置パターン123の第1列および第2列に隣接して、8
個の仮想画素からなる2列の空白列が含まれる8行4列
の単位配置で構成される。
【0166】図18は、高解像度モードの第2出力画像
の輝度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数とを
示す空間周波数平面図である。本画像の輝度の基底帯域
は、第1実施形態の撮像装置の高解像度モードの第2出
力画像における輝度の基底帯域と等しい。
【0167】
【数7】
【0168】 0≦f≦fV …(20) 0≦f≦(fu/2) …(16) この輝度の基底帯域内にモアレの原因となる色差信号の
キャリア周波数は4箇所存在する。これらは、黄色、シ
アン、マゼンタおよび緑の各受光データの対応画素の水
平方向の配列周期に起因して生じており、以下に色モア
レのキャリア周波数を示す。
【0169】 (−fH/2, fV/4) ( fH/2, fV/4) (−fH/2,3fV/4) ( fH/2,3fV/4) …(36) 本実施形態の高解像度モードの第2出力画像において、
輝度の基底帯域は通常モードの第1出力画像と比較して
垂直方向Vに2倍に拡大している。また第1および第2
実施形態に示す2画素混合読出し型の固体撮像素子64
を用いたときと比較すると、垂直方向Vの空間周波数が
周波数(fV/2)である輝度信号および色差信号の振
幅は減少しない。ゆえに、この周波数近傍の輝度信号の
振幅の減衰に起因する画質劣化を防ぐことができる。
【0170】本実施形態の高解像度モードの第2出力画
像では、輝度の基底帯域の境界線上にだけキャリア周波
数が存在する。前述したように、基底帯域の境界線近傍
のキャリア周波数を中心とする色差信号の折返し成分
は、光学的ローパスフィルタを用いて、輝度信号に影響
を及ぼすことなく容易に排除することができる。また、
垂直方向Vの空間周波数軸線上には、色モアレが存在し
ない。したがって、本実施形態の第2出力画像では、通
常モードの第1出力画像および第1および第2実施形態
の第2出力画像と比較して、垂直方向Vの解像度を向上
させることができる。ゆえに垂直方向Vの画像の高精細
化を図ることができる。
【0171】本発明の第4実施形態である撮像装置につ
いて以下に述べる。本実施形態の撮像装置は第3実施形
態の撮像装置と同様の構成を有する。すなわち、第1実
施形態の撮像装置61に全画素読出し型の固体撮像素子
111を組込んだ構成をを有する。この撮像装置の色フ
ィルタのフィルタ要素の基本配置パターンは、図14に
示される第3実施形態の基本配置パターン121と等し
い。
【0172】本実施形態の撮像装置では、通常モードと
高解像度モードとを有する。通常モードにおいて各構成
要素は、第3実施形態の通常モードと同様の挙動を示
す。通常モードで得られる第1出力画像は、第3実施形
態の通常モードの第1出力画像と等しく、輝度の基底帯
域および色差信号のキャリア周波数は、図15に示され
るものと等しい。
【0173】本実施形態の撮像装置の高解像度モードに
おいて、各構成要素は、第2実施形態の高解像度モード
での挙動と類似の挙動を示す。画像光の結像位置の移動
位置は、図10に示す第1〜第4位置Qa〜Qdと等し
い。ゆえに、光学系および固体撮像素子111では、斜
め4ポジションイメージシフトを行う。固体撮像素子
は、第1〜第4位置Qa〜Qdに結像位置が移動される
度に、画像光を撮像して、原画像信号を出力する。画像
メモリは、4つの原画像信号を関連してストアする。
【0174】信号出力回路は、4つの原画像信号から、
単一の第2出力画像を生成する。信号生成回路は、まず
4枚の原画像をイメージシフトのシフト方向と逆向きに
同じシフト長さだけずらして重ね合わせて、合成画像を
合成する。
【0175】図19は、合成画像の等価的な画素の基本
配置パターン126を示す図である合成画像の基本配置
パターンは、8行4列の単位配列に16個の画素を配列
するパターンである。図19(1)および図19(2)
に示す配置パターン126a,126bは、それぞれ同
一の画素の配置パターンを示す。すなわち各対応画素に
は、それぞれ2つの受光データが対応する。
【0176】合成画像では、固体撮像素子の受光データ
に直接対応する対応画素が、斜め方向Uに沿って並べら
れる。水平および垂直方向H,Vに平行に配置される2
つの対応画素に挟まれた領域には、仮想画素が仮想され
る。合成画像の水平および垂直方向H,Vには、実画素
と仮想画素とが交互に配列される。図19では、対応画
素を実線の矩形領域で表し、仮想画素を破線の矩形領域
で表す。これによって、高画質モードの合成画像の等価
的な画素配置パターン126では、実画素が市松状に並
べられる。これら実画素の配列周期は、垂直方向Vの配
列周期が周期(PV/2)であり、水平方向Hの配列周
期が周期(PH/2)であり、斜め方向Uの配列周期が
周期PUである。
【0177】基本配置パターン126において、画素D
(1,1),D(2,2),D(5,3),D(6,
4)には、黄色およびマゼンタの受光データがそれぞれ
対応する。画素D(3,1),D(4,2),D(7,
3),D(8,4)には、シアンおよびマゼンタの受光
データがそれぞれ対応する。画素D(5,1),D
(6,2),D(1,3),D(2,4)には、シアン
および緑の受光データがそれぞれ対応する。画素D
(7,1),D(8,2),D(3,3),D(4,
4)には、黄色および緑の受光データがそれぞれ対応す
る。
【0178】第2出力画像の基本配置パターンは、8行
4列の基本単位に合成画像の基本配置パターン126と
等しい配置パターンで画素が配列されたパターンであ
る。このような基本配置パターンから成る第2出力画像
では、各対応画素について個別的に輝度データY、色差
データ(R−Y),(B−Y)が得られる。ゆえに、各
対応画素は、全て輝度データおよび2種類の色差データ
の実画素となる。たとえば、第3行第3列に属する画素
D(3,3)の輝度データY(3,3)および色差デー
タ(B−Y)(3,3),(R−Y)(3,3)は、以
下の式で示される。
【0179】
【数8】
【0180】図20は、本実施形態の撮像装置において
高解像度モードで撮像された画像の輝度の基底帯域およ
び色差信号のキャリア周波数の位置を示す空間周波数平
面図である。
【0181】輝度の基底帯域は、第2実施形態の撮像装
置の高解像度モードで撮像された第2出力画像の輝度の
基底帯域と等しい。すなわち、(−fH,0)、(f
H,0)、(0,fV)の3点を頂点とした三角形の内
側の領域が輝度の基底帯域である。この輝度の基底帯域
内に位置する色モアレのキャリア周波数は、以下の2つ
である。
【0182】 (−fH/2,fV/4) ( fH/2,fV/4) …(41) 本実施形態の撮像装置の高解像度モードで得られる第2
出力画像では、輝度の基底帯域が水平および垂直方向H
・Vの空間周波数軸に沿って、通常モードと比較して2
倍に拡大される。斜め方向Uの基底帯域は通常モードと
等しい。また、基底帯域内に存在する色差信号のキャリ
ア周波数は、斜め方向Uの空間周波数軸に近い位置に存
在する。ゆえに、上述した2つのキャリア周波数を中心
とした色差信号の折返し成分に基づいて発生する色モア
レは視覚的に目立たない。ゆえに、本実施形態の撮像装
置の高解像度モードでは、水平および垂直方向H,Vの
画像の解像度が向上される。ゆえに、水平および垂直方
向H,Vの画像の高精細化を図ることができる。
【0183】第5実施形態である撮像装置について以下
に説明する。本実施形態の撮像装置は第3実施形態の撮
像装置と同様の構成を有する。すなわち、第1実施形態
の撮像装置61に全画素読出し型の固体撮像素子111
を組込んだ構成を有する。この撮像装置の色フィルタの
フィルタ要素の基本配置パターンは、図14に示される
第3実施形態の基本配置パターン121と等しい。
【0184】本実施形態の撮像装置では、通常モードと
高解像度モードとを有する。通常モードにおいて各構成
要素は、第3実施形態の通常モードと同様の挙動を示
す。通常モードで得られる第1出力画像は、第3実施形
態の通常モードの第1出力画像と等しく、輝度の基底帯
域および色差信号のキャリア周波数は、図15に示され
るものと等しい。
【0185】本実施形態の撮像装置の高解像度モードに
おいて、各構成要素は、第2実施形態の高解像度モード
での挙動と類似の挙動を示す。
【0186】図21は、本実施形態の高解像度モードに
おいて、画像光の結像位置の移動位置の位置変化を示す
図である。本実施形態の撮像モードの高解像度モードで
は、第1〜第4位置Qa〜Qdに結像位置を移動させ
る。これによって、各受光領域は第1〜第4位置Qa〜
Qdに相当するシフト方向にシフト長さだけずれた被写
体の画像光を受光する。
【0187】第1位置Qaは、たとえば通常モードでの
画像光の結像位置である。第1位置Qaを基準位置とし
て(0,0)で表す。第2位置Qbは、第1位置Qaか
ら垂直方向Vにだけシフト長さ2PVだけずれた位置
(0,2PV)である。第3位置Qcは、第1位置Qa
から水平方向Hに長さ(−PH/2)、垂直方向Vに長
さPVだけずれた位置(−PH/2,PV)である。第
4位置Qdは、水平方向に長さ(PH/2)およびかつ
垂直方向に長さPVだけずれた位置(PH/2,PV)
である。長さが負の値であるときは、長さが正の値であ
るときのシフト移動と同じ方向に平行であって相反する
向きに移動することを示す。
【0188】固体撮像素子は、第1〜第4位置Qa〜Q
dに結像位置が移動される度に、画像光を撮像して、原
画像信号を出力する。画像メモリは、4つの原画像信号
を関連してストアする。
【0189】信号出力回路は、4つの原画像信号から、
単一の第2出力画像を生成する。信号生成回路は、まず
4枚の原画像をイメージシフトのシフト方向と逆向きに
同じシフト長さだけずらして重ね合わせて、合成画像を
合成する。
【0190】図22は、本実施形態の撮像装置の高画質
モードにおいて撮像された合成画像の等価的な画素配列
の基本配置パターン129を示す図である。高解像度モ
ードでは、画素の基本配置パターン129は、2行2列
の4つの画素で構成される。図22において、「Fa」
が描かれる画素は、黄色およびシアンの受光データの対
応画素を示す。「Fb」が描かれた画素は、マゼンタお
よび緑の受光データの対応画素を示す。
【0191】この基本配置パターン129において、画
素D(1,1),D(2,2)は黄色およびシアンの受
光データが対応する。画素D(2,1),D(1,2)
には、マゼンタおよび緑の受光データが対応する。この
基本配置パターンでは、垂直方向Vおよび水平方向Hに
それぞれ黄色およびマゼンタの受光データが得られる画
素とマゼンタおよび緑の受光データが得られる画素とが
交互に配列される。この基本配置パターン129におい
て、対応画素は水平および垂直方向H,Vに沿って、周
期(PH/2),PVで配列される。
【0192】第2出力画像は、たとえば2N行2M列の
(2N×2M)個の画素からなる画像である。ゆえに、
第2出力画像の基本配置パターンは、合成画像の基本配
置パターンに、第1行および第2行に隣接する2個の仮
想画素からなる空白行を含む4行2列の単位配置で構成
される。
【0193】信号処理回路は、図22に示す画素の等価
的な基本配置パターンを示す合成画像に基づいて、輝度
信号Yと色差信号(B−Y),(R−Y)を求める。こ
の合成画像では、空白行の仮想画素以外の対応画素につ
いて、各画素毎に輝度データYと色差データ(B−
Y),(R−Y)とを求めることができる。ゆえに、合
成画像での受光データの対応画素は、第2出力画像にお
ける輝度データおよび2種類の色差データの実画素とな
る。たとえば、第2行第3列の画素D(2,3)の輝度
データY(2,3)および色差データ(B−Y)(2,
3),(R−Y)(2,3)は、以下の式で求められ
る。
【0194】
【数9】
【0195】図23は、本実施形態の撮像装置において
高解像度モードで得られる第2出力画像の輝度の基底帯
域および色差信号のキャリア周波数を示す空間周波数平
面図である。図22の等価的な画素配列の基本配置パタ
ーンに示すように、高解像度モードの第2出力画像で
は、画素は垂直方向に周期PVで配置され、水平方向に
周期(PH/2)で配置される。ゆえに、水平および垂
直方向の空間周波数軸上での輝度の基底帯域の範囲は以
下のように表される。
【0196】 −fH≦f≦fH …(45) 0≦f≦fV/2 …(15) また、この輝度の基底帯域内に存在する色モアレのキャ
リア周波数は、以下の2つである。
【0197】 (−fH,fV/2) ( fH,fV/2) …(46) これら2つのキャリア周波数は、黄色およびシアンの受
光データの対応画素の斜め方向Uの配列周期、およびマ
ゼンタおよび緑の受光データの対応画素の斜め方向Uの
配列周期に起因して発生する。
【0198】このように、高解像度モードの第2出力画
像では、通常モードの第1出力画像と比較して、水平方
向Hの空間周波数軸に沿って輝度の基底帯域が2倍に拡
大する。これによって、水平方向Hの画像の解像度が向
上する。さらに、水平および垂直方向H,Vの空間周波
数軸上には、モアレの原因となる色差信号のキャリア周
波数が存在しない。ゆえに、この高解像度モードの画像
では、視覚的に目立つモアレが存在しないので、さらに
画像の解像度が向上する。
【0199】本発明の第6実施形態である撮像装置の構
成について以下に説明する。
【0200】第6実施形態の撮像装置は、第3実施形態
の撮像装置と同等の構成を有する。本実施形態の撮像装
置は第3実施形態の撮像装置と類似の構成を有する。本
実施形態の撮像装置では、基本配置パターン121の色
フィルタのかわりに、以下に示す基本配置パターン13
1からなる色フィルタを用いる。
【0201】図24は、本実施形態の撮像装置の色フィ
ルタのフィルタ要素の基本配置パターン131を示す図
である。本実施形態の色フィルタの基本配置パターン1
31は、2行2列の4つのフィルタ要素から構成され
る。この基本配置パターン131では、黄色のフィルタ
要素とマゼンタのフィルタ要素とが垂直方向Vに平行に
交互に配列される。黄色のフィルタ要素とシアンのフィ
ルタ要素とが水平方向Hに平行に交互に配列される。か
つマゼンタのフィルタ要素と緑のフィルタ要素とが水平
方向Hに平行に交互に配列される。このような基本配置
パターンが、垂直方向Vおよび水平方向Hに沿って周期
的に配列され、色フィルタが構成される。
【0202】本実施形態の撮像装置では、通常モードお
よび高解像度モードの2つのモードにおいて、画像光を
撮像することができる。通常モードにおいて、各構成要
素は、第3実施形態の通常モードと同様の挙動を示す。
ゆえに、通常モードにおける第1出力画像の対応画素の
等価的な基本配置パターンは、色フィルタのフィルタ要
素の基本配置パターンと等しい。すなわち、各対応画素
は垂直方向Vに周期PVおよび水平方向Hに周期PHで
行列状に配置される。
【0203】各対応画素には、黄色、シアン、マゼン
タ、緑の受光データのうちのいずれか1つが対応する。
同一色彩光の受光データが対応する対応画素は、垂直方
向Vに周期2PV、水平方向Hに周期2PHおよび斜め
方向に周期2PUで配置される。
【0204】このような基本配置パターンで対応画素が
配列された第1出力画像では、各対応画素毎に輝度デー
タYおよび色差データ(B−Y),(R−Y)を個別的
に直接求めることができる。たとえば2行2列に属する
画素の輝度データY(2,2)および色差データ(B−
Y)(2,2),(R−Y)(2,2)は以下の式で求
められる。
【0205】
【数10】
【0206】図25は、通常モードで得られた第1出力
画像の輝度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数
を示す空間周波数平面図である。輝度の基底帯域は、第
3実施形態の撮像装置の通常モードにおいて撮像された
画像の基底帯域と等しい。
【0207】 0≦f≦fV/2 …(15)
【0208】
【数11】
【0209】この基底帯域内に存在する色差信号のキャ
リア周波数は、以下の5箇所である。
【0210】 (−fH/2,0) ( fH/2,0) (−fH/2,fV/2) ( 0,fV/2) ( fH/2,fV/2) …(50) これらのキャリア周波数は、黄色、シアン、マゼンタお
よび緑の受光データが対応する画素の配列周期に起因し
て生じる。
【0211】本実施形態の撮像装置において通常モード
の画像の輝度の基底帯域は従来技術および第1〜第5実
施形態の画像と等しい。けれども、この基底帯域内の色
モアレのキャリア周波数は全て基底帯域の境界線近傍に
位置している。ゆえに、この基底帯域の境界線近傍の周
波数の信号強度を光学的ローパスフィルタによって減少
させても輝度信号の振幅そのものにほとんど影響を与え
ない。ゆえに、輝度信号の解像度に影響を与えることな
くモアレを取除くことができる。
【0212】また、従来技術の撮像装置1における通常
モードの画像と比較すると、(fH/2,fV/4),
(−fH/2,fV/4)に存在する色差信号のキャリ
ア周波数が消滅している。ゆえに、このキャリア周波数
を中心としたモアレが発生しなくなる。ゆえに、本実施
形態の通常モードでは、従来技術の通常モードの画像よ
りも解像度が向上した高画質の画像を得ることができ
る。
【0213】以下に本実施形態の高解像度モードについ
て説明する。本実施形態の撮像装置の高解像度モードに
おいて、各構成要素は、第2実施形態の高解像度モード
と類似の挙動を示す。画像光の結像位置の移動位置は、
図10に示す第1〜第4位置Qa〜Qdと等しい。ゆえ
に、光学系および固体撮像素子では、斜め4ポジション
イメージシフトを行う。固体撮像素子は、第1〜第4位
置Qa〜Qdに結像位置が移動される度に、画像光を撮
像して、原画像信号を出力する。画像メモリは、4つの
原画像信号を関連してストアする。
【0214】信号出力回路は、4つの原画像信号から、
単一の第2出力画像を生成する。信号生成回路は、まず
4枚の原画像をイメージシフトのシフト方向と逆向きに
同じシフト長さだけずらして重ね合わせて、合成画像を
合成する。
【0215】図26は、合成画像の等価的な画素の基本
配置パターン133を示す図である合成画像の基本配置
パターンは、4行4列の単位配列に8個の画素を配列す
るパターンである。図26(1)および図26(2)に
示す配置パターン133a,133bとはそれぞれ同一
の画素に対するパターンを示す。すなわち各画素は、そ
れぞれ単一画素において2つの受光データが対応する。
【0216】合成画像では、固体撮像素子の受光領域の
出力に直接対応する対応画素が、斜め方向Uに沿って並
べられる。水平および垂直方向H,Vにそって、2つの
対応画素に挟まれた領域には、仮想画素が仮想される。
合成画像の水平および垂直方向H,Vには、対応画素と
仮想画素とが交互に配列される。図26では、対応画素
を実線の矩形領域で表し、仮想画素を破線の矩形領域で
表す。これによって、高画質モードの合成画像の等価的
な画素配列では、実画素が市松状に並べられる。これら
実画素の配列周期は、垂直方向Vの配列周期が周期(P
V/2)であり、水平方向Hの配列周期が周期(PH/
2)であり、斜め方向Uの配列周期が周期PUである。
【0217】各対応画素には、異なる2つの色彩光の受
光データがそれぞれ個別的に対応する。すなわち、画素
D(1,1),D(2,2),D(3,3),D(4,
4)には、黄色および緑の受光データがそれぞれ対応す
る。画素D(1,3),D(2,4),D(3,1),
D(4,2)には、シアンとマゼンタの受光データが対
応する。
【0218】第2出力画像の基本配置パターンは、4行
4列の基本単位に合成画像と等しい配置パターンで画素
が配列されたパターンである。このような基本配置パタ
ーンから成る第2出力画像では、各対応画素について個
別的に輝度データY、色差データ(R−Y),(B−
Y)が得られる。ゆえに、各対応画素は、全て輝度デー
タY、色差データ(R−Y),(B−Y)の実画素とな
る。たとえば3行3列の画素D(3,3)の輝度データ
Yおよび色差データ(B−Y)(3,3),(R−Y)
(3,3)は以下の式で求められる。
【0219】
【数12】
【0220】図27は、本実施形態の撮像装置におい
て、高解像度モードで得られる第2出力画像の輝度の基
底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空間周波
数平面図である。輝度の基底帯域は、第2実施形態の高
解像度モードの画像の輝度の基底帯域と等しい。
【0221】 (−fH/2)≦f≦(fH/2) …(14) 0≦f≦fV …(20) 0≦f≦(fu/2) …(16) また、この基底帯域内に存在する色差信号のキャリア周
波数は、(−fH/2,fV/2)である。このキャリ
ア周波数は、黄色、シアン、マゼンタおよび緑の各受光
データが得られる画素の斜め方向Uの配列周期に起因す
る。
【0222】このように、高解像度モードの第2出力画
像は、通常モードの第2出力画像と比較して水平および
垂直方向H,Vの空間周波数軸上の輝度の基底帯域が2
倍に拡大している。かつ水平および垂直方向の空間周波
数軸上に、色モアレの原因となる色差信号のキャリア周
波数は存在しない。ゆえに、水平方向および垂直方向の
解像度が改善されるとともに画質が向上する。さらに、
色差信号のキャリア周波数は基底帯域の境界線近傍に存
在する。この色差信号のキャリア周波数を中心とした折
返し成分を光学的ローパスフィルタを用いて低減させて
も、輝度信号の信号の振幅に与えられる影響が小さい。
したがって、さらに第2出力画像の画質を向上させるこ
とができる。
【0223】以上のように本実施形態の撮像装置では、
通常モードおよび高解像度モードのいずれにおいても、
従来技術よりも解像度が高く画質の良い画像を得ること
ができる。
【0224】第1〜第6実施形態の撮像装置において、
高解像度モードにおいて固体撮像素子を移動させる移動
方向は、各移動位置間の移動関係が保たれているなら
ば、撮像順序は、第1位置Qaから第4位置Qdに至る
順序以外の順序でも良い。さらに、各移動位置の位置関
係は、前述した図において各移動位置を直線で結んで描
かれる図形が垂直方向Vに水平な垂直軸線、および水平
方向Hに平行な水平軸線に対して線対称の図形となるよ
うに各移動位置を設定しても良い。すなわち、移動方向
は前述した移動方向から見て90°または180°変位
した方向に移動するようにしても良い。また、任意に設
定される基準位置に対して点対称な図形となるように移
動位置を設定しても良い。
【0225】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、撮像装置
は、入射された画像光を4行2列の基本配置パターンで
透光領域が配置された色分離フィルタ手段を介して、2
画素混合読出し型の撮像素子に結像させて、画像光を撮
像する。またこの画像光の受光位置は、平行2ポジショ
ンイメージシフトで移動される。このような撮像装置で
は、シフト方向と平行な出力画像の垂直解像度を2倍に
向上させることができる。またモアレの原因となる色差
信号を、光学的ローパスフィルタで容易に除去すること
ができるので、さらに出力画像の画質が向上する。ま
た、シフト方向が1方向であるので、移動手段の構成が
簡略化される。ゆえに、部品点数が減少し、製造コスト
を低減させることができる。
【0226】また本発明によれば、撮像装置は、入射さ
れた画像光を4行2列の基本配置パターンで透光領域が
配置された色分離フィルタ手段を介して、2画素混合読
出し型の撮像素子に結像させて、画像光を撮像する。ま
たこの画像光の受光位置は、斜め4ポジションイメージ
シフトで移動される。このような撮像装置では、出力画
像の水平および垂直解像度を2倍に向上させることがで
きる。またモアレの原因となる色差信号を、光学的ロー
パスフィルタで容易に除去することができるので、さら
に出力画像の画質が向上する。また、シフト方向が1方
向であるので、移動手段の構成が簡略化される。ゆえ
に、部品点数が減少し、製造コストを低減させることが
できる。
【0227】また本発明によれば、撮像装置は、入射さ
れた画像光を4行2列の基本配置パターンで透光領域が
配置された色分離フィルタ手段を介して、全画素読出し
型の撮像素子に結像させて、画像光を撮像する。またこ
の画像光の受光位置は、平行4ポジションイメージシフ
トで移動される。このような撮像装置では、シフト方向
と平行な出力画像の垂直解像度を2倍に向上させること
ができる。また色差信号の折返し成分と輝度信号の所望
信号成分とが干渉することを防止する。これによって、
モアレの発生を防止することができるので、さらに出力
画像の画質が向上する。また、シフト方向が1方向であ
るので、移動手段の構成が簡略化される。ゆえに、部品
点数が減少し、製造コストを低減させることができる。
【0228】また本発明によれば、撮像装置は、入射さ
れた画像光を4行2列の基本配置パターンで透光領域が
配置された色分離フィルタ手段を介して、全画素読出し
型の撮像素子に結像させて、画像光を撮像する。またこ
の画像光の受光位置は、複数方向へ移動位置を移動させ
る複数軸4ポジションイメージシフトで移動される。こ
のような撮像装置では、出力画像の水平解像度を2倍に
向上させることができる。また色差信号の折返し成分と
輝度信号の所望信号成分とが干渉することを防止する。
これによって、モアレの発生を防止することができるの
で、さらに出力画像の画質が向上する。
【0229】また本発明によれば、撮像装置は、入射さ
れた画像光を4行2列の基本配置パターンで透光領域が
配置された色分離フィルタ手段を介して、全画素読出し
型の撮像素子に結像させて、画像光を撮像する。またこ
の画像光の受光位置は、斜め4ポジションイメージシフ
トで移動される。このような撮像装置では、出力画像の
水平および垂直解像度を2倍に向上させることができ
る。また色差信号の折返し成分と輝度信号の所望信号成
分とが干渉することを防止する。これによって、モアレ
の発生を防止することができるので、さらに出力画像の
画質が向上する。また、シフト方向が1方向であるの
で、移動手段の構成が簡略化される。ゆえに、部品点数
が減少し、製造コストを低減させることができる。
【0230】また本発明によれば、撮像装置は、入射さ
れた画像光を2行2列の基本配置パターンで透光領域が
配置された色分離フィルタ手段を介して、全画素読出し
型の撮像素子に結像させて、画像光を撮像する。またこ
の画像光の受光位置は、斜め4ポジションイメージシフ
トで移動される。このような撮像装置では、出力画像の
水平および垂直解像度を2倍に向上させることができ
る。また色差信号の折返し成分と輝度信号の所望信号成
分とが干渉することを防止する。これによって、モアレ
の発生を防止することができるので、さらに出力画像の
画質が向上する。また、シフト方向が1方向であるの
で、移動手段の構成が簡略化される。ゆえに、部品点数
が減少し、製造コストを低減させることができる。
【0231】さらにまた本発明によれば、撮像装置の色
分離フィルタ手段は、補色系の色彩光を通過させる。補
色系のフィルタ手段は原色系のフィルタ手段と比較し
て、通過させる光量が多い。ゆえに、各受光領域での受
光量が増大し、画像光の感度が増加するので、微弱な画
像光をも充分に受光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である撮像装置61の構
成を示すブロック図である。
【図2】固体撮像素子64の結像面の具体的な構成を示
す平面図である。
【図3】色フィルタのフィルタ要素の基本配置パターン
91を示す図である。
【図4】通常モードの第1出力画像の等価的な画素の基
本配置パターン92を示す図である。
【図5】第1出力画像の輝度の基底帯域および色差信号
のキャリア周波数を示す空間周波数平面図である。
【図6】水平および垂直方向H,Vの空間周波数軸に対
する輝度信号および色差信号のスペクトルを示すグラフ
である。
【図7】高解像度モードでの固体撮像素子の結像面にお
ける画像光の結像位置の移動位置の位置関係を示す図で
ある。
【図8】高解像度モードの合成画像の等価的な画素の基
本配置パターン93を示す図である。
【図9】第2出力画像の輝度の基底帯域および色差信号
のキャリア周波数を示す空間周波数平面図である。
【図10】第2実施形態である撮像素子の高解像度モー
ドでの固体撮像素子の結像面における画像光の結像位置
の移動位置の位置関係を示す図である。
【図11】第2実施形態の撮像素子の高解像度モードの
合成画像の等価的な画素の基本配置パターン101を示
す図である。
【図12】第2実施形態の第2出力画像の輝度の基底帯
域および色差信号のキャリア周波数を示す空間周波数平
面図である。
【図13】第3実施形態である撮像装置の固体撮像素子
111の結像面の具体的な構成を示す平面図である。
【図14】第3実施形態の撮像装置の色フィルタのフィ
ルタ要素の基本配置パターン121を示す図である。
【図15】第3実施形態の撮像装置の第1出力画像の輝
度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空
間周波数平面図である。
【図16】第3実施形態の撮像装置の高解像度モードで
の固体撮像素子の結像面における画像光の結像位置の移
動位置の位置関係を示す図である。
【図17】第3実施形態の撮像装置の高解像度モードの
合成画像の等価的な画素の基本配置パターン123を示
す図である。
【図18】第3実施形態の撮像装置の第2出力画像の輝
度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空
間周波数平面図である。
【図19】第4実施形態の撮像装置の高解像度モードの
合成画像の等価的な画素の基本配置パターン126を示
す図である。
【図20】第4実施形態の撮像装置の第2出力画像の輝
度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空
間周波数平面図である。
【図21】第5実施形態の撮像装置の高解像度モードで
の固体撮像素子の結像面における画像光の結像位置の移
動位置の位置関係を示す図である。
【図22】第5実施形態の撮像装置の高解像度モードの
合成画像の等価的な画素の基本配置パターン129を示
す図である。
【図23】第5実施形態の撮像装置の第2出力画像の輝
度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空
間周波数平面図である。
【図24】第6実施形態の撮像装置の色フィルタのフィ
ルタ要素の基本配置パターン131を示す図である。
【図25】第6実施形態の撮像装置の第1出力画像の輝
度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空
間周波数平面図である。
【図26】第6実施形態の撮像装置の高解像度モードの
合成画像の等価的な画素の基本配置パターン133を示
す図である。
【図27】第6実施形態の撮像装置の第2出力画像の輝
度の基底帯域および色差信号のキャリア周波数を示す空
間周波数平面図である。
【図28】第2の従来技術である電子スチルカメラ1の
構成を示すブロック図である。
【図29】電子スチルカメラ1の固体撮像素子4の光入
射側に備えられる色フィルタ16のフィルタ要素17の
配置状態を示す図である。
【図30】電子スチルカメラ1の通常モードで得られる
出力画像の輝度の基底帯域および色差信号のキャリア周
波数を示す空間周波数平面図である。
【図31】電子スチルカメラ1の高解像度モードでの固
体撮像素子の結像面における画像光の結像位置の移動位
置の位置関係を示す図である。
【図32】電子スチルカメラ1の高解像度モードにおい
て生成される出力画像のうち、基本配置パターン21に
対応する部分の出力画像の画素配置を示す図である。
【図33】電子スチルカメラ1の高解像度モードで得ら
れる出力画像の輝度の基底帯域および色差信号のキャリ
ア周波数を示す空間周波数平面図である。
【図34】電子スチルカメラ1の高解像度モードでの固
体撮像素子の結像面における画像光の結像位置の移動位
置の位置関係を示す図である。
【図35】電子スチルカメラ1の高解像度モードで得ら
れる出力画像の輝度の基底帯域および色差信号のキャリ
ア周波数を示す空間周波数平面図である。
【符号の説明】
61 撮像装置 63 光学系 64,111 固体撮像素子 67 画像メモリ 74 信号処理回路 75 記録媒体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1〜第4色彩光にそれぞれ対応し、入
    射される画像光のうち対応する色彩光だけを通過させる
    複数の第1〜第4透光領域を有する色分離フィルタ手段
    であって、 各透光領域は、2次元平面上に予め定める一方方向およ
    び一方方向と直交する他方方向に平行に、一方方向に予
    め定める第1の周期でかつ他方方向に予め定める第2の
    周期で行列状に配置され、 第1および第3透光領域が他方方向に沿って隣接して交
    互に配置される第1の行と、第2および第4透光領域が
    他方方向に沿って隣接して交互に配置される第2の行と
    が、一方方向に沿って隣接して交互に配置され、 第2透光領域には、一方方向に沿って第1透光領域と第
    3透光領域とが隣接して配置され、 第4透光領域には、一方方向に沿って第1透光領域と第
    3透光領域とが隣接して配置される色分離フィルタ手段
    と、 画像光を撮像して、画像信号を出力する撮像素子であっ
    て、 色分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受
    光領域が2次元平面上に配置され、 各受光領域では、対応した透光領域を通過した色彩光だ
    けを受光し、 各受光領域の受光量を示す画素データを、前記一方方向
    に沿って隣接する複数の各受光領域において混合して、
    一括して出力し、 各受光領域からの画素データから構成される画像信号を
    出力する撮像素子と、 前記撮像素子に入射される画像光の受光位置を、前記一
    方方向に第1の周期の半分の長さのi倍(i=0,1)
    の長さだけ、相互にずれた移動位置に、相対的に移動さ
    せる移動手段と、 撮像素子の出力に応答し、出力された2つの画像信号を
    色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
    成画像信号を生成する画像生成手段と、 画像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の
    受光位置を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動
    位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素
    データを複数の領域毎に混合して読出して画像生成手段
    に与える制御手段とを含むことを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 第1〜第4色彩光にそれぞれ対応し、入
    射される画像光のうち対応する色彩光だけを通過させる
    複数の第1〜第4透光領域を有する色分離フィルタ手段
    であって、 各透光領域は、2次元平面上に予め定める一方方向およ
    び一方方向と直交する他方方向に平行に、一方方向に予
    め定める第1の周期でかつ他方方向に予め定める第2の
    周期で行列状に配置され、 第1および第3透光領域が他方方向に沿って隣接して交
    互に配置される第1の行と、第2および第4透光領域が
    他方方向に沿って隣接して交互に配置される第2の行と
    が、一方方向に沿って隣接して交互に配置され、 第2透光領域には、一方方向に沿って第1透光領域と第
    3透光領域とが隣接して配置され、 第4透光領域には、一方方向に沿って第1透光領域と第
    3透光領域とが隣接して配置される色分離フィルタ手段
    と、 画像光を撮像し、画像信号を出力する撮像素子であっ
    て、 色分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受
    光領域が2次元平面上に配置され、 各受光領域では、対応した透光領域を通過した色彩光だ
    けを受光し、 各受光領域の受光量を示す画素データを、前記一方方向
    に沿って隣接する複数の各受光領域において混合して、
    一括して出力し、 各受光領域からの画素データから構成される画像信号を
    出力する撮像素子と、 前記撮像素子に入射される画像光の受光位置を、前記一
    方方向に第1の周期の半分の長さのi倍(i=0,1,
    2,3)の長さだけ、かつ前記他方方向に第2の周期の
    半分の長さのi倍の長さだけ相互にずれた第1〜第4移
    動位置に、相対的に移動させる移動手段と、 撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
    色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
    成画像信号を生成する画像生成手段と、 画像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の
    受光位置を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動
    位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素
    データを複数の領域毎に混合して読出して画像生成手段
    に与える制御手段とを含むことを特徴とする撮像装置。
  3. 【請求項3】 第1〜第4色彩光にそれぞれ対応し、入
    射された画像光のうち対応する色彩光だけを通過させる
    複数の第1〜第4透光領域を有する色分離フィルタ手段
    であって、 各透光領域は、2次元平面上に予め定める一方方向およ
    び一方方向と直交する他方方向に平行に、一方方向に予
    め定める第1の周期でかつ他方方向に予め定める第2の
    周期で行列状に配置され、 第1透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    2透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第4透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第3透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第2透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    3透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第1透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第3透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    4透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第2透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第4透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    1透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第3透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第2透光領域が隣接して配置さ
    れる色分離フィルタ手段と、 画像光を撮像し、画像信号を出力する撮像素子であっ
    て、 色分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受
    光領域が2次元平面上に配置され、 各受光領域は、対応した各透光領域を通過した色彩光だ
    けをそれぞれ受光して、各受光領域の受光量を示す画素
    データを個別的に出力し、 各受光領域の画素データから構成される画像信号を出力
    する撮像素子と、 前記撮像素子における入射される画像光の受光位置を、
    前記一方方向にだけ、第1の周期の半分の長さのi倍
    (i=0,1,2,3)の長さだけ相互にずれた第1〜
    第4移動位置に、相対的に移動させる移動手段と、 撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
    色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
    成画像信号を生成する画像生成手段と、 画像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の
    受光位置を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動
    位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素
    データを個別的に読出して画像生成手段に与える制御手
    段とを含むことを特徴とする撮像装置。
  4. 【請求項4】 第1〜第4色彩光にそれぞれ対応し、入
    射された画像光のうち対応する色彩光だけを通過させる
    複数の第1〜第4透光領域を有する色分離フィルタ手段
    であって、 各透光領域は、2次元平面上に予め定める一方方向およ
    び一方方向と直交する他方方向に平行に、一方方向に予
    め定める第1の周期でかつ他方方向に予め定める第2の
    周期で行列状に配置され、 第1透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    2透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第4透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第3透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第2透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    3透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第1透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第3透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    4透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第2透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第4透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    1透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第3透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第2透光領域が隣接して配置さ
    れる色分離フィルタ手段と、 画像光を撮像し、画像信号を出力する撮像素子であっ
    て、 色分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受
    光領域が2次元平面上に配置され、 前記受光領域は、対応した各透光領域を通過した色彩光
    だけをそれぞれ受光して、各受光領域の受光量を示す画
    素データを個別的に出力し、 各受光領域からの画素データから構成される画像信号を
    出力する撮像素子と、 前記撮像素子における画像光の受光位置を、 予め定める基準位置、 基準位置から前記一方方向のいずれか一方の向きにその
    周期の長さだけ、かつ前記他方方向のいずれか一方の向
    きにその周期の半分の長さだけずれた第1移動位置、 基準位置から前記一方方向のいずれか一方の向きにその
    周期の長さだけ、かつ前記他方方向のいずれか他方の向
    きにその周期の半分の長さだけずれた第2移動位置、お
    よび基準位置から前記一方方向のいずれか一方の向きに
    その周期の2倍の長さだけずれた第3移動位置に相対的
    に移動させる移動手段と、 撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
    色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
    成画像信号を生成する画像生成手段と、 画像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の
    受光位置を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動
    位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素
    データを個別的に読出して画像生成手段に与える制御手
    段とを含むことを特徴とする撮像装置。
  5. 【請求項5】 第1〜第4色彩光にそれぞれ対応し、入
    射された画像光のうち対応する色彩光だけを通過させる
    複数の第1〜第4透光領域を有する色分離フィルタ手段
    であって、 各透光領域は、2次元平面上に予め定める一方方向およ
    び一方方向と直交する他方方向に平行に、一方方向に予
    め定める第1の周期でかつ他方方向に予め定める第2の
    周期で行列状に配置され、 第1透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    2透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第4透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第3透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第2透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    3透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第1透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第4透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第3透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    4透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第2透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第1透光領域が隣接して配置さ
    れ、 第4透光領域には、一方方向に沿った第1の向き側に第
    1透光領域が隣接し、かつ一方方向に沿って第1の向き
    と反対の第2の向き側に第3透光領域が隣接し、さらに
    他方方向に沿って両側に第2透光領域が隣接して配置さ
    れる色分離フィルタ手段と、 画像光を撮像し、画像信号を出力する撮像素子であっ
    て、 色分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受
    光領域が2次元平面上に配置され、 前記受光領域は、対応した各透光領域を通過した色彩光
    だけをそれぞれ受光して、各受光領域の受光量を示す画
    素データを個別的に出力し、 各受光領域からの画素データから構成される画像信号を
    出力する撮像素子と、 前記撮像素子における画像光の受光位置を、前記一方方
    向に第1の周期の半分の長さのi倍(i=0,1,2,
    3)の長さだけ、かつ前記他方方向に第2の周期の半分
    の長さのi倍の長さだけ相互にずれた第1〜第4移動位
    置に、相対的に移動させる移動手段と、 撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
    色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
    成画像信号を生成する画像生成手段と、 画像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の
    受光位置を各回毎に異なる移動位置に移動させ、各移動
    位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画素
    データを個別的に読出して画像生成手段に与える制御手
    段とを含むことを特徴とする撮像装置。
  6. 【請求項6】 第1〜第4色彩光に個別的に対応し、入
    射される画像光のうち対応する色彩光だけを通過させる
    複数の第1〜第4透光領域を有する色分離フィルタ手段
    であって、 各透光領域は、2次元平面上に予め定める一方方向およ
    び一方方向と直交する他方方向に平行に、一方方向に予
    め定める第1の周期でかつ他方方向に予め定める第2の
    周期で行列状に配置され、 同一色彩光に対応する2つの透光領域は、一方方向およ
    び他方方向に異なる色彩光に対応する透光領域を1つ介
    してそれぞれ配置され、 第1透光領域には、一方方向に沿って両側に第2透光領
    域が隣接し、かつ他方方向に沿って両側に第3透光領域
    が隣接し、 第2透光領域には、一方方向に沿って両側に第1透光領
    域が隣接し、かつ他方方向に沿って両側に第4透光領域
    が隣接し、 第3透光領域には、一方方向に沿って両側に第4透光領
    域が隣接し、かつ他方方向に沿って両側に第1透光領域
    が隣接し、 第4透光領域には、一方方向に沿って両側に第3透光領
    域が隣接し、かつ他方方向に沿って両側に第2透光領域
    が隣接するように配置される色分離フィルタ手段と、 画像光を撮像し、画像信号を出力する撮像素子であっ
    て、 色分離フィルタ手段の各透光領域に個別的に対応した受
    光領域が2次元平面上に配置され、 前記受光領域は、対応した各透光領域を通過した色彩光
    だけをそれぞれ受光して、各受光領域の受光量を示す画
    素データを個別的に出力し、 各受光領域からの画素データから構成される画像信号を
    出力する撮像素子と、 前記撮像素子における画像光の受光位置を、前記一方方
    向に第1の周期の半分の長さのi倍(i=0,1,2,
    3)の長さだけ、かつ前記他方方向に第2の周期の半分
    の長さのi倍の長さだけ相互にずれた第1〜第4移動位
    置に、相対的に移動させる移動手段と、 撮像素子の出力に応答し、出力された4つの画像信号を
    色彩光の空間的位置が一致するように重ね合わせて、合
    成画像信号を生成する画像生成手段と、 画像の撮像が開始されると、移動手段によって画像光の
    受光位置を各回ごとに異なる移動位置に移動させ、各移
    動位置で撮像素子に画像光を撮像させ、各受光領域の画
    素データを個別的に読出して画像生成手段に与える制御
    手段とを含むことを特徴とする撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記第1〜第4色彩光は、それぞれマゼ
    ンタ、黄、緑、およびシアンである色彩光のうちの1つ
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに
    記載の撮像装置。
JP06881196A 1996-03-25 1996-03-25 撮像装置 Expired - Fee Related JP3223103B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06881196A JP3223103B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06881196A JP3223103B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09261670A true JPH09261670A (ja) 1997-10-03
JP3223103B2 JP3223103B2 (ja) 2001-10-29

Family

ID=13384481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06881196A Expired - Fee Related JP3223103B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3223103B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6577341B1 (en) 1996-10-14 2003-06-10 Sharp Kabushiki Kaisha Imaging apparatus
JP2008186020A (ja) * 2008-02-08 2008-08-14 Olympus Corp 画像表示装置
JP2010010958A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Olympus Corp マルチバンド画像撮像方法および装置
US7808533B2 (en) 1998-06-30 2010-10-05 Nikon Corporation Electronic camera having signal processing units that perform signal processing on image data
JP2011259310A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 撮像装置および撮像方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6577341B1 (en) 1996-10-14 2003-06-10 Sharp Kabushiki Kaisha Imaging apparatus
US7808533B2 (en) 1998-06-30 2010-10-05 Nikon Corporation Electronic camera having signal processing units that perform signal processing on image data
US8878956B2 (en) 1998-06-30 2014-11-04 Nikon Corporation Digital camera and storage medium for image signal processing for white balance control
JP2008186020A (ja) * 2008-02-08 2008-08-14 Olympus Corp 画像表示装置
JP2010010958A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Olympus Corp マルチバンド画像撮像方法および装置
JP2011259310A (ja) * 2010-06-10 2011-12-22 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 撮像装置および撮像方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3223103B2 (ja) 2001-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3617887B2 (ja) 撮像装置
US9544517B2 (en) Electric camera
US7564492B2 (en) Solid-state image sensing device and camera using the same
US7834927B2 (en) Apparatus and method for producing video signals
JPH09247689A (ja) カラー撮像装置
KR20100086510A (ko) 고체 촬상 소자 및 그것을 이용한 촬상 장치
JPS6359587B2 (ja)
KR100450132B1 (ko) 화상처리장치 및 처리방법
JP3223103B2 (ja) 撮像装置
JP4603455B2 (ja) 固体撮像装置
US20040263645A1 (en) Sequential scan imaging device
EP2680590B1 (en) Color image pick-up element
EP3973696B1 (en) Color filter array apparatus
US7202900B2 (en) Method of producing frame pair signals from an image sensor and method for displaying same
JP2612222B2 (ja) 合成画像表示方法およびその装置
JP3055809B2 (ja) 電子内視鏡装置
JP2552399B2 (ja) 電子内視鏡装置
US7408584B2 (en) Producing video signals using sensor and lenticular lens pattern
JPS6362492A (ja) カラ−画像用固体撮像素子
JP2000253413A (ja) 撮像素子及び撮像装置
JPH08275184A (ja) 撮像装置
JPS61127290A (ja) 単板式カラ−撮像装置
JPS61280187A (ja) 固体撮像装置
JPS61234686A (ja) カラ−固体撮像装置
JPH01233981A (ja) カラー撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070817

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080817

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080817

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090817

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees