JPH0926108A - 給水制御装置 - Google Patents

給水制御装置

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JPH0926108A
JPH0926108A JP17839695A JP17839695A JPH0926108A JP H0926108 A JPH0926108 A JP H0926108A JP 17839695 A JP17839695 A JP 17839695A JP 17839695 A JP17839695 A JP 17839695A JP H0926108 A JPH0926108 A JP H0926108A
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JP
Japan
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water supply
water
flow rate
tank
water level
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Application number
JP17839695A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Ichikawa
芳明 市川
Katsuyuki Suzuki
勝幸 鈴木
Yoshikazu Ishii
良和 石井
Shoji Tanigawa
尚司 谷川
Fumio Mizuki
文夫 水木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各々の流量を制御できる複数の給水系によりタ
ンクに給水するとともに、タンクの水位を所望の値に制
御する水位制御器を有するシステムにおいて、給水系の
切り替え操作によってタンク内の水位の変動を抑制す
る。 【構成】流量指令信号発生器112は、水位制御器11
0から出力された水位制御信号uを分割比s,t,pに
応じて内分し、流量指令信号ua,ub,ucを出力す
る。流量制御器103,106,109は、該当する流
量指令信号に基づいて対応する流量調節弁102,10
5,107の開度を制御する。このように、給水系a,
b,cより、調節された流量Wa,Wb,Wcの給水が
タンク100内に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気発生装置の給水制
御装置に係り、特に火力発電プラントなどの複数の給水
系を有するシステムの構成制御に好適な給水制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の給水制御装置を以下に説明する。
この給水制御装置は、ポンプ及び流量調節弁を備える給
水系a,bを2系統備えており、タンクに給水する。そ
れぞれの給水系は、流量調節弁の開度を制御する制御器
を有する。これらの制御器は、切替スイッチを介して水
位制御器に接続される。水位制御器は、タンク内の測定
された水位と水位設定値との偏差を入力し、これをゼロ
にするように信号ucを出力する。この信号ucは、切
替スイッチにより一方の水位制御器に入力される。
【0003】さて、例えば、給水系bによって給水をタ
ンクへ100%供給している状態から、給水系aによっ
て給水をタンクへ100%供給する状態に、切替スイッ
チを操作して切り替えることを想定する。給水系bの制
御器は切替スイッチを介して水位制御器につながってい
る。これに対して、給水系aの制御器は、水位制御器か
ら切離されている。この状態で、併入信号mを給水系a
の制御器に伝える。併入信号mを徐々に増加させ給水系
aのポンプから吐出される給水量を徐々に増加させる。
タンク内の水位は上昇する。水位制御器は、給水流量を
減少させる信号を給水系bの制御器に出力する。給水系
bによる給水流量が減少して給水系bによる給水流量と
給水系aによる給水流量が等しくなったとき、切替スイ
ッチを操作する。この操作により、給水系aの制御器が
水位制御器に接続され、給水系bの制御器が水位制御器
から切離される。逆に併入信号mは、給水系bの制御器
に入力される。この併入信号mは、徐々に減少される。
給水系bによって供給される給水量が減少する。すると
先程とは逆の関係で、タンク内の水位が低下し始める。
このため水位制御器は、給水系aの制御器に該当する流
量調節弁の開度を増加される信号を出力する。給水系a
による給水流量が増加する。やがて、給水系bによるタ
ンクへの給水流量がゼロになり給水系aによる給水流量
が100%になる。このような従来技術の一例が特願平
4−194503号公報に述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、水位
の測定値と設定値との偏差をあえて発生させるため、給
水系の切り替えによってタンク内の水位が大きく変動す
る。本発明の目的は、給水系の構成変更が水位変動に影
響しない給水制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、各々の流量
を制御できる複数の給水系によりタンクに給水するとと
もに、該タンクの水位を設定値に制御する水位制御器を
有する給水制御装置において、タンクに供給される全給
水流量が水位制御器からの出力に比例するように各々の
給水系の流量を制御することによって達成される。
【0006】
【作用】複数の給水系は、各々に指令された流量制御指
令値と等しい水をタンクに供給する。タンクの水位を設
定値に制御する水位制御器は水位の偏差を修正するよう
に全給水流量の目標値を決定する。この水位制御器の出
力に比例するように各給水系の流量を制御するので、切
り替えにより給水系の構成が変化しても水位変動が発生
しなくなる。
【0007】
【実施例】以下、図1を用いて本発明の一実施例である
給水制御装置を説明する。本実施例は、タンク100内
の水位を所望の設定値に保つことを目的としている。ポ
ンプ101及び流量調節弁102が配管1に設けられ
る。同様に、ポンプ104及び流量調節弁105が配管
2に、ポンプ107及び流量調節弁108が配管3にそ
れぞれ設けられる。配管1,2及び3は、配管4に接続
されてタンク100に連絡される。ポンプ101,流量
調節弁102及び流量制御器103を備えた給水系a
が、流量Waの水をタンク100に供給する。ポンプ1
04,流量調節弁105及び流量制御器106を備えた
給水系bが、流量Wbの水をタンク100に供給する。
更に、ポンプ104,流量調節弁105及び流量制御器
106を備えた給水系cが、流量Wcの水をタンク10
0に供給する。配管4によってタンク100に供給され
る給水流量の合計(全給水流量)はWfであり、流量W
f0の水がタンク100より流出する。流量Wa,W
b,Wcは、それぞれ流量計で測定される。
【0008】水位制御器110は、タンク100内の測
定された水位と水位設定値との偏差(減算器116で演
算)を入力し、この偏差をゼロとするように水位制御信
号uを出力する。すなわち水位の測定値が設定値よりも
低いときには水位制御信号uは大となり、全給水流量W
fが増加する。逆に、また、水位の測定値が設定値より
も高いときには水位制御信号uは小となり、全給水流量
Wfが減少する。
【0009】流量指令信号発生器112は、構成制御器
111から出力された分割比s,t,pに応じて水位制
御信号uを内分し、各給水系流量の制御器103,10
6及び109への流量指令信号ua,ub,ucを生成
する。流量指令信号発生器112の機能は、水位制御器
110から出力される水位制御信号uを、全給水流量W
fに比例させると共に、各給水系の流量Wa,Wb,W
cを与えられた分割比(s,t,p)に内分することで
ある。分割比が変化しても、全給水流量Wfへの影響が
ない。分割比(s,t,p)で内分して流量Wa,W
b,Wcを得るためには、水位制御信号uを分割比
(s,t,p)で内分して流量指令信号ua,ub,u
cを生成すればよい。すなわち、(数1)の通りであ
る。
【0010】
【数1】
【0011】流量制御器103は、減算器113で求め
られた流量指令信号uaと流量Waの測定値との偏差が
ゼロになるように流量調節弁102の開度を制御する。
流量制御器106は、減算器114で求められた流量指
令信号ubと流量Wbの測定値との偏差がゼロになるよ
うに流量調節弁105の開度を制御する。流量制御器1
09は、減算器115で求められた流量指令信号ucと
流量Wcの測定値との偏差がゼロになるように流量調節
弁108の開度を制御する。このような本実施例におい
て、各給水系の流量Wa,Wb及びWcが対応する流量
指令信号ua,ub及びucに等しくなる(または比例
する)ので、全給水流量Wf(=Wa+Wb+Wc)が
水位制御信号u(=ua+ub+uc)に等しくなる
(または比例する)。
【0012】構成制御器111は、全給水流量Wfに占
める各給水系の寄与率をs,t,pとなるように給水系
全体の構成を制御する役割を担う。ここで、給水系は必
ずしもポンプと1対1である必要はない。給水系は、通
常、ポンプ及び流量調節弁を備えるが、流量調節弁を備
えなくてもポンプの回転数を変えることで流量を制御で
きる。また、ポンプを設けなくても流量調節弁の前後の
差圧が正であれば流量調節弁の開度調節によって流量を
制御できる。そこで本実施例では流量を個別に制御でき
るサブシステムを給水系または給水系の系統と呼ぶ。
【0013】図1の実施例の考え方を従来のポンプ切り
替えに適用することを想定する。図2は、この想定にお
いて、給水系aが100%給水している状態から給水系
bが100%給水している状態に系全体の構成を切り替
える場合における、給水系aの流量Wa,給水系bの流
量Wbのそれぞれの変化を示したものである。当初はs
=1,t=p=0という寄与率であり、Waが100%
の流量(すなわちWf)を供給している。給水系b及びc
による給水流量は0である。上記の切り替えが行われ、
sが1から0に、tが0から1に移行している。この切
り替えの間において、3つの給水系における分割比の合
計は常に1.0 であり、全給水流量Wfが水位制御信号
uに比例していることに変わりはない。更に、給水系の
切り替え終了後には流量Wbが100%の流量を供給す
るようになるが、この全工程を一貫して、全給水流量W
fは水位制御信号uに比例している。すなわち、給水系
の寄与率の構成制御は水位制御とは独立であり、相互に
影響を及ぼさない。図3は、給水系aの単独稼働状態か
ら、給水系bと給水系cの並列稼働状態に給水系を切り
替えた場合を示す。図2の場合と同様に、全工程を一貫
して、全給水流量Wfは水位制御信号uに比例してい
る。
【0014】本実施例の効果を理解するために、図4か
ら図7によって従来の給水制御装置との差異を説明す
る。まず、従来の給水制御装置の構成を図4に示す。各
流量制御器への流量指令信号ua,ubは、スイッチ2
06a及び206bの操作により、水位制御信号uまた
は併入信号mに基づくものに切り替えられる。例えば、
図4におけるスイッチ206a及び206bの接続状態
では、流量制御器103が入力する流量指令信号uaは
併入信号mに基づいたものとなり、流量制御器106が
入力する流量指令信号ubは水位制御器110の出力す
る水位制御信号uに基づいたものとなる。水位制御器1
10は、タンク100内の水位の測定値と水位設定値と
の偏差を入力し、これをゼロとするように水位制御信号
uを出力する。すなわちタンク100内の水位が水位設
定値よりも低いとき水位制御信号uは大となり、全給水
流量Wfが増加する。また、タンク100内の水位が高
いときには水位制御信号uは小となり、全給水流量Wf
が減少する。さて、給水系を切り替える方法は以下のと
おりである。例えば給水系bがWfを100%供給して
いる状態から、給水系aが100%供給する状態へ給水
系を切り替えたいとする。従来の方法ではまず併入信号
mを徐々に増加させ給水系aによる給水流量(流量W
a)を徐々に増加させる。流量Waの増加は全給水流量
Wfの増加につながり、タンク100内の水位の上昇を
もたらす。このため、水位制御器110が水位制御信号
uを減少させ、給水系bによる給水流量(流量Wa)を
減少させる。このときにおける各制御信号の変化は、図
5において、切替タイミングよりも左側の領域に示され
る。このようにして徐々に、流量指令信号uaは併入信
号mの増加と共に増加し、流量指令信号ubは水位制御
信号uの減少と共に減少する。流量指令信号uaと流量
指令信号ubの値が等しくなった時点(バランス点)で、
スイッチ206a及び206bが同時に切り替わる。こ
れ以後は、流量制御器106は併入信号mに基づく流量
指令信号ubを入力し、流量制御器103は水位制御信
号uに基づく流量指令信号uaを入力する。この時点か
ら、各制御信号の変化は、図5において切替タイミング
よりも右側の領域に示す状態となる。併入信号mを減少
させることにより流量指令信号ubが減少する。すると
前述とは逆にタンク100内の水位が低下し始める。こ
の水位の低下を抑制するために流量指令信号uaが自動
的に増加する。やがて流量指令信号ubがゼロになり、
給水系の切り替えが完了する。
【0015】しかし、この従来技術では、水位偏差をあ
えて引き起こすことによって、水位制御信号uにより制
御される側の給水系の寄与率を絞ったり併入信号により
制御される側の寄与率を増加させたりするため、図6に
示すように、タンク100内の水位に変動が生じる。こ
の水位変動を許容値以下に抑えるためには、給水系の切
り替え操作をゆっくり行わなければならない。従って、
給水系の切り替えに長時間を要する。これに対し図1の
実施例は、切り替え制御と水位制御が独立であるため、
図7に示すように、給水系の切り替え時における水位の
測定値と設定値との偏差が通常時と変わらず小さな値で
ある。また高速に給水系の切り替えを実施しても水位偏
差が拡大することはない。すなわち、図1の実施例は、
給水系の切り替え時におけるタンク100内の水位変動
が抑制され、かつ切り替え制御を短時間で実施できる。
【0016】次に、図1の実施例に用いられる流量指令
信号発生器112の構成及び機能を図8及び図9を用い
て詳細に説明する。以上における実施例の説明は定常特
性について行ってきた。実際には、各給水系の流量制御
応答特性が相違するので、過渡特性においては、その特
性の相違を考慮する必要がある。このため、流量指令信
号発生器112は、分割変換器801,これに接続され
るフィルタ802,803及び804を有する。フィル
タ802は、減算器113に接続される。フィルタ80
3は、減算器114に接続される。フィルタ804は、
減算器115に接続される。
【0017】フィルタ802,803及び804を設け
ることによって、過渡特性においても、水位制御信号u
に比例した全給水流量Wfを得ることができる。分割変
換器801は、構成制御器111から出力された分割比
s,t,pに応じて水位制御信号uを内分し、給水系a
に対する流量制御信号a,給水系bに対する流量制御信
号b、及び給水系cに対する流量制御信号cをそれぞれ
生成する。フィルタ802は、流量制御信号aを入力
し、流量指令信号uaを出力する。フィルタ803は、
流量制御信号bを入力し、流量指令信号ubを出力す
る。フィルタ804は、流量制御信号cを入力し、流量
指令信号ucを出力する。流量指令信号発生器112
は、実質的に、水位制御信号uを分割比s,t,pに応
じて内分した流量指令信号ua,ub及びucを発生す
る。
【0018】上記の各フィルタは、給水系a,b及びc
の動特性の違いを吸収し応答を揃えるために設けられて
いる。この動特性の違いを吸収し応答を揃える概念を図
9に示す。図9は、説明の便宜上、2系統の給水系(給
水系a及びb)を示してある。給水系aは、比較的応答
が速く、流量制御信号aとほぼ等しい給水流量Waを与
えるが、給水系bは比較的応答が遅く、流量制御信号b
に比べて給水流量Wbが遅れる(鈍った波形となる)こと
を前提とする。さて、水位制御信号uは一定値である
が、分割比が途中でステップ状に変化したために流量制
御信号a及びbは図9の左側のような波形になっている
ものとする。流量制御信号aと流量制御信号bとの和は
一定である。フィルタ802の作用によってフィルタ8
02から出力された流量指令信号ua、及びフィルタ8
03の作用によってフィルタ803から出力された流量
指令信号ubは、図9の中央のようになる。すなわち、
流量指令信号uaは流量制御信号aよりも遅れた波形と
なり、流量指令信号ubは流量制御信号bとほぼ同じ波
形となる。これらの波形の流量指令信号ua,ubが該
当する給水系の流量制御器に制御指令として与えられる
と、流量Wa及びWbは、図9の右側に示すような応答
特性が揃った波形となる。このため、流量Waと流量W
bの和として得られる全給水流量Wfは、ほぼ一定に保
たれる。各フィルタを設けない場合には、流量制御信号
aがそのまま流量指令信号uaとなり流量制御信号bが
そのまま流量指令信号ubとなるので、矩形波状に立ち
上がりの早い流量Waの変化特性と鈍った波形となる流
量Wbの変化特性の和は一定値とはならず、これらを合
わせた変化特性は波形が乱れた様な状態となってしま
う。以上述べた概念をより具体的に説明すると以下のよ
うになる。やはり説明の便宜上まず給水系a及びbの2
系統のみで給水する場合を想定する。給水系aの給水系
の制御特性を一次遅れ系として(数2)で近似する。
【0019】
【数2】
【0020】ここで、sはラプラス演算子を表す。ま
た、給水系bも同様に、(数3)で表す。
【0021】
【数3】
【0022】ここで、応答の遅れを決めるのは時定数T
aとTbであり、Ta<Tbの時、給水系bが給水系a
よりも応答が遅れる(応答が鈍る)。さて、給水系aの
フィルタ802の伝達関数Fa(s)は、(数4)のよ
うに設定する。
【0023】
【数4】
【0024】給水系bのフィルタ803の伝達関数Fb
(s)は、(数5)のように設定する。
【0025】
【数5】
【0026】すると、流量指令信号uaと流量制御信号
aとの関係が、(数6)のようになる。
【0027】
【数6】 ua(t)=Fa(s)・a(t) …(数6) であり、流量指令信号ubと流量制御信号bとの関係
が、(数7)のようになる。
【0028】
【数7】 ub(t)=Fb(s)・b(t) …(数7) 従って、流量Waと流量制御信号aとの関係は、(数
2),(数6),(数4)から(数8)のようになる。
【0029】
【数8】
【0030】同様に、流量Wbと流量制御信号bとの関
係は、(数3),(数7),(数5)から(数9)のように
なる。
【0031】
【数9】
【0032】これより、最終的に得られる全給水流量W
fは、Wf=Wa+Wbであることと、u=a+bを考
慮すると、(数10)のようになる。
【0033】
【数10】
【0034】(数10)から明らかなように、水位制御
信号uと全給水流量Wfは比例関係にあり、流量制御信
号ua,流量制御信号ubの分割比には影響されない。
【0035】次に、図8に示したように、3系統の給水
系を用いた実施例について説明する。この場合もやは
り、各々の給水系の制御特性を一次遅れで近似し、その
分母の最小公倍多項式を作り、基本分母関数と呼ぶこと
にする。各給水系のフィルタ関数としては、この基本分
母関数を分母とし、自らの制御特性の分母関数を分子と
する伝達関数を設定すればよい。一例として、図8の給
水系cの制御特性が給水系bと等しいものと仮定する。
すると基本分母関数は、各給水系の制御特性の分母であ
る(Ta+1),(Tb+1),(Tb+1)の最小公倍
多項式として、(Ta+1)・(Tb+1)となる。こ
れより給水系aと給水系bのフィルタ802及び803
の伝達関数は各々(数4),(数5)であり、給水系cの
フィルタ804の伝達関数は(数5)と同じもの(ただし
(数5)のFb(s)はFc(s))となる。
【0036】4系統以上の給水系を用いる場合も同様で
ある。
【0037】これまでに述べた他に、図1の実施例で対
応できる必要なケースとして給水系の故障がある。流量
制御弁を備えた3系統の給水系を備えた本実施例は、通
常、3系統が均等に1/3ずつの給水流量を分担してい
るものとする。すなわち、u=Wf,Wa=s・u,W
b=t・u,Wc=p・uが成り立っており、s=t=
p=1/3である。ここで、給水系bが、給水制御弁1
05の固着により制御不能となり、流量Wbがある値で
一定になってしまった場合を想定する。
【0038】給水系の故障は、図示されていないが異常
診断装置で判定している。すなわち、異常診断装置は、
各流量制御器,各ポンプ,各流量計に関する情報を入力
し異常の有無を判定する。この判定結果は、構成制御器
111に伝えられる。構成制御器111は、上記の判定
結果に基づいて、正常に機能している給水系に対する分
割比を決定して、分割変換器112に出力する。3系統
の給水系が全て正常である場合には、給水系a,b及び
cの分割比が決定される。
【0039】前述のように給水系bが故障した場合で
も、水位制御信号uと流量Wfの一致関係を崩さずに正
常な給水系a及びcにおける給水流量の配分を行うこと
が可能である。構成制御器111は、測定された流量W
bを入力している。給水系bの故障により一定値となっ
た流量Wbの測定値をWb0とする。構成制御器111
は、このWb0を用いて、(数11)により分割比を決
定する。
【0040】
【数11】
【0041】この方法によれば、流量Wbが一定値にな
ってしまった場合でも、分割比tを水位制御信号uに応
じて変化させることで水位制御信号uと流量Wfの一致
関係を保つことができ、水位制御を継続できる。
【0042】図10は、本発明の他の実施例である給水
制御装置を示している。本実施例は、図1の実施例の構
成から、給水系b及びcが流量Wb及びWcの測定値を
フィード・バックさせる流量帰還ループを取り除いた構
成を有する。流量調節弁105は、弁の前後の差圧とは無
関係に弁開度と流量が決定される。従って、弁開度と流
量の関係を流量制御器106に記憶させておけば、流量
帰還ループがなくても図1の実施例と同様な機能を発揮
できる。流量調節弁108及び流量制御器109に関して
も同様である。
【0043】本発明の他の実施例である給水制御装置を
図11から図14に基づいて説明する。
【0044】本実施例は、フィードフォワード補償器1
20を用いて非線形効果の補償を行うものである。本実
施例の構成は、図1の実施例の構成において、フィルタ
802,803,804を取り除き、フィードフォワード
補償器120,加算器121,122、及び123を設
けたものである。ポンプ101の下流に逆止弁125が
設けられ、ポンプ104の下流の逆止弁126が設けら
れる。ポンプ101は、ミニマムフロー弁127を備え
るミニマムフローラインに連絡される。ポンプ104
は、ミニマムフロー弁128を備えるミニマムフローラ
インに連絡される。本実施例においては、流量制御器1
03及び106は、ポンプ101及び104の回転数を調
節して各ポンプの吐出流量を制御する。しかしながら、
図1の実施例と同様に、ポンプ101及び104の下流
側に流量調節弁をそれぞれ設け、この流量調節弁の開度
を流量制御器によって制御するようにしてもよい。フィ
ードフォワード補償器120は、測定されたタンク10
0から流出する流量Wf1、ミニマムフロー弁127及
び128の各開度、逆止弁125及び126の前後の各
差圧信号を入力し、バイアス信号f,g及びhを出力す
る。
【0045】タンク100から流出する流量Wf1が変
化すると、タンク100に流入する流量Wfと流出する
流量Wf1との流量バランスが変化し、タンク100内
の水位が変化する。このような非線形効果を補償するた
め、フィードフォワード補償器120は、入力した流量
Wf1の測定値が変化したとき、その変化幅に対応した
バイアス信号hを加算器121に出力する。加算器12
1は、水位制御器110から出力される水位制御信号uに
バイアス信号hを加算し、補正された水位制御信号uc
を分割変換器801に出力する。分割変換器801は、
図1の実施例において水位制御信号uを分割比に応じて
流量制御信号a及びbを出力するのと同様にして、水位
制御信号ucを分割比に応じて内分して流量制御信号a
及びbを出力する。ミニマムフロー弁127が閉じてい
るときにはバイアス信号fはゼロであるので、加算器1
22は流量制御信号aを流量指令信号uaとして出力す
る。同様に、ミニマムフロー弁128が閉じているとき
にはバイアス信号gはゼロであるので、加算器123は
流量制御信号bを流量指令信号ubとして出力する。流
量制御器103は流量指令信号uaに基づいてポンプ1
01の回転数を制御し、流量制御器106は流量指令信
号ubに基づいてポンプ104の回転数を制御するの
で、流量Wf1の変化時におけるタンク100内の水位
の変動が抑制される。
【0046】ミニマムフロー弁127が開いているとき
にはバイアス信号fはある大きさを有するので、加算器
122は流量制御信号aにバイアス信号fを加算して得
られる流量指令信号uaを出力する。同様に、ミニマム
フロー弁128が開いているときにはバイアス信号gも
ある大きさを有するので、加算器123は流量制御信号
bにバイアス信号gを加算して得られる流量指令信号u
bを出力する。
【0047】ポンプ101の起動時等において、ポンプ
101から吐出される給水の吐出圧力が逆止弁125を
開く圧力まで達しないとき、ミニマムフロー弁127が
開いてポンプ101から吐出された給水は全てミニマム
フローラインに流れる。その吐出圧力が逆止弁125を
開く圧力以上になったとき、ミニマムフロー弁127が
閉じられ、ポンプ101から吐出された給水は全てタン
ク100に導かれる。給水系bについても、同様なこと
が言える。
【0048】フィードフォワード補償器120は、ミニ
マムフロー弁が開いているときに生じる非線形効果の補
償も行う。すなわち、フィードフォワード補償器120
は、測定されたミニマムフロー弁127の開度及び逆止
弁125の前後の差圧に基づいてバイアス信号fを出力
する。このバイアス信号fは加算器122に入力され
る。また、フィードフォワード補償器120は、測定さ
れたミニマムフロー弁128の開度及び逆止弁126の
前後の差圧に基づいてバイアス信号gを出力する。バイ
アス信号gは加算器123に入力される。
【0049】ミニマムフロー弁が開いているときに生じ
る非線形効果の補償は、給水系a及びbともに同じ非線
形性を有するので、給水系aを例にして以下に説明す
る。給水系aは、ポンプ101により流量Waの給水を
タンク100に供給している。しかし、分割変換器80
1より出力される流量制御信号aが小さく流量Waが低
流量の時には、ミニマムフロー弁127が開いている。
更に、ポンプ101の吐出圧力はタンク100内の圧力
よりも低く、逆止弁125は閉じている。この時には、
流量Waは全てミニマムフローラインに流れるので、流
量Waの増加は給水流量Wfの増加には寄与しない。流
量制御信号aがある程度大きくなると、ポンプ101の
吐出圧力も増加し、逆止弁125が開いて流量Waの給
水がタンク100に流れ込み始める。この様子を図12
に示した。図12に示すように、流量制御信号aが直線
状に増加しているにも関わらず、流量Wfはその信号の
増加に追従していない。そこで、フィードフォワード補
償器120がバイアス信号fを補償信号として加算器1
22に出力する。図13にバイアス信号fが印加された
ときの状態を示す。流量制御信号aが直線状に増加する
のに対し、バイアス信号fは、逆止弁125の差圧が正
になるまで速やかに増加し、逆止弁125が開いた後で
はこれが開いた時点の値を維持する。すると、流量指令
信号uaは逆止弁125を開けるために必要な値だけ下
駄を履いた信号となる。この結果、流量Wfが流量制御
信号aに対してほぼ線形に追従する。このようなバイア
ス信号fを出力するフィードフォワード補償器120内
での処理手順を図14に示す。まず初期値として、f=
0を設定する(ステップ11)。次に、逆止弁125の
前後の差圧を入力する(スッテプ12)。この差圧が負
で流量制御信号aが正であるかを判定する(ステップ1
3)。ステップ13の判定結果が「No」の場合は、ス
テップ12及び13の処理を繰り返す。ステップ13の
判定結果が「Yes」の場合は、バイアス信号fを僅か
に増加させる(ステップ14)。バイアス信号fは一度
調整してしまうと以後は増加させる必要はなくなる。予
め適切な値を調べて固定的に設定しておくことも可能で
ある。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、給水系の切り替え操作
によって給水を供給する容器内の水位の変動を著しく抑
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である給水制御装置の
構成図である。
【図2】図1の実施例の考え方を従来のポンプ切り替え
に適用した場合における給水系aの流量Wa及び給水系
bの流量Wbの変化を示す説明図である。
【図3】給水系aの単独稼働状態から給水系b及びcの
並列稼働状態に給水系を切り替えたときにおける流量の
変化を示す説明図である。
【図4】従来の給水制御装置の構成図である。
【図5】図4における給水系の切り替え時での流量指令
信号ua,ubの変化を示す説明図である。
【図6】図4における給水系の切り替え時でのタンク内
の水位の変化を示す説明図である。
【図7】図1における給水系の切り替え時でのタンク内
の水位の変化を示す説明図である。
【図8】図1の流量指令信号発生器の詳細構成図であ
る。
【図9】図8のフィルタの機能を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施例である給水制御装置の構
成図である。
【図11】本発明の他の実施例である給水制御装置の構
成図である。
【図12】図11の実施例のフィードフォワード補償器
による補償を行わない場合の給水系aにおける特性を示
す説明図である。
【図13】図11の実施例のフィードフォワード補償器
による補償を行った場合の給水系aにおける特性を示す
説明図である。
【図14】図11のフィードフォワード補償器における
処理手順の説明図である。
【符号の説明】
100…タンク、101,104,107…ポンプ、1
02,104,107…流量調節弁、103,106,
109…流量制御器、110…水位制御器、111…構
成制御器、112…流量指令信号発生器、801…分割
変換器、802,803,804…フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 尚司 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 水木 文夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有する給水制御装置において、
    該タンクに供給される全給水流量が前記水位制御器から
    の出力に比例するように各々の給水系の流量を制御する
    ことを特徴とする給水制御装置。
  2. 【請求項2】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有する給水制御装置において、
    該タンクに給水される全流量が該水位制御器からの出力
    に比例するように、該水位制御器の出力を各給水系の流
    量制御指令に分割する装置を設けたことを特徴とする給
    水制御装置。
  3. 【請求項3】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有する給水制御装置において、
    該タンクに供給される全給水流量における各給水系から
    供給される流量の割合を可変とし、その割合を指令する
    入力信号を有することを特徴とする給水制御装置。
  4. 【請求項4】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有する給水制御装置において、
    該水位制御器の出力値を内分して、各給水系の流量制御
    指令とすることを特徴とする給水制御装置。
  5. 【請求項5】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有する給水制御装置において、
    該複数の給水系から給水される流量の総和が該水位制御
    器からの出力に比例し、かつ指令された分割比となるよ
    うに該水位制御器からの出力を内分して各給水系の流量
    制御指令とするに際し、流量制御応答の比較的遅い給水
    系には比較的速い給水系よりも大きな時間変化率の流量
    制御指令を与えることを特徴とする給水制御装置。
  6. 【請求項6】複数台の流量制御弁を用いた給水系により
    タンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値に
    制御する水位制御器を有する給水制御装置において、該
    タンクに給水される全流量が該水位制御器からの出力に
    比例するように各々の流量制御弁の開度を調節すること
    を特徴とする給水制御装置。
  7. 【請求項7】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有し、該タンクに給水される全
    流量が該水位制御器からの出力に比例する給水制御装置
    において、各々の給水系の流量の占める割合を所望の値
    に制御することを特徴とする給水制御装置。
  8. 【請求項8】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有し、該タンクに給水される全
    流量が該水位制御器からの出力に比例する給水制御装置
    において、ある特定の給水系の流量が全給水流量を占め
    る割合を、100%の状態から0%の状態まで変化させ
    ることにより、該給水系を他の給水系に切り替える機能
    を有することを特徴とする給水制御装置。
  9. 【請求項9】各々の流量を制御できる複数の給水系によ
    りタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定値
    に制御する水位制御器を有する給水制御装置において、
    ある特定の給水系の流量が一定値となったまま制御不能
    になった場合、他の給水系流量を変化させることによ
    り、該タンクに供給される全給水流量を該水位制御器か
    らの出力に比例させることを特徴とする給水制御装置。
  10. 【請求項10】各々の流量を制御できる複数の給水系に
    よりタンクに給水するとともに、該タンクの水位を設定
    値に制御する水位制御器を有する給水制御装置におい
    て、該タンクに給水される全流量が該水位制御器からの
    出力に比例するように、各々の給水系内の逆止弁の非線
    形効果を補償することを特徴とする給水制御装置。
JP17839695A 1995-07-14 1995-07-14 給水制御装置 Pending JPH0926108A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008298314A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Takuma Co Ltd ボイラ給水制御装置
CN102736640A (zh) * 2012-07-16 2012-10-17 中国神华能源股份有限公司 用于除氧器水位控制的系统和方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008298314A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Takuma Co Ltd ボイラ給水制御装置
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