JPH09260905A - 伝送線路接続構造 - Google Patents

伝送線路接続構造

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JPH09260905A
JPH09260905A JP8069998A JP6999896A JPH09260905A JP H09260905 A JPH09260905 A JP H09260905A JP 8069998 A JP8069998 A JP 8069998A JP 6999896 A JP6999896 A JP 6999896A JP H09260905 A JPH09260905 A JP H09260905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストリップ線路の接地導体を接続する接続導
体の配列により、マイクロストリップ線路との接続構造
において伝送信号の共振が生じて伝送不良が発生する。 【解決手段】 マイクロストリップ線路1の信号線3と
ストリップ線路5の信号線7とを接続して成る伝送線路
接続構造において、マイクロストリップ線路1の接地導
体4をストリップ線路5の一方の接地導体8に接続させ
るとともに、ストリップ線路5の他方の接地導体9と一
方の接地導体8とを、マイクロストリップ線路1の信号
線3とストリップ線路5の信号線7との接続部10の両側
で信号の伝送方向に対して垂直な方向に配設した少なく
とも各1個の接続導体11を介して接続する。これにより
共振が生じなくなり、良好な伝送特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波等の高
周波電気信号の伝送線路における単層線路と多層線路と
の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波半導体素子の収納に用いられる高
周波パッケージにおける高周波電気信号の入出力部など
においては、高周波電気信号の伝送線路であるマイクロ
ストリップ線路(単層線路)とストリップ線路(多層線
路)とを接続するために、マイクロストリップ線路から
ストリップ線路へ、あるいはその逆へ変換して接続する
構造が必要である。
【0003】このようなマイクロストリップ線路とスト
リップ線路との接続構造としては、マイクロストリップ
線路の接地導体が信号線に対して誘電体を介して対向す
る単一面を成しているのに対し、ストリップ線路の接地
導体が信号線に対して誘電体を介して上下で対向して信
号線を挟み込むような2つの面を成しているため、マイ
クロストリップ線路の単一面の接地導体とストリップ線
路の2つの接地導体のうちの一方とを同一平面で接続
し、ストリップ線路の他方の接地導体は、例えば一方の
接地導体との間に誘電体を貫通するように形成した貫通
穴の内面に金属等の導体を被着させたスルーホール、あ
るいは貫通孔の内部に金属等の導体が充填されたビアホ
ール等を介して電気的に接続される。
【0004】従来、このようなビアホールは、ストリッ
プ線路の信号線の両側に信号の伝送方向に対して平行な
方向に周期的に多数配置して設けられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多数の
ビアホール等を信号の伝送方向に対して平行な方向に周
期的に配置した場合、それらビアホール等の配置周期が
信号線を伝送される高周波電気信号の周波数に対して半
波長の整数倍となるときには、ストリップ線路において
ビアホール間の他方の接地導体の電位が定在し、入射波
がこの定在波のために伝搬が妨げられることによって共
振が生じて伝送不良が発生するという問題点があった。
【0006】また、ストリップ線路の高周波電気信号に
対する伝搬定数が、マイクロストリップ線路における伝
搬とは異なり、ビアホール等の配置の周期に応じて周期
的に変化することとなり、電気長や寄生特性が設計仕様
と合致しなくなって所望の特性が得られなくなるという
問題点もあった。
【0007】さらに、多数のビアホールを信号の伝送方
向に対して平行な方向に周期的に配置するにはそれらの
ビアホールを精度良く形成する必要があり、また、製造
工程において多数のビアホールを形成することは工数・
時間・コストの面からも好ましくないという問題点もあ
った。
【0008】本発明者は、上記事情に鑑みて鋭意研究に
努めた結果、マイクロストリップ線路とストリップ線路
とを接続した伝送線路の接続構造において、ストリップ
線路の2つの接地導体の接続箇所を大幅に低減しつつ上
記のような共振による高周波電気信号の伝送不良をなく
すことができる構造を見いだした。
【0009】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のであり、その目的は、ストリップ線路の2つの接地導
体の接続箇所、すなわちビアホール等の形成数を大幅に
低減することができるとともに、高周波電気信号のビア
ピッチでの定在波による共振の発生を防止して共振によ
る伝送不良を防止し、伝搬定数の周期的な変化をなくし
て良好な伝送特性が得られる伝送線路接続構造を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の伝送線路接続構
造は、マイクロストリップ線路の信号線とストリップ線
路の信号線とを接続して成る伝送線路接続構造であっ
て、前記マイクロストリップ線路の接地導体を前記スト
リップ線路の一方の接地導体に接続させるとともに、前
記ストリップ線路の他方の接地導体と前記一方の接地導
体とを、前記マイクロストリップ線路の信号線と前記ス
トリップ線路の信号線との接続部の両側で信号の伝送方
向に対して垂直な方向に配設した少なくとも各1個の接
続導体を介して接続したことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の伝送線路接続構造は、上記
構成の接続構造において前記接続導体のうち前記信号線
の接続部の両側に最も近接した2つの接続導体の長さ
と、その2つの接続導体の間隔との和を、伝送される信
号のうち最高周波数の信号の波長の2分の1以下に設定
したことを特徴とするものである。
【0012】本発明の伝送線路接続構造によれば、マイ
クロストリップ線路の信号線とストリップ線路の信号線
との接続部において、接続部の両側でそれぞれ信号の伝
送方向に対して垂直な方向に配設した少なくとも各1個
のビアホール等の接続導体を介してストリップ線路の他
方の接地導体と一方の接地導体とを接続したことから、
ストリップ線路の高周波電気信号に対する伝搬定数がビ
アホール等の配置の周期に応じて周期的に変化すること
がなくなり、また、伝送される高周波信号のビアピッチ
での定在波による共振が発生しなくなるので、ストリッ
プ線路の内部における伝送モードが理想的な伝送モード
に近づいて伝送不良をなくすことができ、設計仕様に合
致した所望通りの良好な伝送特性を得ることができるも
のとなる。
【0013】また、マイクロストリップ線路の一方の接
地導体と共有されたストリップ線路の接地導体は最も接
地状態が安定しているが、接続導体のうち信号線の接続
部の両側に最も近接した2つの接続導体の長さと、その
間の他方の接地導体の間隔との3辺の接地状態は電位変
化が生じやすく、それらの長さと間隔との和が信号の波
長の2分の1程度になる場合には他方の接地導体の信号
線上方に相当する部分が最も電位が高くなって特性イン
ピーダンスのずれが最も大きくなる。これに対し、前記
和が信号の波長の2分の1よりも短かければ共振は生じ
ないことから、本発明の伝送線路接続構造によれば、信
号の伝送方向に対して垂直な方向での共振も生じなくな
るため、接続部からストリップ線路における伝送特性の
悪化を抑制することができ、さらに優れた伝送特性を得
ることができるものとなる。
【0014】さらに、本発明の伝送線路接続構造によれ
ば、ストリップ線路の2つの接地導体を接続するための
ビアホール等の接続導体を接続部の両側に配置するだけ
で所望の伝送特性が得られるため、それら接続導体の使
用を従来と比較して大幅に低減することができ、製造工
程における工数・時間・コストを大幅に削減できるもの
となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。
【0016】図1は本発明の伝送線路接続構造の一実施
例を示す斜視図であり、同図においては中央のストリッ
プ線路の両側にそれぞれ同じ伝送線路接続構造によりマ
イクロストリップ線路を接続した例を示している。ま
た、図2はその信号線と同一平面を示す横断面図、図3
は図1ならびに図2のA−A線断面図である。
【0017】図1〜図3において、1はマイクロストリ
ップ線路であり、誘電体2と、その上面に形成された信
号線3と、その下面に形成された接地導体4とから成
る。5はストリップ線路であり、誘電体2と同様の誘電
体6と、その内部に形成された信号線7と、誘電体6の
下面に形成された一方の接地導体8と、誘電体6の上面
に形成された信号線9とから成り、一方の接地導体8は
マイクロストリップ線路1の接地導体4と同一面上で接
続されている。また、10はマイクロストリップ線路1の
信号線3とストリップ線路5の信号線7との接続部であ
り、この接続部10はストリップ線路5の端部の誘電体6
内部に、マイクロストリップ線路1の信号線3とストリ
ップ線路5の信号線7とのインピーダンス整合のため
に、信号線3からそれより幅の狭い信号線7に向かって
テーパー形状に形成される。そして、11は接続導体であ
り、接続部10の両側で信号の伝送方向に対して垂直な方
向に少なくとも各1個配設されるが、本例では接続部10
の両側にそれぞれ3つずつのビアホールを形成した例を
示している。これら接続導体11によりストリップ線路5
の一方の接地導体8と他方の接地導体9とが電気的に接
続され、他方の接地導体9が接地される。
【0018】誘電体2および誘電体6としては、例えば
アルミナ(Al2 3 )等のセラミックやいわゆるガラ
セラ(glass −Al2 3 )、あるいはテフロン(PT
FE)・ガラスエポキシ・ポリイミド等の樹脂系材料な
どが用いられる。誘電体2および誘電体6の厚みや幅
は、伝送される高周波電気信号の周波数や特性インピー
ダンスなどにより適宜設定される。
【0019】マイクロストリップ線路1の信号線3は、
CuやMoMn+Cu・W+Auなどを用いて厚膜印刷
あるいは薄膜形成手段・メッキ処理などの方法により形
成され、その厚みや幅は、例えばマイクロストリップ線
路で比誘電率が9程度のセラミック基板を用いて特性イ
ンピーダンスを50Ωに設計する場合、厚みと幅は同程度
にされる。
【0020】また、マイクロストリップ線路1の接地導
体4は、上記と同様の材料用いて同様の方法により誘電
体2の下面全面に形成され、その厚みは、例えば厚膜で
あれば約30μm程度とされる。
【0021】一方、ストリップ線路5の誘電体6は上記
誘電体2と同じ材料を用いて同様の方法で形成される
が、このストリップ線路5が例えば高周波パッケージの
入出力部として使用されるため、信号線7を上下から挟
み込むように形成される。ここで、誘電体6の厚みは、
信号線7より下部はマイクロストリップ線路1の誘電体
2の厚みと同じに設定され、信号線7より上部は任意に
設定される。
【0022】また、ストリップ線路5の信号線7は上記
信号線3と同じ材料を用いて同様の方法により形成さ
れ、その厚みは信号線3と同じに設定されるが、上下を
接地導体8・9により挟んだ誘電体6中に埋設されるこ
とから伝送される高周波電気信号に対する寄生容量が増
加することで特性インピーダンスが低くなるため、信号
線3のインピーダンスと整合させるために、その幅は信
号線3よりも狭く設定される。例えば、本実施例におい
ては幅0.6 mm程度とされる。
【0023】ストリップ線路5の一方の接地導体8およ
び他方の接地導体9は、マイクロストリップ線路1の接
地導体4と同じ材料を用いて同様の方法により、それぞ
れ誘電体6の下面および上面の全面に形成される。ま
た、一方の接地導体8の厚みは接地導体4と同じに設定
され、他方の接地導体9の厚みは一般的に一方の接地導
体8と同じに設定される。
【0024】マイクロストリップ線路1の信号線3とス
トリップ線路5の信号線7との接続部10は、誘電体6の
内部に信号線3および信号線7と同じ材料を用いて同様
の方法で同じ厚みに形成され、前述のように信号線3と
信号線7を接続するテーパー形状に形成される。このテ
ーパーの長さ、すなわち接続部10の長さは、反射波の生
じる度合を小さくする効果が得られるとして一般的に採
用されている範囲内(ほぼ段差状〜2mm前後)に設定
するとよい。
【0025】そして、接続導体11は、接続部10の長さの
範囲内で、接続部10の両側で信号の伝送方向に対して垂
直な方向に少なくとも各1個配設される。これにより、
前述のように伝送方向に垂直な方向での共振が抑制され
て伝送不良を防止することができる。また、接続導体11
を信号の伝送方向に対して平行な方向に周期的に配設す
る必要がなくなるので信号線7における伝搬定数の周期
的な変化をなくすことができ、これらにより良好な伝送
特性が得られる伝送線路接続構造となる。
【0026】この接続導体11としては、接続部10の両側
で信号の伝送方向に対して垂直な方向において一方の接
地導体8と他方の接地導体9とを接続するものであれば
種々の形状や構造のものを用いることができ、例えば、
貫通孔の内側にメッキや導電性ペーストの印刷・焼結な
どの方法により導体金属を被着形成したもの(スルーホ
ール)、あるいは貫通孔の内部に導電性ペーストの印刷
・焼結などの方法により導体金属を充填したビアホー
ル、誘電体6の内部に導体金属から成る導体部材を組み
込んだもの、メタライズ層、前記のスルーホールやビア
ホールの断面形状を円形でなく楕円状、矩形状、多角形
状、板状などの種々の形状としたものなどを用いること
ができる。
【0027】これらのような接続導体11の配置について
は、接続部10の両側に最も近接した2つの接続導体11の
長さ(図3に示すL)と、それら2つの接続導体11の間
隔(図3に示すW)との和が、伝送される高周波電気信
号のうち最高の周波数の信号の波長λの2分の1以下に
設定すること、すなわち2L+W≦λ/2に設定するこ
とが好ましく、これにより、前述のように伝送方向に対
して垂直な方向での共振がより効果的に抑制され、伝送
不良を顕著に防止することができる。
【0028】また、接続部10の両側に最も近接した2つ
の接続導体11の間隔(W)は、ストリップ線路5の信号
線7の幅の2倍以上に設定することが好ましく、2つの
接続導体11を信号線7に近づけ過ぎると信号線7から見
た容量が増加して接地がとりにくくなる傾向がある。
【0029】また、接続導体11とストリップ線路5の端
部(マイクロストリップ線路1との接続部10の始まる端
面)との距離は、接続導体11の厚みの2倍以内、接続導
体11がスルーホールあるいはビアホールの場合はその直
径の2倍以内とするのが好ましい。
【0030】さらに本発明の伝送線路接続構造に対して
は、ストリップ線路5の一方の接地導体8と他方の接地
導体9とを接続する接続導体として、上記構成の接続導
体11とともに、従来の伝送方向に対して平行な方向に周
期的に配列した接続導体を併設してもよい。この場合、
伝搬定数は変化しているが、接続部10が有する共振特性
の共振周波数が高くなるのと信号線7に近い所に接地さ
れた接続導体11が供給されるために接地状態が安定しや
すいことから、ストリップ線路5の伝搬定数の周期的な
変化が低減でき、良好な伝送特性が得られる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体例を示す。
【0032】〔例1〕誘電体として比誘電率が4.3 、厚
みが0.5 mmのガラスエポキシから成る両面銅張基板を
用いて、まず片面をパターニングしてマイクロストリッ
プ線路を作製した。また、同様にしてストリップ線路の
下側を作製し、それに片面銅張基板を重ね合わせ、それ
ら基板に貫通孔を形成して金属棒を挿入した後半田処理
することで両面の接地導体を電気的に接続するビアホー
ルを形成し、ストリップ線路を作製した。なお、接続部
は、マイクロストリップ線路とストリップ線路の下側基
板が同一なので信号線のパターン処理のみにより作製し
た。このようにして、図1〜図3に示した構成の、幅1.
0 mm×厚み0.025 mm×長さ2.0 mmの信号線3を有
する幅40mm×厚み0.5 mm×長さ2.0 mmのマイクロ
ストリップ線路1と、幅0.6 mm×厚み0.025 mm×長
さ20mmの信号線7を有する幅40mm×厚み1.0 mm×
長さ20mmのストリップ線路5と、信号線3と信号線7
を接続する接続部10と、接続部10の両側に伝送方向に対
して垂直に配設した4つずつの接続導体(ビアホール)
11から成る、広帯域伝送を目的とした伝送線路変換基板
に対する本発明の伝送線路接続構造Aを作製した。
【0033】ここで、ビアホール11は、直径が0.6 m
m、長さLが1.0 mm、伝送方向に対して垂直な方向の
配設ピッチが4mm、接続部10の両側に最も近接した2
つのビアホール11の間隔Wが8mm、ストリップ線路5
の端部からの距離が1.0 mmとなるように設定した。こ
のとき、2L+Wは10mmであり、伝送される最高の周
波数の信号の波長λの2分の1以下である。
【0034】上記の伝送線路接続構造Aについて、45M
Hz〜10GHzの周波数域におけるSパラメータ(Scat
tering Parameter:散乱パラメータ)として反射特性S
11および伝送特性S21を、ベクトルネットワークアナラ
イザを用いて基板固定治具に伝送線路接続構造Aを固定
し、治具端面での校正を行なって治具から見込んだ特性
として測定した。
【0035】これらの測定結果を図4に示す。図4
(a)は伝送線路接続構造Aの反射SパラメータS11
周波数特性を示すグラフであり、横軸は周波数f〔GH
z〕を、縦軸はS11〔dB〕を表わし、図中の曲線はf
に対するS11の変化を示している。また、図4(b)は
同じく伝送SパラメータS21の周波数特性を示すグラフ
であり、横軸は周波数f〔GHz〕を、縦軸はS21〔d
B〕を表わし、図中の曲線はfに対するS21の変化を示
している。これらより分かるように、周波数の高い領域
(8GHz以上)におけるビアホール間での共振もわず
かなものであり、伝送周波数域では共振が生じていない
ため伝送されない周波数もなく、伝送特性が極めて良好
である。
【0036】なお、伝送線路接続構造Aの作製に際して
接続部10の両側に最も近接した2つのビアホール11の間
隔Wを15mmとして2L+Wが最高周波数のλ/2より
も大きくなるようにしたところ、伝送特性は若干低下し
たものとなったが実用上問題のない良好な特性であっ
た。
【0037】〔例2〕〔例1〕と同様にして伝送線路接
続構造を作製するのに際し、図2に示した接続導体11に
代えて、図5に示すように、ストリップ線路12において
伝送方向に対して平行な方向に配設した接続導体13を形
成し、比較例の伝送線路接続構造Bを得た。図5は図2
と同様の横断面図であり、図2と同様の箇所には同じ符
号を付してある。同図においてストリップ線路12に形成
した接続導体13は、〔例1〕と同様の直径0.6 mmのビ
アホールとし、信号線7を挟んだ距離を38mm、伝送方
向に対して平行な方向のピッチを4mm、ストリップ線
路12の側面との距離を1.0 mmとした。
【0038】この伝送線路接続構造Bについて〔例1〕
と同様の測定方法により反射特性S11および伝送特性S
21を求めた。その結果を図6に示す。図6(a)および
(b)は、それぞれ図4(a)および(b)と同様のS
11の周波数特性およびS21の周波数特性を示すグラフで
ある。
【0039】これらより分かるように、2.2 GHz付近
にはλ/2に相当すると思われる接続部の両側のビアホ
ール間での、また8GHz付近には3λ/2に相当する
と思われる接続部の両側のビアホール間での強い共振が
生じており、それにより伝送されない周波数域が存在し
ている。従って、本発明の伝送線路接続構造Aよりも伝
送特性が劣るものであった。
【0040】〔例3〕〔例1〕と同様にして伝送線路接
続構造を作製するのに際し、図7に示すように、図2に
示した接続導体11とともに、ストリップ線路14において
〔例2〕と同様の伝送方向に対して平行な方向に配設し
た接続導体13を形成し、本発明の伝送線路接続構造Cを
得た。図7は図2および図5と同様の横断面図であり、
図2および図5と同様の箇所には同じ符号を付してあ
る。同図においてストリップ線路14に形成した接続導体
11は〔例1〕と同様のものとし、接続導体13は〔例2〕
と同様のものとした。
【0041】この伝送線路接続構造Cについても〔例
1〕と同様の測定方法により反射特性S11および伝送特
性S21を求めた。その結果を図8に示す。図8(a)お
よび(b)も、それぞれ図4(a)および(b)と同様
のS11の周波数特性およびS21の周波数特性を示すグラ
フである。
【0042】これらより分かるように、5.6 GHzおよ
び4.3 GHz付近においてそれぞれ若干の共振が生じて
いるが、伝送線路接続構造Bで2.2 GHzおよび8GH
zにおいて生じていた強い共振ならびにそれによる伝送
されない周波数域は、広帯域伝送を目的とする実用上支
障のないレベルに抑制されている。従って、本発明の伝
送線路接続構造Cにおいては、ストリップ線路14の信号
線7の両側に信号の伝送方向に対して平行な方向に周期
的に配設した接地導体13を併設した場合であっても、良
好な伝送特性が得られることが分かる。
【0043】なお、本発明は以上の具体例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の伝送線路接続構
造によれば、マイクロストリップ線路の信号線とストリ
ップ線路の信号線との接続部の両側でそれぞれ信号の伝
送方向に対して垂直な方向に配設した少なくとも各1個
のビアホール等の接続導体を介してストリップ線路の他
方の接地導体と一方の接地導体とを接続したことから、
ストリップ線路の高周波電気信号に対する伝搬定数の周
期的な変化や共振が発生しなくなって伝送不良をなくす
ことができ、設計仕様に合致した所望通りの良好な伝送
特性を得ることができる伝送線路接続構造を提供するこ
とができた。
【0045】また、本発明の伝送線路接続構造によれ
ば、接続導体のうち信号線の接続部の両側に最も近接し
た2つの接続導体の長さと、その2つの接続導体の間隔
との和を、伝送される信号のうち最高周波数の信号の波
長の2分の1以下に設定することにより、接続部からス
トリップ線路における伝送特性の悪化を効果的に抑制す
ることができ、さらに優れた伝送特性を得ることができ
る伝送線路接続構造を提供することができた。
【0046】さらに、本発明の伝送線路接続構造によれ
ば、ストリップ線路の2つの接地導体を接続するための
ビアホール等の接続導体を接続部の両側に配置するだけ
で所望の伝送特性が得られるため、それら接続導体の使
用を従来と比較して大幅に低減することができ、製造工
程における工数・時間・コストを大幅に削減できるもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝送線路接続構造の一実施例を示す斜
視図である。
【図2】図1の信号線と同一平面を示す横断面図であ
る。
【図3】図1ならびに図2のA−A線断面図である。
【図4】(a)および(b)はそれぞれ本発明の伝送線
路接続構造の一実施例における反射SパラメータS11
よび伝送SパラメータS21の周波数特性を示すグラフで
ある。
【図5】比較例の伝送線路接続構造を示す断面図であ
る。
【図6】(a)および(b)はそれぞれ比較例の伝送線
路接続構造における反射SパラメータS11および伝送S
パラメータS21の周波数特性を示すグラフである。
【図7】本発明の伝送線路接続構造の他の実施例を示す
断面図である。
【図8】(a)および(b)はそれぞれ本発明の伝送線
路接続構造の他の実施例における反射SパラメータS11
および伝送SパラメータS21の周波数特性を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1・・・・・マイクロストリップ線路 2・・・・・誘電体 3・・・・・信号線 4・・・・・接地導体 5、14・・・ストリップ線路 6・・・・・誘電体 7・・・・・信号線 8・・・・・一方の接地導体 9・・・・・他方の接地導体 10・・・・・接続部 11・・・・・接続導体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロストリップ線路の信号線とスト
    リップ線路の信号線とを接続して成る伝送線路接続構造
    であって、前記マイクロストリップ線路の接地導体を前
    記ストリップ線路の一方の接地導体に接続させるととも
    に、前記ストリップ線路の他方の接地導体と前記一方の
    接地導体とを、前記マイクロストリップ線路の信号線と
    前記ストリップ線路の信号線との接続部の両側で信号の
    伝送方向に対して垂直な方向に配設した少なくとも各1
    個の接続導体を介して接続したことを特徴とする伝送線
    路接続構造。
  2. 【請求項2】 前記接続導体のうち前記信号線の接続部
    の両側に最も近接した2つの接続導体の長さと、該2つ
    の接続導体の間隔との和を、伝送される信号のうち最高
    周波数の信号の波長の2分の1以下に設定したことを特
    徴とする請求項1記載の伝送線路接続構造。
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