JPH09259779A - イオン源およびそれを用いたイオン注入装置 - Google Patents

イオン源およびそれを用いたイオン注入装置

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JPH09259779A
JPH09259779A JP8761296A JP8761296A JPH09259779A JP H09259779 A JPH09259779 A JP H09259779A JP 8761296 A JP8761296 A JP 8761296A JP 8761296 A JP8761296 A JP 8761296A JP H09259779 A JPH09259779 A JP H09259779A
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JP
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plasma
ion
electrode
silicon
ion source
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JP8761296A
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Masayasu Tanjiyou
正安 丹上
Shigeki Sakai
滋樹 酒井
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン源から引き出すイオンビーム中に重金
属イオンが含まれるのを抑制して、分析マグネットの省
略または小型・軽量化を可能にしたイオン源およびそれ
を用いたイオン注入装置を提供する。 【解決手段】 このイオン注入装置は、イオン源2から
引き出したイオンビーム28を、分析マグネットを通す
ことなくそのままシリコン基板40に入射させるように
している。イオン源2は、ガス36が導入されそれを高
周波放電によって電離させてプラズマ14を生成するプ
ラズマ室10と、このプラズマ14からイオンビーム2
8を引き出す引出し電極系20とを備えている。プラズ
マ10の内壁をシリコンまたはカーボンから成る被覆材
38で覆っている。かつ、引出し電極系20内の最プラ
ズマ側の第1電極21の少なくともプラズマ14側の面
をシリコンまたはカーボンで構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高周波放電(マ
イクロ波放電およびECR放電を含む)によってプラズ
マを生成させるイオン源およびそれを用いたイオン注入
装置に関し、より具体的には、イオン源から引き出すイ
オンビーム中に重金属イオンが含まれるのを抑制して、
分析マグネットの省略または小型・軽量化を可能にする
手段に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイス製造用のイオン注
入装置は、ホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As )等
の元素のイオンビームを基板(通常はシリコン基板)に
照射するものであり、それによって、シリコン基板上の
所定の場所に所定量のホウ素、リン、ヒ素等を注入し
て、p形またはn形半導体を形成して、トランジスタ等
の半導体デバイスを形成している。
【0003】その場合、イオン源から引き出したイオン
ビーム中には、所望の元素以外の不純物イオン、典型的
には重金属イオンが含まれているため、これがシリコン
基板に注入されるのを防止するために、通常は、イオン
源から引き出したイオンビームを高分解能の分析マグネ
ット(質量分離マグネットとも呼ばれる)を通過させて
重金属イオンを分離し、所望のイオンのみをシリコン基
板に注入するようにしている。上記重金属イオンとして
は、例えば、イオン源のプラズマ室を構成するステンレ
スに含まれる鉄(Fe )やクロム(Cr )、引出し電極
を構成するモリブデン(Mo )、フィラメントを構成す
るタングステン(W)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように分析マグ
ネットを用いる場合は、所望のイオンと同一軌道を取る
重金属イオンを分離することができないという問題があ
る。即ち、分析マグネットを通過するときのイオンの旋
回半径Rは、数1で表される。ここで、Bは分析マグネ
ットにおける磁束密度、mはイオンの質量、qはイオン
の電荷、Vはイオンの加速電圧である。
【0005】
【数1】R=B-1√(2mV/q)
【0006】この数1から分かるように、m/qが同一
となるイオンを分離することはできない。例えば、所望
のイオンがBF2 + (m/q=49/1=49)の場
合、イオン源の電極にモリブデンを用いていると、それ
から生じる2価電離イオンMo2+ (m/q=98/2=
49)を分離することができない。従ってこれが、シリ
コン基板に不本意に注入されてしまい、半導体デバイス
の特性を悪化させる等の不具合を惹き起こす。
【0007】また、従来は、どのような重金属イオンを
も分離できるようにするために、例えば上記比m/qが
1違う重金属イオンをも分離することができるようにす
るために、高分解能の分析マグネットを用いていたが、
そのような高分解能の分析マグネットは、大型、大重量
かつ高価であるという問題がある。従ってこのような分
析マグネットを組み込んだイオン注入装置も、大型、大
重量かつ高価になる。
【0008】しかも近年は、シリコン基板サイズが、8
インチから12インチ等へと大型化しているが、対象と
する基板サイズが大きくなると、それに応じてイオンビ
ームサイズを大きくしなければならず、そのような大き
なイオンビームを質量分離する分析マグネットも大型化
しなければならないので、上記問題は一層深刻になる。
【0009】そこでこの発明は、イオン源から引き出す
イオンビーム中に重金属イオンが含まれるのを抑制し
て、分析マグネットの省略または小型・軽量化を可能に
したイオン源およびそれを用いたイオン注入装置を提供
することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のイオン源は、
ガスが導入されそれを高周波放電によって電離させてプ
ラズマを生成するプラズマ室と、このプラズマ室の出口
付近に設けられていて前記プラズマから電界の作用でイ
オンビームを引き出す引出し電極系とを備え、前記プラ
ズマ室の内壁をシリコンまたはカーボンから成る被覆材
で覆い、かつ前記引出し電極系を構成する電極の内の最
プラズマ側の第1電極の少なくともプラズマ側の面をシ
リコンまたはカーボンで構成したことを特徴とする。
【0011】この発明のイオン注入装置は、上記イオン
源を備えていて、当該イオン源から引き出したイオンビ
ームを分析マグネットを通すことなくそのままシリコン
基板に入射させるように構成していることを特徴とす
る。
【0012】上記イオン源によれば、プラズマ室の内壁
をシリコンまたはカーボンから成る被覆材で覆っている
ので、プラズマ室を構成する材料がプラズマによってス
パッタされて当該材料中の重金属がプラズマ中に混入す
るのを防止することができる。
【0013】また、最プラズマ側の第1電極の少なくと
もプラズマ側の面をシリコンまたはカーボンで構成して
いるので、当該面がプラズマによってスパッタされても
重金属がプラズマ中に混入しない。
【0014】更に、プラズマ室では高周波放電によって
プラズマを生成するので、即ちフィラメントを用いてい
ないので、フィラメントがプラズマによってスパッタさ
れて当該フィラメント構成の重金属がプラズマ中に混入
するのを防止することができる。
【0015】これらの結果、プラズマ室内のプラズマ中
に重金属成分が含まれるのを抑制することができ、ひい
ては当該イオン源から引き出すイオンビーム中に重金属
イオンが含まれるのを抑制することができる。
【0016】但し、上記のように構成した結果、当該イ
オン源から引き出すイオンビーム中には、シリコンイオ
ンまたは炭素イオンが含まれる場合があるけれども、注
入対象物は通常はシリコン基板であるので、それに同じ
元素(シリコン)が注入されても支障はない。
【0017】また、シリコン基板には、元々その製造過
程で炭素が若干ではあるけれども含まれているので、し
かも炭素はシリコンと同じ4B族元素であるので、そこ
に炭素イオンが少し位注入されても支障はない。
【0018】以上の結果、上記イオン源によれば、分析
マグネットを省略したり、高分解能を要しないので分析
マグネットを小型・軽量化したりすることが可能にな
る。
【0019】また、上記イオン注入装置によれば、上記
のようなイオン源を備えていて、分析マグネットを用い
ることなく重金属イオンがシリコン基板に注入されるの
を防止することができるので、分析マグネットが不要で
あり、従って当該イオン注入装置の小型化、軽量化およ
び低コスト化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係るイオン源
を備えたイオン注入装置の一例を示す断面図である。
【0021】このイオン注入装置は、分析マグネットを
備えておらず、イオン源2から引き出したイオンビーム
28を、分析マグネットを通すことなくそのまま、ホル
ダ42上のシリコン基板40に入射させて、シリコン基
板40にイオン注入を行うように構成されている。ホル
ダ42は、シリコン基板40を1枚保持するものでも良
いし、シリコン基板40を複数枚保持するウェーハディ
スクでも良い。
【0022】イオン源2は、この例では高周波イオン源
であり、所望のガス36が導入されそれを高周波放電に
よって電離させてプラズマ14を生成するプラズマ室1
0と、このプラズマ室10の出口付近に設けられていて
プラズマ14から電界の作用でイオンビーム28を引き
出す引出し電極系20とを備えている。
【0023】ガス36は、必要とするイオン種に応じて
選ばれる。例えば、必要とするイオン種がホウ素イオン
の場合は、水素希釈のジボラン(例えば10%B26
/H2)、必要とするイオン種がリンイオンの場合は、
水素希釈のホスフィン(例えば10%PH3 /H2 )等
である。
【0024】プラズマ室10は、筒状(例えば円筒状)
のプラズマ室容器4と、その背面部(引出し電極系20
に対向する部分)の開口部を絶縁碍子8を介して蓋をす
る板状の高周波電極6とで構成されている。絶縁碍子8
は、例えばアルミナから成る。
【0025】この例ではプラズマ室容器4が一方の高周
波電極を兼ねており、このプラズマ室容器4と高周波電
極6との間に整合回路18を介して高周波電源16か
ら、例えば13.56MHz、あるいは100MHz等
の周波数の高周波電力が供給される。それによって、高
周波電極6とプラズマ室容器4間で高周波放電が生じて
ガス36が電離されて上記プラズマ14が作られる。
【0026】但し、マイクロ波放電またはECR(電子
サイクロトロン共鳴)放電によって、プラズマ室10内
にプラズマ14を生成させても良い。これも高周波放電
の一種である。このとき使用するマイクロ波の周波数
は、例えば2.45GHzである。
【0027】引出し電極系20は、1枚以上、通常は複
数枚の電極で構成されている。具体的にはこの例では、
最プラズマ側から下流側に向けて配置された第1電極2
1、第2電極22、第3電極23および第4電極24で
構成されている。26は絶縁碍子である。各電極21〜
24は、この例では複数の孔を有する多孔電極である
が、複数のスリットを有する場合もある。
【0028】第1電極21は、引き出すイオンビーム2
8のエネルギーを決める電極であり、加速電源31から
接地電位を基準にして正の高電圧(加速電圧)が印加さ
れる。第2電極22は、第1電極21との間に電位差を
生じさせそれによる電界によってプラズマ14からイオ
ンビーム28を引き出す電極であり、引出し電源32か
ら第1電極21の電位を基準にして負の電圧(引出し電
圧)が印加される。第3電極23は、下流側からの電子
の逆流を抑制する電極であり、抑制電源33から接地電
位を基準にして負の電圧(抑制電圧)が印加される。第
4電極24は接地されている。
【0029】プラズマ室容器4の外周および高周波電極
6の上面には、この例では、プラズマ室10内にプラズ
マ閉じ込め用の磁場を発生させる複数の永久磁石12が
配置されている。
【0030】しかもこのイオン源2では、上記プラズマ
室10の内壁を、より具体的にはそれを構成するプラズ
マ室容器4の内壁および高周波電極6の内壁を、シリコ
ン(Si )またはカーボン(C)から成る被覆材38で
覆っている。
【0031】この被覆材38を構成するシリコンは、単
結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコンのいず
れでも良いけれども、非晶質シリコンの場合はその製造
過程において重金属が含まれやすいので、単結晶シリコ
ンまたは多結晶シリコンの方が好ましい。
【0032】また、単結晶シリコンまたは多結晶シリコ
ンで被覆材38を構成する場合は、それを板状にするこ
とができるので、被覆材38を例えば板状にしてプラズ
マ室10の内壁に取り付ければ良い。非晶質シリコンで
被覆材38を構成する場合は、この被覆材38を膜にし
てプラズマ室10の内壁を被覆すれば良い。
【0033】バルク状のカーボンで被覆材38を構成す
る場合は、それを板状にすることができるので、被覆材
38を例えば板状にしてプラズマ室10の内壁に取り付
ければ良い。カーボン膜でこの被覆材38を構成する場
合は、それでプラズマ室10の内壁を被覆すれば良い。
いずれにしてもこのカーボンには、重金属をできるだけ
含まない高純度のもの、例えば重金属含有量が100p
pm程度以下のものを用いるのが好ましい。
【0034】更にこのイオン源2では、引出し電極系2
0を構成する電極の内の最プラズマ側の第1電極21の
少なくともプラズマ14側の面をシリコンまたはカーボ
ンで構成している。具体的には、単結晶シリコン、多結
晶シリコンまたはバルク状カーボンでこの第1電極21
を構成しても良い。あるいは、この第1電極21をモリ
ブデン等の高融点金属で形成しておいて、そのプラズマ
14側の面または全面を、非晶質シリコン膜またはカー
ボン膜で被覆しても良い。但し、第1電極21はプラズ
マ14のスパッタを受けるので、膜を被覆するよりも、
この第1電極21自身を、単結晶シリコン、多結晶シリ
コンまたはバルク状カーボンで構成する方が、長寿命に
なるので好ましい。いずれにしてもこの場合もカーボン
には、重金属をできるだけ含まない高純度のもの、例え
ば重金属含有量が100ppm程度以下のものを用いる
のが好ましい。
【0035】第1電極21以外の電極、即ち第2電極2
2、第3電極23および第4電極24を、第1電極21
と同様に上記のような構成にするか否かは任意である
が、上記のような構成にすれば、この電極22〜24か
らも重金属イオンの放出を抑制することができるので、
イオンビーム28中に重金属イオンが含まれるのを一層
抑制することができる。例えば、第1電極21を単結晶
シリコンまたは多結晶シリコンで構成し、その他の電極
22〜24を高純度のカーボンで構成しても良い。
【0036】上記イオン源2によれば、プラズマ室10
の内壁をシリコンまたはカーボンから成る被覆材38で
覆っているので、プラズマ室10を構成する材料がプラ
ズマ14によってスパッタされて当該材料中の重金属が
プラズマ14中に混入するのを防止することができる。
例えば、プラズマ室容器4や高周波電極6をステンレス
で形成している場合、そのステンレス中の鉄やクロムが
プラズマ14中に混入するのを防止することができる。
【0037】また、最プラズマ側の第1電極21の少な
くともプラズマ14側の面をシリコンまたはカーボンで
構成しているので、当該面がプラズマ14によってスパ
ッタされても重金属がプラズマ14中に混入しない。例
えば、従来は第1電極21をモリブデンで構成していた
のでモリブデンがプラズマ中に混入していたのである
が、それを防止することができる。
【0038】更に、プラズマ室10では高周波放電によ
ってプラズマ14を生成するので、即ちフィラメントを
用いていないので、フィラメントがプラズマ14によっ
てスパッタされて当該フィラメント構成の重金属がプラ
ズマ14中に混入するのを防止することができる。例え
ば、従来はフィラメントの構成元素であるタングステン
がプラズマ中に混入していたのであるが、それを防止す
ることができる。
【0039】これらの結果、プラズマ室10内のプラズ
マ14中に重金属成分が含まれるのを抑制することがで
き、ひいてはイオン源2から引き出すイオンビーム28
中に重金属イオンが含まれるのを抑制することができ
る。
【0040】但し、上記のように構成した結果、イオン
源2から引き出すイオンビーム28中には、シリコンイ
オンまたは炭素イオンが含まれる場合があるけれども、
注入対象物は通常は、シリコン基板40であるので、そ
れにそれを構成するのと同じ元素(シリコン)が注入さ
れても支障はない。
【0041】また、シリコン基板40には、通常、元か
らその製造過程で炭素が若干ではあるけれども含まれて
いるので、しかも炭素はシリコンと同じ4B族元素であ
るので、そこに炭素イオンが少し位注入されても支障は
ない。例えば、単結晶のシリコンを引き上げ法で作ると
きに、通常は100ppm程度のカーボンが含まれる。
【0042】以上の結果、上記イオン源2によれば、分
析マグネットを省略することが可能になる。あるいは、
分析マグネットを設けるとしてもそれには高分解能を要
しないので、分析マグネットを小型・軽量化および低コ
スト化することが可能になる。
【0043】例えば、上記イオン源2ではイオンビーム
28中に重金属イオンが含まれなくなるので、分析マグ
ネットを設けるとしても、プラズマ室10に導入するガ
ス36が電離されることによって生じるイオン種(典型
的には2原子分子イオン、1価電離1原子イオン、2価
電離1原子イオン)の内から所望のイオン種を分離でき
る程度の低分解能の分析マグネットで済むようになる。
より具体的には、ガス36にB26 /H2 を用いる場
合、イオン種としては典型的には、B2n +(n=0〜
6)、BHn + (n=0〜3)、Hn + (n=1〜3)が
生じるので、分析マグネットは、これらから所望のイオ
ン種(例えばBHn + )を分離することができる程度の
低分解能で済むようになる。
【0044】またこのようなイオン源2を備えた上記イ
オン注入装置によれば、分析マグネットを用いることな
く重金属イオンがシリコン基板40に注入されるのを防
止することができるので、分析マグネットが不要であ
り、従って当該イオン注入装置の小型化、軽量化および
低コスト化を図ることができる。また、分析マグネット
が不要になると、それに関連する電源および制御系も不
要になって、当該イオン注入装置のシステム構成を一層
簡略化することができるので、装置の信頼性が向上する
と共に、この意味からも低コスト化を図ることができ
る。
【0045】
【実施例】図1のイオン注入装置において、イオン源2
のステンレス製のプラズマ室10の内壁を高純度カーボ
ンから成る板状の被覆材38で覆った。かつ第1電極2
1を単結晶シリコンで製作し、他の電極22〜24を高
純度カーボンで製作した。そして、ガス36として10
%PH3 /H2 ガスを供給し、高周波電源16から10
0MHzの高周波電力を供給し、引出し電圧(引出し電
源32の出力電圧)を10kVとして、イオンビーム2
8を引き出して、それを分析マグネットを通すことなく
そのまま、対向して配置されたシリコン基板40に注入
した。このようにして注入されたシリコン基板40に含
まれている典型的な重金属元素Cr 、Fe 、Mo の成分
量を、ICP−MS(誘導結合プラズマによる発光分光
分析)によって測定した結果を表1中に実施例として示
す。
【0046】同表中の比較例1は、同上のイオン注入装
置において、イオン源2のプラズマ室10を被覆材38
で覆わず、かつ電極21〜24をモリブデン製とした結
果を示す。この場合も、分析マグネットは用いていな
い。比較例2は、比較例1のイオン源から引き出したイ
オンビームを、高分解能の分析マグネットを通して質量
分離した後にシリコン基板40に注入した結果を示す。
【0047】
【表1】
【0048】この表から分かるように、実施例では、分
析マグネットなしで、比較例2と、即ち分析マグネット
を有する従来のイオン注入装置と同程度に少ない金属コ
ンタミ量を実現することができた。
【0049】ところで、第1電極21を上記実施例のよ
うに単結晶シリコンで製作した場合、その表面抵抗が高
いと、プラズマ14から流入する電子電流によって電極
表面の電位分布が偏るため、イオンビーム28のビーム
電流密度分布が均一でなくなる。特に引出し電圧が低く
なるとその影響が大きくなる。また、第1電極21から
引き出すイオンビームの発散角が場所によって異なるよ
うになるため、その下流側の電極22〜24にイオンビ
ームが当たりやすくなり、電極間の放電の原因になる。
そこで単結晶シリコン電極の表面抵抗とビーム電流密度
分布等との関係を測定した結果を次に説明する。
【0050】即ち、第1電極21に、アンチモン(Sb
)をドープした表面抵抗0.01Ω/□の単結晶シリ
コンを用い、ガス36として10%B26 /H2 ガス
を20ccmプラズマ室10に導入して、プラズマ室1
0に高周波電源16から100MHz、200Wの高周
波電力を供給したとき、引出し電圧5kVにて電流密度
1mA/cm2 のホウ素イオンビームを得ることができ
た。また、第1電極21に用いる単結晶シリコンの表面
抵抗を20Ω/□以下にすると、第1電極21の電極面
上での電位分布が0.5V以下となり、12インチのシ
リコン基板40上でのビーム電流密度分布は±5%以下
となり、許容範囲内に収まった。20Ω/□より大きい
表面抵抗では、上記ビーム電流密度分布が±5%より大
きくなり、許容範囲を超えた。
【0051】以上の結果から、第1電極21を単結晶シ
リコン電極とする場合は、その表面抵抗を20Ω/□以
下に、より具体的には20Ω/□〜0.01Ω/□にす
るのが好ましいと言える。
【0052】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0053】請求項1記載のイオン源によれば、プラズ
マ室の内壁をシリコンまたはカーボンから成る被覆材で
覆っているので、プラズマ室を構成する材料がプラズマ
によってスパッタされて当該材料中の重金属がプラズマ
中に混入するのを防止することができる。また、最プラ
ズマ側の第1電極の少なくともプラズマ側の面をシリコ
ンまたはカーボンで構成しているので、当該面がプラズ
マによってスパッタされても重金属がプラズマ中に混入
しない。更に、プラズマ室では高周波放電によってプラ
ズマを生成するので、即ちフィラメントを用いていない
ので、フィラメントがプラズマによってスパッタされて
当該フィラメント構成の重金属がプラズマ中に混入する
のを防止することができる。これらの結果、プラズマ室
内のプラズマ中に重金属成分が含まれるのを抑制するこ
とができ、ひいては当該イオン源から引き出すイオンビ
ーム中に重金属イオンが含まれるのを抑制することがで
きる。その結果、このイオン源によれば、分析マグネッ
トを省略することが可能になる。あるいは、分析マグネ
ットを設けるとしてもそれには高分解能を要しないの
で、分析マグネットを小型・軽量化および低コスト化す
ることが可能になる。
【0054】請求項2記載のイオン注入装置によれば、
請求項1記載のイオン源を備えていて、分析マグネット
を用いることなく重金属イオンがシリコン基板に注入さ
れるのを防止することができるので、分析マグネットが
不要であり、従って当該イオン注入装置の小型化、軽量
化および低コスト化を図ることができる。また、分析マ
グネットが不要になると、それに関連する電源および制
御系も不要になって、当該イオン注入装置のシステム構
成を一層簡略化することができるので、装置の信頼性が
向上すると共に、この意味からも低コスト化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るイオン源を備えたイオン注入装
置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 イオン源 10 プラズマ室 14 プラズマ 16 高周波電源 20 引出し電極系 21 第1電極 28 イオンビーム 38 被覆材 40 シリコン基板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスが導入されそれを高周波放電によっ
    て電離させてプラズマを生成するプラズマ室と、このプ
    ラズマ室の出口付近に設けられていて前記プラズマから
    電界の作用でイオンビームを引き出す引出し電極系とを
    備え、前記プラズマ室の内壁をシリコンまたはカーボン
    から成る被覆材で覆い、かつ前記引出し電極系を構成す
    る電極の内の最プラズマ側の第1電極の少なくともプラ
    ズマ側の面をシリコンまたはカーボンで構成したことを
    特徴とするイオン源。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイオン源を備えていて、
    当該イオン源から引き出したイオンビームを分析マグネ
    ットを通すことなくそのままシリコン基板に入射させる
    ように構成していることを特徴とするイオン注入装置。
JP8761296A 1996-03-15 1996-03-15 イオン源およびそれを用いたイオン注入装置 Pending JPH09259779A (ja)

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