JPH09259611A - トンネル照明器具 - Google Patents

トンネル照明器具

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JPH09259611A
JPH09259611A JP6594796A JP6594796A JPH09259611A JP H09259611 A JPH09259611 A JP H09259611A JP 6594796 A JP6594796 A JP 6594796A JP 6594796 A JP6594796 A JP 6594796A JP H09259611 A JPH09259611 A JP H09259611A
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vertical
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JP6594796A
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English (en)
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Yasuhiko Yamanaka
泰彦 山中
Masayoshi Sakamoto
正悦 坂本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光幕現象を緩和して先行車、路上の落下物な
どの視認性を高め、さらに照明器具による視線誘導効果
を確保したトンネル照明器具を提供する。 【解決手段】 トンネル照明器具の器具中心を通り、道
路軸(水平角90度および180度)と平行な断面にお
ける配光を示したもので、1aが配光特性である。交通
方向と対向する側の鉛直角40度を中心とする鉛直角3
0度〜70度の範囲の光度を減少させることにより、照
明光がトンネル中の粉塵より散乱されて発生する光幕現
象が緩和され、先行車、路上の落下物など視対象物の視
認性を確保することができる。また鉛直角の範囲を30
度以上とすることで、路面輝度の低下を抑えることがで
き、鉛直角の範囲を70度以下とすることにより、運転
者が照明器具により道路線形を判断する視線誘導効果が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車道路のトン
ネルに用いられるトンネル照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にトンネル照明では、トンネルの横
断面形状、照明器具の取付位置、必要とする照明特性
(路面及び壁面の輝度など)に応じて照明器具の配光が
決定される。従来のトンネル照明器具の配光特性のう
ち、器具中心を通り道路軸(水平角90度および水平角
270度の方向)と平行な断面の配光の一例を図2に示
す。従来のトンネル照明器具は、ランプの管軸を道路軸
方向と平行とし、ランプの管軸と平行に樋状の反射板を
配置して、トンネル横断方向の配光が制御されたもので
ある。このため、道路軸方向の配光は従来、主にランプ
自身の配光で決まり、図2の2aの曲線のように余弦曲
線に近い配光特性を有していた。
【0003】一方、トンネル大気中では、自動車の排気
ガスや路面から舞い上がる粉塵が浮遊する。照明器具か
らの照明光が、これらの粉塵に照射されると光が散乱さ
れ、霧のような光の幕が発生する。このような現象は光
幕現象とよばれ、運転者の視界を妨げる原因となる。供
用中のトンネルでの実測結果によれば、図2に示す配光
を持つ照明器具による光幕輝度は、100m区間の光の
透過率50%(110m区間では47%)、路面輝度5
cd/m2 、光幕輝度の測定距離110mにおいて約2cd/m
2 に達する。測定距離110mは、トンネルの設計速度
80km/hに対する視距、すなわち安全停止距離であ
る。視対象物とその背景となる路面との輝度対比は、光
幕がないとき、下式であらわされる。
【0004】Cc=(Lr−Lo)/Lr ただし、Ccは光幕がないときの視対象物とその背景の
輝度対比、Lrは路面輝度、Loは視対象物の輝度であ
る。
【0005】光幕が発生したとき、輝度対比は、下式で
あらわされる。 Cp=(Lr’−Lo’)/Lr’=Lr×τ/(Lr
×τ+Lv)×Cc ただし、Cpは光幕が発生したときの視対象物とその背
景との輝度対比、Lr’は光幕中での路面輝度で、L’
=Lr×τ+Lv、Lo’は光幕中での視対象物の輝度
で、Lo’=Lo×τ+Lv、τは観測距離の間の光の
透過率、Lvは光幕輝度である。
【0006】ここで、図2に示す従来の照明器具による
路面輝度、光幕輝度、視対象物の輝度(光幕輝度がない
ときの実測結果は、2.4cd/m2)を代入すると、 Cc=0.52、Cp=0.28 となり、光幕が発生したときの輝度対比が、光幕がない
ときに比べ約半分に低下し、視対象物の見え方が著しく
低下することがわかる。
【0007】トンネル内に浮遊する粉塵は、0.07〜
0.10μm程度の半径の粒子を主体とする分布を持っ
ており、光の散乱角特性は入射方向と同じ方向に光が散
乱する前方散乱が支配的で、光が後方に散乱する後方散
乱は相対的に少ない。したがって、前方散乱を生ずる照
明の光を減らせば、散乱光(光幕輝度)を減少させるこ
とができる。
【0008】トンネル道路軸方向の配光を変えることに
より光幕輝度を減少させたトンネル照明方法として、特
開昭58−204402号公報がある。これは、路面輝
度の低下を抑えながら光幕輝度を減少させるために、図
3の3aの曲線のように、照明器具の配光のうち交通方
向と対向する側の鉛直角50度〜90度の範囲の光を減
少し、光幕現象を緩和したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】光幕現象を緩和するた
めに、鉛直角50度より鉛直角が大きい範囲の配光をす
べて減少する構成であったが、後述のように光幕輝度の
低減効果が大きい鉛直角(鉛直角40度付近)の光度を
減少しないものであり、さらに光幕現象が緩和できる余
地を残した構成であった。また、運転者がトンネル内を
走行する際、トンネル照明は、器具の並びによって得ら
れる視線誘導効果があり、前方道路の線形を知るための
手段に用いられる。これはトンネル照明器具が一般的に
自動車よりも高い位置に設置されるため、先行車の死角
になりにくく、また明るく光るため遠くからでも視認で
きるという特徴を有するためである。
【0010】図2の従来の照明器具は、ほぼ余弦曲線の
配光を持っているために運転者側にも光が放射されてお
り、視線誘導効果が得られるが、特開昭58−2044
02号公報の従来例は交通方向と対向する側の鉛直角5
0度〜90度の範囲の光を減少しているため、運転者側
に光が放射されず、視線誘導効果が損なわれていた。
【0011】本発明は、上記課題を解決しようとするも
ので、光幕現象を緩和して先行車、路上の落下物などの
視認性を高め、さらに照明器具による視線誘導効果を得
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の構成は、器具中心を通り交通方向と
平行でかつ鉛直な平面において、交通方向と対向する側
の鉛直角30度〜70度の一部または全部の範囲の光度
を、I×cos θ(Iは前記平面における照明器具の光度
の最大値、θは前記鉛直角)未満に低減し、交通方向の
鉛直角0度〜90度の配光と交通方向と対向する側の鉛
直角0度〜90度の配光とを鉛直角0度の軸に対して非
対称とし、交通方向の側の鉛直角0度〜30度の範囲の
光束および交通方向と対向する側の鉛直角0度〜30度
の範囲の光束の合計を、器具総光束の50%以上とした
ものである。
【0013】また、第2の構成においては、光度を低減
する鉛直角の範囲を、交通方向と対向する側の鉛直角4
0度〜70度としたものである。
【0014】また、第3の構成においては、光度を低減
する鉛直角の範囲を、交通方向と対向する側の鉛直角4
0度を含む範囲としたものである。
【0015】また、第4の構成においては、光度を低減
する鉛直角の範囲を、交通方向と対向する側の鉛直角3
0度〜鉛直角40度以上70度以下の範囲としたもので
ある。
【0016】また、第5の構成においては、光度を低減
する鉛直角の範囲を、交通方向と対向する側の鉛直角3
0度以上40度以下〜鉛直角70度の範囲としたもので
ある。
【0017】また、第6の構成においては、光度を低減
する鉛直角の範囲を、交通方向と対向する側の鉛直角3
0度以上40度以下〜鉛直角40度以上70度以下の範
囲としたものである。
【0018】また、第7の構成においては、交通方向と
対向する側の鉛直角0度〜30度の範囲に含まれる光束
に対する、交通方向と対向する側の鉛直角30度〜70
度の範囲に含まれる光束の比が0.5より小さくしたも
のである。
【0019】また、第8の構成においては、交通方向を
90度とする左回りで水平角を表わすとき、器具中心を
通り、水平角45度および水平角225度の方向でかつ
鉛直な平面、または器具中心を通り水平角135度およ
び水平角315度の方向でかつ鉛直な平面のいずれかの
平面において、交通方向と対向する側の鉛直角30度〜
70度の一部または全部の範囲の光度を、I×cos θ
(Iは前記平面における照明器具の光度の最大値、θは
前記鉛直角)未満に低減し、交通方向の鉛直角0度〜9
0度の配光と交通方向と対向する側の鉛直角0度〜90
度の配光とを鉛直角0度の軸に対して非対称としたもの
である。
【0020】
【発明の実施の形態】鉛直角と水平角の定義について図
4および図5を用いて説明する。
【0021】鉛直角は、図4に示すように器具中心4a
を通り交通方向と平行でかつ鉛直な平面4bにおいて、
器具中心4aを回転の中心とする回転角を示すものであ
り、鉛直方向4cを0度とし、鉛直角0度から離れる方
向を鉛直角の増加方向としている。水平角は図5に示す
ように、器具中心5aを通り交通方向と平行な平面5b
において、器具中心5aを回転の中心とする回転角を示
すものであり、交通方向を90度、左回りを増加方向と
している。
【0022】次に、光幕現象を緩和して、先行車、路上
の落下物などの視認性を高める作用について説明する。
【0023】トンネル内に浮遊する粉塵の光の散乱角特
性を図6に示す。図6の6aように光が入射する方向と
同じ方向へ散乱される前方散乱が支配的である。したが
って、前方散乱を生ずる照明の光を減らせば、散乱光
(光幕輝度)を減少させることができる。しかし、光幕
輝度を低減しても、それによって路面が十分に照明され
ず路面輝度が低下しては、照明として意味がない。
【0024】そこで、照明器具の配光のうち、路面輝度
の低下が小さく、かつ光幕輝度の低下が大きい範囲の光
度を低減する必要がある。
【0025】照明器具の道路軸方向の配光が光幕輝度、
路面輝度の形成に及ぼす影響を図7に示す。図7の横軸
は照明器具の道路軸方向の鉛直角、縦軸は各鉛直角にお
ける配光が光幕輝度または路面輝度の形成に及ぼす影響
を相対値で表したもので、7aの曲線は光幕輝度、7b
の曲線は路面輝度に関する特性である。
【0026】光幕輝度に対しては、7aの曲線のように
交通方向と対向する側の鉛直角が40度付近の配光が最
も強く影響し、路面輝度に対しては、7bの曲線のよう
に鉛直角0度付近の配光が最も強く影響することが分か
る。
【0027】光幕輝度を有効に減少させるには、光幕輝
度が大きく、かつ、路面輝度が小さいという2つの条件
を満たす鉛直角の範囲の光度を低減することが有効であ
る。そこで、同じ路面輝度を確保するために発生する光
幕輝度の割合(図7の各鉛直角における7aの曲線の値
を7bの曲線の値で除した値)を求め、図8の8aの曲
線に示す。図8の8aの曲線が示すように、照明器具の
配光のうち、交通方向と対向する側の鉛直角が大きいほ
ど、同じ路面輝度を確保するために発生する光幕輝度の
割合が大きくなる。
【0028】図7および図8の結果より、光幕輝度の形
成に対する影響が大きい鉛直角40度を中心とする範囲
で、鉛直角が大きいほうが光幕現象を緩和するために効
果的であることが分かる。鉛直角が30度より小さい場
合には、図7の7aの曲線が示すように路面輝度に及ぼ
す影響が大きくなり(最大値の50%以上)、路面輝度
の低下が非常に大きくなる。
【0029】光度を低減する鉛直角の範囲を変化させた
ときの、光幕中での視対象物とその背景との輝度対比を
図9に示す。図9は、交通方向と対向する側について、
図9の横軸に示す鉛直角から、鉛直角90度までの範囲
の光度を0cdに低減した場合の視対象物とその背景の
輝度対比を9aに示したものである。図9によれば、光
度を低減する範囲の下限が鉛直角30度付近で、輝度対
比が最も大きくなり、下限を鉛直角30度よりさらに小
さくしても、輝度対比が高くならず、視認性を改善する
効果が得られない。すなわち、視認性を高めるために光
度を低減する範囲は、交通方向と対向する側の鉛直角3
0度よりも大きい範囲が有効である。
【0030】図9では、光度を低減する鉛直角の範囲に
おいて、光度を0cdにした場合の結果を示したが、光
度が0cdでない場合でも、光幕現象を緩和し、視認性
を高める効果が得られる。この場合、図2に示す余弦曲
線の配光を持つ従来例は、光度の最大値Iが鉛直角0度
にあり、鉛直角θの方向の光度はI×cos θであるた
め、図2に示す従来例と比較して視認性を改善するため
には、光度を低減する鉛直角の範囲において、光度をI
×cos θ(Iは器具中心を通り交通方向と平行でかつ鉛
直な平面における光度の最大値、θは鉛直角)未満とす
る必要がある。
【0031】図7の7bの曲線に示すように、路面輝度
の形成に対する影響が最大値の50%以上の範囲は、交
通方向の側の鉛直角0度〜30度および交通方向と対向
する側の鉛直角0度〜30度の範囲である。この範囲の
光束が小さい場合には、路面輝度が低下するため、路面
輝度を確保するというトンネル照明の役割を達成するこ
とができない。図2に示す従来例では、交通方向の側の
鉛直角0度〜30度および交通方向と対向する側の鉛直
角0度〜30度の範囲の光束の合計が、器具総光束の約
50%である。従って、図2に示す従来例と比較して路
面輝度の低下を抑えるためには、交通方向の側の鉛直角
0度〜30度および交通方向と対向する側の鉛直角0度
〜30度の範囲の光束が、器具総光束の50%以上であ
ることが不可欠である。
【0032】また、図7の7bを見ると、路面輝度の形
成に対しては、交通方向の側、および交通方向と対向す
る側の両側の配光の影響が大きい。路面輝度を確保する
ためには、光幕輝度の形成に影響が大きい交通方向と対
向する側のみの光度を減少させることが有効であり、交
通方向の鉛直角0度〜90度の配光と、交通方向と対向
する側の鉛直角0度〜90度の配光とを鉛直角0度の軸
に対して非対称とし、交通方向と対向する側の鉛直角3
0度〜70度の範囲の光度を低減するものとする。
【0033】次に、照明器具による視線誘導効果につい
て説明する。運転者が道路の線形を判断するために照明
器具を見る場合、視野の上方は自動車の天井またはピラ
ーで遮られるため、視野範囲はおもに水平方向から上側
に20度の範囲である。このため、照明器具の配光のう
ち交通方向と対向する側の70度〜90度の光度を確保
することが視線誘導効果を得るために有効である。
【0034】尚、図9の鉛直角70度を見ると、光度を
低減しない鉛直角90度とほぼ同じ輝度対比であり、鉛
直角70度〜90度の光度を低減しても、視認性を高め
る効果は小さい。
【0035】以上のように、交通方向と対向する側の鉛
直角30度〜70度の範囲の光度をI×cos θ(Iは器
具中心を通り交通方向と平行でかつ鉛直な平面における
光度の最大値、θは鉛直角)未満に低減し、交通方向の
鉛直角0度〜90度の配光と交通方向と対向する側の鉛
直角0度〜90度の配光とを非対称とした配光特性を持
つことにより、光幕現象を緩和して先行車、路上の落下
物等の視認性を高め、照明器具による視線誘導効果を得
ることができる。
【0036】本発明の第1の実施の形態のトンネル照明
器具の配光特性を図1に示す。1aの曲線は、器具中心
を通り交通方向と平行でかつ鉛直な平面における、本実
施の形態の照明器具の配光を示すものである。本実施の
形態のトンネル照明器具は、従来一般的に用いられてい
る余弦曲線に近似した配光を持つ照明器具の配光のう
ち、交通方向と対向する側の鉛直角30度〜70度の光
度を略0cdに低減したものである。交通方向の側の鉛
直角0度〜30度および交通方向と対向する側の鉛直角
0度〜30度の範囲の光束は、器具総光束の65%であ
る。
【0037】本実施の形態のトンネル照明器具をトンネ
ルに設置した場合、光幕輝度は図2に示す従来例の33
%となり、路面輝度は89%となる。路面輝度の減少を
補完し、従来例と同じ路面輝度を確保した場合、光幕輝
度は図2に示す従来例の37%となる。
【0038】100m区間の光の透過率50%(110
m区間では47%)の条件で、路面輝度5cd/m2 、光幕
輝度の測定距離110mにおける光幕輝度は、0.74c
d/m2、運転者より110m前方の視対象物とその背景と
の輝度対比Cpは、Cp=0.34となり、図2の従来
例における輝度対比(Cp=0.28)に比べ、高い輝
度対比を得ることができ、先行車や路上の落下物などの
視対象物の視認性を改善し、照明器具による視線誘導効
果を維持することができる。本実施の形態のように光幕
現象を緩和する効果は、鉛直角30度〜70度の全体を
低減するのが有効である。
【0039】しかし、鉛直角30度〜70度の一部の光
度を低減した場合、または、光度を低減する範囲に最も
光幕輝度の低減効果が大きい鉛直角40度を含まない場
合でも、光幕現象を緩和し視認性を高める効果が期待で
きる。そこで、鉛直角30度〜70度の範囲の一部を低
減した場合の実施の形態を、以下の第2〜第5の実施の
形態に示す。
【0040】本発明の第2、第3、第4、第5の実施の
形態のトンネル照明器具の道路軸方向の配光特性をそれ
ぞれ図10、図11、図12、図13に示す。
【0041】図10に示す第2の実施の形態のトンネル
照明器具の配光は、従来一般的に用いられている照明器
具の余弦曲線に近似した道路軸方向の配光のうち、交通
方向と対向する側で最も光幕輝度の低減効果が大きい鉛
直角40度よりも鉛直角が大きい範囲である鉛直角40
度〜70度の光度を略0cdに低減したものである。光
度を低減する鉛直角の範囲を40度以上とすることによ
り、路面輝度の低下を抑えることができる。
【0042】図11に示す第3の実施の形態は、光幕現
象を緩和する効果が大きい鉛直角40度を含む鉛直角3
0度〜60度(鉛直角60度は、鉛直角40度以上70
度以下の範囲にある)の光度を略0cdに低減したもの
である。光度を低減する鉛直角の範囲の上限を70度よ
りも小さくすることによって、自動車の天井またはピラ
ーで遮られる運転者の視野範囲が水平方向から上側に2
0度よりも大きい場合に、視線誘導効果をより高めるこ
とができる。
【0043】図12に示す第4の実施の形態は、同様に
鉛直角40度を含む鉛直角35度〜70度(鉛直角35
度は、鉛直角30度以上40度以下の範囲にある)の光
度を略0cdに低減したものである。光度を低減する鉛
直角の範囲の下限を30度よりも大きくすることによ
り、路面輝度の低下が小さくなる。
【0044】図13に示す第5の実施の形態は、同様に
鉛直角40度を含み、光度を低減する鉛直角の範囲の下
限および上限が、鉛直角30度と70度との内側にある
鉛直角35度〜60度(鉛直角35度は鉛直角30度以
上40度以下の範囲にあり、鉛直角60度は、鉛直角4
0度以上70度以下の範囲にある)の範囲の光度を略0
cdに低減したものである。
【0045】第2〜第5の実施の形態において、交通方
向の側の鉛直角0度〜30度および交通方向と対向する
側の鉛直角0度〜30度の範囲の光束の、器具総光束に
対する割合は、第2の実施の形態が60%、第3の実施
の形態が62%、第4の実施の形態が62%、第5の実
施の形態が60%であり、いずれも50%以上としてい
る。
【0046】第2〜第5の実施の形態のトンネル照明器
具をトンネルに設置した場合について、(1)図2に示
す従来例に対する光幕輝度の割合、(2)図2に示す従
来例に対する路面輝度の割合、(3)正規化した(路面
輝度の低下を補完した)場合の光幕輝度の割合、(4)
100m区間の光の透過率50%(110m区間では4
7%)、路面輝度5cd/m2 、光幕輝度の測定距離110
mにおける光幕輝度、(5)運転者から110前方の視
対象物とその背景との輝度対比Cp、を(表1)に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】(表1)の(5)に示す輝度対比Cpが大
きいほうが光幕現象を緩和する効果が高いが、光度を低
減する範囲が鉛直角40度よりも大きい第2の実施の形
態、鉛直角40度を含む第3〜第5の実施の形態のいず
れにおいても、図2に示す従来例に比べて高い輝度対比
を得ることができ、第1の実施の形態よりも効果の程度
は小さいものの、鉛直角30度〜70度の一部の光度を
低減した場合でも光幕現象を緩和する効果が得られる。
【0049】第1〜第5の実施の形態において、鉛直角
0度〜30度の範囲に含まれる光束に対する鉛直角30
度〜70度の範囲に含まれる光束の比を求めると、第1
の実施の形態が0、第2の実施の形態が0.29、第3
の実施の形態が0.43、第4の実施の形態が0.1
6、第5の実施の形態が0.3であり、いずれも0.5
以下である。従って、交通方向と対向する側の鉛直角0
度〜30度の範囲に含まれる光束に対する鉛直角30度
〜70度の範囲に含まれる光束の比を0.5よりも小さ
くすることによって、第1〜第5の実施の形態と同様、
光幕現象を緩和する効果が得られる。
【0050】第1〜第5の実施の形態では、道路軸方向
の配光として、図2の従来例の一部分の鉛直角の範囲の
光度を略0cdに低減した配光を示したが、光度を略0
cdにしない場合でも、光度をI×cos θ(Iは器具中
心を通り交通方向と平行でかつ鉛直な平面における光度
の最大値、θは鉛直角)未満に低減した配光特性を持っ
た図14、図15に示す例のような配光によっても、光
幕現象を緩和する効果を得ることができる。このうち図
14は、鉛直角0度に光度の最大値Iがある例であり、
交通方向と対向する側の鉛直角30度〜70度の光度を
I×cos θの2分の1に低減した例である。図15は、
光度の最大値が鉛直角0度以外の鉛直角にある例であ
る。
【0051】第6の実施の形態を図1を用いて説明す
る。第6の実施の形態の場合、図1は器具中心を通り水
平角135度および水平角315度の方向でかつ鉛直な
平面、または器具中心を通り水平角45度および水平角
225度の方向でかつ鉛直な平面のいずれかの平面の配
光特性を示すものである。このうち、前者の平面上で交
通方向と対向する側(水平角315度方向)の鉛直角3
0度〜70度の光度を略0cdに低減したものを照明器
具Aとする。また、後者の平面上で交通方向と対向する
側(水平角225度方向)の鉛直角30度〜70度の光
度を略0cdに低減したものを照明器具Bとする。第6
の実施の形態には、照明器具Aおよび照明器具Bの2つ
がある。
【0052】第6の実施の形態のトンネル照明器具のト
ンネル内での設置状況の一例を図16に示す。図16は
トンネルの横断面を示す図であり、図面手前から図面奥
への方向を交通方向とし、照明器具Aおよび照明器具B
の配光曲線の破線部分は、交通方向と対向する側の光度
を低減した範囲を示す。図16のようにトンネルの路肩
付近の天井に、照明器具Aおよび照明器具Bを図のよう
に設置する。照明器具Aの配光曲線の実線で示した水平
角180度〜270度の範囲、および照明器具Bの配光
曲線の実線で示した水平角270度〜360度の範囲
は、照明器具に近接する壁面を照明するために使用され
るため、運転者の視界となる路面上の空間に対して光幕
発生の影響が小さい。そこで、路面上の空間に対して影
響が大きい図16の配光曲線の破線の範囲の光度を低減
することにより、第1および第2の実施の形態と同様に
光幕現象を緩和する効果を得ることができ、同時に壁面
を効率よく照明することができる。
【0053】また、第6の実施の形態のトンネル照明器
具のトンネル内での設置状況の図16と異なる一例を図
17に示す。図17のようにトンネルの偶角部に照明器
具Aおよび照明器具Bを設置する。この場合、照明器具
Aの配光曲線の実線で示した水平角180度〜270度
の範囲、および照明器具Bの配光曲線の実線で示した水
平角270度〜360度の範囲は、車線を隔てた反対側
の壁面を照明するために使用されるため運転者の視界と
なる路面上の空間に対して光幕発生の影響が小さく、図
16の例と同様の効果を得ることができる。
【0054】なお、照明器具の配光は、ランプ自身の配
光、反射板や遮光ルーバーの形状、ランプの取付位置、
ランプの取付方向などを組み合わせて実現することがで
きるが、本発明は照明器具の配光を規定するものであ
り、この配光の実現方法を規定するものではない。
【0055】また、本発明の照明器具は、器具中心を通
り道路軸と平行な平面における配光を規定するものであ
り、実施の形態と異なる範囲の光度を低減した照明器具
を、水平ではない取付角度で設置することにより実現す
ることもできる。
【0056】また、照明器具の配光は複数のランプまた
は照明器具の組合せによって実現することもできる。例
えば第1の実施の形態の場合、トンネル照明器具の道路
軸方向の配光特性が鉛直角30度〜90度を低減した配
光特性を有する第1の照明器具と、鉛直角70度〜90
度に配光を持った第2の照明器具とを組み合わせること
により実現することもできる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光幕現象
を緩和して先行車、路上の落下物などの視認性を高め、
照明器具による視線誘導効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のトンネル照明器具
の、器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性図
【図2】従来のトンネル照明器具の、器具中心を含む道
路軸と平行な断面の配光特性図
【図3】光幕現象を緩和する従来のトンネル照明器具
の、器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性図
【図4】トンネル照明器具の鉛直角を示す図
【図5】トンネル照明器具の水平角を示す図
【図6】トンネル内に浮遊する粉塵の光の散乱角特性図
【図7】照明器具の道路軸方向の配光が、光幕輝度、路
面輝度の形成に及ぼす影響を示す図
【図8】同じ路面輝度を確保するために発生する光幕輝
度の割合を示す図
【図9】光度を低減する鉛直角の範囲を変化させたとき
の、光幕中での視対象物とその背景との輝度対比を示す
【図10】本発明の第2の実施の形態のトンネル照明器
具の、器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性図
【図11】本発明の第3の実施の形態のトンネル照明器
具の、器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性図
【図12】本発明の第4の実施の形態のトンネル照明器
具の、器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性図
【図13】本発明の第5の実施の形態のトンネル照明器
具の、器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性図
【図14】本発明のトンネル照明器具の、器具中心を含
む道路軸と平行な断面の配光特性の一例を示す図
【図15】本発明のトンネル照明器具の、器具中心を含
む道路軸と平行な断面の配光特性の一例を示す図
【図16】本発明の第6の実施の形態のトンネル内での
設置状況の一例を示す図
【図17】本発明の第6の実施の形態のトンネル内での
設置状況の他の例を示す図
【符号の説明】
1a 器具中心を含む道路軸と平行な断面の配光特性

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】器具中心を通り交通方向と平行でかつ鉛直
    な平面において、交通方向と対向する側の鉛直角30度
    〜70度の一部または全部の範囲の光度を、I×cos θ
    (Iは前記平面における照明器具の光度の最大値、θは
    前記鉛直角)未満に低減し、交通方向の鉛直角0度〜9
    0度の配光と交通方向と対向する側の鉛直角0度〜90
    度の配光とを鉛直角0度の軸に対して非対称とし、交通
    方向の側の鉛直角0度〜30度の範囲の光束および交通
    方向と対向する側の鉛直角0度〜30度の範囲の光束の
    合計を、器具総光束の50%以上としたことを特徴とす
    るトンネル照明器具。
  2. 【請求項2】光度を低減する鉛直角の範囲を、交通方向
    と対向する側の鉛直角40度〜70度としたことを特徴
    とする請求項1記載のトンネル照明器具。
  3. 【請求項3】光度を低減する鉛直角の範囲を、交通方向
    と対向する側の鉛直角40度を含む範囲としたことを特
    徴とする請求項1記載のトンネル照明器具。
  4. 【請求項4】光度を低減する鉛直角の範囲を、交通方向
    と対向する側の鉛直角30度〜鉛直角40度以上70度
    以下の範囲としたことを特徴とする請求項3記載のトン
    ネル照明器具。
  5. 【請求項5】光度を低減する鉛直角の範囲を、交通方向
    と対向する側の鉛直角30度以上40度以下〜鉛直角7
    0度の範囲としたことを特徴とする請求項3記載のトン
    ネル照明器具。
  6. 【請求項6】光度を低減する鉛直角の範囲を、交通方向
    と対向する側の鉛直角30度以上40度未満〜鉛直角4
    0度以上70度以下の範囲としたことを特徴とする請求
    項3記載のトンネル照明器具。
  7. 【請求項7】交通方向と対向する側の鉛直角0度〜30
    度の範囲に含まれる光束に対する、交通方向と対向する
    側の鉛直角30度〜70度の範囲に含まれる光束の比が
    0.5より小さいことを特徴とする請求項1記載のトン
    ネル照明器具。
  8. 【請求項8】交通方向を90度とする左回りで水平角を
    表わすとき、器具中心を通り、水平角45度および水平
    角225度の方向でかつ鉛直な平面、または器具中心を
    通り水平角135度および水平角315度の方向でかつ
    鉛直な平面のいずれかの平面において、交通方向と対向
    する側の鉛直角30度〜70度の一部または全部の範囲
    の光度を、I×cos θ(Iは前記平面における照明器具
    の光度の最大値、θは前記鉛直角)未満に低減し、交通
    方向の鉛直角0度〜90度の配光と交通方向と対向する
    側の鉛直角0度〜90度の配光とを鉛直角0度の軸に対
    して非対称としたことを特徴とするトンネル照明器具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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