JP2000106005A - 自動車道路トンネルの照明方法 - Google Patents

自動車道路トンネルの照明方法

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JP2000106005A JP31154898A JP31154898A JP2000106005A JP 2000106005 A JP2000106005 A JP 2000106005A JP 31154898 A JP31154898 A JP 31154898A JP 31154898 A JP31154898 A JP 31154898A JP 2000106005 A JP2000106005 A JP 2000106005A
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文雄 塚崎
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Abstract

(57)【要約】 自動車トンネルの照明ランプ照射光軸を前方下向きに傾
斜させ、この傾斜角度と、照射立体角の二分の一の角度
の和が65度から85度の間にあるように設定した一方
通行自動車トンネルの照明方法。 【課題】障害物視認性を向上させ、かつ消費電力を節減
する。 【解決手段】照射立体角を必要最小限に小さくし、傾斜
角度をグレアを生じない最大限に大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車道路トン
ネル内の照明方法を合理化して障害物への照射効率を高
め、障害物の確認を容易にするとともに、照明に消費す
る電力を大幅に節約するものである。
【0002】
【従来の技術】外光の入りにくいトンネル内では昼夜を
通してランプ照明を行って、自動車と障害物の衝突事故
を防止し、快適な自動車の運転を図っている。障害物
は、前方の不灯火車両、故障あるいは事故や作業のため
に停止している車両、事故で社外に投げ出された乗員及
び物品、待避あるいは連絡で走行車線に立ち入った人
員、不作為に落下した搭載物品あるいは自動車の部品、
修理点検中の作業者や工作物などである。予期せざるこ
れら障害物に遭遇した場合に、接近する車両の運転者は
かなり早期にこれを発見し、安全回避策を講じて衝突を
避けねばならない。このためには走行速度に見合った明
るさの照明が必要で、自動車専用道路トンネルでは常
時、強力な道路照明が実施されており電力消費が非常に
多い。現在のトンネル内照明方法は天井部あるいは壁面
上部から車線中心寄りの直下に向けた照射方式あるいは
散光による全体照射方式が採用されており、照射光軸は
進行方向に対しては鉛直で、車線中央寄りの下方に向け
て広い立体角で照射している。照明ランプの配置間隔と
位置により若干の相違はあるが、基本的には路面および
路面上にある障害物に向けてほぼ真上あるいは側方真上
から照射している。しかるに接近する運転者が障害物を
視認するには、運転者の視線に沿った進行方向すなわち
水平方向の視覚情報が必要である。障害物をほぼ真上か
ら照明する上記の従来方式では、鉛直上方へ反射する情
報成分は多いが、運転者の視線に向けた水平方向の成分
が少なく、障害物視認のための照明効率が低い。結果と
して電力投入量が大きくなり、限られた地球資源を必要
以上に消費している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記の問題
認識に立ち、照明ランプの照射方向と照射の広がりを合
理化することによって運転者への障害物視認情報量を増
大させ、事故回避に寄与するとともに電力消費を大幅に
低減することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のために講
じた手段は、トンネル内の照明ランプが壁面上部あるい
は天井部に適切な間隔で設置されることを前提として、
次の要素によって構成されるものである。 (イ)個々の照明ランプにつき、光源リフレクタ形状及
び透過レンズのカット形状を最適化して、照射する立体
角の範囲内で均一な光度が得られるとしたこと。これは
自動車用ヘッドランプなどコンピュータを利用したラン
プ設計技術の進歩によって可能となっている。 (ロ)照明の拡散を減らすために、照射する立体角を4
0度から70度の範囲としたこと。 (ハ)複数ランプからの照射を重畳させるために、照射
光軸を車線進行方向の前方下向きに30度から60度の
範囲内で、照明する車線進行方向に平行、あるいはやや
車線中心寄りで進行方向に傾斜させたこと。 (ニ)路面上の障害物視認性に偏らず、路面及び側壁面
にも適切な照明を与えるように、照明ランプの設計と配
置を工夫すること。 参考文献は財団法人日本道路協会発行の「道路照明施設
設置基準・同解説」である。
【0005】
【作 用】トンネル内で照明された障害物の視認性を向
上させるには、障害物から運転者の視線に向かう障害物
表面の水平方向照度を極大化すれば良い。光源自体のエ
ネルギーを増量することなく、障害物の水平方向照度を
極大化するには次の方策がある。すなわち(1)個々の
ランプの照明効率を上げ、かつ立体角の光量配分を均一
にする、(2)照射立体角の大きさを照射対象に集中し
て極力小さくする、(3)照射光軸を前傾させ、複数ラ
ンプによる重畳照射を有効に活用する。同時に自動車運
転者が障害物を見間違うことがないように照明の均斉度
を良好に保ち、トンネル内の整備点検補修と清掃に不便
がないように路面及び壁面への適切な照明量を保つ。
【0006】障害物の視認性を向上させるため照明の効
率が最も高くなる条件を見出すべく、以下に関係パラメ
ータを変えてシミュレーション計算を行う。道路照明の
設計及び設置の要件を規定した道路照明施設設置基準で
は、路面単位面積当たりの光度、すなわち路面表面の輝
度を明るさの基準としているが、ここでは明暗の絶対値
を計算する必要はなく、最適の照明効率を得るパラメー
ターを見出すことが目的であるため、計算の容易な照度
を視認性比較の基準として取り上げた。以下、パラメー
ターである立体角と傾斜角度を変えて障害物及び、路
面、壁面の照度と照明均斉度を計算する。基本となる照
度の計算式は以下である。
【0007】図1において天井に設置した点型照明ラン
プの光度をIとすると、Hメートル下方の路面で、ラン
プ直下のO点からSメートル前方にある任意のP点に入
射する照度は、光源からの距離の自乗に反比例して、E
=I/(H+S)である。P点の水平面照度E
は、E=Ecosθ ある。角θは照射光のP点へ
の入射角度である。 となる。固定値Hの影響を無視すると、P点がランプ直
下のO点から遠ざかるにつれて、水平面照度はO点から
の距離Sの3乗にほぼ反比例して照度が減じる。 から、 となる。固定値Hの影響を無視すると、P点がランプ直
下から遠ざかるにつれて、鉛直面照度は距離Sの2乗に
ほぼ反比例して照度が減じるが、水平面照度の変化に比
べて影響が小さい。従い、立方体形障害物1の鉛直面照
射への比重を高めて、水平方向への視認情報量を増やす
ことが有利である。傾斜面の照度は、まず面直角の法線
照度を算出し、この法線照度から水平方向照度を求める
ことによって得られる。
【0008】現在、普通に行われている直下型基本照明
の1例として、トンネル高さH=7メートルの天井に照
明ランプが5メートル間隔で1列に配置されて垂直下方
の路面に向けて照射している場合を見ると、障害物への
照明が切れ目無く連続するためには、図2に示すごとく
照射立体角を約80度以上に大きくする必要がある。こ
れは光源を含み車線を横断する鉛直面から手前側の衝立
形障害物2への照射は逆光となり、照明効果を著しく減
じるためである。図3は立体角70度、光軸傾斜角度4
5度とした照射パターンの側面図で、1照明区間内にあ
る障害物1に、L1−L7の7個のランプから照射光が
入射している。このように照射を前方下方に傾斜させた
場合は、個々のランプから路面への投射面積が広がり、
切れ目無く重複して照射するので、照射立体角を狭め
て、照射光度を高めることが出来る。光度の強さは表1
に見るごとく立体角広がり度合の2乗に反比例するの
で、立体角は狭い方が視認性向上に有利である。例とし
て同一距離にある障害物に対して、立体角40度の照度
は立体角80度の場合に比べて4倍大きい。
【0009】
【表1】
【0010】照射立体角の合理的な大きさを見出すため
に、角度を変えて比較する。障害物の照度は、通行量の
多い乗用車の運転者視点の高さが路面上約1メートルで
あることを考慮して、車線内にある障害物の路面からの
高さが1メートルの部分について計算する。路面及び壁
面の照度は、それぞれ面上で計算する。合理的な立体角
としては角度の小さい方がより明るい光度が得られ、傾
斜角の効率の良い範囲に設定することが必要である。立
体角と傾斜角度を合成した照射角度の最大値は、前方車
両へのグレア防止を考慮すると約85度であるが、安全
を見て80度で計算する。照射角度の小さい近距離照射
の有効性を見ると図4に示すごとく、近距離鉛直面の水
平方向照度は、E=Esinθ値が小さいので、ラン
プ直下O点からの至近距離に対しては効率が低い。照明
効果の現れる照射角度はおよそ20度以上である。従
い、前方車両へのグレアを防止するために照射角度範囲
の上限を80度程度にした場合は、縦方向の照射立体角
の大きさは80度−20度=60度となる。横方向の照
射は、歩道を含めた1車線の路面幅を、車両の車体幅上
限である2.5メートルに対して2.5倍程度の6.2
メートルと考えると、光源の高さを7メートルとした場
合は、直下方の路面に対して最小41度であるが、運転
者に快適感、安心感を与えるために壁面にも配光する必
要があり、適度の立体角広がりが望ましい。ここでは、
立体角を60度の円錐状として検討する。以上から照射
光軸の傾斜角度θは、80度(最大)−60度(立体
角)/2=50度となり、この傾斜角度を中心に壁面へ
の照明に配慮しながら、立体角の大きさと傾斜角度をパ
ラメーターとして、ランプの配置を定める。
【0011】照射軸の前方傾斜を大きくして照明が重畳
する効果を比較する。上記の立体角60度、傾斜角度5
0度の照明を、高さ7メートルの天井に5メートル間隔
で設置した場合は、路面上に重畳する照明数は以下の計
算となる。 重畳照明数:n=7(tan80°−tan20°)/
5=5.3 となり、5個以上の照明ランプから照射されていること
を示す。この傾斜型と異なり、立体角80度で直下型の
照明を同じ条件で設置した場合、図2に示すごとく照明
の手前側半分は逆光となる。障害物を照射する見地から
は、消費する電力に見合った有効な水平方向照度が得ら
れない。すなわち直下照明による障害物鉛直面照射の重
畳は図2及び下記の計算に見るごとく、ほとんど1灯に
限られるので重畳効果がない。 重畳照明数:n=7tan40°/5=5.874/5
=1.175 路面照度については、直下照明でも手前側の照射が有効
であるため、重畳効果は上記の2倍となり、2.35す
なわち2個以上の照射が重畳する。図5は立体角70度
の照明につき、傾斜を10度から45度まで変えて比較
したグラフで、傾斜角度の大きいほど路面の明るさは緩
やかに減じて66%になるが、障害物鉛直面の視認性は
顕著に高くなり213%となる。また立体角40度、傾
斜角度60度の照明では、表2に見るごとく照明ランプ
7個、実質的には6個が1照明区間に重畳して入射して
おり、第2−第7ランプの照度寄与率合計は54%に達
する。
【0012】
【表2】
【0013】照明ランプ設置間隔による照度の相違を比
較する。図6のグラフは高さ7メートルで立体角60
度、傾斜50度の照明ランプについて、設置数と間隔を
変えて1メートル立方体障害物の鉛直面照度を計算した
もので、それぞれの使用電力総量は同一である。すなわ
ち1メートル間隔のランプは400cd(カンデラ)、
3メートル間隔のランプは1200cd、5メートル間
隔のランプは2000cdとした。測定点を1メートル
間隔として計算した結果は、均斉度には差が出るが平均
照度はいずれも50.2ルックスで、同電力量では照明
ピッチによる平均照度への影響はないことが分かった。
図6の直下型照明は、上記と同一電力の立体角80度で
1125cdのランプを、5メートル間隔に設置した場
合の照度で、平均値は11.2ルックスある。
【0014】照射の到達距離によって照度が変化する度
合いを比較する。図7は立体角、傾斜角度を変えた場合
に、各ランプから障害物鉛直面への照射がどの程度有効
に到達しているかを比較したグラフである。立体角が小
さく、かつ傾斜角度が大きいほど、照度が大きいことが
分かる。また後方からの傾斜照明により先行する自動車
にグレアを与える恐れがあるが、最大照射角度を85度
にした場合は、高さ7メートルからの照射は80メート
ル前方で地上に落ちる。自動車後方ミラーの視界範囲に
トンネル天井部付近の照明が写ってくるのは100メー
トル以上離れてからであるため、グレアが生じる恐れは
ない。従い、傾斜角度と立体角の組み合わせにおいて
は、平坦路面で最大照射角度が85度を越えないように
すれば、若干の取り付け誤差があってもグレアの可能性
はない。
【0015】側壁や天井には直接的な障害物はないが、
トンネル内の道路環境が安全であることを運転者に知ら
せるため、および保守点検作業のために適度の照明が必
要である。側壁面を照明するためには、以下の実施例に
見るごとく照明ランプの配置を車線中央から壁面寄りに
移して、下方及び前下方に向かう立体角の一部を側壁面
照明に割くことが出来る。天井面への直接的な配光は前
方車両へのグレアを伴うので、照明ランプのレンズを凸
面形状にして、レンズカットの工夫によって屈折した配
光を天井面に与えることが望ましい。
【0016】
【実 施 例】本発明を、一方通行、2車線のトンネル
道路の基本照明に適用した1実施例について以下に説明
する。障害物視認性と各面照明のバランスを検討するた
め、立体角と傾斜角度の各種組み合わせについてシミュ
レーション計算を行った。構造条件として、トンネルの
総幅は2車線の幅員8メートルに、歩道側路1メートル
を左右に配置して総幅10メートル、照明ランプの天井
取り付け高さは5メートルとした。路面はコンクリート
で、車線区分の白線が引かれている。ランプの配置間隔
は4メートルとし、ランプ自体の数及び電球ワット数な
ど照明源のエネルギー量は、立体角、傾斜角度を変えて
も同一とし、図8に示すごとく各車線毎に一列の計二列
に配置した。側壁面にも照射が届くように両側の壁面か
ら各列ランプまでのオフセット距離は1.5メートルと
した。ランプの基本構造は基本的に同一とし、同じワッ
ト数の電球を用いながらリフレクタとレンズの形状によ
って照射立体角を40度、50度、60度、70度、8
0度に変えて比較評価した。ランプの光度Iは立体角8
0度の場合に1000カンデラ(cd)を有するとし、
立体角を変えた場合の光度は、表1に示す如く角度の大
きさに対して逆2乗に相当するとした。また傾斜角度は
直下照射から、グレアを生じない限度近くの85度まで
比較評価した。障害物には多種多様な大きさ、形状があ
るが、実施例の効果を正確に比較するため、図9に示す
ごとく走行車線上に各辺が1メートルの立方形無着色段
ボール箱1、あるいは高さが1メートルの正三角形断面
の無着色段ボール箱2の障害物が進行方向に直角平行に
放置されている場合について、各障害物の照度と路面及
び壁面の照度、照明均斉度のシミュレーション計算を行
った。立方形段ボール箱1はバス、トラック、バンの車
体後面など鉛直面の照度を代表し、正三角形断面の段ボ
ール箱3は鉛直面を有しない不定形の一般障害物で、上
方からの照射に対して水平方向成分の大きい対象物を想
定し、この傾斜面照度を代表するものである。接近する
運転者への視覚情報の量はこれら段ボール箱の手前側鉛
直面、あるいは手前側傾斜面から反射して運転者に向か
う水平方向照度に比例する。以下の照度計算は最も照度
の高い障害物上縁部を計算基準点とし、天井配置照明ラ
ンプと上記障害物との高さの差が5−1=4メートルで
あり、乗用車の運転者の目の高さが概ね1メートルであ
ることから、段ボール箱上縁部の水平方向照度を視認情
報量評価の尺度とする。路面照度はランプ高さを5メー
トルとし、側壁面照度はランプの側壁面からのオフセッ
ト距離を1.5メートルとして計算した。照明源からの
光度が与えられた場合、対象物の表面反射率によって表
面輝度の値が変わるが、この比較計算には反射率の影響
を組み入れる必要がないので、距離と入射角の値で評価
できる照度を取り上げた。
【0017】図10は、立体角を40度、傾斜角度を6
0度とした場合の路面照射パターン平面図である。1個
のランプが4メートル長さの6区間を照射している。言
い換えれば4メートルの1照明区間内に、6個のランプ
からの照射が重畳して均斉度を高めており、かつ側壁へ
の照射が可能であることを示している。
【0018】計算結果 本実施例について、照射条件を変えて各面照度を計算し
た。表3は、光軸傾斜角度を直下向け0度から、前方へ
の最大照射角度がグレア限界の85度までとし、立体角
を変えて障害物及び路面、側壁面の平均照度を計算した
ものである。
【0019】
【表3】
【0020】この結果は、照度に代表される障害物視認
性は立体角が小さいほど、傾斜角度が大きいほど有利で
ある。バスやトラックの後面を代表する鉛直面照度を見
ると、直下型照明に対して傾斜型照明の照度が2−8倍
に大きい。しかし最大照射角度の85度と80度では大
きな差がなく、むしろ80度の方が照明全体のバランス
が優れている。この最大傾斜角度はランプの設計構造や
トンネルの諸元仕様によって変動するので、上下に若干
の余裕を見ておくことが必要である。またこの表で、障
害物照度、路面照度、側壁面照度を単純合計した数字を
比較すると、傾斜型照明は直下型照明に比べて最大で3
倍程度、照度が大きい。単純合計値で45%以上の効率
向上は、最大照射角度が65度以上85度までの間で得
られている。図11は、表3の一部をグラフにしたもの
で、直下型以外の例はいずれも最大照射角度が80度で
ある。最大照射角度を80度にして、立体角と傾斜角度
のバランスを変えてみると、立体角を小さくし傾斜角度
を大きくした方が障害物視認性が顕著に優れており、障
害物への照度は直下照明に比べて最大8倍に達する。一
方で、路面及び壁面の明るさには大きな相違がない。こ
の結果から、立体角と傾斜角度を最適に組み合わせるこ
とにより、照明電力を大きく節約できる可能性のあるこ
とが分かった。
【0021】図12は、直下型照明の場合の側壁面の照
明パターンと、立体角40度で傾斜角度を60度にした
場合の側壁面の照明パターンを示したものである。この
例では重畳照明の効果もあり、傾斜型の照明カバー面積
の割合は直下型の40%に比べて44%と大きい。表4
は、以上の計算結果に関連して、照度の均斉度を比較し
たものである。車線軸均斉度は照明ランプ真下の車線上
で計算した。若干の差はあるが、総合していずれの均斉
度も許容レベルにある。
【0022】
【表4】
【0023】
【発明の効果】図13は、本発明の目的である障害物視
認性を高めながら、消費電力を大きく節減した例を示す
グラフである。表5は図13のデータである。本発明を
適用した節電型傾斜照明方式で、最大傾斜角度を特に効
果の大きい75−80度の範囲にした例について直下型
と対比して示した。このグラフは、直下型照明方式は路
面と壁面の照度が大きく、傾斜型照明方式は節電を反映
してもなお障害物視認性が高いことを示している。路面
照度の明るさは、従来から障害物の視認性を間接的に代
表する特性として評価されているが、以上に説明したよ
うに障害物視認性を直接に評価すれば、路面照度によっ
て間接的に評価する必要がなくなる。すなわちトンネル
内の白線を視認できる照明度必要性は残るが、障害物視
認性を高める観点からすれば路面自体の照度はむしろ低
めにして、障害物自体をより明るく照明して浮かび上が
らせる方が視認性向上に寄与する。また路面、側壁面の
明度を上げる必要がある場合は、電力消費に頼らず明色
の骨材や塗料を採用して目的を達することができる。
【0024】
【表5】
【0025】一方通行自動車専用トンネルの照明に本発
明の傾斜型照明方式を適用すれば、消費電力を現在の直
下型照明方式に対して大きく低減しながら、障害物への
照度を直下型に比べて2〜4倍に高めて衝突事故防止に
大きく貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】照射光の入射角と視認性の効率を示す側面図で
ある。
【図2】直下型の照明パターン側面図である。
【図3】光軸傾斜による照射光の重畳する様子を示す側
面図である。
【図4】照射角度による照度の強弱を示す側面図であ
る。
【図5】立体角一定で傾斜角度を変えた場合の照度変化
を示すグラフである。
【図6】照明ランプの間隔と照度の関係を示すグラフで
ある。
【図7】照明ランプからの距離と照度の関係を示すグラ
フである。
【図8】2車線トンネルに本発明を適用した場合の照明
ランプ配置実施例を示す平面図である。
【図9】直下照明下で障害物の形状と視認性を示す側面
図である。
【図10】2車線トンネルに本発明を適用した場合の路
面照射重畳パターンを示す平面図である。
【図11】立体角と傾斜角度の最適組み合わせを直下照
明と比較したグラフである。
【図12】直下型と傾斜型の壁面照射パターンを示す側
面図である。
【図13】本発明を適用した省電力型傾斜照明と直下照
明の照度を比較したグラフである。
【符号の説明】
1・・・・・立方体形障害物 2・・・・・衝立型障害物 3・・・・・正三角断面障害物 4・・・・・照明ランプ L1−L7・・照射立体角の範囲

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方通行の自動車道路トンネルにおいて、
    天井あるいは側壁に設置した照明ランプの照射光軸を前
    方下向きに傾斜させ、この傾斜角度と、照射立体角の二
    分の一の角度の和が65度から85度の間であるように
    設定した自動車道路トンネルの照明方法。
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