JPH09258740A - エンジンカバー用吸音材 - Google Patents

エンジンカバー用吸音材

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JPH09258740A
JPH09258740A JP8069732A JP6973296A JPH09258740A JP H09258740 A JPH09258740 A JP H09258740A JP 8069732 A JP8069732 A JP 8069732A JP 6973296 A JP6973296 A JP 6973296A JP H09258740 A JPH09258740 A JP H09258740A
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恭一 渡辺
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好一 根本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの音の吸音や遮音を目的としたエン
ジンカバーに使用することができる吸音材を提供するこ
と。 【解決手段】 車両のエンジン音の遮音を目的とする近
接カバーのエンジン側壁面に設置する吸音材において、
該吸音材が材質を問わない平均径10〜60μmの範囲
にある短繊維および/または長繊維で構成され、前記吸
音材の厚さが5〜50mmの範囲にあり、前記吸音材の
面密度が100〜2000g/m2 の範囲にあることを
特徴とするエンジンカバー用吸音材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンカバー用
吸音材に関し、特にエンジンの音の吸音や遮音を目的と
したエンジンカバーに使用することができる吸音材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンを音源とする騒音を低減
させるためにエンジンルーム内には様々な音振部品が使
用されている。ボンネット裏に設置するフードインシュ
レータ、吸気音を低減させるためのレゾネータ、壁面に
設置するエンジン内インシュレータ等であるが、最も音
源に近い部位に設置するエンジン近接カバーは、エンジ
ン騒音を効果的に低減させる目的には極めて効果的な部
品であるといっても過言ではない。
【0003】エンジンカバーは、エンジンに最も近い位
置にある部品の一つであり、耐熱性の十分な材料のみが
適用され、従来はこの要件を満たすために、材料構成と
しては樹脂の板のみであったり、吸音材を設置した部品
でも殆どがグラスウールの使用であり、吸音や遮音周波
数のチューニング等は不可能であった。
【0004】従来のエンジンカバーとしては、構造面で
遮音性能を向上させるものに薄剛板から構成され、この
薄剛板の一部にヘルムホルツ共鳴器を有するタイプ(実
開昭57−25144号公報、特開昭54−47020
号公報)と、接地部にウエザーストリップを有し、エン
ジン上の漏水を防ぐタイプ(実開昭57−25143号
公報)と、音の発生する部位に直接設置させるタイプ
(実開昭63−40232号公報、実開昭64−517
38号公報)と、通気性と遮音性能とを両立させたヘル
ムホルツタイプ(特開平7−13573号公報、特開平
7−64564号公報)等が提案されている。しかしな
がら、これらのタイプでは特定周波数のみに効かせるこ
とが主となり、周波数全域で効果を持たせることは困難
であった。
【0005】一方、一般的な吸音材を用いて、遮音性能
と吸音性能とを向上させるタイプ(特開昭53−900
01号公報、実開昭56−176388号公報、実開昭
62−70922号公報)が提案されている。しかしな
がら、これらは前記の構成タイプと対照的に全域に多少
の効果はあるが、特に低周波域で効果を持たせることは
困難であった。
【0006】特に、車両のエンジン騒音は、エンジンの
回転数に応じて変化はあるものの、基本的に500Hz
以下の低周波数領域の騒音が問題となっており、この低
周波数領域の全域に亙り特に効果の大きな吸音構造体を
得ることが課題となる。同時に車両のエンジンルーム内
はスペースが限られているため、高性能でコンパクトな
構造を達成することも重大な課題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、エン
ジン周囲に設置され、体積が小さく、低周波域から高周
波数域に亙って大きな吸音効果を得ることができるエン
ジンカバー用吸音材を提供すること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
車両のエンジン音の遮音を目的とする近接カバーのエン
ジン側壁面に設置する吸音材において、該吸音材が材質
を問わない平均径10〜60μmの範囲にある短繊維お
よび/または長繊維で構成され、前記吸音材の厚さが5
〜50mmの範囲にあり、前記吸音材の面密度が100
〜5000g/m2 の範囲にあることを特徴とするエン
ジンカバー用吸音材(図1参照)により達成された。
【0009】吸音材は、繊維集合体で構成されることが
必要である。エンジンルームのように完全には密閉され
ていない空間で発生する音を遮音するのには、音圧レベ
ルを下げることが最も効果的であるといえる。具体的に
は、音源を静かにすることと、発生した音の音圧を間接
的に下げることである。本発明は、後者の場合であり、
吸音材によって音圧を低減させる構造である。
【0010】音圧を低減させるには、空気密度の粗密波
である音を繊維体との摩擦により、熱に変換させる必要
がある。従って、この性能を向上させるには、空気との
摩擦を大きくする必要があり、吸音材の表面積を上げる
ことが効果的である。この点から様々な種類がある吸音
材の中でも、単位重量辺りの表面積の大きな繊維集合体
が相応しないことになる。
【0011】吸音材を構成する繊維は、平均径が10〜
60μmの範囲にあることが必要である。吸音材の性能
は吸音材を構成する繊維集合体の平均繊維径に依存さ
れ、繊維径が細いほど吸音性能は高くなる。しかし、細
い繊維は一般的でなく、繊維自体の剛性も小さいため、
エンジンカバー用として設置するのは困難である。繊維
の剛性が小さいと吸音材の性能の一つとされる嵩高性を
付与することが難しく、更には繊維自体の結合力も小さ
いため、気流中で吸音材中から繊維が抜け易くなる。以
上説明したように、10μm未満の繊維を用いることは
できない。一方、繊維を太くすると吸音性能が低下する
ため、60μmを超える繊維を用いると吸音性能を満足
することができない。
【0012】吸音材を構成する繊維は、5cm以下の短
繊維でも、それ以上の長さを有する長繊維でも良い。吸
音性能は構成繊維の長さには依存しないため、吸音性能
を確保するのに繊維長を規定する必要性は殆どない。し
かし、吸音材の製造や吸音材自体の剛性等を考えると
き、繊維長によって吸音材の機械的強度が左右されるた
め、これらを指定する意味をもつ。繊維を吸音材に形成
するときには、繊維長が3〜10cmの範囲にあること
が重要であるが、特に限定しない。3cm未満の繊維長
の繊維は繊維長が短すぎるため、吸音材に成形すること
が困難である。また、一般の繊維吸音材の製造装置で
は、10cmを超える繊維を均一に分散させて成形する
ことは困難である。従って、一部の繊維体が吸音材中で
片寄った吸音材になる可能性が大きく、常に一定の性能
を確保することが難しくなる。
【0013】吸音材を構成する繊維集合体は、織布形態
でも不織布形態でも良い。吸音性能は、この繊維集合体
の形態に依存しないためである。しかし、嵩高性の確保
や吸音材の機械的強度の確保には、繊維集合体の形態が
強く依存するため、吸音材を設置する周りの環境を考慮
し、吸音材の形態を決定する必要がある。このとき嵩高
性を重視する場合には不織布形態が望ましく、機械的強
度を重視する場合には織布形態が望ましいが、特に限定
は行わない。
【0014】繊維集合体を構成する繊維は、規定された
直径の範囲内である限り、天然繊維でも合成繊維でも良
いが、特に繊維の太さや繊維の単位長さ、また繊維体の
分布等全てを規定することができ、常に同じものを作製
することができ、均一な密度分布の作製が可能な合成繊
維を使用することが好ましい。
【0015】本発明においては、繊維集合体を構成する
合成繊維としては、公知の合成繊維の中から適宜選択し
て使用することができ、例えばナイロン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、線状ポリエステル、ポリアミド等を好適に使用す
ることができる。
【0016】これらの合成繊維の中でも、特に吸音材の
リサイクルや同時一体成形性、形状を維持できる等のメ
リット等を鑑みると軟化点の異なる繊維の配合の可能な
ポリエステル系繊維やポリプロピレン繊維を使用するこ
とが好ましい。このポリエステル繊維は、溶融紡糸法で
製造された平均系10〜40μmの範囲のものが好まし
い。溶融紡糸法で製造されたポリエステル繊維は、最も
一般的であり経済的である。この工法では10μm未満
の繊維を製造するのが困難であり、繊維の表面積に依存
する吸音性能を確保するためには40μm以下であるこ
とが更に効果的である。
【0017】ポリプロピレン繊維は、超極細繊維を製造
することができ、その繊維の使用は、吸音性能を向上さ
せるために効果がある。この繊維の平均径は、1〜15
μmの範囲であることが好ましい。この工法では1μm
未満の繊維を製造するのが困難であり、経済的に製造す
るためには15μm以下であることが要求される。吸音
性能的にはメルトブローン法で製造したポリプロピレン
繊維が極細繊維を製造しやすいため有効であるが、逆に
太い繊維の製造が困難であるため、15μm以上になる
と性能や経済性で、溶融紡糸法で製造したポリエステル
繊維が有効となる。吸音材そのものの剛性が極細繊維で
は得られないため、ポリプロピレン繊維とポリエステル
繊維との2繊維を混合し、吸音性能と剛性を合わせもつ
吸音材としても良い。
【0018】この吸音材を構成する繊維の5〜50重量
%が、軟化点が160〜220℃の範囲にあることが好
ましい。これは吸音材に成形性を付与するために必要だ
からである。軟化点とは、周囲の繊維体はこの温度より
も高いところに軟化点、または融点があると言うことを
意味している。従って、その軟化点の差に応じて、一部
の繊維のみを軟化させる温度範囲で、その軟化する繊維
をバインダーとすることによって、繊維集合体に成形性
を付与させることができる。
【0019】エンジンカバー用に用いる吸音材は、エン
ジンの放射熱に耐えるため高い耐熱性が要求されるた
め、軟化点が160℃未満になると、信頼性の度合いが
小さくなる。逆に、220℃を超えると、他の配合され
ている繊維の融点に近くなるので、成形することが困難
になる。
【0020】繊維集合体には、吸音材に成形性を付与さ
せるために、軟化点が少なくとも20℃異なる繊維を配
合することが好ましい。このように軟化点が少なくとも
20℃異なる繊維を配合することによって、繊維集合体
としての形状を維持させながら、加熱しプレス成形して
製品を作製することが可能となる。
【0021】一方、軟化点の差が20℃より小さくなる
と、その軟化点の差に応じて一部の繊維のみを軟化させ
る温度範囲で、その軟化する繊維をバインダーとして繊
維集合体に形状を付与させることができなくなる。即
ち、繊維体全体が軟化し、融解することが考えられ不適
当である。
【0022】軟化点の低いこの繊維の配合量は、5〜5
0重量%の範囲であることが好ましい。配合量が5重量
%未満になると成形性を付与させるのが困難となり、5
0重量%を超えると吸音性能や遮音性能を達成すること
ができない。
【0023】また、ニードルパンチ等の工法を用いて一
体成形して繊維体を成形し繊維集合体にしたものも有効
である。この繊維集合体は、軟化点の等しい、一種類の
繊維のみで不織布を作製することが可能であり、比較的
高価な軟化点の異なる繊維を用いることなく吸音材を形
成することができる。
【0024】吸音材の面密度は100〜5000g/m
2 の範囲内であることが必要である。面密度が100g
/m2 未満になると、エンジンカバー用の吸音材として
の性能を確保することができない。逆に、5000g/
2 を超える領域では重量やそれに伴うコストが超過す
る割りには性能が向上せず効果的で無いばかりか、この
面密度の増加に伴い、吸音材自体の通気量が減少するた
め、吸音材で壁ができてしまい、エンジンカバー単体だ
けのものと効果が変わらなくなる。
【0025】吸音材の厚さは5〜50mmの範囲にある
ことが必要である。厚さが5mm未満では、吸音性能が
確保できず、逆に、50mmを超えると、エンジンカバ
ー用の吸音材としては厚すぎ、レイアウト的に成り立た
ない。
【0026】本発明においては、エンジンカバー用吸音
材のエンジン側表面の密度がそれ以外の吸音材の部分の
密度の少なくとも3〜100倍の密度差を有しており、
高密度層であるエンジン側表面の通気量が0.01〜1
cc/cm2 secの範囲であり、その他の吸音材の部
分の通気量が1〜100cc/cm2 secの範囲であ
ることが好ましい。
【0027】従って、密度の異なる層より形成される積
層吸音材であることが好ましい。積層体の各層は通気量
が異なる少なくとも2層から構成されていることが必要
である。ここで、通気量とは、1秒間に単位圧力下、単
位面積当たりを通過する空気の体積を表す物理量で、単
位として(cc/cm2 sec)を示す(JIS L1
004、L1018、L1096)。また、この通気量
は、密度(密度、面密度)に反比例し、高密度のものほ
ど通気量は小さくなる。
【0028】本発明の目的は、500Hz以下の低周波
領域を含めた全周波数域で高い吸音性能を有する吸音材
を得ることである。このためには積層体の高密度層と低
密度層との密度が5〜100倍異なることが必要であ
る。
【0029】密度が3倍未満の積層体では、目的の一つ
である500Hz以下に高い吸音性能を得ることができ
ない。逆に、100倍を超えると、低周波数域に設定は
できるものの、高密度層側では殆ど通気がなくなるた
め、音の減衰力が小さくなり、全体として吸音材として
の機能を発揮することができなくなる。しかし、密度差
が規定の範囲内であっても、基準の密度が高すぎたりす
ると目的は達成されないため、更に通気量の規定が必要
となってくる。従って、高密度層であるエンジン側表面
の通気量が0.01〜1cc/cm2 secの範囲にな
ることが必要性である。
【0030】エンジン側表面の通気量が0.01cc/
cm2 sec未満になると、目的の一つである500H
z以下に高い吸音性能を得ることができない。逆に、1
cc/cm2 secを超えると、低周波数域に設定はで
きるものの、高密度層側では殆ど通気がなくなるため、
音の減衰力が小さくなり、全体として吸音材としての機
能を発揮することができなくなる。
【0031】その他の吸音材の部分の通気量が1〜10
0cc/cm2 secの範囲である必要性も上述と同様
な理由による。即ち、通気量が1cc/cm2 sec未
満になると、目的の一つである500Hz以下に高い吸
音性能を得ることができず、100cc/cm2 sec
を超えると、密度が小さくなりすぎるために吸音材を成
形することが困難であり、更に吸音材としての剛性も小
さいため、実用性に欠ける問題を生ずる。
【0032】近接カバーと吸音材の高密度層が質量部を
形成し、この吸音材の高密度層以外の部分がバネ部を形
成する二重壁遮音構造体において、この吸音材の仕様に
より、低音域共鳴透過周波数が50〜300Hzの範囲
に設定できることが好ましい。この周波数チューニング
は吸音材を積層化することにより達成される。
【0033】次に、吸音周波数のチューニングについて
説明をする。この積層構造体は、高密度層を質量部、そ
の他の層である低密度層をばね部とした1自由度または
多自由度のマス−ばね系を形成している。例えば、高密
度層と低密度層との2層から形成される積層構造体(図
2参照)は、高密度層を一つの重量部と見立てた1自由
度マス−ばね系を形成し、音のエネルギーを減衰させて
いる。4層構造体(図4参照)では、2つの高密度層が
重量部となる2自由度のマス−ばね系となり、それ以上
の多層構造体では、高密度層の数の自由度のマス−ばね
系となり、音のエネルギーを減衰させる。
【0034】1自由度のマス−ばね系の固有角振動数
(共振振動周波数)ωは、低密度層のばね定数および高
密度層の質量により、下式(1)から決定される。従っ
て、基本的には、この積層構造体で構成される振動系の
固有角振動数のうち低周波数のものを1〜500Hzの
範囲となるように、各パラメータを設定することが必要
となる。2層構造のエンジンカバー用吸音材のマス−ば
ねモデルを図3に示す。
【0035】
【数1】 ml:高密度層1の質量 kl:低密度層1のばね定数
【0036】2自由度のマス−ばね系の固有角振動数
(共振振動周波数)ω1 、ω2 は、低密度層のばね定数
や高密度層の質量により、下式(2)から決定される。
従って、基本的には、この積層構造体で構成される振動
系の固有角振動数のうち低周波数のものを1〜500H
zの範囲となるように、各パラメータを設定することが
必要となる。4層構造のエンジンカバー用吸音材のマス
−ばねモデルを図5に示す。
【0037】
【数2】 a=(k1+k2)/ml、b=k2/ml、c=k2
/m2 ω1,2 :固有角振動数 ml:高密度層1の質量 m2:高密度層2の質量 k1:低密度層1のばね定数 k2:低密度層2のばね定数
【0038】しかし、積層吸音材は、完全な1自由度、
2自由度、または多自由度型マス−ばね減衰系ではない
ため上式では完全に説明ができない。また、完全な2自
由度型マス−ばね減衰系では、1つ、2つまたは多数の
固有角振動数でのみ吸音性能を持つため、実際には使用
に適さない場合が多い。従って、この特異な吸音性能を
低下させずに、しかも広い周波数領域で吸音させるため
には本発明の構成が必須なのである。上式では本発明の
性能を正確に表現することはできないが、本式を参考に
性能のチューニングは可能である。以上により、低周波
域の吸音性能をチューニングするために上式を参考にし
て以下の規定を行なう。
【0039】吸音材の積層数は、音の入射する側に高密
度層が位置する低密度層と高密度層とを交互に重ねた4
層構造が適している。それ以上の任意の組み合わせの多
層体でも本発明の目的を達成することができるので、特
に限定しない。しかし、実際には4層以上の積層体は、
吸音材としての性能が4層品と大きく変わらないため、
積層をするコスト等を考えると効率の良い吸音材とは言
えない。
【0040】更に、低周波数に吸音性能を設定し、且つ
高い吸音性能を得るためには、音の入射する側に高密度
層が位置する、低密度層と高密度層とを交互に重ねた4
層構造の積層構造体であり、低密度層が0.001〜
0.01g/cm3 の範囲で、表面に位置する低密度層
の厚みが高密度層の中間に位置する低密度層の厚みの2
〜5倍であると良い。
【0041】低密度層は、基本的に大きいタイプが相応
しいため、密度は小さいほうが好ましい。しかし、低密
度の繊維集合体で且つ形状を維持するものを得るのは困
難であるため、密度が0.001g/cm3 未満のもの
を製造することは難しい。一方、0.01g/cm3
超える低密度層を構成すると、高密度層の密度が非常に
高くなるため、通気がほぼ止まってしまい吸音材として
の効率が小さくなる。
【0042】特に、250Hz以下の低周波数に吸音性
能を設定したい場合には、4層構造吸音材で、表面に位
置する低密度層の厚さを、高密度層の間に位置する低密
度層の厚さの2〜5倍にすることが好ましい。このとき
音の侵入面を高密度層側にする必要がある。低密度層の
厚さが2倍未満になると、効果的に設定周波数を下げる
ことができない。一方、5倍を超えると、設定周波数を
下げることはできるが、積層体の厚さが厚くなるため好
ましくない。
【0043】固有角振動数を低周波数(200Hz程
度)に設定するためには、高密度層の質量(面密度)を
増加させればよい。しかし、スペースの関係から厚さを
増すことはできず、逆に薄くしすぎると通気がなくなる
ので、面密度0.4〜2kg/m2 の範囲で、厚さ1〜
6mmの範囲に成形することが好ましい。面密度1.2
kg/m2 、厚さ3mmが更に適しているが、特に限定
は行なわない。
【0044】固有角振動数の低い周波数のものを、より
低周波数に設定するためには、音の侵入しない面の低密
度層のばね定数を小さくすることが効果的である。従っ
て、スペースとの関係から、同じ面密度の低密度層なら
ば、厚さを2〜3倍に成形することが好ましい。高密度
層に挟まれた低密度層に面密度0.4kg/m2 、厚さ
10mm、他の低密度層に面密度1.2kg/m2 、厚
さ30mmの材料を用いることが適しているが、特に限
定は行なわない。
【0045】吸音材の吸音性能のチューニングと併せ
て、吸音材のエンジン側表面に高密度層を配置させるこ
とにより、エンジンカバー部と吸音材の高密度層とが2
重壁遮音構造を形成させることが可能となり、高い遮音
性能を付与することができる。このような遮音構造体と
することにより、質量則で決定される遮音性能におい
て、共振点以上の周波数領域では、同重量下の遮音性能
を向上させることができる。この共振点は、前述の固有
角振動数と同じであると考えて良い。従って、遮音領域
を低周波側に設定するためには、前述のように吸音材を
設定することが好ましい。
【0046】吸音材から繊維の抜けを防止するため、ま
たは吸音材を保護するために、吸音材のエンジン側面ま
たは吸音材を覆う形で、平均繊維長1〜100cm、平
均径1〜30μm、面密度20〜200g/m2 の範囲
にある合成繊維からなる不織布の表皮を設置することが
好ましい。構成される繊維は、10cm以下の短繊維で
も、長繊維でも良い。
【0047】これらの繊維は、布状の不織布または織布
に成形されるが、不織布の場合にはニードルパンチ製
法、または布の一部を熱融着させて成形する製法は、布
の剛性を向上させることができ、通気性も確保すること
ができるため、有効である。また、構成繊維に10cm
以上の長繊維だけを用いることは、更に布の剛性を向上
させることができるため特に有効であるが、特に限定は
行わない。さらに、この表皮材に撥水や撥油処理を施す
ことも可能であり、エンジン近傍で吸音材の保護をする
のに非常に効果的であるが、特に限定は行わない。
【0048】本発明のエンジンカバー用吸音材は、車両
のエンジンに用いることが特に有効である。このエンジ
ンカバー用吸音材は、コンパクトな構成で、エンジンよ
り発生する騒音を、低周波数域のみならず中周波数域や
高周波数域でも高い吸音性能が得られ、非常に効果的な
騒音の低減を行うことができる。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明のエンジンカバー用吸音材
を車両用エンジン近傍に設置した結果、低周波領域のみ
ならず中周波数域や高周波数域においても高い消音特性
を有するエンジンカバー構造となることを確認すること
ができた。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0051】実施例1 ポリプロピレン製の板1mmに、高密度層(a)と低密
度層(b)とを有する2層の積層構造体の吸音材で、高
密度層(a)はメルトブロー法で製造したポリプロピレ
ン繊維(構成繊維径3〜5μm)からなる不織布で、面
密度0.8kg/m2 のものを、加熱成形圧縮し、厚さ
2mm、通気量0.5cc/cm2 sec、密度0.4
g/cm3 にし、低密度層(b)はメルトブロー法で製
造したポリプロピレン繊維(構造繊維径3〜5μm)か
らなる不織布で、面密度0.4kg/m2 、厚さ20m
m、通気量3.5cc/cm2 secおよび密度0.0
2g/cm3 にしたものを用い、音の侵入する面に高密
度層(a)および板側に低密度層(b)が設置されるよ
うに積層し、密度差20倍、総厚22mm、設定周波数
390Hzおよび総合の面密度1.2kg/m2 のエン
ジンカバー用吸音材(1)を作製した。
【0052】実施例2 高密度層(a)を厚さ6mm、通気量0.8cc/cm
2 sec、密度0.13g/cm3 にした他は、実施例
1と全く同様にして、総厚26mm、設定周波数420
Hz、密度差を6.7倍のエンジンカバー用吸音材
(2)を作製した。
【0053】実施例3 高密度層(a)を厚さ10mm、通気量1.0cc/c
2 sec、密度0.08g/cm3 にした他は、実施
例1と全く同様にして、総厚30mm、設定周波数45
0Hz、密度差4.0倍のエンジンカバー用吸音材
(3)を作製した。
【0054】実施例4 高密度層(a)を面密度2.4kg/m2 、通気量0.
22cc/cm2 sec、密度1.2g/cm3 にした
他は、実施例1と全く同様にして、総厚22mm、設定
周波数200Hz、総合の面密度2.8kg/m2 、密
度差60倍のエンジンカバー用吸音材(4)を作製し
た。
【0055】実施例5 高密度層(a)を面密度2.4kg/m2 、厚さ6m
m、通気量0.25cc/cm2 sec、密度0.4g
/cm3 にした他は、実施例1と全く同様にして、総厚
26mm、設定周波数285Hz、総合の面密度2.8
kg/m2 、密度差を20倍のエンジンカバー用吸音材
(5)を作製した。
【0056】実施例6 高密度層(a)を面密度2.4kg/m2 、厚さ10m
m、通気量0.32cc/cm2 sec、密度0.24
g/cm3 にした他は、実施例1と全く同様にして、総
厚30mm、設定周波数290Hz、総合の面密度2.
8kg/m2 、密度差12倍のエンジンカバー用吸音材
(6)を作製した。
【0057】実施例7 高密度層(a)を面密度4kg/m2 、厚さ6mm、通
気量0.33cc/cm2 sec、密度0.67g/c
3 にした他は、実施例1と全く同様にして、総厚26
mm、設定周波数250Hz、総合の面密度4.4kg
/m2 、密度差33.3倍のエンジンカバー用吸音材
(7)を作製した。
【0058】実施例8 高密度層(a)を面密度4kg/m2 、厚さ10mm、
通気量0.21cc/cm2 sec、密度0.40g/
cm3 にした他は、実施例1と全く同様にして、総厚3
0mm、設定周波数260Hz、総合の面密度4.4k
g/m2 、密度差20倍のエンジンカバー用吸音材
(8)を作製した。
【0059】実施例9 高密度層(a)を面密度2.4kg/m2 、厚さ6m
m、通気量0.25cc/cm2 secを用い、低密度
層(b)を面密度0.2kg/m2 、厚さ10mm、通
気量1.8cc/cm2 secを用いた他は、実施例1
と全く同様にして、総厚16mm、設定周波数400H
z、総合の面密度2.6kg/m2 、密度差20倍のエ
ンジンカバー用吸音材(9)を作製した。
【0060】実施例10 高密度層(a)を面密度2.4kg/m2 、厚さ6m
m、通気量0.25cc/cm2 secを用い、低密度
層(b)を面密度0.8kg/m2 、厚さ40mm、通
気量6.9cc/cm2 secを用いた他は、実施例1
と全く同様にして、総厚46mm、設定周波数250H
z、総合の面密度3.2kg/m2 、密度差20倍のエ
ンジンカバー用吸音材(10)を作製した。
【0061】実施例11 ポリプロピレン製の板1mmに、高密度層(a)と低密
度層(b)とを有する2層の積層構造体で、高密度層
(a)は溶融紡糸法で製造したポリエステル繊維(構成
繊維径10〜30μm)からなる不織布で、面密度2.
4kg/m2 のものを、加熱成形圧縮し、厚さ6mm、
通気量0.75cc/cm2 sec、密度0.4g/c
3 にし、低密度層(b)は溶融紡糸法で製造したポリ
エステル繊維(構造繊維径10〜30μm)からなる不
織布で、面密度1.0kg/m2 、厚さ30mm、通気
量50cc/cm2 sec、密度0.03g/cm3
ものを用い、音の侵入する面を(a)、板側に(b)が
設置されるように積層し、密度差12倍、設定周波数4
70Hz、総合の面密度3.4kg/m2 、総厚36m
mのエンジンカバー用吸音材(11)を作製した。
【0062】実施例12 低密度層(b)をメルトブロー法で製造したポリプロピ
レン繊維(構造繊維径3〜5μm)からなる不織布で、
面密度0.4kg/m2 、厚さ20mm、通気量3.5
cc/cm2 sec、密度0.02g/cm3 を用いた
他は、実施例11と全く同様にして、設定周波数420
Hz、総合の面密度2.8kg/m2 、総厚26mmの
エンジンカバー用吸音材(12)を作製した。
【0063】実施例13 高密度層(a)を溶融紡糸法で製造したナイロン繊維
(構成繊維径20〜40μm)からなる不織布で、面密
度2.4kg/m2 のものを、加熱成形圧縮した厚さ6
mm、通気量0.9cc/cm2 sec、密度0.4g
/cm3 のものを用いた他は、実施例12と全く同様に
して、設定周波数450Hz、総合の面密度2.8kg
/m2 、総厚26mmのエンジンカバー用吸音材(1
3)を作製した。
【0064】実施例14 実施例4で作成したエンジンカバー用吸音材(4)に背
後空気層20mmを形成し、設定周波数280Hz、総
厚44mmのエンジンカバー用吸音材(14)を作製し
た。
【0065】実施例15 実施例14で作成したエンジンカバー用吸音材(14)
エンジン側表面に平均繊維長20cm、平均繊維径約2
0μmのPET繊維からなる面密度210g/cm2
不織布からなる表皮を設置し、設定周波数280Hz、
総合の面密度2.8kg/m2 、総厚44mmのエンジ
ンカバー用吸音材(15)を作製した。
【0066】実施例16 ポリプロピレン製の板1mmに、音の侵入する面から順
に高密度層(a)、低密度層(b)、高密度層(c)、
低密度層(d)を有する4層の積層構造体で、高密度層
(a)はメルトブロー法で製造したポリプロピレン繊維
(構成繊維径3〜5μm)からなる不織布で、面密度
0.4kg/m2 のものを、加熱成形圧縮し、厚さ1m
m、通気量0.5cc/cm2 sec、密度0.4g/
cm3 にし、低密度層(b)はメルトブロー法で製造し
たポリプロピレン繊維(構成繊維径3〜5μm)からな
る不織布で、面密度0.4kg/m2 、厚さ10mm、
通気量8cc/cm2 sec、密度0.04g/cm3
のものを用い、高密度層(c)はメルトブロー法で製造
したポリプロピレン繊維(構成繊維径1〜5μm)から
なる不織布で、面密度1.2kg/m2 のものを、加熱
成形圧縮し、厚さ3mm、通気量0.25cc/cm2
sec、密度0.4g/cm3 にし、低密度層(d)は
メルトブロー法で製造したポリプロピレン繊維(構成繊
維径3〜5μm)からなる不織布で、面密度0.4kg
/m2 、厚さ10mm、通気量8cc/cm2 sec、
密度0.04g/cm3 のものを用いて積層し、総厚2
4mm、設定周波数320Hz、総合の面密度2.4k
g/m2 、平均密度差10倍のエンジンカバー用吸音材
(16)を作製した。
【0067】実施例17 高密度層(a)を面密度1.2kg/m2 、厚さ3m
m、通気量0.25cc/cm2 secにし、低密度層
(b)を通気量7cc/cm2 secにし、低密度層
(d)を通気量7cc/cm2 secにした他は、実施
例16と全く同様にして、総厚26mm、設定周波数2
50Hz、総合の面密度3.2kg/m2 、平均密度差
10倍のエンジンカバー用吸音材(17)を作製した。
【0068】比較例1 ポリプロピレン製の板1mmに、高密度層(a)と低密
度層(b)とを有する2層の積層構造体で、高密度層
(a)はメルトブロー法で製造したポリプロピレン繊維
(構成繊維径3〜5μm)からなる不織布で、面密度4
kg/m2 のものを、加熱成形圧縮し、厚さ10mm、
通気量0.21cc/cm2 sec、密度0.4g/c
3 にし、低密度層(b)はメルトブロー法で製造した
ポリプロピレン繊維(構成繊維径3〜5μm)からなる
不織布で、面密度2.0kg/m2、厚さ10mm、通
気量0.3cc/cm2 sec、密度0.2g/cm3
のものを用い、音の侵入する面を高密度層(a)となる
ように積層し、総厚20mm、設定周波数800Hz、
総合の面密度6.0kg/m2 、密度差1.3倍のエン
ジンカバー用吸音材を作製した。
【0069】比較例2 高密度層(a)を厚さ0.5mm、密度8.0g/cm
3 にした他は、比較例1と全く同様にして、総厚11m
m、密度差400倍、設定周波数220Hz、総合の面
密度4.2kg/m2 のエンジンカバー用吸音材を作製
した。
【0070】比較例3 高密度層(a)を面密度2kg/m2 、厚さ10mm、
通気量3.5cc/cm2 sec、密度0.2g/cm
3 にし、低密度層(b)を面密度0.2kg/m2 、厚
さ20mm、通気量50cc/cm2 sec、密度0.
01g/cm3にした他は、実施例11と全く同様にし
て、総厚30mm、密度差20倍、設定周波数1000
Hz、総合の面密度2.2kg/m2 のエンジンカバー
用吸音材を作製した。
【0071】比較例4 高密度層(a)を面密度4Kg/m2 、厚さ10mm、
通気量0.25cc/cm2 sec、密度0.4g/c
3 にし、低密度層(b)を面密度0.2kg/m2
通気量1cc/cm2 sec、密度0.02g/cm3
にし、低密度層(d)を厚さ8mm、通気量5cc/c
2 sec、密度0.05g/cm3 にした他は、実施
例16と全く同様にして、総厚32mm、密度差20
倍、設定周波数800Hz、総合の面密度5.8kg/
2 のエンジンカバー用吸音材を作製した。
【0072】従来例1 開繊された天然繊維および合成繊維より構成された面密
度1.0kg/m2 、厚さ30mm、通気量40cc/
cm2 sec、密度0.03g/cm3 のフェルトでエ
ンジンカバー用を作製した。
【0073】従来例2 面密度0.8kg/m2 、厚さ20mm、通気量15c
c/cm2 sec、密度0.04g/cm3 のフェルト
でエンジンカバー用吸音材を作製した。
【0074】従来例3 ポリプロピレン製の板1mmだけでエンジンカバーを作
製した。
【0075】参考例1 実施例1のエンジンカバー用吸音材を車両のエンジンを
近傍に設置し、エンジンをかけて各周波数毎の音圧レベ
ルを測定したところ、音響加振の結果とほぼ同等の吸音
効果があることを確認することができた。
【0076】参考例2 実施例1、実施例9、実施例16のエンジンカバー用吸
音材を車両のエンジン近傍に設置し、エンジンをかけて
各周波数毎の音圧レベルを測定したところ、吸音材の抜
けもなく、音響加振の結果とほぼ同等の吸音効果がある
ことを確認することができた。
【0077】試験例 実施例、従来例及び比較例において得られたエンジンカ
バー用吸音材について、以下の実験を実施した。
【0078】試験例1 上記の各実施例および比較例の方法によって得られたエ
ンジンカバー用吸音材を、半無響音室に設置した4気筒
エンジンの近傍に取り付けた。このシステムについて、
実際にエンジンのファイアリング実験を行い、エンジン
の前後左右の4方向1mと、エンジン上方1mの部位で
音圧レベルを測定し、4位置を平均し、ポリプロピレン
製の板1mmだけのときの音圧レベルとの差を周波数毎
にdB表示した。このとき500Hz以下を低周波数、
500〜1kHzを中周波数、及び1kHz以上を高周
波数とし、平均値を表1に記した。これらの試験結果を
表1〜表3に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】表1〜表3の実施例で作製した各種エンジ
ンカバー用吸音材は、従来例に比べ、低周波数(500
Hz以下)、中周波数(500〜kHz)、および高周
波数(1kHz)の領域において、優れた吸音特性を示
し、場所を取らず、取り付け性に優れるエンジンカバー
用吸音材であることを確認することができた。また、本
発明の規定範囲より外れる仕様で作製した比較例は、特
に必要とされる低周波数領域や中周波数領域の吸音性能
(判断基準として、この領域で10dBの消音性能がな
いものは不可とした。)、更にスペース的(実際の車両
のエンジンルーム内スペースに納まらないものは不可と
した。)に満足できないことを確認することができた。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
カバー用吸音材は、主として車両のエンジンの放射騒音
の低減に効果がある。これはスペースの限られた場合で
低周波領域の吸音性能を向上させる構造体として非常に
効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンカバー用吸音材の模式図である。
【図2】2層構造のエンジンカバー用吸音材の模式図で
ある。
【図3】2層構造のエンジンカバー用吸音材のマス−ば
ねモデルである。
【図4】4層構造のエンジンカバー用吸音材の模式図で
ある。
【図5】4層構造のエンジンカバー用吸音材のマス−ば
ねモデルである。
【符号の説明】
1 エンジンカバー 2 エンジンカバー用吸音材 3 エンジンカバー 4 2層構造エンジンカバー用吸音材の低密度層 5 2層構造エンジンカバー用吸音材の高密度層 6 マス1 7 バネ1 8 マス2 9 エンジンカバー 10 4層構造エンジンカバー用吸音材の低密度層2 11 4層構造エンジンカバー用吸音材の高密度層2 12 4層構造エンジンカバー用吸音材の低密度層1 13 4層構造エンジンカバー用吸音材の高密度層1 14 マス1 15 バネ1 16 マス2 17 バネ2 18 マス3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジン音の遮音を目的とする近
    接カバーのエンジン側壁面に設置する吸音材において、
    該吸音材が材質を問わない平均径10〜60μmの範囲
    にある短繊維および/または長繊維で構成され、前記吸
    音材の厚さが5〜50mmの範囲にあり、前記吸音材の
    面密度が100〜5000g/m2 の範囲にあることを
    特徴とするエンジンカバー用吸音材。
  2. 【請求項2】 吸音材のエンジン側表面の密度がそれ以
    外の吸音材の部分の密度の少なくとも3〜100倍の密
    度差を有しており、高密度層であるエンジン側表面の通
    気量が0.01〜1cc/cm2 secの範囲にあり、
    かつその他の吸音材の部分の通気量が1〜100cc/
    cm2 secの範囲にあることを特徴とする請求項1記
    載のエンジンカバー用吸音材。
  3. 【請求項3】 接近カバーと吸音材の高密度層とが質量
    部を形成し、該吸音材の高密度層以外の部分がバネ部を
    形成させた二重壁遮音構造体において、前記吸音材の仕
    様により、低音域共鳴透過周波数が50〜300Hzの
    範囲に設定できることを特徴とする請求項2記載のエン
    ジンカバー用吸音材。
  4. 【請求項4】 吸音材を構成する繊維の5〜50重量%
    が軟化点が160〜220℃の範囲にあることを特徴と
    する請求項1乃至3項記載のエンジンカバー用吸音材。
  5. 【請求項5】 吸音材のエンジン側表面または全面に、
    繊維長が1〜100cmの範囲にあり、かつ平均径が1
    〜30μmの範囲にある合成繊維からなる面密度が20
    〜200g/m2 の範囲にある不織布からなる表皮を有
    することを特徴とする請求項1乃至4項記載のエンジン
    カバー用吸音材。
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