JPH092585A - 液体定量充填の制御方法 - Google Patents

液体定量充填の制御方法

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JPH092585A
JPH092585A JP15933495A JP15933495A JPH092585A JP H092585 A JPH092585 A JP H092585A JP 15933495 A JP15933495 A JP 15933495A JP 15933495 A JP15933495 A JP 15933495A JP H092585 A JPH092585 A JP H092585A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体の物性や充填環境の変化に影響されるこ
となく、常に一定量の液体を過不足なく正確に充填する
ことができる液体定量充填方法を提供する。 【構成】 本液体定流量充填の制御方法は、容器30へ
の液体Lの充填量を流量計23と充填バルブ22により
制御する方法で、予め、液体Lの流量Qとその流量Qに
おける充填バルブ22の閉鎖動作中にこの充填バルブ2
2から流出する液量(落差量m)との関係を求め、流量
計23により充填時の流量Qをリアルタイムで測定し、
上記関係に基づいて充填バルブ22の閉鎖動作中に流出
する落差量mを予測し、容器30の充填量が目標値に達
する前に予測落差量mを見込んで充填バルブ22を閉鎖
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シャンプー、リンス等
の液体を容器に充填する場合に用いられる液体定量充填
の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】容器内に一定量の液体を繰り返し充填す
る、従来の液体充填方法としては、例えば、升計量充填
方式(ピストン式)、重量計量方式(ウエイトフィラー
方式)及び流量計による計量充填方式などが知られてい
る。特に、上述した従来の液体充填方法のうち、計量充
填方式については、例えば、特開昭56−151695
号公報、特開平2−191193号公報や特開平4−1
8207号公報等において種々の計量充填方法が提案さ
れている。
【0003】特開昭56−151695号公報に記載さ
れた液体定流量充填方法は、充填する際には、まず図6
の(a)で示すように、充填バルブを全開して大流量で
液体の充填を行い、規定入目量に近づいた時に充填バル
ブを半開にして、小流量で液体の充填を行い定量充填さ
せる方法である。
【0004】また、特開平2−191193号公報に記
載された充填方法は、充填バルブの閉鎖中に流出する液
体量を予測し、流量計の流量が定量に達する前に充填バ
ルブの閉鎖信号を出力する方法である。そして、閉鎖中
の流出液体量を予測する方法としては、前後の充填時の
液体流出量の差に基づいてその次に充填する液体の流出
量を演算処理により求め、その予測値を次の充填時に使
うようにしている。従って、この充填方法はフィードバ
ック制御による充填方法である。
【0005】また、特開平4−18207号公報に記載
の定量充填の制御方法は、質量流量に対応する最適な充
填回数を実行できる特定定数を求め、この特定定数に従
って質量流量に応じて充填回数を制御する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
56−151695号公報に記載された液体定流量充填
方法の場合には、充填量が目標値に近づいた時点で充填
バルブを全開から半開にし、充填バルブの閉鎖動作中で
の液体の流出量を軽減するようにしてあるが、図6の
(b)に示すように充填バルブの半開状態から完全に閉
鎖されるまでに依然として液体が流出し、その流出液量
(同図の斜線部分)が過剰充填になり、この過剰充填量
はバラツキを生じるなどして制御できないという課題が
あった。この充填過剰分を軽減するために小流量を小さ
くすればするほど充填時間がそれだけ長くなるという課
題があった。
【0007】また、特開平2−191193号公報に記
載されたフィードバック制御による充填方法は、充填タ
ンク、流量計、充填バルブなど一系列として構成された
充填装置の場合には有効である。しかしながら、1台の
充填タンクに対して流量計、充填バルブをn系列設けた
充填装置の場合には、1台目の流量計、充填バルブによ
る充填を終え、再度その系列の流量計などを用いて充填
するまでに(n−1)の系列についての充填後に充填す
るため、その間に液体の物性や充填環境が変わり、例え
ば液体の粘度低下や圧力変動などの急激な変化などがあ
れば、当初の予測値が役立たなくなる虞があり、正確な
充填を行うことができなくなるという課題があった。
【0008】また、特開平4−18207号公報に記載
の定量充填の制御方法の場合には、質量流量に応じて充
填回数を制御するようにしてあるため、流動液の物性変
化などにより充填回数等の機械的能力が一義的に決まっ
てしまい、高速充填を行うことができないという課題が
あった。
【0009】従って、本発明の目的は、液体の物性や充
填環境等の外乱変化に影響されることなく、常に一定量
の液体を過不足なく正確且つ高速に充填することができ
る液体定量充填の制御方法を提供することにある。
【0010】本発明者らは、従来の液体充填方法の場合
における、充填バルブの閉鎖動作中の過剰充填量のバラ
ツキについて種々検討した結果、図6の(b)に示すよ
うに小流量から充填バルブを閉じる際に、全閉指令信号
を送信してからバルブが閉じるまでの応答時間内に液体
が充填バルブから流出し、この応答時間内に流出する液
量は液体の物性変化や外乱により変化し、物理的に制御
することが難しいということが判った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記知見に基づ
いてなされたもので、充填バルブを特定の開閉動作で液
体を充填する液体流量充填方法を提供するものである。
即ち、本発明は、容器への液体の充填量を流量計と充填
バルブにより制御する液体定量充填の制御方法におい
て、予め、液体の流量とその流量における上記充填バル
ブの閉鎖動作中に上記充填バルブから流出する液量との
関係を求め、上記流量計により充填時の流量をリアルタ
イムで測定し、上記関係に基づいて充填バルブの閉鎖動
作中に流出する液量を予測し、容器の充填量が目標値に
達する前に上記予測液量を見込んで上記充填バルブを閉
鎖することを特徴とする液体定量充填の制御方法を提供
することにより上記の目的を達成したものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、流量計で液体の流量を測定し
ながら充填バルブを介して容器内へ液体を充填する際
に、予め、液体の流量とその流量における充填バルブの
閉鎖動作中に充填バルブから流出する液量との関係を求
めた後、流量計により液体の流量をリアルタイムで測定
しながら充填バルブから容器内へ液体を充填し、充填量
が目標充填量に近づいた時点で、そのリアルタイム流量
における充填バルブの閉鎖動作中に流出する液量を上記
関係に基づいて予測し、その予測液量を見込んで充填バ
ルブを閉鎖すると、充填バルブの閉鎖時には容器内に液
体を過不足なく正確に充填することができる。
【0013】
【実施例】以下、図1〜図5に示す実施例に基づいて本
発明を説明する。尚、各図中、図1は本発明の液体定量
充填の制御方法の一実施例方法の流れを説明するための
説明図、図2は本実施例方法により液体を充填する際の
充填時間と充填量との関係を示すグラフ、図3の
(a)、(b)、(c)は本実施例方法の原理を説明す
るための説明図、図4は本実施例方法に用いられた液体
充填装置の一例を示す構成図、図5は図4に示す液体充
填装置の充填バルブを拡大して示す断面図である。
【0014】本発明の液体定量充填の制御方法について
説明する前に、本発明の液体定量充填の制御方法に用い
られる液体充填装置の一例について図4、図5を参照し
ながら説明する。本液体充填装置は、図4に示すよう
に、シャンプー、リンス等の充填用の液体を貯留するタ
ンク1と、このタンク10の回りにn系列配設された充
填機構20とを備えて構成されている。尚、図4では充
填機構20を一系列のみ図示し、他については省略して
ある。この充填機構20は、同図に示すように、配管2
1を介してタンク10に接続されたエア駆動の充填バル
ブ22と、この充填バルブ22とタンク10を接続する
配管21に取り付けられた流量計23と、この流量計2
3からの信号に基づいて充填バルブ22を駆動制御する
制御装置24とを備え、上記制御装置24に予め登録さ
れたプログラムのシーケンスに従って充填バルブ22が
開閉し、容器30内へ液体を充填するようにしてある。
【0015】上記流量計23は、後述のように、配管2
1を流れる液体の流量をパルス数として変換し、単位時
間のパルス数でその時々の流量を表すようにしてある。
そして、流量計23は流量に即したパルス信号を制御装
置24へ送信すると、制御装置24ではその時々の流量
を流量計23からのパルス数を計数してリアルタイムで
求めるようにしてある。尚、図4において40は空気配
管で、この空気配管40を介してタンク10内を一定の
圧力に保持するようにしてある。
【0016】また、上記充填バルブ22は、図5に示す
ように、エア駆動であるピストン22A及びピストン2
2Cと、該ピストン22C下端に取り付けられたバルブ
22Dとを備えており、上記制御装置24に予め登録さ
れたプログラムのシーケンスに従って駆動する電磁弁2
2Eにより、該ピストン22A,22Cを上下動させる
ようになしてある。そして、ピストン22A,22Cは
ケーシング22B内に収納され、ピストン22Aの下端
部がケーシング22Bの下端に取り付けられたノズル2
2F内に収納されており、ピストン22A,22Cの上
下動によりバルブ22Dでノズル22Fの流出口22G
を開閉するようになしてある。
【0017】次に、上記液体充填装置を用いた本実施例
の液体定量充填の制御方法の原理について図1〜図3を
参照しながら説明する。尚、本実施例方法は、タンク1
0の周囲にn系列の各充填機構20についても同様に液
体を充填することができる。
【0018】本実施例方法の場合には、予め、液体の流
量Q(g/秒)とその流量Qにおける充填バルブ22の
閉鎖動作中にこの充填バルブ22から流出する液量との
関係を求め、流量計22により充填時の流量をリアルタ
イムで測定し、上記関係に基づいて充填バルブ22の閉
鎖動作中に流出する液量を予測し、容器30の充填量が
目標値に達する前に上記予測液量を見込んで充填バルブ
22を閉鎖するようにする。尚、以下の説明では、充填
バルブ22の閉鎖動作中に充填バルブ22から流出する
液量を、「落差量」として定義して説明する。
【0019】そこで、この方法を実施する場合には、図
1に示すように、流量計23を用いて流量計23内での
液体Lの流量Q’(パルス/秒)をリアルタイムで測定
し、その測定流量Q’は上述のように制御装置24にお
いて計数して求める。リアルタイムで測定する流量とし
ては、例えば図2で示すように、時間t0から液体Lを充
填し始め、流量が最も安定している時間帯、即ち充填時
間t1からt2に至る間で測定した流量Q’を利用する。こ
のリアルタイム流量Q’はパルス数で表しているが、こ
れを質量表示すると、質量流量Q(g/秒)=Q’(パ
ルス/秒)×M(g/パルス)となる。
【0020】次に、この質量流量Qと該質量流量Qにお
ける充填バルブ22からの落差量m(g)との関係を求
める。それには、種々の質量流量Qとその時々の落差量
mを実測して例えば図3の(b)で示すような関係を得
る。そして、この関係を数式化すると(1)式のように
なる。この式を制御装置24に予め登録しておき、流量
計23により充填バルブ22を閉鎖する時の質量流量Q
をリアルタイムで測定すれば、その時の落差量mを制御
装置24において算出することができる。勿論、流量計
23で測定するパルス流量Q’は制御装置24において
質量流量Qに変換するようにしてある。尚、(1)式に
おいて、kは液体Lの種類によって決まる定数である。 m=kQ・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0021】このように充填バルブ22の落差量mが判
れば、その落差量mを見込んでその落差量mを差し引い
た時点で充填バルブ22を閉鎖するようにすれば良いこ
とになる。ここで、目標充填量におけるパルス数をP
(パルス)とし、落差量mを差し引いた充填量のパルス
数をB(パルス)とすれば、落差量mは(2)式で表さ
れる。 m=(P−B)M・・・・・・(2)
【0022】(1)式及び(2)式から充填バルブ22
を閉鎖するタイミングでの充填量を(3)式として得る
ことができる。(3)式において、Aは単位時間(秒)
当たりのパルス数である。 B=P−kQ/M =P−kA・・・・・・・・・・(3) (3)式におけるPは図3の(a)で示す実測値から既
知であり、kは図3の(b)に示す関係から求めること
ができ、Aは図3の(c)で示す関係から求めることが
できることから、上述の各関係から充填バルブ22を閉
鎖するタイミングBは制御装置24において自動的に算
出して予測することができる。尚、図3の(c)におい
て、グラフは同図の(a)と同一のグラフであり、グ
ラフは液体Lの流量を表わすグラフである。
【0023】従って、充填時間t1と時間t2の間の流量が
安定した段階でその時の流量をリアルタイムで測定し、
この流量に基づいて上述の各関係から落差量mを予測す
ることができる。そして、容器30の充填量が目標値に
達する前、即ち、目標充填量から予測落差量mを差し引
いたB(パルス)に達した時点で制御装置24から全閉
指令信号を充填バルブ開閉電磁弁22Eに送信すれば、
充填バルブ22はその瞬間からピストン22C即ちバル
ブ22Dを下降させて閉鎖動作に入る。充填バルブ22
が信号を受信してからバルブ22Dが全閉するまでの応
答時間内に液体Lが流出するが、この流出量は予測した
落差量mであることから、容器30内には目標充填量に
対して過不足なく正確に液体Lを充填することができ
る。
【0024】次に、本実施例の液体定量充填の制御方法
を用いた液体の充填動作ついて説明する。まず、タンク
10の液体Lが配管21、充填バルブ22を介して容器
30内へ供給される。すると、流量計23により配管2
1内の液体Lの流量を測定し始め、その測定流量に即し
たパルス信号S2を制御装置24へ送信する。そして、流
量計23は液体Lを充填している間、その時々のパルス
信号S2を制御装置24へ送信し続ける。そして、充填時
間t1と時間t2の間の流量が安定した段階でその時の流量
Q’をリアルタイムで測定し、制御装置24へパルス信
号S2を送信し、制御装置24ではこの流量Q’(Q)に
基づいて上述の各関係から落差量mを予測し、充填バル
ブ22を閉鎖するタイミングを算出する。
【0025】そして、図2に示すように時間t3に達する
と、制御装置24からリニア駆動モータ22Aへ全閉指
令の制御信号S1を送信する。この瞬間から充填バルブ2
2は駆動してバルブ22Cを下降させて閉鎖動作に入っ
てバルブ22Cを閉鎖する。ところが、開閉電磁弁22
Eが信号を受信してからバルブ22Cが全閉するまでの
応答時間内に液体Lが流出するが、この流出量は予測し
た落差量mであることから、容器30内には目標充填量
に対して過不足なく正確に液体Lを充填することができ
る。そして、タンク10の周囲に複数の充填機構20が
付帯している場合であっても、流量計23によりリアル
タイムで流量を測定するため、複数の充填機構20のい
ずれにおいても過不足なく液体Lを充填することができ
る。
【0026】以上説明したように本実施例によれば、予
め、液体Lの流量Qとその流量Qにおける充填バルブ2
2の閉鎖動作中にこの充填バルブ22から流出する液量
(落差量m)との関係を求め、流量計23により充填時
の流量Qをリアルタイムで測定し、上記関係に基づいて
落差量mを予測し、容器30の充填量が目標充填量に達
する前に予測液量(予測落差量m)を見込んで充填バル
ブ22を閉鎖するようにしたため、液体Lの物性や充填
環境等の外乱変化に影響されることなく、常に一定量の
液体Lを過不足なく正確且つ高速に充填することができ
る。
【0027】尚、本発明は上記実施例に何等制限される
ものでなく、本発明の要旨に反しない限り本発明に包含
される。
【0028】
【発明の効果】本発明の液体定量充填の制御方法によれ
ば、液体の物性や充填環境等の外乱変化に影響されるこ
となく、常に一定量の液体を過不足なく正確且つ高速に
充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体定量充填の制御方法の一実施例方
法の流れを説明するための説明図である。
【図2】本実施例方法により液体を充填する際の充填時
間と充填量との関係を示すグラフである。
【図3】(a)、(b)、(c)は本実施例方法の原理
を説明するための説明図である。
【図4】本実施例方法に用いられた液体充填装置の一例
を示す構成図である。
【図5】図4に示す液体充填装置の充填バルブを拡大し
て示す断面図である。
【図6】(a)、(b)は従来の液体定量充填方法の一
例を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
20 充填機構 22 充填バルブ 22C バルブ 22F 流出口 23 流量計 24 制御装置 30 容器 31 口部 Q 質量流量 Q' パルス流量 m 落差量 S1 制御信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器への液体の充填量を流量計と充填バ
    ルブにより制御する液体定量充填の制御方法において、
    予め、液体の流量とその流量における上記充填バルブの
    閉鎖動作中に上記充填バルブから流出する液量との関係
    を求め、上記流量計により充填時の流量をリアルタイム
    で測定し、上記関係に基づいて充填バルブの閉鎖動作中
    に流出する液量を予測し、容器の充填量が目標値に達す
    る前に上記予測液量を見込んで上記充填バルブを閉鎖す
    ることを特徴とする液体定量充填の制御方法。
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