JPH11349097A - 液体の定量充填方法及び装置 - Google Patents

液体の定量充填方法及び装置

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JPH11349097A
JPH11349097A JP15306298A JP15306298A JPH11349097A JP H11349097 A JPH11349097 A JP H11349097A JP 15306298 A JP15306298 A JP 15306298A JP 15306298 A JP15306298 A JP 15306298A JP H11349097 A JPH11349097 A JP H11349097A
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filling
branch pipe
head
filling valve
liquid
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JP15306298A
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English (en)
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Masabumi Yamagami
正文 山上
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Gunze Ltd
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Gunze Ltd
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  • Filling Of Jars Or Cans And Processes For Cleaning And Sealing Jars (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一本の主管から分岐する複数の枝管を有する
複数系列の充填方法及び装置において、充填バルブの開
放・閉鎖動作の影響を受けないで各枝管から常に一定量
の流体を供給できるようにする。 【解決手段】 一本の主管1から分岐する複数本の枝管
3に流量計4と充填バルブ5がそれぞれ設けられ、各流
量計4で計測された一定量の液体を、充填バルブ5を所
定時間だけ開放することにより各枝管3から吐出させて
容器6にそれぞれ充填する場合において、複数本の枝管
3のうち、着目する当該枝管3iの他の枝管3jに設置
されている充填バルブ5jの開放又は閉鎖動作に伴う当
該枝管3iのヘッドの乱れΔhijを考慮して、当該枝
管3iの充填バルブ5iの閉鎖動作命令後に流出する流
体量Q0iを予め予測しておき、容器6に対する充填量
が目標値に達する前に、予測した流体量Q0iに基づい
て当該枝管3iの充填バルブ5iの閉鎖タイミングを設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料や調味料、医
薬品、化学薬品等の流動体を容器に充填する際に使用す
る液体の定量充填方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような流体の充填装置において、
容器に液体を適量に充填することは歩留まり管理上重要
な要因であり、かかる定量充填のための方式として、従
来より、升計量充填方式、重量計量法式及び流量計によ
る計量充填方式などが知られている。
【0003】このうち、升計量充填方式は、充填流体の
体積を管理した充填方式であるが、充填流体の温度が変
化した場合には充填流体の密度が変化するため、体積を
一定に管理していても結果として充填量が異なってしま
う。また、この方式の場合、充填する量を簡単に変更す
ることは困難である。他方、重量計量法式では、充填中
に充填された流体を容器ごと計量し、これにより充填完
了タイミングを計る方式である。この場合、確かに流体
を重量により管理しているが、計測時に充填流体の衝
突、波打ちなどの影響を受けるため、精度よく重量計測
することは困難である。
【0004】そこで、これらの課題を補うため、近年、
定量充填を目的とする場合、流量計による計量充填方式
が用いられることが多くなってきた。これは、充填バル
ブと直列につながれた流量計を通過した流体の質量流量
または体積流量を測定し、これにより充填完了タイミン
グを計る方式である。しかるに、この方式の場合、充填
量の精度は充填バルブの閉鎖動作命令後に流出する流体
量の変動の影響を受けやすい。
【0005】そこで、この変動の影響を減少させる方法
として、例えば、特開昭56−151695号公報や特
開平2−191193号公報、特開平9−2585号公
報などが提案されている。このうち、特開昭56−15
1695号公報に記載された方法は、充填開始時は大流
量で流体の充填を行い、充填した量が規定量に近づいた
時に流量調整バルブにより小流量に変化させ、前記の充
填バルブの閉鎖動作命令後に流出する流体量を減少さ
せ、結果として変動を抑える方法である。
【0006】他方、特開平2−191193号公報に記
載された方法は、充填バルブの閉鎖動作命令後に流出す
る流体量を毎回計測し、その傾向より次回充填時の充填
バルブの閉鎖動作命令後に流出する流体量を予測し、流
量計の流量が定量に達する前に充填バルブの閉鎖命令を
行う方法である。また、特開平9−2585号公報に記
載された方法は、充填中の流量と充填バルブの閉鎖動作
命令後に流出する流体量との関係を予め求めておき、こ
の関係と今回の充填中の流量から、充填バルブの閉鎖動
作命令後に流出する流体量予測し、流量計の流量が定量
に達する前に充填バルブの閉鎖命令を行う方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
56−151695号公報に記載された方法は、小流量
からの充填バルブの閉鎖動作命令後に流出する流体量は
依然として変動する可能性があり、この影響をさらに低
減させようとして小流量を小さくすればするほど充填時
間が長くなるという課題があある。
【0008】一方、特開平2−191193号公報や特
開平9−2585号公報に記載された方法は、充填タン
ク、流量計、充填バルブなどを1系列として構成された
充填装置の場合は有効である。しかし、例えば、図1に
示すような複数本の枝管を一本の主管に接続してなる複
数系列で構成された充填装置の場合、ある系(着目する
当該枝管)の充填中に他の系列(他の枝管)の充填バル
ブが開放又は閉鎖動作を行った場合には、その開放又は
閉鎖動作によって充填中の系列(着目する当該枝管)の
ヘッドが影響を受けて変化し、このため、充填中の系列
(着目する当該枝管)の流量が変化してしまうことがあ
る。
【0009】そのため、例えば、特開平2−19119
3号公報に記載されている方法では、予測した充填バル
ブの閉鎖動作命令後の流出流体量の精度を保つために
は、全系列の充填バルブの開放・閉鎖状態を前回と同じ
に設定しておく必要がある。ところが、現実的に全系列
の充填バルブの開放・閉鎖状態が毎回、全く同じという
ことはまず無いため、複数系列で構成された充填装置の
場合、特開平2−191193号公報に記載されている
方法では正確に充填を行う事が出来なくなるという課題
があった。
【0010】また、特開平9−2585号公報に記載さ
れた方法においては、充填バルブの閉鎖動作命令後に流
出する流体量を予測するため、充填流量を測定した時の
ヘッドは、その後に他系列のバルブの開放・閉鎖動作が
あった場合または開放・閉鎖動作中に前記充填流量を測
定していた場合、実際のバルブ閉動作中のヘッドと異な
るため、結果として予測した閉鎖動作命令後に流出する
流体量の精度は落ち、正確に充填を行う事が出来なくな
るという課題があった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑み、一本の
主管から分岐する複数の枝管を有する複数系列の充填方
法及び装置において、充填バルブの開放・閉鎖動作の影
響を受けないで各枝管から常に一定量の流体を供給でき
るようにして、すべての系列について液体を正確かつ高
速に充填できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のような技術的手段を講じた。すなわ
ち、本発明は、複数系列の充填方法及び装置において、
複数本の枝管のうち、着目する当該枝管の他の枝管に設
置されている充填バルブの開放又は閉鎖動作に伴う当該
枝管のヘッドの乱れを考慮して、当該枝管の充填バルブ
の閉鎖動作命令後に流出する流体量を予め予測してお
き、容器に対する充填量が目標値に達する前に、前記予
測した流体量に基づいて当該枝管の充填バルブの閉鎖タ
イミングを設定することを特徴とする。
【0013】上記の本発明によれば、他の枝管の充填バ
ルブの開閉又は閉鎖動作に伴う当該枝管のヘッドの乱れ
を考慮して予測した流体量に基づいて当該枝管の充填バ
ルブの閉鎖タイミングを設定しているので、他の枝管の
充填バルブの開放又は閉鎖動作があった場合において
も、当該枝管におけるヘッドの値が常に実際のものとほ
ぼ一致することになる。
【0014】上記の本発明において、当該枝管のヘッド
の乱れは、具体的には、他の枝管に設置されている充填
バルブの開放又は閉鎖動作が行われている間の時間を変
数とした多次関数に他の枝管の安定充填時におけるヘッ
ドの値を積算した値で近似することができる。また、他
の枝管の安定充填時におけるヘッドの値は、ベルヌイの
定理に基づき、その枝管の安定充填時における流量の二
乗に定数を積算することによって求めることができる。
【0015】更に、各枝管にヘッド測定器を設ける場合
には、上記他の枝管の安定充填時におけるヘッドの測定
値は、その枝管に設けられたヘッド測定器で直接測定す
ることにしてもよい。また、本発明は、複数系列の充填
方法及び装置において、各枝管に流量調節器がそれぞれ
設けられ、複数本の枝管のうち、着目する当該枝管の充
填バルブの閉鎖動作中にはその他の枝管の充填バルブの
開放又は閉鎖動作が行われないよう、当該枝管又は他の
枝管の流量を前記流量調節器によって変化させることを
特徴とする。
【0016】この場合、当該枝管の充填バルブの閉鎖動
作中にはその他の枝管の充填バルブの開放又は閉鎖動作
が行われないように各枝管の流量が調整されるので、当
該枝管におけるヘッドの測定値が他の枝管の充填バルブ
の開放又は閉鎖動作の影響を受けるのが未然に防止され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を参照しなが
ら、各実施例に基づいて本発明を説明する。
【0018】
【実施例1】図1は、本発明の第一実施例に用いられた
流体の定量充填装置の一例を示す図である。図1に示す
ように、この充填装置は、液体を貯溜する貯溜タンク1
と、このタンク1に接続された一本の主管2と、この主
管2から分岐するn本の枝管3と、この各枝管3にそれ
ぞれ設けられた流量計4及び充填バルブ5と、各流量計
4で計測された一定量の液体を各枝管3から吐出させる
べく充填バルブ5を所定時間だけ開放させるためのマイ
コン又はプロコン等よりなる制御装置7と、を備えてい
る。
【0019】しかして、貯溜タンク1内の液体は、同タ
ンク1から主管2を介して各系列の枝管3i(i=1〜
n)に分岐し、各々の系列において流量計4i(i=1
〜n)を介して充填バルブ5i(i=1〜n)を通じて
各容器6i(i=1〜n)に供給される。制御装置7
は、内部に演算手段7Aと設定手段7Bを有し、演算手
段7Aにおいて充填バルブ5iの閉鎖動作命令後に流出
する流体量Q0iを予測し、設定手段7Bにおいてその
予測した流体量Q0iに基づいて各枝管3iの開閉タイ
ミングを設定して充填バルブ5iを制御する。
【0020】図8は上記制御装置7の演算手段7Aにお
ける制御フローを示し、図9は設定手段7Bにおける制
御フローを示している。以下、このフローに沿いつつ、
本実施形態における各充填バルブ5iの制御方法につい
て説明する。すなわち、本実施例では、制御装置7の演
算手段7Aに、各系列の枝管3i内のヘッドhi(i=
1,2,…,n)(m)と液体の流量qi(i=1,
2,…,n)(g/秒)の関係式と、ヘッドhi(m)
の枝管3iから充填バルブ5iの閉鎖動作命令後に流出
してしまう流体量Q0i(i=1,2,…,n)(g)
を求めるための計算式と、がインプットされている。
【0021】また、演算手段7Aには、他の系列の充填
バルブ5jが閉鎖又は開放状態にあるときの当該系列の
枝管3jのヘッドhij(i=1,2,…,n、j=
1,2,…,n、i≠j)(m)と、他の系列の充填バ
ルブ5jが閉鎖又は開放動作した瞬間の当該系列の枝管
3jのヘッドの乱れΔhij(i=1,2,…,n、j
=1,2,…,n、i≠j)(m)の計算式がインプッ
トされている。
【0022】そして、液体充填時における各系列の流量
qi(g/秒)は、図1に示す各系列の流量計4iによ
りリアルタイムで測定されており、上記した関係に基づ
いて他系列の充填バルブ5jの開放又は閉鎖動作による
当該系列のヘッドの変化Δhijの影響を考慮して、当
該系列において充填バルブ5iの閉鎖動作命令後に流出
してしまう流体量Q0iが予測される。
【0023】その後、制御装置7の設定手段7Bによ
り、上記の予測した流体量Q0iを加味して、容器6i
に対する充填量が目標値に達する前に、各充填バルブ5
iの閉鎖信号を出力し動作させるようにしている。そこ
で、以下、他系列の枝管5jのヘッドが変化したときに
当該系列の枝管3iから流出する流体量Q0iの予測方
法について説明する。
【0024】まず、液体の流量qiと各系列のヘッドh
iとの関係は、ヘッド測定部からノズル先端までの管路
抵抗が無視できると仮定すると、ベルヌイの定理より、
次の式(1)のように表される。なお、式(1)におい
てkiは流体の密度、ノズルの管路面積及び重力によっ
て定まる定数である。
【0025】
【数1】
【0026】本実施例では、流路抵抗の影響が少ない枝
管3及び液体を使用したので、液体の流量qiとヘッド
hiの関係は上記ベルヌイ式(1)の関係を用いること
ができ、これらの関係は概ね図2のようになる。次に、
他のj系列によるi系列のヘッドの乱れがない定常状態
において、着目するi系列のヘッドhiと、そのヘッド
hiのときに充填バルブ5iの閉鎖動作命令出力後に流
出してしまう流体量Q0iとの関係を求めると次のよう
になる。
【0027】すなわち、充填バルブ5iの閉鎖動作命令
出力後に流出する流体量Q0iは、図3に示すように、
充填バルブ5iの閉鎖動作命令出力時t0 からバルブ閉
鎖動作を開始する時t1 までに流出する流量Q1iと、
バルブ閉鎖動作の開始t1 から閉鎖動作完了t2 までに
流出する流量Q2iとを加えたものである。そこで、T
= t−t0 (0 ≦T≦t2-t0 )とすると、前者の流量
Q1iは、次の式(2)のようにhi の関数として表す
ことが出来る。
【0028】
【数2】
【0029】ここで、t0 からt1 の間にi系列に与え
られるヘッドhi が一定であれば、上記式(2)は次の
式(3)のようになる。
【0030】
【数3】
【0031】次に、後者の流量Q2iを考えるに当た
り、このバルブ閉鎖動作を開始t1 から閉鎖動作完了t
2 の間の流量qiの変化を考える。この流量qiはバル
ブの断面積変化やバルブの断面積変化による管路抵抗な
どの影響を受けて変化するが、T= t−t1 (0 ≦T≦
t2 −t1 )とすると、t1 からt2 の間の流量qiは
次の式(4)のようにhi とTの関数として表すことが
出来る。
【0032】
【数4】
【0033】従って、上記式(4)より、流量Q2i
は、次の式(5)のように表される。
【0034】
【数5】
【0035】一方、種々の実験の結果、本実施例の管路
では、f(hi 、T)は以下の関係がある。
【0036】
【数6】
【0037】ここで、t1 からt2 の間にi系列に与え
られるヘッドhiが一定であれば、上記式(5)は、次
の式(7)の様に表される。
【0038】
【数7】
【0039】以上から、流量Q1iと流量Q2iとが判
れば、Q0i=Q1i+Q2iにより、着目する当該系
列iの枝管3iにおいて充填バルブ5iの閉鎖動作命令
後に流出してしまう流体量Q01を算出することができ
る。しかるに、この場合の流体量Q01は、あくまでも
他のj系列の枝管3jによるi系列のヘッドの乱れがな
い定常状態を仮定して求めたもので、その他系列の枝管
3jに充填バルブ5jの開閉に伴うヘッドの乱れが発生
すると、図3に仮想線で示すように、着目する当該系列
iの枝管3iの流量Q1i又は流量Q2iも瞬間的に変
化するため、上記(3)式や(7)式を全く補正せずに
用いると、正確な充填量で液体を供給できない。
【0040】そこで、次に、他のj系列の充填バルブ5
jの開放又は閉鎖動作に伴う当該i系列でのヘッドの乱
れΔhijの計算式を導出する。まず、経験的に、他の
j系列の充填バルブ5jが「開放」動作を行った場合の
着目する当該i系列でのヘッドhiの変化は、図4のよ
うになり、他のj系列の充填バルブ5jが「閉鎖」動作
を行った場合の着目する当該i系列でのヘッドhiの変
化は、図5のようになる。
【0041】そこで、着目する当該i系列及び他のj系
列の流量を段階的に変化させて、他のj系列の充填バル
ブ5jが「開放」動作を行った場合に実際に当該i系列
に発生するヘッドhiの変化を実際に測定したところ、
当該ヘッドhiの変化Δhijは、流量が変化してもそ
の振幅が変化するだけで形状はほぼ相似形になることが
実験により判明した。
【0042】また、上記ヘッドhiの変化Δhijは、
他系列jの充填バルブ5jの開放又は閉鎖動作が行われ
ている間の時間tiを変数とした五次関数の二乗に他系
列jの枝管3jの安定充填時におけるヘッドの測定値h
jsを積算した値で近似できることが、実験により明ら
かになった。すなわち、他系列jのバルブ5jが「開
放」動作を開始した瞬間をtosj としてti=t−tos
j とおくと、着目する当該i系列でのヘッドの乱れΔh
ijの計算式は次の式(8)のようになる。
【0043】ただし、これらの式において、hjsは他
系列jの安定充填時におけるヘッドの測定値であり、開
放の場合は、hjsは、例えばhjs=Hij×hi
(Hijは線形定数)として、hiより近似して算出し
た値を使用できる。
【0044】
【数8】
【0045】
【数9】
【0046】なお、上記した式(8)及び式(9)にお
いて、toej 、Aoij 、Boij 、Coij 、Doij 、Eoi
j 、Foij 、Goij は各系列ごとに流体により定まる定
数である。また、他系列jのバルブ5jが「閉鎖」動作
を開始した瞬間をtcsj としてti=t−tcsj とおく
と、着目する当該i系列でのヘッドの乱れΔhijの計
算式は次の式(10)及び式(11)のようになる。た
だし、これらの式においても、hjsは他系列jの安定
充填時におけるヘッドの測定値である。
【0047】
【数10】
【0048】
【数11】
【0049】なお、上記した式(10)及び式(11)
において、tcej 、Acij 、Bcij、Ccij 、Dcij 、
Ecij 、Fcij 、Gcij は各系列ごとに流体により定ま
る定数である。本実施例では、各系列の流量qiが流量
計4によりリアルタイムで測定されているので、この測
定値qiから前記ベルヌイ式(1)により各系列のヘッ
ドhiが演算手段7Aにより算出される。また、この演
算手段7Aは、着目するi系列における充填量が所望の
一定量に成るように充填バルブ5iの閉鎖動作出力タイ
ミングをリアルタイムで算出する。
【0050】そして、本実施例では、上記式(1)〜
(11)がすべて制御装置7の演算手段7Aにインプッ
トされており、これらの式(1)〜(11)に基づい
て、着目する当該系列iの枝管3iにおいて充填バルブ
5iの閉鎖動作命令後に流出してしまう流体量Q01を
リアルタイムで算出する。その後、制御装置7Aの設定
手段7Bが、その流体量Q01を加味して、容器6iに
対する充填量が目標値に達する前に当該充填バルブ5i
に閉鎖信号を出力し動作させる。
【0051】すなわち、他系列jの充填バルブ5jが開
閉動作されておらず、同他系列jの枝管jがすべて定常
状態にある場合には、演算手段7Aは、前記式(3)及
び式(7)を用いて流体量Q0iを算出し、この流体量
Q0iを加味して当該充填バルブ5iの閉鎖タイミング
が設定される。他方、他系列jの充填バルブ5jが開又
は閉動作されることにより、当該系列iの枝管iにヘッ
ドの乱れΔhijが発生する場合には、演算手段7A
は、前記式(8)(9)又は(10)(11)により計
算されるヘッドの乱れΔhijを考慮して、当該系列i
の枝管iのヘッドを(hi+Δhij)に補正し、この
補正されたヘッド(hi+Δhij)を前記式(2)及
び(5)に代入し積分して流体量Q0iを算出し、この
流体量Q01を加味して当該充填バルブ5iの閉鎖タイ
ミングが設定される。
【0052】このようにして、他系列jの開閉動作の有
無によって着目する当該i系列での充填量を定量にする
ための流体量Q0iが常に設定し直され、制御装置7に
より当該充填バルブ5iの閉鎖動作タイミングが出力さ
れる。なお、この命令の出力時には、着目する当該系列
iの容器6iは未だ所定の充填量には達していないが、
充填バルブ5iが閉鎖動作を開始するまでの間および閉
鎖動作中に前記流体量Q0iが更に容器6iに充填され
る。
【0053】そして、この時に充填される量が予め予測
した量であるため、最終的には当該容器6iには所定の
適正な充填量の流体が正確に充填されることになる。
【0054】
【実施例2】図6は、本発明の第二実施例に用いられた
流体の定量充填装置の一例を示す図であり、この場合の
充填装置には、図1の充填装置の各系列の枝管3に、流
量調整器8が加えれらたものである。なお、この流量調
節器8は各系統の流量を変化させるものであり、分岐よ
り下流であればその設置位置については限定されるもの
ではない。
【0055】そして、本実施例が前記第一実施例と異な
る点は、制御装置7の設定手段7Cが、n本の枝管3の
うち、着目する当該枝管3iの充填バルブ5iの閉鎖動
作中にはその他の枝管3jの充填バルブ5jの開放又は
閉鎖動作が行われないよう、当該枝管3i又は他の枝管
3jの流量を前記流量調節器8によって変化させる点に
ある。
【0056】すなわち、本実施例においても、演算手段
7Aには、各系列のヘッドhiと流量qiの関係式(前
記式(1))、各系列のヘッドhiと充填バルブ5iの
閉鎖動作命令後に前記充填バルブから流出する流体量q
0iの計算式(前記式(3)及び式(7))がインプッ
トされているが、他系列jの開閉動作に伴うヘッドの乱
れΔhijの計算式(前記式(8)〜(11))は、イ
ンプットされていない。
【0057】その代わりに、演算手段7Aは、着目する
当該系列iの充填バルブ5iが閉鎖動作を行っていると
きには、他系列jの充填バルブ5jが開放又は閉鎖動作
をしないように当該系列iの流量qi又は他系列jの流
量qjを算出し直し、設定手段7Bは、その算出し直さ
れた流量qi又はqjになるように各系列のいずれかの
流量調節器8i(8j)の開度を変更し、当該系列iと
他系列jにおける充填バルブ5の開閉タイミングを相互
にずらす。
【0058】従って、本実施例では、着目する当該枝管
3iの充填バルブ5iの閉鎖動作中には、その他の枝管
3jの充填バルブ5jの開放又は閉鎖動作が行われるこ
とがなく、当該枝管3iにおけるヘッドの測定値hiが
他の枝管3jの充填バルブ5jの開放又は閉鎖動作の影
響を受けることが未然に防止される。なお、演算手段7
Aは、前記式(3)及び式(7)を用いて流体量Q0i
を算出し、この流体量Q01を加味して当該充填バルブ
5iの閉鎖タイミングが設定される点は、第一実施例の
場合と同様である。
【0059】
【実施例3】図7は、本発明の第三実施例に用いられた
流体の定量充填装置の一例を示す図であり、この場合の
充填装置は、図1の充填装置の各系列の枝管3に、更に
ヘッド測定器9が加えれらたもので、制御装置7による
充填バルブ5の制御方法は前記第一実施例の場合と同様
である。
【0060】なお、ヘッド測定器9は各系統のヘッドh
iを直接測定するものであり、分岐より下流であればそ
の設置位置については限定されるものではない。また、
本実施例では、ヘッド測定器9として液体の圧力を電気
的信号に変換できるものを採用している。本実施例で
は、ヘッド測定器9を使用してヘッドhiを直接計測す
るようにしているので、ヘッドhiと流量qiの関係が
第一実施例の式(1)のように簡潔な式で表されない場
合には特に有効である。
【0061】すなわち、本実施例によれば、ベルヌイ式
(1)に基づいてヘッドhiを推定するのが妥当でない
場合でも、前記制御装置7による制御が可能となるとと
もに、演算手段7Aにおける演算精度が向上しかつ充填
量の精度を向上することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
他の枝管の充填バルブの開放又は閉鎖動作があった場合
においても、当該枝管におけるヘッドの測定値が常に実
際のヘッドと一致するので、他系列の充填バルブの開放
及び閉鎖動作の影響を受けることなく、一定量の流体を
常に正確かつ高速に充填することができる。
【0063】また、本発明によれば、当該枝管の充填バ
ルブの閉鎖動作中にはその他の枝管の充填バルブの開放
又は閉鎖動作が行われることがなく、当該枝管における
ヘッドの測定値が他系列の充填バルブの開放又は閉鎖動
作の影響を受けるのが未然に防止されるので、一定量の
流体を常に正確かつ高速に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係る流体の定量充填装置の全体構
成図である。
【図2】液体の流量とヘッドとの関係を示すグラフであ
る。
【図3】充填バルブの閉鎖動作命令後に枝管から流出す
る液体の時間的変化を示すグラフである。
【図4】他系列の充填バルブが「開放」動作を行った場
合における当該系列のヘッドの時間的変化を示すグラフ
である。
【図5】他系列の充填バルブが「閉鎖」動作を行った場
合における当該系列のヘッドの時間的変化を示すグラフ
である。
【図6】第二実施例に係る流体の定量充填装置の全体構
成図である。
【図7】第三実施例に係る流体の定量充填装置の全体構
成図である。
【図8】制御装置の演算手段の制御フローである。
【図9】制御装置の設定手段の制御フローである。
【符号の説明】
1 貯溜タンク 2 主管 3 枝管 4 流量計 5 充填バルブ 6 容器 7 制御装置 7A 演算手段 7B 設定手段 8 流量調整器 9 ヘッド測定器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本の主管(1)から分岐する複数本の
    枝管(3)に流量計(4)と充填バルブ(5)がそれぞ
    れ設けられ、前記各流量計(4)で計測された一定量の
    液体を、前記充填バルブ(5)を開放することにより前
    記各枝管(3)から吐出させて容器(6)にそれぞれ充
    填するようにした液体の定量充填方法において、 前記複数本の枝管(3)のうち、着目する当該枝管(3
    i)の他の枝管(3j)に設置されている前記充填バル
    ブ(5j)の開放又は閉鎖動作に伴う当該枝管(3i)
    のヘッドの乱れ(Δhij)を考慮して、当該枝管(3
    i)の充填バルブ(5i)の閉鎖動作命令後に流出する
    流体量(Q0i)を予め予測しておき、 前記容器(6)に対する充填量が目標値に達する前に、
    前記予測した流体量(Q0i)に基づいて当該枝管(3
    i)の充填バルブ(5i)の閉鎖タイミングを設定する
    ことを特徴とする液体の定量充填方法。
  2. 【請求項2】 当該枝管(3i)のヘッドの乱れ(Δh
    ij)は、他の枝管(3j)に設置されている充填バル
    ブ(5j)の開放又は閉鎖動作が行われている間の時間
    (ti)を変数とした多次関数に他の枝管(3j)の安
    定充填時におけるヘッドの値(hjs)を積算した値で
    近似することによって求められる請求項1に記載の液体
    の定量充填方法。
  3. 【請求項3】 他の枝管(3j)の安定充填時における
    ヘッドの値(hjs)は、その枝管(3j)の安定充填
    時における流量(qj)の二乗に定数(kj)を積算す
    ることによって求められる請求項2に記載の液体の定量
    充填方法。
  4. 【請求項4】 他の枝管(3j)の安定充填時における
    ヘッドの値(hjs)は、その枝管(3j)に設けられ
    たヘッド測定器(9)で直接測定することによって求め
    られる請求項2に記載の液体の定量充填方法。
  5. 【請求項5】 一本の主管(1)から分岐する複数本の
    枝管(3)に流量計(4)と充填バルブ(5)がそれぞ
    れ設けられ、前記各流量計(4)で計測された一定量の
    液体を、前記充填バルブ(5)を所定時間だけ開放する
    ことにより前記各枝管(3)から吐出させて容器(6)
    にそれぞれ充填するようにした液体の定量充填方法にお
    いて、 前記各枝管(3)に流量調節器(8)がそれぞれ設けら
    れ、 前記複数本の枝管(3)のうち、着目する当該枝管(3
    i)の充填バルブ(5i)の閉鎖動作中にはその他の枝
    管(3j)の充填バルブ(5j)の開放又は閉鎖動作が
    行われないよう、当該枝管(3i)又は他の枝管(3
    j)の流量を前記流量調節器(8)によって変化させる
    ことを特徴とする液体の定量充填方法。
  6. 【請求項6】 一本の主管(1)から分岐する複数本の
    枝管(3)と、この各枝管(3)にそれぞれ設けられた
    流量計(4)及び充填バルブ(5)と、前記各流量計
    (4)で計測された一定量の液体を前記各枝管(3)か
    ら吐出させるべく前記充填バルブ(5)を所定時間だけ
    開放させる制御装置(7)と、を備えている液体の定量
    充填装置において、 前記制御装置(7)は、前記複数本の枝管(3)のう
    ち、着目する当該枝管(3i)の他の枝管(3j)に設
    置されている前記充填バルブ(5j)の開放又は閉鎖動
    作に伴う当該枝管(3i)のヘッドの乱れ(Δhij)
    を考慮して、当該枝管(3i)の充填バルブ(5i)の
    閉鎖動作命令後に流出する流体量(Q0i)を予め予測
    する演算手段(7A)と、 前記容器(6)に対する充填量が目標値に達する前に、
    前記予測した流体量(Q0i)に基づいて当該枝管(3
    i)の充填バルブ(5i)の閉鎖タイミングを設定する
    設定手段(7B)と、を備えていることを特徴とする液
    体の定量充填装置。
  7. 【請求項7】 演算手段(7A)は、当該枝管(3i)
    のヘッドの乱れ(Δhij)を、他の枝管(3j)に設
    置されている充填バルブ(5j)の開放又は閉鎖動作が
    行われている間の時間(T)を変数とした多次関数に他
    の枝管(3j)の安定充填時におけるヘッドの値(hj
    s)を積算した値として算出する機能を有する請求項6
    に記載の液体の定量充填装置。
  8. 【請求項8】 演算手段(7A)は、他の枝管(3j)
    の安定充填時におけるヘッドの値(hjs)を、その枝
    管(3j)の安定充填時における流量(qj)の二乗に
    定数(kj)を積算して算出する機能を有する請求項7
    に記載の液体の定量充填装置。
  9. 【請求項9】 各枝管(3)にヘッド測定器(9)が設
    けられ、演算手段(7A)は、他の枝管(3j)の安定
    充填時におけるヘッドの測定値(hjs)を、その枝管
    (3j)に設けられたヘッド測定器(9)で直接測定さ
    れた値を用いる機能を有する請求項7に記載の液体の定
    量充填装置。
  10. 【請求項10】 一本の主管(1)から分岐する複数本
    の枝管(3)と、この各枝管(3)にそれぞれ設けられ
    た流量計(4)及び充填バルブ(5)と、前記各流量計
    (4)で計測された一定量の液体を前記各枝管(3)か
    ら吐出させるべく前記充填バルブ(5)を所定時間だけ
    開放させる制御装置(7)と、を備えている液体の定量
    充填装置において、 前記各枝管(3)に流量調節器(8)がそれぞれ設けら
    れ、 前記制御装置(7)は、複数本の枝管(3)のうち、着
    目する当該枝管(3i)の充填バルブ(5i)の閉鎖動
    作中には他の枝管(3j)の充填バルブ(5j)の開放
    又は閉鎖動作が行われないよう、当該枝管(3i)又は
    他の枝管(3j)の充填バルブ(5i)(5j)の流量
    を前記流量調整器(8)で設定する設定手段(7C)を
    備えていることを特徴とする液体の定量充填装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090159150A1 (en) * 2006-06-27 2009-06-25 Karl Lorenz Method of operating a beverage bottling or container filling arrangement with a filling volume correcting apparatus
CN111977045A (zh) * 2014-07-18 2020-11-24 克罗内斯股份公司 借助于比例阀用填充产品填充容器的方法

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