JPH09258471A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

Info

Publication number
JPH09258471A
JPH09258471A JP6603096A JP6603096A JPH09258471A JP H09258471 A JPH09258471 A JP H09258471A JP 6603096 A JP6603096 A JP 6603096A JP 6603096 A JP6603096 A JP 6603096A JP H09258471 A JPH09258471 A JP H09258471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
toner composition
latent image
electrostatic latent
wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6603096A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Suzuki
祥生 鈴木
Masaaki Ishiyama
雅章 石山
Takashi Taira
孝 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6603096A priority Critical patent/JPH09258471A/ja
Publication of JPH09258471A publication Critical patent/JPH09258471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低温定着性に優れ、ボイドのない高画質な画像
を与え、また現像機内の撹拌環境下においてもスペント
を発生しないトナー組成物を提供する。。 【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスか
らなるトナー組成物であって、該ワックスの融解熱が8
4J/g以上251J/g以下であり、トナー組成物の
100℃、120℃での見掛け粘度がそれぞれ5×10
3 Pa・s以上5×105 Pa・s以下、5×102
a・s以上5×104 Pa・s以下の範囲であるトナー
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真における
静電潜像を現像するための現像用粉体(以下トナー組成
物と記す)、とりわけ高速で被印刷体にフラッシュ定着
を行なうレーザービームプリンタまたはLEDプリンタ
に好適な電子写真トナー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真プリンタにおける画像定着方式
としては、大きく分けて熱定着方式と圧力定着方式があ
る。このうち熱定着手段としては、(1)電熱ヒータの
加熱雰囲気中を通過させるオーブン定着方式、(2)少
なくとも一方が加熱ロールである一組のロール間を通過
させる熱ロール定着方式、(3)キセノンまたはハロゲ
ン等の発光スペクトルの輻射熱を利用するフラッシュ定
着方式、などが知られている。
【0003】フラッシュ定着方式は、トナーの可視像に
キセノンまたはハロゲン等の発光スペクトルをミリ秒以
下の短時間照射してその輻射熱により紙面上に定着させ
る方法で、定着に要する時間が極めて短時間であるため
高速度印字・高速度定着に適した定着方式である。また
フラッシュ定着方式は非接触定着であるため、定着過程
での物理的なつぶれがなく微細な印字を得るためには好
適な方式である。
【0004】しかしながら、フラッシュ定着方式は、
(1)非接触定着であるため周囲へのエネルギー散逸の
割合が高く、消費電力の大きい定着方式であること、
(2)ボイドと呼ばれる画像不良が発生しやすいこと、
などの問題点があった。
【0005】ボイドとはフラッシュ定着時に画像上に発
生するスポンジの穴のような白抜けを指す。発生のメカ
ニズムは必ずしも明らかではないが、被接触定着のため
定着時にトナーおよび被印刷体に圧力がかからないこ
と、および定着時の溶融粘度低下のためトナー組成物の
表面張力によって溶融トナーが凝集することによると考
えられる。また、ボイドが生じると定着性も損なわれ
る。
【0006】一方、市場においては定着性に関する要求
が強く、より少ないエネルギーで、より高い定着強度を
示すトナーが求められている。これに対して、一般に画
像の定着強度を高める方法には大きく分けて、特定の結
着樹脂成分を用いる方法、および特定の添加剤を加える
方法、の2つが提案されている。
【0007】特定の結着樹脂を用いる方法としては、ス
チレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂な
どの結着樹脂を用いるに際して、特定の粘弾性を有する
結着樹脂成分を用いるトナー組成物(特開平2−158
747号公報など)、特定の分子量分布を有する結着樹
脂を用いるトナー組成物(特開昭61−176948号
公報)、特定の熱特性を有する結着樹脂を用いるトナー
組成物(特開昭52−50241号公報)、ウレタン結
合などの特定の化学結合を結着樹脂に導入して、化学的
に変性した結着樹脂を用いるトナー組成物(特開昭63
−49768号公報、特開平3−31858号公報、特
開平4−361271号公報)などが知られている。し
かしこれらは主として熱ロール定着方式において優れた
定着性を示すが、低温定着フラッシュ定着用トナーとし
ては十分なものではない。
【0008】また特定の添加剤を加える方法としては、
例えば、スチレン系樹脂に高沸点のパラフィンワックス
を添加する方法(特開昭50−28840号公報)、ポ
リエステル樹脂に無極性物質と有極性物質よりなるオフ
セット防止剤を用いる方法(特開昭58−11953号
公報)、ポリエステル樹脂に針入度などの特定の物性を
規定した離型剤を添加する方法(特開昭60−1842
60号公報)、ポリエステル樹脂に脂肪酸アミドを添加
する方法(特開昭60−252364号公報)などが提
案されているが、これらも熱ロール定着方式において優
れた定着性を示すものであり、これら添加剤を用いたト
ナー組成物をフラッシュ定着方式に供すると十分な定着
性が得られなかったり、フラッシュ光照射による高温の
ため、添加剤の一部が分解してガス化し悪臭を放った
り、ボイドが激しく発生するという欠点があった。
【0009】また、フラッシュ定着時の定着性を向上さ
せる方法として、パラフィンワックスを添加する方法
(特開昭58−215660号公報)、オレフィンワッ
クスを含有させる方法(特開平4−328577号公
報)などが知られているが、これとてもボイドの発生に
より印字品質の低下を招くという欠点があった。
【0010】さらに、フラッシュ定着時のボイドを抑制
する方法としては、特定の組成、物性を有する結着樹脂
を用いる方法(特開平5−107805号公報)、特定
の物性を有する樹脂微粒子を添加する方法(特開平4−
328576号公報、特開平4−328578号公報)
などが知られているが、これらとてより少ないエネルギ
ーで所定の定着強度が得られる、いわゆる低温定着に対
しては必ずしも十分ではなかった。
【0011】さらに、定着性を補う目的で軟化温度の低
い結着樹脂や融点の低い添加剤を使用したトナーは、高
温環境下にさらされた場合、トナーの表面が軟化しトナ
ー粒子同士が互いに融着する、いわゆるブロッキングを
起こしやすい。ブロッキングが発生するとトナーの流動
性が低下しトナーの供給がスムーズでなくなるばかりで
なく、トナーの保存安定性が損なわれるという問題点が
あった。また現像器内の撹拌環境下においては結着樹
脂、添加剤等のトナー成分がキャリア表面に付着汚染す
るいわゆるスペントを発生しやすかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するために為されたものであり、低温定着性に優
れ、ボイドのない高画質な画像が得られ、また現像器内
の撹拌環境下においてもスペントを発生せず保存時には
ブロッキングを生じないフラッシュ定着電子写真用トナ
ー組成物を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、少なく
とも結着樹脂、着色剤およびワックスからなる熱定着用
トナー組成物であって、該ワックスの融解熱Qが84J
/g≦Q≦251J/gであり、かつトナー組成物の1
00℃での見掛け粘度をA、120℃での見掛け粘度を
Bとしたとき、5×103 Pa・s≦A≦5×105
a・s、かつ5×102 Pa・s≦B≦5×104 Pa
・sであることを特徴とする静電潜像現像用トナー組成
物を用いることにより低温定着性が優れ、ボイドのない
高画質な画像が得られ、また現像器内の撹拌環境下にお
いてもスペントが発生しないフラッシュ定着電子写真用
トナー組成物が得られることを見いだし、本発明に到達
した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における結着樹脂として
は、例えばポリスチレンホモポリマ、スチレン−イソブ
チレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレ
ン−アクリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体、スチレン−nブチルメタクリレート共重合
体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等の
スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
チルメタクリレート、ポリnブチルメタクリレート、ポ
リグリシジルメタクリレート等のアクリル系ホモポリマ
または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、フマル
酸/エーテル化ジフェノール系ポリエステル、多価アル
コールおよび/または多価カルボン酸による架橋ポリエ
ステル等のポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などが
挙げられる。このうち、フラッシュ定着時の熱分解によ
る臭気を低減するためにポリエステル系樹脂は好まし
い。
【0015】本発明におけるポリエステル系樹脂の製造
方法は特に限定されるものではないが、有機金属化合
物、金属酸化物、非金属酸化物から選ばれた1つまたは
2つ以上の化合物の存在下または非存在下において、ジ
および/またはポリカルボン酸成分とジおよび/または
ポリオール成分を不活性ガス雰囲気中において130〜
280℃の温度で縮合重合して得る方法が挙げられる。
この際、重合の任意の段階で減圧条件下に製造すること
もできる。ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタ
ル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、マレイン酸、フ
マル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、α−アルキル
(またはアルケニル)コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、マロン酸、α−アルキル(またはア
ルケニル)マロン酸、またはこれらの無水物、炭素数1
〜4の低級アルキルエステルを挙げることができる。こ
のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、およびこれら酸
と炭素数1〜4の低級アルコールからなる低級アルキル
エステルが好ましく用いられ、酸成分中の80モル%以
上を占めることが好ましい。
【0016】また、ポリカルボン酸成分としては、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン
酸)、またはこれらの無水物、炭素数1〜4の低級アル
キルエステルを挙げることができる。
【0017】ジオール成分としては、例えばビスフェノ
ールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1、4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノ
ールAなどのビスフェノール類を挙げることができる。
このうち、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付
加物が好ましく用いられ、ジオール成分中の80モル%
以上を占めることが好ましい。
【0018】ポリオール成分としては、例えばソルビト
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グ
リセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパンなどを挙げることができる。
【0019】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は、55℃〜70℃の範囲にあることが好まし
い。ガラス転移点があまりに低いと保存性が悪くなり、
またガラス転移点があまりに高いと定着性が不良とな
る。
【0020】本発明におけるポリエステル樹脂の酸価は
1〜30mgKOH/gであることが好ましい。酸価が
あまりに大きいと樹脂自体の負帯電性が大きくなりす
ぎ、荷電制御剤によるトナー帯電量の制御が難しくな
る。とくに、正帯電性トナーを作成しようとする場合安
定な荷電制御を行なうことが困難になる。また酸価があ
まりに大きいと空気中の湿度の影響を受けやすくなり、
トナーの安定な荷電制御が難しくなる。
【0021】2種類以上のポリエステル樹脂を使用する
場合は、その結着樹脂混合物としての性質が上記のガラ
ス転移点、酸価を満たせばよい。
【0022】本発明における結着樹脂の量は、トナー組
成物100重量部に対して好ましくは50〜95重量
部、より好ましくは60〜90重量部である。結着樹脂
の量があまりに少ないと定着性が不十分となる。またあ
まりに多いと、着色剤、荷電制御剤、ワックス等の他の
成分が相対的に少なくなり画像の隠蔽力、帯電性制御等
が不満足となる。
【0023】本発明における着色剤は、鉄黒、磁性体微
粒子などの無機顔料、カーボンブラック、有彩色の染料
および有機顔料などが使用できる。また黒色着色材とし
ては鉄黒、磁性体微粒子などの無機顔料とカーボンブラ
ックを混合して使用することもできる。カーボンブラッ
クとしてはキャボット社のモナーク900、ブラックパ
ールズ900、モナーク880、ブラックパールズ88
0、モナーク800、ブラックパールズ800、モナー
ク460、ブラックパールズ460、モナーク430、
ブラックパールズ430、モナーク280、ブラックパ
ールズ280、モナーク120、ブラックパールズ48
0、ブラックパールズ130、バルカン9A32、リー
ガル330R、リーガル330、リーガル415R、リ
ーガル415、リーガル250R、リーガル250、リ
ーガル99R、リーガル99、バルカンP、バルカンX
C72R、バルカンCX72、モナーク1400、ブラ
ックパールズ1400、モナーク1300、ブラックパ
ールズ1300、モナーク1100、ブラックパールズ
1100、モナーク1000、ブラックパールズ100
0、モナーク700、ブラックパールズ700、バルカ
ン9A32、モーガルL、ブラックパールズL、リーガ
ル400R、リーガル400、リーガル660R、リー
ガル660、リーガル500R、エルフテックス8、エ
ルフテックスペッレッツ115、コロンビアケミカル社
製のラーベン7000、ラーベン5750、ラーベン5
250、ラーベン5000、ラーベン3500、ラーベ
ン2000、ラーベン1500、ラーベン1255、ラ
ーベン1250、ラーベン1200、ラーベン117
0、ラーベン1060、ラーベン1040、ラーベン1
035、ラーベン1020、ラーベン1000、ラーベ
ン890H、ラーベン890、ラーベン850、ラーベ
ン790、ラーベン780、ラーベン760、ラーベン
500、ラーベン450、ラーベン430、ラーベン4
20、ラーベン410、コンダクテックス975、コン
ダクテックス900、コンダクテックスSC、コンダク
テックス1150、ラーベン22、ラーベン16、ラー
ベン14、ラーベン825オイルビーズ、ラーベンH2
0、ラーベンC、セバカーブMT、三菱化学社製#24
00B、#2350、#2300、#2200B、#1
000、#950、#900、#850、MCF88、
MA600、MA100、MA7、MA8、MA11、
#50、#52、#45、#44、#40、#33、#
32、#30、CF9、#20B、#10B、#5B、
#4000B等公知のものを使用することができる。有
彩色の染料または顔料としては、例えばキナクリドン系
やローダミン系の赤色色剤、銅フタロシアニン系やトリ
フェニルメタン系の青色色剤、ベンジジン系の黄色色剤
などが使用できる。着色剤の含有量は、トナー組成物1
00重量部に対して好ましくは2〜50重量部、より好
ましくは4〜40重量部である。着色剤があまりに多い
と定着性、帯電性が損なわれる。またあまりに少ないと
着色不良となり、画像の隠蔽力が不足する。
【0024】本発明におけるワックスは融解熱Qは84
J/g≦Q≦251J/g、好ましくは90J/g≦Q
≦230J/gであれば特に構造は限定されないが、例
えば脂肪酸と高級アルコールとのエステル、炭素数約1
5〜約40のパラフィンワックス、炭素数約30〜約6
0のマイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチ
レン、低分子ポリエチレン共重合体、低分子ポリプロピ
レン、低分子ポリプロピレン共重合体、酸価変性型ポリ
エチレン、酸変性型ポリエチレン、芳香族モノマによる
グラフト変性型ポリエチレン、低密度ポリエチレン熱分
解型、ポリプロピレン熱分解型等のオレフィン系ワック
ス、などを使用することができる。一般にワックスは、
熱ロール定着におけるトナーの耐オフセット性改良、フ
ラッシュ定着におけるボイドの改良などを目的にトナー
粒子内部または外部に添加されるものであるが、外添し
た場合はもちろん、内部添加した場合でもワックスは樹
脂との相溶性が必ずしも良好とは言えないためトナー粒
子表面に多くの割合で分布しやすく、現像剤の寿命およ
び定着性に大きな影響を与える。
【0025】ワックスの融解熱Qが84J/gよりも小
さい場合、現像器内でキャリアとトナーが激しく撹拌さ
れることにより発生する摩擦熱、微小な放電等の影響に
より、表面に露出したワックスの微小部分が容易に溶解
し、これがキャリア表面をいわゆるスペントとして汚染
し現像剤寿命を劣化させる。さらに定着に際してはワッ
クス分が他の成分に比較してあまりにも優先して融解す
るため、トナー樹脂成分と必ずしも親和性が十分とは言
えないワックス分があらかじめ被定着物に浸透してしま
い後から融解する樹脂分の浸透を妨げる。この結果トナ
ー像の定着性は不十分となる。またフラッシュ定着時に
はトナーの急激な粘度低下を助長するためかボイドの抑
制効果は発揮されないばかりか、かえってボイドを生じ
やすくなる。
【0026】ワックスの融解熱Qが251J/gより大
きいと、定着時にトナー像底部のワックスの溶融が十分
ではなくなり、被定着物と溶融トナーとの界面に存在す
る不完全溶融状態のワックスが溶融トナーの被定着物へ
の浸透を妨げ定着性に悪影響をもたらす。とくにトナー
像との接触時間が短い高速の熱ローラー定着方式、短時
間の光照射によりトナー像表面のみが瞬間的に高温にな
りトナー像底部との温度差が大きいフラッシュ定着方式
においてはこの傾向が顕著になる。
【0027】ワックスの含有量は、トナー組成物の好ま
しくは0.5〜9重量%、より好ましくは1〜6重量%
である。ワックスの含有量があまりに少ないと、耐オフ
セット性、フラッシュ定着時のボイドの改善効果等が不
十分となる。含有量があまりに多いとワックスと樹脂と
の相溶性が悪くなりトナー粒子の強度が低下したり、ま
たトナー粒子表面に多数露出したワックス粒子により感
光体に対してフィルミングを起こしやすくなる。
【0028】本発明におけるトナー組成物の100℃に
おける見掛粘度Aは5×103 Pa・s≦A≦5×10
5 Pa・s、好ましくは1×104 Pa・s≦A≦3×
105 Pa・sである。100℃における見掛粘度Aが
5×105 Pa・sより大きいと、定着性が不良とな
る。またAが5×103 Pa・sより小さいと保存性が
不良となるばかりでなく、耐オフセット性の制御が難し
くなる。また本発明におけるトナー組成物の120℃に
おける見掛粘度Bは5×102 Pa・s≦B≦5×10
4 Pa・s、好ましくは1×103 Pa・s≦B≦3×
104 Pa・sである。120℃における見掛粘度Bが
5×104 Pa・sより大きいと定着性が不良となる。
とくに熱定着手段がフラッシュ定着である場合この傾向
が顕著である。理由は必ずしも明らかではないが、非接
触定着方式であるフラッシュ定着では熱ロール定着にお
けるようなトナー像への物理的な圧力が存在せず、定着
は専らトナー像の自己流動化に起因する被定着物への浸
透に依存するためと考えられる。またBが5×102
a・sより小さいと耐オフセット性が不良となるととも
にフラッシュ定着時にはボイドが多数発生する。
【0029】本発明のトナー組成物により顕像化される
静電潜像を保持する静電潜像担持体としては、正帯電
型、負帯電型どちらの感光体でも使用することができる
が、環境に与える影響からは正帯電型のものが好まし
い。負帯電型の感光体の場合、コロナ放電により人体に
有害なオゾンが多量に発生する。正帯電型の感光体とし
ては、セレン系感光体、アモルファスシリコン感光体、
有機感光体が挙げられる。このうち廃棄時の環境に与え
る影響から、アモルファスシリコン感光体、有機感光体
は好ましい。ランニグコストが低くしかも高画質を得ら
れる有機感光体はとくに好ましい。有機感光体としては
単層型、積層型のどちらを使用してもかまわない。有機
感光体の電荷発生層は例えば、アゾ系顔料、フタロシア
ニン系顔料、インジゴ系顔料、多環キノン系顔料、ペリ
レン系顔料、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、ス
クワリリウム色素、トリフェニルメタン系色素を適当な
結着剤に分散し、塗工あるいは蒸着等により形成され
る。結着剤は広範囲な結着樹脂から選択することができ
る。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチ
ラール、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
【0030】本発明のトナー組成物としては、正帯電
性、負帯電性のどちらでも使用することができるが、正
帯電型の感光体を使用したレーザービームプリンタまた
はLEDプリンタに適用する場合には正帯電性であるこ
とが好ましい。
【0031】本発明のトナー組成物は磁性、非磁性にと
くに限定されないが、モノクロプリンタに適用する場合
には高速で回転する現像スリーブからのトナー飛散防
止、非印字部の白地汚れ低減等の面からは磁性トナーが
好ましい。磁性トナーとする場合、磁性体の割合はトナ
ー組成物中好ましくは5〜50重量%、より好ましくは
10〜40重量%である。磁性体の量があまりに多いと
相対的に樹脂分が少なくなり定着性が不良となる。また
磁性体の量があまりに少ないと磁性トナーのもつ好適な
性質が発揮されにくくなる。磁性体微粒子としては、例
えばMG−MK,MG−RF,A,MG−SH,MG−
Z,MG−WF,MG−WM,MG−WL(以上三井金
属工業社製)、MTS−005HD,MTH−009,
EPT−305,EPT−500,EPT−1000,
EPT−1000H,EPT−1001,EPT−10
02,MTO−021,EPT−L1000,MAT−
305,MAT−305HD,MAT−222,MAT
−222HD,MTA−740,MAT−230(以上
戸田工業社製)、KBC−100シリーズ,KBC−2
00シリーズ,KBFシリーズ,KBN−400シリー
ズ(以上関東電化工業社製)等公知のものが使用でき
る。
【0032】本発明の組成物の製造方法は特に限定され
るものではないが、好ましくは結着樹脂の軟化点以上の
温度で、結着樹脂、着色剤、ワックス、必要に応じて荷
電制御剤等種々の添加剤を二軸混練押出し機、加圧ニー
ダー等により均一に溶融混練する方法が挙げられる。
【0033】得られた組成物は、通常の粉砕、分級工程
を経て、平均粒径5〜15μm、好ましくは7〜13μ
mの粉体の形でトナーとして使用される。このときに、
流動性向上剤やクリーニング剤、滑剤等をトナー粒子に
外添して用いてもよい。外添のための粉体混合機として
は、ヘンシェルミキサー、マイクロスピードミキサー、
スーパーミキサー、ホモジェナイザー等の公知の混合機
を使用することができる。
【0034】流動性向上剤としては、平均粒径が好まし
くは0.005〜5μm、より好ましくは0.01〜1
μmの無機微粒子および/または有機微粒子を必要に応
じて添加することができる。無機微粒子としては酸化チ
タン微粒子、シリカ微粒子、酸化アルミ微粒子などを挙
げることができるが、高い流動性が得られる点から疎水
化処理されたシリカ微粒子は好ましい。有機微粒子とし
ては例えばシリコーン微粒子、アクリル系微粒子、ポリ
スチレン系微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒
子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等が挙げられる。具体
的には、酸化チタン微粒子としては例えばチタン工業社
製KA−100,KR−310,KA−TG、日本アエ
ロジル社製チタニウムオキサイドP25などが挙げられ
る。酸化アルミ微粒子としては日本アエロジル社製アル
ミニウムオキサイドCなどを使用することができる。ま
たシリカ微粒子としては、例えばアエロジル130、2
00、200V,200CF,300、300CF,3
80、OX50,TT600,OX50,MOX80,
MOX170,COK84,RX200,RY200,
R972,R974,R976,R805,R811,
R812,T805,R202,VT222,RX17
0,RXC,RA200,RA200H,RM50,R
Y200(以上日本アエロジル社製)、HDK H2
0,HDK H2000,HDK H3004,HDK
H2000/4,HDK H2050EP,HDK
H2015EP,HVK2150,HDK H3050
EP,HDK KHD50(以上ワッカーケミカル社
製)、カボシルL−90,LM−130,LM−15
0,M−5,PTG,MS−55,H−5,HS−5,
EH−5,LM−150D,M−7D,MS−75D,
TS−720,TS−610,TS−530 (以上キ
ャボット社製)等を使用することができる。シリコーン
微粒子としては、例えばトレフィルF−200,F−2
50,F−100,F−101,R−902,E−50
0,E−501,E−600,E−601,E602,
E−603(以上トーレ・シリコーン社製)などを挙げ
ることができる。
【0035】本発明のトナーを二成分現像剤として使用
する場合には、キャリアとしては鉄粉キャリア、フェラ
イトキャリア、マグネタイトキャリア、樹脂キャリア等
を用いることができるが、柔らかな穂立ちをつくり高画
質な画像を与える点、トナー成分付着による劣化(スペ
ント)を受けにくいことなどから樹脂キャリアは好まし
い。
【0036】ワックスの融解熱測定およびトナー組成物
のガラス転移点(Tg)測定は、ASTM D3418
−82に準じて初期昇温(昇温後200℃×5分保
持)、降温、再昇温の3種類のDSC曲線を測定した。
このうちワックス単体での再昇温曲線から計算される融
解熱をワックスの融解熱として採用した。またトナー組
成物の再昇温曲線から得られる吸熱ピークをトナー組成
物のガラス転移点(Tg)値として採用した。装置はパ
ーキンエルマー社製DSC−2C型を用い、窒素流30
ml/min、昇温速度10℃/min、降温速度10
℃/min、試料量5.0mgの条件で測定を行なっ
た。温度校正には高純度インジウム(Tm:156.6
0℃)を用い、データ処理は東レリサーチセンター作成
の処理システム“TRC−THADAP−DSC−2”
を使用して行なった。
【0037】トナー組成物の熱溶融特性は、島津製作所
製フローテスター CFT−20型を用い、1.0mm
Φ×1.0mmのダイを使用し、20kgの荷重を印加
し6℃/minの昇温速度の条件で測定した。
【0038】定着性試験、画質試験等の画像評価は、ト
ナー組成物とキャリアからなる現像剤をターンブラー、
V型混合機等を用いて作成し、フラッシュ定着方式のプ
リンタ(GPX−2150HH:東レ製)にて画像出し
を行ない測定した。定着性試験:キセノンランプに印加
されるフラッシュ電圧を下げてフラッシュエネルギーを
標準値から30%省エネルギーにした状態、18%省エ
ネルギーにした状態、標準状態の3条件で角ベタパター
ンを画像出しし、テープ剥離試験を行なった。テープ剥
離前と剥離後の反射濃度を反射濃度計(RD918:マ
クベス社製)で濃度測定し、その保持率を求めた。この
際画像濃度は1.2±0.1で行なった。
【0039】画質試験:標準のフラッシュ電圧で格子パ
ターンを画像出しし、50倍の実体顕微鏡写真を撮影し
ボイドの有無を判定した。
【0040】ブロッキング性試験:55℃に設定した恒
温槽中でトナー約50gを24時間暴露させ、白紙上に
取り出して目視によりトナーの凝集状態を評価した。凝
集物が存在しても、机上から白紙を持ち上げ、高さ5c
mから落下させて凝集物がほぐれる場合は実用上使用可
能であると判断した。
【0041】本発明の電子写真用トナー組成物は、フラ
ッシュ定着用電子写真用トナー組成物として特に好適に
用いられる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
実施例中の部数はすべて重量基準であり、また粒径もす
べて重量分布である。
【0043】〔実施例1〕ポリエステル樹脂(“タフト
ン”TTR−10:花王製、ガラス転移点64℃、軟化
点137℃、酸価15mgKOH/g)68.5部、磁
性体(EPT−500:戸田工業製)25.0部、正帯
電性帯電制御剤(FCA−201:藤倉化成製)3.0
部、カーボンブラック(“ラーベン”1250:コロン
ビアケミカル製)1.5部、ワックス(“ハイワック
ス”NP105:三井石油化学製)2.0部を撹拌混合
し、加圧ニーダーにて溶融混練し、冷却後、粉砕・分級
を行ない、平均粒径7.4μmのトナーを得た。さら
に、疎水性シリカ微粒子(HVK−2150:ワッカー
ケミカル製)をトナー100部に対し1.20部添加
し、撹拌機(スーパーミキサーSMB−20:カワタ
製)にて撹拌混合して、正帯電性トナーを得た。このト
ナー6部と平均粒径約45μmの磁性体分散型ポリエス
テルバインダキャリア(バインダ樹脂TTR−10)9
4部をV型混合機にて混合し現像剤を作成し、正帯電型
有機感光体を用い画像出しを行なった。
【0044】〔比較例1〕樹脂をスチレンアクリル樹脂
(“ニカライト”NC−6172:日本カーバイド製、
軟化点170℃、ガラス転移点71℃)、キャリアを平
均粒径約55μmの磁性体分散型スチレンアクリルバイ
ンダキャリア(バインダ樹脂NC−6172)とした他
は実施例1と同様にして平均粒径9.1μmのトナーお
よび現像剤を作成し、実施例1と同様にして画像出しを
行なった。
【0045】〔比較例2〕樹脂をポリエステル樹脂“タ
フトン”TTR−5(花王製、ガラス転移点60℃、軟
化点100℃、酸価3mgKOH/g)68.5部とし
た他は実施例1と同様にして平均粒径9.3μmのトナ
ーおよび現像剤を作成し、実施例1と同様にして画像出
しを行なった。
【0046】〔実施例2〕ポリエステル樹脂(“タフト
ン”TTR−10)83部、カーボンブラック(“ブラ
ックパールズ”130:キャボット社製)7部、負帯電
性帯電制御剤(“アイゼンスピロンブラック”TRH:
保土ヶ谷化学工業製)2部、ワックス(NPS−601
0:日本精蝋製)8部を撹拌混合し、2軸押出機にて溶
融混練し、冷却後、粉砕・分級を行ない、平均粒径10
μmのトナーを得た。さらに、疎水性シリカ微粒子(R
972:日本アエロジル製)をトナー100部に対し
0.20部添加し、撹拌機(“スーパーミキサー”SM
B−20:カワタ製)にて撹拌混合して、負帯電性トナ
ーを得た。このトナー10部と平均粒径約55μmのフ
ェライトキャリアをV型混合機にて混合し現像剤を作成
し、負帯電型有機感光体を用い画像出しを行なった。こ
のさい1千頁の印字を過ぎたあたりから、プリンタを設
置した部屋のオゾン臭がした。
【0047】〔実施例3〕ポリエステル樹脂(“タフト
ン”TTR−4:花王製、ガラス転移点75℃、軟化点
150℃、酸価20mgKOH/g)44.0部、ポリ
エステル樹脂(“タフトン”TTR−7:花王製、ガラ
ス転移点62℃、軟化点102℃、酸価20mgKOH
/g)44.0部、カーボンブラック(“リーガル”3
30:キャボット社製)5部、負帯電性帯電制御剤
(“ボントロン”S−34:オリエント化学製)2部、
ワックス(LUVAX1151:日本精蝋製)5部を、
撹拌混合し、2軸押出機にて溶融混練し、冷却後、粉砕
・分級を行ない、平均粒径8.5μmの負帯電性トナー
を得た。実施例2と同様にして現像剤を作成し画像出し
を行なった。このさい1千頁の印字を過ぎたあたりか
ら、プリンタを設置した部屋のオゾン臭がした。
【0048】〔比較例3〕ポリエステル樹脂TTR−4
を77.5部、TTR−7を10.5部とした他は、実
施例3と同様にして平均粒径7.8μmの負帯電性トナ
ーを得た。実施例2と同様にして現像剤を作成し画像出
しを行なった。このさい1千頁の印字を過ぎたあたりか
ら、プリンタを設置した部屋のオゾン臭がした。
【0049】〔実施例4〕ポリエステル樹脂(“タフト
ン”TTR−9:花王製、ガラス転移点69℃、軟化点
122℃、酸価20mgKOH/g)73.5部、磁性
体(MAT−305:戸田工業製)18.5部、正帯電
性帯電制御剤(“ボントロン”N−05:オリエント化
学製)3.5部、カーボンブラック(“モーガル”L:
キャボット製)2.0部、ワックス(HAD−508
0:日本精蝋製)2.5部を撹拌混合し、2軸押出機に
て溶融混練し、冷却後、粉砕・分級を行ない、平均粒径
7.9μmのトナーを得た。さらに、疎水性シリカ微粒
子 (HDK H3050EP:ワッカーケミカル製)
をトナー100部に対し0.90部添加し、撹拌機
(“スーパーミキサー”SMG−200:カワタ製)に
て撹拌混合して、正帯電性トナーを得た。このトナー9
部と平均粒径約50μmのマグネタイトキャリアをV型
混合機にて混合し現像剤を作成し、正帯電型アモルファ
スシリコン感光体を用い画像出しを行なった。
【0050】〔実施例5〕ポリエステル樹脂(“タフト
ン”TTR−2:花王正、ガラス転移点65℃、軟化点
135℃、酸価3mgKOH/g)62.1部、ポリエ
ステル樹脂(“タフトン”TTR−5)12.4部、磁
性体(EPT−1000:戸田工業性)20.0部、正
帯電性帯電制御剤(“ボントロン”N−01:オリエン
ト化学製)2.0部、カーボンブラック(REGAL3
30R:キャボット製)2.0部、ワックス(“ハイワ
ックス”405MP:三井石油化学製)1.5部を撹拌
混合し、2軸押出機にて溶融混練し、冷却後、粉砕・分
級を行ない、平均粒径8.4μmのトナーを得た。さら
に、疎水性シリカ微粒子(HVK−2150:ワッカー
ケミカル製)およびポリフッ化ビニリデン微粒子(“カ
イナ”500:エルフアトケムジャパン製)をトナー1
00部に対し、それぞれ0.75部および0.60部添
加し、撹拌機(“スーパーミキサー”SMG−200:
カワダ製)にて撹拌混合して、正帯電性トナーを得た。
このトナー11部と平均粒径約45μmの磁性体分散型
ポリエステルバインダキャリア(バインダ樹脂TTR−
2)89部とをV型混合機にて混合し現像剤を作成し、
正帯電型有機感光体を用い画像出しを行なった。
【0051】〔比較例4〕結着樹脂をポリエステル樹脂
“タフトン”TTR−12(花王製、ガラス転移点66
℃、軟化点150℃、酸価17mgKOH/g)74.
5部とした他は、実施例5と同様にしてトナー、現像剤
を作成し(キャリアバインダ樹脂TTR−9)、実施例
5と同様にして画像出しを行なった。
【0052】〔実施例6〕ポリエステル樹脂(“タフト
ン”TTR−2)62.1部、ポリエステル樹脂(“タ
フトン”TTR−5)12.4部、磁性体(EPT−1
000:戸田工業性)20.0部、正帯電性帯電制御剤
(“ボントロン”N−01:オリエント化学製)2.0
部、カーボンブラック(REGAL330R:キャボッ
ト製)2.0部、ワックス(“ハイワックス”405M
P:三井石油化学製)1.5部を撹拌混合し、2軸押出
機にて溶融混練し、冷却後、粉砕・分級を行ない、平均
粒径8.0μmのトナーを得た。さらに、疎水性シリカ
微粒子(HVK−2150:ワッカーケミカル製)およ
びポリフッ化ビニリデン微粒子(“カイナ”500:エ
ルフアトケムジャパン製)をトナー100部に対し、そ
れぞれ1.0部および0.8部添加し、撹拌機(“スー
パーミキサー”SMG−200:カワダ製)にて撹拌混
合して、正帯電性トナーを得た。実施例5と同様にして
現像剤を作成し、Se感光体を用いて画像出しを行なっ
た。
【0053】〔比較例5〕ワックスを“ビスコール”6
60P(三洋化成工業製)とした他は実施例6と同様に
して、トナー、現像剤を作成し、実施例6と同様にして
画像出しを行なった。
【0054】〔比較例6〕ワックスを“ハイワックス”
200P(三井石油化学製)とした他は実施例6と同様
にして、トナー、現像剤を作成し、実施例6と同様にし
て画像出しを行なった。
【0055】〔実施例7〕ポリエステル樹脂を“タフト
ン”TTR−6(花王製、ガラス転移点63℃、軟化点
115℃、酸価10mgKOH/g)73.0部、帯電
制御剤を“ボントロン”N−05 (オリエント化学
製)2.0部、ワックスを“ハイワックス”NP105
(三井石油化学製)3.0部とした他は実施例6と同様
にして粒径8.1μmの正帯電性トナーを得た。実施例
1と同様にして現像剤を作成し、実施例1と同様にして
画像出しを行なった。
【0056】〔実施例8〕ワックスを“ハイマー”33
0Pとした他は実施例7と同様にして粒径10μmの正
帯電性トナーを得た。実施例1と同様にして現像剤を作
成し、実施例1と同様にして画像出しを行なった。
【0057】〔比較例7〕ワックスを“ビスコール”5
50Pとした以外は、実施例7と同様にして粒径8.4
μmの正帯電性トナーを得た。実施例1と同様にして現
像剤を作成し、実施例1と同様にして画像出しを行なっ
た。
【0058】〔実施例9〕ポリエステル樹脂TTR−2
を56.0部、TTR−5を7.0部、磁性体EPT−
1000を31.5部、シリカHVK−2150を1.
4部とした他は実施例6と同様にして粒径6.8μmの
正帯電性トナーを得た。実施例1と同様にして現像剤を
作成し、実施例1と同様にして画像出しを行なった。
【0059】〔実施例10〕実施例1〜9、比較例1〜
7で作成したトナー組成物の見掛け粘度、含有ワックス
の融解熱および定着性試験、画質試験、ブロッキング性
試験等の各種の測定結果を表1にまとめた。スペントの
有無は30万頁のランニングを行なった後の現像剤の帯
電量低下を調べ判断した。スペントはキャリア表面にト
ナー成分が付着汚染するものであるので、スペントの割
合に応じてキャリアの帯電能力が劣化し現像剤の帯電量
は低下する。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、低
温定着性に優れ、ボイドのない高画質な画像を与え、ま
た現像機内の撹拌環境下においてもスペントを発生しな
いフラッシュ定着電子写真方式に好適なトナー組成物を
与えることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着樹脂、着色剤およびワック
    スからなる熱定着用トナー組成物であって、該ワックス
    の融解熱Qが84J/g≦Q≦251J/gであり、か
    つトナー組成物の100℃での見掛け粘度をA、120
    ℃での見掛け粘度をBとしたとき、5×103 Pa・s
    ≦A≦5×105 Pa・s、かつ5×102 Pa・s≦
    B≦5×104 Pa・sであることを特徴とする静電潜
    像現像用トナー組成物。
  2. 【請求項2】ワックスの含有量が、トナー組成物の0.
    5〜9重量%であることを特徴とする請求項1記載の静
    電潜像現像用トナー組成物。
  3. 【請求項3】結着樹脂が、ガラス転移点が55℃〜70
    ℃の範囲にあるポリエステル樹脂であることを特徴とす
    る請求項1記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  4. 【請求項4】結着樹脂が、酸価が1〜30mgKOH/
    gのポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1
    記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  5. 【請求項5】トナーが正帯電性であることを特徴とする
    請求項1記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  6. 【請求項6】トナーが磁性体を5〜50重量%含有する
    磁性トナーであることを特徴とする請求項1記載の静電
    潜像現像用トナー組成物。
  7. 【請求項7】トナーが正帯電型の静電潜像担持体上に現
    像されることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像
    用トナー組成物。
  8. 【請求項8】静電潜像担持体が有機感光体、アモルファ
    スシリコン感光体またはセレン感光体のいずれかである
    ことを特徴とする請求項7記載の静電潜像現像用トナー
    組成物。
  9. 【請求項9】トナーが結着樹脂中に磁性粉を分散させた
    樹脂キャリアとの混合撹拌により摩擦帯電することを特
    徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー組成物。
  10. 【請求項10】熱定着手段がフラッシュ定着であること
    を特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー組成
    物。
JP6603096A 1996-03-22 1996-03-22 電子写真用トナー Pending JPH09258471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6603096A JPH09258471A (ja) 1996-03-22 1996-03-22 電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6603096A JPH09258471A (ja) 1996-03-22 1996-03-22 電子写真用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09258471A true JPH09258471A (ja) 1997-10-03

Family

ID=13304109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6603096A Pending JPH09258471A (ja) 1996-03-22 1996-03-22 電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09258471A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6528221B2 (en) 2000-11-21 2003-03-04 Fujitsu Limited Flash fixing toner and fabrication method therefor
US7785760B2 (en) 2006-01-18 2010-08-31 Ricoh Company Limited Toner and method of preparing the toner
JP2012247776A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Xerox Corp ハイパー着色された黒色低温溶融トナー
DE10300147B4 (de) 2002-01-07 2019-02-07 Kao Corporation Toner

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6528221B2 (en) 2000-11-21 2003-03-04 Fujitsu Limited Flash fixing toner and fabrication method therefor
DE10300147B4 (de) 2002-01-07 2019-02-07 Kao Corporation Toner
US7785760B2 (en) 2006-01-18 2010-08-31 Ricoh Company Limited Toner and method of preparing the toner
JP2012247776A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Xerox Corp ハイパー着色された黒色低温溶融トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3056122B2 (ja) 非磁性一成分用フルカラートナー
JP4680049B2 (ja) 静電荷像現像用トナー並びに現像剤及び画像形成方法
WO2004031865A1 (ja) 電子写真用キャリア
JP2000010337A (ja) トナー、二成分現像剤及び電子写真装置
US6924075B2 (en) Dry toner composition
JP2012215810A (ja) 電子写真現像用トナー、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
AU2008203394B2 (en) Electrophotographic toner, developer for electrophotography using the toner, process cartridge, and image forming apparatus using the same
JP4337221B2 (ja) 静電荷現像用トナー
JP2004053705A (ja) 電子写真用トナー
JPH08106173A (ja) 現像剤
JPH09258471A (ja) 電子写真用トナー
JP4784519B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2002341587A (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JP2000267354A (ja) 電子写真用トナーの製造方法、並びに画像形成装置及び方法
JP2003248340A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH1010789A (ja) 静電潜像現像用キャリア
JP3959679B2 (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JP4440082B2 (ja) 磁性キャリア及び二成分系現像剤
JP2002148844A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH1010788A (ja) 静電潜像現像用キャリア
JP2003156877A (ja) トナー、画像形成方法及び画像形成装置
JP2001350292A (ja) フラッシュ定着用トナー
JP2004053995A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2003280275A (ja) 正帯電性緑色トナー
JP2003248341A (ja) 静電荷像現像用トナー