JPH09258442A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JPH09258442A
JPH09258442A JP6969396A JP6969396A JPH09258442A JP H09258442 A JPH09258442 A JP H09258442A JP 6969396 A JP6969396 A JP 6969396A JP 6969396 A JP6969396 A JP 6969396A JP H09258442 A JPH09258442 A JP H09258442A
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JP
Japan
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acid
photosensitive resin
resin composition
epoxy
average particle
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Application number
JP6969396A
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English (en)
Inventor
Masao Suzuki
雅雄 鈴木
Mineo Kawamoto
峰雄 川本
Junichi Katagiri
純一 片桐
Masanori Nemoto
政典 根本
Satoru Amo
天羽  悟
Haruo Akaboshi
晴夫 赤星
Akio Takahashi
昭雄 高橋
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】めっき金属との接着性,解像性,光硬化性,熱
硬化性及び、耐熱性等に優れ、現像液としてアルカリ水
溶液、あるいは非ハロゲン系有機溶媒を含む水溶液が使
用可能な感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】酸変性エポキシアクリレートと、熱硬化性
エポキシ樹脂と、カルボン酸末端アクリロニトリルブタ
ジエンゴムとエポキシ樹脂との反応物と、光重合開始剤
と、熱硬化剤とを含む感光性樹脂組成物に、エポキシ変
性ポリブタジエンと、平均粒径の異なる酸またはアルカ
リ水溶液に可溶な無機質フィラとを配合とする。 【効果】本発明の感光性樹脂組成物を使用することによ
り、アンカー効果が有効に働きめっき銅との接着性を向
上できるため、高密度で高信頼性に富んだビルトアップ
方式のプリント配線板が提供できる。また、環境面や安
全面からも問題のない処理法を使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビルトアップ方式プ
リント配線板に使用するフォトビアホール形成用の感光
性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩に伴い各種電子機
器に使用する高密度多層プリント配線板が求められてい
る。その多層プリント配線板の製造方法として導体回路
と有機絶縁層とを交互に積層させかつ、配線をビアホー
ルで接続するビルトアップ方式の開発が進められてい
る。
【0003】ビルトアップ方式によるプリント配線板に
用いる層間絶縁材料として、一般の感光性樹脂組成物で
あるソルダーレジストを使用すると、樹脂とめっき金属
との接着性が低いため、めっき膜がふくれたり、はんだ
耐熱性が低い等の問題がある。
【0004】この問題を解決するために感光性樹脂組成
物にめっき金属との接着性を高める特殊な樹脂を用いた
り、フィラを配合しこれを何らかの方法を用いて粗化し
て、粗化面のアンカー効果を利用してめっき銅との接着
を高める方法が知られている。例えば特開平4−148590
号公報には感光性樹脂としてある種のエポキシ樹脂が開
示されている。しかし、めっき配線との接着性が過マン
ガン酸塩水溶液で粗化しても1kgf/cm2以下と小さい。
また、その現像には引火性のプロピレンカーボネート,
シクロヘキサノン、及びガンマブチルラクトンの混合物
を使用しなければならないという問題がある。また、特
公平6−240221 号公報には、樹脂組成物中に酸化剤に対
して溶解性が高い硬化処理された樹脂微粉末と、酸化剤
に対して溶解性が低い樹脂微粉末とを添加する方法が開
示されている。しかし、この方法では樹脂の粗化に安全
性、および作業性上問題があるクロム酸を使用しなけれ
ばならない。さらに、特開平5−7081 号公報には、酸に
可溶なフィラを添加したソルダーレジストを用いる例が
開示されている。この方法では、酸処理をするに先立っ
てプラズマアッシングをしなくてはならないという問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
ようなフォトビアホール形成用の層間絶縁材料として使
用できる感光性樹脂組成物において、特に過マンガン酸
塩水溶液で粗化してめっきとの接着性を高める感光性樹
脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の感光性樹脂組成物は、(a)酸変性エポキ
シアクリレートと、(b)熱硬化性エポキシ樹脂、
(c)カルボン酸末端アクリロニトリルブタジエンゴム
とエポキシ樹脂との反応物と、(d)光重合開始(e)
熱硬化剤からなる感光性樹脂組成物に、(f)エポキシ
変性ポリブタジエン(g)と平均粒径の異なる2種以上
の無機質フィラ混合体とを配合した。
【0007】以下に、更に詳細に本発明の説明をする。
(f)エポキシ変性ポリブタジエンとしては、ブタジエ
ン、あるいはアクリロニトリルブタジエン共重合体等の
分子内の二重結合の一部をエポキシ化したものが使用で
きる。(g)成分の酸可溶な無機質フィラとしては、炭
酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化アルミニウム
等が用いられ、単独、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。この無機質フィラは、平均粒径1
〜4μmのフィラと、平均粒径1μm以下のフィラと
を、重量比1:2〜2:1で配合してなる混合物を用い
ることができる。前記(a),(b),(c)の合計90
〜60重量部に対し、前記(f)成分は1〜10重量
部、前記(g)成分は10〜40重量部含むことが望ま
しい。
【0008】本発明で使用する前記(a)成分のエポキ
シアクリレートとしては、フェノールノボラック型,ク
レゾールノボラック型,ビスフェノールA型,ビスフェ
ノールF型,水添ビスフェノールA型,グリシジルエー
テル型あるいはそれらのハロゲン化エポキシ樹脂にアク
リル酸やメタクリル酸などの感光基を付加し、さらに上
記のエポキシアクリレートの水酸基に飽和あるいは不飽
和多塩基酸無水物を作用させてカルボン酸を付与したも
のも使用できる。使用する酸無水物としては無水マレイ
ン酸,無水コハク酸,無水イタコン酸,無水フタル酸,
無水テトラヒドロフタル酸,無水ヘキサヒドロフタル
酸,無水メチルヘキサヒドロフタル酸,無水エンドメチ
レンテトラヒドロフタル酸,無水メチルエンドメチレン
テトラヒドロフタル酸,無水クロレンド酸,無水メチル
テトラヒドロフタル酸,無水トリメリット酸,無水ピロ
メリット酸,無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸など
が使用できる。
【0009】前記(b)成分の熱硬化性エポキシ樹脂と
しては、フェノールノボラック型,クレゾールノボラッ
ク型あるいはそれらのハロゲン化エポキシ樹脂,ビスフ
ェノールA型,ビスフェノールF型,水添ビスフェノー
ルA型,グリシジルエーテル型あるいはそれらのハロゲ
ン化エポキシ樹脂を使用することができる。
【0010】前記(c)成分のカルボン酸付加アクリロ
ニトリルブタジエンゴムとエポキシ樹脂との反応物は、
分子量3000〜5000のアクリロニトリルブタジエ
ンゴムに公知の方法でカルボン酸を付加したものや、カ
ルボン酸付加アクリロニトリルブタジエンゴムと、フェ
ノールノボラック型,クレゾールノボラック型あるいは
それらのハロゲン化エポキシ樹脂や、ビスフェノールA
型,ビスフェノールF型,水添ビスフェノールA型,グ
リシジルエーテル型あるいはそれらのハロゲン化エポキ
シ樹脂を反応させて得られる。このようなカルボン酸付
加アクリロニトリルブタジエンゴムとエポキシ樹脂との
反応物としては大都産業製のDT−8208や大日本インキ
工業製TSR−960等がある。
【0011】前記(d)成分の光重合開始剤としてはベ
ンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、アセトフェノン、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−
ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン、2,2−ジ
エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジク
ロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)
フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォ
リノフェニル)ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセ
トフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルア
ントラキノン、2−tブチルアントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2,4
−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アセ
トフェノンジメチルケタール、メチルベンゾフェノン、
4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジ
エチルアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパノン、1−(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパノン、ビス(ソクロペンタジエニル)−ビ
ス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタ
ニウム、ミヒラーズケトン等を単独、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。さらに上記の光重
合開始剤はN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエス
テル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエス
テル、N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、トリエ
タノールアミン、トリエチルアミンのような光増感剤を
単独、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0012】前記(e)成分の熱硬化剤としてはジアミ
ノジフェニルスルホン,ジアミノジフェニルメタン,ピ
ペリジン,テトラメチルグアニジン等のアミノ系硬化
剤,無水トリメリット酸,テトラヒドロ無水フタル酸,
ヘキサヒドロ無水フタル酸,ポリアゼライン酸無水物等
の酸無水物類,2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シ
アノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2,4−ジアミノ−6−(2−ウンデシルイミダゾリル
−(1))−エチル−S−トリアジン、1−ドデシル−
2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウム・クロライド
等のイミダゾール類,三フッ化ホウ素アミン錯体,ジシ
アンジアミド及びその誘導体,有機酸ヒドラジッド,メ
ラミン,芳香族ジアゾニウム塩,ジアリルヨードニウム
塩,トリアリルスルホニウム塩,フェノール樹脂,アミ
ノ樹脂,ポリビニルフェノール等が用いられ、単独、あ
るいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】前記(f)成分の分量は樹脂総重量90〜
60重量部に対して1〜30重量部が良く、好ましくは
1〜10重量部が良い。30重量部よりも多いと解像性
が低下する。前記(g)成分の使用量は樹脂総重量に対
して10〜40重量部が良い。10重量部よりも少ない
と粗化の効果が少なく、40重量部より多いと活性エネ
ルギー線を散乱して解像度低下を引きおこし微細なビア
ホールを開けることができなくなる。
【0014】このようにして得られる本発明の樹脂組成
物には、さらに必要に応じて2−ヒドロキシエチルアク
リレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,N−
ビニルピロリドン等の公知の光重合性モノマーを希釈剤
として使用できる。フタロシアニン・ブルー,フタロシ
アニン・グリーン,酸化チタン,カーボンブラック等の
公知慣用の着色用顔料,消泡剤またはレベリング剤等の
各種添加剤、あるいはハイドロキノン,ハイドロキノン
モノメチルエーテル,ピロガロール,tブチルカテコー
ル,フェノチアジン等の公知の重合禁止剤を加えてもよ
い。
【0015】上記の樹脂組成物は、有機溶剤に溶解して
液状として使用できる。使用する有機溶媒としてはメチ
ルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素類,セロソルブ,ブ
チルセロソルブ等のセロソルブ類,カルビトール,ブチ
ルカルビトール等のカルビトール類,酢酸エチル,酢酸
ブチル,セロソルブアセテート,ブチルセロソルブアセ
テート,カルビトールアセテート,ブチルカルビトール
アセテート等の酢酸エステル類等がある。
【0016】以上の感光性樹脂組成物は、内層プリント
配線板の上に塗布し乾燥して、活性エネルギー線を照射
して必要部分を光硬化して、現像液で未露光部を溶解す
ることによりビアホールが形成できる。さらに必要なら
ば後露光工程を加えた後、加熱により硬化する。こうし
て得られたビアホールを有する層間絶縁層表面の樹脂部
を過マンガン酸塩水溶液で粗化し前記(g)成分の無機
フィラを露出させ、その後、硫酸、あるいは塩酸による
酸処理でこのフィラを溶かして良好な粗化面を得る。こ
れにめっき触媒を付与し、めっきをして回路を形成す
る。
【0017】本発明の感光性樹脂組成物の内層プリント
配線板への塗布方法としては、スクリーン印刷法,ロー
ルコーター法、あるいはカーテンコーター法等の公知の
方法を用いることができる。塗布後、加熱して乾燥を行
う。乾燥温度は30℃〜100℃、好ましくは50℃〜8
0℃がよい。温度が低いと乾燥が進まず、高いと熱硬化
エポキシ樹脂が硬化してしまい、現像できなくなる。乾
燥時間は15分〜2時間、好ましくは20分〜40分が
よい。時間が短いと乾燥が進まず、長いと露光前に硬化
してしまう。
【0018】上記した感光性組成物を硬化させるための
露光用活性エネルギー線の照射光源としては低圧水銀
灯,中圧水銀灯,高圧水銀灯,超高圧水銀灯,キセノン
ランプまたはメタルハライドランプ等が適当である。露
光量は100〜2000mJ/cm2、好ましくは200
〜1000mJ/cm2がよい。露光量が少ないと硬化せ
ず、多いと解像度が落ちる。その他、レーザー光線など
も露光用活性エネルギー線として利用することができ
る。
【0019】本発明の樹脂の現像は配線板に現像液をス
プレーで吹き付けるスプレー現像法や、現像液に配線板
を浸漬させ振動させるディップ現像法等、公知の方法が
使用でき、現像液の温度は10℃〜50℃、好ましくは
30℃〜40℃がよい。温度が低いと現像できず、高い
と光硬化部分が溶解してしまう。現像液としては、炭酸
ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液や、ジエチレング
リコールモノブチルエーテルに硅酸ナトリウム,硅酸カ
リウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リ
チウム,第三燐酸ナトリウム,第三燐酸アンモニウム,
第二燐酸ナトリウム,第二燐酸アンモニウム,ホウ酸ナ
トリウム,ホウ酸アンモニウム,アンモニア等のような
無機アルカリ剤や、及びモノメチルアミン,ジメチルア
ミン,トリメチルアミン,モノエチルアミン,ジエチル
アミン,トリエチルアミン,モノイソプロピルアミン,
ジイソプロピルアミン,トリイソプロピルアミン,n−
ブチルアミン,モノエタノールアミン,ジエタノールア
ミン,トリエタノールアミン,モノイソプロパノールア
ミン,ジイソプロパノールアミン,エチレンイミン,エ
チレンジアミン,ピリジン等のようなアルカリ有機アミ
ン化合物を溶解してアルカリ性とした水溶液が使用でき
る。これらは単独、あるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。アルカリ剤の含有量は使用時の現像
液の総重量に対して0.1〜5.0重量%が好適である。
0.1重量% よりも少なくなると未硬化感光層の除去が
不完全となり、5重量%よりも多くなると感光層の機械
的,化学的強度が劣化するようになる。ジエチレングリ
コールモノブチルエーテルの含有量は使用時の現像液の
総重量に対して10〜90重量%が好適である。少ない
と未硬化感光層の除去が不完全となり、多いと感光層の
機械的,化学的強度が劣化する。
【0020】現像後、本発明の樹脂組成物を硬化するた
めに必要なら後露光をしてもよい。これは、深部の硬化
性を増加させ、ビアホール形状を保つ効果がある。その
照射光源としては低圧水銀灯,中圧水銀灯,高圧水銀
灯,超高圧水銀灯,キセノンランプまたはメタルハライ
ドランプ等が適当である。露光量は500〜2000m
J/cm2 がよい。次に加熱硬化する。加熱温度は100
℃〜200℃が好ましく、温度が低いと樹脂と内層金属
との接着力が低くなり、高いと粗化されにくくなり、め
っき金属との接着力が低くなる。硬化時間は15分〜1
時間が良い。時間が短いと硬化不足となり内層金属との
接着力や耐熱性が低くなり、長いと粗化されにくくな
り、めっき金属との接着力が低くなる。
【0021】次に、酸化剤で感光性樹脂層表面を粗化さ
せる。酸化剤としては過マンガン酸塩を使用する。更
に、無機フィラを溶かして粗化を進めるため、上と同様
にして硫酸あるいは塩酸を用いて酸処理を行う。なお、
この粗化を効果的に行わせることを目的として予め前記
感光性樹脂表面を例えば微粉研磨剤等を用いてポリシン
グや液体ホーニングする等の研磨手段によって軽く研磨
し、そのあとに過マンガン酸塩で粗化することができ
る。
【0022】以上の処理をした絶縁層は公知の無電解め
っき反応の触媒を付着させ、活性化処理を施す。次い
で、無電解めっきや無電解めっきと電気めっきを併用し
て、フルアディティブ法やセミアディティブ法、または
サブトラクティブ法などで配線を形成する。
【0023】このようにして、本発明の感光性樹脂組成
物は、めっき金属との接着性が1.2kgf/cm2以上,解像
度が50μm,はんだ耐熱性が260℃で60秒以上、
またガラス転移温度Tgが100℃以上と優れた特性を
有し、図1に示すごとくビルトアップ方式のプリント配
線板を作製することができる。
【0024】本発明の感光性樹脂組成物は、前記(f)
成分のエポキシ変性ポリブタジエンを配合することで過
マンガン酸塩での粗化性が向上し、さらに前記(g)成
分のフィラでアンカー効果を大きくしてめっき配線の接
着力が高まる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に実施例及び比較例を示して
本発明を具体的に説明する。なお、部とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。
【0026】本発明の感光性樹脂組成を実施例1〜1
2、また比較例1〜6を表1に示した。比較例は、
(f)成分を含まない点、あるいは単一の平均粒径の
(g)成分を用いている点が実施例と異なる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】(1)a成分 R5259:日本化薬製の酸無水物変性エポキシアクリ
レート樹脂 a−2:東京化成工業製フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂YD−014の1当量とメタクリル酸の1.05
当量とを反応させて得られる反応物に無水フタル酸の
0.65 当量をプロピレングリコールメチルエーテルア
セテートを溶媒として常法により反応させた。このもの
はプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを4
0部含んだ液体であり混合物として68.5mgKOH/
g の酸価を示した。以下、これを樹脂(a−2)と略
記する。
【0030】(2)b成分 Ep834:エポキシ当量230〜270の油化シェル
製固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂 Ep1001:エポキシ当量450〜500の油化シェ
ル製固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂 ESCN195:エポキシ当量190〜205の住友化
学製固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 BREN105:日本化薬製臭素化フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂 (3)c成分 DT−8208:末端がカルボン酸化されたアクリロニ
トリルブタジエンゴム(ハイカCTBN)とビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂とを1:1で反応させた大都産業
製のエポキシ当量400の樹脂 TSR−960:末端がカルボン酸化されたアクリロニ
トリルブタジエンゴム(ハイカCTBN)とビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂とを1:1で反応させた大日本イ
ンキ工業製のエポキシ当量240の樹脂 (4)d成分 I−651:チバガイギ製の光硬化剤、化学名2,2−
ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン I−907:チバガイギー製の光硬化剤、化学名2−メ
チル−1−(4−メチル)フェニル)−2−モルフォリ
ノプロパノン DETX−S:日本化薬製の光硬化剤、化学名2,4−
ジエチルチオキサントン (5)e成分 C11Z−AZIN:融点184〜188℃の四国化成
工業製の熱硬化剤 H2400:日立化成工業製のアルキル変性フェノール
樹脂 (6)f成分 R45EPI:ナガセ化成製のエポキシ変性ポリブタジ
エン (7)g成分 NS#600:日東粉化(平均粒径1.48μm) ニトレックス23P:日東粉化(平均粒径0.94μ
m) ニトレックス30P:日東粉化(平均粒径0.74μ
m) (11)その他 DPCA−60:日本化薬製の分子量1260の6官能
性アクリルモノマー クリスタライト5X:龍森製の酸化ケイ素 SC5570:東レシリコーン製の消泡剤 表1中の各樹脂成分を混合した後3本ロールにより混練
し調製した。この組成物を厚さ18μmの銅箔の内層配
線を有するガラスエポキシ基材の全面にスクリーン印刷
法により塗布し、60℃で30分間加熱して乾燥させて
テストピースを作製した。
【0031】(評価方法)得られた樹脂組成物について
現像性,解像性,耐熱性,めっき金属との接着性、及び
Tgについて以下の方法で試験した。
【0032】(1)現像性 試料を1重量%炭酸ナトリウム水溶液(以下アルカリ現
像液と略記する)及び、20重量%ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルと0.8 重量%のホウ砂ナトリウ
ム水溶液(以下、水系現像液と略記する)を用いて30
℃で1.5 分間スプレー現像した。現像後、3分間水洗
した。乾燥後、光学顕微鏡で観察し、現像性を評価し
た。評価の基準は次の通りである。
【0033】〇:現像性の良好なもの(内層配線上に樹
脂が全く残らないもの) △:現像性のやや不良なもの(内層配線上に樹脂が若干
残るもの) ×:現像性の不良なもの(内層配線上に樹脂がほとんど
残るもの) (2)解像性 10〜250μm,10μmごとに穴がプリントしてあ
るマスクを介して、高圧水銀ランプで300mJ/cm2
露光した後、上と同様にして1%炭酸ナトリウム水溶液
で現像した。乾燥後にSEMで観察し、最も小さい径が
現像されたビアホールの径を記入した。
【0034】(3)耐熱性,めっき金属との接着性 耐熱性,金属との接着性は、次のように試料を作製して
評価した。高圧水銀ランプで露光300mJ/cm2 照射
後、さらに1J/cm2 後露光した。そして150℃で1時
間加熱した。この試料を80g/l過マンガン酸カリウ
ム溶液を水酸化カリウムでpHを13に調整した化学粗
化液で50℃で5分間粗化し、中和した後水洗後50℃
の湯洗処理を5分間行った。次に6g/lの水酸化ナト
リウム水溶液で粗化残渣物を除去した。水洗後、無電解
めっき(化学めっき)反応の触媒となるパラジウムを含
有する触媒液(日立化成工業製HS101B)に5分間
浸漬し、水洗後、100ml/l塩酸水溶液で活性化し
た。この配線板を硫酸銅10g/l、エチレンジアミン
四酢酸30g/l、37%HCHO水溶液3ml/l、
α,α’−ジピリジル30mg/lを含み水酸化ナトリ
ウムでpHを12.5に調整した無電解銅めっき液に70℃
で10時間浸漬し約30μm厚の銅めっき膜を形成し
た。次に水洗した後に160℃で30分間後硬化した。
【0035】得られた試料を用いてJIS−C6481
法に従い、めっき金属との接着性はピール強度で評価
し、はんだ耐熱性は260℃のフロートで膨れの生じる
時間を測定した。
【0036】(4)Tg Tgは、次のように試料を作製して熱物理試験機(TM
A−3000、真空理工社製)を用いて評価した。表1
中のa,e,f、その他成分を3本ロールにより混練し
た後に残りの成分を加えて調製した組成物をポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの全面にスクリーン印刷法に
より塗布し、80℃で30分間加熱して乾燥させてテス
トピースを作製した。露光300mJ/cm2 照射後、高
圧水銀ランプで1J/cm2 後露光し、次に150℃で1
時間加熱し、さらに160℃で30分間後硬化した。こ
の試料を幅6mm,長さ25mmに切断し、膜厚1μmあた
り1.3g の荷重を加え、昇温速度毎分5℃の条件でフ
ィルムの伸びを測定した。この伸びの温度曲線の接線の
傾きが大きく異なる点の2本の接線の交点をTgとし
た。
【0037】実施例と比較例の結果を表2に示す。実施
例1〜3、および4〜7は、樹脂を同じにして2種類の
フィラを混合して使用している。実施例1に対して、
(f)成分を除いたものが比較例1である。また、これら
と同じ樹脂組成物で単独の粒径のフィラを添加した場合
を比較例2〜5に示す。特に、比較例5は、接着性向上
をねらってフィラを増量したものである。また、実施例
8〜12は樹脂組成を変えたものを試験した。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】ピール強度はこれらの実施例では1.5kgf
/cm2 以上であったのに対して、比較例では1kgf/cm2
未満であった。はんだ耐熱性は、実施例では60秒以上
の耐熱性があったのに対して、比較例では20秒以下で
あった。これは比較例が接着力がないためと考えられ
る。
【0041】解像度は実施例1〜3、および4〜7では
いずれも50μmのビアホールを得られたのに対して、
これらに対応する単独のフィラ径を用いた樹脂では、解
像度が落ちている。特に、接着力を上げるためにフィラ
を増量した比較例5では、得られたビアホールの径は1
30μmとかなり解像度が落ちていることが分かる。S
EMによる観察では、フィラを高充填したものは、露光
光が散乱されてテーパがついている。
【0042】以上の結果から従来のものと比較して、現
像性,解像性,めっき金属との接着性、及び耐熱性に優
れている感光性樹脂組成物が本発明で得られたことがわ
かる。
【0043】(実施例11)紫外線不透過タイプの18
μm厚銅の両面銅貼り積層板(日立化成工業社製;MC
L−67Nw)を用い、所定のエッチングにより内層電
源開路を形成した。該回路の銅箔表面を30℃の粗化液
(硫酸7ml/l+過硫酸アンモニウム塩180g/
l)で2分間処理して微細な凸凹を形成した。これを水
洗後、70℃の酸化膜形成液(リン酸3ナトリウム35
g/l+過塩素酸ナトリウム100g/l+水酸化ナト
リウム10g/l)で5分間処理して前記の凹凸面に超
微粒子状の酸化膜を形成し、水洗後、40℃の還元液
(ジメチルアミンボラン10g/l+水酸化ナトリウム
7g/l)で2分間処理して還元した。これを水洗後、
窒素ガスを吹き付けて水切りを行い乾燥した。
【0044】この内層回路板の片面に、実施例3に示さ
れる感光性樹脂をスクリーン印刷法により塗布し、60
℃で20分間加熱して乾燥させ、更に反対の面にも同様
にして塗布した後、60℃で30分間加熱して乾燥させ
た。両面とも、所定の位置に80μm径のビアホールを
印刷してあるマスクを介して、高圧水銀灯の平行紫外光
で400mJ/cm2 照射後、30℃1重量%炭酸ナトリ
ウム水溶液で150秒スプレー現像した。さらに1J/
cm2 露光した後、150℃で1時間加熱した。この試料
の感光性樹脂部を、80g/l過マンガン酸カリウム溶
液を水酸化カリウムでpHを13に調整した化学粗化液
で50℃で5分間粗化し、水洗後50℃の湯洗処理を5
分間行った。次に6g/lの水酸化ナトリウム水溶液で
粗化残渣物を除去した。更に、水洗し、無電解めっき
(化学めっき)反応の触媒となるパラジウムを含有する
触媒液(日立化成工業製HS101B)に2分間浸漬
し、再度水洗した後、100ml/l塩酸水溶液で活性
化した。この配線板を硫酸銅10g/l、エチレンジア
ミン四酢酸30g/l、37%HCHO水溶液3ml/
l、α,α′−ジピリジル30mg/lを含み水酸化ナ
トリウムでpHを12.5に調整した無電解銅めっき液に7
0℃で10時間浸漬し、ブラインドビアホール内及び配
線板表面に約30μm厚の銅めっき膜を形成した。これ
を、水洗した後に160℃で30分間加熱処理した。
【0045】めっき銅上にエッチングレジストを貼り付
けた後、銅をエッチングして回路を形成する。上記の手
順を順次繰り返し片面に2層の内層回路を形成し、最後
に最外層回路を形成した。図1に、作製手順の模式図
(A)〜(G)、ならびに作製した6層多層配線板(G)
を示す。
【0046】
【発明の効果】本発明になる感光性樹脂組成物は良好な
めっき金属との接着性を示し、なおかつ解像性,光硬化
性,熱硬化性及び、耐熱性等に優れ、現像液としてアル
カリ水溶液、あるいは非ハロゲン系有機溶媒を含む水溶
液が使用可能なため、高密度で高信頼性に富んだビルト
アップ方式のプリント配線板が提供できる。また、環境
面や安全面からも優れた製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による6層の配線を有する多層
プリント板の製造工程((A)〜(F))と、多層プリ
ント板(G)を示す。
【符号の説明】
1…銅貼り積層板、2…内層回路、3…感光性樹脂、4
…ビアホール、5…めっき銅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 純一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 根本 政典 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 天羽 悟 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 赤星 晴夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高橋 昭雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸変性エポキシアクリレートと、熱硬化性
    エポキシ樹脂と、カルボン酸末端アクリロニトリルブタ
    ジエンゴムとエポキシ樹脂との反応物と、光重合開始剤
    と、熱硬化剤とを含む感光性樹脂組成物において、エポ
    キシ変性ポリブタジエンと、平均粒径の異なる酸または
    アルカリ水溶液に可溶な無機質フィラとを配合したこと
    を特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の感光性樹脂組成物におい
    て、前記平均粒径の異なる酸またはアルカリ水溶液に可
    溶な無機質フィラとして、炭酸マグネシウムまたは炭酸
    カルシウム,水酸化アルミニウムの少なくとも1種類以
    上を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の何れかに記載の
    感光性樹脂組成物において、前記平均粒径の異なる酸ま
    たはアルカリ水溶液に可溶な無機質フィラとして平均粒
    径1〜4μmのフィラと、平均粒径1μm以下のフィラ
    とを、重量比1:2〜2:1で配合した混合物であるこ
    とを特徴とする感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の感光性樹脂組成物におい
    て、前記酸変性エポキシアクリレートと、前記熱硬化性
    エポキシ樹脂と、前記カルボン酸末端アクリロニトリル
    ブタジエンゴムとの合計90〜60重量部に対し、前記
    エポキシ変性ポリブタジエン成分を1〜10重量部、前
    記平均粒径の異なる酸またはアルカリ水溶液に可溶な無
    機質フィラ成分を10〜40重量部含むことを特徴とす
    る感光性樹脂組成物。
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