JPH09257858A - 地絡検出装置 - Google Patents

地絡検出装置

Info

Publication number
JPH09257858A
JPH09257858A JP8067712A JP6771296A JPH09257858A JP H09257858 A JPH09257858 A JP H09257858A JP 8067712 A JP8067712 A JP 8067712A JP 6771296 A JP6771296 A JP 6771296A JP H09257858 A JPH09257858 A JP H09257858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
ground fault
phase
zero
reference value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8067712A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3676486B2 (ja
Inventor
Yoshisuke Watanabe
義介 渡邊
Makoto Uryu
真 瓜生
Hiroshi Fukushima
浩 福島
Takanori Motoki
孝典 元木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYUSHU HENATSUKI KK
Original Assignee
KYUSHU HENATSUKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYUSHU HENATSUKI KK filed Critical KYUSHU HENATSUKI KK
Priority to JP06771296A priority Critical patent/JP3676486B2/ja
Publication of JPH09257858A publication Critical patent/JPH09257858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3676486B2 publication Critical patent/JP3676486B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも少ない数の係数を設定するだけ
で、真の電流値を求めることなく、地絡の発生を検出で
きる地絡検出装置を提供する。 【解決手段】零相電流演算手段5が、3つの電流センサ
1〜3により測定した三相の測定電流Iu´,Iv´及
びIw´をI0 ´=(AIu´+BIv´+CIw´)
/3の演算式に入力して相対的な零相電流I0 ´を周期
的に求める。係数自動設定手段6が補正係数A,B及び
CのうちのCを定数とし、地絡が発生していない状態で
I0 ´=0となるA及びBを求めて演算式にA,B,C
を入力する。地絡発生判定手段7は、相対的な零相電流
I0 ´の変化量が地絡試験に基いて予め定めた基準値以
上になると地絡が発生したと判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三相交流配電線の
零相電流に基いて配電線系統における地絡の発生を検出
する地絡検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術について説明する前に本願明細
書で使用する記号で示す量について説明する。本願明細
書において、Iu,Iv,Iw,Iu´,Iv´,Iw
´,I0 ,I0 ´,Vo,Vu,Vv,Vw,ΔI0
´,I0 ´avr の記号はベクトル量を示しており、A,
B,C,ΔI0 ref 等のその他の記号はスカラー量を示
している。
【0003】従来、三相交流配電線に対して設けられる
地絡検出装置では、まず三相交流配電線の各相に対して
設けた電流センサから得た測定電流Iu´,Iv´,I
w´を補正して真の三相電流Iu,Iv,Iwを求め
る。そして次に零相電流I0 をベクトル式I0 =(Iu
+Iv+Iw)/3を用いて演算により求める。そして
この零相電流I0 が、0であれば地絡は発生しておら
ず、零相電流が基準値よりも大きい場合には複数ある配
電線のどこかで地絡が発生したと判定する。
【0004】測定電流(ベクトル量)を補正するのは、
三相交流配電線に対して設けた電流センサが他の相の磁
界の影響を受ける場合があったり、またその電流センサ
自体の特性で出力に誤差が発生する場合があり、電流セ
ンサの出力が真の電流値を表していないからである。特
に、トロイダルコイルのように磁界の変化から対応する
相の電流を測定する電流センサでは、他相の磁界の影響
を強く受ける。そこで従来は、各電流センサの測定値I
u´,Iv´及びIw´をそのまま用いずに、これらの
測定値から真の電流値を求めて、その後で零相電流を演
算していた。
【0005】電流センサの出力を補正して磁界の影響を
除去する技術はすでにいくつか提案されている。出願人
の一人も先に特願平7−40037号により、磁界の影
響を除去する技術に関する発明を提案している。特願平
7−40037号に記載の発明は、電圧・電流・力率監
視装置に用いられる他相電流検出装置の磁界影響係数を
設定する発明に関するものである。先に提案した発明で
は、下記の(1)〜(3)式中の最適な磁界影響係数K
uu〜Kwwを自動で演算により求め、その磁界影響係数K
uu〜Kwwを他相電流検出装置の磁界影響除去装置に入力
して、真の電流値Iu〜Iwの測定を可能にする。
【0006】 Iu´=KuuIu+KuvIv+KuwIw …(1) Iv´=KvuIu+KvvIv+KvwIw …(2) Iw´=KwuIu+KwvIV+KwwIw …(3) 上記式で、Iu´〜Iw´が三相交流配電線の各相の配
電線に対して設けられた3つの電流センサにより測定し
た計測電流値(ベクトル量)であり、Iu〜Iwは他相
の影響を受けない真値(ベクトル量)である。
【0007】先に提案した発明では、9つの磁界影響係
数Kuu〜Kwwを未知数として、これら9つの未知数を演
算により決定していた。具体的には、各磁界影響係数に
ついて、電流センサの設定条件を考慮して複数の値(例
えば102 個)を用意し、各磁界影響係数の組み合わせ
[(102 9 個]について各相の補正測定値を求め、
その補正測定値から磁界影響係数が適正であるか否かを
判定し、適正と判定した9つの磁界影響係数を他相電流
検出装置の磁界影響除去装置に入力する。この設定は、
配電線に設置される電圧・電流・力率監視装置1台ずつ
に対して行われる。磁界の影響だけでなく、電流センサ
の特性から生じる誤差を補正する場合にも、9つの補正
係数を決定しなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のよ
うに真の電流値を求めるためには、9つの磁界影響係数
または補正係数を決定する必要があるため、演算ステッ
プが多くなる上、係数を決定するまでにかなり長い時間
を要する場合もある。地絡検出装置の設置個数は、1つ
の配電系統でも千個単位となる。そのため従来のように
補正係数を決定して、真の電流値を求めた後に零相電流
の演算を行って、地絡の発生を検出するようにすると、
1つの配電系統にすべての地絡検出装置を設置するに
は、かなりの時間を要することになる。
【0009】本発明の目的は、従来よりも少ない数の補
正係数を設定するだけで、真の電流値を求めることな
く、地絡の発生を検出できる地絡検出装置を提供するこ
とにある。
【0010】本発明の他の目的は、検出精度の高い地絡
検出装置を提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、補正係数の設定
が容易な地絡検出装置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、補正係数の設定精度
が高い地絡検出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、三相交流配電
線の零相電流に基いて配電線系統における地絡の発生と
発生方向を検出する地絡検出装置を改良の対象とする。
本発明の地絡検出装置では、三相交流配電線に対してそ
れぞれ設けられて対応する相から発生する磁界の変化か
ら対応する相の電流をベクトル量で検出する3つの電流
センサを用いる。この種の電流センサとしては、例えば
鉄心を有しないトロイダルコイルを用いた電流センサ
や、鉄心を有する変流器等がある。トロイダルコイルを
用いた電流センサは、他相の磁界の影響を必ず受けるた
め、その影響の補正は必須である。また鉄心を有する変
流器でも、構造によっては他相の磁界の影響を受ける場
合があり、またその特性から出力に誤差(比誤差や位相
誤差)が発生する場合が多い。
【0014】本発明では、零相電流演算手段によって3
つの電流センサにより測定した三相の測定電流Iu´,
Iv´及びIw´をI0 ´=(AIu´+BIv´+C
Iw´)/3の演算式に入力して相対的な零相電流I0
´を周期的に求める。但しA,B及びCは、他相の磁界
の影響またはその電流センサの特性から生じる誤差を補
正するための補正係数である。地絡の発生の検出のため
だけであれば、真の電流値を知る必要はなく、零相電流
を監視してその変化から地絡の発生を検出することが可
能である。そこで本発明では、9つの補正係数(未知
数)を決定して真の電流値を求める従来の技術を用いず
に、零相電流の相対的な変化を監視する目的のために3
つの係数をA,B及びCを用いることとした。I0 ´=
(AIu´+BIv´+CIw´)/3の式は、相対的
な零相電流を求めるための式であり、測定電流に誤差が
含まれていなければ、A,B及びCはすべて1になる。
しかしながら、実際に使用する電流センサからは誤差が
出力される。したがってA,B及びCの係数は、各電流
センサから出力される誤差を相対的に補正する補正係数
である。
【0015】本発明では係数自動設定手段を用いてこれ
らの補正係数を決定する。係数自動設定手段では、補正
係数A,B及びCのうちCを定数とする。Cを定数とす
ることにより、真の零相電流ではなく、相対的な零相電
流を求めることになる。真の零相電流を求めることがで
きるCの値を決定しようとすると、従来と同様に9つの
未知数を決定する必要性が出てくるが、Cを定数とする
ことにより、未知数はA及びBの二つとなる。係数自動
設定手段では、地絡が発生していない状態でI0 ´=0
となるA及びBを求めて前記演算式にA,B,Cを入力
する。本発明では、未知数が2つですむため、未知数を
簡単にしかも短い時間で決定することができる。
【0016】具体的には、A=αC及びB=βCとし
て、I0 ´=0となるα及びβを求めて、その結果から
上記演算式にA,B,Cを入力する。ベクトル量の式で
あるI0 ´=(AIu´+BIv´+CIw´)/3に
おいてI0 ´=0となる場合には、その式の実数部と虚
数部が共に0になる。実数部の式と虚数部の式の2つの
式からは、2つの未知数α及びβ(即ちA及びB)の解
を求めることができる。したがってCを定数とおくこと
により、簡単な式で補正係数A及びBを決定することが
できる。
【0017】なお補正係数の精度をより高めるために
は、決定した補正係数A,B,Cのうち中間値となる補
正係数の値を基準値として補正係数を正規化するのが好
ましい。例えば、BがAとCの中間の値であるとする
と、実際に設定する補正係数A´,B´及びC´をA/
B,B/B=1及びC/Bとする正規化を行う。このよ
うにするとCを定数とした場合でも、設定する補正係数
の精度がより高いものとなる。
【0018】Cを定数としたことから、零相電流演算手
段で求めた零相電流は真の零相電流ではなく相対的な零
相電流となる。したがって零相電流演算手段の出力を単
に基準値と対比するだけでは、正確に地絡の発生を検出
することができない。そこで本発明では、地絡発生判定
手段で、零相電流演算手段により求めた相対的な零相電
流I0 ´の変化量が地絡試験に基いて予め定めた基準値
(ベクトル量)以上になったときに地絡が発生したと判
定する。
【0019】ここで相対的な零相電流I0 ´の変化量と
は、単純には、周期的に出力される相対的な零相電流I
0 ´の偏差である。このような偏差を変化量としてもよ
い。しかしながら、ノイズが発生したり、地絡とは無関
係に過渡的に電流が大きく変化する場合があるため、地
絡の検出精度を高めるためには、過去の所定サイクル分
の相対的な零相電流I0 ´の平均値と零相電流演算手段
により演算した相対的な零相電流との偏差を変化量とす
るのが好ましい。このようにすると、検出誤差の発生を
抑制することができる。
【0020】また地絡試験に基いて予め定めた基準値
(ベクトル量)は、A,B及びCの値を設定した後に、
人工地絡試験を行って、その際に求められる相対的な零
相電流の変化量から決定する。したがって、設定した係
数の値、各電流センサの特性、各電流センサの設置状態
及び配電線の設置状態によって、この基準値は異なって
くる。そのため本発明では、この基準値を設定する基準
値設定手段を具備している。なお基準値の決定の際に、
相対的な零相電流を知ることができるようにするために
は、零相電流演算手段の演算結果を表示手段に表示でき
るようにする。基準値の決定は、作業者がマニュアルで
決定してもよい。その場合には、基準値設定手段は、基
準値の入力手段により構成される。また基準値の決定
を、自動化することも可能である。この場合には、人工
地絡試験前の相対的な零相電流と人工地絡試験時の相対
的な零相電流との偏差を求め、この値を基準にしてある
程度の余裕を見込んた値を基準値として決定するよう
に、基準値設定手段を構成すればよい。
【0021】なお地絡発生判定手段は、過去の所定サイ
クル分の相対的な零相電流の平均値を求める平均値演算
手段と、この平均値と零相電流演算手段により演算した
相対的な零相電流との偏差を求める偏差演算手段と、偏
差が前記基準値を超えたときに地絡の発生と判定する判
定手段とから構成できる。
【0022】本発明の地絡検出装置は、その地絡検出装
置が設置された配電線で地絡が発生したことを検出する
というよりは、その地絡検出装置が設置された配電系統
のどこかで地絡が発生したことを検出するものである。
本発明の地絡検出装置の検出結果は、配電系統全体にお
ける地絡の発生の有無と、地絡発生箇所の特定の用途に
用いられる。地絡検出装置が設置された配電線で地絡が
発生したか否かは、零相電圧V0 =(Vu+Vv+V
w)/3と零相電流I0 との位相角θが90度に近いか
否かによって判定する。零相電圧V0 =(Vu+Vv+
Vw)/3と零相電流I0 との位相角θが90度に近い
場合には、その配電線の機器設置箇所より負荷側で地絡
が発生したと判断することができる。また零相電圧V0
=(Vu+Vv+Vw)/3と零相電流I0 との位相角
θが270度に近い場合には、配電線の機器設置箇所よ
り電源側で地絡が発生していることを意味する。本発明
の地絡検出装置の検出結果は、例えば変電所の監視装置
のモニタに表示され、地絡箇所の特定や、地絡発生対策
のために利用される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施の形態の一例について詳しく説明する。図1は、本発
明の地絡検出装置の一例の構成を示すブロック図であ
る。同図において、1〜3は三相交流配電線の各相の配
電線に対して配置される電流センサであり、例えばトロ
イダルコイルやロゴスキーコイル等のように他相の磁界
の影響を受ける空芯コイルからなる電流センサである。
【0024】電流センサ1〜3の出力はアナログ−デジ
タル変換器即ちA/D変換器4に入力されてアナログ信
号からデジタル信号に変換される。A/D変換器4の出
力は、零相電流演算手段5に入力される。零相電流演算
手段5は、3つの電流センサ1〜3により測定した三相
の測定電流Iu´,Iv´及びIw´をI0 ´=(AI
u´+BIv´+CIw´)/3の演算式に入力して相
対的な零相電流I0 ´を周期的に求める。例えば、電源
周波数が60サイクルであれば、1/60秒毎に即ち1
サイクル毎にサンプリングを行って相対的な零相電流I
0 ´を出力する。なおA,B及びCは、他相の磁界の影
響またはその電流センサの特性から生じる誤差を補正す
るための補正係数である。各相の真の電流値Iu,I
v,Iwを電流センサ1〜3から出力される測定値Iu
´,Iv´,Iw´で表すと、下記の式[数1]のよう
に表すことができる。
【0025】
【数1】 上記式において、9個の係数Kuu〜Kwwが、真の電
流値を求めるために他相の磁界の影響及び電流センサの
特性から生じる誤差を補正するための補正係数である。
そして真の零相電流I0 は、I0 =(Iu+Iv+I
w)/3により求まる。また電流センサで測定した電流
の測定値で表すと、この真の零相電流I0はI0 =(Ao
Iu´+Bo Iv´+Co Iw´)/3と表すことが
できる。ここでAo =Kuu+Kvu+Kwu,Bo =
Kuv+Kvv+Kwv及びCo =Kuw+Kvw+K
wwである。
【0026】本発明においては、9個の補正係数を求め
ることをしないで地絡の発生を検出するために、真の零
相電流ではなく、相対的な零相電流I0 ´を求める。こ
の相対的な零相電流I0 ´も、I0 ´=(AIu´+B
Iv´+CIw´)/3の演算式により求めることがで
きる。但しA,B及びCは補正係数である。3つの未知
数A,B及びCは、係数自動設定手段6が自動的に演算
を行って決定する。1つの式で3つの未知数を決定する
ことはできないため、本発明では係数Cを定数とする。
例えばCを1とする。Cを1にすることは、Iw´を測
定する電流センサを基準にした残りの電流センサの出力
の誤差を補正すること、即ちIw´を測定する電流セン
サの出力には誤差がないとみなすことを意味する。この
ような設定をするために、I0 ´は相対的な零相電流と
なるのである。
【0027】係数自動設定手段6は、Cを定数として、
地絡検出開始前に地絡が発生していない状態である測定
値を入力したときのI0 ´=(AIu´+BIv´+C
Iw´)/3=0となるA及びBを決定する。具体的に
は、I0 ´=0とした場合に、このベクトル式を下記の
実数部と虚数部の式に分ける。
【0028】 実数部 AIu´(r)+BIv´(r)+CIw´(r)=0 … 虚数部 AIu´(i)+BIv´(i)+CIw´(i)=0 … Cが定数であれば、A=αC及びB=βCと表すことが
でき、これを上記及びの式にいれると下記のように
なる。
【0029】 実数部 αCIu´(r)+βCIv´(r)+CIw´(r)=0 …´ 虚数部 αCIu´(i)+βCIv´(i)+CIw´(i)=0 …´ 係数自動設定手段6では、この2つの式からα及びβの
解を求め、更にA=αC及びB=βCの決定をする。仮
にC=1であれば、A=α及びB=βである。そしてこ
のA及びBを、零相電流演算手段5の上記(AIu´+
BIv´+CIw´)/3の演算式に自動設定する。
【0030】さらに精度を高めるためには、A,B,C
の中間値で正規化を行うことが好ましい。例えば演算に
より求めた補正係数が、それぞれA=1.023,B=
1.011,C=1の場合には、Bが中間値であるた
め、Bの値で正規化を行う。具体的には、 A´=A/B=1.0118 B´=B/B=1 C´=C/B=0.9891 として、補正係数A´,B´及びC´を演算に使用す
る。このような正規化を行うことにより、単にCを定数
とおいた場合の近似値と比べて補正係数の値をより精度
の高いものとすることができる。
【0031】以後、零相電流演算手段5は設定された
A,B,CまたはA´,B´,C´(以下A,B,Cで
説明する。)の係数を用いて演算を行う。なお補正係数
A,B,Cを決定するにあたっては、1サイクルのサン
プリング値でこれらの補正係数を決定せずに、複数サイ
クルのサンプリング値で求めたこれらの補正係数の平均
値により、A,B,Cの係数を決定してもよい。
【0032】係数自動設定手段6による係数の設定が終
了した後は、基準値設定手段8から地絡発生判定手段7
の判定手段7Cに基準値ΔI0 ref を入力する。この基
準値ΔI0 ref は、地絡試験に基いて予め定める。すな
わちA,B及びCの値を設定した後に、人工地絡試験を
行って、その際に求められる相対的な零相電流の変化量
から決定する。この基準値は、設定した係数の値、各電
流センサの特性、各電流センサの設置状態及び配電線の
設置状態によって異なってくる。なお人工地絡試験の際
に、相対的な零相電流I0 ´を測定できるように、この
例では、零相電流演算手段5の演算結果を表示手段9に
表示できるようにしている。作業者は、人工地絡試験を
行う前に地絡が発生していない状態で表示手段9に表示
された相対的な零相電流と人工地絡試験を行ったときに
表示手段9に表示された相対的な零相電流との偏差から
基準値を決定する。条件によって異なるが、具体的な一
例では、この基準値を絶対値で「340mA」と決定す
る。この基準値は、基準値設定手段8から入力する。基
準値の決定を自動化することも可能である。その場合に
は、零相電流演算手段5の出力を基準値設定手段8に入
力する。そして基準値設定手段8を、人工地絡試験前の
相対的な零相電流と人工地絡試験時の相対的な零相電流
との偏差を求めて、この値を基準にある程度の余裕を見
込んた値を基準値として自動決定するように構成する。
【0033】地絡発生判定手段7は、過去の所定サイク
ル分の相対的な零相電流の平均値を求める平均値演算手
段7Aと、この平均値と零相電流演算手段5により演算
した相対的な零相電流との偏差を求める偏差演算手段7
Bと、偏差が前述の基準値を超えたときに地絡の発生と
判定する判定手段7Cとから構成される。平均値演算手
段7Aは、零相電流演算手段5から出力される相対的な
零相電流I0 ´の複数サイクル(例えば6サイクル)分
の平均値を順次演算する。具体的には零相電流演算手段
5は、新たに相対的な零相電流I0 ´が測定された時点
で、その時点より6サイクル前の各サイクルで出力され
た6つの相対的な零相電流I0 ´の平均値を演算する。
装置のスタート当初は、6サイクル経過するまでは、平
均値を出力しない。平均値演算手段7Aから平均値I0
´avr が出力されると、偏差演算手段7Bは、平均値I
0 ´avr と零相電流演算手段5から出力される最新の相
対的な零相電流I0 ´との偏差(I0 ´avr −I0 ´)
を求める。地絡が発生していない状態で、負荷状態の変
化に応じて零相電流演算手段5から同相絶対値で102
mAの相対的な零相電流が出力されているとし、平均値
演算手段7Aから同相絶対値で100mAの平均値が出
力されているときには、その偏差は2mAである。前述
のように、例えば基準値を絶対値で340mAとする
と、この偏差が340mAを超えた場合に、判定手段7
Cは地絡が発生したと判定する。そしてその結果を表示
手段9に表示する。ここでは表示手段9が装置の一部を
構成しているが、判定結果を変電所に配置した監視装置
の表示手段に表示するのが一般的である。変電所の監視
装置では、例えばこの判定結果と零相電圧Vo=(Vu
+Vv+Vw)/3が一定値を超えているか否かによ
り、実際に地絡が発生しているか否かを判断する。地絡
が発生した場合、どの配電線で測定しても零相電圧Vo
は同じ変化をする。そのため零相電圧Voの測定だけで
は、地絡の発生箇所を特定できない。そこで零相電圧V
oと零相電流I0 との間の位相角θを見て、地絡が発生
している配電線が特定できる。また地絡が発生している
ときの零相電流の方向により、地絡発生箇所を特定す
る。位相角θが90度に近い場合には、その配電線の機
器設置箇所より負荷側で地絡が発生していることが分か
る。また位相角θが270度に近い場合には、その配電
線の機器設置箇所より電源側で地絡が発生していること
が分かる。相対的な零相電流であっても、地絡が発生し
た配電線の特定には利用できるため、地絡の発生の検出
結果と一緒に相対的な零相電流も表示手段9に表示す
る。
【0034】図2は、図1の実施の形態の要部をコンピ
ュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのア
ルゴリズムを示すフローチャートである。ステップST
2における「リセット」とは、装置の設置または起動開
始時、または電流センサの交換時に入力されるリセット
信号があるか否かを意味している。ステップST3が係
数自動設定手段6を実現し、基準値を自動入力する場合
にはステップST4が基準値入力手段8を実現し、ステ
ップST5が零相電流演算手段5を実現し、ステップS
T6が平均値演算手段7Aを実現し、ステップST7が
偏差演算手段7Bを実現し、ステップST8が判定手段
7Cを実現している。
【0035】上記例では、電流センサ1〜3として他相
の磁界の影響を大きく受けるトロイダルコイルからなる
電流センサを用いているが、他相の磁界の影響を受けな
い変流器CTを用いる場合にも本発明を適用できるのは
勿論である。
【0036】
【発明の効果】請求項1及び2の本発明によれば、未知
の補正係数が従来よりも少ない2つですむため、必要な
補正係数の設定を簡単にしかも短い時間で行える。しか
も真の電流値を求めることなく、地絡の発生の有無を検
出できる。
【0037】請求項3の発明によれば、ノイズ等の影響
を受けることなく地絡の発生の有無を高い精度で検出で
きる。
【0038】請求項4の発明によれば、補正係数の演算
精度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の地絡検出装置の一例の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】 図1の実施の形態の要部をコンピュータを用
いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズム
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1〜3 電流センサ 4 A/D変換器 5 零相電流演算手段 6 係数自動設定手段 7 地絡発生判定手段 8 基準値設定手段 9 表示手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 浩 福岡県宗像郡福間町字汐井道2150番地の1 九州変圧器株式会社内 (72)発明者 元木 孝典 福岡県宗像郡福間町字汐井道2150番地の1 九州変圧器株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相交流配電線の零相電流に基いて配電
    線系統における地絡の発生を検出する地絡検出装置であ
    って、 前記三相交流配電線に対してそれぞれ設けられて対応す
    る相から発生する磁界の変化から対応する相の電流をベ
    クトル量で検出する3つの電流センサと、 前記3つの電流センサにより測定した三相の測定電流I
    u´,Iv´及びIw´をI0 ´=(AIu´+BIv
    ´+CIw´)/3の演算式[但しA,B及びCは、他
    相の磁界の影響またはその電流センサの特性から生じる
    誤差を補正するための補正係数]に入力して相対的な零
    相電流I0 ´を周期的に求める零相電流演算手段と、 前記相対的な零相電流I0 ´の変化量が地絡試験に基い
    て予め定めた基準値以上になると地絡が発生したと判定
    する地絡発生判定手段と、 前記基準値を設定する基準値設定手段と、 前記補正係数A,B及びCのうちのCを定数とし、地絡
    が発生していない状態でI0 ´=0となる前記A及びB
    を求めて前記演算式に前記A,B,Cを入力する係数自
    動設定手段とを具備していることを特徴とする地絡検出
    装置。
  2. 【請求項2】 三相交流配電線の零相電流に基いて配電
    線系統における地絡の発生を検出する地絡検出装置であ
    って、 前記三相交流配電線に対してそれぞれ設けられて対応す
    る相から発生する磁界の変化から対応する相の電流をベ
    クトル量で検出する3つの電流センサと、 前記3つの電流センサにより測定した三相の測定電流I
    u´,Iv´及びIw´をI0 ´=(AIu´+BIv
    ´+CIw´)/3の演算式[但しA,B及びCは、他
    相の磁界の影響またはその電流センサの特性から生じる
    誤差を補正するための補正係数]に入力して相対的な零
    相電流I0 ´を周期的に求める零相電流演算手段と、 前記相対的な零相電流I0 ´の変化量が地絡試験に基い
    て予め定めた基準値以上になると地絡が発生したと判定
    する地絡発生判定手段と、 前記基準値を設定する基準値設定手段と、 前記補正係数A,B及びCのうちのCを定数とし、A=
    αC及びB=βCとして、I0 ´=0となる前記α及び
    βを求めて前記演算式に前記A,B,Cを入力する係数
    自動設定手段とを具備し、 前記係数自動設定手段は、地絡が発生していない状態で
    前記3つの電流センサから出力された測定電流を前記式
    に代入して、I0 ´=0の式の実数部と虚数部が共に0
    になる前記α及びβを求めることを特徴とする地絡検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記変化量は過去所定サイクル分の前記
    相対的な零相電流の平均値と前記零相電流演算手段によ
    り演算した相対的な零相電流との偏差である請求項1ま
    たは2に記載の地絡検出装置。
  4. 【請求項4】 前記係数自動設定手段は、求めた前記補
    正係数A,B及びCのうち中間値の補正係数を基準値と
    して前記補正係数を正規化し、正規化した補正係数A,
    B,Cを前記演算式に入力することを特徴とする請求項
    1または2に記載の地絡検出装置。
JP06771296A 1996-03-25 1996-03-25 地絡検出装置 Expired - Lifetime JP3676486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06771296A JP3676486B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 地絡検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06771296A JP3676486B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 地絡検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09257858A true JPH09257858A (ja) 1997-10-03
JP3676486B2 JP3676486B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=13352853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06771296A Expired - Lifetime JP3676486B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 地絡検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3676486B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040027164A (ko) * 2002-09-27 2004-04-01 엘지산전 주식회사 기중 차단기의 과전류 보호 계전기 및 그 제어방법
JP2012150110A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 General Electric Co <Ge> 回路接続性を監視することを含む方法及びシステム
CN103328986A (zh) * 2011-01-11 2013-09-25 阿尔卑斯绿色器件株式会社 电流传感器
JP2016189689A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 東洋電機製造株式会社 電動機駆動装置
JPWO2016203633A1 (ja) * 2015-06-19 2017-09-14 三菱電機株式会社 漏洩電流検出装置
JP2019013124A (ja) * 2017-07-03 2019-01-24 株式会社三英社製作所 高圧絶縁監視装置及び高圧絶縁監視方法
WO2020209242A1 (ja) * 2019-04-09 2020-10-15 株式会社和田電業社 装置及びプログラム
JP2020173242A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 株式会社和田電業社 装置及びプログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040027164A (ko) * 2002-09-27 2004-04-01 엘지산전 주식회사 기중 차단기의 과전류 보호 계전기 및 그 제어방법
CN103328986A (zh) * 2011-01-11 2013-09-25 阿尔卑斯绿色器件株式会社 电流传感器
JP2012150110A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 General Electric Co <Ge> 回路接続性を監視することを含む方法及びシステム
JP2016189689A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 東洋電機製造株式会社 電動機駆動装置
JPWO2016203633A1 (ja) * 2015-06-19 2017-09-14 三菱電機株式会社 漏洩電流検出装置
JP2019013124A (ja) * 2017-07-03 2019-01-24 株式会社三英社製作所 高圧絶縁監視装置及び高圧絶縁監視方法
WO2020209242A1 (ja) * 2019-04-09 2020-10-15 株式会社和田電業社 装置及びプログラム
JP2020173242A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 株式会社和田電業社 装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3676486B2 (ja) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5514978A (en) Stator turn fault detector for AC motor
US6507184B1 (en) Methods and apparatus for differential current measurement in a three-phase power system
US6611771B1 (en) Method and apparatus to detect a stator turn fault in an AC motor
US20150073734A1 (en) Method and Device for Measuring Electrical Quantities
US6636823B1 (en) Method and apparatus for motor fault diagnosis
US10845393B2 (en) Current measurement
US6177803B1 (en) Monitoring elements in a multi-phase alternating current network
WO2013004285A1 (en) System for detecting internal winding faults of a synchronous generator, computer program product and method
US20160349311A1 (en) Method and apparatus to commission voltage sensors and branch circuit current sensors for branch circuit monitoring systems
JPH09257858A (ja) 地絡検出装置
JP2011058826A (ja) 地絡電流検出方法及び検出装置
US6141626A (en) Two-element energy meter having systems for automatic service type detection
US10416209B2 (en) Method and system for measuring power loss in a power transformer
JP3550125B2 (ja) 送電線故障監視装置
JP6897933B2 (ja) 高圧絶縁監視装置及び高圧絶縁監視方法
JP3461607B2 (ja) 磁界影響係数の設定方法及び装置
JPH11142465A (ja) 地絡故障点検出方法
EP3942308B1 (en) Validating fundamental-only energy measurement
JPH10322887A (ja) 地絡距離継電器
JP2003215196A (ja) 絶縁状態監視方法と装置
JP3292884B2 (ja) 地絡距離検出方法、地絡距離検出装置および地絡距離リレー
JP3274607B2 (ja) 送電線故障監視方法および装置
JP3191527B2 (ja) 一相断線常時監視方式
JP2715090B2 (ja) 故障点標定装置
EP1198717B1 (en) Apparatus and method for fault detection on conductors

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080513

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term