JP3274607B2 - 送電線故障監視方法および装置 - Google Patents

送電線故障監視方法および装置

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JP3274607B2
JP3274607B2 JP16867296A JP16867296A JP3274607B2 JP 3274607 B2 JP3274607 B2 JP 3274607B2 JP 16867296 A JP16867296 A JP 16867296A JP 16867296 A JP16867296 A JP 16867296A JP 3274607 B2 JP3274607 B2 JP 3274607B2
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和則 杉町
英樹 城野
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は送電線故障監視方法
および装置に関し、特に送電線鉄塔に設置した電極体よ
り構成された電圧センサ、地絡センサ、短絡センサなど
の出力に基づいて零相電圧および故障相電圧などを検知
し、さらにこれに基づいて送電線故障の種別および故障
相、ならびにこれらセンサ設置位置からみた故障点の方
向を判別する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線の地絡故障時に発生する零相電圧
を検出する方法としては、従来より送電線鉄塔に設置し
た複数の電極体(各送電線の送電電圧に応じて誘導電圧
のベクトル和を出力する)からなる電圧センサの設置位
置を調整することで零相電圧を得ることが知られてい
る。例えば、本出願人の提案にかかる実開昭60−41
866号公報では、複数の電極体に生じた電位の合成又
は単一の電極体の電位が、電力線各相の電圧が等しい場
合に零または微少となるように、各電力線と電極体間の
電気容量や距離を予め調整しておき、送電線に事故が発
生した場合に電極体と大地間に発生する電圧を検出する
ことにより、零相電圧を検出している。
【0003】また送電線の故障区間を判定する手法とし
ては、従来より、下記のようなものが知られている。 (1)送電線路の一端が中性点高抵抗接地電源、他端が
負荷である系統の場合、送電線路で故障が発生した際に
送電線に流れる故障電流の誘導によって流れる架空地線
の電流を検出し、検出レベルと設定値レベルとのレベル
比較によって故障方向を判定する。 (2)上記送電系統の場合、送電線路の任意の地点の送
電線鉄塔に設置した地絡センサおよび電圧センサで送電
線に流れる零相電流と零相電圧を検出し、両者が同位相
の場合は、当該鉄塔よりも負荷側に故障区間があると判
定する。 (3)送電線路の両端が中性点高抵抗接地電源の場合に
は、架空地線に流れる電流を送電線路の任意の複数地点
で計測し、計測データを前記架空地線(例えば、OPG
W)を伝送路として、変電所等の電気所に設置してある
中央監視装置に送り、計測データのレベルや位相が大き
く変化する区間を故障区間と判定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の電極体の電気容
量の調整による零相電圧検出方法では、複数又は単一の
電極体からなる電圧センサと各送電線からの距離すなわ
ち設置位置を調整して、電圧センサの正常時における合
成出力を零又は極小にする必要があるが、前記合成出力
は送電線を支持している鉄塔の各アーム長やアーム間隔
に依存するため、相互に関連する調整項目が多く、合成
出力を零又は極小にするには熟練と多大な時間および労
力を必要とする。特に、4回線併架鉄塔等では、被検出
回線以外の送電電圧も影響を及ぼすため合成出力を零に
することが極めて難しいという問題がある。更に、零相
電圧のみを検出する様に調整するため、零相電圧が発生
しない短絡故障の場合は電圧センサの出力は零となり、
短絡時に発生する相電圧を検出することが出来ない等の
問題もある。
【0005】また前記(1)の例では、架空地線を流れ
る地絡電流の大きさが故障点付近ではあまり変化せず、
検出レベルが故障点の前後で同程度となるため、架空地
線電流検出センサが設置された付近で故障が発生すると
故障点方向を誤る恐れがある。又、両端が中性点接地と
された電源系や、両端の電源が切り替わるような系統の
場合は適用出来ない。更に第18図に示す様に、当該線
路区間SS1−SS2以外で生じた故障であっても、電
源がSS1側にあると、故障電流がSS1からSS2を
通って故障点Xに流れ、SS1とSS2の間に設置され
た送電線故障方向検出器P1〜P3は動作してしまうと
いう問題がある。
【0006】前記(2)の場合は、センサを送電線鉄塔
内に設置する際に、零相電流及び零相電圧のみが検出さ
れるようにするためのセンサ位置および/または感度の
調整に多大な時間と経験、労力を要する。また前記
(1)の場合と同様に、両端が中性点接地とされた電源
系や両端の電源が切り替わるような系統の場合は適用出
来ない。更に当該線路以外の故障の場合でも故障電流と
故障電圧が発生するため誤動作してしまう。
【0007】前記(3)の場合は、架空地線に取付けた
センサと中央監視装置とをOPGW内の光ファイバーで
接続してデータ伝送を行うためのシステム構成が必要で
あり、大がかりな装置とそれに伴う多大な設備費用を必
要とする。
【0008】本発明の目的は、送電線の故障電圧を検出
するための送電線鉄塔に設置した電極体からなる電圧セ
ンサを用い、調整なしで容易に、送電線の地絡故障時に
発生する零相電圧や短絡時に発生する相電圧を得て送電
線に発生した事故の種別および事故地点の方向を判別す
ることのできる送電線故障監視方法および装置を提供す
ることにある。
【0009】本発明の他の目的は、送電線鉄塔内に設置
するセンサの取付調整を簡単化すると共に、両端電源の
場合や両端の電源が切り替わるような系統にも適用でき
て、送電線に発生した事故の種別および事故地点の方向
を判別することのできる送電線故障監視方法および装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】送電線鉄塔内に、送電線
の正常時にも出力を発生するように装備された電圧セン
サにより、送電電圧に比例した誘導電圧を検出し、事故
発生時の前記電圧センサ出力電圧の位相およびレベルの
少なくとも一方を、予め準備された判定基準に照合して
故障種別および故障相の少なくとも一方を判定する。前
記電圧センサの事故発生時出力と正常時出力との差であ
る減算電圧ベクトル、すなわち故障電圧成分やその平均
値を出力電圧の代わりに使用することもできる。
【0011】さらに前記電圧センサのほかに送電線に流
れる地絡電流、短絡電流を検出するための地絡センサや
短絡電流センサを装備し、事故発生時にこれらセンサか
ら得られる出力電圧や故障成分などの位相、レベル、こ
れらの平均値などの少なくとも1つを、予め準備された
判定基準に照合して故障種別、故障相、センサ設置点か
ら見た故障地点の方向の少なくとも1つを判定する。
【0012】特に平行2回線逆配列送電線の場合は、送
電線の上段および下段の電力線を結ぶ線上、またはその
近傍にそれぞれ配置された1対の短絡センサの出力に基
づいて、当該送電線の短絡故障時の故障電流成分の位相
を演算し、これを予め準備された判定基準と照合してセ
ンサ設置点から見た故障地点の方向を判定する。また、
前記短絡センサ出力から得られた故障電流成分の合成電
流位相と、前記電圧センサ出力または減算電圧ベクトル
の位相との相互関係に基づいて、これらセンサ設置点か
ら見た短絡地点の方向を判定する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の1
実施例を説明する。図1は平行2回線同相配列の標準的
な送電鉄塔に本発明を適用した場合の電圧センサ取付状
態の1例を示す概略図である。鉄塔1のそれぞれのアー
ムに碍子を介して2回線の3相電力線A1、B1、C
1、A2、B2、C2が吊されている。電極体で構成さ
れ、各電力線からの誘導電圧を検出する上部および下部
電圧センサ2u、2dがほぼ電力線A1、A2を結んだ
線および電力線C1、C2を結んだ線上にそれぞれ設置
されている。
【0014】この場合、上部および下部電圧センサ2
u、2dでそれぞれ得られる誘導(出力)電圧は電力線
からの距離の逆数に比例する。そこで、上部電圧センサ
2uの各相電力線に対する感度の比を1:0.4:0.
2と仮定した場合の電圧ベクトル図を図2に示す。ベク
トルVA 、VB 、VC は、電力線A1、B1、C1、A
2、B2、C2に平衡な三相電圧が印加されており、全
ての電力線がA1の位置にある(すなわち、各電力線と
センサ2uとの距離がすべて等しい)と仮定した場合の
電圧センサ2uに及ぼすA、B、C相電圧成分を示す。
【0015】正常時に上部電圧センサ2uに誘導される
電圧成分は、A相、B相、C相の感度比が前述のように
1:0.4:0.2であることを考慮すると、図2
(A)に示すように、VUA;VUB;VUC=1.0:0.
4:0.2となる。そして上部電圧センサ2uの出力電
圧VU は前記各電圧成分VUA、VUB、VUCの合成ベクト
ルであるから、式(1)で表される。なお本明細書にお
いて、符号*は乗算を表わす。
【0016】 VU =1.0*VA +0.4*VB +0.2*VC =VUA+VUB+VUC ……(1) A相で1線地絡故障が発生したと仮定すると、同図
(B)のように、各相の電圧はVAG=0、VBG、VCGと
なるので、零相電圧Vo は式(2)で表される。 Vo =VAG+VBG+VCG =0+(VB −VA )+(VC −VA )=−3VA ……(2) 上部電圧センサ2uに誘導されるA相、B相、C相の電
圧成分は、前記感度比を考慮するとVUAG 、VUBG 、V
UCG となるので、上部電圧センサ2uの出力電圧VUGは
これらの合成ベクトルとなり、式(3)で表される。
【0017】 VUG=1.0*VAG+0.4*VBG+0.2*VCG =VUAG +VUBG +VUCG =(VA −VA )+0.4*(VB −VA )+0.2*(VC −VA ) =−0.6*VA +0.4*VB +0.2*VC ……(3) 前記出力電圧VUGは各電力線に対するセンサ感度が各相
で異なるため零相電圧Vo からずれている。しかし、こ
のずれは前記出力電圧VUGから平常時の出力電圧VU
(図2のA)を減算することによって補正でき、図2
(B)の零相成分VUoが算出される。これをA相地絡の
場合について示すと、前記の式(1)〜(3)を用いて
次のように表わされる。
【0018】 VUo=VUG−VU ={−0.6*VA +0.4*VB +0.2*VC } −(1.0*VA +0.4*VB +0.2*VC ) =−1.6*VA =(−1.6/−3)Vo =0.53Vo ……(4) なお、VA を基準ベクトルとし、時計回りを負とした場
合のVU 、VUG、Vo、VUoの大きさおよび向きはつぎ
のようになる。 VU =0.72(−14゜) VUG=0.92(−169゜) Vo =3.0(180゜) VUo=1.6(180゜) すなわち、A相地絡の場合のセンサ2uの出力と正常時
の同出力とのベクトル差であるVUoは、A相地絡の場合
の零相電圧Vo に比例した電圧となる。
【0019】次に下部電圧センサ2dの出力電圧につい
て説明する。図3には下部電圧センサ2dの各電力線A
〜Cに対する感度の比を0.3:0.5:1とした場合
の電圧ベクトル図を示す。正常時に下部電圧センサ2d
に誘導されるA相、B相、C相の電圧成分は、同図
(A)に示すように、感度比0.3:0.5:1.0を
考慮するとVLA、VLB、VLCとなる。下部電圧センサ2
dの出力電圧VL は前記ベクトルVLA、VLB、VLCの合
成であるから、上部電圧センサの場合と同様の演算によ
り、式(5)で表される。
【0020】 VL =0.3*VA +0.5*VB +1.0*VC =VLA+VLB+VLC ……(5) A相で1線地絡故障が発生すると、図3(B)に示すよ
うに、各相の電圧はVAG=0、VBG、VCGとなり、下部
電圧センサ2dに誘導されるA相、B相、C相の電圧成
分は前記感度比を考慮すると、VLAG 、VLBG VLCG と
なる。下部電圧センサ2dの出力電圧VLGはこれらの合
成であるから、式(6)で表される。
【0021】 VLG=0.3*VAG+0.5*VBG+1.0*VCG =VLAG +VLBG +VLCG =0.3*(VA −VA ) +0.5*(VB −VA )+1.0*(VC −VA ) =−1.5*VA +0.5*VB +VC …… (6) 前記出力電圧VLGは、上部電圧センサ2uの場合と同様
に、感度が各相で異なるため零相電圧Vo からずれてい
るが、つぎの式(7)に示すように、出力電圧VLGから
平常時の出力電圧VL を減算した電圧VLoは零相電圧V
o に比例したものとなる。
【0022】 VLo=VLG−VL ={−1.5*VA +0.5*VB +1.0*VC } −(0.3*VA +0.5*VB +1.0*VC ) =−1.8*VA =(−1.8/−3)Vo =0.6Vo ……(7) 上述のように、各電力線への相対感度が異なる上部電圧
センサ2uと下部電圧センサ2dの、それぞれの故障時
の出力電圧ベクトルから正常時の出力電圧ベクトルを減
算して得られるVUoとVLoはほぼ同じ電圧ベクトルとな
る。
【0023】また一般的に、電圧センサの各電力線に対
する感度をα、β、γとすると、正常時に電圧センサか
ら出力される電圧VN は式(8)で表わされる。 VN =α*VA +β*VB +γ*VC ……(8) A相で地絡が発生した場合に電圧センサから出力される
電圧VG は式(9)で表わされる。 VG =α*(VA −VA )+β*(VB −VA )+γ*(VC −VA ) =−(β+γ)*VA +β*VB +γ*VC …… (9) 地絡時の出力電圧VG から正常時の出力電圧VN を減算
したVo ’は式(10)となる。 Vo ’=VG −VN =−(β+γ)*VA +β*VB +γ*VC −(α*VA +β*VB +γ*VC ) =(α+β+γ)*VA =−(α+β+γ)*1/3*Vo ……(10) 式(10)から、地絡時のセンサの電圧出力ベクトルか
ら正常時の電圧出力ベクトルを減算することにより、電
圧センサの各電力線への感度の相違とは無関係に零相電
圧Vo に比例した電圧を得ることが出来ることが解る。
【0024】上記のように、減算することで各電圧セン
サの電力線に対する相対感度に依存せず零相電圧Vo に
比例した電力電圧を得ることができるので、電圧センサ
の取付位置の調整は不要となる。又、4回線の場合も同
様に他の回線の影響によらず零相電圧に比例した電圧を
得ることができる。
【0025】次に2線地絡の場合について説明する。図
4はA、B相地絡の故障点における電圧ベクトル図であ
り、同図の(A)は上部電圧センサ2uに関するもの、
(B)は下部電圧センサ2dに関するものである。A、
Bの2相が地絡した場合の零相電圧Vo はVCGとなりV
C の1.5倍となることが知られており、A相地絡の場
合と同様に、各電力線に対するセンサ感度の差を考慮し
た上部電圧センサ2uの出力電圧VUABGは式(11)で
表される。
【0026】 VUABG=0.2*VCG=0.2*1.5*VC =0.3*VC またVo =VAG+VBG+VCG=VCG=1.5VC 、 かつ(VAG=VBG=0)であるから、 VUABG=0.2*Vo …… (11) このVUABG から、式(1)で表わされる正常時の電圧
VU を減算して得られる電圧VUoは式(12)で表され
る。
【0027】 VUo=VUABG−VU =0.3*VC −(1.0*VA +0.4*VB +0.2*VC ) (VA +VB +VC =0であるから) =−0.6*VA +(1/ 3)*Vo ……(12) A、B相地絡の場合はC相電圧しか生じていないため、
前記の減算では、電圧VU が余分に補正してしまい、零
相電圧Vo から位相がずれてしまう結果となる。
【0028】一方、下部電圧センサ2dの出力電圧VLA
BGから、式(5)で表わされる正常時の電圧VL を減算
した電圧VLoは下記の式(13)で表わされ、上部セン
サの場合の電圧VUoと同様に零相電圧Vo からずれてし
まう。 VLo=VLABG−VL =1.5*VC −(0.3*VA +0.5*VB +VC ) =0.2*VA +(2/ 3)*Vo ……(13) しかし、図4(A)および(B)の対比から分るよう
に、前記2つの電圧ベクトルVUoとVLoは零相電圧Vo
を挟んで、互いに反対側へずれるから、電圧VUoとVLo
の平均をとれば零相電圧Vo に近似した電圧ベクトルV
ULo を算出することが可能となる。
【0029】上述したところから分かるように、ベクト
ルVULo を正確にゼロ相電圧Vo に一致させるために
は、式(12)と式(13)の第1項の係数の絶対値を
等しくする必要がある。式(12)の第1の項の係数
0.6は上部電圧センサ2uのA相に対する感度1から
B相に対する感度0.4を引いた値であり、式(13)
の第1項の係数0.2は下部電圧センサ2dのB相に対
する感度0.5からA相に対する感度0.3を引いた値
である。それ故に、上部電圧センサ2uのA〜C相電力
線に対する感度をα1、β1、γ1、下部センサ2dの
A〜C相電力線に対する感度をα2、β2、γ2とする
と、AB相地絡の場合にVUoとVLoの平均をとることに
よって零相電圧Vo に比例した電圧ベクトルを得るた
め、すなわち式(12)および式(13)の第1項の係
数の絶対値を等しくするための各電圧センサ2u、2d
の設置位置は、 α1−β1=β2−α2 を満足する位置となる。また、BC相地絡やCA相地絡
の場合に零相電圧Vo に比例した電圧ベクトルを得るた
めの上部下部の電圧センサの設置位置は、それぞれつぎ
のようになる。
【0030】 β1−γ1=γ2−β2(BC地絡の場合の条件) γ1−α1=α2−γ2(CA地絡の場合の条件) 以上の解析より、次式の条件を満足する位置に上部およ
び下部センサ2u、2dを配置すればよいことが分る。
【0031】α1+α2=β1+β2=γ1+γ2 つまり、どの2線地絡の場合でも誘導電圧を検出する上
部および下部電圧センサ2u、2dを、鉄塔内の異なる
任意の箇所に2個設置し、各センサの出力電圧波形の平
均をとることによって零相電圧に(近似的に)比例した
電圧波形を得ることが出来る。したがって、本発明によ
れば電圧センサの取付位置の調整は不要となる。更に、
図2(A)から分かるように、正常時の上部電圧センサ
2uの出力電圧ベクトルVU の位相はA相電圧(一般的
には、センサ感度の最も大きい相の電圧)のそれに近い
ので、正常時の上部電圧センサ2uの出力電圧ベクトル
VU の位相を基準とし、減算して得られた電圧ベクトル
VUoの位相を計測することで、Vo の位相角を近似的に
算出することが出来る。
【0032】図4において、VA を基準ベクトルとし、
時計回りを負とした場合の前記各ベクトルVo 、VU 、
VUABG、VUo、VL 、VLABG、VLo、VULo の大きさお
よび位相角はつぎの通りになる。前述のように、ベクト
ルVU の位相角はA相電圧のそれに近いので、下記の位
相角は近似的にベクトルVU を基準とする位相角とみる
ことができる。このような位相角を予め判定基準として
準備しておくことにより、故障時に得られた位相角に基
づいて1線地絡か2線地絡かの識別、および地絡した相
の特定をすることができる。
【0033】 Vo =1.5(120゜) VU =0.72(−14゜) VUABG=0.3(120゜) VUo=0.95(153゜) VL =0.62(138゜) VLo=0.92(109゜) VLABG=1.5(120゜) VULo =0.94(131゜) 次に、短絡故障の場合について説明する。図5にAB短
絡の場合の故障点における電圧ベクトル図を示す。同図
(A)は上部電圧センサ2uに関するもの、(B)は下
部センサ2dに関するものである。AB短絡が発生する
と、相電圧VAS、VBS は同じベクトルとなり、VCSは
逆方向でVASの2倍の大きさを持つベクトルとなる。こ
のため、上部および下部電圧センサ2u、2dの各電力
線に対する感度が等しければ、電圧センサの出力電圧は
零となるが、本発明では、一般的に、前記両電圧センサ
の各電力線に対する感度は等しくならないから、出力電
圧は零とならない。
【0034】ここでは上述のように、上部電圧センサ2
uの感度比を1:0.4:0.2、下部電圧センサ2d
の感度比を0.3:0.5:1と仮定しているから、上
部電圧センサ2uの出力電圧VUAB 、下部電圧センサ2
dの出力電圧VLAB は式(14)で表わされる。 VUAB =VAS+0.4*VBS+0.2*VCS (−VCS=2VAS=2VBSであるから) =−0.5*VCS=−0.5*VC VLAB =0.3*VAS+0.5*VBS+VCS =0.6*VCS=0.6*VC =−1.2*VUAB …… (14) 図5の(A)および(B)からも分るように、VUAB は
VASと同方向のベクトルとなり、VLAB はVC と同方向
のベクトルとなる。すなわち、短絡故障の場合も故障時
の相電圧と同方向の電圧波形を、前記センサ出力に基づ
いて得ることが出来る。
【0035】また、上部および下部電圧センサ2u、2
dの出力電圧ベクトルVUAB とVLAB は互いに逆相とな
っており、正常時の各センサ出力を減算して得られる電
圧ベクトルVUSとVLSも逆相となる。これらの電圧ベク
トルはつぎの式(15)で表される。 VUS=VUAB −VU =−0.5*VC −(1.0*VA +0.4*VB +0.2*VC ) =0.3*(2*VB +VC ) VLS=VLAB −VL =0.6*VC −(0.3*VA +0.5*VB +VC ) =−0.1*(2*VB +VC ) =−(1/ 3)*VUAB ……(15) 以上のように、本発明では、正常時に上部および下部電
圧センサ2u、2dから出力電圧が得られるように前記
両センサを配置しておき、演算処理によって故障時の零
相電圧を算出するようにしているため、短絡故障の場合
には相電圧と同方向の電圧波形を得ることができるよう
になる。
【0036】次に故障種別の判別方法について説明す
る。地絡故障の場合は、図2、図3、図4のVUo、VLo
を対比すれば解るように、各電圧センサの故障時出力か
ら正常時出力を減算して得られる減算電圧ベクトルVUo
およびVLoが(ほぼ)同相、または90°以下となる。
一方短絡故障の場合は、図5のように、各電圧センサの
故障時出力から正常時出力を減算した電圧ベクトルVUS
およびVLSが(ほぼ)逆相となるので、短絡故障を地絡
故障から判別することができる。又、2線地絡時の零相
電圧Vo は短絡時の短絡相電圧の1.5倍になることが
知られている。本実施例においても、地絡の場合の電圧
センサ2u、2dの検出電圧のベクトル量(図4のVUL
o )は短絡の場合のそれ(図5のVUS又はVLS)の少な
くとも1.5倍以上となるので、単にレベル比較をする
ことでも地絡か短絡かを判別できる。
【0037】さらに、下記方法で故障相も判定できる。
地絡故障の場合は、得られた減算電圧ベクトル(VUo又
はVL o )の位相角が零相電圧の位相角となるので、あ
らかじめA相地絡は180゜(A相地絡時の零相電圧V
o の位相角)、AB相地絡は120゜(AB相地絡時の
零相電圧Vo の位相角)等と、故障内容に対応して位相
角を予め設定しておけば、これらの設定位相角と得られ
た減算電圧ベクトルのそれとを比較することによって故
障相も判別可能となる。
【0038】3個の電圧センサを各相の電力線A、B、
Cの横にそれぞれ設置する場合も、以上に述べたのと同
様の解析により、B相の横に設置した電圧センサ(図示
せず)については、各電力線に対する感度をA相:B
相:C相=0.5:1:0.5と仮定すると、減算電圧
ベクトルVMoは下式(16)で表わされる。 VMo=1.5*0.5*VC −(0.5*VA +1*VB +0.5*VC ) =0.5*VA +(2/3)*Vo ……(16) また前述のように、AおよびC相電力線の横に設置した
電圧センサ2u、2dの故障時の出力電圧から正常時の
電圧を減算した差電圧ベクトルは式(12)、(13)
で示される。式(16)の第1項の係数が式(12)の
値より小さく式(13)の値より大きい値となり、3つ
の減算電圧ベクトルVUo、VLo、VMoの平均を求めるこ
とで零相電圧に比例した電圧を得ることが出来る。
【0039】図10に本発明を適用した送電線故障監視
装置の1実施例のブロック図を示す。なお電圧センサ2
uおよび2dの出力処理は、各系列別に同じように行な
われるので、図では、繁雑化を避けるために、電圧セン
サの出力処理系列については電圧センサ2uに関する構
成のみを示し、電圧センサ2dに関する構成は図示を省
略している。上部電圧センサ2uの出力は遅延回路31
bおよび減算回路32bに供給される。減算回路32b
には遅延回路31bの出力も転送され、上部電圧センサ
2uの出力から遅延回路31bの出力が減ぜられ、得ら
れた差信号は故障成分メモリ41bに供給される。前記
差信号は、明らかなように、正常値からの変動分として
現れる故障成分に相当する故障成分波形データである。
遅延回路31bの出力は正常波形メモリ42bに保存さ
れる。
【0040】故障発生検出器44bは、前述したよう
に、故障判定のために予め設定された設定値(レベル)
43bと前記故障成分波形データとを比較し、後者が前
者を設定数サイクルの間以上継続して超えたときは故障
信号46bを発生する。これに応答して、前記故障成分
波形データが故障成分メモリ41bに、また演算処理前
の検出電圧波形データ(すなわち、故障発生前の正常時
デ−タ)が正常波形メモリ42bにそれぞれ記憶され
る。前記各メモリとしては、例えばFIFO(First-In-
First-Out)メモリが利用できる。また、故障成分波形デ
ータは減算回路の出力から直接取り込んでもよい。この
場合、メモリ42bへの前記検出電圧波形データの記憶
量をメモリ41bへの前記故障成分波形データの記憶量
の2倍程度にするのが望ましい。例えば、前記故障成分
波形データを5サイクル分、前記検出電圧波形データを
10サイクル分記憶するのが好都合である。なお、前記
正常時波形データとしては、平常時の各センサの検出電
圧波形データを(半)固定的に記憶したものを用いても
よい。
【0041】ピークレベル検出器51bは、前記故障成
分メモリ41bに記憶され故障成分波形データを供給さ
れてそのピーク値を検出し、これを故障種別判定部60
に転送する。位相計測器52bは、故障成分メモリ41
bから転送される故障成分波形データの前記正常波形メ
モリ42bからの信号に対する位相差、すなわち電圧セ
ンサの正常時の電圧波形データを基準にした故障成分波
形データの位相を計測し、これを故障種別判定部60に
転送する。故障種別判別部60は、地絡/短絡故障判定
のためのそれぞれの設定値63を供給され、前記ピーク
レベル検出器51bおよび/または位相計測器52bか
らの信号を各設定値と対比して、前述のような故障種別
を判定し決定する。
【0042】図6〜9は本実施例を種々の形式の送電線
鉄塔に適用した場合の電圧センサの配置例を示すもの
で、図6は水平配列送電線の場合、図7は1回線垂直配
列送電線の場合、図8は三角配列送電線の場合、図9は
4回線装架鉄塔の場合である。いずれの場合も、ある1
つの相に対する電圧センサの感度が、他の相に対する感
度よりも大きくなるように、少なくとも1つの電圧セン
サを設置すれば、送電線の故障時における電圧センサの
出力電圧波形から正常時の出力電圧波形を減算すること
で、零相電圧を検出できるし、減算した波形同士の位相
比較、予め設定された位相に対する位相比較や予め設定
されたレベルに対するレベル比較を、前述と同様に行な
うことによって、送電線の故障種別又は故障相の判別が
可能となる。
【0043】本発明を平行2回線同相配列の送電鉄塔に
適用した第2実施例における各センサの配置例を図11
に示す。同図において、図1と同一の符号は同一または
同等部分を表わす。この実施例は、図1に示した実施例
に、最上段の電力線の上側および最下段電力線の下側に
それぞれ設置され、棒状コアにコイルを巻いて構成され
た1対の地絡センサ3uおよび3dと、B相電力線を結
ぶ線上に設置され、その感度が前記地絡センサ3u、3
dに比べて数分の1と低く設定された短絡センサ4と、
これらの各種センサからの出力情報を伝送され、これに
基づいて故障種別および故障点方向を判定する故障方向
判定器5と、なるべくは判定結果が遠方からでも確認で
きるような(高い)位置に設置された表示器6とを追加
した構成である。本実施例によれば、故障種別の判定を
より正確に行なえるのみならず、本実施例装置の設置位
置から見た故障点の方向をも判定することができる。
【0044】なお、前記電圧センサ2u、2dは特定の
相電圧を取り出すため、特定相の影響が最も強くなる
(特定相に対する検出感度が最も大きくなる)ような位
置に置かれる。本実施例では、A相及びC相電力線の間
にそれぞれ設置し、電圧センサ2u、2dの出力電圧と
しては、ほぼA相又はC相の電圧に比例した電圧が得ら
れるようにしているが、B相電力線の間に置いてもかま
わない。また各電圧センサの設置位置は、前述の実施例
の場合と同じように、鉄塔1の両側の対応相位置にある
1対の電線(A1とA2又はB1とB2など)を結ぶ線
上であればどこでもよい。また後述するように、各電圧
センサの出力は各別に独立に処理され、個々の出力に基
づいて故障判断が行なわれる。
【0045】地絡センサ3u、3dはそれらの合成出力
(加算出力)が地絡故障時に、零相電流に比例した電流
値となるように、既知の手法にしたがって、それらの設
置位置が若干調整されている。また短絡センサ4は、コ
アの長手方向をB相の方に向けてB相電力線の間に設置
され、AB短絡の場合はA相電流を、BC短絡の場合は
C相電流を、またCA短絡の場合はC相、A相電流の合
成電流を計測して各相に流れる短絡電流を検出する。
【0046】故障・方向判定器5の回路構成を図12〜
14に示す。故障・方向判定器5は各センサ毎に設けた
波形デ−タ演算部30、波形デ−タ記憶部40、および
レベル・位相計測部50、故障種別判別部60を含み、
さらに故障点方向判定部70、遮断検出部80および故
障情報表示部90を含むように構成されている。
【0047】波形デ−タ演算部30では、各地絡センサ
3u、3dの出力を加算する加算回路33aや、他の電
圧センサ2u、2d、短絡センサ4の検出出力である各
電圧波形データと、前記各電圧波形デ−タを遅延回路3
1a〜cで設定サイクル数だけ遅延させた電圧波形デー
タとの差を減算回路32a〜cでそれぞれ演算(減算又
は加算)する。前記演算で得られた差デ−タは、明らか
なように、平常時からの変動分として現れる故障成分に
相当する故障成分波形データである。なお電圧センサ2
uおよび2dの出力処理は、前述の実施例と同じよう
に、各系列別に同じように行なわれるので、図12で
は、繁雑化を避けるために、電圧センサの出力処理系列
については電圧センサ2uに関する構成のみを示し、電
圧センサ2dに関する構成は図示を省略している。
【0048】波形デ−タ記憶部40では、前記各センサ
に対して予め設定された、故障判定のための設定値(レ
ベル)43a〜cと前記故障成分波形データとを故障発
生検出器44a〜cで比較し、後者が前者を設定数サイ
クルの間以上継続して超えたとき、故障発生検出器44
a〜cが故障信号46a〜cを発生する。これに応答し
て、前記故障成分波形データが故障成分メモリ41a〜
cに、また演算処理前の各センサの検出電圧波形データ
(すなわち、故障発生前の正常時デ−タ)が正常波形メ
モリ42a〜cにそれぞれ記憶される。前記各メモリと
しては、例えばFIFO(First-In-First-Out)メモリが
利用できる。また、故障成分波形データは減算回路の出
力から直接取り込んでもよい。この場合、メモリ42a
〜cへの前記検出電圧波形データの記憶量をメモリ41
a〜cへの前記故障成分波形データの記憶量の2倍程度
にするのが望ましい。例えば、前記故障成分波形データ
を5サイクル分、前記検出電圧波形データを10サイク
ル分記憶するのが好都合である。なお、前記正常時波形
データとしては、平常時の各センサの検出電圧波形デー
タを(半)固定的に記憶したものを用いてもよい。
【0049】前記のように抽出される故障成分波形デー
タは、地絡センサ3u、3dでは零相電流成分であり、
短絡センサ4では特定相に流れる短絡電流成分(本実施
例の場合はAB短絡の場合はA相電流、BC短絡の場合
はC相電流、またCA短絡の場合はC相、A相電流の合
成に比例した電流)である。また電圧センサ2u(2
d)では、地絡時には上および下センサの両方共零相電
圧が得られ、短絡時は最も影響が大きい相(すなわち、
感度が最も高い相;本実施例では、それぞれA相および
C相)の電圧に比例した波形が得られる。
【0050】レベル・位相計測部50の各ピークレベル
検出器51a〜cは、対応する前記故障成分メモリ41
a〜cのそれぞれに記憶され故障成分波形データのピー
ク値J、K、Lをそれぞれ検出する。また電圧センサ系
列のレベル・位相計測部では、演算前ピークレベル検出
器53および演算前位相計測器54で、正常波形メモリ
42bに記憶されている演算処理前の検出電圧波形デー
タB(すなわち、故障発生前の正常時デ−タ)のピーク
レベルMと、演算処理前の検出電圧波形データBを基準
とした故障発生時の演算処理前の検出電圧波形データの
位相Aをそれぞれ検出する。さらに、各位相計測器52
a〜cは、それぞれ対応する故障成分波形データの位相
の前記正常時デ−タBの位相に対する位相差、すなわち
電圧センサの正常時の電圧波形データBを基準にした位
相を計測し、それぞれの故障成分の位相E、F、Gとし
て出力する。
【0051】故障種別判別部60は、電圧センサ系列お
よび短絡センサ系列の各ピークレベル検出器51b、c
の出力信号K、Lおよび位相計測器52b、cの出力信
号F、G、ならびに故障判定のためのそれぞれの設定値
63を供給される。そして、短絡センサ系列のピーク
レベル検出器51cより得られた故障レベルLが設定レ
ベを越え、かつ電圧センサ系列のピークレベル検出器5
1bの出力である故障レベルKが設定レベル以下である
場合、および電圧センサ系列のいずれかの電圧センサ
の出力から得られる故障位相差F(位相計測器52bの
出力)が設定位相より大きい場合の、いずれかの場合に
は短絡故障と判定する。さらに電圧センサ系列および
短絡センサ系列の故障レベルK、Lすなわち故障成分レ
ベルがいずれも設定値以上である場合は2線地絡と判定
する。
【0052】一方、短絡センサ系列のピークレベル検
出器51cより得られた故障レベルLが設定レベルより
小さく、且つ電圧センサ系列のピークレベル検出器51
bの出力である故障レベルKが設定レベル以上である場
合、または電圧センサ系列のいずれかの電圧センサの
出力から得られる故障位相差Fが設定位相より小さい場
合には地絡故障と判別する。同時に、故障種別判定部6
0は短絡センサ4の位相計測器52cからの故障位相G
およびピークレベル検出器51cからの故障レベルLを
出力をする。
【0053】上記のように故障種別を判定する理由は次
のとおりである。高抵抗接地系の送電系統においては、
短絡電流の方が地絡電流よりも数倍大きく、また電圧セ
ンサ2u、2dの故障成分として現れる地絡時の零相電
圧と短絡時の短絡電圧とでは、零相電圧の方が短絡電圧
より大きい。このような事実に基づいて、短絡センサ4
の故障成分Lがその設定レベルを超えるか、または電圧
センサ2u、2dの故障成分Kがその設定レベル以下で
あれば短絡故障と判定し、一方、短絡センサ4の故障成
分Lがその設定レベルより小さく、且つ電圧センサ2
u、2dの故障成分Kがその設定レベル以上であれば地
絡故障とする。
【0054】なお、図示例のように電圧センサが複数個
設置されている場合は、複数個のすべての電圧センサの
故障成分として、地絡故障の場合には零相電圧が、また
短絡故障の場合には、各センサが最も影響を受ける相電
圧が現れる。このため、短絡故障の場合の複数個の電圧
センサの故障成分の位相差を事前に計算して設定値を決
めておき、この設定値より複数個の上記電圧センサの故
障成分の位相差が小さい場合は地絡故障、大きい場合は
短絡故障と判別することができる。
【0055】また、電圧センサの検出波形の特定相から
の位相ずれを算出し、そのずれ分によって故障成分の位
相を補正し、その位相に基づいて故障種別を判別する方
法も可能である。すなわち、上部電圧センサ2uからは
A相に近い位相の出力電圧ベクトルが検出され、また前
記上部電圧センサ2uの出力電圧のA相からのずれ角
(補正分)は算出することができるので、故障時の出力
電圧ベクトルから正常時の出力電圧ベクトルを減算して
得られる減算電圧ベクトルの、正常時の出力電圧ベクト
ル位相を基準とした位相ずれを計測した後補正して零相
電圧の位相角を求める。零相電圧の位相角は、1線地絡
の場合は60°、180°、300°に近く、2線地絡
の場合は0°、120°、240°に近いことが知られ
ているので、前記位相角から故障種別を判別することが
できる。
【0056】故障点方向判定部70では、例えば図15
に示すように、地絡事故時の故障電流I1 、I2 の向き
が故障点Xを境にして逆向きとなる事実に基づいて、故
障種別判別部60が地絡故障と判定した場合には、位相
比較器71において地絡センサ系列の位相計測器52a
の故障位相出力Eと電圧センサ系列の位相計測器52b
から得られた故障位相出力Fとの位相比較を行なう。そ
して、前記2つの故障位相出力E、Fが同位相の場合に
は、本実施例装置(例えば、図15のP1地点に設置さ
れる)より線路の一端側(例えば、SS2側)での故障
と判定される。図15のP2地点に設置された故障監視
装置も同じ構成を有するから、ここでの前記2つの故障
位相出力E、Fは逆位相となり、故障地点は本故障監視
装置より他端側(すなわち、SS1側)と判定される。
【0057】反対に、故障種別判別の結果が短絡故障の
場合には、位相比較器72において短絡センサ系列の故
障位相信号Gと電圧センサ系列の位相計測器52bから
得られた故障位相信号Fとの位相比較を行い、同位相の
場合には本装置より線路の一端側での故障、逆位相の場
合には本装置より他端側での故障と判定する。方向判定
結果はそれぞれの表示器92、94に接続された出力線
L1 、L2 上に供給され、上記の故障点方向判定に用い
た故障レベル及び故障位相の各出力E〜G、J〜Lは故
障情報表示部90に出力され、記憶される。なお、電圧
センサ系列のピークレベル検出器51bから得られた故
障レベルKが設定レベルより小さい場合は、前記故障位
相出力Fの代りに、故障時の演算処理前の電圧センサ系
列の検出電圧波形データの位相計測器54の出力Aを用
いてもよい。
【0058】遮断検出部80では、当該送電線の故障が
判定されて回線が遮断された場合は、それから一定時間
後に故障電流がなくなって送電電圧が低下する事実に着
目し、故障発生から一定時間後に地絡センサ系列のピー
クレベル検知器51aから得られる故障レベルJ(短絡
センサのピークレベル検知器51cから得られる故障レ
ベルLで代用できる)が故障発生時より小さくなったこ
と、および電圧センサ系列の演算処理前の検出電圧波形
データ(演算前ピークレベル検出器53の出力M)が平
常時より低下したことの論理積に基づいて、当該送電線
路の遮断検出信号を出力する。前記遮断検出信号によっ
て、方向判定結果をそれぞれの表示器92、94に供給
する出力線L1 、L2 に介在されたスイッチSE1 、S
E2 が閉成されて1端側または他端側表示器92、94
のいずれか一方に、上記の故障点方向判定結果に基づく
予定の表示がされる。
【0059】故障情報表示部90は、図14に示すよう
に、内部に時計96を具備し、故障が発生した時刻を計
時、記憶すると共に、そのときに、故障種別判定部60
や故障点方向判定部70で使用した各種位相、レベルデ
−タや判定結果なども記憶し、必要に応じて表示できる
ようにする。これらのデータは、故障が短時間内に複数
回発生したような場合に、電気所で記録された故障発生
時刻と照合して、複数箇所に設置された同種装置の時間
的整合性を確認しながら、総合的な故障地点の判定や故
障原因の分析のための情報として利用できる。またこの
場合、電圧センサ2u、2dの検出電圧が商用周波数で
あることを利用し、その検出波形(例えば、ゼロクロス
点)で前記内部時計96を予定時間ごとに同期補正する
時刻修正手段98を設けておけば、時計96の時刻ずれ
を実質上なくすることもできる。
【0060】図16は、平行2回線で逆相配列とされた
送電線に本発明を適用した第3実施例の要部を示す概略
図である。上部および下部短絡センサ4u、4dがそれ
ぞれ最上段および最下段の送電線対を結ぶ線上に設置さ
れ、電圧センサ2が中段の送電線対を結ぶ線上に設置さ
れている点で相違する外は、図11と同じであり、同図
と同一の符号は同一部分を表わす。なお各短絡センサ4
u、4dの棒状コアは大地に対してほぼ垂直になるよう
に設置される。図17には、図16の逆相配列の片端電
源系において、地点XでA1・B1相短絡故障が発生し
た場合に、各送電線に流れる短絡電流の様子を示す。I
S1は電源端SS1から下側の故障回線A1,B1を通っ
て直接故障点Xに流れる短絡電流であり、IS2は上側の
健全回線A2,B2から電気所SS2を通って故障点X
に流れる短絡電流である。上部短絡センサ4uは電力線
A1に近いため,電力線A1に流れる短絡電流に比例し
た出力電圧VSUを故障成分として発生する。一方、下部
短絡センサ4dは電力線A2に近いためそこに流れる短
絡電流に比例した出力電圧VSL を故障成分として検出す
る。各短絡センサ4u、4dからみた電力線の架設順序
(位相)が短絡センサを挟んで右側と左側とで反対にな
っているため、故障点Xよりも電源側のP1地点では、
上部短絡センサ4uから得られる故障成分電圧VSUと下
部短絡センサ4uから得られる故障成分電圧VSLとは互
いに逆方向となるのに対し、故障点Xよりも負荷側のP
2地点では上部および下部短絡センサ4u、4dから得
られる故障成分電圧VSU、VSLは同方向となる。
【0061】したがって、このような逆相配列送電線に
本発明を適用する場合は、故障点方向判定部70におい
て上下の各短絡センサ2u、2dから得られる故障成分
電圧の位相を比較し、同相か逆相かにしたがって、短絡
センサ設置の位置から見た故障点方向を判定することが
できる。また、上記の各短絡電流の間にはIS1>IS2の
関係があるため、上下短絡センサ2u、2dの故障成分
電圧の合成電圧の位相は、P1地点ではA1の位相が、
またP2点でもA1の位相が得られる。したがって、上
下短絡センサの故障成分の合成値の位相を短絡電流の位
相として電圧センサの電圧波形又は故障成分の位相と比
較すれば、同相か逆相かにしたがって、前述と同様に、
短絡センサの設置位置から見た故障点方向を判定するこ
ともできる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、送電線路の任意の箇所
の鉄塔に、地絡センサ、短絡センサ及び電圧センサの少
なくとも1つを取付ける際の設置位置や感度調整を簡単
化(場合によっては、不要化)して所要時間や労力、熟
練度を少なくすることができ、演算処理によって容易に
零相電圧やセンサ出力の故障成分を得ることができるた
め、各種センサの設計の余裕度が増し、コスト低減も容
易である。また、短絡故障時も電圧センサによって相電
圧を検出できるので、電圧センサの演算処理前後の波形
やレベルを比較することによって、故障種別又は故障相
が容易に判別できるようになる。さらにこれらセンサを
装備した鉄塔に故障・方向判定器の外に表示器をも取付
けて置けば、両端電源線路や片端電源線路において、本
装置単独で、当該送電線で発生した故障点の方向を判定
・表示することが可能となる。また故障発生時刻、各セ
ンサ出力の故障成分のレベルや位相、故障種別、故障点
の方向などを記憶するメモリを準備しておけば、故障が
短時間の間に続けて起ったような場合に、事故の分別や
故障解析などが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を平行2回線同相配列の標準的な送電線
鉄塔に適用した第1実施例における電圧センサの配置例
を示す概略側面図である。
【図2】図1における上部電圧センサの出力を示す電圧
ベクトル図であり、(A)は正常時、(B)はA相地絡
故障時を示す。
【図3】図1における下部電圧センサの出力を示す電圧
ベクトル図であり、(A)は正常時、(B)はA相地絡
故障時を示す。
【図4】図1におけるA、B相地絡時の電圧ベクトル図
であり、(A)は上部電圧センサの出力、(B)は下部
電圧センサの出力を示す。
【図5】図1におけるAB相短絡時の電圧ベクトル図で
あり、(A)は上部電圧センサの出力、(B)は下部電
圧センサの出力を示す。
【図6】本発明を水平配列送電線鉄塔に適用した他の実
施例における電圧センサの配置例を示す概略側面図であ
る。
【図7】本発明を垂直配列送電線鉄塔に適用したさらに
他の実施例における電圧センサの配置例を示す概略側面
図である。
【図8】本発明を三角配列送電線鉄塔に適用した別の実
施例における電圧センサの配置例を示す概略側面図であ
る。
【図9】本発明を4回線送電線鉄塔に適用したさらに別
の実施例における電圧センサの配置例を示す概略側面図
である。
【図10】本発明の第1実施例のブロック図である。
【図11】本発明を平行2回線同相配列の標準的な送電
線鉄塔に適用した第2実施例における各種センサの配置
例を示す概略側面図である。
【図12】図13、14と共に、前記第2実施例のハー
ド構成を示すブロック図である。
【図13】図12、14と共に、前記第2実施例のハー
ド構成を示すブロック図である。
【図14】図12、13と共に、前記第2実施例のハー
ド構成を示すブロック図である。
【図15】前記第2実施例による故障点方向判別動作を
説明するための概念図である。
【図16】本発明を平行2回線逆相配列の送電線鉄塔に
適用した第3実施例における各種センサの配置例を示す
概略側面図である。
【図17】図16に示した送電線に相短絡事故が生じた
場合の短絡電流の状態を示す概念図である。
【図18】送電線に地絡事故が生じた場合の問題点を説
明するための概略図である。
【符号の説明】
1…送電鉄塔 2u、d…上部、下部電圧センサ 3
u、d…上部、下部地絡センサ 4…短絡センサ 4
u、d…上部、下部短絡センサ 5…故障/方向判別器
6…表示器 30…波形データ演算部 31a〜c…
遅延回路 32a〜c…減算回路 33a…加算回路
40…波形データ記憶部 41a〜c…故障成分メモリ
42a〜c…正常波形メモリ 44a〜c…故障発生
検出器 43a〜c、63…設定値 50…レベル・位
相計測部 51a〜c…ピークレベル検出器 52a〜
c…位相計測器 60…故障種別判別部 70…故障点
判定部 71、72…位相比較器 80…遮断検出部 90…故
障情報表示部 92、94…表示器 96…時計 98
…時刻修正手段 VA 、VB 、VC …相電圧ベクトル
Vo …零相電圧ベクトル VU 、VL …上部および下部
電圧センサの正常時の出力電圧ベクトル VUo、VLo、
VUS、VLS…減算電圧ベクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 宏典 福岡県福岡市博多区美野島1丁目2番8 号 NTビル ニシム電子工業株式会社 内 (56)参考文献 特開 平2−78972(JP,A) 特開 平2−66467(JP,A) 特開 昭59−188327(JP,A) 特開 平5−236638(JP,A) 実開 平3−97678(JP,U) 特公 平7−106023(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/02 G01R 31/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送電線鉄塔内の異なる箇所に、送電線鉄塔
    内の各電力線への感度が異なるように設けられた各電圧
    センサごとに、電圧センサの送電線事故発生時出力と正
    常時出力との差である減算電圧ベクトルを演算する段階
    と、 前記電圧センサごとの減算電圧ベクトルの平均ベクトル
    を演算する段階と、 前記平均ベクトルの位相およびレベルの少なくとも一方
    を、予め準備された判定基準に照合して故障種別および
    故障相の少なくとも一方を判定することを特徴とする送
    電線故障監視方法。
  2. 【請求項2】送電線鉄塔内の相異なる箇所に、送電線鉄
    塔内の各電力線への感度が異なるように設けられた複数
    個の電圧センサと、 送電線の事故を検出する故障発生検出器と、 前記電圧センサの送電線事故発生時における出力と正常
    時出力との差である減算電圧ベクトルを得る演算手段
    と、 各電圧センサごとの減算電圧ベクトルの平均ベクトルを
    演算する手段と、 故障種別および故障相の少なくとも一方を判定するため
    の判定基準値を予め記憶する手段と、 前記平均ベクトルの位相およびレベルの少なくとも一方
    を、前記判定基準値と比較する比較器とを具備したこと
    を特徴とする送電線故障監視装置。
  3. 【請求項3】送電線鉄塔内に、送電線鉄塔内の各電力線
    への感度が異なるように設けられた電圧センサと、 送電線鉄塔内に設けられ、当該送電線の短絡事故時に、
    少なくとも1つの相に流れる短絡電流を検出する短絡セ
    ンサと、 送電線の事故を検出する故障発生検出器と、 前記電圧センサの送電線事故発生時における出力と正常
    時出力との差である減算電圧ベクトルを得る演算手段
    と、 前記短絡センサの事故発生時出力と正常時出力との差を
    演算して、電圧および位相の少なくとも一つを成分とす
    故障成分情報を得る演算手段と、 送電線の故障種別および故障相の少なくとも一方を判定
    するための判定基準値を予め記憶する手段と、 送電線の事故発生時における前記減算電圧ベクトルおよ
    び短絡センサから得られた故障成分情報を前記判定基準
    値と比較、比較結果に基づいて、故障種別および故障相
    の少なくとも一方を表わす信号を発生する比較器とを具
    備したことを特徴とする送電線故障監視装置。
  4. 【請求項4】送電線鉄塔内に、送電線鉄塔内の各電力線
    への感度が異なるように設けられた電圧センサと、 送電線鉄塔内に設けられ、当該送電線の地絡事故時の零
    相電流を検出する零相電流検出手段と、 送電線の地絡事故を検出する地絡故障発生検出器と、 前記電圧センサの送電線事故発生時における出力と正常
    時出力との差である減算電圧ベクトルを得る演算手段
    と、 前記減算電圧ベクトルの位相および前記零相電流の位相
    を比較し、前記電圧センサおよび零相電流検出手段設置
    点から見た故障点方向を示す信号を発生する位相比較器
    とを具備したことを特徴とする送電線故障監視装置。
  5. 【請求項5】前記送電線鉄塔に設備され、前記比較器か
    ら発生される故障種別および故障相の少なくとも1つを
    表示する現地表示型表示器をさらに具備した請求項2ま
    たは3に記載の送電線故障監視装置。
  6. 【請求項6】前記送電線鉄塔に設備され、前記位相比較
    器から発生される前記電圧センサおよび零相電流検出手
    段設置点から見た故障点方向を示す信号を表示する現地
    表示型表示器をさらに具備した請求項4に記載の送電線
    故障監視装置。
  7. 【請求項7】前記送電線鉄塔に設備された電圧センサお
    よび短絡センサの少なくとも1つの出力に基づいて得ら
    れる故障成分の、故障発生から予定時間後のレベル変化
    に基づいて送電線の遮断を検出する遮断検出手段をさら
    に具備し、 前記現地表示型表示器への各種表示が、遮断検出手段に
    よる送電線の遮断検出に応答して行なわれる請求項
    記載の送電線故障監視装置。
  8. 【請求項8】前記送電線鉄塔に設備された電圧センサの
    出力に基づいて得られる故障成分の、故障発生から予定
    時間後のレベル変化に基づいて送電線の遮断を検出する
    遮断検出手段をさらに具備し、 前記現地表示型表示器への各種表示が、遮断検出手段に
    よる送電線の遮断検出に応答して行なわれる請求項
    記載の送電線故障監視装置。
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