JP3292884B2 - 地絡距離検出方法、地絡距離検出装置および地絡距離リレー - Google Patents

地絡距離検出方法、地絡距離検出装置および地絡距離リレー

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JP3292884B2 JP40821690A JP40821690A JP3292884B2 JP 3292884 B2 JP3292884 B2 JP 3292884B2 JP 40821690 A JP40821690 A JP 40821690A JP 40821690 A JP40821690 A JP 40821690A JP 3292884 B2 JP3292884 B2 JP 3292884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地絡距離検出方法、そ
の方法を用いてなる地絡距離検出装置および地絡距離リ
レーに関する。
【0002】
【従来の技術】地絡距離検出は地絡事故点評定とも称さ
れ、送電線に発生した地絡事故の事故点の位置を評定す
るものである。これにより得られる事故点位置情報は、
電力保護システム、電力系統の保守管理およびその運用
上の情報として利用される。
【0003】地絡事故点までの距離の検出は、計測点で
計測される事故電流と地絡相の相電圧と送電線インピー
ダンスに基づいて求めることを原理とする。したがっ
て、事故点抵抗や、送電線の対地静電容量又は送電線相
互間の静電誘導により流れる充電電流等が誤差の要因に
なる。このような誤差要因を補償する技術として、文献
「電気協同研究Vol.41,No.4 デジタルリレ
ー pp184〜pp185」に記載された事故点評定
方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記文献に記載された
「直接接地系の高精度事故点評定」によれば、事故点抵
抗の影響を除くことは可能である。また、対地静電容量
の影響を補正する点については、評定距離を送電線の伝
播定数を用いて直接補正する補正式が提案されている。
しかし、その補正の内容は理論的に明らかにされておら
ず、少なくとも高抵抗接地系にそのまま適用することは
できないと推察する。しかも、送電線相互間の静電誘導
により流れる対地静電容量への充電電流の影響を補償す
る点については記載がない。
【0005】また、上記文献に記載された「高抵抗接地
系平行2回線送電線の事故点評定方式」によれば、1号
線と2号線の零相電流の分流比から距離を求めるため、
原理的に故障点抵抗の影響を受けないとしている。しか
し、このような方式は、1回線の場合には適用できな
い。また、対地静電容量への充電電流は零相電圧に対し
90度進み位相であることに鑑み、上記零相電流の分流
比の計算を有効分電流で実施し、その充電電流の影響を
除去するようにしている。
【0006】また、従来技術として、リアクタンス成分
の大きさで地絡事故点を評定するリアクタンス形リレー
が知られているが、これは一般に中性点直接接地系の送
電線系に用いられるもので、中性点抵抗接地系統又は中
性点インピーダンス接地系統等への適用や、対地静電容
量の補償方法等については明らかでない。
【0007】本発明の第1の目的は、送電線の回線数等
の系統構成にかかわらず適用でき、事故点抵抗と対地静
電容量の影響を補償した地絡距離検出方法および装置を
提供することにある。また、本発明の第2の目的は、上
記第1の目的を達成してなる地絡距離検出方法を用いた
地絡距離リレーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め、本発明の地絡距離検出方法および装置は、送電線の
計測点における電圧・電流検出値を用いて前記計測点か
ら地絡事故点までの距離を検出するにあたり、前記電圧
検出値と、前記送電線の計測点よりも事故点方向に存在
する自己回線の各相間の静電容量及び自己回線の各線と
対地間の静電容量とに基づいて、前記計測点で計測され
る事故電流に影響を及ぼす前記静電容量の充電電流相当
分を推定し、この推定電流により前記計測点で計測され
事故電流を補正し、この補正された事故電流の位相を
基準として、前記送電線の地絡相相電圧の無効分と前記
送電線単位長さ当たりの線路インピーダンスによる理論
電圧降下の無効分とを求め、これらの無効分の比により
前記地絡事故点までの距離を求めるようにしたのであ
る。
【0009】また、前記充電電流相当分に、系統に接続
された力率改善コンデンサから受ける影響分と、他の並
行回線から静電誘導により受ける影響分の少なくとも1
つを含めることができる。
【0010】また、前記各相と対地間の静電容量を静電
容量係数に基づいて求め、前記各相間の静電容量を静電
誘導係数に基づいて求めることができる。
【0011】更に、前記送電線単位長さ当たりの線路イ
ンピーダンスによる理論電圧降下の無効分に、他の並行
回線との相互誘導インピーダンスとその他の回線の零相
電流から求まる理論電圧降下の無効分を含ませることが
望ましい。
【0012】また、第2の目的を達成する本発明の地絡
距離リレーは、上記構成の地絡距離検出により得られた
距離により、地絡事故点が自己の保護範囲内か否かを判
断し、範囲内のときは所定の遮断器に遮断指令を出力す
る構成としたのである。
【0013】
【作用】このように構成されることから、本発明によれ
ば次の作用により上記目的が達成される。まず、地絡距
離の検出は送電線路の事故時の電圧降下すなわち計測点
の相電圧を、そのときの事故電流により生ずる線路の単
位長さ当たりの理論電圧降下分で割ることにより求めら
れる。しかし、不完全地絡のときは線路の電圧降下の他
に事故点抵抗による電圧降下分が含まれるのでそのまま
では誤差が生ずる。
【0014】そこで、本発明は、事故点抵抗を流れる事
故電流を基準位相とし、これに対する前記電圧降下の無
効分により前記距離を求め、これにより事故点抵抗の影
響を除去するのである。
【0015】しかし、通常、事故電流そのものは地絡距
離検出装置が設置される計測点では直接計測できない。
したがって、計測点で計測できる電流から事故電流を推
定することになるが、この計測点の電流には送電線の対
地静電容量による充電電流が含まれるので誤差になる。
この点、本発明は送電線と対地間に存在する静電容量を
求め、この静電容量の充電電流相当分を推定し、この推
定電流により前記計測点で計測される事故電流を補正し
ていることから、上記の誤差を低減できるのである。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づいて説明す
る。図1に本発明を適用してなる一実施例の地絡距離検
出装置のブロック図を示し、図2にその実施例を適用し
てなる検出対象送電線の部分系統図を示す。図2の送電
系統は、3相の送電線1と2が変圧器3を介して交流電
源4に接続され、送電線1の分岐点には遮断器5a〜5
cが挿入されている。変圧器3の中性点は中性点接地抵
抗器6を介して接地されている。以下、このような中性
点抵抗接地系の送電線系統の送電線1を対象とした1回
線モデルを例にとり、送電線1に発生した地絡事故の事
故点標定を行なう地絡距離検出装置10について説明す
る。
【0017】地絡距離検出装置10は送電線1の一方の
分岐端である変圧器3との接続点近傍に設置される。こ
の設置点(以下、計測点という)における送電線1の各
相の相電圧(ベクトル量)Va、Vb、Vcは、それぞ
れ電圧変成器11a〜11cにより検出されて、地絡距
離検出装置10に入力される。同様に、計測点における
各相の相電流(ベクトル量)Ia、Ib、Icは、変流
器12a〜12cにより検出されて、地絡距離検出装置
10に入力される。
【0018】地絡距離検出装置10は、マイクロコンピ
ュータから構成され、図1に示すように、入力処理手段
21と、演算処理手段22と、出力手段23と、メモリ
24とを含んで構成されている。入力処理手段21は、
計測点の相電圧(Va〜Vc)と相電流(Ia〜Ic)
の各データを同一のタイミングで、かつ一定の間隔(例
えば、電気角30度ごと)で周期的にサンプリングす
る。そして、各サンプリングデータに対してフイルタ処
理等の所定の入力処理を施した後、デジタル量にA/D
変換し、演算処理手段22に出力する一方、メモリ24
に格納する。メモリ24は、上記サンプリングデータの
他、後述する演算に必要な線路定数Z1、Z2、Z0、静
電容量係数Kaa.Kbb,Kcc、静電誘導係数Ka
b,Kbc,Kca等の事故判定に必要な整定値が予め
記憶されている。演算処理手段22は、デジタル変換さ
れた電圧・電流のサンプリングデータと、メモリ24に
格納されている整定値に基づいて、後述する手順により
計測点から地絡事故点までの距離を求める。また、演算
処理手段22は、必要に応じて地絡距離リレーの演算処
理機能を付加することができる。すなわち、地絡事故点
が遮断器5の保護範囲に有ると判断した場合は、遮断器
5に遮断指令を出力し、送電系統の保護動作などを行な
わせる。出力手段23は、演算処理手段22の処理結果
の内容等を出力表示する。
【0019】ここで、上記実施例の詳細構成を動作とと
もに説明する。まず、本実施例の地絡距離検出の原理に
ついて説明する。前記計測点をSとし、地絡事故点をF
とし、点Sから点Fまでの距離をL(km)とする。ま
た、不完全地絡による事故点抵抗をRとし、地絡事故電
流をIf(ベクトル量)とする。完全地絡の場合の距離
Lは、計測点Sにおける相電圧と相電流の計測値から事
故点Fまでのインピーダンスを求め、これを単位長さ当
りの線路インピーダンスで割ることにより求めることが
できる。しかし、不完全地絡の場合は、計測点Sで検出
されるインピーダンスは、L(km)相当の線路のイン
ピーダンスと事故点抵抗Rとの合計値になる。そこで、
本実施例では、基本的に、相電流の検出データから事故
電流Ifに相当する零相電流成分を抽出し、これを基準
電流Is(ベクトル量)として数式1に示すように、そ
の基準電流Isの位相を基準とし、線路の無効分電圧発
生量から距離Lを算出するようにしている。
【0020】
【数1】
【0021】ただし、数式1はa相地絡の場合を示し、
分母|Z11+Z22+Z00|は送電線1の単位長さ
(例えば1km)当りの理論上の電圧降下に相当する。
また、Z1、Z2、Z0は、送電線1の単位長さ(1k
m)当りのそれぞれ正相、逆相、零相インピーダンス
(ベクトル量)であり、送電線1において一様に分布し
ているものと仮定する。I1、I2、I0はそれぞれ計測
点Sにおける正相、逆相、零相電流(ベクトル量)であ
り、数式2で求められる。また、数式1におけるθ1
基準電流Isに対する事故相の相電圧Vaの位相差であ
り、進み側を正とする。また、θ2は基準電流Isに対
する理論電圧降下分|Z11+Z22+Z0 0|の位相
差であり、進み側を正とする。
【0022】
【数2】I1=1/3(Ia+aIb+a2Ic) I2=1/3(Ia+a2Ib+aIc) I0=1/3(Ia+Ib+Ic) 数式2における係数a、a2はベクトルオペレータであ
り、数式3に示すものである。
【0023】
【数3】
【0024】数式1によれば、基準電流Isが事故電流
Ifと同位相であれば、事故点抵抗Rの影響を受けずに
距離Lを求められる。すなわち、線路の対地静電容量の
影響が無ければIsとIfが同位相になり、数式4,5
のように同一になるからである。
【0025】
【数4】If=Ia+Ib+Ic=3I0
【0026】
【数5】Is=Ia+Ib+Ic=3I0 しかし、図2に示したように、送電線1に分布して存在
する静電容量を介して、対地充電電流が流れるから、I
s≠Ifとなり、数式1のままでは誤差を含むことにな
る。そこで、本実施例では次に説明するように、対地充
電電流による影響を除去するようにしている。
【0027】まず、送電線1の各線と対地間の分布静電
容量の合計値をCaa,Cbb,Cccとし、各線相互
間の分布静電容量の合計値をCab,Cbc,Ccaと
する。これらの静電容量は計測点Sから見た送電線の負
荷側全体の静電容量であり、例えば力率改善用のコンデ
ンサをも考慮にいれる。また、2回線の場合については
後述する。
【0028】上記の各静電容量は、線路の各相の静電容
量係数を、それぞれKaa,Kbb,Kccとし、各相
間の静電誘導係数を、それぞれKab,Kba,Kb
c,Kcb,Kac,Kcaとすると、数式6,7によ
り求めることができる。これらの係数は実測又は計算で
予め求めることができる。
【0029】
【数6】Caa=Kaa+Kab+Kac Cbb=Kbb+Kba+Kbc Ccc=Kcc+Kca+Kcb
【0030】
【数7】Cab=−Kab=−Kba Cbc=−Kbc=−Kcb Cac=−Kca=−Kac このような静電容量が存在するときの各相の対地充電電
流Iay,Iby,Icy(ベクトル量)は、線路途中
の電圧降下を無視すると、それぞれ数式8で求めること
ができる。ここで、ωは各周波数である。
【0031】
【数8】 Iay=jω{CaaVa+Cab(Va−Vb)+Cac(Va−Vc)} Iby=jω{CbbVb+Cba(Vb−Va)+Cbc(Vb−Vc)} Icy=jω{CccVc+Cac(Vc−Va)+Cbc(Vc−Vb)} 数式8に数式6,7の関係を代入して整理すると、Ia
y,Iby,Icyは、数式9で求めることができる。
【0032】
【数9】 Iay=jω{KaaVa+KabVb+KacVc} Iby=jω{KbbVb+KabVa+KbcVc} Icy=jω{KccVc+KacVa+KbcVb} そこで、充電電流の零相成分を求めるため、3相和を3
0yとすると、数式10が得られる。
【0033】
【数10】 3I0y=Iay+Iby+Icy =jω{KaaVa+KbbVb+KccVc +(Kab+Kac)Va +(Kab+Kbc)Vb +(Kac+Kbc)Vc} したがって、下記の数式11に示すように、計測された
基準電流Isから充電電流成分3I0yを差し引くこと
により、事故電流Ifに一致する補正基準電流Ikが得
られる。この補正基準電流を用いて数式1の位相差
θ1、θ2を演算することにより、静電容量の影響を低減
することができ、地絡事故点の距離を精度よく検出でき
る。
【0034】
【数11】Ik=Is−3I0y 図1実施例は、上述した地絡距離検出方法を適用して構
成したものであり、演算処理手段22の処理手順を図3
に示す。同図に示すように、ステップ101において、
入力処理手段21で処理された相電圧Va〜Vcと相電
流Ia〜Icの検出データを取り込む。この取り込み先
は、入力処理手段21とメモリ24である。次のステッ
プ102で、メモリ24に予め格納されている前記の静
電容量係数と静電誘導係数を読みだし、前記数式10に
より静電容量の充電電流の3相和である3I0yを求め
る。次に、ステップ103で、数式5、11を用い、補
正基準電流Ikを求める。そして、ステップ104で、
線路の単位長さ当たりの理論電圧降下分を算出する。こ
の演算に必要な数式1の分母の送電線単位長さ当たりの
電圧降下分の線路インピーダンスZ1,Z2,Z0は、予
めメモリ24に格納されている。次に、ステップ105
で、補正基準電流Ikを基準として、地絡相電圧(例え
ばVa)と線路の理論電圧降下分との位相差θ1,θ2
求める。この位相差は、例えばそれら電流又は電圧デー
タのゼロクロス点を検出比較して求める。その後、ステ
ップ106にて、地絡相の相電圧と線路の理論電圧降下
分の無効分をそれぞれ算出する。そして、ステップ10
7にて数式1により事故点までの距離Lを求め、ステッ
プ108にて、検出結果の情報を出力手段23に出力す
る。この出力表示には、事故相、事故点までの距離L、
各種の整定値等、地絡事故にかかる各種の情報を含める
ことができる。また、出力手段23には、CRTディス
プレイ、ラインプリンタ、ハードコピー装置、フロッピ
ーディスク記録装置等を適用できる。更に、地絡距離リ
レーの機能を設ける場合は、出力表示部23に事故点が
保護区間内であるか否かを判定する手段と、この判定が
保護区間内であるときに前記遮断器5a〜5cに遮断指
令を出力する手段を設ける。
【0035】図1実施例では、地絡距離検出装置10を
対象送電線系統に接続したものについて示したが、本発
明はこれに限らず、検出した電圧・電流データをフロッ
ピーディスク等の何らかの記録手段に記録し、オフライ
ンでこの記録手段から入力処理手段21にデータを入力
するようにしてもよい。また、入力処理手段21に相当
する機能を別にし、これにより処理されたデータを上記
フロッピーディスクに記録するようにしてもよい。
【0036】また、上記実施例では1回線モデルに本発
明を適用した例を説明したが、2回線以上の多回線並行
送電線系統にも同様に適用できる。すなわち、補正基準
電流Ikの算出において、静電誘導係数に係る補正項目
を、相数の増加分だけ増やせばよい。例えば、図4に示
した3相並行2回線の場合において、1号線31のa相
の地絡事故点までの距離Lを検出するときは、下記の数
式12に示すように、線路の単位長さ当たりの電圧降下
分に、他の回線から静電誘導により受ける影響分を加え
ればよい。この影響分は、2号線32の零相相互誘導イ
ンピーダンスZ0mと2号線の零相電流I02の積にな
る。
【0037】
【数12】
【0038】また、位相差θ1、θ2を求める補正基準電
流Ik´は数式13によりもとめる
【0039】。
【数13】Ik´=(Ia+Ib+Ic)−3I0y´ ここで、3I0y´は1号線と2号線との間の静電誘導
を考慮して、次式14によりもとめる。同式で添字a
´,b´,c´は2号線32のa,b,c相を意味す
る。
【0040】
【数14】 3I0y´=jω{KaaVa+KbbVb+KccVc +(Kab+Kac+Kaa´+Kab´+Kac´)Va +(Kab+Kbc+Kbb´+Kba´+Kbc´)Vb +(Kac+Kbc+Kcc´+Kca´+Kcb´)Vc} 上記数式14では、2号線32の送電圧が1号線31に
等しいとみなしたが、2号線32の相電圧Va´,Vb
´,Vc´を個別に入力できる場合は、次式15を適用
する。
【0041】
【数15】 3I0y´=jω{KaaVa+KbbVb+KccVc +(Kab+Kac)Va+(Kaa´+Kab´+Kac´)Va´ +(Kab+Kbc)Vb+(Kbb´+Kba´+Kbc´)Vb´ +(Kac+Kbc)Vc+(Kcc´+Kca´+Kcb´)Vc´} 上記の例では、多回線系統の相互の静電誘導係数を予め
メモリに格納するものとして説明したが、自己回線の静
電誘導係数に基づいて比例計算に依り演算で求めるよう
にすることができる。この場合はその比例係数をメモリ
24に記憶させておく。
【0042】また、上記ではa相地絡を例に説明した
が、b相又はc相の場合は、3相交流の対象座標法の考
え方に沿い、数式1や11は相変換して適用するのは言
うまでもない。
【0043】また、上記実施例では中性点抵抗接地系を
対象としたが、リアクトルなどインピーダンス接地系に
適用しても同等の効果が有る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
対地静電容量の充電電流を静電容量係数および/又は静
電誘導係数を用いて演算し、これにより計測された零相
電流を補正するようにしていることから、不完全地絡に
おける地絡距離検出の精度が向上する。したがって、こ
れを用いて地絡距離リレーを形成することにより、信頼
度の高い保護装置が得られる。
【0045】特に、抵抗又はインピーダンス接地系の場
合には、地絡事故電流に対して対地静電容量の充電電流
成分の割合が大きくなるので、効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地絡距離検出装置の一実施例のブロッ
ク構成図である。
【図2】図1実施例を適用してなる送電系統の全体構成
図である。
【図3】本発明の主要部の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図4】本発明を2回線並行送電系統に適用した場合の
実施例を説明する図である。
【符号の説明】
1、2 送電線 3 変圧器 5a〜5c 遮断器 10 地絡距離検出装置 21 入力処理手段 22 演算処理手段 23 出力手段 24 メモリ Caa,Cbb,Ccc 各線と対地間の分布静電容量
の合計値 Cab,Cbc,Cca 各線相互間の分布静電容量の
合計値 Kaa,Kbb,Kcc 各相の静電容量係数 Kab,Kba,Kbc,Kcb,Kac,Kca 各
相間の静電誘導係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/08 G01R 31/02 H02H 3/40 H02H 7/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送電線の計測点における電圧・電流検出
    値を用いて前記計測点から地絡事故点までの距離を検出
    する地絡距離検出方法において、前記電圧検出値と、 前記送電線の計測点よりも事故点方
    に存在する自己回線の各相間の静電容量及び自己回線
    の各線と対地間の静電容量とに基づいて、前記計測点で
    計測される事故電流に影響を及ぼす前記静電容量の充電
    電流相当分を推定し、この推定電流により前記計測点で
    計測される事故電流を補正し、この補正された事故電流
    の位相を基準として、前記送電線の地絡相相電圧の無効
    分と前記送電線単位長さ当たりの線路インピーダンスに
    よる理論電圧降下の無効分とを求め、これらの無効分の
    比により前記地絡事故点までの距離を求めることを特徴
    とする地絡距離検出方法。
  2. 【請求項2】 前記充電電流相当分に、系統に接続され
    た力率改善コンデンサから受ける影響分と、他の並行回
    線から静電誘導により受ける影響分の少なくとも1つを
    含めることを特徴とする請求項1に記載の地絡距離検出
    方法。
  3. 【請求項3】 前記自己回線の各線と対地間の静電容量
    を静電容量係数に基づいて求め、前記各相間の静電容量
    を静電誘導係数に基づいて求めることを特徴とする請求
    項1に記載の地絡距離検出方法。
  4. 【請求項4】 前記送電線単位長さ当たりの線路インピ
    ーダンスによる理論電圧降下の無効分に、他の並行回線
    との相互誘導インピーダンスとその他の回線の零相電流
    から求まる理論無効電圧降下分を含めることを特徴とす
    る請求項1,2,3のいずれかに記載の地絡距離検出方
    法。
  5. 【請求項5】 送電線の計測点における電圧・電流検出
    値を用いて前記計測点から地絡事故点までの距離を検出
    する地絡距離検出装置において、 入力される前記電圧・電流検出値が格納されるメモリ
    と、前記送電線の計測点よりも事故点方向に存在する自
    己回線の各相間の静電容量及び自己回線の各線と対地
    の静電容量のデータが格納されるメモリと、前記各メモ
    リから前記電圧検出値と前記静電容量データを読み出
    し、前記計測点で計測される事故電流に影響を及ぼす
    記静電容量による充電電流を推定し、この充電電流に基
    づいて前記計測点で計測される事故電流を補正し、この
    補正された事故電流の位相を基準として、前記送電線の
    地絡相相電圧の無効分と前記送電線単位長さ当たりの線
    路インピーダンスによる理論電圧降下の無効分とを求
    め、これらの無効分の比により前記地絡事故点までの距
    離を求める演算処理手段とを含んでなることを特徴とす
    る地絡距離検出装置。
  6. 【請求項6】 前記充電電流に、系統に接続された力率
    改善コンデンサから受ける影響分と、他の並行回線から
    静電誘導により受ける影響分の少なくとも1つを含めて
    求めることを特徴とする請求項5に記載の地絡距離検出
    装置。
  7. 【請求項7】 前記メモリに格納される静電容量データ
    が、前記自己回線の各線と対地間の静電容量係数と、前
    記自己回線の各相間の静電誘導係数とを含んでなり、前
    記演算処理手段は前記各線と対地間の静電容量を前記静
    電容量係数に基づいて求め、前記各相間の静電容量を前
    記静電誘導係数に基づいて求めることを特徴とする請求
    項5に記載の地絡距離検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項5,6,7のいずれかに記載の地
    絡距離検出装置を備え、前記演算処理手段により求めら
    れた事故点距離が、当該リレーの保護範囲内か否かを判
    断し、この判断が保護範囲内であるときに前記送電線の
    遮断器に遮断指令を出力することを特徴とする地絡距離
    リレー。
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