JP4738288B2 - 配電系統の地絡保護継電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人工地絡試験を実施せずに地絡事故時の電流、電圧から地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定することができるようにした配電系統の地絡保護継電装置に関する。
6.6kV高圧配電系統の大半は非接地方式であり、地絡事故の保護装置として、地絡方向継電器および地絡過電圧継電器が適用されている。地絡過電圧継電器は地絡事故が発生した際に生ずる零相電圧と予め設定された地絡検出感度(以下、動作整定値という)とを比較することによって、検出すべき地絡抵抗以下の事故であるか否かの判定を行うように構成されている。
電力系統の送電線が3相平衡配線されているのに対して、配電系統では、配電線不平衡率や線種、配電線の設備停止・負荷切替等により、対地静電容量が変動し、残留電圧が発生するというのが特徴の一つとしてあげられる。
地絡過電圧継電器については、この残留電圧を考慮して動作整定値を設定するというのは困難であり、万一、動作整定値に不適合があれば不要動作に至る可能性もある。このため、従来では例えば系統条件に大きな変更が生じた場合に人工地絡試験を実施して配電系統に零相電圧を発生させ、このときの零相電圧に基づいて地絡過電圧継電器の動作整定値を決めるようにしていた。
6.6kV高圧配電線非接地系統に設置される地絡過電圧継電器では、例えば地絡抵抗6kΩ以下の地絡事故検出ができるように動作整定値を設定している。この場合の動作整定値の決め方としては、6kΩの地絡抵抗を用いて人工的に一線地絡事故を発生させ、このとき接地形計器用変圧器から出力される零相電圧を取り込んで地絡過電圧継電器が動作するように動作整定値を決定している。
このように、人工地絡試験を実施して地絡過電圧継電器の動作整定値を決める方式は、活線状態の高圧配電線に試験装置を直接接続するため危険を伴うだけでなく、地絡電流発生用の高圧トランスを持ち運ぶことなど、多大な労力および費用が発生する。すなわち、人工地絡試験は高圧母線および各配電線にて実施しており、例えば、変圧器1バンク配電線8フィーダの配電用変電所で人工地絡試験を行うには5人日程度の日数を要するため、これを全ての配電用変電所で行うには多大な労力および費用が発生するという欠点がある。
そこで、近年になって人工地絡試験を実施しないで地絡過電圧継電器の動作整定値を算出する手法が幾つか発明されている。この方式の発明は、配電用変電所に設置された接地形計器用変圧器のオープンデルタ結線された3次巻線の開放端子間に挿入した制限抵抗に切替え機能を付加し、この制限抵抗の抵抗値を切替えることによって切替え前後の零相残留電圧により対地静電容量を演算するようにしたものである(例えば、特許文献1、2および3参照)。
特公平6−97245号公報 特公平6−92997号公報 特許第2904748号公報
配電系統の対地静電容量は、系統の切替えや増設等によって日々刻々と変動するため、実際に地絡事故が発生した時と、人工地絡試験あるいは接地形計器用変圧器3次側の制限抵抗の切替え方式により動作整定値を決めた時の系統条件・負荷条件とは異なる場合もあり、前回決めた動作整定値が常に妥当な値であり続けるとは限らない。もし、動作整定値が例えば系統変更等によって妥当な値でなくなった場合、一線地絡事故発生時に地絡過電圧継電器が不要動作する恐れがあり、従来の動作整定値設定方式では精度面で課題がある。
従来の動作整定値設定方式で地絡過電圧継電器の精度を高めて不要動作を回避するためには、系統条件・負荷条件が変わるたびに動作整定値の設定作業を行わなければならないという欠点がある。動作整定値の設定作業を人工地絡試験によって行う場合には、活線状態の高圧配電線に試験装置を直接接続するため危険を伴い、且つ多大な労力および費用が発生するという欠点がある。
さらに、特許文献1、2および3に記載されている方式すなわち、接地形計器用変圧器の3次側巻線の開放端子間に挿入した制限抵抗の切替え方式の場合、人工地絡試験によって動作整定値を決定する方式に比べて危険な作業を伴う点ならびに多大な労力や費用が発生する点は解消されるものの、制限抵抗を切替えるための専用の切替え設備を新たに用意しなければならず、また、制限抵抗を切替えて零相電圧を測定する際に要する費用と手間が新たな課題として発生する。
そこで本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたもので、配電系統で発生した地絡事故時の電流・電圧から、地絡過電圧継電器の動作整定値を算出することにより、人工地絡試験を必要とせず、しかも、接地形計器用変圧器の3次巻線の開放端子に挿入している制限抵抗を切替える手段を不要とし、以って配電系統の運用に当たっての負担を軽減することが可能な配電系統の地絡保護継電装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、配電系統の地絡保護継電装置において、地絡事故発生時の零相電流、零相電圧から事故回線背後の零相自己アドミタンスY0Bを算出し、当該零相自己アドミタンスY0Bと予め整定値として設定した地絡抵抗Rfとから、この地絡抵抗による地絡事故が発生した場合の事故前後の零相電圧変化分ΔV0を算出し、当該零相電圧変化分ΔV0と事故前の残留電圧V0Rとから、前記地絡抵抗Rfによる地絡事故が発生した場合の零相電圧V0を算出し、当該零相電圧V0の値に従って地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、配電系統の地絡保護継電装置において、予め整定値Y0Cとして設定した各配電線の対地静電容量の総和から系統全体の零相自己アドミタンスYを算出し、当該零相自己アドミタンスYと予め整定値として設定した地絡抵抗Rfとから、この地絡抵抗による地絡事故が発生した場合の事故前後の零相電圧変化分ΔV0を算出し、当該零相電圧変化分ΔV0と事故前の残留電圧V0Rとから、前記地絡抵抗Rfによる地絡事故が発生した場合の零相電圧V0を算出し、当該零相電圧V0の値に従って地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定することを特徴とする。
本発明によれば、配電系統から取り込んだ零相電流値、零相電圧値、各相電圧値と、既知の地絡抵抗とから一線地絡事故時の零相電圧を算出して地絡過電圧継電器の動作整定値を決めるようにしたので、従来技術のように人工地絡試験を実施して地絡過電圧継電器の動作整定値を決める方式や、GPTの3次側巻線の開放端子に挿入される制限抵抗を切替える方式に比べて、配電系統の運用に当たっての負担を軽減することが可能な配電系統の地絡保護継電装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る配電系統の地絡保護継電装置の実施形態について説明する。なお、各図を通して共通部分には同一符号を付けてまた、必要に応じて添字を付けて重複する説明は適宜省略するものとする。
(実施形態1)
(構成)
図1は、本発明の実施形態1を示す基本構成図であり、特に、単線結線図で表わした変電所主回路と本実施形態に係わる地絡保護継電装置との接続関係を示す。
図1において、1は配電用変電所に設けられた非接地の主変圧器(MTR)であり、例えば66kVで受電した電圧を6.6kVに降圧して図示しない遮断器を介して高圧の母線2に供給する。この母線2には配電線遮断器(フィーダ遮断器とも呼ばれている)3を介して複数回線の配電線4が接続されている。
5は各回線配電線4の端子すなわち、母線2および遮断器3間の主回路に設置された零相変流器(以下、ZCTと略称する)であり、抽出した零相電流I0を後述する地絡保護継電装置8に入力するようにしている。
一方、6は母線2に接続された接地形計器用変圧器(以下、GPTと略称する)であり、その1次巻線6−1の中性点は接地され、3次巻線6−2をオープンデルタ接続して開放端子から零相電圧V0を抽出して地絡保護継電装置8に入力するように構成されている。
7は前記母線2の三相電源電圧Ea、Eb、Ecを変成してその2次電圧を地絡保護継電装置8に入力する計器用変圧器(以下、PTと略称する)である。なお、この三相電源電圧Ea、Eb、Ecは、後述する正相電圧成分Ea1を得るための電気量である。
地絡保護継電装置8は、このように配電系統から取り込んだ零相電流I0、零相電圧V0、各相電圧Ea、Eb、Ecと、予め定められている整定値とを用いて所定の演算を行い、地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定するように構成されている。
次に、この地絡保護継電装置8について詳細に説明する。
地絡保護継電装置8は、零相電流I0、零相電圧V0および各相電圧Ea、Eb、Ecを処理しやすい大きさに変換して出力する入力変換器9と、この入力変換器9から出力された零相電流I0、零相電圧V0および各相電圧Ea、Eb、Ecを入力してそれぞれの高調波成分を除去して出力するアナログフィルタ10と、このアナログフィルタ10の出力を入力して所定のサンプリング周期でサンプリングして一定時間ホールドし、これをマルチプレクサによって時系列に並び替えた後ディジタルデータに変換して出力する機能を備えたアナログ/ディジタル変換手段(以下、A/D変換手段と略称する)11とを備えている。
地絡保護継電装置8はさらに、既知の整定値である地絡抵抗Rfを入力するための整定値入力手段12と、前記A/D変換手段11から出力される各種ディジタルデータおよび整定値入力手段12から出力される地絡抵抗Rfを用いて後述する整定値演算アルゴリズムにより、地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に演算して求め、そして動作整定値の設定後、実際の設備運用時に配電系統から取り込む零相電圧と動作整定値とを用いて過電圧継電器演算を行うことにより地絡事故を検出する演算手段13と、この演算手段13の演算結果を遮断器引き外し指令あるいは表示指令として出力する出力手段14とを備えている。
なお、上述の説明では一つの演算手段13で継電器の動作整定値の自動設定を行う演算と、地絡過電圧継電器演算の両方を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、動作整定値の自動設定を行う演算手段と、継電器演算を行う演算手段とを物理的に別個の演算手段で実行するようにし、一方の演算手段で求めた動作整定値を、他の地絡過電圧継電器演算を行う演算手段に入力するようにしても良い。
(作用)
次に、地絡保護継電装置8の動作について説明する。
配電系統から導入された零相電流I0、零相電圧V0および各相電圧Ea、Eb、Ecは、まず、入力変換器9によって所定の大きさの電圧信号に変換された後、アナログフィルタ10に入力されてサンプリングによる折返し誤差となる高調波成分が除去され、さらに、アナログ/ディジタル変換手段11にて所定のサンプリング周期でサンプリングホールドされ、時系列に並び替えられてからディジタルデータに変換されて出力される。
演算手段13では、アナログ/ディジタル変換手段11から入力した零相電流I0、零相電圧V0および各相電圧Ea、Eb、Ecに関するディジタルデータと、整定値入力手段12から入力した大きさが既知の地絡抵抗Rfとを用いて後述する式(1)〜式(11)で示す動作整定値演算アルゴリズムに基づいて演算し、地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定する。
地絡保護継電装置8を運用しているときは、この自動設定された動作整定値と、入力した零相電圧V0に係るディジタルデータとを用いて地絡過電圧継電器演算を行い、演算の結果、地絡事故であると判定された場合には出力手段14から遮断器引き外し信号等を出力する。
次に、演算手段13で実施する地絡過電圧継電器の動作整定値の演算原理について説明する。
図2は、地絡抵抗Rfでa相一線地絡事故が発生した時の配電系統の等価回路である。
図2において、a相一線地絡事故まず電圧の関係式は対称座標法より(1)式で表わすことができる。
Figure 0004738288
ただし、V0:零相電圧
Ea, Eb, Ec:各相電源電圧(PT7より入力した電気量)
Ya,Yb,Yc:各相対地アドミタンス
Rf:a相の地絡抵抗(既知)
Rn:等価中性点抵抗
さらに(1)式を整理すると(2)式で示すことができる。
Figure 0004738288
ただし、Ea1:a相基準の正相電圧(各相電源電圧Ea, Eb, Ecから算出した電気量)
Y1:正相零相相互アドミタンス
Y:系統全体の零相自己アドミタンス
(2)式より、事故前の残留電圧に関する関係式(3)が導かれ、また、a相一線地絡事故時の零相電圧に関する関係式(4)が導かれ、さらに、事故前後の零相電圧の変化分に関する関係式(5)がそれぞれ導かれる。
Figure 0004738288
ここで、(3)式から(6)式が成立することより、(5)式は(7)式のように変形することができる。
Figure 0004738288
次に、電流の関係式を示す。
a相一線地絡時の電流の関係式は(8)式に示すようになる。
Figure 0004738288
ここで、Y0B:事故回線背後の零相自己アドミタンス
ΔI0:事故時の零相電流の変化分
I0F:事故時の零相電流
I0R:残留電流
また、(7)式において等価中性点電流Rnが大きいことから
Figure 0004738288
となるので、
Figure 0004738288
の項を無視すると、(9)式が導かれる。
(9)式は、系統全体の零相自己アドミタンスYが分かれば、地絡抵抗Rf時の地絡事故による零相電圧の変化分ΔV0が算出できることを示す。
Figure 0004738288
ここで、系統全体の零相自己アドミタンスYを(10)式で示すように事故回線背後の零相自己アドミタンスY0Bとすると、Yは(8)式より算出できることになる。
Figure 0004738288
以上より、地絡抵抗Rf時の零相電圧V0Fを、事故前の残留電圧V0Rと(9)式で求めた零相電圧の変化分ΔV0から、(11)式にて算出する。
Figure 0004738288
(11)式にて算出したV0Fの値を地絡過電圧継電器の動作整定値として設定する。
以上のようにして、地絡過電圧継電器の動作整定値を設定し、実際の一線地絡事故時に発生する零相電圧V0を入力して事故動作判定を行うことにより、地絡抵抗Rf時の地絡事故を検出することができる。
(効果)
以上述べたように、本実施形態1によれば、配電系統から取り込んだ電流値および電圧値と、既知の地絡抵抗Rfとから一線地絡事故時の零相電圧V0Fを算出して地絡過電圧継電器の動作整定値を決めるようにしたので、従来技術のように人工地絡試験を実施して地絡過電圧継電器の動作整定値を決める方式や、GPTの3次側巻線の開放端子に挿入される制限抵抗を切替える方式に比べて、配電系統の運用に当たっての負担を軽減することが可能な配電系統の地絡保護継電装置を提供することができる。
(実施形態2)
(構成)
図3は、本発明の実施形態2を示す基本構成図であり、特に、単線結線図で表わした変電所主回路と本実施形態に係わる地絡保護継電装置との接続関係を示す。
図3において、本実施形態2が実施形態1と基本構成図上異なる点は、変電所の配電機器設置上の制約から母線2および遮断器3間にZCT5を設置することができず、そのため地絡保護継電装置8に系統から零相電流I0を入力できない構成になっている点である。
このため、本実施形態2の地絡保護継電装置8は、零相電流I0を入力しなくても実施形態1と同様に電圧、電流各々の関係式(1)式〜(7)式、(9)式および(11)式が成り立つように、整定値入力手段12Aから演算手段13に対して、地絡抵抗Rfの他に対地静電容量(C分)を整定値Y0Cとして入力するようにしている。
(作用)
次に本実施形態の作用について説明する。
本実施形態2は、配電系統の電流が取り込めないため、演算手段13は配電系統全体の零相自己アドミタンスを(8)式で算出するのではなく、その値自体を整定値入力手段12Aから整定値として入力することで決定するようにしている。
配電系統はケーブルと架空線から構成されるが、配電系統の零相自己アドミタンスはケーブルの対地静電容量(C分)が支配的となるので、例えば各配電線のケーブルの対地静電容量(C分)の零相自己アドミタンスを整定値Y0Cとして、整定値入力手段12Aから予め入力して設定して全回線分の総和をΣY0Cとし、これを系統全体の零相自己アドミタンスYとする((12)式)。
Figure 0004738288
これにより、実施形態1と同様に(11)式で算出した、地絡抵抗Rf時の零相電圧V0Fの値を地絡過電圧継電器の動作整定値とし設定し、実際の一線地絡事故時に発生する零相電圧V0を入力して動作判定を行うことにより、地絡抵抗Rf時の地絡事故を検出する。
(効果)
以上述べたように、本実施形態2は配電系統から系統電流の取り込みが行えない場合においても、各配電線のケーブルの対地静電容量(C分)の零相自己アドミタンスを整定値Y0Cとして設けて全回線分の総和ΣY0Cを求めることにより、実施形態1と同様に地絡過電圧継電器の動作整定値を決めることができ、人工地絡試験を実施して地絡過電圧継電器の動作整定値を決める方式や、GPTの3次側巻線の開放端子に挿入される制限抵抗を切替える方式に比べて、配電系統の運用に当たっての負担を軽減することが可能な配電系統の地絡保護継電装置を提供することができる。
(実施形態3)
(構成)
本実施形態3は実施形態1の変形例であり、図4で示すように実施形態1(図1)とは地絡過電圧継電装置8の整定値入力手段12Bから入力される整定値および演算手段13の演算内容が若干異なる。
(作用)
次にその作用について説明する。
実施形態3では実施形態1と同様に電圧、電流各々の関係式(1)式〜(9)式および(11)式が成り立つ。(10)式について、実施形態1では、事故回線背後の零相自己アドミタンスY0Bを系統全体の零相自己アドミタンスYとしていたが、本来求めるべき系統全体のYは、事故回線背後のY0Bに事故回線のケーブルの対地静電容量(C分)の零相自己アドミタンスを補償する必要がある。
そこで、本実施形態3の地絡保護継電装置8では、図4において整定値入力手段12Bから (13)式に示すように、事故回線背後の零相自己アドミタンスY0Bに、さらに事故回線のケーブルの対地静電容量(C分)の零相自己アドミタンスを整定値Y0Cとして設定し加算するようにしたものである。
Figure 0004738288
実施形態1と同様に、(11)式で算出したV0Fの値を地絡過電圧継電器の動作整定値として設定し、実際の一線地絡事故時に発生する零相電圧V0を入力して動作判定を行うことにより、地絡抵抗Rf時の地絡事故を検出する。
(効果)
本実施形態によれば、整定値入力手段12Bから事故回線のケーブルの対地静電容量(C分)の零相自己アドミタンスを整定値Y0Cとして設定し加算するようにしたので、実施形態1の奏する作用効果に加えて、事故回線背後のY0Bに事故回線のケーブルの対地静電容量(C分)の零相自己アドミタンスを補償することができ、より正確な動作整定値を求めることが可能な配電系統の地絡保護継電装置を提供することができる。
(実施形態4)
(構成)
本実施形態4は実施形態1の変形例であり、図5で示すように実施形態1(図1)実施形態3(図4)とは地絡過電圧継電装置8の整定値入力手段12Cから入力される整定値および演算手段13の演算内容が若干異なる。
(作用)
次にその動作について説明する。
本実施形態4では実施形態1と同様に電圧、電流各々の関係式(1)式〜(9)式および(11)式が成り立つ。(8)式で電圧、電流の値から事故回線背後の零相自己アドミタンスY0Bを算出する際に、零相電流についてはJEC1201−1996の解説3項に記載のとおり、ZCT5に起因した誤差の影響を大きく受けるため、前述の実施形態3の(13)式に対し、図5で示すように、整定値入力手段12Cから補正係数kZCTを整定値として設定し、(14)式で示すようにY0Bに乗じて補正を行う。
Figure 0004738288
本実施形態4では、実施形態1および実施形態3と同様に、(11)式で算出したV0Fの値を地絡過電圧継電器の動作整定値として設定し、実際の一線地絡事故時に発生する零相電圧V0を入力して動作判定を行うことにより、地絡抵抗Rf時の地絡事故を検出する。
(効果)
以上述べたように、本実施形態4によれば、実施形態1の奏する作用効果に加えて、ZCT5に起因した誤差を補正することができ、より正確な動作整定値を求めることが可能な配電系統の地絡保護継電装置を提供することができる。
(実施形態5)
(構成)
図6は、本発明の実施形態5を示す基本構成図であり、特に、単線結線図で表わした変電所主回路と本実施形態に係わる地絡保護継電装置との接続関係を示す。
本実施形態5は、変電所の配電機器設置上の制約から母線2および遮断器4間にZCT5を設置することができず、地絡保護継電装置7に系統から零相電流I0を入力しない構成になっている点は実施形態2と同様であるが、本実施形態5では遮断器4の遮断器条件「入り/切り情報(1/0)」を地絡保護継電装置8に取り込むようにした点において異なる。
図6において、地絡保護継電装置8は、演算手段13に遮断器条件入力手段15を新たに設けるようにしており、その他の点では図3の場合と同じように構成されている。
(作用)
次に本実施形態5の作用について説明する。
本実施形態5は、実施形態2と同様に電圧、電流各々の関係式(1)式〜(7)式、(9)式および(11)式が成り立つ。(12)式について、実施形態2では、系統全体の零相自己アドミタンスYは、各配電線のケーブルの対地静電容量(C分)を整定値Y0Cとすると、全回線分の総和をΣY0Cとしていたが、実施形態5ではさらに配電系統から各配電線の遮断器条件(CB条件)「0,1」を取り込み、遮断器入り「1」の状態の場合運用回線とみなして整定値Y0CをΣY0Cに加算し、遮断器切り「0」の状態の場合はその回線は休止回線とみなして整定値Y0CをΣY0Cに加算しない処理とする。
そして、実施形態2と同様に(11)式で算出したV0Fの値を地絡過電圧継電器の動作整定値として設定し、実際の一線地絡事故時に発生する零相電圧V0を入力して動作判定を行うことにより、地絡抵抗Rf時の地絡事故を検出する。
(効果)
本実施形態5によれば、配電系統から電流を取り込む装置がない場合においても、配電系統から各配電線の遮断器条件(CB条件)「0,1」を取り込み、遮断器入り「1」の状態の場合運用回線とみなして整定値Y0CをΣY0Cに加算し、遮断器切り「0」の状態の場合はその回線は休止回線とみなして整定値Y0CをΣY0Cに加算しない処理を行って全運用回線分の総和ΣY0Cを求めることにより、地絡過電圧継電器の動作整定値を決めるようにしたので、実施形態1のZCTにより配電系統から電流を取り込む場合と同程度に地絡過電圧継電器の動作整定値を決めることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1から実施形態5について述べたが、各実施形態において以下のような機能を持たせるようにしても良い。
前述した実施形態1から実施形態5では、自動計算で算出した地絡過電圧継電器の動作整定値を用いて地絡事故であるか否かの判定を行っていたが、さらに従来方式どおり、予め設定した動作整定値を使用する機能も備えて両者のいずれかを選択するようにしても良い。
また、使用する(算出した)動作整定値を保存して表示する機能を設けても良い。
本発明の実施形態1を示す構成図。 本発明が適用される配電系統の等価回路。 本発明の実施形態2を示す構成図。 本発明の実施形態3を示す構成図。 本発明の実施形態4を示す構成図。 本発明の実施形態5を示す構成図。
符号の説明
1…変電所主変圧器(MTR)、2…母線、3…遮断器(CB)、4…配電線、5…零相変流器(ZCT)、6…接地形計器用変圧器(GPT)、7…計器用変圧器(PT)、8…地絡保護継電装置、9…入力変換器、10…アナログフィルタ、11…アナログ/ディジタル変換手段(A/D変換手段)、12、12A,12B、12C…整定値入力手段、13…演算手段、14…出力手段、15…遮断器条件入力手段。

Claims (7)

  1. 配電系統の地絡保護継電装置において、
    地絡事故発生時の零相電流、零相電圧から事故回線背後の零相自己アドミタンスY0Bを算出し、
    当該零相自己アドミタンスY0Bと予め整定値として設定した地絡抵抗Rfとから、この地絡抵抗による地絡事故が発生した場合の事故前後の零相電圧変化分ΔV0を算出し、
    当該零相電圧変化分ΔV0と事故前の残留電圧V0Rとから、前記地絡抵抗Rfによる地絡事故が発生した場合の零相電圧V0を算出し、
    当該零相電圧V0の値に従って地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定することを特徴とする配電系統の地絡保護継電装置。
  2. 配電系統の地絡保護継電装置において、
    予め整定値Y0Cとして設定した各配電線の対地静電容量の総和から系統全体の零相自己アドミタンスYを算出し、
    当該零相自己アドミタンスYと予め整定値として設定した地絡抵抗Rfとから、この地絡抵抗による地絡事故が発生した場合の事故前後の零相電圧変化分ΔV0を算出し、
    当該零相電圧変化分ΔV0と事故前の残留電圧V0Rとから、前記地絡抵抗Rfによる地絡事故が発生した場合の零相電圧V0を算出し、
    当該零相電圧V0の値に従って地絡過電圧継電器の動作整定値を自動的に設定することを特徴とする配電系統の地絡保護継電装置。
  3. 算出した事故回線背後の零相自己アドミタンスに予め整定値として設定した事故回線の対地静電容量から算出した事故回線の零相自己アドミタンスを加算することを特徴とする請求項1に記載の配電系統の地絡保護継電装置。
  4. 算出した事故回線背後の零相自己アドミタンスに予め整定値として設定した零相変流器の誤差補正係数を乗じること特徴とする請求項1または請求項3に記載の配電系統の地絡保護継電装置。
  5. 配電系統で運用されている配電線の遮断器条件を取込み、予め整定値として設定した各配電線の対地静電容量のうち、運用されている回線分のみの総和から系統の零相自己アドミタンスを算出することを特徴とする請求項2に記載の配電系統の地絡保護継電装置。
  6. 地絡過電圧継電器の動作整定値について、予め設定しておいた動作整定値を使用するのか、計算で自動的に設定した動作整定値を使用するのかを切替えできる機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかの1項に記載の配電系統の地絡保護継電装置。
  7. 計算で自動的に設定した動作整定値を保存し、必要に応じて表示する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかの1項に記載の配電系統の地絡保護継電装置。
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