JP2612962B2 - ケーブル活線下絶縁測定誤差補償装置 - Google Patents

ケーブル活線下絶縁測定誤差補償装置

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JP2612962B2 JP33437890A JP33437890A JP2612962B2 JP 2612962 B2 JP2612962 B2 JP 2612962B2 JP 33437890 A JP33437890 A JP 33437890A JP 33437890 A JP33437890 A JP 33437890A JP 2612962 B2 JP2612962 B2 JP 2612962B2
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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は第1の接地点を有して交流高圧母線に直流
信号電圧を重畳印加する直流信号電源装置、および一端
が前記第1の接地点に接続され他端が被測定ケーブルの
遮蔽に接続されて該ケーブルの絶縁抵抗を測定するため
の絶縁抵抗測定回路を備えたケーブル活線下絶縁測定装
置における前記第1の接地点の接地抵抗に直流信号電流
が流れて電圧降下が生じることに起因する絶縁測定誤差
を補償する装置に関する。
(ロ)従来技術 活線下で直流電圧を交流高圧に重畳して電力ケーブル
の絶縁抵抗を測定する装置および方法として例えば特開
昭60-55271号に示される三電圧法が知られている。第5
図は三電圧法による絶縁抵抗測定装置の回路構成図を示
し、高圧母線1にはGPT,GTR等の高圧系統接地用機器2
を介して直流信号電源装置Sから直流信号が印加され
る。この直流信号電源装置Sは直流信号電源3、直流信
号電圧開閉器4、低抵抗(非接地高圧系統の場合は蓄電
器)5からなる。高圧系統全体の対大地絶縁不良抵抗7
の値をRBとし、直流信号電圧が高圧母線に印加された場
合のみ直流信号電流IBが接地点eに流れる。一方、高圧
母線1と接続された測定対象ケーブル8の遮蔽には絶縁
層絶縁不良抵抗9と局部電池10が存在し、また遮蔽と大
地の間には防食層絶縁不良抵抗11と局部電池12が存在す
るものとする。ケーブル8の遮蔽の電位は絶縁抵抗測定
回路Mに導かれる。この絶縁抵抗測定回路MはR1または
R2の値を有する入力抵抗13と、これと並列に接続される
直列接続の電池(E3の値を有する)14と抵抗(R3の値を
有する)15と、入力抵抗13の両端の電圧を測定し、その
内部抵抗が実用的に無限大の直流電圧計16とからなる。
絶縁抵抗測定回路Mと直流信号電源装置Sの接地側とは
一括して通常は受電変電所である第1の接地点e1に接続
される。第1の接地点e1の現実の接続点は接地抵抗6に
至る前のe0になる。
次に、第5図の絶縁抵抗測定装置を使用した従来の三
電圧法による測定方法を第6図の等価回路により説明す
る。第1段階として直流信号電源装置3を稼働せしめな
い状態にて、入力抵抗13の値をR1としてその両端に発生
する電圧E0を直流電圧計16により測定する。第1段階の
測定には第6図(A)の等価回路に示すように3つの起
電流肢があって、第1の起電流能肢は絶縁層絶縁不良抵
抗9の値RIと絶縁層局部電池10の値EIからなり、第2の
起電流能肢は防食層絶縁不良抵抗11の値RSと防食層局部
電池12の値ESからなり、第3の起電流能肢は第1および
第2の起電流能肢が有効に働かない場合にも測定回路を
成立させるもので電池14の値E3と抵抗15の値R3とからな
る。第1段階の測定では直流電流IBは零であるからe=
e0=e1となり共に大地電位となる。このとき入力抵抗13
に発生する電圧E0は直流電圧計16で読み取られ、また式
(1)により計算される。
第2段階として入力抵抗13の値はR1にした状態で開閉
器4を閉じて低抵抗5の両端に発生された電圧を直流信
号電圧Eとして高圧母線1に接地用機器2を経由して印
加する。この時IBが接地抵抗6に流れるので抵抗6の両
端に電圧降下EGを発生する。このEGは直流信号電圧Eの
逆起電力の一部であるからEと極性は逆になる。第6図
(B)に示すように、第1の起電流能肢はRIに対してEI
+Eとなり、第2の起電流能肢はRSに対してES+EGとな
り、第3の起電流能肢には変化がない。直流電圧計16は
この時の電圧計E1を示し、該電圧は遮蔽と大地間の電圧
ではなく、遮蔽と接続点のe0間の電圧であり、この時の
大地電位は第2の起電流能肢内のESとEGの接点へと移行
している。また,E1は式(2)により計算される。
第3段階として直流信号電圧Eを印加した状態で入力
抵抗13をR2に交換してその両端の電圧E2を測定する。第
6図(C)はこの時の等価回路を示し、R1がR2と変わっ
た他は第6図(B)の等価回路と同様である。この時の
E2は式(3)により計算される。
上述の測定結果得られたE0、E1、E2の値と式(1)、
(2)、(3)から絶縁抵抗RIとRSを計算により分離し
て算出する。このRIとRSを算出するには、(i)E1‐E0
を求めることによりEI、ES、E3のような雑音電圧の影響
は消去され、RIは既知のE、R1、R2と測定値E0、E1およ
び次の(ii)で求める測定回路全並列抵抗とにより表せ
ること、(ii)E1とE2との比より測定回路全並列抵抗を
既知のR1、R2と測定値E1、E2とで表せること、(iii)
防食層絶縁不良抵抗RSは絶縁層絶縁不良抵抗値RI、測定
回路全並列抵抗および既知の抵抗R3とから算出されるこ
と、の考えに基づいている、実際には次の式(4)と
(5)が用いられ、EGについては配慮されてないので、
結果的にはEGを零として無視している。
(ハ)この発明が解決しょうとする課題 上述のように従来の絶縁測定装置を使用したケーブル
の絶縁抵抗測定にあっては直流信号電圧印加時にのみ発
生する電圧降下EGの存在に考慮を払わず、この値を零と
して扱っているので絶縁層絶縁不良抵抗11の値RIが真値
より極めて低く表されることがあるという問題が実地使
用経験の積重ねより明らかになった。RIの誤差が増大す
る場合としては(i)高圧系統全体の対大地絶縁不良抵
抗7の値RBが低下し従ってIBが大となった場合、(ii)
第1の接地点の接地抵抗6の値が高い場合、(iii)防
食層絶縁不良抵抗9の値RSが低い場合、(iv)絶縁層絶
縁不良抵抗11の値RIが高い場合がある。
上述のような要因が重複した時に従来技術の測定でど
の程度RI値を真値から離反した値として示すかを計算に
よりシミュレートした結果を第1表により示している。
第1表は全ての前提条件を誤差が増大する方向に選ん
だうえで、防食層絶縁不良抵抗RSとの対比で絶縁層絶縁
不良抵抗値RIの測定、計算結果を示しているので誇張さ
れてはいるものの、真のRIは無限大であるにもかかわら
ずRSに比例してRIは小さく求められている。前述の
(i)〜(iv)の誤差原因を軽減することは測定する側
からは困難な要因もある。
本発明の目的は前述の誤差増大原因は保持した状態で
第1の接地点の接地抵抗に直流信号電流が流れて電圧降
下が生じることに起因する絶縁測定誤差を補償できるケ
ーブル活線下絶縁測定誤差補償装置を提供することであ
る。
(ニ)課題を解決するための手段 この第1の発明の補償装置は、絶縁抵抗測定回路を前
記第1の接地点への接地に保持すると共に前記直流信号
電源装置の接地は前記第1の接地点から切り離して新た
に第2の接地点に接続し、前記絶縁抵抗測定回路の接地
側端と前記直流信号電源装置の接地側端の間はアレスタ
を接続して構成される。
また、この第2の発明の補償装置は、絶縁抵抗測定回
路および直流信号電源装置は共通して第1の接地点への
接続状態を保持すると共に、この共通接続点と第2の接
地点との間に直流電圧計を接続して構成し、前記直流信
号電源装置の交流高圧母線への直流信号電圧印加時に前
記直流電圧計の指示から前記第1の接地点における電圧
降下を求め、この値を絶縁計算に折込み補償することを
特徴としている。
また、この第3の発明の補償装置は、絶縁抵抗測定回
路および直流信号電源装置は共通して第1の接地点への
接続状態に保持すると共に、この共通接続点と第2の接
地点との間に地電流打消装置を接続してなり、前記直流
信号電源装置の交流高圧母線への直流信号電圧印加時に
前記第1の接地点に流れる電流または前記共通接続点と
第1の接地点との間の直流電圧が零となるように前記地
電流打消装置の出力極性および電圧の調整がおこなわれ
ることを特徴としている。
また、この第4の発明の補償装置は、直流信号電源装
置の接続を前記第1の接続点へ保持し、前記絶縁測定回
路は前記第1の接地点から切離して第2の接地点に接続
して構成している。
(ホ)作用 第1の発明の装置を使用して従来の測定方法により絶
縁抵抗の測定を行なっても、直流信号電流は第2の接地
点を経由して流れるため、第1の接地点における電圧降
下は発生せず、絶縁抵抗測定誤差が消滅する。
第2の発明の装置を使用して従来の測定方法により絶
縁抵抗の測定を行うと共に第1の接地点における電圧降
下を直流電圧計により求め、計算に折り込んで補正す
る。
第3の発明の装置を使用して従来の測定方法により絶
縁抵抗の測定を行うと共に直流信号電圧印加時の第1の
接地点における電圧降下を無くすために第2の接地点と
の間に設けた地電流打消装置を操作する。
第4の発明の装置を使用して従来の測定方法により絶
縁抵抗の測定を行なっても第2の接地点に接続された絶
縁抵抗測定回路には第1の接地点における電圧降下の影
響は及ばない。
(ヘ)実施例 第1図はケーブル絶縁抵抗測定誤差補償装置の第1の
発明の一実施例を示している。第1図中符号1〜16は第
5図の説明と同一であるのでその説明は省略する。第5
図の従来の装置と異なるのは直流信号電源装置Sの接地
側端と、絶縁抵抗測定回路Mの接地側端とを一括して第
1の接地点e1に接続することは行わず、絶縁抵抗測定回
路Mの接地側のみが第1の接地点e1に導かれる。直流信
号電源装置の接地側は第2の接地点e2から導かれた絶縁
リード18に接続され、その接続点をe0とする。なお、第
2の接地点e2の接地抵抗は符号17で、絶縁リード18のイ
ンダクタンスを符号19で示している。接続点e0と絶縁抵
抗測定回路Mの接地側との間にはアレスタ20が接続され
ている。第2の接地点e2には直流信号電圧印加時のみに
電流IBが流れ接地抵抗17で電圧降下EG′を生じる。この
EG′の値は前記第1の接地点における電圧降下EGの値と
同じでなく、第2の接地点の接地抵抗の大小にほぼ比例
する。
ここで、第1から第4の発明に共通して使用されてい
る第2の接地点e2について説明する。第2の接地点と
は、第1の接地点e1における直流電圧降下に基づく地中
電界が、その地点における接地抵抗形成域を侵食しない
程度に第1の接地点から離隔した地点に設けられた接地
点を指す。または、第2の接地点自体における直流電圧
降下に基づく電界が第1の接地点における接地抵抗形成
域を侵食しない程度に第1の接地点から離隔した地点に
設けられた接地点である。第1の発明においては直流信
号電流の帰還路が変わり、直流電圧降下は第1の接地点
から第2の接地点に振替えられるからこの場合の第2の
接地点は、第2の接地点自体における直流電圧降下に基
づく電界が第1の接地点における接地抵抗形成域を侵食
しない程度に第1の接地点から離隔した地点に設けられ
た接地点である。第1の接地点e1と第2の接地点e2の具
体的な離隔距離は少なくとも20m以上、通常は50m以上は
離れていることが望ましい。第1の接地点は通常は或る
面積を持つのが普通であるから具体的には第1の接地点
を構成している変電所域の外周包絡線またはフェンスの
何れの地点からも20〜50m以上離れた地点が第2の接地
点といえる。更には測定対象である変電所から構外に向
けて導出布設されている何れのケーブルルートからも20
〜50m以上離れていることが望ましい。この理由は或る
ケーブルに防食層絶縁不良があってそれがたまたま第2
の接地点が構成する電界域に包含された場合の誤差を避
けるためである。第2の接地点の接地抵抗はできるだけ
低く、できれば第1の接地点の接地抵抗に等しいことが
望ましいが、通常はそれは期待できず、EG′はEGよりも
高くなることが多い。
第1図の装置を使用して通常の絶縁抵抗測定操作がお
こなわれる。第5図の場合と異なるところは、直流信号
電圧Eを印加して直流信号電流IBが流れても直流信号電
源装置Sへ還流する通路は第1の接地点e1経由ではなく
第2の接地点e2経由となる。従って第1の接地点e1にお
ける電圧降下EGは生じないので、従来のように第6図
(B)および(C)に示すように第2の起電流能肢にお
いてEGがESに直列に加わることはなく、測定誤差が生じ
る原因が除去される。第7図(A)は直流信号電圧を印
加する前の入力抵抗13の両端の電圧E0の測定を示す第1
図の等価回路図であり第6図(A)と実質的に同じであ
る。第2の接地点e2の電位は他の地点e,e1、e0とひとし
く大地電位である。この時、E0は式(1)と等しい次の
式(6)により算出される。
第7図(B)は直流信号電圧Eを印加して入力抵抗13
の電圧E1を測定する場合の等価回路図を示している。第
6図(B)と異なることはE1が測定される2端子は第6
図(B)では遮蔽端と接続点e0であるが、本発明の第7
図(B)は遮蔽端と大地である。更に上述のように第2
の起電流能肢にEGが加わらないこと、第1の起電流能肢
では新たに加わる起電力はE-EG′となっていることであ
る。直流信号電源装置Sと第2の接地点e2との接続点e0
は第1の起電流能肢内のEとEG′の接点として表され
る。この時,抵抗値R1の入力抵抗13の両端の電圧E1は次
の式(7)によって計算される。
第3の測定段階では入力抵抗13の値がR1からR2に替えて
測定されるだけであるから図示は省略されている。さ
て、式(7)−式(6)を求めると、次の式(8)が得
られる。
式(8)によると、第2、第3の起電流能肢の影響は消
去され、直流信号電圧Eの印加の影響のみによって示さ
れている。正確には、EG′は零でないから分子を完全に
E/RIの形に表すことはできないが、直流信号電圧Eに比
べて電圧降下EG′は非常に小さく(例えば、第1表では
EG=50mVでEの1/1000)、EG′が第2の起電流能肢に入
った従来の大きな影響に比べ、単に直流信号電圧値を微
小低下させただけの効果しか示さない。即ち、EとE-
EG′のとの差は誤差要因としてとりあげるほどのもので
なく、従来技術で提供された計算式を用いることができ
る。
上述のように、第1図の装置を使用して従来の測定操
作を行うと、直流信号電圧印加時の第1の接地点におけ
る電圧降下EGを第2の接地点における電圧降下EG′に振
替え、かつ絶縁抵抗測定回路Mは第1の接地点に接続し
た状態であるが、EGの発生は無く、従って絶縁抵抗測定
誤差を完全に近いまでに消滅させることができる。しか
し、測定中に高圧系統に地絡事故が発生した時、接続点
e0と大地間に高電圧を発生させる問題がある(測定時外
は接地用機器2の中性点を直接第1の接地点e1に接続し
ているので問題は無い)。この高電圧発生の理由は、第
2の接地点e2から導かれる絶縁リード18が地表面に平行
して数十mも布設されるため、そのインピーダンスとし
て抵抗分よりもインダクタンス19が問題となり、急峻な
時間変化をする地絡過渡電流に対する電圧降下が大きく
なるからである。大地を帰路とする地表面布設電線のイ
ンダクタンスの一般的な計算値は約2.8mH/Kmであるか
ら、長さ50mの電線に1μs当たり100Aの割合で変化す
る電流が流れたとすると、その電圧降下は、 2.8×10-3×0.05×100×106=14000(V) と計算される。そこで本装置においては人体および装置
に対する安全上の配慮から、接続点e0と絶縁抵抗測定回
路Mの接地側との間には必ずアレスタ20を設けることで
地絡事故時の異常電圧低減対策としている。アレスタ20
は絶縁抵抗測定回路Mの接地側と直流信号電源装置Sの
接地側を切離した間に接続される。
次に第2の発明について第2図に基づいて説明する。
第2図において符号1〜18の各要素は第1図の場合と同
様であるので説明は省略する。第2図において直流信号
電源装置Sの接地側と絶縁測定回路Mの接地側とは一括
して従来通り第1の接地点e1に導かれる。さらに、現実
の接続点がe0であることも従来の装置と同様である。従
来の装置と異なるところは上記接続点e0はさらに直流電
圧計21および絶縁リード18を介して第2の接地点e2に導
かれる。第2の接地点e2の接地抵抗17の値は本装置では
低い値であることは必要とせず、第3種の接地抵抗100
Ωを満足すれば十分である。また、本装置の場合は第2
の接地点e2からの絶縁リード18のインダクタンスも問題
にならない。この理由は、本装置の場合は第2の接地点
e2は直流信号電流IBを拾う目的のために設けるものでは
なく、第1の接地点e1の電界の影響を受けない大地電位
を接続点e0の近くまで導入する目的のものであり、絶縁
リード18には電流は流れないからである。絶縁リード18
の端末と接続点e0の間には内部抵抗が実用的に無限大の
直流電圧計21を接続する。
第2図のように構成された装置を使用して従来の活線
下絶縁抵抗測定操作を行う。直流信号電圧Eの印加時に
は入力抵抗13の両端の電圧E1を直流電圧計16によって測
定する他に、第1の接地点e1における電圧降下EGを直流
電圧計21によって読み取る。この電圧降下EGは第1の接
地点の接地抵抗6と直流信号電流IBの積である。このと
き直流電圧計21の極性は大地側をプラスとして接続し、
測定された電圧極性がプラスであればプラス、マイナス
であればマイナスとして計算式において処理する。プラ
スとして得られた測定電圧値は接続点e0が大地に対して
その値だけマイナスであることを意味し、第6図(B)
に示す等価回路において第2の起電流能肢内において電
圧降下EGが接続点e0に対してプラス極性で挿入されるこ
とに相当している。
第2の発明の特徴は、第2の接地点e2を介して得られ
たEGの値を、EGの存在を考慮して作成した絶縁層絶縁不
良抵抗の値RIと防食層絶縁不良抵抗の値RSを求める式
(9)と(10)に代入し、EGの値の如何にかかわらず真
の絶縁抵抗値を求めることである。電圧降下EGの値の測
定は直流信号電流IBの値が時間と共に変わる(抵抗RB
値が時々刻々と変わるため)から、測定対象ケーブル1
条の測定毎にその都度測定した値を用いるのが良い。上
記式(9)と(10)は従来の式(1)、(2)、(3)
から展開したもので、次のように表すことができる。
第1表と同じ前提条件のもとで第2の発明の装置を使
用して測定し、上記式(9)と(10)を使用してRSとRI
とを計算すると第2表のようになる。
第2表によると、防食層絶縁不良抵抗の値RSが低い領域
では低い絶縁層絶縁不良抵抗の値RIが得られているが、
これは使用した直流電圧計21の分解能に限界があるとこ
ろから生じるもので止む得ないものである。なお、RS
値は従来技術でも実用上はほとんど差は無く、正確に測
定されている。勿論、式(5)よりも式(10)の方がよ
り正確に計算される。なお、ここで提供された新計算式
は従来採用されている、いわゆる三電圧法を採用する場
合のみ適用でき、他の方法を使用する場合は別の計算式
となる。従って、新計算式自体は本発明の構成内容でな
く、本装置により正確にEGを求め、該計算式に導入して
補正が行われることに意義がある。本装置においてはア
レスタは不要であり、第2の接地点e2の接地抵抗は高く
ても良い。
次に、第3の発明の装置について第3図に基づいて説
明する。第3図中の符号1〜18の各要素は第1図の場合
と同様であるので説明を省略する。第1図の場合と異な
るのは直流信号電源装置Sの接地側と絶縁抵抗測定回路
Mの接地側は一括して従来通り第1の接地点e1に導かれ
る、この現実の接続点をeとする。第2の接地点e2から
の絶縁リード18の端末と接続点eとの間には地電流打消
装置22が接続される。この地電流打消装置22は直流信号
電圧Eの印加時に接続点eの電位を強制的に大地電位に
移行させるもので、低い内部抵抗と大きい地絡電流容量
を持ちできるだけ小さい電圧分解能のもとで最大1〜2V
までの範囲の任意の電圧を任意の極性で発生できる。ま
た、接続点eと第1の接地点e1との間には直流電圧計23
または直流電流計が挿入される。この直流電圧計23とし
ては測定中に高圧系統に地絡事故が発生した場合に備え
るために電流容量を有する低抵抗シャントの電圧降下を
微小電圧計で測定する構成、即ち事故電流が第2の接地
点e2だけでなく本来の第1の接地点e1を通じて確保され
ることが望ましい。
第3図の装置を使用して通常の活線下絶縁抵抗測定操
作が行われる。地電流打消装置は、直流信号電圧非印加
時には電圧を発生せず、直流信号電圧印加時に接続点e
の電位が零となるように発生電圧値及びその極性を手動
またはサーボ機構による自動操作により調整する。接続
点eの電位が大地電位になったことを確かめてから入力
抵抗13の電圧E1、E2を測定する。この際、直流電圧計23
の指示が零となることをもって接続点eの電位がe1の電
位即ち大地電位になった印とする。入力抵抗13の電圧E1
またはE2の測定時には第2の接地点e2には直流信号電流
IBが流れるので接地抵抗17の値はできるだけ低いことが
必要である。この理由は地電流打消装置22の所要発生電
圧値は直流信号電流IBと接地抵抗17の積に等しく、逆極
性で直列接続になるから無益に高い発生電圧値を要求し
ないためである。測定の結果得られたE0、E1、E2を使用
して絶縁不良抵抗RI、RSを求めるには式(1)、
(2)、(3)を用いても良く、またはEG=0とした式
(9)、(10)を用いても良い。この第3図の装置を使
用すると正確な測定が補正計算無しに行える。
次に、第4の発明の装置について第4図に基づいて説
明する。第4図において、符号1〜18の各要素は第1図
の場合と同様であるから説明は省略する。第1図の装置
と異なるのは絶縁抵抗測定回路Mの接地側を第2の接地
点e2に絶縁リード18を経由して接続し、直流信号電源装
置Sの接地側は第1の接地点e1に導いていることであ
る。ここで第1の接地点e1との現実の接続点をe0とす
る。
第4図の装置を使用して通常の活線下絶縁抵抗測定操
作を行う。直流信号電圧Eの印加時には接続点e0と第1
の接地点e1との間に直流信号電流IBと接地抵抗6との積
である電圧降下EGを発生する。しかし、第2の接地点e2
にその接地側を接続している絶縁抵抗測定回路Mには電
圧降下EGの影響は現れない。従って、電圧降下EGを測定
する必要は無く、またその値を計算式に代入して補正す
る必要も無い。なお、第2の接地点e2には直流信号電流
IBは流れ無いから接地抵抗17の大小を考慮する必要は無
い。
(ト)効果 本発明の各活線下ケーブル絶縁抵抗測定誤差補償装置
によれば、従来技術では考慮対象となっていなかった、
直流信号電圧印加時のみに発生して絶縁測定回路に入り
込み絶縁層絶縁不良抵抗の測定に誤差を生じていた雑音
電圧(EG)を、 (i)第1の発明の装置においては直流信号電流の帰路
を振替えることで実効的に零にし、 (ii)第2の発明の装置においては実測によりその値を
得て計算式により折込み補正をなし、 (iii)第3の発明の装置においては地電流打消装置の
働きにより強制的に零とし、 (iv)第4の発明の装置においては絶縁抵抗測定回路を
大地電位上で動作させることにより実効的に零として大
きい測定誤差の導入を避け、 依って従来より高い絶縁抵抗を測定環境条件が悪くても
正確に測定することができる。本発明の各装置を使用し
て絶縁抵抗測定を行えば、ケーブル劣化の初期において
まだ絶縁抵抗が十分に高いレベルにある時期から要注意
ケーブルを監視してその劣化の傾向を正確に把握でき、
活線下ケーブル絶縁監視技術の水準を大いに向上させる
ことができる。このため、代替ケーブルの準備、取替工
事工程の設定等に時間的余裕を与える等実務面での利益
は大きい。特に、一旦劣化が始まるとその劣化速度が早
いと予想される特別高圧ケーブルを多重分布接地系で使
用する場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の装置の一実施例を示す構成図、第
2図は第2の発明の装置の一実施例を示す構成図、第3
図は第3の発明の装置の一実施例を示す構成図、第4図
は第4の発明の一実施例を示す構成図、第5図は従来の
活線下ケーブル絶縁抵抗測定装置の構成図、第6図は第
5図の装置を使用して絶縁抵抗測定を行った場合の等価
回路図、第7図は第1図の装置を使用して絶縁抵抗測定
を行った場合の等価回路図である。 1……高圧母線、6、17……接地抵抗、7……対大地絶
縁不良抵抗、8……測定対象ケーブル、9……絶縁層絶
縁不良抵抗、10、12……局部電池、11……防食層絶縁不
良抵抗、18……絶縁リード、20……アレスタ、21……直
流電圧計、22……地電流打消装置、e0……接続点、e1
…第1の接地点、e2……第2の接地点、S……直流信号
電源装置、M……絶縁抵抗測定回路。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流高圧母線に直流信号電圧を重畳印加す
    る直流信号電源装置、および一端が前記第1の接地点に
    接続され他端が被測定ケーブルの遮蔽に接続されて該ケ
    ーブルの絶縁抵抗を測定するための絶縁抵抗測定回路を
    備えたケーブル活線下絶縁測定装置における前記第1の
    接地点の接地抵抗に直流信号電流が流れて電圧降下が生
    じることに起因する絶縁測定誤差を補償する装置であっ
    て、 前記絶縁抵抗測定回路は前記第1の接地点への接地を保
    持すると共に前記直流信号電源装置の接地は第2の接地
    点に接続し、前記絶縁抵抗測定回路の接地側端と前記直
    流信号電源装置の接地側端の間にはアレスタが接続され
    てなるケーブル活線下絶縁測定誤差補償装置。
  2. 【請求項2】第1の接地点を有して交流高圧母線に直流
    信号電圧を重畳印加する直流信号電源装置、および一端
    が前記第1の接地点に接続され他端が被測定ケーブルの
    遮蔽に接続されて該ケーブルの絶縁抵抗を測定するため
    の絶縁抵抗測定回路を備えたケーブル活線下絶縁測定装
    置における前記第1の接地点の接地抵抗に直流信号電流
    が流れて電圧降下が生じることに起因する絶縁測定誤差
    を補償する装置であって、 前記絶縁抵抗測定回路および前記直流信号電源装置は共
    通して前記第1の接地点への接続状態を保持すると共
    に、この共通接続点と第2の接地点との間に直流電圧計
    が接続されていることを特徴とするケーブル活線下絶縁
    測定誤差補償装置。
  3. 【請求項3】第1の接地点を有して交流高圧母線に直流
    信号電圧を重畳印加する直流信号電源装置、および一端
    が前記第1の接地点に接続され他端が被測定ケーブルの
    遮蔽に接続されて該ケーブルの絶縁抵抗を測定するため
    の絶縁抵抗測定回路を備えたケーブル活線下絶縁測定装
    置における前記第1の接地点の接地抵抗に直流信号電流
    が流れて電圧降下が生じることに起因する絶縁測定誤差
    を補償する装置であって、 前記絶縁抵抗測定回路および前記直流信号電源装置は共
    通して前記第1の接地点への接続状態を保持すると共
    に、この共通接続点と第2の接地点との間に地電流打消
    装置が接続されていることを特徴とするケーブル活線下
    絶縁測定誤差補償装置。
  4. 【請求項4】第1の接地点を有して交流高圧母線に直流
    信号電圧を重畳印加する直流信号電源装置、および被測
    定ケーブルの遮蔽に接続されて該ケーブルの絶縁抵抗を
    測定するための絶縁抵抗測定回路を備えたケーブル活線
    下絶縁測定装置における前記第1の接地点の接地抵抗に
    直流信号電流が流れて電圧降下が生じることに起因する
    絶縁測定誤差を補償する装置であって、 前記直流信号電源装置は前記第1の接地点への接続を保
    持し、前記絶縁測定回路は第2の接地点に接続されてい
    ること特徴とするケーブル活線下絶縁測定誤差補償装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104520726A (zh) * 2012-06-01 2015-04-15 艾思玛太阳能技术股份公司 用于逆变器的绝缘电阻测量

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