JPH09257374A - 赤外線加熱炉及び熱膨張計 - Google Patents

赤外線加熱炉及び熱膨張計

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JPH09257374A
JPH09257374A JP8093511A JP9351196A JPH09257374A JP H09257374 A JPH09257374 A JP H09257374A JP 8093511 A JP8093511 A JP 8093511A JP 9351196 A JP9351196 A JP 9351196A JP H09257374 A JPH09257374 A JP H09257374A
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heating furnace
cooling
reflectors
infrared heating
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JP8093511A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Tsugai
博道 番
Tsugio Itagaki
次男 板垣
Satoshi Nishiguchi
諭 西口
Makoto Kobayashi
信 小林
Masahiro Oki
政広 大木
Ikutake Nemoto
以久武 根本
Kenji Shimada
賢次 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINKU RIKO KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
SHINKU RIKO KK
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N25/00Investigating or analyzing materials by the use of thermal means
    • G01N25/16Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating thermal coefficient of expansion

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一に急速加熱、急速冷却できる赤外線加熱
炉、及び熱膨張計を提供する。 【解決手段】 内周面が回転楕円鏡面の反射体81〜83
三個以上設け、各反射体81〜83の一方の焦点Q1〜Q3にそ
れぞれ点光源51〜53を配置し、他方の焦点は試料が位置
する共通の焦点Q0上に配置する。赤外線が試料7に集光
され、急速加熱が可能となる。その際、各反射体81〜83
のいずれの長軸も同じ直線上には位置しないようにする
と、反射体81〜83が互いに加熱し合わない。また、各長
軸を、互いに略等角度にしたので、試料7を均一に加熱
できる。点光源51〜53から試料7に直進する光を妨げな
いようにして冷却パイプ101〜103を配置し、試料7に冷
却ガスを吹き付けるようにすれば、試料7を均一に冷却
できる。押し棒15で試料7の変位を測定できるようにし
ておくと、精度の良い膨張、冷却曲線が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料を急速加熱で
きる赤外線加熱炉、試料を急速加熱・急速冷却できる赤
外線加熱炉、及びその赤外線加熱炉を用いて試料の膨張
及び収縮を測定する熱膨張計に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、加熱炉には、ニクロム線炉や
白金線炉等の抵抗加熱炉や、高周波加熱炉、赤外線加熱
炉等、種々の種類のものが用いられている。それら加熱
炉のうち、試料の急速加熱に適しているのは、高周波加
熱炉と赤外線加熱炉であると言われている。
【0003】しかしながら高周波加熱炉では、加熱でき
る試料が鉄鋼試料等の誘導加熱可能な試料に限られてし
まい、電気電導率の高い銅やアルミニウム合金や、逆に
電気電導率がゼロに近いセラミック試料は加熱できない
という欠点がある。それに対して赤外線加熱炉では、加
熱できる試料の種類を選ばないという利点があり、汎用
的な加熱炉として広く使用されるに到っている。そのよ
うな赤外線加熱炉のうちでも試料周囲を覆う回転楕円鏡
面を有し、点光源から射出した赤外線を反射集光して試
料を急速加熱するものが知られている。
【0004】上記のような従来技術の赤外線加熱炉を、
図面を用いて説明する。図9を参照し、符号103は、
その従来技術の赤外線加熱炉であり、二つの反射体10
1、1082を有している。該反射体1081、1082
の内周面は、それぞれ回転楕円面に成形され、赤外線を
反射できるように鏡面加工されており、それらが各々有
する二個の焦点のうち、一方の焦点が共通の焦点P0
位置するようにされ、他方の焦点P1、P2は、前記共通
の焦点P0を中央にして一つの直線120上に並ぶよう
にされている。
【0005】各反射体1081、1082内には、赤外線
ランプ1041、1042がそれぞれ設けられており、各
赤外線ランプ1041、1042が有する点光源10
1、1052は、それぞれ前記焦点P1、P2上に位置す
るようにされている。
【0006】この反射体1081、1082には石英管1
06が挿通されており、支持棒118先端に取り付けら
れ、該石英管106内部に配置された試料107が、前
記共通の焦点P0上に位置するようにされている。二つ
の点光源1051、1052から射出された赤外線は反射
体1081、1082によって反射され、試料107に集
光されるように構成されている。
【0007】一般的に赤外線ランプ1041、1042
熱容量は極めて小さく、また、二つの点光源1051
1052が射出する赤外線が一つの試料107に集光さ
れるので、この赤外線加熱炉103では、試料107を
急速に高温まで加熱することが可能となっている。
【0008】このような赤外線加熱炉103に、試料1
07の熱膨張を測定する装置と温度計とを設ければ、急
速加熱させて膨張曲線が得られることから、熱膨張計に
も用いられるようになっている。
【0009】しかしながら上述したような赤外線加熱炉
103においては、試料加熱の均一性をできるだけ向上
させるために、二つの反射体1081、1082を対向し
て配置せざるを得ない。このような配置では、一方の反
射体が他方の反射体を相互に加熱し合うこととなり、互
いに炉の寿命を短くし合うという欠点がある。また、試
料加熱の均一性は向上されていると言っても、試料の、
赤外線の入射方向と、それと直角な方向との温度分布は
必ずしも一致せず、その均熱性は必ずしも現在求められ
ている精度を満足してはいない。
【0010】他方、試料の熱膨張測定には、図10に示
した熱膨張計202のような、高周波加熱炉を応用した
ものも知られている。この熱膨張計202は、チャンバ
ー203と、該チャンバー203内に配置されたコイル
205とを有している。そのコイル205の内側には、
コイル状に巻回された冷却パイプ210が設けられてお
り、それらの中央には、るつぼ206が配置されてい
る。
【0011】るつぼ206内には試料207が納められ
ており、チャンバー203の上部から押し棒215が挿
通され、その下端部は試料207の上部に密着され、上
端部は外部に配置された測定器209に接続されてお
り、試料207の変位を押し棒215を介して、測定器
209によって測定し、試料207の膨張を求めること
ができるように構成されている。また、るつぼ206の
底面には、温度計216が設けられており、該温度計2
16によって試料207の温度を測定できるように構成
されている。
【0012】そしてこのような熱膨張計202では、コ
イル205に高周波電圧を印加して試料207を誘導加
熱し、加熱終了後、又は加熱しながら冷却装置211に
よって冷却した冷却ガスを冷却パイプ210から試料2
07へ向けて噴出させると、試料207の温度と熱膨張
量とを測定することが可能となる。
【0013】しかしながら、高周波加熱炉を応用した熱
膨張計202では、測定できる試料が誘導加熱可能なも
のに限定されてしまう。また、高周波電源を使用するた
め、ノイズ発生源となり、周囲の機械に電磁シールドを
施すことが必要になってしまうという欠点がある。
【0014】更に、冷却パイプ210から試料207に
向かって噴出されたガスは、コイル205の上下方向の
開口端へ向けてしか逃げることができないので、冷却効
率が低いという問題もあった(一例として、900℃か
ら200℃まで冷却する場合、最大冷却速度が205℃
/sec)。この場合、チャンバー203内を真空排気しよ
うとすると、チャンバー203内で放電が生じてしま
い、冷却効率を向上させることが困難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたもので、その目的
は、試料の種類を選ばずに均一に急速加熱、又は急速冷
却できる赤外線加熱炉、及びその赤外線加熱炉を用い、
ノイズを発生することなく試料を急加熱し、急冷し、又
は温度制御しながら膨張・収縮曲線を得ることができる
熱膨張計を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、内周面が回転楕円面に成形
され、赤外線を反射できるように鏡面加工された反射体
で試料を加熱する赤外線加熱炉であって、前記反射体が
三個以上設けられ、各反射体がそれぞれ有する二個の焦
点のうち、一方の焦点にはそれぞれ点光源が配置され、
他方の焦点は共通の焦点上に位置するようにされ、前記
各反射体は、その長軸のいずれの二つも同じ直線上には
位置せず、互いに略等角度を成すようにされ、前記共通
の焦点上に試料を配置できるように構成されたことを特
徴とし、
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の赤
外線加熱炉であって、噴出ノズルが設けられ、該噴出ノ
ズルから前記試料に冷却ガスを噴出できるように構成さ
れた冷却パイプを複数本有し、各冷却パイプは、前記各
点光源から前記試料に直進する赤外線を遮らない位置に
配置されたことを特徴とする。
【0018】また、請求項3記載の発明は、熱膨張計で
あって、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の赤
外線加熱炉内に押し棒が挿入され、その一端が前記試料
に密着され、他端が測定器に接続され、前記試料の温度
変化に伴う前記押し棒の変位を検出し、試料の膨張・収
縮を測定できるように構成されたことを特徴とし、
【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の熱
膨張計であって、前記反射体と前記冷却パイプとをそれ
ぞれ三個ずつ有し、前記各反射体の焦点は同一平面内に
位置するように配置され、前記押し棒と前記各冷却パイ
プとは前記平面に対して垂直になるようにされ、前記各
点光源と前記試料とを結ぶ線分と、前記各冷却パイプが
前記平面と交わる点と前記試料とを結ぶ線分とは交互に
位置し、互いに略60度の角度を成していることを特徴
とする。
【0020】このような本発明の赤外線加熱炉の構成に
よれば、内周面が回転楕円面に成形され、赤外線を反射
できるように鏡面加工された反射体が三個以上設けら
れ、各反射体の二個の焦点のうち、一方の焦点にそれぞ
れ点光源が配置され、他方の焦点は共通の焦点上に位置
するようにされており、その共通の焦点上に試料を配置
できるように構成されているので、各点光源から射出さ
れた赤外線は反射体で反射され、ほとんどが試料に集光
される。従って、急速加熱、高温加熱が可能となる。
【0021】その際、各反射体は、その長軸のいずれの
二つも同じ直線上には位置しないようにされているの
で、反射体が互いに加熱し合い、寿命を短くし合うよう
なことはない。更に、各長軸は、互いに略等角度を成す
ようにされているので、試料を均一に加熱することが可
能となっている。
【0022】このような赤外線加熱炉に、噴出ノズルを
有する冷却パイプを複数本設け、その噴出ノズルから試
料に冷却ガスを噴出して冷却できるように構成する際、
各冷却パイプを、前記各点光源から前記試料に直進する
赤外線を遮らない位置に配置するので、熱効率が向上
し、また、試料の周囲から冷却ガスが吹き付けられるよ
うになるので、冷却効率も向上して都合がよい。
【0023】また、赤外線加熱炉内に押し棒を挿入し、
その一端を前記試料に密着させ、他端を測定器に接続し
て、試料の温度変化に伴う押し棒の変位を検出するよう
にすれば、急速加熱したときの試料の膨張曲線、または
急速冷却したときの試料の収縮曲線を検出することが可
能となる。
【0024】特に、赤外線と冷却ガスを試料に同時に照
射すると、試料の温度を制御できるので、所望の温度変
化の際の試料の膨張曲線、または収縮曲線を測定するこ
とが可能となる。
【0025】このような赤外線による加熱と冷却ガスに
よる冷却とを行う熱膨張計では、空間の使用効率や製造
の容易性との関係から、反射体と前記冷却ガスパイプと
をそれぞれ三個ずつ設け、各反射体の焦点が同一平面内
に位置するようにし、押し棒と各冷却パイプとを前記平
面に対して垂直になるようにし、更に、各点光源と試料
とを結ぶ線分と、各冷却パイプが前記平面と交わる点と
試料とを結ぶ線分とが交互に位置するようにし、且つ互
いに略60度の角度を成すようにしておくと、加熱効率
と冷却効率を高くしたまま製造コストを低くできて都合
がよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の熱膨張計を、赤外線加熱
炉とともに、図1と、図1のI−I線断面図である図2
と、図2のII−II線拡大断面図である図3とを用いて説
明する。
【0027】符号2は、本発明の熱膨張計の一例を示し
ており、赤外線加熱炉3と試料管14とを有している。
赤外線加熱炉3は、反射体81〜83を有している。各反
射体81〜83の内周面は回転楕円面に成形にされ、その
表面が金メッキ加工によって鏡面状にされ、赤外線を反
射できるように構成されており、各反射体81〜83が有
する焦点は、略同じ水平面内に位置するようにされてい
る。
【0028】各反射体81〜83は、それらが各々有する
二つ焦点のうち、一方の焦点が共通の焦点Q0上に位置
するようにされており、他方の焦点Q1〜Q3は、前記共
通の焦点Q0を中心とした正三角形の頂点上に位置する
ようにされている。従って、各反射体81〜83の長軸
(二つの焦点を結ぶ直線)は、前記共通の焦点Q0を中心
として、互いに120度の角度を成している。
【0029】前記試料管14は、赤外線透過率の高い石
英が円筒形状に成形されて構成されており、該試料管1
4は赤外線加熱炉3の中央に鉛直に挿入され、前記共通
の焦点Q0がその中心軸線上に位置するようにされてい
る。その試料管14の上端部と下端部には、それぞれ蓋
211、212が設けられ、図示しない真空ポンプによっ
て内部の気体を排気できるように構成されている。
【0030】上端部の蓋211の中央から、試料管14
と同じ石英材料が有底円筒形状に成形されて成る支持管
6が鉛直に挿通されており、下端部分が試料管14内部
に位置するようにされている。その下端部分の側面は、
底面61を保持できる程度だけ残して切り取られ、それ
によって開口部60が形成されており、該開口部60か
ら支持管6内に試料7を入れ、底面61上に載置させ。
支持管6を上下させると、試料7の中心を前記共通の焦
点Q0付近に位置させることができるように構成されて
いる。
【0031】支持管6の上端部分は測定装置30内に位
置するようにされており、その上端部分の開口部からは
石英製の押し棒15が挿入され、該押し棒15の下端先
端部分は試料7の上部表面に当接され、上端部分は支持
管6の上端部分よりも上方に位置し、その上に磁性コア
31が設けられている。該磁性コア31周囲にはコイル
32が固定されており、該コイル32に接続された電子
回路(図示せず)によって、磁性コア31の上下方向の移
動を電気的に検出できるように構成されている。また、
支持管6の底面には、図示しない温度計が設けられてお
り、試料7の温度を測定できるように構成されている。
【0032】なお、支持管6の試料管14内に位置する
部分にはくぼみ部62が設けられており、該くぼみ部6
2によって、支持管6に挿入された押し棒15の横方向
の動きが規制されている。
【0033】各反射体81〜83は、その内部に赤外線ラ
ンプ41〜43(出力1kW)を有しており、各赤外線ラン
プ41〜43に設けられた点光源51〜53は、前記各焦点
1〜Q3が位置するところに配置されている。これら赤
外線ランプ41〜43に通電し、各点光源51〜53を発光
させると赤外線が照射され、各反射体81〜83で反射さ
れた赤外線が試料7に集光されるので、その試料7を急
速加熱することが可能にされている。
【0034】また、下端部の蓋212から試料管14内
部に向け、三本の冷却パイプ101〜103(図1、3で
はそれぞれ冷却パイプ101、103だけを示す)が挿通
され、各冷却パイプ101〜103の上端部分の中心に支
持管6が位置し、各冷却パイプ101〜103は、試料7
とそれぞれ向かい合うようにされている。
【0035】それら冷却パイプ101〜103は、各点光
源51〜53から試料7に直進する赤外線を遮らないよう
に、各反射体81〜83の長軸上で、共通の焦点Q0を挟
んで、各焦点Q1〜Q3の反対側に位置するように配置さ
れている。従って、各冷却パイプ101〜103と前記水
平面との交点と前記共通の焦点Q0とを結ぶ線分は、前
記各反射体の長軸と交互に位置し、互いに略60度の角
度を成している。
【0036】各冷却パイプ101〜103側面のうち、試
料7と対向する位置には、それぞれノズル18が縦方向
に列設されており、他方、各冷却パイプ101〜103
先端は閉塞されている。従って、試料管14外部に配置
された冷却装置11を起動して、冷却ガスを冷却しなが
ら各冷却パイプ101〜103に圧送すると、ノズル18
から試料7に向けて噴出され、試料7を急速冷却できる
ように構成されている。その際、試料管14内を排気す
ると、一層、冷却効率を高めることが可能である。以上
の構成の熱膨張計2を用いた試料7の膨張・収縮の測定
結果を示す。
【0037】<温度変化と膨張曲線の実測結果>試料7
として鉄鋼試料(直径3mm、長さ10mm)を用い、そ
の熱膨張と収縮とを記録した結果を図4のグラフに示
す。横軸は時間(秒)であり、符号m1は温度変化を示す
温度曲線、符号m2は膨張量又は収縮量を示す膨張曲線
である。2ペン式のレコーダーを用いて記録したので、
温度曲線m1は膨張曲線m2よりも右側にシフトしてい
る。
【0038】このときは、鉄鋼試料を室温から1100
℃まで、約120℃/秒の昇温速度にて昇温し、最終的
に1200℃まで加熱した。鉄鋼試料が1200℃の一
定温度に安定した後、赤外線ランプ41〜43を消灯し、
冷却パイプ101〜103内に液体窒素により冷却され、
自動弁によって流量制御がされたヘリウムガスを送り込
み、ノズル18から鉄鋼試料に吹き付けて冷却した。1
200℃から700℃までの冷却に要した時間は7秒で
あり、そのときの冷却速度は70℃/秒であった。
【0039】温度曲線m1と膨張曲線m2とから、加熱時
は940℃、1040℃の温度において、冷却時は69
7℃、654℃の温度において、鉄鋼試料の相変態が観
察されている。
【0040】<最大冷却能力>同じ鉄鋼試料に対し、液
体窒素で冷却したヘリウムガスを流量制御せずに吹き付
けた(3Kg/cm2)。その結果を図5のグラフに示
す。符号m3の曲線は温度曲線であり、冷却時間と温度
の関係が示されている。1150℃から500℃まで冷
却するのに要した時間は1.25秒であった。符号m4
の曲線は、その鉄鋼試料の温度と冷却速度との関係を示
す。最大で900℃/秒、平均で520℃/秒の冷却速
度が得られている。
【0041】<温度制御性>赤外線ランプ41〜43によ
る加熱と、各冷却パイプ101〜103からのヘリウムガ
ス吹き付けによる冷却とを同時に行って、所望の冷却速
度で試料を冷却した場合を図6のグラフに示す。試料に
は、ニッケル・クロム鋼(直径3mm、長さ10mm)を
用いた。
【0042】符号m5は30℃/秒の冷却速度を得るた
めにプログラミングした温度直線であり、そのプログラ
ミングを実行した結果、実測の温度曲線m6が得られ
た。プログラミング通りの冷却速度が得られていること
が分かる。このときは符号m7で示す膨張曲線が得られ
た。
【0043】<収縮曲線と連続冷却曲線>鉄鋼試料を1
0分間950℃の温度にしてオーステナイト相に変態さ
せた後、その鉄鋼試料を異なる10種類の冷却速度で冷
却し、収縮量との関係を測定した。その結果、図7の符
号c1〜c10で示す10種類の収縮曲線が得られた。
【0044】このときの冷却時間と温度との関係を、図
8のグラフに示す。図7の収縮曲線c1〜c10に対応す
るものを、符号c'1〜c'10の温度曲線で示す。それら
温度曲線c'1〜c'10によって得られた鉄鋼試料のビッ
カース硬度は、それぞれ、337、260、206、1
90、173、155、148、146、140、13
7であり、急冷した温度曲線c'1の場合が最も硬かっ
た。なお、加熱した際は、図7の符号hで示した膨張曲
線が得られた。
【0045】<本発明の他の実施の形態>以上は、三個
の反射体81〜83を用いた場合について説明したが、四
個の反射体を用いる場合には、各反射体の焦点のうち、
一方の焦点を試料が配置される位置にある共通の焦点上
に置き、他の焦点を、前記共通の焦点を中心とする正三
角錐の頂点に位置させ、それぞれに光源を配置すればよ
い。また、五個の反射体を用いる場合には、共通の焦点
を中心として、他の焦点が正五角形の頂点に位置するよ
うに配置すればよい。
【0046】要するに、本発明の赤外線加熱炉、及びそ
の赤外線加熱炉を用いた熱膨張計は、回転楕円鏡面を有
する反射体を三個以上有し、それらがいずれも対向せ
ず、互いに加熱し合わないように構成されていればよ
い。
【0047】その場合、赤外線加熱炉内に配置される冷
却パイプは、焦点にある光源から共通の焦点上に配置さ
れた試料へ直進する光を妨げず、試料に均等に冷却ガス
を吹きかけられるものであればよい。
【0048】
【発明の効果】本発明の赤外線加熱炉によれば、試料を
急速加熱、または急速冷却することができる。また、高
温に加熱することができる。
【0049】冷却ガスが試料に均等に吹き付けられるの
で、各ノズルが噴出する冷却ガスが試料に届かなくなる
ことがない。また、冷却パイプが赤外線光路の邪魔にな
らないので加熱効率を低下させることがない。
【0050】試料を均等に加熱、または冷却できるの
で、試料内の温度分布を均一にでき、従って、精度の良
い膨張・収縮の測定結果を得ることができる。試料の温
度制御性がよいので、正確な膨張、収縮曲線を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の赤外線加熱炉、及び
熱膨張計を説明するための側面図
【図2】 そのI−I線断面図
【図3】 そのII−II線拡大断面図
【図4】 本発明の熱膨張計を用いて測定した鉄鋼試料
の温度変化、及び膨張・収縮曲線を示したグラフ
【図5】 本発明の赤外線加熱炉の最大冷却能力を示す
グラフ
【図6】 本発明の赤外線加熱炉の温度制御性を示すグ
ラフ
【図7】 本発明の熱膨張計を用いて、異なる冷却速度
で試料の収縮を測定した一例のグラフ
【図8】 その測定結果を鉄鋼試料の連続冷却曲線(C.
C.T.)で表したグラフ
【図9】 従来技術の赤外線加熱炉の一例
【図10】 高周波加熱炉を用いた従来技術の熱膨張計
【符号の説明】 2……熱膨張計 3……赤外線加熱炉 41〜43
…赤外線ランプ 51〜53……点光源 7……試料 81〜83……
反射体 101〜103……冷却パイプ 15……押し棒 1
8……噴出ノズル Q0……共通の焦点 Q1〜Q3……焦点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 信 茨城県行方郡潮来町潮来649−2 (72)発明者 大木 政広 神奈川県横浜市戸塚区俣野町1358−2 (72)発明者 根本 以久武 神奈川県横浜市港南区野庭町634 野庭団 地2−281 (72)発明者 島田 賢次 神奈川県横浜市緑区北八朔町1188−6 C 2−1

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面が回転楕円面に成形され、赤外線
    を反射できるように鏡面加工された反射体で試料を加熱
    する赤外線加熱炉であって、 前記反射体が三個以上設けられ、 各反射体がそれぞれ有する二個の焦点のうち、一方の焦
    点にはそれぞれ点光源が配置され、 他方の焦点は共通の焦点上に位置するようにされ、 前記各反射体は、その長軸のいずれの二つも同じ直線上
    には位置せず、互いに略等角度を成すようにされ、 前記共通の焦点上に試料を配置できるように構成された
    ことを特徴とする赤外線加熱炉。
  2. 【請求項2】 噴出ノズルが設けられ、該噴出ノズルか
    ら前記試料に冷却ガスを噴出できるように構成された冷
    却パイプを複数本有し、 各冷却パイプは、前記各点光源から前記試料に直進する
    赤外線を遮らない位置に配置されたことを特徴とする請
    求項1記載の赤外線加熱炉。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれか1項記
    載の赤外線加熱炉内に押し棒が挿入され、その一端が前
    記試料に密着され、他端が測定器に接続され、前記試料
    の温度変化に伴う前記押し棒の変位を検出し、試料の膨
    張・収縮を測定できるように構成されたことを特徴とす
    る熱膨張計。
  4. 【請求項4】 前記反射体と前記冷却パイプとをそれぞ
    れ三個ずつ有し、 前記各反射体の焦点は同一平面内に位置するようにさ
    れ、 前記押し棒と前記各冷却パイプとは前記平面に対して垂
    直になるように配置され、 前記各点光源と前記試料とを結ぶ線分と、 前記各冷却パイプが前記平面と交わる点と前記試料とを
    結ぶ線分とは交互に位置し、互いに略60度の角度を成
    していることを特徴とする請求項3記載の熱膨張計。
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