JPH09256935A - 一方向クラッチ及びそれを有するスタータ - Google Patents
一方向クラッチ及びそれを有するスタータInfo
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- JPH09256935A JPH09256935A JP6451996A JP6451996A JPH09256935A JP H09256935 A JPH09256935 A JP H09256935A JP 6451996 A JP6451996 A JP 6451996A JP 6451996 A JP6451996 A JP 6451996A JP H09256935 A JPH09256935 A JP H09256935A
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Abstract
定が正確かつ容易に行える一方向クラッチ及び及びそれ
を有するスタータの提供。 【解決手段】ローラ式一方向クラッチのローラ収容用の
楔状溝を有する円筒体の周面に対面する周面を有する回
転体のローラ転動面にローラ係止用の係止凹部53が形
成される。また、オーバーランニング時にこのローラを
係止凹部53から離脱させるための弾性体55が環状溝
54に収容されて、ローラを径外方向へ付勢している。
このようにすればオーバーランニング時においてローラ
が係止凹部53に衝接して振動、騒音が生じることがな
い。
Description
伝達する一方向クラッチ及びそれを用いたスタ−タに関
する。
昭59−26107号が開示するように、アウタとイン
ナとの間に形成される楔状空間に収納されたローラが、
楔状空間の狭隙側に移行する時、ローラがアウタとイン
ナとの間に食い込んで両者間でトルクを伝達し、ローラ
が楔状空間の広隙側に移行する時、ローラがアウタ及び
インナに同時に当接しないようにして両者間でのトルク
伝達を防止するいわゆるローラ式一方向クラッチがあ
る。
伝達トルクが所定量を超える場合にアウタ(又はイン
ナ)がローラを介して滑るようにして過大なトルク伝達
を阻止することを提案している。
は、ローラが楔状空間狭隙側終端部におけるアウタとイ
ンナとの間の隙間の僅かなばらつきにより、アウタ(又
はインナ)へのローラの食い込み量が変化して最大伝達
トルク量が大きく変動するという問題があった。本出願
人の出願になる特願平6−213707号公報は、この
問題を改善するために、アウタ及びインナの一方の周面
に係止凹部を形成した係止凹部付ローラ式一方向クラッ
チを提案した。この一方向クラッチを説明すると、アウ
タの内周面にローラを収納する楔状溝を設け、インナの
外周面にローラを係止する係止溝を設け、この係止溝
が、トルク伝達時にローラを係止溝に係合させ、アウタ
に所定量以上のトルクが加わるとローラが次の係止溝へ
乗り越えていける形状をもつものである。
ラッチでは、オーバーランニングの際にローラがこの係
止凹部の凹凸により衝撃を受け、ローラやインナやアウ
タが損傷したり、騒音、振動が生じたりする可能性が考
えられる。また、従来の係止凹部無しのローラ式一方向
クラッチでは、最大伝達トルクが上記円筒面からなるロ
ーラ転動面とローラとの間の摩擦係数に依存し、この摩
擦係数の調整及び経時的な変化の防止が容易ではなかっ
た。また摩擦係数が大きすぎるとローラなどの磨耗が増
大し、磨耗低減のために摩擦係数を小さくしすぎると充
分な最大伝達トルクが得られないという不具合があっ
た。
り、良好なトルク伝達特性を確保しつつオーバーランニ
ング時の損傷、騒音、振動を抑止可能な一方向クラッチ
及び及びそれを有するスタータを提供することを、目的
としている。
によれば、上述した係止凹部を有するローラ式一方向ク
ラッチとして、アウタ及びインナのうち、ローラ収容用
の楔状溝を持たない方の回転体の周面(ローラ転動面)
にローラと係合可能な係止凹部が設けられる。したがっ
て、ローラは、正常なトルク伝達時に楔状溝の狭隙側に
位置して係止凹部の端壁面と接触してトルク伝達が行わ
れ、オーバーランニング時に楔状溝の広隙側に変位し、
ローラがインナの係止凹部から離脱してインナはアウタ
に対して相対回転自在となる。
に従来のように楔状溝を持たない側の回転体の単なる円
筒面との摩擦によりトルク伝達を行うのではなく、係止
凹部の上記端壁面との係合により主にトルク伝達を行う
ので、最大伝達トルクをこの係止凹部の深さや上記端壁
面の形状により設計することができ、正確に決定でき
る。すなわち、本手段の一方向クラッチでは、トルク伝
達原理上、摩擦係数の変動の影響が少なく、従来より摩
擦係数を低下させて各部の磨耗低減を実現することがで
きる。
ラッチでは、ローラが円筒面をその求心方向に押す力に
摩擦係数を掛けて得られる摩擦力に応じて伝達トルクが
決定される。これに対し、本手段の係止凹部付のローラ
式一方向クラッチでは、ローラと係止凹部の端壁面とが
線接触と仮定すれば、ローラが端壁面を押す力の方向は
この線接触部分におけるローラの径方向となり、結局、
端壁面のこの接触部位に直角な方向となり、端壁面の形
状に依存することになる。また、係止凹部が浅ければ、
ローラは更に係止凹部の底面にも接触するので、ローラ
が底面を押す力の方向はこの底面のこの接触部位に直角
な方向となり、底面の形状にも依存することになる。ど
ちらにしても、ローラはこの円筒面をその求心方向へ押
すとともにそれと直角な周方向にも押すことになり、こ
の周方向に押す力は直接、伝達トルクとなる。そして、
このようにローラが係止凹部の端壁面や底面に全体とし
て面接触する場合には、ローラや係止凹部への応力集中
が軽減され、それらの損耗の著しい低減を実現すること
ができる。
止凹部を持たない従来のローラ式一方向クラッチにおけ
るローラ転動隙間の精度確保に比べて格段に簡単であ
り、製造工程も簡素となる。更に、上記ローラ転動隙間
が多少変化しても伝達トルクの大幅な変動が生じないの
で、アウタやインナやローラの剛性を従来より格段に減
らすことができ、小型軽量化を図ることができる。すな
わち、これらが剛性不足により変形してもローラが係止
凹部から離脱せず係止されている限り、ローラに接する
係止凹部の接面位置が多少変位する程度であり、伝達ト
ルクが大幅に変化することはない。
弾性体を係止凹部を有する回転体の周面に配設してロー
ラの外周面を径方向楔状溝側へ付勢することにより、オ
ーバーランニング時(結合解除時)に楔状溝の深溝部に
位置するローラを上記付勢により係止凹部に係合しない
位置まで径方向へ変位させる。このようにすれば、オー
バーランニング時にローラが係止凹部と衝接して、ロー
ラやインナやアウタが損傷したり、騒音、振動が生じた
りするのを防止することができる。
求項2記載の構成において更に、弾性体を係止凹部を有
する回転体の周面に配設してローラの外周面を径方向楔
状溝側へ付勢し、トルク伝達時(結合時)に楔状溝の浅
溝部に位置するローラを上記付勢により楔状溝に押し付
けるので、トルク結合時においてもローラは係止凹部を
有する円筒体(アウタ及びインナの一方)に対して弾性
結合することになり、衝撃や振動が入力されたり、伝達
トルクが急変したりしても、ローラががたついたり飛び
出したりするのが防止でき、静粛なトルク伝達を行うこ
とができる。
求項1又は2記載の構成において更に、係止凹部がイン
ナに形成されるので、オーバーランニングにおける高速
回転時に弾性体に遠心力が生じる分だけ、弾性体がロー
ラを遠心方向すなわち係止凹部から離脱する方向へ付勢
する力が増大し、ローラをその分だけ円滑に係止凹部か
ら離脱させてオーバーランニング時のインナやローラの
損耗や異音発生を低減することができる。
求項1乃至3のいずれか記載の構成において更に、トル
ク伝達の方向へ所定量以上の過大トルクが入力する場合
にアウタ又はインナ又は自己の弾性変形によりローラが
係止凹部から離脱するので、上記過大トルク入力時の空
転により、伝達トルクリミット機能を実現することがで
きる。
求項1乃至4のいずれか記載の構成において更に、アウ
タの内周面及びインナの外周面の他方に凹設された環状
溝に収容された弾性輪により弾性体を構成するので、簡
素な構造で全周に個々に配設された複数のローラに弾性
を付与することができる。なお、この弾性体は係止凹部
の底部に固着された弾性を有する樹脂層やゴム層とする
こともできる。
グの他、所定ターン数のコイルスプリングとすることが
できる。このようなコイルスプリングは、全周にわたっ
て上記切れ目がないので、オーバーランニング時におけ
るローラと弾性輪との円滑な相対滑りを確保することが
できる。請求項6記載の一方向クラッチによれば請求項
5記載の構成において更に、環状溝の底部に、係止凹部
と周方向同位置にてローラによる弾性輪の湾曲を許容す
る凹部を設ける。このようにすれば、弾性輪は環状溝の
底部の形状に沿って小さい曲率半径で湾曲できるので、
弾性体の弾性反発力を容易に増大することができる。
求項1乃至6のいずれか記載の構成において更に、ロー
ラの外周面の一端側と他端側とに個別に当接するように
少なくとも一対形成されるので、ローラが傾斜して偏磨
耗するのを防止することができる。請求項8記載の一方
向クラッチによれば請求項1乃至7のいずれか記載の構
成において更に、係止凹部はローラの個数以上配設され
るので、正規のトルク伝達時に各ローラがそれぞれ係止
凹部に嵌合することができ、係止凹部に落ち込むことが
できないローラによりトルク伝達が阻害されたりするこ
とがない。なお、各係止凹部は回転体の周面になるべく
周方向等距離離れて配設されることが好ましい。
求項1乃至8のいずれか記載の構成において更に、いわ
ゆる遊星ギヤ減速機構付のスタータのオーバーランニン
グとして上記一方向クラッチが用いられる。この遊星ギ
ヤ減速機構において、アーマチャにより駆動されるサン
ギヤは遊星ギヤを駆動し、遊星ギヤはハウジングに固定
されるインターナルギヤの内歯面と噛合しつつサンギヤ
の周囲を公転し、この遊星ギヤの公転がスタータ出力軸
に出力される。
がインターナルギヤと一体に形成され、インナがケーシ
ングと一体に形成される。このようにすれば、正規のト
ルク伝達時には一方向クラッチのアウタ及びインナは回
転せず、過大トルク入力時にはインターナルギヤが比較
的低速で回転して回転差を吸収するので一方向クラッチ
内各部の磨耗を低減することができる。また、オーバー
ランニング付の遊星ギヤ減速機構をコンパクトに形成す
ることができる。
ルギヤとともに樹脂を主素材として一体に形成される。
このようにすれば、過大トルク入力時における両筒部の
径方向の弾性変形を容易に確保できるので、過大トルク
入力に際し転動体が係止凹部を乗り越え易くトルクリミ
ッタ機能を構成しやすいという効果がある。請求項10
記載の一方向クラッチによれば請求項1乃至8のいずれ
か記載の構成において更に、いわゆる遊星ギヤ減速機構
付のスタータのオーバーランニングとして上記一方向ク
ラッチが用いられる。この遊星ギヤ減速機構において、
アーマチャにより駆動されるサンギヤは遊星ギヤを駆動
し、遊星ギヤはハウジングに固定されるインターナルギ
ヤの内歯面と噛合しつつサンギヤの周囲を公転し、この
遊星ギヤの公転がスタータ出力軸に出力される。
承する遊星ギヤ支持筒をスタータ出力軸に回転自在に支
承し、この遊星ギヤ支持筒をアウタとし、遊星ギヤ支持
筒の内周面に対面するスタータ出力軸の外周面部をイン
ナとする。このようにすれば、一方向クラッチ付きの遊
星ギヤ減速機構をコンパクトに構成することができる。
例により説明する。
の一実施例要部断面図を図1に示す。1はハウジングで
あって、2はハウジングに固定されて後述する遊星ギヤ
減速機構3を内蔵するセンターケーシングである。4は
駆動軸(スタータ出力軸)であって、ハウジング1の前
端部及びセンターケーシング2に軸受け40、41を介
して回転自在に支承されている。駆動軸4の後端には凹
部が形成され、この凹部はモータの回転軸42の前端部
を軸受けを介して同一軸心に沿って回転自在に支承して
いる。
3のサンギヤ31が形成され、遊星ギヤ32はサンギヤ
31に公転可能に噛合している。遊星ギヤ32はブッシ
ュを介してピン33に回転自在に支承され、ピン33は
駆動軸4の後端に形成された径大部43に固定されてい
る。遊星ギヤ32を覆って樹脂製のインターナルギヤ3
4が配設されており、インターナルギヤ34の内歯34
0が遊星ギヤ32と噛合している。インターナルギヤ3
4は内歯340をもつ大円筒部341と、その前方に隣
接する小円筒部342と、円板形状を有して両円筒部3
41、342を結合する壁部343とからなる段付円筒
形状を有している。小円筒部342は一方向クラッチ5
のアウタ(クラッチアウタ)を構成している。
と、大円筒部21の前端を閉鎖する端壁部22と、端壁
部22の径内端部から後方へ突出する小円筒部23とか
らなる。小円筒部23は一方向クラッチ5のインナ(ク
ラッチインナ)を構成するとともに、駆動軸4を支持す
る軸受け筒部となっている。駆動軸4にはピニオン6が
相対回転不能、軸方向相対変位可能にスプライン嵌着さ
れており、ピニオン6の前端部外周面にはリングギヤ7
に噛合可能にピニオンギヤ61が形成されている。62
はスプライン嵌合部、63は軸受けである。
チ8が固定され、マグネットスイッチ8のプランジャ
(図示せず)が後方(図中右方向)へ移動すると、レバ
ー82を通じてピニオン6が前進駆動される。次に、本
実施例の特徴をなす一方向クラッチ5について図1〜図
5を参照して説明する。図2は正規トルク伝達状態を示
す要部断面図であり、図3はオーバーランニング状態を
示す要部断面図であり、図4は後述するインナ23の斜
視図であり、図5は図4の要部拡大斜視図である。
個数の楔状溝50が互いに所定間隔を隔てて凹設されて
おり、楔状溝50にはローラ(クラッチローラ)51
と、スプリング(クラッチスプリング)52とが一対づ
つ収容されている。楔状溝50の底面は、図2、図3に
おいて左端側から右端側へ連続的に深く形成されてお
り、その両端にはローラ51を係止する端壁がそれぞれ
形成されている。ローラ51はスプリング52により浅
溝側へ付勢されて、ローラ51が径内方向へ押し出され
る。
0にはローラ51の個数以上の係止凹部53が周方向へ
互いに所定間隔を隔てて凹設されており、インナ23の
外周面230にはその全周にわたって一対の環状溝54
が凹設されている。環状溝54にはそれぞれ高弾性を有
する金属からなるリング(弾性体)55が収容されてお
り、環状溝54は係止凹部53より深く形成されてい
る。環状溝54の底部には図5に示すように、係止凹部
53と周方向同位置に凹部540が形成されている。こ
の凹部540は、ローラ51が径内方向に変位する場合
にリング(弾性輪)55を小さい曲率半径で湾曲させる
ようにするものである。
向へ相対回転すると、図2に示すように、ローラ51が
リング55を径内方向へ湾曲させて楔状溝50の浅溝側
の端面及び係止凹部53の端壁面に接し、これにより、
アウタ342の時計方向への正規トルクは楔状溝50の
浅溝側の底面や端壁面からローラ51を通じてインナ2
3の係止凹部53の主に端壁部に伝達され、インナ23
は固定部材であるためアウタ342を回転規制すること
で遊星ギヤ32から駆動軸4へトルクが伝達される。し
たがって、この正規トルク伝達時には、リング55は湾
曲して、ローラ51を強く楔状溝50の底部に押し付
け、ローラ51ががたついたり、楔状溝50から逸脱し
ようとするのを阻止するとともに、後述するオーバーラ
ンニングや過大トルク入力時にローラ51を速やかに係
止凹部53から脱出させる。なお、この正規回転時に
は、リング55の上記湾曲が大きいので、リング55は
ローラ51に追従して環状溝54内をインナ23に対し
て相対回転する。
部53の略最大径に設定されている。その結果、オーバ
ーランが生じてアウタ342がインナ23に対して反時
計方向へ相対回転すると、図3に示すように、ローラ5
1はリング55との摩擦抵抗や自身にかかる遠心力によ
りスプリング52を圧縮しつつ楔状溝50の深溝側へ移
動し、これによりリング55の湾曲がほとんど解消し、
ローラ51は係止凹部53から径外方向へ脱出する。そ
の結果、ローラ51はリング55の外周上を円滑に摺動
し、リング55もインナ23に対して円滑に相対回転
し、アウタ342とインナ23との間のトルク伝達が阻
止される。
ると、言い換えればアウタ342及びインナ23の内、
従動側の回転体の回転抵抗が大きいと、ローラ51が押
し付けられた樹脂製のアウタ342が径外方向へ弾性変
形し、ローラ51がインナ23の係止凹部53の端壁面
を乗り越え、これによりローラ51及びアウタ342が
インナ23に対して時計方向へ相対回転(空転)し、所
定量以上のトルク伝達が規制される。この時、ローラ5
1は次々と係止凹部53に落ち込むが、ローラ51は常
にリング55の湾曲部により径外方向へ付勢されている
ので、ローラ51の径方向へのがたつきによる騒音は低
減される。
少なくとも一対形成されるので、リング55によりロー
ラ51が傾くことがなく、それによるローラ51などの
偏磨耗を抑止することができる。このスタータの動作は
周知であるので、簡単に説明する。モータへの通電によ
りサンギヤ31が回転すると、遊星ギヤ減速機構3の遊
星ギヤ32が公転して駆動軸4及びピニオン6が回転
し、マグネットスイッチ8がレバー82を通じてピニオ
ン6を前進させるとピニオン6がリングギヤ7と噛合し
てエンジンが駆動される。この時、遊星ギヤ32からイ
ンターナルギヤ34に上記正規トルク伝達方向のトルク
が掛かるが、インナ23が静止しているので、インター
ナルギヤ34は静止状態に維持される。ピニオン6とリ
ングギヤ7との噛合失敗直後の再起動時などにより、サ
ンギヤ31の回転にも係わらず駆動軸4の回転すなわち
遊星ギヤ32の公転に対する抵抗が大きくなると、自転
しようとする遊星ギヤ32がインターナルギヤ34を駆
動し、アウタ342が回転し(トルク伝達方向へ強制的
に回転し)、過大な噛合衝撃の発生が防止される。エン
ジンが始動してリングギヤ7がピニオン6を通じて駆動
軸4をサンギヤ31の回転方向へサンギヤ31の回転数
より高速で回転させる(オーバーランニング状態)と、
遊星ギヤ32は一方向クラッチ5が上述のようにフリー
となるのでモータが高速で回転させられることが阻止さ
れる。
ンターナルギヤ34とともに回転を始めるローラ51に
遠心力が生じてローラ51を楔状溝50に沿ってクラッ
チ結合解除方向に移動させるので、オーバーランニング
への移行が一層円滑となる。 (実施例2)本発明の一方向クラッチを駆動軸上に配設
した実施例を図6及び図7を参照して説明する。図6は
スタータの前半部の部分断面図を示し、図7は図6のピ
ニオン周辺拡大断面図を示す。
照)のスタータに比べて一方向クラッチの配設位置を変
更した点を除いて実質的に同じであるので、この変更部
分のみを説明する。ピニオン移動体6aは、金属チュー
ブ状のピニオンチューブ63と、その後方に配設される
スプラインチューブ64とを有して駆動軸4に嵌着され
ている。ピニオンチューブ63の前部の外周面にはピニ
オンギヤ63aが形成され、ピニオンチューブ63の後
部631は一方向クラッチ5aのインナを構成してい
る。ピニオンチューブ63は駆動軸4に軸受けを介して
軸方向変位可能かつ相対回転自在に嵌着されている。ス
プラインチューブ64の径大な前部641はアウタを構
成しており、スプラインチューブ64の後部は駆動軸4
のスプライン嵌合部45にスプライン嵌着されている。
アウタ641とインナ631との間の径方向隙間には、
実施例1と同様に、ローラ51、スプリング55a、楔
状溝(図示せず)、係止凹部(図示せず)、一対の環状
溝54aが形成されているが、これらの形状は実施例1
の場合と同じであるので、その説明を省略する。アウタ
641の外周に固着されたカバー642やそれによりア
ウタ641の開口を閉鎖するワッシャ643が設置さ
れ、その前方に隣接するワッシャ644がインナ631
の環状溝に食い込んで、ローラ51やグリスなどが外部
に逃げるのを防止するとともに、アウタ641とインナ
631との軸方向一体変位を確保している。 (実施例3)実施例1の一方向クラッチ5の変形実施例
を図8に示す径方向断面図を参照して説明する。
ヤ34(図1参照)にインナ23bを一体に成形し、セ
ンターケーシング2(図1参照)にアウタ65bを一体
に成形し、インナ23a側にローラ51及びスプリング
52を収容する楔状溝50bを設け、アウタ65bに係
止凹部53bを設けた点以外は、実施例1と同じであ
る。 (実施例4)実施例2の一方向クラッチ5の変形実施例
を図9及び図10を参照して説明する。図9はクラッチ
連結状態を示し、図10はオーバーランニング状態を示
す。
に示す一方向クラッチ5aの環状溝54a及びリング5
5aの形状だけを変形したものであるので、この部分だ
けを詳細に説明する。この実施例では、一対の環状溝5
4cはローラ51cの両端部に対面してインナ631C
の外周面の両端部に形成され、環状溝54cの軸方向断
面は図8及び図9に示すようにインナ631cの両端か
ら中央部へ向けて次第に深くなるように凹設されてい
る。弾性金属製のリング55cは、円筒板形状に形成さ
れてこの環状溝54cに嵌着されている。リング55c
の内周面はインナ631の両端にほぼ密着している。係
止凹部53cはインナ631cの中央部に形成されてい
る。
ーラ51cはアウタ641cの楔状溝50cの浅溝側に
位置しているので、ローラ51cが径内方向へシフトし
てインナ631cの係止凹部53cに係合した状態とな
り、リング55cは径内方向へ湾曲してローラ51cを
径外方向へ付勢する。オーバーランニング状態では、図
10に示すようにローラ51cはアウタ641cの楔状
溝50cの深溝側へ変位しているので、ローラ51cが
径外方向へシフトして、リング55cに径外方向へ付勢
されて、インナ631cの係止凹部53cから離脱した
状態に保持され、ローラ51cが係止凹部53cに係合
するのが防止される。 (実施例5)実施例1の一方向クラッチ付の遊星ギヤ減
速機構を図11を参照して説明する。
方向クラッチを、図1における径大部43に相当する遊
星ギヤ支持筒43dの内周面部と、この遊星ギヤ支持筒
43dが嵌着されるスタータ出力軸4dの外周面部との
間に設けた点を除いて、図1の一方向クラッチ付きの遊
星ギヤ減速機構3とほとんど同じである。詳しく説明す
ると、スタータ出力軸4dは軸受けを通じて図示しない
センターケーシングに回転自在に支承され、インターナ
ルギヤ22dは軸受けを介してスタータ出力軸4dに回
転自在に支承されている。
する遊星ギヤ32dはブッシュを介してピン33dに回
転自在に支承され、ピン33dは遊星ギヤ支持筒43d
に圧入されている。遊星ギヤ支持筒43dはインナ23
dを構成するスタータ出力軸4dの後端部に遊嵌されて
おり、遊星ギヤ支持筒43dの内周面部は楔状溝を有し
てアウタ342dを構成している。インナ23dには、
図9と同様に、軸方向中央部に係止凹部53dが形成さ
れ、その軸方向両側にリング55dが嵌められた環状溝
54dが形成されている。
1dなどの逸脱を防止するための輪板であり、遊星ギヤ
支持筒342dに固定されている。このようにすれば、
図9のインターナルギヤ345cと同様の一方向クラッ
チ機能を構成することができる。
る。
態を示す要部断面図である。
グ状態を示す要部断面図である。
ある。
る。
る。
を示す軸方向断面図である。
ング状態を示す軸方向断面図である。
ング状態を示す軸方向断面図である。
ラ、53は係止凹部、54は環状溝、55はリング(弾
性体)、31はサンギヤ、32は遊星ギヤ、34はイン
ターナルギヤ、2はセンターケーシング。
Claims (10)
- 【請求項1】径方向に所定間隙を隔てて相対回転自在に
対面するアウタ及びインナと、 前記アウタの内周面及び前記インナの外周面のいずれか
一方に凹設されて径方向の深さが周方向一端側から他端
側へ向けて次第に増大する楔状溝と、 周方向へ転動可能に前記楔状溝に収容されて前記楔状溝
の狭隙側にて前記アウタ及びインナをトルク伝達可能に
結合し前記楔状溝の広隙側にて前記結合を解除するロー
ラと、 前記アウタの内周面及び前記インナの外周面のいずれか
他方に凹設されて前記結合時に前記ローラを係止する係
止凹部と、 前記アウタの内周面及び前記インナの外周面のいずれか
他方に配設されて前記結合解除時に前記ローラを前記係
止凹部に係合しない位置まで径方向へ変位させる弾性体
と、 を備えることを特徴とする一方向クラッチ。 - 【請求項2】前記弾性体は、前記アウタの内周面及び前
記インナの外周面のいずれか他方に配設されて前記結合
時に前記ローラを前記係止凹部の底部から遊離させる請
求項1記載の一方向クラッチ。 - 【請求項3】前記係止凹部は前記インナに形成される請
求項1又は2記載の一方向クラッチ。 - 【請求項4】前記ローラは、前記トルク伝達の方向へ所
定量以上の過大トルクが入力する場合に前記アウタ又は
インナ又は自己の弾性変形により前記係止凹部から離脱
する請求項1乃至3のいずれか記載の一方向クラッチ。 - 【請求項5】前記弾性体は、前記アウタの内周面及び前
記インナの外周面のいずれか他方に凹設された環状溝に
収容された弾性輪からなる請求項1乃至4のいずれか記
載の一方向クラッチ。 - 【請求項6】前記環状溝は、前記係止凹部と周方向同位
置にて前記ローラによる前記弾性輪の湾曲を許容する凹
部を有する請求項5記載の一方向クラッチ。 - 【請求項7】前記弾性体は、軸方向に所定間隔を隔てて
少なくとも一対形成されて前記ローラの外周面の一端側
と他端側とに当接する請求項1乃至6のいずれか記載の
一方向クラッチ。 - 【請求項8】前記係止凹部は、前記ローラの個数以上配
設される請求項1乃至7のいずれか記載の一方向クラッ
チ。 - 【請求項9】アーマチャ回転軸に形成されたサンギヤ
と、前記アーマチャ回転軸と同軸に配設されるスタータ
出力軸と、前記サンギヤの外周面を囲包するインターナ
ルギヤと、前記スタータ出力軸に自転自在に支承されて
前記サンギヤ及びインターナルギヤに噛合する遊星ギヤ
とを有してケーシングに収容される遊星ギヤ減速機構を
備えるとともに、前記アウタは前記インターナルギヤと
一体に形成され、前記インナは前記ケーシングと一体に
形成される請求項1乃至8のいずれか記載の一方向クラ
ッチを有するスタータ。 - 【請求項10】アーマチャ回転軸に形成されたサンギヤ
と、前記アーマチャ回転軸と同軸に配設されるとともに
前記サンギヤの外周面を囲包するインターナルギヤと、
前記サンギヤ及びインターナルギヤに噛合する遊星ギヤ
と、スタータ出力軸に回転自在に支承されて前記遊星ギ
ヤを自転自在に支承する遊星ギヤ支持筒とを備えるとと
もに、前記アウタは前記遊星ギヤ支持筒に形成され、前
記インナは前記スタータ出力軸に形成される請求項1乃
至8のいずれか記載の一方向クラッチを有するスター
タ。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP06451996A JP3567592B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 一方向クラッチ及びそれを有するスタータ |
EP97101729A EP0791748B1 (en) | 1996-02-26 | 1997-02-04 | One-way clutch resilient ring and starter using the same |
DE69700552T DE69700552T2 (de) | 1996-02-26 | 1997-02-04 | Federnder Ring für Freiaufkopplung und Anlasser mit solchem Ring |
US08/798,140 US5819583A (en) | 1996-02-26 | 1997-02-12 | One-way clutch with resilient ring and starter using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09256935A true JPH09256935A (ja) | 1997-09-30 |
JP3567592B2 JP3567592B2 (ja) | 2004-09-22 |
Family
ID=13260553
Family Applications (1)
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JP06451996A Expired - Lifetime JP3567592B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-03-21 | 一方向クラッチ及びそれを有するスタータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3567592B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198584A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-08-09 | Denso Corp | 両方向クラッチ |
EP2161442A3 (en) * | 2008-09-08 | 2010-12-08 | Denso Corporation | Engine start system for use in idle stop system for automotive vehicle |
JP2013083176A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Denso Corp | スタータ |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP06451996A patent/JP3567592B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198584A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-08-09 | Denso Corp | 両方向クラッチ |
EP2161442A3 (en) * | 2008-09-08 | 2010-12-08 | Denso Corporation | Engine start system for use in idle stop system for automotive vehicle |
US8171908B2 (en) | 2008-09-08 | 2012-05-08 | Denso Corporation | Engine start system for use in idle stop system for automotive vehicle |
JP2013083176A (ja) * | 2011-10-07 | 2013-05-09 | Denso Corp | スタータ |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3567592B2 (ja) | 2004-09-22 |
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