JPH09256926A - 燃料噴射式内燃機関 - Google Patents

燃料噴射式内燃機関

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JPH09256926A
JPH09256926A JP6451796A JP6451796A JPH09256926A JP H09256926 A JPH09256926 A JP H09256926A JP 6451796 A JP6451796 A JP 6451796A JP 6451796 A JP6451796 A JP 6451796A JP H09256926 A JPH09256926 A JP H09256926A
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JP
Japan
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fuel
engine
injector
cooling
exhaust
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Application number
JP6451796A
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English (en)
Inventor
Takasuke Kato
隆輔 加藤
Takeshi Motoyama
雄 本山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH09256926A publication Critical patent/JPH09256926A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インジェクタ及び燃料を積極的に冷却すること
で、燃料噴射を安定させる。 【解決手段】燃料を燃焼室29に噴射するインジェクタ
61と、冷却水によりエンジン10を冷却するエンジン
冷却系50とを備える燃料噴射式内燃機関において、イ
ンジェクタ61及び/または燃料を、エンジン10の冷
却水より温度が低い冷却液あるいは冷媒を用いて冷却す
る燃料冷却系830を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料噴射式内燃
機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射式内燃機関には、例えば燃料を
燃焼室に噴射するインジェクタと、冷却水によりエンジ
ンを冷却するエンジン冷却系とを備えるものがあり、こ
のインジェクタをシリンダブロックやシリンダヘッド等
に取り付けて直接燃焼室内に燃料を噴射するものが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、インジェ
クタから直接燃焼室内に燃料を噴射するものでは、エン
ジン冷却系を備え、冷却水によりエンジンを冷却するよ
うにしてもインジェクタのノズルが直接燃焼ガスにさら
される。そのため、インジェクタの温度上昇し、これに
伴い燃料の温度が高くなり、インジェクタの作動不良、
噴射量の変動が懸念される。
【0004】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、インジェクタ及び燃料を積極的に冷却すること
で、燃料噴射を安定させる燃料噴射式内燃機関を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、燃料を
燃焼室に噴射するインジェクタと、冷却水によりエンジ
ンを冷却するエンジン冷却系とを備える燃料噴射式内燃
機関において、前記インジェクタ及び/または燃料を、
前記エンジンの冷却水より温度が低い冷却液あるいは冷
媒を用いて冷却する燃料冷却系を備えることを特徴とし
ている。インジェクタ及び/または燃料を、エンジンの
冷却水より温度が低い冷媒を用いて冷却することによ
り、インジェクタの作動不良を防止し、噴射量の変動を
抑えることができる。
【0006】請求項2記載の発明は、前記エンジン冷却
系とは別系統の前記燃料冷却系により前記インジェクタ
及び/または燃料を冷却することを特徴としている。エ
ンジン冷却系とは別系統の燃料冷却系により一層確実に
インジェクタ及び/または燃料を冷却することができ
る。
【0007】請求項3記載の発明は、前記エンジン冷却
系と前記燃料冷却系は、冷却源を共通にすることを特徴
としている。エンジン冷却系と燃料冷却系は、冷却源を
共通にし、簡単な構造でインジェクタ及び/または燃料
を冷却することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料噴射式内燃
機関について説明する。図1乃至図7は燃料噴射式内燃
機関を船外機に搭載した実施例を示し、図1は燃料噴射
式内燃機関を船外機に搭載した実施例の1気筒分を主体
とした概略構成図、図2はシリンダ側壁噴射の燃料及び
空気のフローチャート、図3は燃料噴射式内燃機関のエ
ンジン冷却系を示す図、図4は燃料噴射式内燃機関の1
つの気筒上部の縦断面図、図5は燃料噴射式内燃機関の
横断面図、図6は排気系を示す断面図、図7は燃料噴射
式内燃機関の平面図である。
【0009】図1において、符号1は乗り物である船舶
で、矢印Frは船舶1の進行方向前方を示している。な
お、後記する左右とは、前記前方に向っての方向をいう
ものとする。船舶1は船体2を有し、この船体2の船尾
には船外機3が着脱自在に取り付けられている。この船
外機3は、船尾に取り付けられるブラケット4と、この
ブラケット4に対し枢支軸5(Fr方向に直角水平に配
置される)により枢支される船外機本体6とで構成され
ている。船外機本体6は動力伝達装置8を備え、この動
力伝達装置8はその外殻を構成する伝動ケース9と、こ
の伝動ケース9内に収容される伝動機構とで構成され、
ブラケット4に対し枢支軸5により枢支されている船外
機本体6を構成するスイベルブラケット6aに対し、略
鉛直方向に配置される不図示の枢支軸により左右方向に
揺動可能な伝動ケ−ス9が枢支されている。また、船外
機本体6は燃料噴射式内燃機関である2サイクルのエン
ジン10を有し、このエンジン10は伝動ケース9の上
端に着脱自在に取り付けられて、下方はカバー11a
で、上方はカバー11bで開閉自在に覆われている。伝
動ケース9は、水中に向って下方に延び、この伝動ケー
ス9の下端に後方に伸びるプロペラ軸802が支承さ
れ、このプロペラ軸802にプロペラ14が取り付けら
れている。エンジン10の出力部にドライブ軸800が
接続され、このドライブ軸800は、前進後進切替機構
801を介してプロペラ軸802に接続され、エンジン
10の出力によりプロペラ14が連動するよう連結され
ている。なお、13はプロペラに排気を導く、排気通路
である。
【0010】エンジン10は、第1気筒16、第2気筒
17および第3気筒18の複数(3つ)の気筒を備え、
これらは上下に積み重ねられている。エンジン10は、
各気筒16〜18に共通のクランクケース19及びシリ
ンダボディ22を有し、このクランクケース19とシリ
ンダボディ22の合わせ部には軸心がほぼ垂直の縦向き
のクランク軸20が収容され、このクランク軸20はク
ランクケース19及びシリンダボディ22に対しその軸
心回りに回転自在に支承されている。クランクケース1
9の後部に、各気筒16〜18のそれぞれのシリンダボ
ディ22が一体的に取り付けられている。また、これら
各シリンダボディ22の突出端にはシリンダヘッド23
が着脱自在に取り付けられている。シリンダボディ22
同士は互いに一体化されてシリンダブロック24を構成
し、シリンダヘッド23同士も互いに一体化されてい
る。
【0011】各シリンダボディ22は、その内部にそれ
ぞれ軸心が互いに平行に前後に延びるシリンダ孔25を
有し、これら各シリンダ孔25にピストン26が前後に
摺動自在に嵌入されている。これら各ピストン26は、
それぞれクランク軸20にコンロッド27により連結さ
れている。シリンダ孔25内でシリンダヘッド23とピ
ストン26とで囲まれた空間が「気筒内」に相当し、ピ
ストン26がシリンダヘッド23にある程度接近した状
態の「気筒内」が燃焼室29となる。シリンダヘッド2
3には、各燃焼室29に対応して各1つの点火プラグ3
0が取り付けられ、これら各点火プラグ30の放電部3
1が燃焼室29に臨んでいる。シリンダブロック24と
クランクケース19とで各気筒ごとにクランク室19a
が形成される。
【0012】クランクケース19の前面には各クランク
室19aとそれぞれ連通する吸気ポート33が3つ形成
され、これら各吸気ポート33にそれぞれリード弁34
が取り付けられている。また、これらリード弁34の前
面には、吸気マニホールド35、スロットル弁36aを
収容するスロットルボディ36および吸気サイレンサ3
7が順次連設されている。また、吸気サイレンサ37の
上端には後方に向って開口する入口管38が取り付けら
れ、カウリング開口510からの外気が吸入される。入
口管38、吸気サイレンサ37、スロットルボディ3
6、吸気マニホールド35およびリード弁34は、これ
らの各内部にそれぞれ設けられた吸気通路39によって
互いに連通させられ、かつ、これら各吸気通路39は吸
気ポート33に連通している。各スロットルボディ36
に設けられたスロットルレバー36bは連動手段40に
より互いに連結され、オペレータが操作部を操作すれ
ば、連動手段40を介し各スロットルレバー36bさら
にスロットル弁36aが互いに同期して、同じ開閉弁動
作を行うようになっている。
【0013】各シリンダ孔25の周りのシリンダボディ
22には、各シリンダ孔25についてそれぞれ掃気通路
41が形成されている。掃気通路41は、シリンダ孔2
5に開口する掃気ポート41a1を有する2個の主掃気
通路41aと、掃気ポート41b1を有する1個の副掃
気通路41bから構成され、主掃気通路41aの掃気ポ
ート41a1は対向する位置に形成され、副掃気通路4
1bの掃気ポート41b1は排気ポート44と対向する
位置に形成されている。これら各掃気通路41は、クラ
ンクケース19内を燃焼室29に連通させている。
【0014】シリンダブロック24の左側(但し図1の
み右側)には排気マニホールド42が取り付けられ、こ
の排気マニホールド42内の第1排気通路43の一端側
は複数(3つ)に分岐し、各シリンダボディ22に形成
された排気ポート44を介し各燃焼室29内に開口して
いる。一方、シリンダブロック24と伝動ケース9との
間には排気ガイド46が介設され、この排気ガイド46
内の第2排気通路47と、第1排気通路43の他端側と
が互いに連通させられている。伝動ケース9内に排気脈
動利用のための排気管部通路48aと排気膨張室48b
からなる第3排気通路48が形成され、この第3排気通
路48の一端が第2排気通路47に連通し、他端が円筒
状の排気通路13であり、プロペラ14内の排気通路に
連通し、この排気通路の端部が排出口506として水中
に開口している。
【0015】エンジン10には、冷却水によりエンジン
を冷却するエンジン冷却系50が備えられている。この
エンジン冷却系50は、シリンダヘッド23とシリンダ
ブロック24に形成される第1冷却水ジャケット51
と、排気マニホールド42に形成される第2冷却水ジャ
ケット52と、第2排気通路47を囲むように排気ガイ
ド46に形成される第3冷却水ジャケット53と、排気
膨張室48bを囲むように伝動ケース9に形成される第
4冷却水ジャケット54とを備え、これら各冷却水ジャ
ケット51〜54は、直接に、もしくは複数の冷却水連
通路55を介して互いに連通している。また、第4冷却
水ジャケット54の下端は第3排気通路48の下流側に
連通している。
【0016】第1冷却水ジャケット51に対し海水など
の冷却水56を供給する水ポンプ810が設けられ、こ
の水ポンプ810はドライブ軸800により駆動され
る。伝動ケース9には冷却水吸い込み口811が設けら
れ、水ポンプ810の駆動により海水あるいは湖川水が
冷却水56として冷却水吸い込み口811から下部冷却
水通路812を介して吸い上げられ、上部冷却水通路8
13を介してエンジン10の第1冷却水ジャケット51
へ送られる。この冷却水56は、第1冷却水ジャケット
51の内の排気マニホールド外周部51a、第2冷却水
ジャケット52、第1冷却水ジャケット51の内のシリ
ンダ上部外周部51b、同シリンダヘッド部51c、さ
らに53、54の各冷却水ジャケットを順次通り抜け、
かつ、第3排気通路48の下流端を通って水中に排水さ
れ、この流れの途中で、第1〜第3気筒16〜18を冷
却する。
【0017】また、エンジン冷却系50は、シリンダ上
部外周部51bとシリンダヘッド部51cとの中間の冷
却水連通路55にサーモスタット弁820とリリーフ弁
821が並列に設けられ、エンジン10が暖まっていな
い冷気運転時にはサーモスタット弁820が閉じている
ため、冷却水56がバイパス通路821から冷却水ジャ
ケット54へ流れて排出され、エンジン10を冷却する
ことがないようにしている。
【0018】エンジン10には、燃料59を供給する燃
料供給装置60が設けられている。燃料供給装置60は
第1〜第3気筒16〜18に各1個づつ対応する複数
(3つ)のインジェクタ61を有し、これら各インジェ
クタ61はシリンダボディ22のシリンダ側壁22aに
着脱自在に取り付けられている。これらインジェクタ6
1は、斜め下方に向かって取り付けられ、シリンダ側壁
22aから燃焼室29内に向って適宜燃料59を噴射す
る。各インジェクタ61に船体2に配置される燃料タン
ク63内に溜められた燃料59を吸引して船外機3内の
燃料溜り(小タンク)であるベーパーセパレータ67へ
供給するクランク室19a内の圧力変動により稼動する
第1燃料ポンプ64と、このベーパーセパレータ67の
燃料59を加圧して供給する第2燃料ポンプ65とが直
列に設けられている。
【0019】燃料タンク63と第1燃料ポンプ64との
間にプライマリポンプ600が配置され、プライマリポ
ンプ600と第1燃料ポンプ64はホース側コネクタ6
01とカウリング側コネクタ602により接続される。
プライマリポンプ600は始動前に手動で燃料を送るた
めのものである。
【0020】また、第1燃料ポンプ64と第2燃料ポン
プ65の間には燃料フィルタ66とベーパーセパレータ
67とが直列に介設されている。ベーパーセパレータ6
7内にはニードル弁603とフロート604が設けら
れ、ベーパーセパレータ67内の燃料59が少なくなり
フロート604が所定レベル以下になるとニードル弁6
03が開き、燃料59が燃料タンク63側から供給され
る。第2燃料ポンプ65により燃料配送管605を介し
て各インジェクタ61に燃料59が供給される。燃料配
送管605にはインジェクタ61に供給される燃料59
の圧力を所定圧に調整する調圧器69が設けられ、噴射
されない燃料は燃料通路70により第2燃料ポンプ65
上流のベーパーセパレータ67に戻される。ベーパーセ
パレータ67で、燃料中の細かい気泡状の燃料蒸気ある
いは混入した空気が分離される。
【0021】各インジェクタ61は電磁式で、これを電
気的にオン(もしくはオフ)すれば、その期間だけ、燃
料59が燃焼室29内に噴射されるようになっている。
この燃料供給装置60のうち燃料タンク63からホース
側コネクタ601だけが船体2内に配置されており、他
のものは船外機3を構成している。
【0022】エンジン10には、インジェクタ61及び
燃料を、エンジン10の冷却水より温度が低い冷却水を
用いて冷却する燃料冷却系830が備えられている。燃
料冷却系830は、上部冷却水通路813から分岐して
第1冷却水ジャケット51内において昇温したエンジン
10の冷却水より温度が低い海水あるいは湖川水の冷却
水を、図5に示すように下方の気筒18のインジェクタ
61のノズル周りに形成された燃料冷却通路831へ送
る。この下方の気筒18の燃料冷却通路831から冷却
水が、上方の気筒17及び気筒16の燃料冷却通路83
1へ順次送られ、それぞれのインジェクタ61及びノズ
ル先端の燃料噴射通路22hの燃料を冷却して冷却水ジ
ャケット54の上流側へ送られて排出される。このよう
に、インジェクタ61及びノズル先端の燃料噴射通路2
2hの燃料を、エンジン10の冷却水より温度が低い冷
却水を用いて冷却することにより、インジェクタ61の
作動不良を防止し、噴射量の変動を抑えることができ
る。
【0023】この実施例では、エンジン冷却系50から
分岐した別系統の燃料冷却系830によりインジェクタ
61及びノズル先端の燃料噴射通路22hの燃料を冷却
するように構成され、エンジン冷却系50の途中から分
岐し、一部を共通にした別系統の燃料冷却系830によ
る簡単な構造でインジェクタ61及びノズル先端の燃料
噴射通路22hの燃料を冷却することができる。また、
この実施例に限定されず、エンジン冷却系50とは別に
水ポンプを設けて海水を吸い上げ、別系統の燃料冷却系
830によりインジェクタ61及び/またはノズル先端
の燃料噴射通路22hの燃料を冷却することもでき、エ
ンジン冷却系50とは別系統の燃料冷却系830により
一層確実に燃料を冷却することができる。
【0024】図1において、エンジン10を制御するた
めのエンジン制御装置73が設けられている。エンジン
制御装置73は電子的な制御装置本体74を備え、アク
チュエータとして機能する各点火プラグ30、インジェ
クタ61、第2燃料ポンプ65が、制御装置本体74に
電気的に接続されている。また、クランク軸20の上端
にはフライホイールマグネト75が取り付けられてい
る。フライホイールマグネト75は、直接もしくはバッ
テリを介して制御装置本体74に電力を供給するように
なっている。
【0025】エンジン10の駆動状態を検出する各種セ
ンサが設けられ、これらはいずれも制御装置本体74に
電気的に接続されている。即ち、センサとして、クラン
ク軸20の基準クランク角及び回転角を検出するクラン
ク角センサ76、クランクケース19内の圧力を検出す
るクランクケース内圧センサ77、各気筒16〜18の
いずれかの気筒の圧力を検出する筒内圧センサ78、気
筒16〜18内の状態を検出するノックセンサ79、吸
気通路39内の温度を検出する吸気温センサ80、スロ
ットルボディ36の開度を検出するスロットル開度セン
サ81が設けられている。なお、吸気通路39の圧力を
検出する吸気圧センサを設けても良い。
【0026】また、1つのシリンダボディ22の温度を
検出するシリンダ温度センサ82、第3排気通路48内
の上流側の圧力を検出する背圧センサ83、大気圧を検
出する大気圧センサ84、冷却水56の温度を検出する
冷却水温度センサ85、動力伝達装置8の前進、中立、
後退の間のシフト動作あるいは変速状態を検出するシフ
トセンサ86、枢支軸5回りの船外機3の上下回動位置
を検出するトリム角センサ87が設けられている。
【0027】また、各気筒16〜18には、O2センサ
90が設けられ、このO2センサ90はセンサ収客室9
1に配置され、ピストン26が下降しシリンダ側壁22
aのリリーフ弁孔92を通過すると燃焼ガス圧によりリ
リーフ弁93が開き、燃焼ガスがセンサ収客室91に入
る。O2センサ90が排気ガス中のO2濃度を検知し、こ
れに基づき燃焼室29での空燃比を算出する。センサ収
容室91の排気ガスは逆止弁94を通過して第1排気通
路43へ出る。エンジン10には、その他、スタータ9
5及びオイルタンク96が備えられている。
【0028】エンジン10の駆動時に、第1〜第3気筒
16〜18のそれぞれにおいて順次、ピストン26がク
ランク軸20側の下死点位置から燃焼室29側に移動す
ると、ピストン26によって掃気通路41の掃気ポート
41a1,41b1と第1排気通路43の排気ポート4
4とが順次閉じられる。また、このように、ピストン2
6が燃焼室29側に移動すると、クランクケース19内
のクランク室19aが負圧になる。すると、リード弁3
4、吸気ポート33内の吸気通路39、吸気マニホール
ド35、スロットルボディ36及び吸気サイレンサ37
が順次負圧になって、空気である外気97が吸気ポート
33から吸気通路39に吸入され、クランクケース19
内のクランク室19aに吸入される。これが「吸入行
程」である。
【0029】一方、掃気通路41の掃気ポート41a
1,41b1と第1排気通路43の排気ポート44とが
閉じられた後、更に、ピストン26が燃焼室29側へ移
動すれば、この燃焼室29に既に吸入されていた混合気
が圧縮される。これが「圧縮行程」である。
【0030】ピストン26が上死点に達する直前で、エ
ンジン制御装置73により制御された点火プラグ30の
放電部31の放電により、混合気が着火、燃焼させられ
て気体が膨張し、これにより、ピストン26が上死点を
越えた後クランク軸20側に押し戻される。これが「爆
発行程」である。
【0031】ピストン26のクランク軸20側への移動
により、クランクケース19内のクランク室19aに吸
入されていた空気が予圧縮される。なお、このときの圧
力でリード弁34は閉弁させられている。ピストン26
がクランク軸20側へ移動する途中で、まず、排気ポー
ト44が開かれる。すると、排気ポート44を通し、混
合気の既燃ガスである排気100が、排気ポート44を
通って排出される。これが「排気行程」である。
【0032】そして、排気100は第1排気通路43、
第2排気通路47、第3排気通路48、および排気通路
13内を順次通って水中に排出される。この場合、各気
筒16〜18を冷却した後の冷却水56が第4冷却水ジ
ャケット54と冷却水連通路55を通り、排気100と
共に上記水中に排出される。
【0033】ピストン26がクランク軸20側に移動し
て排気ポート44が開かれると、これに続いて掃気通路
41が開かれる。すると、前記したようにクランクケー
ス19内で予圧縮されていた吸気が掃気通路41を通っ
て燃焼室29に流入させられ、この吸気が燃焼室29に
残留している既燃ガスの一部を第1排気通路43に押し
出すと共に、空気が燃焼室29に充満する。これが「掃
気行程」である。排気行程の途中から掃気行程が始ま
り、掃気行程の途中で排気行程が終了するので、この2
つの行程を合わせて掃排気行程ともいう。そして、この
後、ピストン26は下死点位置に戻る。そして、掃気行
程の途中から圧縮行程の初期にかけての期間に燃料がイ
ンジェクタ61から噴射される。
【0034】この場合、掃気通路41を通って燃焼室2
9に流入した空気のいくらかは、第1排気通路43側に
吹き抜け、これは既燃ガスと混ざって排気100として
排出される。一方排出されず残留した既燃ガスが新気と
混ざり、この状態から、ピストン26が再び燃焼室29
側に移動し、以下、上記した各行程が繰り返されて、ク
ランク軸20が回転させられる。なお、燃料噴射は、下
記するように燃料の排気ポート44への侵入がないタイ
ミングで実施される。そして、このクランク軸20を通
しエンジン10が動力を出力し、この動力は動力伝達装
置8を介してプロペラ14を回転させ、被駆動体である
船1を航走可能とさせる。第1気筒16、第2気筒17
および第3気筒18は、この順序で、クランク角が12
0゜の位相差で駆動する。
【0035】また、インジェクタ61から左右2つの燃
料噴射が行なわれ、噴射流Xは、主にピストン26の下
死点から上死点ヘの上昇中のピストン頂部26c目掛け
て燃料が噴射される。このインジェクタ61からの噴射
流Xがピストン頂部26cに衝突後反射飛散し、ピスト
ン頂部26cを冷却し、且つピストン頂部26cで熱交
換し気化が促進される。
【0036】インジェクタ61は副掃気ポート41b1
よりシリンダヘッド23寄りに配置され、反射前の噴射
流Xは排気ポート44方向、ピストン頂部26cを指向
しており、排気ポート44がピストン26で閉じられた
後は確実にピストン頂部26cに当たり、ピストン頂部
26cで熱交換される。
【0037】噴射流Xの先端が排気ポート44に到達す
る前に排気ポート44が閉じるように噴射開始タイミン
グを設定している。噴射流Xの全てをピストン26が排
気ポート44を閉じる前にピストン頂部26cにぶつけ
るものでは、跳ね返り後の噴射流の先端が排気ポート4
4に到達する前に排気ポート44が閉じ、このように噴
射開始のタイミングは設定される。
【0038】このように、インジェクタ61の配置は、
噴射位置が従来技術よりシリンダヘッド23寄りであ
り、噴射はより長い距離を飛翔する。この間に、燃料は
燃焼室29内の熱的雰囲気と熱交換し、ピストン頂部2
6c等に衝突する前にも熱交換させることができる。
【0039】また、図4において、複数のシリンダ気筒
の中心軸を結ぶ平面に対し、インジェクタ61への燃料
分配管530を平行とし、かつ3つの気筒16〜18と
も同じ位置にインジェクタ61を配置している。
【0040】あるいは下気筒ほどインジェクタ61の配
置位置を下(クランク室寄り)としても良い。下気筒1
8ほどインジェクタ61の熱的負荷が大きくなり、よっ
て燃焼行程において長い時間ピストン26で覆うように
する。また、副掃気ポート41b1と排気ポート44を
結ぶ方向を傾け、且つインジェクタ61も傾けており、
隣接する気筒の主掃気ポート41a1の干渉を避けつつ
シリンダピッチPを狭くできる。
【0041】図8乃至図14は燃料噴射式内燃機関を自
動二輪車に搭載した実施例を示し、図8は燃料噴射式内
燃機関を自動二輪車に搭載した実施例の概略構成図、図
9は燃料噴射式内燃機関の縦断面図、図10は燃料噴射
式内燃機関を後方から見た図、図11はシリンダ側壁噴
射の燃料及び空気のフローチャート、図12は燃料噴射
式内燃機関の1つの気筒上部の縦断面図、図13は図1
2のXIII-XIII線に沿う断面図、図14はエンジン冷却
系と燃料冷却系を説明する図である。
【0042】図中符号201は、乗物の一例であって鞍
乗型車両たる自動二輪車であり、矢印Frはその進行方
向の前方を示している。また、後記する左右とは、前記
前方に向っての方向をいうものとする。また、202は
上記自動二輪車201が走行可能な路面である。自動二
輪車20lは乗物本体である車体203を有している。
また、車体203は車体静止側である車体フレーム20
4を有している。車体フレーム204は、その前端にヘ
ッドパイプ205を有し、このヘッドパイプ205から
後下方に向って左右一対の主フレーム206が延出し、
これら各主フレーム206の各延出端から更に後下方に
向ってそれぞれシートピラーチューブ207が延出して
いる。一方、上記各主フレーム206の前部下面からそ
れぞれ後下方に向ってダウンチューブ208が延出し、
これらダウンチューブ208の延出端とシートピラーチ
ューブ207の延出端とが互いに結合させられている。
【0043】各主フレーム206の後部から後上方に向
ってそれぞれシートレール210が延出し、このシート
レール210は左右一対のバックステー211によって
シートピラーチューブ207に支持されている。各バッ
クステー211とシートピラーチューブ207とが結合
した部分はリヤアームブラケット212とされている。
ヘッドパイプ205にはフロントフォーク214が操向
自在に支承されている。フロントフォーク214の下端
に前輪215が支承され、かつ、この前輪215を上方
から覆うフロントフェンダ216が設けられ、このフロ
ントフェンダ216は同上フロントフォーク214の上
下方向の中途部に固着されている。一方、フロントフォ
ーク214の上端にはハンドル217が取り付けられて
いる。
【0044】リヤアームブラケット212にピボット軸
218によりリヤアーム219が上下揺動自在に枢支さ
れている。リヤアーム219の揺動端に後輪220が支
承され、シートレール210とリヤアーム219との間
に緩衝器221が架設されている。主フレーム206、
シートピラーチューブ207およびダウンチューブ20
8で囲まれた空間に、つまり、車体フレーム204の枠
内に燃料噴射式内燃機関であるエンジン223が設けら
れている。エンジン223は2サイクルエンジンであっ
て、クランクケース224と、このクランクケース22
4から前上方に突出するシリンダ225を有し、車体フ
レーム204に締結具により着脱自在に支持されてい
る。クランクケース224の後面に動力伝達装置226
が連設され、この動力伝達装置226の出力側に、後輪
220がチェーン伝動機構227により連結されてい
る。
【0045】シリンダ225の後面にはリード弁22
8、吸気マニホールド229および吸気サイレンサ23
1がこの順序で連設されている。吸気マニホールド22
9には吸気量を制御するスロットル弁271が配置され
ている。スロットル弁271の軸部271aに設けたス
ロットルプーリ272はスロットルワイヤ273を介し
てスロットルグリップ274に連結され、スロットルグ
リップ274の操作でスロットル弁271が開閉され
る。スロットルグリップ274はハンドル217に設け
られ、またスロットルグリップ274の操作量を検出す
るアクセル位置センサ275が設けられている。
【0046】シリンダ225の前面には排気管233の
一端が連結され、この排気管233の他端側はダウンチ
ューブ208の下側近傍を通って後方に延び、その後端
に排気マフラ234が連結され、排出口234aから排
気される。
【0047】主フレーム206には燃料タンク235が
支持されている。一方、シートレール210には、シー
ト236が支持されている。また、車体203の後部を
その各側方から覆うサイドカバー237が設けられてい
る。エンジン223の駆動により、その動力が動力伝達
装置226とチェーン伝動機構227等を介し、後輪2
20に伝達されれば、自動二輪車201が路面202上
を前方に向って走行可能とされる。
【0048】エンジン223は、第1〜第3気筒261
〜263を有し、エンジン223のクランクケース22
4内のクランク室240にはクランク軸241が収容さ
れ、このクランク軸241はクランクケース224にそ
の軸心回りに回転自在に支承されている。エンジン22
3のシリンダ225は、軸心がほぼ縦向きのシリンダ孔
242を有するシリンダボディ243と、このシリンダ
ボディ243の突出端に取り付けられるシリンダヘッド
244とを有している。シリンダ孔242にピストン2
45が軸方向に摺動自在に嵌入され、このピストン24
5はクランク軸241にコンロッド246により連結さ
れている。
【0049】ピストン245がシリンダヘッド244に
ある程度接近したとき、シリンダ孔242内でシリンダ
ヘッド244とピストン245で囲まれた空間が燃焼室
248となる。シリンダヘッド244には、点火プラグ
249が取り付けられ、この点火プラグ249の放電部
が燃焼室248に臨んでいる。クランクケース224の
後上部には吸気ポート251が形成され、この吸気ポー
ト251にリード弁228が連通している。シリンダ孔
242周りのシリンダボディ243にはクランク室24
0を燃焼室248に連通させる掃気通路252が形成さ
れ、この掃気通路252の内、燃焼室248に向って開
口する部分が掃気ポート252aとなっている。また、
燃焼室248を排気管233の前端である上流端内の排
気通路253に連通させる排気ポート254がシリンダ
ボディ243の前部に形成されている。
【0050】エンジン223は第1〜第3気筒261〜
263に各1個づつ対応する複数(3つ)のインジェク
タ264を有し、これら各インジェクタ264はシリン
ダボディ243のシリンダ側壁243aに着脱自在に取
り付けられている。これらインジェクタ264は、シリ
ンダ側壁243aから燃焼室248内に向って、燃料タ
ンク235から供給される燃料を噴射する。インジェク
タ264の構造、取付位置や噴射方向および噴射タイミ
ングは前記実施例と同様であるから説明を省略する。
【0051】燃料タンク235の下部には燃料コック2
90が設けられ、燃料コック290に燃料フィルタ29
1、燃料供給ポンプ292、燃料配送管293が順に接
続され、燃料配送管293から燃料分配管296を介し
て燃料が各インジェクタ264に供給される。燃料配送
管293にはインジェクタ264に供給される燃料の圧
力を所定圧に調整する調圧器294が設けられ、調圧器
294、戻し燃料通路295により余分の燃料は燃料タ
ンク235に戻る。シリンダボディ243の後方で、吸
気マニホールド229上方と、燃料タンク235の下方
の間の空間Zに、この空間Zを利用して燃料分配管29
6およびインジェクタ264が配置され、小型化でき、
しかも他部材と干渉することが防止され、インジェクタ
264、燃料分配管296の保護が可能である。
【0052】点火プラグ249は電子的な点火回路25
6に電気的に接続され、この点火回路256は電子的な
エンジン制御御装置257に接続されている。また、ク
ランク軸241のクランク角を検出するクランク角検出
センサ258が設けられ、このクランク角検出センサ2
58もエンジン制御装置257に接続されている。
【0053】エンジン223の駆動時に、ピストン24
5がクランク軸241側の下死点位置(図8中二点鎖線
図示)から燃焼室248側に移動すると、ピストン24
5によって掃気ポート252aと排気ポート254とが
この順序で閉じられる。また、ピストン245が燃焼室
248側に移動すると、クランク室240内が負圧にさ
れる。すると、吸気サイレンサ231を通って、空気で
ある外気259が吸入され、これが吸気260とされ
る。
【0054】次に、吸気260が吸気マニホールド22
9とリード弁228とを通ってクランク室240内に吸
入される。これが「吸入行程」である。
【0055】一方、掃気ポート252aと排気ポート2
54とが閉じられた後、更に、ピストン245が燃焼室
248側へ移動すれば、この燃焼室248に既にインジ
ェクタ264で噴射されていたあるいは及び本行程中に
噴射される燃料が気化し空気と混合して形成される混合
気が圧縮される。これが「圧縮行程」である。
【0056】ピストン245が上死点に達する直前で、
クランク角検出センサ258により検出される所望のク
ランク角のときに、つまり、所望の点火時期に、エンジ
ン制御装置257により制御された点火回路256から
の出力信号で、点火プラグ249の放電部が放電する。
すると、混合気が着火、燃焼させられて気体が膨張し、
これにより、ピストン245が上記上死点を越えた後、
クランク室240側に押し戻される。これが「爆発行
程」である。
【0057】ピストン245のクランク室240側への
移動により、クランク室240内に吸入されていた空気
が予圧縮される。リード弁228はこのときのクランク
室240内の圧力で閉弁させられている。
【0058】ピストン245がクランク室240側へ移
動する途中で、まず、排気ポート254が開かれる。す
ると、排気ポート254を通し、混合気の既燃ガスが排
気として排気ポート254を通って燃焼室248から排
出される。これが「排気行程」である。そして、排気は
排気管233内の排気通路253を通って外部に排出さ
れる。
【0059】ピストン245がクランク室240側に移
動して排気ポート254が開かれると、これに続いて掃
気ポート252aが開かれる。すると、クランク室24
0内で予圧縮されていた空気が掃気通路252を通って
燃焼室248に流入させられ、この空気が燃焼室248
に残留している既燃ガスの一部を排気ポート254に押
し出すと共に、空気が燃焼室248に充満する。これが
「掃気行程」である。この「掃気行程」は、ピストン2
45が下死点位置に戻った後、再び上死点位置へ移動
し、掃気ポ−ト252aを閉じる直前まで続く。この
「掃気行程」の途中から「圧縮行程」の初期、ピストン
245がインジェクタ264を閉じるまでの期間にイン
ジェクタ264から燃料が噴射される。
【0060】上記状態から、ピストン245が再び燃焼
室248側に移動し、以下、各行程が繰り返されて、ク
ランク軸241が回転させられる。このクランク軸24
1を通しエンジン223が動力を出力し、この動力は、
動力伝達装置226やチェーン伝動機構227等を介し
て後輪220に伝えられる。
【0061】燃焼室248から排気ポート254へ排気
を排出させるときの排気タイミングを調整して、エンジ
ン性能を向上させる排気タイミング調整装置279が設
けられている。排気タイミング調整装置279は、排気
ポート254の上部側に設けられる排気タイミング調整
弁390を有している。この排気タイミング調整弁39
0で、排気ポート254の上部開口が開閉され、排気ポ
ート254の上部開口縁の位置が上下方向で可変とされ
る。排気タイミング調整弁390を作動させるのはサー
ボモータ等のアクチュエータ265であって、このアク
チュエータ265はエンジン制御装置257に接続され
ている。
【0062】エンジン223の回転数、つまり、クラン
ク軸241の回転数を検出するエンジン回転数センサ2
67が設けられ、このエンジン回転数センサ267はエ
ンジン制御装置257に接続されている。
【0063】エンジン回転数センサ267の検出信号に
より、エンジン223が高速域であると判断されたとき
には、エンジン制御装置257により制御されたアクチ
ュエータ265の作動により排気タイミング調整弁39
0が開動作させられて、排気ポート254の上部開口縁
が上方に位置させられる。すると、排気タイミングが早
くなり、これによって高速域でのエンジン性能が向上す
る。
【0064】一方、エンジン223が中、低速域である
と判断されたときには、アクチュエータ265が閉動作
させられて、排気ポート254の上部開口縁が下方に位
置させられる。すると、排気タイミングが遅くなり、こ
れによって中、低速域でのエンジン性能が向上する。こ
の低速時、排気タイミングを遅くするが、その分噴射開
始のタイミングを早めることが可能であり、この場合
は、より確実に予混合燃焼を可能とする。即ち、低速時
ピストン速度が遅くなるのに合わせて、燃料が排気ポー
ト254より流出しないように、噴射開始タイミングを
遅らせると、噴射流がピストン頂部に衝突する時、噴流
の拡がりは狭い。しかし、排気ポート254の上部開口
端が下方に移動させられる分、噴射開始のタイミングを
早めても燃料の流出がない、且つ早めることにより、ピ
ストン頂部の広い範囲に噴射燃料が衝突可能であり、ピ
ストン245との熱交換性を向上できる。
【0065】エンジン223には排気弁開度調整装置2
80が備えられ、排気通路253の開度を調整し、低負
荷あるいは及び低速時これを流れる排気の流量を抑制す
る排気弁281を有している。この排気弁281を作動
させるのはサーボモータ等のアクチュエータ282であ
って、このアクチュエータ282は制御装置391と接
続されている。
【0066】また、エンジン223には燃焼室圧力セン
サ300およびノックセンサ301が備えられ、燃焼室
圧力センサ300により燃焼室圧力が所定以上になる
と、点火タイミングを遅らせる。また、ノックセンサ3
01でノッキングが発生すると、振動を検知して点火タ
イミングを遅らせてノッキングの発生を防止し、ノッキ
ングの発生しなくなると元の点火タイミングに戻すよう
に制御する。
【0067】また、エンジン223にはクランク室圧力
センサ302、吸気管圧力センサ303、吸気管温度セ
ンサ304、排気管圧力センサ306、排気管温度セン
サ307が備えられ、これらのセンサからの情報に基づ
きエンジン制御装置257が点火タイミング、噴射タイ
ミング、噴射期間やオイル供給装置308等の制御を行
なう。
【0068】エンジン223には、冷却水によりエンジ
ンを冷却するエンジン冷却系900が備えられ、エンジ
ン冷却系900はエンジン223のシリンダボディ24
3、シリンダヘッド244に設けられた冷却水ジャケッ
ト910.911、ダウンチューブ208に取り付けた
ラジエータ912、ラジエータ912からエンジン側へ
送る送り管913、エンジン側からラジエータ912に
戻す戻し管914等から構成されている。送り管913
には、エンジン冷却ポンプ915が設けられ、また戻し
管914にはサーモスタット弁916が設けられ、エン
ジン223が暖まっていない冷気運転時にはサーモスタ
ット弁916が閉じているため、冷却水がバイパス通路
917からラジエータ912へ戻されて流れて、エンジ
ン223を冷却することがないようにしている。
【0069】エンジン223には、インジェクタ264
及び燃料を、エンジン223の冷却水より温度が低い冷
却水を用いて冷却する燃料冷却系930が備えられてい
る。燃料冷却系930は、インジェクタ264のノズル
周りに形成された燃料冷却通路931、ラジエータ12
の端部から燃料冷却通路931へ冷却水を送る送り管9
32及び燃料冷却通路931から戻し管933から構成
されている。送り管932には、燃料冷却ポンプ934
が設けられ、エンジン223の冷却水より温度が低い冷
媒である冷却水を、図12乃至図14に示すようインジ
ェクタ264のノズル周りに形成された燃料冷却通路9
31へ送る。この気筒の燃料冷却通路931から冷却水
が、それぞれのインジェクタ264及びノズル先端の燃
料噴射通路243hの燃料を冷却して戻し管933へ送
られて排出される。このように、ラジエータ912の途
中にエンジン冷却系50の送り管913が接続されてお
り、インジェクタ264及びノズル先端の燃料噴射通路
243hの燃料を、エンジン223の冷却水より温度が
低い冷却水を用いて冷却することができ、インジェクタ
264の作動不良を防止し、噴射量の変動を抑えること
ができる。ノズル先端の燃料噴射通路243hは、図1
3に示すように、燃焼室248に開口する左右2個の開
口部243h1,243h2を有し、燃料は左右に噴射
される。
【0070】この実施例では、エンジン冷却系900か
ら分岐した別系統の燃料冷却系930によりインジェク
タ264及びノズル先端の燃料噴射通路243hの燃料
を冷却するように構成され、エンジン冷却系900及び
燃料冷却系930は、ラジエータ912の冷却源を共通
にした簡単な構造でインジェクタ264及びノズル先端
の燃料噴射通路243hの燃料を冷却することができ
る。
【0071】図15はさらに別の実施例のエンジン冷却
系と燃料冷却系を説明する図である。
【0072】この実施例は図14の冷却系の替わりとし
て採用され得るものである。エンジン冷却系900と燃
料冷却系930を独立の冷却系とし、エンジン冷却系9
00には冷却水を循環させる一方、燃料冷却系930に
は非共沸系の冷媒を循環させるものである。図中951
は圧縮機、952は膨張弁である。圧縮機951で圧縮
された気体の冷媒はラジエータ912の内の凝縮器とし
て機能する冷媒放熱回路912bにて放熱して凝縮し、
液体となって膨張弁952まで流れ、膨張弁952にお
いて断熱膨張して低温低圧となり、燃料冷却通路932
へ流れる。燃料冷却通路931においてインジェクタ2
64周りを冷却する一方、自身は吸熱して気化し、気体
となって燃料冷却通路933を通って圧縮機951へ流
れる。
【0073】このように膨張弁952下流においては冷
媒は約0℃の低温となっており、冷却水ジャケット91
0,911へ流入する冷却水温度、例えば約30℃より
十分に低温であり、インジェクタ264周りは確実に冷
却される。
【0074】次に、前記図1〜図15の実施例に用いら
れるインジェクタの構造を説明する。図16はインジェ
クタの断面図である。
【0075】インジェクタ61,264はインジェクタ
ハウジング350を有し、このインジェクタハウジング
350の後端部には蓋体351が嵌合され、さらにイン
ジェクタハウジング350内にはコイル352を備えた
コア353が配置されている。蓋体351は樹脂性のキ
ャップ354で覆われ、キャップ354のコネクタ35
4aにコア353に接続したリード線355が設けら
れ、このリード線355がコネクタ354aで駆動電源
側と接続される。蓋体351にはパイプ356が挿入さ
れ、蓋体351の燃料入口351aから供給された燃料
は、パイプ356を介してインジェクタハウジング35
0内の燃料室357に導かれる。
【0076】インジェクタハウジング350の先端部に
ニードルハウジング358がニードルストッパ359を
介して嵌合され、シール体360でシールされている。
ニードルハウジング358の先端部にはノズル361が
設けられ、このノズル361には噴射通路361aが形
成され、この噴射通路361aの左右の噴射通路361
b,361cから燃料が噴射される。
【0077】ニードルハウジング358内にはニードル
362が移動可能に配置され、ニードル362には可動
体363が固定されている。ニードル362には切欠に
より燃料通路362aが形成され、ニードルストッパ3
59には切欠により燃料通路359aが形成され、可動
体363にも燃料通路363aが形成されている。蓋体
351と可動体363との間に圧縮スプリング364が
配置され、この圧縮スプリング364で可動体363を
介してニードル362がニードルハウジング358の弁
座358aを常に閉じる方向へ付勢され、噴射通路36
1aを閉じ燃料噴射できない状態になっている。コア3
53に配置されたコイル352に電源を与えると、コイ
ル352による電磁力で可動体363が圧縮スプリング
364に抗して吸引されて弁座を開く方向へ移動し、噴
射通路361aを開き、燃料噴射が行なわれる。このと
きニードル362に形成したストッパフランジ362b
がニードルストッパ359に当接して位置規制される。
【0078】インジェクタ264は、調圧弁にて圧力調
整され、調圧圧力P0が600〜650KPa(キロパ
スカル)に調圧されるので、ニ−ドル362が弁座35
8aを押圧する時、ニ−ドルハウジング358内の燃料
溜まり358bの燃料圧力P1も同じ600〜650K
Pa(キロパスカル)となる。ニ−ドル362が弁座3
58aから離れる程、インジェクタ264内を流れる流
速が増し、圧力降下により燃料溜まり358bの圧力が
低下する。燃料溜まり358bの圧力は、ニ−ドル36
2と弁座358aとの間を通過する時さらに圧力降下す
るので、噴射通路361aの燃料圧力P2は、燃料溜ま
り358bの圧力P1の約1/2程度となる。
【0079】この噴射通路361aの燃料圧力P2は、
インジェクタ264から燃焼室248内に燃料を噴射す
る燃料噴射時の噴射孔361b,361cの上流部の圧
力であり、ニ−ドル362が最大開度位置にて圧力P2
を、300KPa〜1000KPaとし、この圧力P2
により噴射速度を、10m/s〜30m/sとすること
が可能である。
【0080】即ち、噴射通路361aの圧力P2と燃焼
室248内圧との差圧に、300KPa〜1000KP
aに基づく流速で燃料が燃焼室248へ噴射される。こ
の時の流速が、10m/s〜30m/s、望ましくは2
0m/s程度になるように各部の圧力降下あるいは調圧
弁が設定される。
【0081】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明
は、インジェクタ及び/または燃料を、エンジンの冷却
水より温度が低い冷却水あるいは冷媒を用いて冷却する
ことにより、インジェクタの作動不良を防止し、噴射量
の変動を抑えることができる。
【0082】請求項2記載の発明は、エンジン冷却系と
は別系統の燃料冷却系により一層確実にインジェクタ及
び/または燃料を冷却することができる。
【0083】請求項3記載の発明は、エンジン冷却系と
燃料冷却系は、冷却源を共通にし、簡単な構造でインジ
ェクタ及び/または燃料を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射式内燃機関を船外機に搭載した1気筒
分を主体とした実施例の概略構成図である。
【図2】シリンダ側壁噴射の燃料及び空気のフローチャ
ートである。
【図3】燃料噴射式内燃機関のエンジン冷却系を示す図
である。
【図4】燃料噴射式内燃機関の1つの気筒上部の縦断面
図である。
【図5】燃料噴射式内燃機関の横断面図である。
【図6】排気系を示す断面図である。
【図7】燃料噴射式内燃機関の平面図である。
【図8】燃料噴射式内燃機関を自動二輪車に搭載した実
施例の概略構成図である。
【図9】燃料噴射式内燃機関の縦断面図である。
【図10】燃料噴射式内燃機関を後方から見た図であ
る。
【図11】シリンダ側壁噴射の燃料及び空気のフローチ
ャートである。
【図12】燃料噴射式内燃機関の1つの気筒上部の縦断
面図である。
【図13】図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。
【図14】エンジン冷却系と燃料冷却系を説明する図で
ある。
【図15】別の実施例のエンジン冷却系と燃料冷却系を
説明する図である。
【図16】インジェクタの断面図である。
【符号の説明】
10 エンジン 22 シリンダボディ 22a シリンダ側壁 23 シリンダヘッド 26 ピストン 26c ピストン頂部 29 燃焼室 50 エンジン冷却系 61 インジェクタ 830 燃料冷却系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を燃焼室に噴射するインジェクタと、
    冷却水によりエンジンを冷却するエンジン冷却系とを備
    える燃料噴射式内燃機関において、前記インジェクタ及
    び/または燃料を、前記エンジンの冷却水より温度が低
    い冷却液あるいは冷媒を用いて冷却する燃料冷却系を備
    えることを特徴とする燃料噴射式内燃機関。
  2. 【請求項2】前記エンジン冷却系とは別系統の前記燃料
    冷却系により前記インジェクタ及び/または燃料を冷却
    することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射式内燃機
    関。
  3. 【請求項3】前記エンジン冷却系と前記燃料冷却系は、
    冷却源を共通にすることを特徴とする請求項1記載の燃
    料噴射式内燃機関。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10273922B2 (en) 2016-02-12 2019-04-30 Nissan Motor Co., Ltd. Control method and control device of direct injection internal combustion engine

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