JPH0925670A

JPH0925670A - 断熱材

Info

Publication number: JPH0925670A
Application number: JP19922595A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Murata; 茂村田
Original assignee: Nichias Corp
Current assignee: Nichias Corp
Priority date: 1995-07-12
Filing date: 1995-07-12
Publication date: 1997-01-28

Abstract

(57)【要約】【目的】屋根や壁に使用する断熱性、吸音性などに優
れた断熱材である。【構成】上・下の無機繊維層１，２の層間に防湿シー
ト３を挟着させ、この防湿シート３の両端部を無機繊維
層１，２の長辺両端部から延出させてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、屋根や外壁などに
使用する断熱材に係り、特に断熱性に加えて吸音性、防
露性、保水性などの諸性能を備えた断熱材に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】建築物の屋根、外壁などの外装材とし
て、鋼板を使用した金属折板屋根や金属サイディングが
知られているが、これら外装材の最大の欠点は、断熱性
が欠如することであり、従来種々改良が施された断熱材
が使用されている。

【０００３】例えば、折板屋根において、その内側面に
断熱材として、ガラス繊維マットを配設した場合、屋内
側の湿気がガラス繊維マット層に透過するため、このマ
ット層の内部および表面に結露が発生したり、水滴が滴
下したり、また、断熱性能が低下するなどの原因ともな
っている。

【０００４】この解決策として、特開平３−２４０号公
報には、金属折板を基材とし、ガラス繊維断熱材の屋内
側表面にガラス繊維で補強した不透湿性薄膜を被覆する
金属複合材の技術が開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記金
属複合材にあっては、屋内側表面に配したガラス繊維材
の表面をガラス繊維で補強した不透湿性薄膜で被覆する
構成が要旨となっているため、吸音性能が低下する課題
がある。また、屋内側の湿気は、不透湿性薄膜で遮断さ
れ、断熱材層への浸透や内部結露を防止できるが、寒冷
地などで表面結露が生じた場合、この不透湿性薄膜は、
保水性がないため、直ちに結露水が滴下し、屋内物品に
被害をもたらすことがある。

【０００６】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、断熱性能は勿論のこと吸音
性能に優れ、さらに内部結露を防ぐ防露性能を備えると
共に、一時的に表面結露が発生しても水滴の滴下を防ぐ
保水性能に優れるなどの諸性能を備えた断熱材を提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第１の発明は、所定の厚みを有する上
・下の無機繊維層の層間に不透湿性の防湿シートを挟着
させ、且つこの防湿シートの両端部を無機繊維層の長辺
両端部から延出させたことを特徴とするものである。

【０００８】第２の発明は、所定の厚みを有する上・下
の無機繊維層の層間に挟着した不透湿性の防湿シートの
両端部を上側の無機繊維層の長辺両端部および両表面縁
部とに被着させたことを特徴としている。

【０００９】第３の発明は、第１、第２の発明におい
て、上・下の無機繊維層は、ガラス繊維、ロックウール
繊維で構成されていることを特徴としている。

【００１０】第４の発明は、第１、第２の発明におい
て、不透湿性の防湿シートは、プラスチックシートまた
は金属箔を備えるシートであることを特徴としている。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の断熱材は、所定の厚みを
有する上・下の無機繊維層の層間に不透湿性の防湿シー
トを挟着させ、且つこの防湿シートの両端部を無機繊維
層の長辺両端部から延出させた構成であり、屋根や外壁
などに使用される。また、所定の厚みを有する上・下の
無機繊維層の層間に挟着した不透湿性の防湿シートの両
端部を上側の無機繊維層の長辺両端部および両表面縁部
とに被着させた構成であり、屋根や外壁などに使用され
る。

【００１２】本発明には、次の作用がある。本発明によ
れば、上・下の無機繊維層の層間に防湿シートを挟着し
てあり、吸音性能が良好となり、寒冷地において、この
防湿シートにより屋外側部への屋内空気中の湿気の移動
を防ぎ、内部結露を防止できる。

【００１３】また、長辺方向に設けられる継ぎ目部の間
から端面を経て上側の無機繊維層への湿気の浸入は、長
辺方向端部と表面縁部へ被着させた防湿シートにより防
ぎ、内部結露の発生を防止できる。しかも、下側の無機
繊維層に内部または表面結露が一時的に生じても、この
繊維層は、保水力があるから結露水は滴下しない。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明すると、図１は、第１実施例の断熱材の説明図、図
２は、第２実施例の説明図である。第１実施例の断熱材
１は、上・下の無機繊維層２，３と、この無機繊維層
２，３の間に挟着させて長辺両端部から延出させた延出
部４，５を備える不透湿性の防湿シート６と、下側の無
機繊維層３の下面に配した不織布７とで構成され、使用
する建築物の形状に対応できる柔軟性を備えている。

【００１５】上・下の無機繊維層２，３は、断熱性能に
優れたガラス繊維やロックウール繊維などの無機繊維製
の断熱材で構成すればよく、この実施例では、上側の無
機繊維層２として嵩密度１２０ｋｇ／ｍ³、厚さ１０ｍ
ｍのガラス繊維マットを使用し、下側の無機繊維層３と
して、嵩密度１２０ｋｇ／ｍ³、厚さ５ｍｍの同様なガ
ラス繊維マットを使用している。

【００１６】防湿シート６は、不透湿性能に優れたシー
ト材であればよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのプラスチック
シート、これらのシートにアルミを蒸着したシート、ア
ルミ箔などの金属箔構成のものが好ましく、この実施例
では、厚さ１５μのアルミ箔を使用している。この防湿
シート６は、上記のように上・下の無機繊維層２，３の
間に介在させ、その両端部が無機繊維層２，３の長辺両
端部から延出させた延出部４，５を備えている。延出部
４，５は、上側の無機繊維層２側の長辺方向の表面側に
折り返したとき、その端面８と表面縁部９とを十分に被
覆できる幅寸法を有することが好ましい。この実施例の
場合、上記の厚さ寸法の上・下の無機繊維層２，３に対
し、延出部４，５の寸法は３０ｍｍ程延出させている。

【００１７】不織布７は、この実施例では、２０ｇ／ｍ
²のポリエステル不織布を使用している。

【００１８】上側の無機繊維層２と防湿シート６とは、
ホットメルトタイプの接着剤で接着し、防湿シート６と
下側の無機繊維層３とは、ゴム系の接着剤を使用して接
着している。下側の無機繊維層３と不織布７とは、ニー
ドルパンチで貼り合わせている。

【００１９】実施例２について説明する。この実施例２
の断熱材１２は、上記断熱材１と基本的な構成は同じで
あり、建築物の形状に対応できる柔軟性を備えている
が、一部の構成が異なっている。上側の無機繊維層１３
には、嵩密度４０ｋｇ／ｍ³、厚さ２５ｍｍのロックウ
ールマットを使用し、下側の無機繊維層１４には、嵩密
度１２０ｋｇ／ｍ³、厚さ５ｍｍのガラス繊維マットを
使用している。介在させる防湿シート１５は、この実施
例では、厚さ１５μのアルミ箔をガラスクロスに張り合
わせたアルミガラスクロスを使用し、その延出部１６，
１７は、上側の無機繊維層１３の長辺方向の表面側に折
り返し、その上側の無機繊維層１３の長辺方向の端面１
８と表面縁部１９とを被着している。下側の無機繊維層
１４の下面には、２０ｇ／ｍ²の不織布２０として、ポ
リエステル不織布を接着している。

【００２０】この実施例では、上側の無機繊維層１３と
防湿シート１５及びこれと下側の無機繊維層１４とは、
ゴム系の接着剤を使用して接着し、下側の無機繊維層１
４と不織布２０とは、ニードルパンチで貼り合わせてい
る。

【００２１】次に、本発明の使用例を図３、図４により
説明する。図３は、実施例２の断熱材１２を金属折板屋
根に使用した例であり、屋根を構成するはり、タイトフ
レーム、緊結ボルトなどの要旨は図示を省略してある。
この使用例において、折板屋根２２の内側面に上側の無
機繊維層１３を当接させて断熱材１２が連続状に接着剤
を介して貼設してある。使用する接着剤は、ゴム系のも
のが好ましい。

【００２２】この場合、折板屋根２２の頂部２３におい
て、断熱材１２，１２，…は、長辺方向の端面１８，１
８が防湿シート１５の延出部１６，１７を介して当接し
合って継ぎ目部２４を構成し、この継ぎ目部２４の間か
ら端面１８を経て上側の無機繊維層１３への湿気の浸入
は、長辺方向端部および表面縁部へ被着させた防湿シー
ト１５により防ぐことができる。断熱材１２，１２，…
の短辺方向の端面２５には、アルミ粘着テープなどの防
湿テープ２６を貼設させ、端面２５からの湿気の浸入を
防いでいる。

【００２３】図４は、断熱材１２を金属サイディング３
０に使用した例を示し、任意な形状の隆起部３１，３
１，…を備えた金属サイディング３０の内側面に上側の
無機繊維層１３を当接させて断熱材１２が連続状に接着
剤を介して貼設してある。接着剤は、ゴム系のものが好
ましい。図中、３２は、ドリルビス、３３は、胴縁であ
る。

【００２４】上記使用例は、何れも実施例２の断熱材１
２を使用しているが、実施例１の断熱材１も同様に使用
できる。この場合、施工時に延出部４，５を断熱材１の
端面８と表面縁部９側にしわや折り重なりなどが発生し
ないように平ら状に折り返して被着させ、長辺方向の端
面８，８を延出部４，５を介して当接させて継ぎ目部を
構成する。このため、湿気は延出部４，５により防ぎ、
端面８を経て上側の無機繊維層１３に浸入することがな
い。なお、表面縁部９側を金属サイディングの内側面に
貼設することが好ましく、また、断熱材１，１，…の短
辺方向の端面には、上記と同様な防湿テープを貼設させ
るとよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明は、以上の構成であり、次の効果
がある。上・下の無機繊維層の層間に防湿シートが挟着
されており、下側の無機繊維層を露出配置した構成とし
ているので、上記特開平３−２４０号の屋内側表面に不
透湿性薄膜を被覆した金属複合材よりも吸音性能が優れ
る。また、この防湿シートで屋内空気の湿気の移動を防
ぎ、内部結露を防止できる。

【００２６】さらに、継ぎ目部から端面を経て上側の無
機繊維層への湿気の浸入は、長辺方向端部および表面縁
部へ被着させた防湿シートにより防ぎ、内部結露の発生
を防止できる。下側の無機繊維層は保水力があり、結露
水の滴下はなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す斜視図。

【図２】本発明の第２実施例を示す斜視図。

【図３】本発明の使用例を示す概略説明図。

【図４】本発明の他の使用例を示す概略説明図。

【符号の説明】１，２上・下の無機繊維層３防湿シート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定の厚みを有する上・下の無機繊維層
の層間に不透湿性の防湿シートを挟着させ、且つこの防
湿シートの両端部を無機繊維層の長辺両端部から延出さ
せたことを特徴とする断熱材。
【請求項２】所定の厚みを有する上・下の無機繊維層
の層間に挟着した不透湿性の防湿シートの両端部を上側
の無機繊維層の長辺両端部および両表面縁部とに被着さ
せたことを特徴とする断熱材。
【請求項３】上・下の無機繊維層は、ガラス繊維、ロ
ックウール繊維で構成されていることを特徴とする請求
項１または２記載の断熱材。
【請求項４】不透湿性の防湿シートは、プラスチック
シートまたは金属箔を備えるシートであることを特徴と
する請求項１または２記載の断熱材。