JPH09256678A - 免震ダンパー - Google Patents
免震ダンパーInfo
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- JPH09256678A JPH09256678A JP8066886A JP6688696A JPH09256678A JP H09256678 A JPH09256678 A JP H09256678A JP 8066886 A JP8066886 A JP 8066886A JP 6688696 A JP6688696 A JP 6688696A JP H09256678 A JPH09256678 A JP H09256678A
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来のダンパーは、振動エネルギーの吸収能力
が充分でなく、設計や取扱いが困難で、高価、大型、保
守が必要である、といった難点があった。 【解決手段】建築物の振動を減衰させるためにその建築
物の相対変位可能な2部材間に介装されて用いられる免
震ダンパー1であって、第1の固定部24が設けられた
第1の部材20と、第2の固定部34が設けられ、第1
の部材20により直線方向に往復移動可能に支持された
第2の部材30と、略U字形状に折り曲げられて、一端
41が第1の部材20に固定されると共に、他端42が
第2の部材30に固定され、第1の部材20と第2の部
材30とが振動により相対変位したときに折り曲げ部4
3を移動させて振動を減衰させる折り曲げ板部材40と
を備えてなることを特徴とする。
が充分でなく、設計や取扱いが困難で、高価、大型、保
守が必要である、といった難点があった。 【解決手段】建築物の振動を減衰させるためにその建築
物の相対変位可能な2部材間に介装されて用いられる免
震ダンパー1であって、第1の固定部24が設けられた
第1の部材20と、第2の固定部34が設けられ、第1
の部材20により直線方向に往復移動可能に支持された
第2の部材30と、略U字形状に折り曲げられて、一端
41が第1の部材20に固定されると共に、他端42が
第2の部材30に固定され、第1の部材20と第2の部
材30とが振動により相対変位したときに折り曲げ部4
3を移動させて振動を減衰させる折り曲げ板部材40と
を備えてなることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の振動を減
衰させるために用いられる免震ダンパーに関するもので
ある。
衰させるために用いられる免震ダンパーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】地震時の振動エネルギーを吸収するため
に建築物に備えられる免震ダンパーとしては、たとえば
オイルダンパー、粘性ダンパー、鋼材ダンパー、摩擦ダ
ンパー等、種々のものが実用化されている。
に建築物に備えられる免震ダンパーとしては、たとえば
オイルダンパー、粘性ダンパー、鋼材ダンパー、摩擦ダ
ンパー等、種々のものが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のダンパー
では、たとえば、オイルダンパーの場合には、振動エネ
ルギーの減衰作用が地震の速度、温度などに依存し、安
定した結果が得られないという問題があった。そして、
油圧の調整、油洩れ対策、ゴミ、埃等の進入対策が必要
なため、メンテナンスが困難であった。さらに、精密な
加工が要求され、大容量のものは製作が困難である等の
問題があった。また、摩擦ダンパーの場合には、振動エ
ネルギーの減衰作用が振動数に対して依存性をもつた
め、性能が安定しない。そして、摩擦面の摩耗が避けら
れず、腐食や、ゴミ、埃の進入対策が困難であり、ま
た、摩擦面の面圧が変化すると性能が劣化するため維持
管理が必要である等の問題があった。
では、たとえば、オイルダンパーの場合には、振動エネ
ルギーの減衰作用が地震の速度、温度などに依存し、安
定した結果が得られないという問題があった。そして、
油圧の調整、油洩れ対策、ゴミ、埃等の進入対策が必要
なため、メンテナンスが困難であった。さらに、精密な
加工が要求され、大容量のものは製作が困難である等の
問題があった。また、摩擦ダンパーの場合には、振動エ
ネルギーの減衰作用が振動数に対して依存性をもつた
め、性能が安定しない。そして、摩擦面の摩耗が避けら
れず、腐食や、ゴミ、埃の進入対策が困難であり、ま
た、摩擦面の面圧が変化すると性能が劣化するため維持
管理が必要である等の問題があった。
【0004】このように、従来までに実用化されている
各種のダンパーは、振動エネルギーの吸収能力が充分で
なかったり、設計や取扱いが困難であったり、あるいは
高価である、大型となる、保守が必要である、といった
難点があり、より有効な免震ダンパーの実用化が望まれ
ていた。
各種のダンパーは、振動エネルギーの吸収能力が充分で
なかったり、設計や取扱いが困難であったり、あるいは
高価である、大型となる、保守が必要である、といった
難点があり、より有効な免震ダンパーの実用化が望まれ
ていた。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、充分な振動吸収能力を有し、維持管理が容易で、
取扱いが簡単であると共に、構造が簡単であり、しかも
安価に得られる免震ダンパーを提供することを目的とす
る。
ので、充分な振動吸収能力を有し、維持管理が容易で、
取扱いが簡単であると共に、構造が簡単であり、しかも
安価に得られる免震ダンパーを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の免震ダンパーで
は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の免震ダンパーによれば、建築
物の振動を減衰させるためにその建築物の相対変位可能
な2部材間に介装されて用いられる免震ダンパーであっ
て、建築物の一方の部材に固定するための第1の固定部
が設けられた第1の部材と、建築物の他方の部材に固定
するための第2の固定部が設けられ、前記第1の部材に
より直線方向に往復移動可能に支持された第2の部材
と、略U字形状に折り曲げられて、一端が前記第1の部
材に固定されると共に、他端が前記第2の部材に固定さ
れ、前記第1の部材と第2の部材とが前記振動により相
対変位したときに前記折り曲げ部を移動させて前記振動
を減衰させる折り曲げ板部材とを備えてなることを特徴
とする。この免震ダンパーでは、第1の部材と第2の部
材がそれぞれ建築物の相対変位する2部材に対して固定
されて用いられる。そして、それら2部材間に相対変位
が生じた際には、第1の部材が第2の部材に対して変位
して、折り曲げ板部材の折り曲げ部が移動することで、
振動エネルギーを吸収する。
は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の免震ダンパーによれば、建築
物の振動を減衰させるためにその建築物の相対変位可能
な2部材間に介装されて用いられる免震ダンパーであっ
て、建築物の一方の部材に固定するための第1の固定部
が設けられた第1の部材と、建築物の他方の部材に固定
するための第2の固定部が設けられ、前記第1の部材に
より直線方向に往復移動可能に支持された第2の部材
と、略U字形状に折り曲げられて、一端が前記第1の部
材に固定されると共に、他端が前記第2の部材に固定さ
れ、前記第1の部材と第2の部材とが前記振動により相
対変位したときに前記折り曲げ部を移動させて前記振動
を減衰させる折り曲げ板部材とを備えてなることを特徴
とする。この免震ダンパーでは、第1の部材と第2の部
材がそれぞれ建築物の相対変位する2部材に対して固定
されて用いられる。そして、それら2部材間に相対変位
が生じた際には、第1の部材が第2の部材に対して変位
して、折り曲げ板部材の折り曲げ部が移動することで、
振動エネルギーを吸収する。
【0007】請求項2記載の免震ダンパーにおいて、前
記第1の部材は断面矩形の有底筒状体から構成され、前
記第2の部材は、前記第1の部材内において直線移動可
能な断面コ字形状の長尺部材から構成され、前記折り曲
げ板部材が、略U字状に折り曲げられた帯状鋼板により
構成されている。この免震ダンパーでは、第2の部材
が、第1の部材の有底筒状体内部を案内されて往復移動
する。その結果、帯状鋼板が塑性変形することにより、
折り曲げ部が移動して、振動エネルギーを吸収する。
記第1の部材は断面矩形の有底筒状体から構成され、前
記第2の部材は、前記第1の部材内において直線移動可
能な断面コ字形状の長尺部材から構成され、前記折り曲
げ板部材が、略U字状に折り曲げられた帯状鋼板により
構成されている。この免震ダンパーでは、第2の部材
が、第1の部材の有底筒状体内部を案内されて往復移動
する。その結果、帯状鋼板が塑性変形することにより、
折り曲げ部が移動して、振動エネルギーを吸収する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1、図2は、本発明の実施の
形態を示す図であり、符号1は免震ダンパーである。免
震ダンパー1は、外箱20(第1の部材)、内箱30
(第2の部材)、および、折り曲げ板部材40から概略
構成されている。
面に基づいて説明する。図1、図2は、本発明の実施の
形態を示す図であり、符号1は免震ダンパーである。免
震ダンパー1は、外箱20(第1の部材)、内箱30
(第2の部材)、および、折り曲げ板部材40から概略
構成されている。
【0009】外箱20は、鋼材からなる断面矩形の有底
筒状体であり、端部21が開放端とされ、端部22は、
側板23により閉塞されて閉口端とされている。側板2
3の外側には、免震ダンパー1を建築構造物等に固定す
る固定部材24(第1の固定部)が設けられている。
筒状体であり、端部21が開放端とされ、端部22は、
側板23により閉塞されて閉口端とされている。側板2
3の外側には、免震ダンパー1を建築構造物等に固定す
る固定部材24(第1の固定部)が設けられている。
【0010】図4に示すように、内箱30は、鋼材から
なる断面コ字状の長尺部材であり、端部31が開放端と
されており、端部32には側板33が設けられ、側板3
3の外側には免震ダンパー1を建築構造物等に固定する
固定部材34(第2の固定部)が設けられている。折ら
曲げ板部材40は、帯状の鋼板が、端部41(一端)と
端部42(他端)の中間から折り曲げられ、折り曲げ部
43が形成されて、端部41と端部42が平行に位置す
るようU字形状とされたものである。
なる断面コ字状の長尺部材であり、端部31が開放端と
されており、端部32には側板33が設けられ、側板3
3の外側には免震ダンパー1を建築構造物等に固定する
固定部材34(第2の固定部)が設けられている。折ら
曲げ板部材40は、帯状の鋼板が、端部41(一端)と
端部42(他端)の中間から折り曲げられ、折り曲げ部
43が形成されて、端部41と端部42が平行に位置す
るようU字形状とされたものである。
【0011】外箱20と内箱30は、各々の延長方向を
一致させて、各開口部側を対向させて入れ子状に移動自
在に嵌合されており、内箱30の端部31は、外箱30
の内部に位置している。図3に示すように、折り曲げ板
部材40は、端部41、42を外箱20の端部21に向
けて外箱20内および内箱30の端部31内に配置され
ており、端部41が、ボルト44、45によって、外箱
20の内部に固定され、端部42が、内箱30の端部3
1に、ボルト46、47によって固定されている。
一致させて、各開口部側を対向させて入れ子状に移動自
在に嵌合されており、内箱30の端部31は、外箱30
の内部に位置している。図3に示すように、折り曲げ板
部材40は、端部41、42を外箱20の端部21に向
けて外箱20内および内箱30の端部31内に配置され
ており、端部41が、ボルト44、45によって、外箱
20の内部に固定され、端部42が、内箱30の端部3
1に、ボルト46、47によって固定されている。
【0012】上記の構成の免震ダンパー1は、外箱20
が、固定部材24によって建築物の一方の部材に固定さ
れ、内箱30が、固定部材34によって建築物の他方の
部材に固定される。地震時など、建築物の2部材間に相
対変位が生じた際には、内箱30が、外箱20内部を案
内されて直線状に往復移動する。その結果、折り曲げ部
材40の帯状鋼板が塑性変形し、折り曲げ部が移動する
ことにより、振動エネルギーを吸収する。
が、固定部材24によって建築物の一方の部材に固定さ
れ、内箱30が、固定部材34によって建築物の他方の
部材に固定される。地震時など、建築物の2部材間に相
対変位が生じた際には、内箱30が、外箱20内部を案
内されて直線状に往復移動する。その結果、折り曲げ部
材40の帯状鋼板が塑性変形し、折り曲げ部が移動する
ことにより、振動エネルギーを吸収する。
【0013】ところで、上記の構成の免震ダンパー1
は、積層ゴム等とともに併用されることで、免震装置と
して用いられる場合がある。すなわち、通常の積層ゴム
自体は、地震による振動エネルギーを吸収する能力に乏
しく、変形を抑制する効果は殆どないが、免震ダンパー
1は、振動エネルギーを吸収することによりこの変形を
抑制する働きを果たすという理由からである。
は、積層ゴム等とともに併用されることで、免震装置と
して用いられる場合がある。すなわち、通常の積層ゴム
自体は、地震による振動エネルギーを吸収する能力に乏
しく、変形を抑制する効果は殆どないが、免震ダンパー
1は、振動エネルギーを吸収することによりこの変形を
抑制する働きを果たすという理由からである。
【0014】この変形の抑制の程度は、免震装置の変位
に対する減衰特性によって示される。この減衰特性は、
減衰定数の大きさで評価できるが、免震装置の等価減衰
定数は、下記の数式1によって評価できる。
に対する減衰特性によって示される。この減衰特性は、
減衰定数の大きさで評価できるが、免震装置の等価減衰
定数は、下記の数式1によって評価できる。
【数1】
【0015】数式1において、A、ΔAは、図6に示す
ような履歴ループの面積である。図7において、直線B
は、積層ゴムのみが免震装置として介装されている場合
の履歴曲線であるが、この場合、ΔAの値がゼロとな
り、その結果、等価減衰定数もゼロとなる。したがっ
て、積層ゴムのみでは、変形を抑制する効果は期待でき
ない程小さくなる。
ような履歴ループの面積である。図7において、直線B
は、積層ゴムのみが免震装置として介装されている場合
の履歴曲線であるが、この場合、ΔAの値がゼロとな
り、その結果、等価減衰定数もゼロとなる。したがっ
て、積層ゴムのみでは、変形を抑制する効果は期待でき
ない程小さくなる。
【0016】また、図7に示すように、免震ダンパー1
のみが免震装置として介装されている場合の履歴曲線
は、履歴曲線Cで表される。これは、変位の変化に対し
て、抵抗力が一定値を維持する履歴特性を表している。
この場合、略平行四辺形の履歴曲線Cで囲まれた部分が
吸収されるエネルギーに相当する。
のみが免震装置として介装されている場合の履歴曲線
は、履歴曲線Cで表される。これは、変位の変化に対し
て、抵抗力が一定値を維持する履歴特性を表している。
この場合、略平行四辺形の履歴曲線Cで囲まれた部分が
吸収されるエネルギーに相当する。
【0017】ところが、積層ゴムと免震ダンパー1を併
用した場合には、免震装置の履歴曲線は、図6における
履歴曲線Dのようになる。これは、この履歴曲線Dが、
図7における、積層ゴムの履歴曲線Bと、図6における
免震ダンパーの履歴曲線Cの合成として求められること
による。
用した場合には、免震装置の履歴曲線は、図6における
履歴曲線Dのようになる。これは、この履歴曲線Dが、
図7における、積層ゴムの履歴曲線Bと、図6における
免震ダンパーの履歴曲線Cの合成として求められること
による。
【0018】その結果、免震装置として積層ゴムと免震
ダンパー1を併用した場合には、数式1で評価される等
価減衰定数は大きな値となるため、地震等の水平力によ
る、振動エネルギーは効率よく吸収される。上述したよ
うな理由により免震装置として、積層ゴムと免震ダンパ
ー1が併用して用いられる。
ダンパー1を併用した場合には、数式1で評価される等
価減衰定数は大きな値となるため、地震等の水平力によ
る、振動エネルギーは効率よく吸収される。上述したよ
うな理由により免震装置として、積層ゴムと免震ダンパ
ー1が併用して用いられる。
【0019】次に、以上のような理由に基づいて、免震
ダンパー1と積層ゴムの両方を介装した具体例を説明す
る。
ダンパー1と積層ゴムの両方を介装した具体例を説明す
る。
【0020】図5において、建築物10の上部躯体11
(一方の部材)と下部躯体12(他方の部材)の間に、
免震装置としての積層ゴム14と、免震ダンパー1が設
置されている。
(一方の部材)と下部躯体12(他方の部材)の間に、
免震装置としての積層ゴム14と、免震ダンパー1が設
置されている。
【0021】積層ゴム14は、上部躯体11と下部躯体
12の間に設けられた柱15の上部15aと下部15b
の間に介装されている。そして、柱15の上部15aと
下部躯体12の立ち上がり部16、16の間には、それ
ぞれ免震ダンパー1、1が積層ゴム14を通る直線上に
略水平に設置されている。なお、免震ダンパー1は、図
示しないが、前記免震ダンパー1と直角をなす方向にも
略水平に設けられている。免震ダンパー1は、固定部材
34が、柱15の上部15aに設置された固定部16に
図視しないボルトで締結され、固定部材24が、立ち上
がり部16に設置された固定部17に図示しないボルト
で締結されている。
12の間に設けられた柱15の上部15aと下部15b
の間に介装されている。そして、柱15の上部15aと
下部躯体12の立ち上がり部16、16の間には、それ
ぞれ免震ダンパー1、1が積層ゴム14を通る直線上に
略水平に設置されている。なお、免震ダンパー1は、図
示しないが、前記免震ダンパー1と直角をなす方向にも
略水平に設けられている。免震ダンパー1は、固定部材
34が、柱15の上部15aに設置された固定部16に
図視しないボルトで締結され、固定部材24が、立ち上
がり部16に設置された固定部17に図示しないボルト
で締結されている。
【0022】地震時には、水平方向の地震力が建築物1
0に作用するが、積層ゴム14が変形して上部躯体11
に働く地震力を軽減して免震効果を得ている。このと
き、上部躯体11は下部躯体12に対して変位し、その
結果、免震ダンパー1には、固定部16、17を介して
水平力が作用する。そして、図2に示すように、内箱3
0は外箱20に対して変位することになり、その結果、
折り曲げ板部材40の折り曲げ部43が変位する。
0に作用するが、積層ゴム14が変形して上部躯体11
に働く地震力を軽減して免震効果を得ている。このと
き、上部躯体11は下部躯体12に対して変位し、その
結果、免震ダンパー1には、固定部16、17を介して
水平力が作用する。そして、図2に示すように、内箱3
0は外箱20に対して変位することになり、その結果、
折り曲げ板部材40の折り曲げ部43が変位する。
【0023】このとき、折り曲げ部材40は、水平力に
よる折り曲げ部43の位置の変化に伴って、一定な抵抗
力を発揮し、図6における履歴曲線Cで表されるよう
に、振動エネルギーを吸収する。
よる折り曲げ部43の位置の変化に伴って、一定な抵抗
力を発揮し、図6における履歴曲線Cで表されるよう
に、振動エネルギーを吸収する。
【0024】上記の構成の免震ダンパー1においては、
振動エネルギーの吸収が、折り曲げ板部材40の塑性変
形によってなされているので、埃、ゴミの有無、温度等
の外部環境に左右されることがない。そして、油洩れ、
摩擦等により、性能が劣化することが抑えられるので、
安定した性能が期待できる。また、性能の劣化が抑えら
れるので、メンテナンスの困難が抑えられる。そして、
折り曲げ板部材40がU字形状とされた鋼板から構成さ
れているので、構造が簡単で、安価に製造することがで
き、取扱いが簡単にできる。
振動エネルギーの吸収が、折り曲げ板部材40の塑性変
形によってなされているので、埃、ゴミの有無、温度等
の外部環境に左右されることがない。そして、油洩れ、
摩擦等により、性能が劣化することが抑えられるので、
安定した性能が期待できる。また、性能の劣化が抑えら
れるので、メンテナンスの困難が抑えられる。そして、
折り曲げ板部材40がU字形状とされた鋼板から構成さ
れているので、構造が簡単で、安価に製造することがで
き、取扱いが簡単にできる。
【0025】なお、折り曲げ板部材40の、材質、延
長、厚み、折曲げ部43の曲率半径、を変化させること
によって、任意の振動エネルギーの吸収効率を設定する
ことができる。また、免震装置と併用することなく、単
独で使用しても、充分な免震効果を得ることができる。
長、厚み、折曲げ部43の曲率半径、を変化させること
によって、任意の振動エネルギーの吸収効率を設定する
ことができる。また、免震装置と併用することなく、単
独で使用しても、充分な免震効果を得ることができる。
【0026】
【実施例】上記の実施の形態において説明した免震ダン
パーにおいて、履歴特性を決定する折り曲げ部材の特性
を調べるための供試体の諸元を以下に示す。 (1)材料 SS41 (2)肉厚 3mm (3)幅 25mm (4)折曲げ部の折曲げ半径 6.4mm
パーにおいて、履歴特性を決定する折り曲げ部材の特性
を調べるための供試体の諸元を以下に示す。 (1)材料 SS41 (2)肉厚 3mm (3)幅 25mm (4)折曲げ部の折曲げ半径 6.4mm
【0027】上記諸元を備える折曲げ部材の供試体に対
して、供試体の向きを反転させ、繰り返し荷重を載荷す
ることにより、変位−荷重特性を調べた。ここで、荷重
は、図7における抵抗力に相当する。その結果、図8の
グラフを得た。このグラフは、図7に対応している。す
なわち、符号は正負逆に表示されているが、図8の1回
目は第1象限に、図8の2回目は第4象限〜第3象限
に、図8の3回目は第2象限〜第1象限に、図8の4回
目は第4象限〜第3象限に対応している。図7と図8を
比較すると、履歴曲線Cに略等しい特性が得られてお
り、回数を繰り返しても履歴特性には変化がない。上記
実施の形態の免震ダンパーは、免震装置として積層ゴム
と併用した際に必要な要求条件を満足していることが、
この実験結果から示される。
して、供試体の向きを反転させ、繰り返し荷重を載荷す
ることにより、変位−荷重特性を調べた。ここで、荷重
は、図7における抵抗力に相当する。その結果、図8の
グラフを得た。このグラフは、図7に対応している。す
なわち、符号は正負逆に表示されているが、図8の1回
目は第1象限に、図8の2回目は第4象限〜第3象限
に、図8の3回目は第2象限〜第1象限に、図8の4回
目は第4象限〜第3象限に対応している。図7と図8を
比較すると、履歴曲線Cに略等しい特性が得られてお
り、回数を繰り返しても履歴特性には変化がない。上記
実施の形態の免震ダンパーは、免震装置として積層ゴム
と併用した際に必要な要求条件を満足していることが、
この実験結果から示される。
【0028】
【発明の効果】本発明の免震ダンパーによれば、折り曲
げ板部材の塑性変形により、振動エネルギーを吸収する
構造としたので、充分な振動吸収能力を有し、維持管理
を容易に行うことができ、取扱いが簡単で、構造が簡単
であり、安価に製作することができるという効果を奏す
る。
げ板部材の塑性変形により、振動エネルギーを吸収する
構造としたので、充分な振動吸収能力を有し、維持管理
を容易に行うことができ、取扱いが簡単で、構造が簡単
であり、安価に製作することができるという効果を奏す
る。
【図1】本発明の実施の形態の免震ダンパーの平面図で
ある。
ある。
【図2】図1のP−Pにおける断面図である。
【図3】図2のQ−Qにおける断面図である。
【図4】図2のR−Rにおける断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の免震ダンパーを介装した
建築物の断面図である。
建築物の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の免震ダンパーの履歴曲線
を示す図である。
を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の免震ダンパーの履歴曲線
を示す図である。
を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の折り曲げ部材の供試体実
験のグラフである。
験のグラフである。
1…免震ダンパー 20…外箱(第1の部材) 24…固定部材(第1の固定部) 30…内箱(第2の部材) 34…固定部材(第2の固定部) 40…折り曲げ部材 41…端部(一端) 42…端部(他端) 43…折り曲げ部
Claims (2)
- 【請求項1】 建築物の振動を減衰させるためにその建
築物の相対変位可能な2部材間に介装されて用いられる
免震ダンパーであって、建築物の一方の部材に固定する
ための第1の固定部が設けられた第1の部材と、建築物
の他方の部材に固定するための第2の固定部が設けら
れ、前記第1の部材により直線方向に往復移動可能に支
持された第2の部材と、略U字形状に折り曲げられて、
一端が前記第1の部材に固定されると共に、他端が前記
第2の部材に固定され、前記第1の部材と第2の部材と
が前記振動により相対変位したときに前記折り曲げ部を
移動させて前記振動を減衰させる折り曲げ板部材とを備
えてなることを特徴とする免震ダンパー。 - 【請求項2】 請求項1記載の免震ダンパーにおいて、
前記第1の部材は断面矩形の有底筒状体から構成され、
前記第2の部材は、前記第1の部材内において直線移動
可能な断面コ字状の長尺部材から構成され、前記折り曲
げ板部材が、略U字形状に折り曲げられた帯状鋼板によ
り構成されていることを特徴とする免震ダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8066886A JPH09256678A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 免震ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8066886A JPH09256678A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 免震ダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09256678A true JPH09256678A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13328841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8066886A Withdrawn JPH09256678A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 免震ダンパー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09256678A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008285899A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Aoki Asunaro Kensetsu Kk | 柔要素制震構造部材と柔剛混合制震構造 |
JP2012012925A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | National Applied Research Laboratories | 二重コア自己中心型エネルギー散逸ブレース装置 |
JP2013142429A (ja) * | 2012-01-10 | 2013-07-22 | Oiles Corp | 免震機構 |
CN103967160A (zh) * | 2014-05-07 | 2014-08-06 | 清华大学 | 超大变形耗能支撑 |
JP2022104618A (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-08 | 株式会社名構設計 | エネルギー吸収装置および構造物 |
-
1996
- 1996-03-22 JP JP8066886A patent/JPH09256678A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008285899A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Aoki Asunaro Kensetsu Kk | 柔要素制震構造部材と柔剛混合制震構造 |
JP2012012925A (ja) * | 2010-07-02 | 2012-01-19 | National Applied Research Laboratories | 二重コア自己中心型エネルギー散逸ブレース装置 |
JP2013142429A (ja) * | 2012-01-10 | 2013-07-22 | Oiles Corp | 免震機構 |
CN103967160A (zh) * | 2014-05-07 | 2014-08-06 | 清华大学 | 超大变形耗能支撑 |
JP2022104618A (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-08 | 株式会社名構設計 | エネルギー吸収装置および構造物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030603 |