JP2003214471A - 制振用ダンパー - Google Patents
制振用ダンパーInfo
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- Vibration Dampers (AREA)
Abstract
ない樹脂からなる摺動部材を配置した制振用ダンパーで
あり、振動による摺動部材の振動方向に対して鉛直方向
に剛性部材に荷重を加え、摺動部材と剛性部材の摺動界
面の摩擦力により減衰特性を得るようにした。 【効果】 本発明によれば、従来の粘弾性ダンパーや制
振壁に比べて温度依存性の少ない制振用ダンパーが得ら
れる。またオイルダンパーに比べて構造が簡略であるた
め、オイル漏れの懸念やゴミ、ほこりが侵入する心配も
なく、従って製造上も保守管理上もコスト的に安価にで
きる。
Description
震や風、交通車両による振動あるいは機械類から発生す
る振動など種々の振動を制御するための制振用ダンパー
に関する。
ど常に振動が付加される環境にある。また、各種機械類
の稼働により工場等の建築物の床はやはり常時振動を受
ける状態にある。従来、このような振動を低減したり耐
震補強を施したりする目的で様々な振動を減衰させる手
段が講じられている。
めに高減衰ゴム組成物を使用した粘弾性ダンパーや制振
壁が振動減衰手段として用いられている。また、オイル
の流動抵抗を利用したオイルダンパーも用いられてい
る。
な従来の技術には、次のような解決すべき課題があっ
た。即ち、従来から用いられている粘弾性ダンパーや制
振壁は振動が生じた時に高減衰ゴムがせん断変形して減
衰特性を生じさせるものであるが、高減衰ゴムの減衰性
能が低い場合には数多くの粘弾性ダンパーや制振壁を設
置するかまたは非常に大きな粘弾性ダンパーや制振壁を
設置する必要があり、設置スペースの確保が困難である
という問題点がった。
温度による特性変化が大きくなる傾向があり、通常の使
用温度範囲においても安定した減衰性能を得ることが困
難な場合もあるという問題点もあった。
にオリフィスやバルブを用いており、ダンパーとしては
部品点数が多くなり、構造が複雑であるという問題点が
あった。また、オイルをシリンダー内に密閉するため
に、シリンダーとピストンの寸法精度の要求が高く、精
度が悪い場合にはオイル漏れの懸念があったり、ゴミや
ほこりの侵入に対する注意も必要であった。以上のこと
から必然的に製造コストも高くなっていた。
揮させるとともに、周囲の温度変化に対しても減衰性能
の変化が少ない制振用ダンパーを提供するものである。
するため次の構成を採用する。
くとも一つの摺動部材と複数の剛性部材とから組み合わ
された制振用ダンパーであって、上記摺動部材の少なく
とも一面と上記複数の剛性部材の少なくとも一部材とが
固着され、上記摺動部材の他の面と上記複数の剛性部材
の固着されていない部材が摺動可能に対接されており、
上記摺動部材と剛性部材には振動による上記摺動部材の
摺動方向に対して鉛直方向に荷重が加えられて、上記摺
動部材と剛性部材との摺動界面の摩擦力により減衰特性
を生じさせるようにしたことを特徴とする制振用ダンパ
ー。
01〜1.0の範囲にあることを特徴とする構成1に記
載の制振用ダンパー。
ル、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、若しくは高摺動
性ゴムのいずれか一種類からなることを特徴とする構成
1または構成2のいずれかの構成に記載の制振用ダンパ
ー。
ク、若しくはプラスチックのいずれか一種類からなるこ
とを特徴とする構成1記載の制振用ダンパー。
を用いて説明する。
で、図1(a)は2枚の剛性部材1a、1bの間にプラ
スチック樹脂からなる摺動部材2を配置した本発明の制
振用ダンパーの縦断面図であり、図1(b)は図1
(a)の横断面図である。
a、1bの一方の剛性部材1aと摺動部材2の一方の面
2xは機械的あるいは化学的手段により固着されて振動
が生じた時にもすべらないようになっている。
摺動部材2のもう一方の面2yとは摺動部材2が摺動可
能に対接され、摺動界面を形成している。そして摺動部
材と剛性部材には矢印で示した振動方向に対して図のよ
うに鉛直方向に荷重が加えられている。このように構成
すると振動が生じた場合に摺動部材と剛性部材との固着
されていない摺動界面に一定の力が加わり、摺動部材2
がすべる際に適切な摩擦力が発生して減衰特性を生じさ
せることができる。
表される。ここで、Fは摩擦力、μは摩擦係数、Wは鉛
直荷重である。従って、必要とする摩擦力を生じさせる
ためには摩擦係数と鉛直荷重との組み合わせを適切に選
択すれば良い。ここで、鉛直荷重の加え方は特に限定さ
れるものではなく、例えば剛性部材と摺動部材をボルト
等のような治具を用いて締め付けて荷重を加えたり、剛
性部材側からバネのような弾性部材により押し付けて荷
重を加えたりすれば良い。
スチック樹脂は摩擦係数の値が0.01〜1.0の範囲
のものが好ましい。これは、摩擦係数の値が0.01未
満ではダンパーとして充分な振動減衰性能を得ることが
できないためであり、また摩擦係数の値が1.0を超え
ると鉛直荷重の変化に対する摩擦力の変化の割合が大き
くなってしまい、減衰力を所定の値に制御することが困
難になってしまうからである。
るプラスチック樹脂としては環境温度の変化に対して特
性の変化が少ないものが好ましく、例えばポリアセター
ル、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、若しくはブタジ
エンーアクリロニトリルゴム(NBR)等の高摺動性ゴ
ムなどが挙げられる。
ものならば特に限定されるものではないが例えば金属や
セラミック、あるいはプラスチックなど加わる振動やそ
の他の力に対して充分な強度を有しているものであれば
良い。特にステンレス等の金属は強度が高いために好ま
しい。
ので、図2(a)は縦断面図、図2(b)は図2(a)
の横断面図である。なお、図1で示した個所と同一の個
所は同一の番号で表すこととし、以下も同様とする。
れており、それらの剛性部材1a、1b、1cの間にプ
ラスチック樹脂からなる摺動部材2a、2bが配置され
ている。剛性部材1a、1bと摺動部材2a、2bとの
間の面2xは固着されており、剛性部材1cと摺動部材
2a、2bとの間の面2yは摺動可能に対接され、摺動
界面が形成されている。そして、図のように振動方向に
対して鉛直方向に荷重が加えられている。このように剛
性部材の枚数は振動減衰の目的、振動発生元の構成等に
より適宜定めることができる。
を示したもので、図3(a)は縦断面、図3(b)は図
3(a)の横断面図である。
材3と、この外部剛性部材3に包囲された領域内に配置
されたやはり断面円形の内部剛性部材4との間に摺動部
材2が配置されている。本実施の形態では外部剛性部材
3と摺動部材2とが対接している面2xが固着されてお
り、内部剛性部材4と摺動部材2とが対接している面2
yが摺動可能な面となっている。そして、図のように振
動方向に対して鉛直方向に荷重が加えられている。
内部剛性部材4との間に摺動部材2を密に配置した例を
示したが、目的に応じて例えば図4(a)に横断面図で
示したように空間を設けて配置しても良く、また図4
(b)に示したように十字状に配置しても良い。要する
に摺動部材の配置の方法も限定されるものではなく、最
も効果的に配置すれば良い。
と内部剛性部材4は断面円形の例を示したが、やはり目
的に応じて例えば図5(a)に示すように外部剛性部材
3も内部剛性部材4もともに断面四角形とすることもで
きる。その他、図5(b)に示すように外部剛性部材3
の断面形状を四角形にして内部剛性部材4の断面形状を
円形にしたり、図5(c)や図5(d)に示すように外
部剛性部材3の断面形状を三角形や六角形にして、内部
剛性部材4の断面形状を円形や四角形にすることもでき
る。このような形状以外にも例えば外部剛性部材や内部
剛性部材を楕円形にしたりすることもできる。要する
に、振動が発生するそれぞれの状況に応じて様々な断面
形状を適宜選択し、組み合わせていけば良い。
の形状をその目的等に応じて様々に設定して構成すれば
良いが、摺動部材の配置の仕方も図4に示したのと同様
に様々な方法が考えられる。即ち、図6(a)は四角形
の外部剛性部材3により包囲された領域内にやはり四角
形の内部剛性部材4を配置し、その間に摺動部材2を空
間を設けて配置したもので、図6(b)は四角形の外部
剛性部材3により包囲された領域内にやはり四角形の内
部剛性部材4を配置し、その間に摺動部材2を十字状に
配置したものである。
の様々な例を示したが、いずれの図においても2xが摺
動部材と剛性部材の固着面であり、2yが摺動界面を表
している。また、図4から図6においては振動方向に対
して鉛直方向に加えられる荷重については図示を省略し
ている。
おいては、図2に示す形状の制振用ダンパーを用いた。
摺動部材2の樹脂として摩擦係数約0.3のポリアセタ
ールを表面粗さRa=0.4μmに加工した3枚のステ
ンレス板1a、1b、1c間に配置し、前記ステンレス
板に図のように80kNの鉛直荷重を加えた。摺動部材
の寸法はそれぞれ長さ100cm、幅25cm、厚さ
1.5cmである。
1、e1を固定し、もう一方の端e2を0.4Hz±1
5mmの条件で矢印の振動方向に加振した。この時の荷
重―変位特性を図7に実線で示す。比較例として、同一
の形状で本発明に用いる樹脂に代えて粘弾性体を配置
し、粘弾性ダンパーとして加振した。なお、粘弾性体の
寸法は長さ90cm、幅25cm、厚さ1.5cmのも
のを4層積層したものである。この時の減衰特性を発生
させる断面積であるSと厚さdの比である形状係数S/
dは6000cmである。比較例の結果を図7に波線で
示す。
パーと従来の粘弾性ダンパーとは荷重―変位曲線内の面
積がほぼ等しく、従って同等の減衰特性を有しているこ
とがわかる。なお、本実施例の場合の摩擦力Fはポリア
セタールの摩擦係数μが約0.3、鉛直荷重Wが80k
Nであるから1枚の摺動部材で約25kNとなる。従っ
て、本実施例の場合は2枚の摺動部材を用いているので
全体として図示しているように約50kNの摩擦力とな
る。
と比較例に用いた粘弾性ダンパーを−10℃〜+40℃
までの温度環境下に置き減衰特性を測定したところ、比
較例の粘弾性ダンパーの減衰特性は本実施例の制振用ダ
ンパーに比較して−10℃で約3倍、+40℃で約3分
の1になり大きく変化した。それに対して本実施例の制
振用ダンパーの減衰特性は上記温度範囲においてほとん
ど変化しなかった。
る特性変化の少ない樹脂を用いた摺動部材と剛性部材と
を組み合わせて制振用ダンパーを構成し、摺動部材と剛
性部材との摺動界面の摩擦力により減衰特性を得るよう
にしたので、従来の高減衰ゴムを用いた粘弾性ダンパー
や制振壁に比べて環境温度に対して特性変化の少ないダ
ンパーを得ることができる。また、オイルダンパーに比
べて構造が簡略であるため、オイル漏れの懸念やゴミ、
ほこりが侵入する心配もなく、従って製造上も保守管理
上もコスト的に安価にできるという利点を有している。
る。
る。
る。
る。
した図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 プラスチック樹脂からなる少なくとも一
つの摺動部材と複数の剛性部材とから組み合わされた制
振用ダンパーであって、前記摺動部材の少なくとも一面
と前記複数の剛性部材の少なくとも一部材とが固着さ
れ、前記摺動部材の他の面と前記複数の剛性部材の固着
されていない部材が摺動可能に対接されており、前記摺
動部材と剛性部材には振動による前記摺動部材の摺動方
向に対して鉛直方向に荷重が加えられて、前記摺動部材
と剛性部材との摺動界面の摩擦力により減衰特性を生じ
させるようにしたことを特徴とする制振用ダンパー。 - 【請求項2】 前記摺動部材は摩擦係数が0.01〜
1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
制振用ダンパー。 - 【請求項3】 前記摺動部材はポリアセタール、フッ素
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミ
ド、超高分子量ポリエチレン、若しくは高摺動性ゴムの
いずれか一種類からなることを特徴とする請求項1また
は請求項2のいずれかの請求項に記載の制振用ダンパ
ー。 - 【請求項4】 前記剛性部材は金属、セラミック、若し
くはプラスチックのいずれか一種類からなることを特徴
とする請求項1記載の制振用ダンパー。
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