JPH09256087A - 高温耐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管 - Google Patents

高温耐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管

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JPH09256087A
JPH09256087A JP6080396A JP6080396A JPH09256087A JP H09256087 A JPH09256087 A JP H09256087A JP 6080396 A JP6080396 A JP 6080396A JP 6080396 A JP6080396 A JP 6080396A JP H09256087 A JPH09256087 A JP H09256087A
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JP
Japan
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corrosion resistance
heat transfer
transfer tube
exhaust gas
high temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP6080396A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Yoshitake
俊一 吉武
Tomoyoshi Kiwake
友義 木分
Saburo Wakita
三郎 脇田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温耐食性、特に高温耐粒界腐食性に優れた
ごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管を提供する。 【解決手段】 Cr:38〜50%、MoおよびWのう
ちの1種または2種:0.1〜2%、C:0.001〜
0.05%、Mg:0.001〜0.1%、B:0.0
01〜0.1を含有し、さらに必要に応じて下記の
(a)および/または(b)を含有し、残りがNiと不
可避不純物からなり、不可避不純物としてSi:0.1
%以下、P:0.03%以下、S:0.03%以下に制
限した組成を有するNi−Cr基合金で構成した伝熱
管。(a)希土類元素:0.001〜0.1%、Y:
0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、
Hf:0.001〜0.5%の内の1種または2種以
上。(b)Mn:0.01〜1.0%、Ca:0.00
1〜0.1%の内の1種または2種。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高温耐食性、特
に高温耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボ
イラの伝熱管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ごみ焼却施設には排ガスのもつ
高温潜熱を利用する目的で、廃熱ボイラが設置されてい
る。また、前記廃熱ボイラの構造部材である伝熱管は、
腐食性の強いHClやSO2 ガス、Na2 SO4 などの
溶融硫酸塩、さらにNaClやKClなどの溶融塩化物
などの腐食性生成物を含有する高温の排ガスにさらさ
れ、かつ前記硫酸塩や塩化物などの一部が表面に堆積し
た状況下におかれることから、その製造には耐食性の優
れた材料が用いられている。
【0003】耐食性の優れた材料の一つとして、重量%
で(以下、%は重量%を示す)、Cr:38〜50%、
MoおよびWのうちの1種または2種:0.1〜2%を
含有し、さらに必要に応じて、、希土類元素:0.00
1〜0.1%、Y:0.001〜0.1%、Zr:0.
1〜3%、Hf:0.1〜3%の内の1種または2種以
上を含有し、不純物として含まれるCおよびNをそれぞ
れC:0.05%以下、N:0.04%以下に制限し、
残りがNiおよびその他の不可避不純物からなる組成を
有するNi−Cr基合金が知られている(特開平1−1
32732号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の特開平1−
132732号公報記載のNi−Cr基合金は、各種の
酸に対しては優れた耐食性を示すが、ごみ焼却による腐
食性の強いHClやSO 2 ガス、Na2 SO4 などの溶
融硫酸塩、さらにNaClやKClなどの溶融塩化物な
どの腐食性生成物を含有する高温の排ガスにさらされ、
かつ前記硫酸塩や塩化物などの一部が表面に堆積する複
雑な状況下においては、十分な高温耐食性を示さず、従
って、この従来のNi−Cr基合金で構成したごみ焼却
排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管は、高温耐食性が不足
し、そのために使用寿命が短かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、より一段と優れた高温耐食性を
有するNi−Cr基合金を開発し、この高温耐食性に優
れたNi−Cr基合金を用いて一層使用寿命の長いごみ
焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管を開発すべく研究を
行なった結果、(イ) 従来の特開平1−132732
号公報記載のNi−Cr基合金に、Mg:0.001〜
0.1%およびB:0.001〜0.1を共に含有せし
めると、熱間加工性が優れると共に高温耐粒界腐食性が
向上したNi−Cr基合金が得られ、このNi−Cr基
合金で構成したごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管
は、従来の特開平1−132732号公報記載のNi−
Cr基合金で構成した伝熱管に比べて高温耐粒界腐食性
が優れているところから、結果として排ガス雰囲気中で
の高温耐食性が一層向上し、伝熱管の寿命が一層伸び
る、(ロ) 希土類元素:0.001〜0.1%、Y:
0.00l〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、
Hf:0.001〜0.5%のうちの1種または2種以
上を含有せしめると、熱間加工性が向上するので好まし
い、(ハ) Mn:0.01〜1.0%、Ca:0.0
01〜0.1%の内の1種または2種を含有すると、N
i−Cr基合金の脱酸が行われるところから耐食性が一
層向上する、などの研究結果が得られたのである。
【0006】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Cr:38〜50%、Moおよ
びWのうちの1種または2種:0.1〜2%、C:0.
001〜0.05%、Mg:0.001〜0.1%、
B:0.001〜0.1を含有し、さらに、必要に応じ
て、(a)希土類元素:0.001〜0.1%、Y:
0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、
Hf:0.001〜0.5%の内の1種または2種以
上、(b)Mn:0.01〜1.0%、Ca:0.00
1〜0.1%の内の1種または2種、以上、(a)およ
び/または(b)を含有し、残りがNiと不可避不純物
からなり、不可避不純物として含まれるSi、Pおよび
SをそれぞれSi:0.1%以下、P:0.03%以
下、S:0.03%以下に制限した組成を有するNi−
Cr基合金で構成した高温耐食性、特に高温粒界腐食性
に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管に特徴
を有するものである。
【0007】この発明の伝熱管を構成するNi−Cr基
合金の成分組成を上記の通りに限定した理由を説明す
る。 (a) Cr Cr成分には、MoおよびWと共存した状態で高温のご
み焼却排ガスに対する高温耐食性および高温耐酸化性を
向上させると共に、高温強度を向上させる作用がある
が、その含有量がCr:38%未満になると前記作用に
所望の効果が得られず、一方、Cr含有量が50%を越
えると脆化し、成形加工時に割れが生じやすくなるとこ
ろから、その含有量を38〜50%、望ましくは43〜
47%に定めた。この組成範囲でCr基のα相の析出は
少ないほど好ましく、Cr基のα相の析出は面積比で1
0%以下にすることにより最大の耐食性と加工性を得る
ことができる。
【0008】(b) MoおよびW これら成分は、共に素地に固溶し、Crと共存した状態
で耐食性を向上させる作用があるが、その含有量が0.
1%未満では前記作用に所望の耐食性向上効果が得られ
ず、一方その含有量が2%を越えると成形加工性が低下
するようになることから、その含有量を0.1〜2%、
望ましくは0.5〜1.5%と定めた。
【0009】(c) C C成分は高温強度を向上させる作用があるが、その含有
量が0.001%未満では所望の高温強度を確保するこ
とができず、一方、C成分の含有量が0.05%を越え
ると、粒界に存在する炭化物の量が増大するようになっ
て、特に高温排ガス中に含有する溶融塩化物による粒界
腐食の進行が促進されるようになることから、その含有
量を0.001〜0.05%と定めた。
【0010】(d) Mg Mg成分には、高温耐粒界腐食性を向上させ、かつ熱間
加工性も向上させる作用があるが、その含有量が0.0
01%未満では所望の効果が得られず、一方その含有量
が0.1%を越えると粒界に金属化合物を生成し、熱間
加工性および高温耐粒界腐食性が低下するようになるこ
とから、その含有量を0.001〜0.1%、望ましく
は0.001〜0.05%と定めた。
【0011】(e) B B成分には高温耐粒界腐食性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.001%未満では所望の効果が得
られず、一方その含有量が0.1%を越える粒界に硼化
合物を生成し、高温耐粒界腐食性を低下するようになる
ことから、その含有量を0.001〜0.1%、望まし
くは0.001〜0.01%と定めた。
【0012】(f) 希土類元素、Y、Zr、Hf これらの成分には、熱間加工性を向上させる作用がある
ので必要に応じて含有させるが、その含有量が、いずれ
かの成分も0.001%未満では所望の熱間加工性向上
効果が得られず、一方、希土類元素、YおよびZrにあ
っては0.1%、Hfにあっては0.5%を越えても熱
間加工性をより一層の向上させる効果が得られないこと
から、その含有量を、希土類元素:0.001〜0.1
%、Y:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜
0.1%、Hf:0.001〜0.5%と定めた。
【0013】(g) Mn、Ca MnおよびCaには脱酸作用があり、MnおよびCa添
加による脱酸によって、Ni−Cr基合金の耐食性を一
層向上させるので必要に応じて添加するが、その含有量
はMn成分で0.01%、Ca成分で0.001%未満
では前記作用に所望の効果が得られず、一方、その含有
量がMn成分で1.0%を越え、Ca成分で0.1%を
超えると、それらの析出相が生成し、熱間加工性および
耐食性が低下することから、その含有量はそれぞれM
n:0.01〜1.0%、Ca:0.001〜0.1%
に定めた。
【0014】(h) 不可避不純物 不可避不純物としてSi、P、S、TiおよびAlを含
有する場合があるが、Si成分の含有量が0.1%を越
えると靭性が低下するようになり、PおよびSがそれぞ
れP:0.03%およびS:0.03%を越えると、粒
界に偏析するようになって熱間加工性を低下させかつ高
温耐粒界腐食性も低下させ、TiおよびAlの含有量が
それぞれ0.4%を越えると熱間加工性が損なわれるよ
うになる。したがって、Si、P、S、TiおよびAl
はそれぞれSi:0.1%以下、P:0.03%以下、
S:0.03%以下、Ti:0.4%以下、Al:0.
4%以下にとどめなければならない。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の伝熱管を実施
例により具体的に説明する。通常の高周波溶解炉を用い
て、表1〜4に示される成分組成をもったNi−Cr基
合金溶湯を調製し、インゴットに鋳造し、このインゴッ
トに1000〜1250℃の範囲内の所定温度で熱間鍛
造を施して直径:65mmの丸棒材とし、ついでこの丸棒
材から直径:60mm×肉厚:5mmの寸法に削り出すこと
により本発明伝熱管1〜35および従来伝熱管1〜5を
それぞれ製造した。
【0016】ついで、この結果得られた各種の伝熱管を
廃熱ボイラに組み込み、この廃熱ボイラを処理能力:2
00ton /日のごみ焼却施設に設置し、前記伝熱管の表
面温度:550℃、排ガス温度:670℃の条件で18
00時間の操業を行ない、操業終了後伝熱管を取り出
し、表面に付着した灰分や生成スケールを除去した状態
で周方向における肉厚を測定して最大減肉量を求めると
共に、表面部の断面ミクロ組織を観察して最大粒界腐食
長さを測定し、これらの結果を表5に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】
【発明の効果】表1〜5に示される結果から、本発明伝
熱管1〜35は、従来伝熱管1〜5に比べて高温のごみ
焼却排ガス雰囲気に従来より長持間さらされても、最大
減肉量が少なくかつ最大粒界腐食長さが格段に短いとこ
ろから、優れた高温耐食性、特に優れた高温耐粒界腐食
性を示すことが分かる。
【0023】上述のように、MgおよびBを微量を添加
したこの発明の伝熱管は、従来よりも一段と優れた高温
耐食性を示すので、ごみ焼却による廃熱を有効に利用す
るための廃熱ボイラの伝熱管の一層の長寿命化が可能と
なり、ごみ焼却による廃熱を有効に利用するための廃熱
ボイラの技術の向上に大いに貢献し得るものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Cr:38〜50%、Moお
    よびWのうちの1種または2種:0.1〜2%、C:
    0.001〜0.05%、Mg:0.001〜0.1
    %、B:0.001〜0.1を含有し、残りがNiと不
    可避不純物からなり、不可避不純物として含まれるS
    i、PおよびSをそれぞれSi:0.1%以下、P:
    0.03%以下、S:0.03%以下に制限した組成を
    有するNi−Cr基合金で構成したことを特徴とする高
    温耐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱
    管。
  2. 【請求項2】 重量%で、Cr:38〜50%、Moお
    よびWのうちの1種または2種:0.1〜2%、C:
    0.001〜0.05%、Mg:0.001〜0.1
    %、B:0.001〜0.1を含有し、 さらに、希土類元素:0.001〜0.1%、Y:0.
    001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%、H
    f:0.001〜0.5%の内の1種または2種以上を
    含有し、残りがNiと不可避不純物からなり、不可避不
    純物として含まれるSi、PおよびSをそれぞれSi:
    0.1%以下、P:0.03%以下、S:0.03%以
    下に制限した組成を有するNi−Cr基合金で構成した
    ことを特徴とする高温耐食性に優れたごみ焼却排ガス利
    用廃熱ボイラの伝熱管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のNi−Cr基合
    金に、さらにMn:0.01〜1.0%、Ca:0.0
    01〜0.1%の内の1種または2種を含有したNi−
    Cr基合金で構成したことを特徴とする高温耐食性に優
    れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管。
JP6080396A 1996-03-18 1996-03-18 高温耐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱管 Pending JPH09256087A (ja)

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Cited By (3)

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