JPH09256000A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のエチレンオキサイド平均付加モル数を
有する第２級アルコールエトコシレートを効果的に用
い、またカチオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤
の配合割合を特定のモル比とすることにより、ウール繊
維に対する浸透性が良好で、かつ綿繊維に対して優れた
柔軟性を付与しながら洗浄を行う。 【解決手段】 （ａ）第２級アルコールのエチレンオキ
サイド付加物からなるノニオン性界面活性剤、（ｂ）ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸
塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステ
ル塩の中から選ばれた少なくとも１種のアニオン性界面
活性剤、（ｃ）カチオン性界面活性剤を含有し、かつ
（ｂ）成分と（ｃ）成分との配合割合がモル比で１：
１．０５ないし１：１．６５の範囲にある液体洗浄剤組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、これを用いて衣類
を洗濯したときに、柔軟化効果を与えるが黄ばみを生じ
させることのない新規な衣料用洗浄剤組成物に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】ウール、絹、アクリル等のセーターやブ
ラウス等のデリケートな繊維素材を対象とした洗浄剤、
いわゆるライト系洗剤においては、製品自体が中性で、
かつ、洗浄と同時に柔軟性を付与することが好ましい。
このような事例として、ノニオン性界面活性剤を主成分
としてアニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性
剤を適宜組み合わせた組成物が特開昭５６−１５２８９
８号公報、特開昭５６ー１５２８９９号公報、特開昭６
１−９７３９６号公報、特開昭６２−７０４９８号公報
等に開示されている。しかしながら、ウールのような比
較的疎水性の繊維に対して優れた洗浄力を得るためには
勝れた浸透性を有することが必要であり、又、浸透性が
不充分であると洗濯液にウールを沈み込ませるためにウ
ールに強い力を加えることとなり、被洗物のちぢみの問
題を生じる原因にもなる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ウール繊維
に対する浸透性が良好で、また綿繊維に対しても優れた
柔軟性付与効果を示す中性液体洗浄剤組成物を提供する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ね、、特定のエチレンオキサイド平均付加モル数を
有するノニオン性界面活性剤を効果的に用い、かつカチ
オン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の配合割合が
特定のモル比とすることにより、かかる課題を解消する
ことを見いだし本発明に至った。すなわち本発明の液体
洗浄剤組成物は、以下の（ａ）、（ｂ）および（ｃ）成
分を含有し、かつ（ｂ）成分と（ｃ）成分との配合割合
がモル比で１：１．０５ないし１：１．６５の範囲にあ
ることを特徴とする。

【０００５】（ａ）第２級アルコールのエチレンオキサ
イド付加物であり、エチレンオキサイドの平均付加モル
数が６〜１２の範囲にあるノニオン性界面活性剤：１０
〜５０重量％。 （ｂ）アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスル
ホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェノールエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸
エステル塩の中から選ばれた少なくとも１種のアニオン
性界面活性剤：０．５〜１０重量％。 （ｃ）カチオン性界面活性剤：０．５〜１０重量％。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明で用いるノニオン性界面活
性剤は、炭素数８〜２０の直鎖または分岐鎖のアルキル
基またはアルケニル基を有し、エチレンオキサイドの平
均付加モル数が６〜１２の範囲にある第２級アルコール
エトキシレートである。このようなノニオン性界面活性
剤は、直鎖または分岐鎖アルキルの第２級アルコール
に、アルコール１モルあたり６〜１２モルの酸化エチレ
ンを付加させて得ることが出来る。本発明組成物に於け
るノニオン性界面活性剤のエチレンオキサイド平均付加
モル数は６〜１２、好ましくは７〜１０の範囲である。
平均付加モル数が６未満では十分な洗浄性能が得られ
ず、又、平均付加モル数が１２を越えると綿繊維に対す
る十分な柔軟性と黄変防止とを両立できず好ましくな
い。本発明組成物に於いて好適なノニオン性界面活性剤
の含有量は１０〜５０重量％、好ましくは１５〜４０重
量％の範囲である。ノニオン界面活性剤の配合量が１０
重量％未満では十分な洗浄性能が得られず、又、５０重
量％を超えると該液体洗剤組成物の粘度が急激に上昇
し、使用面で不具合を生じ好ましくない。

【０００７】本発明で用いるアニオン性界面活性剤の具
体例を以下に示す。 １） 炭素数８〜１６のアルキルベンゼンスルホン酸塩 ２） 炭素数１０〜２０のオレフィンスルホン酸塩 ３） 炭素数１０〜２０のアルカンスルホン酸塩 ４） 炭素数１０〜２０のアルキル基を有する、平均
０．５〜８モルのエチレンオキサイドを付加したポリオ
キシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩 ５） 炭素数１０〜２０のアルキル基を有するα−スル
ホ脂肪酸エステル塩

【０００８】本発明において最も好ましいアニオン性界
面活性剤は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。
本発明において用いられるアニオン性界面活性剤の配合
量は０．５〜１０重量％、好ましくは１〜５重量％の範
囲である。アニオン界面活性剤の量が０．５％重量未満
では、アニオン性界面活性剤に対するカチオン性界面活
性剤量が少なくなり、充分な柔軟性を発揮することはで
きず、又、１０重量％を超えるとすすぎ性が極端に劣化
し好ましくない。本発明で用いるカチオン性界面活性剤
の具体例を以下に示す。下記の化１の一般式（１），
（２），（３）および化２の一般式（４）で示される第
４級アンモニウム塩

【０００９】

【化１】 （Ｒ₁，Ｒ₂，Ｒ₆，Ｒ₇：炭素数６〜２４のアルキル基ま
たはアルケニル基またはβ−ヒドロキシアルキル基、あ
るいはエステル基またはアミド基またはエーテル基で分
断された分断基も含めて炭素数が８〜２５のアルキル基
もしくはアルケニル基 Ｒ₃，Ｒ₄，Ｒ₅ ：炭素数１〜３のアルキル基もしくはヒ
ドロキシアルキル基、ベンジル基又は下記化２の一般式
（４）で示される基

【００１０】

【化２】 ｕ：１〜３の数 ｔ：２または３の数 Ｘ：ハロゲン又は炭素数１〜３のアルキル基を有するモ
ノアルキル硫酸塩基）、下記化３の（５）式で表される
イミダゾリニウム塩、

【００１１】

【化３】 （Ｒ₁₆：炭素数６〜２４のアルキル基またはアルケニル
基またはβ−ヒドロキシアルキル基、あるいはエステル
基またはアミド基またはエーテル基で分断された分断基
も含めて炭素数が８〜２５のアルキル基もしくはアルケ
ニル基 Ｒ₁₇：炭素数１〜３のアルキル基もしくはヒドロキシア
ルキル基、ベンジル基又は下記の化４の一般式（６）ま
たは（７）で示される基

【００１２】

【化４】 Ｘ：ハロゲン又は炭素数１〜３のアルキル基を有するモ
ノアルキル硫酸塩基）

【００１３】本発明において最も好ましいカチオン性界
面活性剤はモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩
である。本発明に於いて用いられるカチオン性界面活性
剤の含有量は洗剤組成物中０．５〜１０重量％、好まし
くは１〜５重量％の範囲である。カチオン性界面活性剤
の含有量が０．５％重量未満では充分な柔軟性を発揮す
ることはできず、また１０重量％を超えると該液体洗剤
組成物の粘度が急激に上昇し、使用面で不具合を生じ好
ましくない。本発明に於いて（ｂ）成分と（ｃ）成分は
モル比で１：１．０５〜１：１．６５、好ましくは１：
１．１〜１：１．５の範囲である。（ｂ）成分に対する
（ｃ）成分のモル比が、１．０５未満では綿繊維に対す
る柔軟性が劣化し、１．６５を越えると被洗物の黄変を
促進して好ましくない。

【００１４】本発明の組成物は、前期必須成分の他に高
級脂肪酸、再汚染防止剤例えばポリエチレングリコー
ル、カルボキシメチルセルロース等や、粘度低下剤例え
ばエタノール、イソプロピレングルコール等の低級アル
コール類、エチレングリコール、プロピレングリコール
等のグリコール類、尿素、ベンゼンスルホン酸塩、トル
エンスルホン酸塩類、キシレンスルホン酸塩、安息香酸
塩など、さらには乳濁剤、例えばポリ酢酸ビニル、酢酸
ビニルスチレン重合体、ポリスチレンなども配合するこ
とができる。又、蛍光染料、香料、色素、酵素なども必
要に応じ配合することができる。本組成物の製造方法は
特に限定されるものではないが、ｐＨを中性に保つため
の中和剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ルカノールアミン等を使用できる。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、特定のエチレンオキサ
イド平均付加モル数を有する第２級アルコールエトコシ
レートを効果的に用い、またカチオン性界面活性剤とア
ニオン性界面活性剤の配合割合を特定のモル比とするこ
とにより、ウール繊維に対する浸透性が良好で、かつ綿
繊維に対して優れた柔軟性を付与しながら洗浄を行うこ
とができる。

【００１６】

【実施例】次に実施例によって、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、洗浄剤組成物の性能は、次の試
験法に従って評価した。

【００１７】（１）柔軟性評価方法 綿繊維に対する柔軟付与性の試験は、約１０リットル容
の小型反転式洗濯機にて、２５℃の水道水５リットルに
組成物１３グラムを溶かし、浴比が５０倍となるように
白色綿タオルを入れ、１０分間洗浄したのち、含水率１
００％となるように脱水し、次いで２５℃の水道水５リ
ットルで２回すすいだのち、陰干しして１２時間乾燥さ
せる。同一の綿タオルにこの洗浄操作を２回繰り返した
後、２５℃、６５％ＲＨ恒温恒湿室に２日放置して、こ
れを試験布として柔軟性および黄ばみ性の評価に用い
た。評価対照として、ノニオン性界面活性剤（ラウリル
アルコール１モル当たり平均１５モルの酸化エチレンを
付加させたアルコールエトキシレート）の２０％水溶液
を組成物として上述の洗浄処理を行い、これを対照布と
した。この対照布を対照にして一対比較を行い、下記基
準による官能評価を行った。評価が少なくとも○である
ことが必要である。 ×：柔らかくない（対照布と同等） △：対照布より少し柔らかい ○：対照布より十分柔らかい ◎：対照布より非常に柔らかい

【００１８】（２）ウール浸透性 ウール繊維に対する浸透性の試験は、「洗剤と洗浄の事
典（朝倉書店）」に記載されるドレーブス（Ｄｒａｖｅ
ｓ）法に準じて行った。ウールニットの縦１０ｃｍ×横
１ｃｍの布片を切り出し、これを試験布とした。５００
ｍｌメスシリンダーにおいて針金アンカー部が底部にく
るような針金製器具を作成し、針金アンカー部と蛇ピン
フック（約０．１ｇ）をナイロン糸（約３ｃｍ）でつな
ぐ。洗浄剤組成物６．７ｇを５００ｍｌの水に溶かし、
この洗剤液を５００ｍｌメスシリンダーに移す。蛇ピン
フックに試験布の一端をかけ、針金アンカー部が底部に
くるように洗剤液の入った５００ｍｌメスシリンダーに
沈め、試験布が液中で浮遊した状態とする。入れたとき
から蛇ピンフックが沈みはじめる瞬間（フックとアンカ
ーの間の糸がゆるんだとき）までの時間をはかる。時間
が短いほど浸透性は良好であり、２０秒以下であること
が必要である。

【００１９】表１および表２に示すような成分組成を有
する液体洗浄剤組成物を調製し、柔軟性付与効果とウー
ル浸透性を評価し、その結果をあわせて表１および表２
に示す。また、表の実施例及び比較例における略記号を
次に示す。なお、ｐは酸化エチレンの平均付加モル数を
示す。

【００２０】ノニオン−１（ｐ＝６）：アルキル基の総
炭素鎖長が１２〜１４の第２級アルコール１モル当たり
平均６モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエト
キシレート ノニオン−２（ｐ＝９）：アルキル基の総炭素鎖長が１
２〜１４の第２級アルコール１モル当たり平均９モルの
酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート ノニオン−３（ｐ＝１２）：アルキル基の総炭素鎖長が
１２〜１４の第２級アルコール１モル当たり平均１２モ
ルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレー
ト ノニオン−４（ｐ＝１５）：アルキル基の総炭素鎖長が
１２〜１４の第２級アルコール１モル当たり平均１５モ
ルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレー
ト（比較例） ノニオン−５（ｐ＝９）：ラウリルアルコール１モル当
たり平均９モルの酸化エチレンを付加させた第１級アル
コールエトキシレート（比較例） ＬＡＳ−Ｎａ：直鎖アルキル（Ｃ₁₂）ベンゼンスルホン
酸ナトリウム（分子量＝３４８） ＡＯＳ−Ｎａ：平均炭素鎖長１４のアルファオレフィン
スルホン酸ナトリウム（分子量＝３００） ＰＳ−Ｎａ：平均炭素鎖長１４のアルキルスルホン酸ナ
トリウム（平均分子量＝３００） ＰＥＳ−Ｎａ：炭素鎖長１０のアルキル基を有する、平
均３モルのエチレンオキサイドを付加したポリオキシエ
チレンアルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム（平
均分子量＝４７０） ＳＦ−Ｎａ：平均炭素鎖長１４のα−スルホ脂肪酸メチ
ルエステルナトリウム（平均分子量＝３４３） カチオン：モノ長鎖アルキル（Ｃ₁₈）トリメチルアンモ
ニウムクロライド（分子量＝３４８）

【００２１】

【表１】 表１：組成および評価結果 実 施 例 比較例 １ ２ ３ ４ ５ ６ １ ２ ３ 組成(重量%) ノニオン-1(p= 6) 20 − − − − − − − − ノニオン-2(p= 9) − 20 20 20 − − − − − ノニオン-3(p=12) − − − − 20 20 − − − ノニオン-4(p=15) − − − − − − 20 20 − ノニオン-5(p= 9) − − − − − − − − 20 ＬＡＳ−Ｎａ 2.2 2.4 2.2 1.7 2.2 3.0 2.5 2.0 1.5 カチオン 2.8 2.6 2.8 2.8 2.8 4.5 2.5 3.0 3.0 水 バランス（ｐＨ調整剤でｐＨ７に調整） EO付加モル数* 6 9 9 9 9 12 15 15 9 カチオン/アニオン比** 1.3 1.1 1.3 1.7 2.0 1.5 1.0 1.5 2.0 評価結果 綿布柔軟性(点) ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ △ ◎ ○ ウール浸透性(秒) 13 15 15 16 17 18 26 25 21 ＊：ノニオン性界面活性剤のエチレンオキサイド平均付加モル数 ＊＊：アニオン性界面活性剤に対するカチオン性界面活性剤のモル比

【００２２】

【表２】 表２：組成および評価結果 実 施 例 ７ ８ ９ 10 組成(重量%) ノニオン-1(p= 6) − − − − ノニオン-2(p= 9) 20 20 20 20 ノニオン-3(p=12) − − − − ノニオン-4(p=15) − − − − ノニオン-5(p= 9) − − − − ＬＡＳ−Ｎａ − − − − ＡＯＳ−Ｎａ 1.9 − − − ＰＳ−Ｎａ − 1.9 − − ＰＥＳ−Ｎａ − − 3.0 − ＳＦ−Ｎａ − − − 2.2 カチオン 2.8 2.8 2.8 2.8 水 バランス(pH調整剤でpH7に調整) EO付加モル数* 9 9 9 9 カチオン/アニオン比** 1.3 1.3 1.3 1.3 評価結果 綿布柔軟性(点) ◎ ○ ○ ◎ ウール浸透性(秒) 15 15 15 16 ＊：ノニオン性界面活性剤のエチレンオキサイド平均付加モル数 ＊＊：アニオン性界面活性剤に対するカチオン性界面活性剤のモル比

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１１Ｄ 1:62）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）第２級アルコールのエチレンオキ
   サイド付加物であり、エチレンオキサイドの平均付加モ
   ル数が６〜１２の範囲にあるノニオン性界面活性剤を１
   ０〜５０重量％、 （ｂ）アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスル
   ホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
   アルキルフェノールエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸
   エステル塩の中から選ばれた少なくとも１種のアニオン
   性界面活性剤を０．５〜１０重量％、 （ｃ）カチオン性界面活性剤を０．５〜１０重量％、含
   有し、かつ（ｂ）成分と（ｃ）成分との配合割合がモル
   比で１：１．０５ないし１：１．６５の範囲にあること
   を特徴とする液体洗浄剤組成物。