JP4467834B2 - 色彩回復方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は褪色した色柄物衣料の色彩を回復させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
色柄物衣料は、洗濯/着用を繰り返すうちに水道水中の塩素や太陽光の影響で色褪せが進行する。これを回復する方法として本出願人らは特開平3−180578号公報にエアゾール繊維濃色化剤を開示している。このような組成物はスプレーすることにより、衣類が机や椅子などの硬質表面と擦れによって生じたテカリをなくし濃色化することを可能とするものである。
【0003】
また、特開昭53−111192号公報、特開昭55−26232号公報には、染色した布帛に対して低屈折率化合物を吸着させ熱処理や湿熱処理等を行うことにより、工業的に布帛を深色化させる方法が開示されている。
【0004】
一方特開平10−96172号公報にはシリコーンを繊維に吸着させる方法が開示されている。また、特表平5−508889号公報にはアミノ変性シリコーンを含有した布帛柔軟剤組成物が開示されている。しかしながらこれらは布のすべり性や撥水性を付与することが目的であり、衣料の色彩を改善するものではない。
【0005】
また、特開昭62−174298号公報には、褪色した衣料の色彩を回復させるためにセルラーゼを含有する水溶液で処理することが記載されているが、その効果は十分でない。
【0006】
本発明の目的は、洗濯の繰り返し等により褪色した衣料の色彩を一般家庭で容易に回復しうる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、25℃における屈折率が1.2〜1.45の水不溶性重合体(以下、(a)成分という)5〜2500ppm(重量基準、以下同様)と水とを含有する媒体(以下、水性媒体という)に、衣料を浴比1/2〜1/500で浸漬させる色柄物衣料の色彩回復方法を提供するものである。ここで、「浴比」とは、該水性媒体に対する衣料の重量比、すなわち、浴比=衣料/水性媒体(重量比)である。また、ここでいう「屈折率」はアッペ屈折計を用いて測定されるものであり、「水不溶性」とは20℃のイオン交換水1Lに溶解する量が1g以下であることをいう。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の(a)成分は25℃における屈折率が1.20〜1.45、好ましくは1.25〜1.45、特に好ましくは1.30〜1.43の水不溶性重合体である。屈折率がこの範囲であると十分な色彩回復効果が得られ、また色彩も適正となる。なお、水に溶解する重合体では、本発明の水不溶性の重合体のような満足できる色彩回復効果を得ることができない。
【0009】
上記性質を満足する重合体としては、含フッ素系重合体及びシリコーン化合物が好ましい。含フッ素系重合体は、トリフルオロエチルアクリレート(又はメタクリレート)、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート(又はメタクリレート)、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、トリフルオロエチルアクリレート(又はメタクリレート)、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンオキシド、ヘキサフルオロプロピレンオキシドから選ばれる単量体の1種以上を重合又は共重合させたものか、又は後述するフロロアルキル基、フロロアルキレン基もしくはフロロアリール基を含む有機基を有する変性シリコーン(以下フッ素変性シリコーンとする)が好ましい。これらは、ポリスチレンを標準とし、ジメチルホルムアミドを展開溶媒とした時のゲル浸透型液体クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量が1000〜1000000、好ましくは1500〜500000のものが色彩回復効果の点から良好である。
【0010】
上記フッ素系重合体は、単量体がエチレン性不飽和化合物の場合は通常のラジカル重合反応で、またアルキレンオキシド化合物の場合は通常の付加反応で、それぞれ得ることができる。ラジカル重合反応方法としては、塊重合、溶液重合あるいは乳化重合などを用いることができる。また、重合開始剤としては2、2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、アゾビスイソブリロニトリル、ジ−t−ブチルパーオキシド、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸、過酸化ラウロイル、過硫酸塩を使用することができる。
【0011】
アルキレンオキシド化合物の付加反応では通常用いられる水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリや3弗化ホウ素などのルイス酸を触媒として容易に反応を行うことができる。
【0012】
本発明では上記含フッ素単量体以外の共重合可能な単量体を含む共重合体であっても差し支えないが、含フッ素単量体/全単量体がモル比で0.5以上、好ましくは0.6以上であることが色彩回復効果の点で好ましい。
【0013】
フッ素変性シリコーンを用いる場合には25℃における粘度が10〜20万mm2/s、好ましくは50〜10万mm2/s、特に好ましくは5百〜8万mm2/sのものが色彩回復効果の点で好ましい。粘度は、例えばウベローデU字型粘度計により測定することができる。
【0014】
本発明では(a)成分としてシリコーン化合物を用いることもできる。シリコーン化合物は、前記特定の屈折率範囲と溶解性の性質を有するオルガノポリシロキサンオイルであり、具体的には、ジメチルポリシロキサンオイル(以下、ジメチルシリコーンとする)又はジメチルシリコーンオイルの側鎖もしくは末端のメチル基の一部がヒドロキシ基になっているオルガノポリシロキサンオイル(以下、ヒドロキシシリコーンとする)の他に、前記ジメチルシリコーン又はヒドロキシシリコーンのメチル基(好ましくは側鎖のメチル基)の一部が“メチル基以外の有機基”になっているオルガノポリシロキサンオイル(以下、変性シリコーンとする)が挙げられる。変性シリコーンはシリコーンハンドブック(伊藤邦雄編集、日刊工業新聞社発行、1990年8月31日、初版1刷)の第6章を中心に例示されている。メチル基以外の有機基としては、アミノ基を含む有機基、アミド基を含む有機基、ポリエーテル基を含む有機基、エポキシ基を含む有機基、カルボキシ基を含む有機基、アルキル基を含む有機基又はハロゲノアルキル基、ハロゲノアルキレン基もしくはハロゲノアリール基を含む有機基の他に、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)鎖を含む有機基が挙げられる。本発明では、好ましくはアミノ基を含む有機基を有する変性シリコーン(以下アミノ変性シリコーン)、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)鎖を含む有機基を有する変性シリコーン又はハロゲノアルキル基、ハロゲノアルキレン基もしくはハロゲノアリール基を含む有機基を有する変性シリコーン(ハロゲノ変性シリコーン)であり、より好ましくはアミノ当量が1500〜40000g/mol、さらには2500〜20000g/mol、特には3000〜10000g/molのアミノ変性シリコーン又はハロゲノ変性シリコーンである。
【0015】
なお、本発明において、水溶性の有機基を有する変性シリコーンを用いる場合は、変性率は20℃でのイオン交換水1L当たりの溶解性が1gを越えないものが選択される。
【0016】
本発明のシリコーン化合物(フッ素変性シリコーンを除く)は、ポリスチレンを標準とし、クロロホルムを展開溶媒とした時のゲル浸透型液体クロマトグラフィーによって求められる重量平均分子量が、1千〜100万のものが好ましく、3千〜50万のものがより好ましく、5千〜25万のものが最も好ましい。また、25℃の粘度が、好ましくは10〜10万mm2/s、より好ましくは500〜5万mm2/s、最も好ましくは1千〜4万mm2/sのものである。粘度は、例えばウベローデU字型粘度計により測定することができる。
【0017】
本発明の(a)成分は水に不溶であるため、水性媒体中で均一に乳化、分散させる目的で界面活性剤(以下、(b)成分という)を配合することが好ましい。(b)成分としては、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤、アミンオキシド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル3級アミンもしくはその塩、ジ長鎖3級アミンもしくはその塩を挙げることができる。
【0018】
(b)成分としては、アルキレンオキシド平均付加モル数2〜100、好ましくは下限が5以上、また上限が50以下のポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)又はアルケニル(炭素数8〜20)エーテル(以下、(b1)成分という)、並びに分子中に4級アンモニウム基及び3級アミノ基の少なくとも1つと、炭素数8〜36の炭化水素基の少なくとも1つとを有する界面活性剤(以下、(b2)成分という)が好ましく、特に(b2)成分は色彩回復効果を著しく向上させるため最も好ましい。
【0019】
(b1)成分としては一般式(1)の非イオン界面活性剤が好ましい。
1−O−(R2O)p−H (1)
〔式中、R1は、炭素数8〜22、好ましくは10〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。また、pは2〜100、好ましくは5〜80、特に好ましくは5〜60の数を示す。〕
一般式(1)の化合物の具体例としては以下の化合物を挙げることができる。
3−O−(C24O)r−H
〔式中、R3は炭素数10〜18のアルキル基であり、rは2〜60、好ましくは5〜40の数である。〕
3−O−(C24O)s(C36O)t−H
〔式中、R3は上記と同じであり、s及びtは、それぞれ独立に2〜40、好ましくは2〜40の数であり、sとtの合計は5〜60の数である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダム付加でもブロック付加でもよい。〕。
【0020】
また、(b2)成分としては、下記一般式(2)の化合物、一般式(3)の化合物、一般式(4)の化合物が好ましい。
【0021】
【化1】
Figure 0004467834
【0022】
〔式中、R4は炭素数10〜20、好ましくは10〜18、特に好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R6、R7は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR4−(X−R5)n−である。また、R8は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Xは−COO−、−OCO−、−CONR9−、−NR9CO−から選ばれる基であり、R5は炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。R9は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。nは1又は0の数であり、Y-は無機又は有機の陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、特に好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオンである。〕
【0023】
【化2】
Figure 0004467834
【0024】
〔式中、R10は炭素数10〜20、好ましくは10〜18、特に好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R12、R13は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、もしくはR10−(X−R11)m−である。Xは−COO−、−OCO−、−CONR9−、−NR9CO−から選ばれる基であり、R11は炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。mは1又は0の数である。R9は前述と同一の意味である。〕
【0025】
【化3】
Figure 0004467834
【0026】
〔式中、R14、R15、R18、R21、R22は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR23−(W−R24)l−であり、R14、R15、R18、R21、R22のうち、少なくとも1つはR23−(W−R24)l−である。ここでR23は炭素数10〜36のアルキル基であり、R24は炭素数1〜5のアルキレン基である。Wは−COO−、−OCO−、−CONR25−、−NR25CO−、−O−であり、各N原子に結合しているR23−(W−R24)l−間のW及びR24は同一又は異なっていてもよい。また、R25は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。R16、R17、R19、R20は炭素数1〜5のアルキレン基であり、l、mは0、1又は2の数である。Y、Zは−COO−、−OCO−、−CONR26−、−NR26CO−、−O−、−CH(OR27)−から選ばれる基であり、これらは同一あるいは異なっていてもよい。R26、R27は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基あるいはヒドロキシアルキル基である。kは平均0〜10の数である。〕
本発明においては、水性媒体中の(a)成分/(b)成分の重量比は、1/2〜100/1、特に1/1〜100/1であることが、色彩回復効果の点で好ましい。また、本発明では色彩回復効果を高める上で(a)成分と(b2)成分の重量比は、(a)/(b2)=3/1〜100/1、特に5/1〜50/1であることが望ましい。更に、本発明では、(b1)成分と(b2)成分とを併用することが色彩回復効果の点で好ましく、その場合、両者の重量比は、(b1)/(b2)=1/10〜10/1、特に1/5〜10/1が良好である。
【0027】
(b)成分により(a)成分は乳化されるが、その粒子径は0.01〜5μm、更に0.02〜4μm、特に0.02〜3μmが好ましい。
【0028】
本発明では、上記(a)、更には(b)成分を水に溶解又は分散させた水性媒体に、衣料を浸漬させる。該水性媒体中の(a)成分の濃度は5〜2500ppmであり、下限の好ましくは20ppm以上、より好ましくは30ppm以上、最も好ましくは50ppm以上であり、上限の好ましくは800ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。また、該水性媒体中の(b)成分の濃度は、1〜500ppm、更に2〜500ppm、特に5〜300ppmが好ましい。また、(b)成分として(b2)成分を使用する場合は、該水性媒体中の(b2)成分の濃度は、1〜500ppmが好ましく、より好ましい下限は2ppm以上、特に5ppm以上であり、より好ましい上限は300ppm以下、特に100ppm以下であることが、より効果的に色彩回復効果を得るために望ましい。
【0029】
さらに、本発明に用いられる水性媒体の20℃におけるpHは5〜11、更に6〜10.5、特に6〜9.5が色彩回復効果の面から好ましい。
【0030】
本発明に用いられる上記水性媒体は、(a)成分及び(b)成分以外に市販の弱アルカリ性洗剤や柔軟剤あるいは糊剤等の洗浄剤や繊維処理剤を含有していても差し支えないが、効果的に色彩回復効果を得るためには、これら洗浄剤あるいは繊維処理剤の濃度を900ppm以下、好ましくは700ppm以下、特に好ましくは500ppm以下にすることが望ましい。なお、これら洗浄剤あるいは処理剤中の(b)成分も含めて全(b)成分の濃度が本発明の濃度範囲に入るように調製しなければならない。
【0031】
本発明では浴比1/2〜1/500の割合で褪色した衣料を水性媒体に浸漬させる。この浴比において、衣料1に対する水性媒体の量は、好ましくは下限が5以上、特に10以上であり、上限が好ましくは200以下、より好ましくは100以下、特に好ましくは30以下である。ここで浸漬とは衣料が完全に浸される状態を示し、静置した水性媒体に浸してもよく攪拌しながら浸しても差し支えない。浸漬する時間は1〜180分、好ましくは5〜120分、特に好ましくは5〜30分である。また、水性媒体の温度は5〜50℃、更に10〜40℃が好ましい。浸漬後は脱水し、自然乾燥あるいは自動乾燥機を用いても差し支えない。また、乾燥後のアイロン処理を行っても差し支えない。
【0032】
【実施例】
下記(a−1)〜(e−1)成分を用いて表1の水性媒体を調製した。
(a−1):アミノ変性シリコーン(屈折率1.41、粘度50mm2/s、アミノ当量2100g/mol、東芝シリコーン社製TSF4706)
(a−2):フッ素変性シリコーン(屈折率1.38、粘度10000mm2/s、東芝シリコーン社製FQF501)
(a’−1):アルキル・アラルキル変性シリコーン(屈折率1.47、ジーイー東芝シリコーン社製TSF4428、粘度1000mm2/s)
(b1−1):ラウリルアルコールにエチレンオキシド3モル、プロピレンオキシド3モル、エチレンオキシド2モルをこの順にブロック状に付加したもの
(b2−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド
(b2−2):ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロリド
(c−1):エチレングリコール
(d−1):弱アルカリ性洗剤、平均粒径500μm(粒径125μm以下の粒子及び粒径1000μm以上の粒子を除去したもの)、見かけ嵩密度700g/cm3。組成は、直鎖アルキル(炭素数12と13の混合)ベンゼンスルホン酸ナトリウム22重量%、ラウリル硫酸エステルナトリウム5重量%、ミリスチン酸ナトリウム4重量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキシド平均付加モル数8)5重量%、1号ケイ酸ナトリウム8重量%、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量1万)5重量%、A型ゼオライト15重量%、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)15重量%、炭酸カリウム3重量%、プロテアーゼ(ノボノルディスク社製のサビナーゼ12.0T type−W)0.5重量%、セルラーゼ(花王株式会社製のKAC500)0.5重量%、無水硫酸ナトリウム17重量%(重量%は、揮発分7重量%を除いた洗剤中のもの)である。
【0033】
<褪色衣料の調製>
市販の黒色の木綿ポロシャツ2枚を、上記(d−1)の弱アルカリ性洗剤を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0667重量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間洗浄、1分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行った)。この操作を5回繰り返した衣料は初期の色合が失われ全体的に白っぽくなっていた。これを褪色衣料として用いた。
【0034】
<方法1>
表1の組成の水性媒体〔(d−1)成分なし〕5Lに、上記褪色衣料1枚を浸漬させた(水道水使用、水温21℃、30分)。洗濯機脱水槽で2分間脱水し、室内で12時間乾燥させた。このときの浴比は1/10である。この衣料と未処理の褪色衣料(対照)とを10人のパネラー(30代男性)により蛍光燈下で比較し、下記の基準で判定した。
【0035】
<方法2>
表1の組成の水性媒体〔(d−1)成分あり〕30Lに、上記褪色衣料を洗濯機(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、水道水使用、水温20℃、pH10.3)で10分間攪拌洗浄した。このときの浴比は1/20である。処理液を排出後、衣料を1分間脱水し、5分間の注水すすぎを行い、脱水、自然乾燥させた。この操作を5回行った衣料と未処理の褪色衣料(対照)とを10人のパネラー(30代男性)により蛍光燈下で比較し、下記の基準で判定した。
【0036】
<方法3>
洗濯機(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、水道水使用、水温20℃)の洗濯槽で調製した表1の水性媒体〔(d−1)なし〕30Lに、上記褪色衣料を入れて10分間強攪拌洗浄した。このときの浴比は1/100である。処理液を排出後、衣料を洗濯機脱水槽で3分間脱水し、室内で12時間乾燥させた。この衣料と未処理の褪色衣料(対照)とを10人のパネラー(30代男性)により蛍光燈下で比較し、下記の基準で判定した。
【0037】
<評価基準>
0;新品衣料に近い色合
1:対照より色が鮮やかに見える
2:対照と同等である
3:対照より色が褪せて見える。
【0038】
平均点が0.8未満を○、0.8以上〜1.2未満を□、1.2以上〜1.5未満を△、1.5以上を×として表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004467834
【0040】
(注)pHは、0.1N塩酸水溶液又は0.1N水酸化ナトリウム水溶液で調整した。また、(a−1)、(a−2)、(a’−1)成分は、何れも平均粒径0.25μmの粒子として分散している。また、比較品1は、便宜的に(a’−1)との重量比を(a)/(b)として示した。

Claims (7)

  1. (a)25℃における屈折率が1.2〜1.45の水不溶性重合体〔以下、(a)成分という〕5〜2500ppmと水とを含有する媒体に、衣料を浴比1/2〜1/500で浸漬させる色柄物衣料の色彩回復方法であって、
    (a)成分が、フロロアルキル基、フロロアルキレン基もしくはフロロアリール基を含む有機基を有する変性シリコーン(以下、フッ素変性シリコーンという)、及びアミノ基を含む有機基を有する変性シリコーン(以下、アミノ変性シリコーンという)から選ばれる、25℃における屈折率が1.2〜1.45の水不溶性重合体である、
    色彩回復方法。
  2. 前記媒体が、(b)界面活性剤〔以下、(b)成分という〕1〜500ppmを含有する請求項1記載の色彩回復方法。
  3. (b)成分が、(b )アルキレンオキシド平均付加モル数2〜100のポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)又はアルケニル(炭素数8〜20)エーテル、及び(b 分子中に4級アンモニウム基及び3級アミノ基の少なくとも1つと、炭素数8〜36の炭化水素基の少なくとも1つとを有する界面活性剤から選ばれる界面活性剤である請求項2記載の色彩回復方法。
  4. 前記媒体が、(a)成分(b)成分とを、(a)成分/(b)成分=1/2〜100/1の重量比で含有する請求項2又は3記載の色彩回復方法。
  5. 前記媒体が、(b )成分と(b )成分とを含有し、(b )成分/(b )成分の重量比が1/10〜10/1である、請求項3又は4記載の色彩回復方法。
  6. フッ素変性シリコーンが、25℃での粘度が10〜10万mm /sの水不溶性フッ素変性シリコーンである、請求項1〜5の何れか1項記載の色彩回復方法。
  7. アミノ変性シリコーンが、アミノ当量1500〜10000g/mol、且つ25℃での粘度が10〜10万mm /sの水不溶性アミノ変性シリコーンである、請求項1〜6の何れか1項記載の色彩回復方法。
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