JPH09255943A - 蓄冷剤 - Google Patents
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- JPH09255943A JPH09255943A JP8297318A JP29731896A JPH09255943A JP H09255943 A JPH09255943 A JP H09255943A JP 8297318 A JP8297318 A JP 8297318A JP 29731896 A JP29731896 A JP 29731896A JP H09255943 A JPH09255943 A JP H09255943A
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Abstract
却するまでに要する時間を短縮する。 【解決手段】 ブタンジオールおよびポリエチレングリ
コールに、必要により水を混合して蓄冷剤とする。
Description
よびポリエチレングリコールを含有する蓄冷剤に関す
る。本発明の蓄冷剤は保冷剤や冷却剤、或いは冷媒等と
して用いられる。
れている。例えば水に寒天とポリアクリル系合成ポリマ
ーを混合した蓄冷剤(特公平5−30878号公報参
照)、可塑剤を混合してゲル化させた塩化ビニル樹脂お
よび表面被覆した含水ハイドロゲルを含有する蓄冷剤
(特公平5−45636号公報参照)等が挙げられる。
を有する蓄冷剤が得られる。しかるに従来の蓄冷剤は、
前記例示のものを含め、蓄冷剤を冷却するまでに長時間
を要している。また、従来の蓄冷剤は、一般にゲル状の
ものがほとんどであり、0°Cより可成り低い温度(例
えば−35°C前後ないしそれ以下)に冷却しても氷結
固化しない蓄冷剤は未だ開発されていなかった。
実情に鑑みてなされたもので、本願の1つの発明は、蓄
冷剤を冷却するまでに要する時間を短縮できる蓄冷剤を
提供することを目的とするものである。本願の他の1つ
の発明は、前記の目的に加え、0°Cより可成り低いマ
イナス温度に冷却しても氷結固化しないで流動性を保持
し得る蓄冷剤を提供することを目的とするものである。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
蓄冷剤として提供される。この蓄冷剤はブタンジオール
およびポリエチレングリコールを含有することを特徴と
するものである。
量により異なり、通常は分子量が1000以下のものは
液体状ないし粘ちょう液状、1000以上のものは固体
状(硬いワックス状、フレーク状、フレーク粉末状等)
を呈しているが、これらのポリエチレングリコールは、
いずれも水に溶ける性質を有している。本発明にあって
は、分子量190〜60,000程度の範囲のものが使
用でき、一般的には200〜50,000、好ましくは
500〜30,000の範囲のものが例示できる。
としては、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール等が例示することができ、これらのなかでも1,4
−ブタンジオール及び1,2−ブタンジオールが特に好
ましい。これらのブタンジオールはいずれも水に溶け
る。
オールとポリエチレングリコールとを混合することによ
って調整される。具体的な調整方法としては、所定量の
ブタンジオールおよびポリエチレングリコールを容器に
入れて撹拌混合して蓄冷剤を得る。なお、前記調整を加
熱しながら行うと、ブタンジオールとポリエチレングリ
コールの混合溶解が効率良く行える。
ンジオールとポリエチレングリコールとの配合比率は特
に限定されるものではないが、一般的にはブタンジオー
ルに対しポリエチレングリコールを2〜15重量%(内
割)程度、好ましくは2〜10重量%(内割)の範囲が
最適である。ブタンジオールとポリエチレングリコール
との配合比率が前記範囲よりはずれると、蓄冷時間(物
を冷やす能力時間)が短くなったり、保冷能力が不安定
になるおそれがある。
に特性をそれぞれ異にするが、これらのブタンジオール
は、いずれのものにあっても、前記のようにポリエチレ
ングリコールを混合することにより、これらの混合組成
物は冷却するまでに要する時間を従来の蓄冷剤と比べ短
縮でき、かつ、優れた蓄冷効果を発揮する蓄冷剤とな
る。これらの蓄冷剤は経口マウス毒性試験の結果、毒性
は少なく比較的安全であり、食料品その他の各種物体の
冷却剤や保冷剤等として利用するのに適している。特に
前記蓄冷剤のうち、1,2−ブタンジオールとポリエチ
レングリコールとを混合した組成物は−70°Cの低温
になるまで冷却しても氷結しないで液体を保持するの
で、この蓄冷剤は各種物体の冷却剤や保冷剤として利用
できる外、例えば循環式のパイプラインに使用する冷却
媒体(液)として利用するのに適している。
なブタンジオールのなかから、任意の種類のものを選択
し、この選択した単種類のブタンジオールとポリエチレ
ングリコールとを混合して得られるが、これ以外の調整
方法として、任意の複数種類のブタンジオールを選択
し、この選択した複数種類のブタンジオール同士を配合
し、この配合ブタンジオールとポリエチレングリコール
とを混合して蓄冷剤とする場合も含まれる。この配合ブ
タンジオールとポリエチレングリコールからなる組成物
は、ブタンジオールの種類ごとの特性を活用し得る蓄冷
剤として提供できる。なお、複数種類のブタンジオール
を配合して使用する場合の蓄冷剤の調整方法として、前
記のように選択したブタンジオール(例えば、1,4−
ブタンジオール)とポリエチレングリコールとを混合し
て1つの組成物とし、また、他の選択したブタンジオー
ル(例えば、1,2−ブタンジオール)とポリエチレン
グリコールとを混合して他の組成物とし、これらの両組
成物を混合して蓄冷剤とする方法もある。
に、ブタンジオールとポリエチレングリコールとを混合
して得られる外に、この混合組成物(蓄冷剤)を一定割
合の水道水,地下水その他の水と混合して得られる。前
記組成物(蓄冷剤)と水との混合割合は、前記組成物に
使用したブタンジオールおよびポリエチレングリコール
の種類あるいは配合比率等によって異なるが、一般的に
は前記組成物に対し水を1〜99重量%(内割)、好ま
しくは5〜98重量%(内割)の範囲が最適である。こ
の場合、水の混合割合を前記範囲より小にすると水を混
合した意義がほとんど無くなり、また、逆に水の混合割
合を前記範囲より大にすると前記組成物の特性が損なわ
れることになる。この水混合の蓄冷剤によると、生産コ
ストが低く、かつ、水の混合割合により、それぞれの特
性を有する蓄冷剤が得られる。
的に説明する。なお、下記の実施例は、その一部を例示
したものであって、本発明を限定するものでないこと勿
論のことである。
た湯せん中で、ビーカーに1,4−ブタンジオール(三
菱化学株式会社製商品名14BG)973gとポリエチ
レングリコール(和光純薬工業株式会社製商品名ポリエ
チレングリコール20000)27gとを入れて充分に
撹拌し均一な組成物を得た。この組成物を容器に入れ放
冷すると白濁状の蓄冷剤が得られる。
すと図1のとおりである。同図のグラフは本発明の前記
蓄冷剤及び従来の蓄冷剤を冷凍庫内に入れて冷却(庫内
平均温度−19.7°C)し、両者の冷却される状態を
対比して示すものである。なお、ここに対比して示す従
来の蓄冷剤は、前記従来の技術の項で例示した従来の蓄
冷剤ではない。
氷結晶生成帯を通過するのに長時間を要するのに対し、
本発明の蓄冷剤は、ほゞ直線的に通過し、短時間で高い
蓄冷効果を示す。
凝固し、以下温度低下に比例して固化することが判明し
た。この蓄冷剤は各種物品の冷却剤や保冷剤に使用して
好適である。
gと水165gとを混合して蓄冷剤を得た。
gと水180gとを混合して蓄冷剤を得た。
gと水190gとを混合して蓄冷剤を得た。
て、その冷却される状態を実施例1と同じ条件下で実験
した結果、従来の蓄冷剤に比べ冷却するまでに要する時
間を大巾に短縮できることが判明した。また、実施例2
〜4の各蓄冷剤は−2°Cで凍結固化することが判明し
た。これらの蓄冷剤は実施例1のものと同様に各種物品
の冷却剤や保冷剤として使用するのに好適である。
り寸法横22cm×縦60cm×奥行18cm)に18
0ml入り牛乳瓶2本を入れ、温度電子計測器のセンサ
ー部をそれぞれ牛乳の中に挿入し測定計器を密閉式発泡
スチロール箱の外に設置した。前記密閉式発泡スチロー
ル箱内の側壁面に実施例4で得られた蓄冷剤200ml
を容器に入れたものをそれぞれ別の部所に2個入れた。
その時の時間の経過と牛乳の温度を示すと図2の通りで
ある。なお、この図に示す従来の蓄冷剤として図1と同
じ蓄冷剤を使用し、この従来の蓄冷剤についても本発明
と同じ条件下で実験した結果を同図に対比して示してあ
る。この図2のグラフで明らかなとおり、実施例4の蓄
冷剤は蓄冷持続時間が長く、かつ、優れた冷却効果を発
揮することが容易に理解できる。なお、実施例1〜3に
より得られた蓄冷剤についても同4の蓄冷剤と同様の結
果が得られた。
た湯せん中で、ビーカーに1,2−ブタンジオール(三
菱化学株式会社製商品名12BG)970gとポリエチ
レングリコール(和光純薬株式会社製商品名ポリエチレ
ングリコール20000)30gとを入れて撹拌し均一
な組成物を得た。この組成物を容器に入れ放冷すると白
濁状の蓄冷剤が得られる。
すと図3および図4のとおりである。図3のグラフは実
施例5による蓄冷剤を冷凍庫内に入れて冷却(庫内平均
温度−26.6°C)し、時間の経過と蓄冷剤の温度が
変化(低下)する状態を示したものである。また、図4
のグラフは冷却した前記蓄冷剤を冷凍庫から取り出して
室内(室内平均温度22.9°C)で自然放置し、時間
の経過と蓄冷剤の温度が変化(上昇)する状態を実施例
1で得られた蓄冷剤と対比して示したものである。
施例5の蓄冷剤は、短時間で高い蓄冷効果を発揮し、蓄
冷剤を冷却するまでに要する時間が図1のグラフ(実施
例1の蓄冷剤)より、さらに短縮されることが容易に判
る。なお、蓄冷持続時間については実施例1の蓄冷剤の
方が優れている。
るまで冷却しても凍結しないで液体のまま保持されるこ
とが判明し、この蓄冷剤は冷却剤や保冷剤として利用で
きる外、例えば循環式のパイプラインに使用する冷却媒
体(液体)として利用するのに適している。
を混合して蓄冷剤とするものである。即ち、実施例5の
組成物100gを1とし、この組成物に対し、水を1:
1から1:10まで単位毎に分けて混合し、下記の表1
の10種類の蓄冷剤A,B……Jを得た。
B……Jの蓄冷効果を示すと次の表2,表3のとおりで
ある。これら表2および表3は、東京都工業技術センタ
ーに於いて、実施例6による前記各蓄冷剤を冷凍庫(タ
バイエスペック株式会社製の恒温槽,商品名PSL−2
F)に入れて冷却(庫内設定温度−25°C)し、時間
の経過と蓄冷剤の温度が変化(低下)する状態、及び蓄
冷剤が凍結するかしないかの検査、並びに冷却した前記
各蓄冷剤を冷凍庫から取り出して室内で自然放置し、時
間の経過と蓄冷剤の温度が変化(上昇)する状態を対比
して示す実験データである。なお、表中、「°」は時
間、「’」は分を示す。
は、組成物に対する水の混合比率が多くなるのに比例し
て冷却温度の時間、及び自然放置による温度上昇の時間
が遅くなるが、いずれの蓄冷剤A……Jにあっても、短
時間で冷却(開始後、2時間25分で−20°C以下)
され、優れた蓄冷効果を有することが理解される。ま
た、前記蓄冷剤中、蓄冷剤A以外の蓄冷剤B……Jは−
25°C程度の低温になると凍結することが判明した。
したがって、これらの蓄冷剤B……Jは循環式の冷却媒
体ではなく、冷却剤や保冷剤としての利用に適してい
る。
を混合して蓄冷剤とする他の実施例である。即ち、実施
例5の組成物100gを1とし、この組成物に対し、水
を1:1から1:1/10まで単位毎に分けて混合し、
下記の表4の10種類の蓄冷剤K,L……Tを得た。
K,L……Tの蓄冷効果を示すと次の表5,表6のとお
りである。これら表5および表6は、東京都工業技術セ
ンターに於いて、実施例7による前記各蓄冷剤を冷凍庫
(タバイエペック株式会社製の恒温槽,商品名PSL−
2F)に入れて冷却(庫内設定温度−70°C)し、時
間の経過と蓄冷剤の温度が変化(低下)する状態、及び
蓄冷剤が凍結するかしないかの検査、並びに冷却した前
記各蓄冷剤を冷凍庫から取り出して室内で自然放置し、
時間の経過と蓄冷剤の温度が変化(上昇)する状態を対
比して示す実験データである。なお、表中、「°」は時
間、「’」は分を示す。
は、組成物に対する水の混合比率が小になるのに比例し
て冷却温度の時間、及び自然放置による温度上昇の時間
が早くなるが、いずれの蓄冷剤K……Tにあっても、短
時間で冷却(開始後、1時間で−60°C以下)され、
優れた蓄冷効果を有することが容易に理解できる。前記
蓄冷剤中、蓄冷剤Kは−60°C程度の低温になると凍
結するが、その他の蓄冷剤L……Tは−70°Cの低温
になっても凍結しないで液体のまま保持されることが判
明した。これら各蓄冷剤は冷却剤や保冷剤として利用で
きる外、例えば循環式のパイプラインに使用する冷却媒
体(液体)として利用するのに適している。なお、実施
例5で得られた組成物は白濁状の液体であるが、この組
成物に対して水を10重量%(内割)程度又はそれ以上
混合すると無色透明の液体になる。
た湯せん中で、ビーカーに1,4−ブタンジオール(実
施例1と同じ商品)485gと1,2−ブタンジオール
(実施例5と同じ商品)485gおよびポリエチレング
リコール(実施例1と同じ商品)30gとを入れて撹拌
し均一な組成物を得た。この組成物を容器に入れて放冷
すると白濁状の蓄冷剤が得られる。
タンジオールの有する特性と1,2−ブタンジオールの
有する特性を合わせ持つ蓄冷剤となり、冷却剤や保冷剤
として好適である。
6および実施例7と同様の割合で水を混合して蓄冷剤を
得た。これらの各蓄冷剤は実施例8と同様に1,4−ブ
タンジオールと1,2−ブタンジオールのそれぞれが有
する特性と、これと水との混合による相乗効果により、
優れた蓄冷効果を発揮し、各種の物品の冷却剤や保冷剤
として使用するのに適している。
果を示すと共に保冷効果にも優れている。
剤の蓄冷効果を対比して示すグラフ。
冷剤の保冷効果を対比して示すグラフ。
を示すグラフ。
例の蓄冷剤の保冷効果を対比して示すグラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 ブタンジオールおよびポリエチレングリ
コールを含有することを特徴とする蓄冷剤。 - 【請求項2】 ブタンジオール、ポリエチレングリコー
ルおよび水を含有することを特徴とする蓄冷剤。 - 【請求項3】 ブタンジオールおよびポリエチレングリ
コールの混合物に対し、水を1〜99重量%(内割)添
加したことを特徴とする請求項2記載の蓄冷剤。 - 【請求項4】 ブタンジオールに対しポリエチレングリ
コールを2〜10重量%(内割)添加したことを特徴と
する請求項1,2又は3記載の蓄冷剤。 - 【請求項5】 ブタンジオールが1,4−ブタンジオー
ルであることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載
の蓄冷剤。 - 【請求項6】 ブタンジオールが1,2−ブタンジオー
ルであることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載
の蓄冷剤。 - 【請求項7】 ブタンジオールは、1,2−ブタンジオ
ールと1,4−ブタンジオールとが配合されていること
を特徴とする請求項1,2,3又は4記載の蓄冷剤。 - 【請求項8】 ポリエチレングリコールの分子量が19
0〜60,000であることを特徴とする請求項1,
2,3,4,5,6又は7記載の蓄冷剤。
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