JPH09255629A - 芳香族炭酸エステルの製造方法 - Google Patents

芳香族炭酸エステルの製造方法

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JPH09255629A
JPH09255629A JP8070457A JP7045796A JPH09255629A JP H09255629 A JPH09255629 A JP H09255629A JP 8070457 A JP8070457 A JP 8070457A JP 7045796 A JP7045796 A JP 7045796A JP H09255629 A JPH09255629 A JP H09255629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生物の量を低減化し、芳香族炭素エステル
を効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素及
び酸素を反応させて芳香族炭酸エステルを製造する方法
において、該反応を芳香族ニトロ化合物の存在下に行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族炭酸エステ
ルの製造方法に関する。さらに詳しくは、不純物の生成
が少なく、選択性に優れた芳香族炭酸エステルの製造方
法に関するものである。芳香族炭酸エステルは有機合成
原料として有用な化合物であり、特に炭酸ジフェニルは
ポリカーボネート等の原料として特に注目されているも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族炭酸エステルの製造方法と
しては、芳香族ヒドロキシ化合物とホスゲンを反応させ
る方法が用いられてきた。しかし、ホスゲンは毒性が強
いため、製造方法の転換が望まれている。そこで、ホス
ゲンを用いない方法として、芳香族ヒドロキシ化合物と
一酸化炭素及び酸素とから芳香族炭酸エステルを製造す
る方法が提案されている。
【0003】この方法における触媒として、特公昭56ー3
8144号公報には、パラジウム化合物と周期律表のIII
A、IVA、VA、VIA、IB、IIB、VIBまたはVIIB族
の金属を含む化合物及び塩基を用いる方法;特公昭56-3
8145号公報には、パラジウム化合物、マンガン錯体また
はコバルト錯体、塩基及び乾燥剤を用いる方法;特開平
1-165551号公報には、パラジウム化合物、ヨウ素及びゼ
オライト類を用いる方法;特開平2-104564号公報には、
パラジウム化合物、二価または三価のマンガン化合物、
テトラアルキルアンモニウムハライド及びキノン類を用
いる方法;特開平2-142754号公報には、パラジウム化合
物、二価または三価のコバルト化合物、テトラアルキル
アンモニウムハライド及びキノン類を用いる方法;特開
平5-25095号公報には、パラジウムまたはパラジウム化
合物、コバルト化合物ハロゲン化物および塩基性化合物
を用いる方法;特開平5-39247号公報には、パラジウム
化合物、銅化合物、キノン類及びハロゲン化オニウムを
用いる方法;特開平5-58961号公報には、パラジウム及
びパラジウム化合物の一種以上、コバルト化合物及びア
ルカリ金属ハロゲン化物を用いる方法;特開平5-97775
号公報には、パラジウム、四級アンモニウム塩、コバル
ト、鉄、セリウム、マンガン、モリブデン、サマリウ
ム、バナジウム、クロム及び銅から選ばれた1つの金属
助触媒、及び芳香族ケトン、脂肪族ケトン、芳香族多環
式炭化水素から選ばれた有機助触媒とからなる触媒を用
いる方法;特開平6-9505号公報には、パラジウム化合
物、セリウム化合物、四級アンモニウム塩を用いる方
法;特開平6-41020号公報には、パラジウム化合物、マン
ガン、コバルト、銅から選ばれた金属助触媒及びニトリ
ル化合物を用いる方法;特開平6-172268号公報には、パ
ラジウム化合物、コバルトの5配位錯体、四級オニウム
塩を用いる方法;特開平6-172269号公報には、パラジウ
ム化合物、コバルト、マンガン、銅から選ばれた無機助
触媒、四級オニウム塩、テルピリジンなどの有機共触媒
を用いる方法;特開平6-211750号公報には、パラジウム
化合物、一価または二価の銅化合物、ハロゲン化アンモ
ニウム化合物を用いる方法;特開平7-188116号公報に
は、貴金属触媒を一酸化炭素で活性化してから触媒とし
て用いる方法;特開平7-247243号公報には、反応で生成
する水の留去を行いながら反応を行う方法;ヨーロッパ
公開特許第0663388号公報には、パラジウム化合物、鉛
化合物、四級アンモニウムまたは四級ホスホニウムハロ
ゲン化物を用いる方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
各種触媒を使用する方法では、反応活性は向上するが、
酸化剤の存在下で芳香族ヒドロキシ化合物を反応させる
ため、その結果、副生物として、芳香族ヒドロキシ化合
物の酸化的カップリング生成物であるポリ(オキシアリ
ーレン)類の生成が避けられず、芳香族ヒドロキシ化合
物を基準とした芳香族炭素エステルの選択率は一般に低
い。また、このうち2量体は、芳香族炭素エステルとの
蒸留等による分離が極めて困難な化合物である。本発明
の目的は、このような酸化的カップリング化合物の副生
量を低減化し、芳香族炭素エステルを効率的に製造する
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
のために鋭意検討した結果、芳香族ニトロ化合物の存在
下に反応を行うことにより、目的とする芳香族炭素エス
テルの選択率が向上することを見いだし、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明は、芳香族ヒドロキシ化合
物と一酸化炭素及び酸素を反応させて芳香族炭酸エステ
ルを製造する方法において、該反応を芳香族ニトロ化合
物の存在下に行うことを特徴とする芳香族炭酸エステル
の製造方法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
1.反応原料 (1)芳香族ヒドロキシ化合物 本発明の方法に用いられる芳香族ヒドロキシ化合物は、
芳香族モノまたはポリヒドロキシ化合物であり、例えば
フェノール;クレゾール、キシレノール、トリメチルフ
ェノール、テトラメチルフェノール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノール、メトキシフェノール、エトキ
シフェノール、クロロフェノール、ジクロロフェノー
ル、ブロモフェノール、ジブロモフェノールなどの置換
フェノール類及びそれらの異性体;ナフトール、メチル
ナフトール、エチルナフトール、クロロナフトール、ブ
ロモナフトールなどの置換ナフトール類及びそれらの異
性体;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンなどの各種ビスフェノール類;各種ビフェノール類;
各種ヘテロ芳香族ヒドロキシ化合物及びそれらの異性
体、さらにそれらのアルキル、ハロゲンなどによる置換
体などである。これらの中でフェノールが特に好まし
い。
【0007】(2)一酸化炭素 本発明の方法に用いられる一酸化炭素は、高純度のもの
はもとより、窒素、アルゴン、二酸化炭素、水素など反
応に悪影響をおよぼさない他のガスで希釈されているも
のでも使用することができる。
【0008】(3)酸素 本発明の方法に用いられる酸素は、高純度のものはもと
より、空気、または窒素、アルゴン、二酸化炭素、水素
など反応に悪影響をおよぼさない他のガスで希釈されて
いるものでも使用することができる。
【0009】(4)芳香族ニトロ化合物 本発明の方法に用いられる芳香族ニトロ化合物は、芳香
族モノニトロまたはジニトロ化合物であり、例えば、ニ
トロベンゼン;ニトロトルエン、エチルニトロベンゼ
ン、ジメチルニトロベンゼン、メトキシニトロベンゼ
ン、クロロニトロベンゼン、ブロモニトロベンゼン、ニ
トロフェノール、ジニトロベンゼン、ジニトロトルエ
ン、ジニトロフェノール等の置換基含有ニトロベンゼン
類およびその異性体;ニトロナフタレン、ジニトロナフ
タレンなどのニトロナフタレン類およびその異性体など
である。この中でも、ニトロベンゼンおよびニトロトル
エン(各異性体を含む)が特に好ましい。反応系に存在
させる芳香族ニトロ化合物の量は、好ましくは原料であ
る芳香族ヒドロキシ化合物に対して、重量比で1〜20
0%、より好ましくは1〜100%である。使用量が少
なすぎると本発明の効果が小さくなり、また多すぎると
炭酸ジフェニルの生成速度が小さくなる。また、脂肪族
ニトロ化合物は反応を阻害するので好ましくない。
【0010】2.触媒 本発明の方法においては、触媒、特にパラジウム系触媒
を使用することが好ましく、従来公知の触媒を使用する
ことができるが、特に好ましい触媒としては、下記の
(A)〜(C)に記載の各成分の、それぞれから少なく
とも一種以上が選ばれて組み合わされたパラジウム系触
媒を挙げることができる。 (A)パラジウムまたはパラジウム化合物 パラジウムまたはパラジウム化合物としては、パラジウ
ム黒;パラジウム/カーボン、パラジウム/アルミナ、
パラジウム/シリカなどの担持パラジウム;塩化パラジ
ウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硫酸パラジ
ウム、硝酸パラジウムなどのパラジウムの無機塩類;酢
酸パラジウム、シュウ酸パラジウムなどのパラジウムの
有機酸塩類等である。また、アセチルアセトナートパラ
ジウム(II)や、パラジウムに一酸化炭素、ニトリル
類、アミン類、ホスフィン類、オレフィン類などが配位
したパラジウムの錯化合物、例えばPdCl2(PhC
N)2、PdCl2(PPh32、Pd(CO)(PPh
33、[Pd(NH34]Cl2、Pd(C24)(P
Ph32、[(η3−C35)PdCl]2、Pd(DB
A)2、Pd2(DBA)3・CHCl3[Phはフェニル
基を、DBAはジベンジリデンアセトンを示す]など、
あるいはそれら錯化合物が反応系中で生成されるような
化合物類とパラジウムとの混合物を使用することもでき
る。中でも、パラジウム/カーボンおよび酢酸パラジウ
ムが好ましい。反応に用いられるパラジウム成分の量
は、芳香族ヒドロキシ化合物に対してモル比で10-7
10-2の範囲であることが好ましく、10-6〜10-3
範囲であることが特に好ましい。
【0011】(B)酸化電位がパラジウムより大きい金
属または金属化合物(再酸化剤) 再酸化剤としては、酸化電位がパラジウムより大きい金
属または金属化合物であれば、公知のいずれの金属また
は金属化合物でも用いることができる。好適な具体例と
しては、例えば、マンガン、コバルト、セリウム、銅、
鉄および鉛等の金属、それらのハロゲン化物、有機酸塩
類、無機酸塩類、酸化物、アルコキシド、アリールオキ
シド、錯化合物が挙げられる。これらは単独で用いるこ
とも、複数組み合わせて用いることもできる。中でも、
鉛化合物を含む系が特に好ましく、鉛化合物および銅化
合物を組み合わせて用いる系が更に好ましい。反応に用
いられる再酸化剤の量は、特に制限はないが、芳香族ヒ
ドロキシ化合物に対してモル比で10-4〜10-1の範囲
であることが好ましく、特に10-4〜10-2の範囲であ
ることが好ましい。
【0012】(C)ハロゲン化物 ハロゲン化物としては、ハロゲンの塩であればどのよう
なものでも使用することができる。例えば、ハロゲン化
4級アンモニウム、ハロゲン化4級ホスホニウム、アル
カリ金属ハライド、アルカリ土金属ハライドが挙げられ
る。使用される再酸化剤の種類および反応条件等によっ
て異なるが、一般には臭化物が好ましく、臭化物の4級
アンモニウム塩が特に好ましく用いられる。反応に用い
られるハロゲン化物の量は特に制限はないが、芳香族ヒ
ドロキシ化合物に対してモル比で10-4〜1の範囲であ
ることが好ましく、10-3〜10-1の範囲であることが
特に好ましい。
【0013】3.反応条件 反応は上記芳香族ヒドロキシ化合物および芳香族ニトロ
化合物、パラジウム系触媒、好ましくは、上記成分
(A)、(B)および(C)からなる触媒を反応装置に
仕込み、一酸化炭素および酸素により加圧し、加温下で
充分撹拌することによって行われる。反応時の絶対圧力
は全圧で1〜500気圧、好ましくは1〜250気圧の
範囲である。一酸化炭素と酸素の組成比は、安全性の観
点から、その爆発範囲からはずれた組成比であることが
好ましい。一酸化炭素及び酸素の分圧は、それぞれ30
〜100気圧及び1〜10気圧であることが好ましい。
反応温度は20〜300℃、好ましくは80〜250℃
の範囲である。反応時間は反応条件により異なるが、通
常は数分から数時間である。反応に際しては、従来の触
媒系で用いられているヒドロキノンのような芳香族ジオ
ール類やそれらの酸化生成物であるキノン類、及びアミ
ン類などの有機添加剤を反応系に加えてもよい。また、
不活性溶媒として、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレ
ン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジエチルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、アセトニトリルなどの不活性溶媒を用いることが
できる。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明する。なお、反応成績のうち、炭酸ジフェニ
ル、サルチル酸フェニル、p−フェノキシフェノール,
o−ブロモフェノール、p−ブロモフェノールの生成量
は、n−ペンタデカンを内部標準として用いたガスクロ
マトグラフィー分析(SGE社キャピラリーカラムBP
X−5;50→300℃)により、二酸化炭素の生成量
は、ガステック社製CO2検知管による濃度分析により
算出した。また、LC純度とは、反応液の液体クロマト
グラフィー分析(カラム:昭和電工社製Shodex OPD-5
0、液相:アセトニトリル/水、検知:UV210nm)
による面積比を示すものである。
【0015】実施例1 内容量50mlのハステロイ製オートクレーブにフェノー
ル12.23g(130mmol)、ニトロベンゼン1.23
g(10mmol)、5%パラジウム/カーボン(N.E.Chem
cat社製)10.22mg(4.8μmolPd)、酸化鉛(II)
10.71mg(48μmol)、酸化銅(II)3.82mg
(48μmol)、臭化テトラメチルアンモニウム154.
1mg(1.0mmol)を入れ、系内を一酸化炭素で置換し
た後、一酸化炭素60気圧、乾燥空気30気圧を導入
し、誘導撹拌により100℃で3時間撹拌混合した。反
応終了後の気相と液相をそれぞれガスクロマトグラフィ
ーにより定量分析した。その結果、炭酸ジフェニルが、
フェノールに対して収率13.19%(8.56mmol)で
得られた。また、副生物として、サリチル酸フェニルが
炭酸ジフェニルに対して0.49%、p−フェノキシフ
ェノールが炭素ジフェニルに対して0.83%、ブロモ
フェノールが用いた臭化テトラメチルアンモニウムに対
して27.8%、二酸化炭素が炭素エステルに対して2
7.9%生成した。LC純度は85.0%であった。
【0016】比較例1 ニトロベンゼンを用いない以外は実施例1と同様に反応
を行った。その結果、炭酸ジフェニルがフェノールに対
して収率12.47%(8.10mmol)で得られた。また
副生物として、サリチル酸フェニルが炭酸ジフェニルに
対して0.63%、p−フェノキシフェノールが炭酸エ
ステルに対して1.33%、ブロモフェノールが用いた
臭化テトラメチルアンモニウムに対して20.7%、二
酸化炭素が炭酸エステルに対して33.7%生成した。
LC純度は83.9%であった。
【0017】比較例2 ニトロフェノールの代わりにニトロンメタンを用いた以
外は実施例1と同様に反応を行った。その結果、炭酸ジ
フェニルの生成量は0.1%以下であった。
【0018】実施例2〜4 用いたフェノールおよびニトロベンゼンの量を変えた以
外は実施例1と同様に反応を行った。フェノールおよび
ニトロベンゼンの量、炭酸ジフェニルの生成量、サリチ
ル酸フェニルとp−フェノキシフェノールおよび二酸化
炭素の炭酸ジフェニルに対する生成率、ブロモフェノー
ル類の用いた臭化テトラメチルアンモニウムに対する生
成率、及びLC純度を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】実施例5〜7 ニトロベンゼンの代わりに種々の芳香族ニトロ化合物を
用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。用いた芳
香族ニトロ化合物、炭酸ジフェニルの生成量、サリチル
酸フェニルとp−フェノキシフェノールおよび二酸化炭
素の炭酸ジフェニルに対する生成率、ブロモフェノール
類の用いた臭化テトラメチルアンモニウムに対する生成
率、及びLC純度を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】実施例8 内容量300mlのハステロイ製オートクレーブにフェノ
ール103.5g(1.1mol)、ニトロベンゼン12.
31g(100mmol)、5%パラジウム/カーボン(N.
E.Chemcat社製)38.31mg(18μmolPd)、酸化鉛
(II)80.35mg(360μmol)酸化銅(II)28.
63mg(360μmol)、臭化テトラメチルアンモニウ
ム1.11g(7.2mmol)を入れ、系内を一酸化炭素/
空気=2/1の混合ガスで置換した後、この混合ガス9
0気圧を導入した。さらにこの混合ガス0.6 L/min
(常圧換算)を連続的に流通させながら、100℃で撹
拌混合を行った。反応開始後2時間目に2μmの焼結フ
ィルターを通して反応液の一部を取り出し、ガスクロマ
トグラフィーおよび液体クロマトグラフィー分析を行っ
た。また、同時に廃出ガス中の二酸化炭素濃度の分析を
行った。以降2時間毎に同様の分析を行った。それぞれ
の時間における炭酸ジフェニルの生成量、サリチル酸フ
ェニルとp−フェノキシフェノールおよび二酸化炭素の
炭酸ジフェニルに対する生成率、ブロモフェノール類の
用いた臭化テトラメチルアンモニウムに対する生成率、
及びLC純度を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】実施例9 フェノールを69.0g(733mmol)、ニトロベンゼ
ンを34.5g(280mmol)とした以外は実施例8と
同様に反応を行った。それぞれの時間における炭酸ジフ
ェニルの生成量、サリチル酸フェニルとp−フェノキシ
フェノールおよび二酸化炭素の炭酸ジフェニルに対する
生成率、ブロモフェノール類の用いた臭化テトラメチル
アンモニウムに対する生成率、及びLC純度を表4に示
す。
【0025】
【表4】
【0026】比較例3 ニトロベンゼンを用いない以外は実施例8と同様に反応
を行った。それぞれの時間における炭酸ジフェニルの生
成量、サリチル酸フェニルとp−フェノキシフェノール
および二酸化炭素の炭酸ジフェニルに対する生成率、ブ
ロモフェノール類の用いた臭化テトラメチルアンモニウ
ムに対する生成率、及びLC純度を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】
【発明の効果】上記の結果から明らかなように、本発明
においては酸化的副生物が抑制され、芳香族ヒドロキシ
化合物を基準とした反応選択率が大きく改善される。従
って、本発明方法の工業的価値は極めて高いものであ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ヒドロキシ化合物と一酸化炭素及
    び酸素を反応させて芳香族炭酸エステルを製造する方法
    において、該反応を芳香族ニトロ化合物の存在下に行う
    ことを特徴とする芳香族炭酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記反応をパラジウム系触媒の存在下に
    行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記パラジウム系触媒が、(A)パラジ
    ウム及びパラジウム化合物から選ばれた一種以上、
    (B)酸化電位がパラジウムより大きい金属または金属
    化合物から選ばれた一種以上、および(C)ハロゲン化
    物の一種以上を含有する触媒である請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記(A)が酢酸パラジウムまたはパラ
    ジウム/カーボンである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記(B)が鉛化合物である請求項3記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記(B)が鉛化合物及び銅化合物の組
    み合わせである請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記(C)が臭化物である請求項3記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記(C)が臭化物の4級アンモニウム
    塩である請求項3記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記芳香族ニトロ化合物がニトロベンゼ
    ンである請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記芳香族ニトロ化合物を、芳香族ヒ
    ドロキシ化合物に対して1〜100重量%の範囲内の量
    で反応系に存在させる請求項1〜9のいずれかに記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 前記芳香族ヒドロキシ化合物がフェノ
    ールである請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
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