JPH09255561A - エレクトロポレーション用マイクロエマルション製剤 - Google Patents

エレクトロポレーション用マイクロエマルション製剤

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JPH09255561A
JPH09255561A JP9618096A JP9618096A JPH09255561A JP H09255561 A JPH09255561 A JP H09255561A JP 9618096 A JP9618096 A JP 9618096A JP 9618096 A JP9618096 A JP 9618096A JP H09255561 A JPH09255561 A JP H09255561A
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健二 森
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雍憲 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロエマルションに封入した薬物をエレク
トロポレーションにより吸収させることにより、従来技
術に比べ高い薬効を得る。 【解決手段】エレクトロポレーション用マイクロエマル
ション製剤であって、マイクロエマルションが水相、油
相、界面活性剤及び薬物を含有してなることを特徴とす
るエレクトロポレーション用マイクロエマルション製
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療の分野において
使用されるエレクトロポレーション用マイクロエマルシ
ョン製剤に関し、より詳しくはエレクトロポレーション
とマイクロエマルションとを併用することにより薬物や
生理活性物質を生体内へ投与する方法において使用する
エレクトロポレーション用マイクロエマルション製剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロポレーションは、従来遺伝子
の導入に用いられていた方法であり、細胞に対して瞬時
に高電圧を負荷し、細胞内へのDNA等を導入させる方
法である。近年、この技術を経皮、経粘膜からの薬物の
送達に応用することが試みられている〔特表平3ー50
2416号、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,90:10504−10508(199
3)〕。エレクトロポレーションにおいては皮膚や粘膜
に対して新たな可逆的なルートである孔を形成し、この
孔を薬物の送達に利用するが、エレクトロポレーション
の単独利用では十分な量の薬物を送達することはできな
かった。
【0003】一方、マイクロエマルションは1943年
にHoar等により初めて得られたもので、粒子径が著
しく小さい澄明な液体である。近年、消化管からの吸収
が悪いペプチドなどをこのマイクロエマルションに封入
し、その吸収を促進させる方法が研究されている(特開
平7ー2689号)。マイクロエマルションは数nm〜
数百nm(nm=ナノメーター)の径を持つ安定粒子
で、その中に薬物を封入することができる薬物キャリヤ
ーである。これによれば皮膚や粘膜を通してある程度の
吸収促進効果を有するが、吸収させようとする皮膚や粘
膜に孔がなければ吸収されず、皮膚や粘膜から十分な量
の薬物を吸収させるには至っていない。
【0004】このように皮膚や粘膜から薬物を送達する
場合、エレクトロポレーション単独やマイクロエマルシ
ョン単独では皮膚や粘膜からの薬物の透過が不十分であ
り、十分な薬効を得ることはできなかった。本発明者は
従来技術におけるこのような事情、問題点に鑑み、各種
多方面から実験、検討を進めたところ、薬物や生理活性
物質(本明細書中、両者を合わせて適宜「薬物」と指称
する)をマイクロエマルションに封入する一方、エレク
トロポレーションにより皮膚や粘膜に可逆的な孔を形成
し、その孔からマイクロエマルションを送達することに
より生体内に薬物を有効に送達する新規且つ有用な方法
を見い出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明はエ
レクトロポレーションとマイクロエマルションとを併用
するに際して使用するエレクトロポレーション用のマイ
クロエマルション製剤を提供することを目的とし、これ
によりエレクトロポレーション又はマイクロエマルショ
ンをそれぞれ単独に適用する場合に比べて薬物の送達効
果を相乗的に増大させることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エレクトロポ
レーション用のマイクロエマルション製剤であって、マ
イクロエマルションが水相、油相、界面活性剤及び薬物
を含有してなるエレクトロポレーション用マイクロエマ
ルション製剤を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】エレクトロポレーションにおいて
は皮膚や粘膜に対して孔を形成するが、これだけでは皮
膚や粘膜透過性の低い薬物に対して透過促進効果が望め
ず、充分な量を送達することができない。本発明におい
てはエレクトロポレーションを適用した部位にマイクロ
エマルション製剤を投与することにより体内への薬物の
吸収を格段に増大させるものである。本発明に係るマイ
クロエマルション製剤の粒子径は、好ましくは0.1n
m〜100nmの範囲に90%以上の粒度分布を有し、
さらに好ましくは粒子径が0.1nm〜50nmの範囲
に90%以上の粒度分布を有する。
【0008】すなわち、その粒子径は、大きすぎてもエ
レクトロポレーションにより形成された孔を透過するこ
とができず、逆に小さすぎるとエレクトロポレーション
に適したマイクロエマルション化ができないか、或いは
マイクロエマルション化していない可能性がある。エレ
クトロポレーションにより形成される孔のサイズは、適
用電圧、適用部位等の如何により異なるが、可逆的に形
成される孔径は最大100nm程度と考えられる。この
ためマイクロエマルションの粒子径は0.1〜100n
m程度であるのが好ましい。また比較的電気刺激の少な
い条件下においては形成される孔はさらに小さくなるた
め、この場合にはマイクロエマルションの粒子径は0.
1〜50nm程度であるのが好ましい。
【0009】本発明のエレクトロポレーション用マイク
ロエマルション製剤の適用態様としては、(1)皮膚や
粘膜に対して少なくとも1回エレクトロポレーションを
適用した後、その部位にマイクロエマルション製剤を適
用して薬物を吸収させる、(2)皮膚や粘膜に対してマ
イクロエマルション製剤を適用した後、同じ部位に少な
くとも1回エレクトロポレーションを適用して薬物を吸
収させる、(3)マイクロエマルションをエレクトロポ
レーション用の電極と一体とした製剤とし、エレクトロ
ポレーションとマイクロエマルションを同時に適用する
等の各種手法により実施することができる。これら
(1)〜(3)のいずれの態様の場合にも、その後経時
的に何回エレクトロポレーションを適用しても差し支え
ない。
【0010】図1は、そのような適用態様のうち特に
(1)〜(2)の態様において使用され得るエレクトロ
ポレーション用電極の一例を示す図である。図1中、1
は絶縁性高分子フィルム、2は一対の電極であり、図示
のとおり両電極間には複数個の細線が交互に間隔を置い
て配置されている。その細線の間隔は、一例として図1
中拡大図で示すとおり、例えば0.2mm程度である。
本電極の使用に際してはその電極面を皮膚や粘膜に当接
させた後、電極間に以下に述べるような電力がかけられ
る。
【0011】本発明の製剤を適用するエレクトロポレー
ション用の電極としては分極性、非分極性のいずれでも
よい。また電圧としては10〜2000V/cmの範囲
で適用でき、皮膚に対する電気刺激を考慮すると好まし
くは50〜1000V/cmの範囲で適用される。通電
パターンとしては特に限定はないが、指数対数型波か矩
形型波であるのが好ましい。エレクトロポレーションは
1回以上通電すれば効果は見られるが、回数が多いほど
その効果は増加する。通電時間は電気刺激感を考慮して
指数対数型波の場合はτ値として0.1μ秒〜5秒(τ
は適用して電圧が約37%に減衰するまでの時間)、矩
形波の場合には0.1μ秒〜100m秒程度であるのが
望ましい。
【0012】本発明に係るエレクトロポレーション用マ
イクロエマルション製剤の適用形態としては、皮膚や粘
膜に対してマイクロエマルションを多孔質膜へ含浸させ
た形で貼付するか、或いは液状のままで乳剤やローショ
ン剤のようにして塗布してもよく、さらに図2に示すよ
うにマイクロエマルションをエレクトロポレーション用
の電極と一体とした製剤としてもよい。この電極一体型
製剤は前記適用態様(1)〜(3)のうち特に(3)の
態様で適用する場合に好適に用いられる。
【0013】図2中、3は電極、4は粘着層、5はマイ
クロエマルション保持層である。このマイクロエマルシ
ョン保持層5としては不織布や各種高分子を材料とする
膜(例えば6,6ーナイロン、セルロース、セルロース
アセテート、ポリフッ化ビニリデン等)を用いることが
でき、或いはゼラチン、寒天、ポリビニルアルコールゲ
ル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシルメチルセ
ルロースナトリウムその他の高分子ゲルを使用してもよ
い。これら保持層中に本発明のマイクロエマルションが
収容され保持される。
【0014】本発明におけるマイクロエマルションは、
水相、油相及び数種類の界面活性剤を含有して構成され
る。界面活性剤の種類としてはHLBが3ー7の非イオ
ン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを組み合わせて
用いるか、またはHLBが3ー7の非イオン性界面活性
剤とHLBが10ー20の非イオン性界面活性剤とを組
み合わせて使用する。それら各成分の配合割合として
は、水相については0.0001〜30%(重量%、以
下同じ)、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは5
〜15%の範囲であり、界面活性剤は0.0001〜2
0%の範囲、また油性成分については50〜99%の範
囲で使用される。
【0015】上記水相としては特に限定はないが、好ま
しくは水、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、炭酸緩
衝液、酢酸緩衝液などの緩衝液、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム等の塩類を含む水溶液を挙
げることができ、これらに薬物を溶解させる。また油相
としては特に限定はないが、好ましくは大豆油、胡麻
油、オリーブ油のような植物油、或いは動物性食用油
(脂肪酸グリセリンエステル類)、飽和又は不飽和脂肪
酸、中鎖脂肪酸(C5 〜C18)のモノ、ジ、トリグリセ
リンエステル類等を挙げることができる。
【0016】また上記イオン性界面活性剤としては特に
限定はないが、例えばジー2ーエチルヘキシルコハク酸
ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム(アルキル部分が
8ーC20、好ましくはC10ーC14)等が挙げられる。
またHLBが10〜20の非イオン性界面活性剤として
はポリオキシエチレン硬化又は非硬化ヒマシ油(ポリオ
キシエチレン平均付加モル数が30〜80)、ポリオキ
シエチレングリコール高級脂肪酸エステル(脂肪酸が飽
和又は不飽和のC16〜C20の脂肪酸であり、エチレング
リコールの平均の付加モル数が10〜40)、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル(アルキル部分がC8 〜C
14であり、オキシエチレン平均付加モル数が4〜25)
等が挙げられる。
【0017】また、HLBが3〜7の非イオン性界面活
性剤としては、モノ又はポリグリセリン脂肪酸エステル
(脂肪酸が飽和又は不飽和のC18〜C20の脂肪酸であ
り、グリセリン1モル当たりの脂肪酸付加モル数が1〜
2であり、さらにグリセリンの付加モル数が0〜4)、
ソルビタン脂肪酸エステル(脂肪酸が不飽和のC16〜C
20であり、その付加モル数が1〜3)、ポリオキシエチ
レン硬化又は非硬化ヒマシ油(オキシエチレン平均付加
モル数が3〜20)等が挙げられる。
【0018】さらに本発明の製剤において用いられる薬
物としては、例えばモルヒネ、フェンタニル、ペチジ
ン、コデイン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、
エプタゾシン、ペンタゾシンなどの中枢性鎮痛薬やイン
スリン、カルシトニン、カルシトニン関連遺伝子ペプチ
ド、バソプレッシン、デスモプレシン、プロチレリン
(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、黄体
形成ホルモン放出因子(LHーRH)、成長ホルモン放
出ホルモン(GRH)、神経成長因子(NGF)及びそ
の他の放出因子、アンギオテンシン(アンジオテンシ
ン)、副甲状線ホルモン(PTH)、甲状腺刺激ホルモ
ン(TSH,サイロトロピン)、卵胞刺激ホルモン(F
SH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチン、血
清性性線刺激ホルモン、胎盤性性腺刺激ホルモン(HC
G)、下垂体性性腺刺激ホルモン(HMG)、成長ホル
モン、ソマトスタチン、ソマトメジン、グルカゴン、オ
キシトシン、ガストリン、セクレチン、エンドルフィ
ン、エンケファリン、コレストキニン、エンドセリン、
ニュウロテンシン、インターフェロン、インターロイキ
ン、トランスフェリン、エリスロポエチン、スーパーオ
キサイドデスムターゼ(SOD)、顆粒球刺激因子(G
ーCSF)、腸管血管拡張ペプチド(VIP)、ムラミ
ルジペプチド、コルチコトロピン、ウロガストロン、ヒ
ト心房性利尿ペプチド(hーANP)等のペプチド類、
カルマバゼピン、クロルプロマジン、ジアゼパム、ニト
ラゼパム等の精神安定薬、プレオマイシン、アドレアマ
イシン、5ーフルオロウラシル、マイトマイシン等の抗
悪性腫瘍薬、ジギタリス、ジゴキシン、ジギトキシン等
の強心症薬、レセルピン、クロニジン等血圧降下剤、エ
ストラジオール、テストステロン等の性ホルモン等が挙
げられるが、これらに限らず、経皮や経粘膜により送達
できるものであれば用いられる。
【0019】
【実施例】以下、実験例1〜実験例3に基づき本発明の
実施例を説明するが、本発明がこれら実施例によって限
定されないことは勿論である。実験例1においては、サ
ーモンカルシトニン(sCT)の投与を例にして、エレ
クトロポレーションとマイクロエマルションの併用効果
とエレクトロポレーション単独又はマイクロエマルショ
ン単独の効果とを比較した。また実験例2においては、
平均粒子径が5.9nmのマイクロエマルションにsC
Tを封入した場合と4.3μmのエマルションにsCT
を封入した場合との薬効を調べた。さらに実験例3にお
いては種々の薬物とマイクロエマルションを組み合わせ
た処方と製剤の例及びそのときのマイクロエマルション
の平均粒子径を示した。
【0020】〔実験例1〕 《実施例1ー1》エレクトロポレーションとマイクロエ
マルションの併用によるsCTの投与(1) 〈マイクロエマルションの調製〉サーモンカルシトニン
(sCT、NOVA)1mgを牛血清アルブミン(1%
BSA)の水溶液50μlに溶解させてsCT溶液を調
製した。一方、スルホコハク酸型アニオン界面活性剤
(ペレックスOTP、花王社製、商品名)140mgに
ジグリセリンモノオレイン酸エステル(DGMO、日光
ケミカル社製、商品名)100mg及び中鎖脂肪酸トリ
グリセライド(パナセート810、日本油脂社製、商品
名)1760mgを混合し界面活性剤油液を調製した。
こうして得たsCT溶液20μlと界面活性剤油液98
0μlを混合しsCT封入マイクロエマルションを調製
した。マイクロエマルションの粒子径をレーザー光散乱
法(使用装置=レーザー光散乱粒度分布測定装置、大塚
電子社製DLSー7000型、Arレーザー出力75m
W、以下同じ)により測定した。
【0021】〈吸収実験〉SDラットをウレタン麻酔
下、バリカンとシェイバーにより腹部除毛後、腹部に生
理食塩水200μlを滴下し、図1に示す電極を使用し
て2回通電(1KV/cm、25μFD)した。通電
後、直ちに生理食塩水を拭き取り、上記のとおり調製し
たsCT封入マイクロエマルションの200μlを該腹
部に適用した。マイクロエマルションの適用後、経時的
に頸静脈から採血し、遠心分離して血清を得た。次い
で、市販のカルシウム測定キット(カルシウムCテスト
ワコー、和光純薬社製、商品名)を用いて吸光度法(U
V:570nm)により血清中のカルシウム濃度を測定
し、薬物投与前の血清中のカルシウム濃度と比較した。
【0022】《実施例1ー2》エレクトロポレーション
とマイクロエマルションの併用によるsCTの投与
(2) 〈マイクロエマルションの調製〉サーモンカルシトニン
(sCT、NOVA)1mgを牛血清アルブミンを含む
pH3のクエン酸緩衝液(1%BSA/CB緩衝液)5
0μlに溶解させsCT溶液を調製した。一方、ポリオ
キシエチレン(平均付加モル数=20)モノオレイン酸
ソルビタン(日光ケミカルズ社製)80mgにジグリセ
リンモノオレイン酸エステル(DGMO、日光ケミカル
社製、商品名)160mg及び中鎖脂肪酸トリグリセラ
イド(パナセート810、日本油脂社製、商品名)17
60mgを混合して界面活性剤油液を調製した。こうし
て得たsCT溶液20μlと界面活性剤油液980μl
を混合してsCT封入マイクロエマルションを調製し
た。このマイクロエマルションの粒子径をレーザー光散
乱法により測定したところ、平均粒子径30.5nmで
あった。
【0023】〈吸収実験〉SDラットをウレタン麻酔
下、バリカンとシェイバーにより腹部除毛後、腹部に生
理食塩水200μlを滴下し、図1に示す電極を使用し
て2回通電(1KV/cm、25μFD)した。通電
後、直ちに生理食塩水を拭き取り、上記sCT封入マイ
クロエマルションの200μlを該腹部に適用した。マ
イクロエマルションの適用後、経時的に頸静脈から採血
し、遠心分離して血清を得た。次いで、市販のカルシウ
ム測定キット(カルシウムCテストワコー、和光純薬社
製、商品名)を用いて吸光度法(UV:570nm)に
より血清中のカルシウム濃度を測定し、薬物投与前の血
清中のカルシウム濃度と比較した。
【0024】《比較例1ー1》マイクロエマルションに
よるsCTの投与 〈吸収実験〉SDラットをウレタン麻酔下、バリカンと
シェイバーにより腹部除毛後、腹部に生理食塩水200
μlを滴下し、直ちに生理食塩水を拭き取り、実施例1
ー1で調製したsCT封入マイクロエマルション200
μlを該腹部に適用した。マイクロエマルション適用
後、経時的に頸静脈から採血し、遠心分離して血清を得
た。血清中のカルシウム濃度の測定を実施例1ー1〜実
施例1ー2と同様に行った。
【0025】《比較例1ー2》エレクトロポレーション
によるsCTの投与 〈sCT溶液の調製〉サーモンカルシトニン(sCT、
NOVA)1mgを牛血清アルブミン(1%BSA)の
水溶液50μlに溶解させてsCT溶液を調製した。こ
れらsCT溶液20μlと1%BSA溶液980μlと
を混合してsCT溶液を調製した。 〈吸収実験〉SDラットをウレタン麻酔下、バリカンと
シェイバーにより腹部除毛後、腹部に生理食塩水200
μlを滴下し、図1に示す電極を使用して2回通電(1
KV/cm、25μFD)した。通電後直ちに生理食塩
水を拭き取り、sCT溶液を200μlを腹部に適用し
た。投与後、経時的に頸静脈から採血し、遠心分離して
血清を得た。血清中のカルシウム濃度の測定を実施例1
ー1〜実施例1ー2と同様に行った。
【0026】<試験結果>図3は実施例1ー1で調製し
たマイクロエマルションの粒度分布を示す図である。前
記のとおり比較例1ー1でも同じマイクロエマルション
を使用している。図3のとおり実施例1ー1及び比較例
1ー1で用いたマイクロエマルションの平均粒子径は
5.9nmであり、1.5〜20.3nmの範囲に10
0%の粒度分布を持っていた。次に、図4は吸収実験の
結果である。図4のとおりエレクトロポレーションとマ
イクロエマルションを併用した実施例1ー1及び実施例
1ー2においては、血清中カルシウム濃度はともに2時
間経過時までに投与前の69%まで低下している。これ
に対して、比較例1ー1すなわちマイクロエマルション
単独では77%、比較例1ー2すなわちエレクトロポレ
ーション単独では84%までしか低下しなかった。これ
はエレクトロポレーションとマイクロエマルションの併
用により、エレクトロポレーション単独又はマイクロエ
マルション単独に比べて、sCTの吸収が相乗的に促進
されたためである。
【0027】〔実験例2〕 《実施例2ー1》前記実施例1ー1の結果を用いた。こ
こで使用したマイクロエマルションの平均粒子径は5.
9nmである。 《比較例2ー1》エレクトロポレーションと粒径の大き
いマイクロエマルションの併用によるsCTの投与
(3) 〈マイクロエマルションの調製〉サーモンカルシトニン
(sCT、NOVA)1mgを牛血清アルブミンを含む
pH3のクエン酸緩衝液(1%BSA/CB緩衝液)5
0μlに溶解させてsCT溶液を調製した。このsCT
溶液20μlにジグリセリンモノオレイン酸エステル
(DGMO、日光ケミカル社製、商品名)を80mgを
加え、さらに中鎖脂肪酸トリグリセライド(パナセート
810、日本油脂社製、商品名)880mgを混合した
後、超音波を5分間適用し、sCT封入マイクロエマル
ションを調製した。マイクロエマルションの粒子径をレ
ーザー光散乱法により測定した結果、平均粒子径4.3
μmであった。
【0028】〈吸収実験〉SDラットをウレタン麻酔
下、バリカンとシェイバーにて腹部除毛後、腹部に生理
食塩水200μlを滴下し、図1に示す電極を用いて2
回通電(1KV/cm、25μFD)した。通電後、直
ちに生理食塩水を拭き取り、上記sCT封入マイクロエ
マルション(平均粒子径4.3μm)200μlを腹部
に適用した。このマイクロエマルション適用後、経時的
に頸静脈から採血し、遠心分離後血清を得た。次いで、
市販のカルシウム測定キット(カルシウムCテストワコ
ー、和光純薬社製)を使用して吸光度法(UV:570
nm)により血清中のカルシウム濃度を測定し、薬物投
与前の血清中カルシウム濃度と比較した。図5はその結
果である。
【0029】<試験結果>前記のとおり実施例2ー1で
用いたマイクロエマルションの平均粒子径は5.9nm
であり、他方比較例2ー1で使用したマイクロエマルシ
ョンは白濁しており、その平均粒子経は4.3μmであ
る。図5のとおり、このように粒子径が異なるマイクロ
エマルションを用いた吸収実験の結果、実施例2ー1す
なわちエレクトロポレーションとマイクロエマルション
(平均粒子径:5.9nm)とを併用した場合には、血
清中カルシウム濃度は2時間経過時までに投与前の69
%まで低下した。これに対して、比較例2ー1すなわち
エレクトロポレーションとエマルション(平均粒子径:
4.3μm)の併用では、血清中カルシウム濃度は2時
間経過時までに投与前の90%までしか低下しなかっ
た。
【0030】この事実は、粒子径の小さいマイクロエマ
ルションの場合には、エレクトロポレーションにより形
成された非常に小さい孔を透過することができ、そこに
封入されたsCTがSDラット体内に吸収されるために
血清中のカルシウム濃度が低下するが、粒子径のやや大
きいエマルションを用いるとエレクトロポレーションに
よる形成された孔を透過させることができないため、s
CTも吸収されず、血清中のカルシウム濃度もほとんど
低下しないことを示している。本実験例によりエレクト
ロポレーションと組み合わされるマイクロエマルション
の粒子径の重要性が確認された。
【0031】〔実験例3〕以下に示す処方でマイクロエ
マルション製剤を調製した。マイクロエマルションの粒
子径は実施例1ー1と同様に測定した。 《実施例3ー1》下記表1の各成分を混合してマイクロ
エマルションを得た。このマイクロエマルションの平均
粒子径は25nmであった。図2のマイクロエマルショ
ン保持層として不織布を使用し、そこにマイクロエマル
ションを含浸させてエレクトロポレーション用製剤を調
製した。
【表 1】
【0032】《実施例3ー2》下記表2の各成分を混合
してマイクロエマルションを得た。このマイクロエマル
ションの平均粒子径は30nmであった。図2のマイク
ロエマルション保持層としてカルボキシルメチルセルロ
ースナトリウムゲルを用い、そこにマイクロエマルショ
ンを分散させてエレクトロポレーション用マイクロエマ
ルション製剤を調製した。
【表 2】
【0033】《実施例3ー3》下記表3の各成分を混合
してマイクロエマルションを得た。このマイクロエマル
ションの平均粒子径は45nmであった。図2のマイク
ロエマルション保持層としてセルロースアセテート膜を
用い、そこにマイクロエマルションを含浸させてエレク
トロポレーション用マイクロエマルション製剤を調製し
た。
【表 3】
【0034】
【発明の効果】本発明は、エレクトロポレーションによ
り皮膚や粘膜に透過ルートの孔を生じさせ、そこから吸
収性のよい粒子径の小さいマイクロエマルションに封入
した薬物を吸収させることにより、従来技術に比べ高い
薬効を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エレクトロポレーション用電極の例を示す図。
【図2】エレクトロポレーション用マイクロエマルショ
ン製剤の使用態様を示す例。
【図3】実施例1ー1(比較例1ー1も同じ)で調製し
たマイクロエマルションの粒度分布を示す図。
【図4】実験例1における薬物投与前の血清中カルシウ
ム濃度に対する薬物投与後の血清中カルシウムの割合
(%)を示す図。
【図5】実験例2における薬物投与前の血清中カルシウ
ム濃度に対する薬物投与後の血清中カルシウムの割合
(%)を示す図。
【符号の説明】
1 絶縁性高分子フィルム 2 電極 3 電極 4 粘着層 5 マイクロエマルション保持層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレクトロポレーション用のマイクロエマ
    ルション製剤であって、マイクロエマルションが水相、
    油相、界面活性剤及び薬物を含有してなることを特徴と
    するエレクトロポレーション用マイクロエマルション製
    剤。
  2. 【請求項2】上記マイクロエマルションの粒子径が0.
    1nm〜100nmの範囲に90%以上の粒度分布を有
    するマイクロエマルションである請求項1記載のエレク
    トロポレーション用マイクロエマルション製剤。
  3. 【請求項3】上記マイクロエマルションの粒子径が0.
    1nm〜50nmの範囲に90%以上の粒度分布を有す
    るマイクロエマルションである請求項1記載のエレクト
    ロポレーション用マイクロエマルション製剤。
  4. 【請求項4】上記マイクロエマルションの水相が水、緩
    衝液及び塩の水溶液より選択される水相である請求項
    1、2又は3記載のエレクトロポレーション用マイクロ
    エマルション製剤。
  5. 【請求項5】上記マイクロエマルションの油相が、植物
    油、動物油、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステ
    ル及び中鎖脂肪酸エステルより選択される油相である請
    求項1、2又は3記載のエレクトロポレーション用マイ
    クロエマルション製剤。
  6. 【請求項6】上記マイクロエマルションの界面活性剤が
    HLB3〜7の界面活性剤とイオン性界面活性剤を混合
    してなるか又はHLB3〜7の界面活性剤とHLB10
    〜20の界面活性剤を混合してなる界面活性剤である請
    求項1、2又は3記載のエレクトロポレーション用マイ
    クロエマルション製剤。
  7. 【請求項7】上記マイクロエマルションの薬物が水相に
    含有されてなるマイクロエマルションである請求項1、
    2、3、4、5又は6記載のエレクトロポレーション用
    マイクロエマルション製剤。
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