JPH09255480A - 単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法 - Google Patents

単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法

Info

Publication number
JPH09255480A
JPH09255480A JP6497596A JP6497596A JPH09255480A JP H09255480 A JPH09255480 A JP H09255480A JP 6497596 A JP6497596 A JP 6497596A JP 6497596 A JP6497596 A JP 6497596A JP H09255480 A JPH09255480 A JP H09255480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
pulling
heat shield
crystal
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6497596A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Okui
正彦 奥井
Tadashi Kanda
忠 神田
Tadami Tanaka
忠美 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Sitix Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Sitix Corp filed Critical Sumitomo Sitix Corp
Priority to JP6497596A priority Critical patent/JPH09255480A/ja
Publication of JPH09255480A publication Critical patent/JPH09255480A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥の発生位置が単結晶の内部へ移行するこ
とを抑制し得る単結晶引き上げ装置及びこれを使用した
単結晶引き上げ方法を提供すること。 【解決手段】 溶融層7からの熱を遮蔽するための円筒
状をなす熱遮蔽体20が、単結晶8を囲うように設けられ
ている。メインチャンバ1の上壁に螺子棒支持部材30が
固定されており、各螺子棒支持部材30は螺子棒21を回動
自在に垂下支持している。螺子棒21の下端に熱遮蔽体20
が単結晶8を所定距離を隔てて囲うように取り付けられ
ており、螺子棒21の回転によって単結晶8に対し上下動
可能である。熱遮蔽体20の内部には冷媒流路29が形成さ
れており、装置外部から冷媒が供給され、冷媒流路29を
循環して熱遮蔽体20を冷却した冷媒は装置外部へ排出さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料として
使用されるシリコン単結晶等の単結晶を成長させる単結
晶引き上げ装置及びこれを使用した単結晶引き上げ方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶成長方法には種々の方法があるが、
その1つにチョクラルスキー法(CZ法)がある。図8
は、CZ法に用いられる結晶引き上げ装置を示す模式的
縦断面図である。図中3は、図示しないチャンバ内に配
設された坩堝を示しており、坩堝3は有底円筒形状をな
す石英製の内層容器3aとこの内層容器3aの外側に嵌合さ
れたグラファイト製の外層保持容器3bとから構成されて
いる。坩堝3は、図示しない昇降・回転機構に接続され
た支持軸10に連結されて支持されており、昇降および回
転が可能なようになっている。坩堝3の外側には、坩堝
3と同心円筒状であるヒータ5が配設され、さらにその
外側に保温筒11が配設されている。またシードチャック
にてその先端に種結晶13を脱着することが可能な引き上
げ軸(ワイヤ)12が坩堝3の中央上方に臨ませてある。
引き上げ軸12も図示しない昇降・回転機構に連結されて
おり、昇降、及び支持軸10と同一軸心で支持軸10と同方
向,逆方向の回転が可能なようになしてある。
【0003】結晶成長を行う場合は、まず坩堝3に結晶
用原料を充填し、坩堝3を所定方向へ所定回転数にて回
転させながら結晶用原料をヒータ5にて溶融する。また
引き上げ軸12の先端に種結晶13を取り付け、種結晶13を
溶融液7′に一旦接触するまで降下させた後、坩堝3と
は逆方向に回転させながら上方へ引き上げる。そうする
と種結晶13の下端に接触している溶融液7′が凝固して
単結晶8を成長させることができる。
【0004】また半導体材料として使用されるシリコン
単結晶を成長させる場合、所定の電気伝導型及び電気抵
抗率を得るため、溶融液7′中にドーピング不純物(ド
ーパント)を添加して成長させることが多い。このドー
パントはPfann の式として知られている(1)式に従って
単結晶8の引き上げ方向に偏析する。 CS = ke ・CC (1−fS ke-1 …(1) 但し、ke :実効偏析係数 CS :結晶中ドーパント濃度 CC :結晶引き上げ開始時溶融液中ドーパント濃度 fS :結晶引き上げ率(使用結晶原料重量に対する結晶
重量の比) このような偏析は実効偏析係数が1でないことに起因す
る。例えばドーパントの実効偏析係数が1より小さい場
合、結晶中のドーパント濃度は溶融液7′中のそれより
も低い。従って単結晶8の引き上げが進むにつれ溶融液
7′中のドーパント濃度は高くなり、これに従って引き
上げられる単結晶8におけるドーパント濃度も軸方向に
次第に高くなる。単結晶8中のドーパント濃度が高くな
ると電気抵抗率が小さくなり、1つの単結晶8において
均一な電気抵抗率が得られない。
【0005】ドーパントの偏析を抑制する方法として溶
融層法がある。図9は従来の溶融層法に用いられる結晶
引き上げ装置を示す模式的縦断面図である。溶融層法
は、坩堝3内の結晶用原料を、ヒータ5によって上部の
み溶解して溶融層7を形成し下部は固体層6を形成す
る。そして単結晶8の引き上げに伴って変化するドーパ
ント濃度を固体層6の溶解により一定に保つ。
【0006】溶融層法において溶融層7のドーパント濃
度を一定に保ちドーパントの偏析を防止する方法として
溶融層厚一定法と溶融層厚変化法とがある。溶融層厚一
定法には、成長途中にドーパントを添加する方法(特公
昭34−8242号,特公昭62-880号,実公平3-7405号)とし
ない方法(特公昭62-880号,特開昭63−252989号)とが
ある。成長途中にドーパントを添加する方法は、ドーパ
ントを含有しない固体層6を形成し、溶融層7中にドー
パントを含有させ、単結晶8の引き上げに伴って固体層
6を溶融して溶融層7の体積を一定に保ちながら、単結
晶8中に取り込まれた量のドーパントを溶融層7に連続
的に添加し、溶融層7中のドーパント濃度を一定に保
つ。これによりドーパント濃度が均一な単結晶8を成長
させることができる。
【0007】また溶融層厚一定法の、成長途中にドーパ
ントを添加しない方法は、結晶用原料を全て溶解した時
点でドーパントを添加し、ドーパントを含有する固体層
6を形成する。そして単結晶8の引き上げに伴って固体
層6を溶融し、溶融層7の体積を一定に保ちながら、成
長途中にはドーパントを添加せずに、溶融層7中のドー
パント濃度の変化を抑制する。
【0008】一方、溶融層厚変化法には、ドーパントを
含有しない固体層6を使用する方法(特公平3-79320
号)とドーパントを含有する固体層6を使用する方法
(特開昭61−205691号,特開昭61−205692号,特開昭61
−215285号,特開平6-80495号)とがある。前者は、ド
ーパントを含有しない固体層6を形成し、溶融層7にド
ーパントを添加する。そして単結晶8の引き上げ途中に
はドーパントを添加せずに、固体層6を溶融して溶融層
7の体積を変化させることによって溶融層7中のドーパ
ント濃度を一定に保持する。また後者は、結晶用原料を
溶解した時点でドーパントを添加しドーパントを含む固
体層6を形成する。そして単結晶8の引き上げ途中には
ドーパントを添加せずに、固体層6を溶融して溶融層7
の体積を変化させることによって溶融層7中のドーパン
ト濃度を一定に保持する。
【0009】これらの方法はいずれも、引き上げに伴っ
て高くなる溶融層中のドーパント濃度を、引き上げ途中
に固体層を溶融することにより低くして溶融層中の濃度
を一定に保つものである。
【0010】また、溶融層法の1つとして、二層引き上
げ法(DLCZ(ouble ayeredCzochralski)法)
が知られている(干川圭吾編著「バルク結晶成長技術」
アドバンストエレクトロニクスシリーズI−4,培風
館,1994, 115-120頁) 。図10はDLCZ法に使用される
単結晶引き上げ装置を示す模式的縦断面図である。この
装置では上下方向に2分割されたヒータ5a,5b を備え
る。DLCZ法は、結晶用原料を全て溶解した後、ヒー
タ5の出力制御によって溶融液の下部を凝固させて坩堝
3の底部に固体層6を形成し、その上部に溶融層7を形
成して、これらを共存させている。そして溶融層7に種
結晶13を浸した後これを徐々に引き上げて単結晶8を成
長させ、これと同時に溶融層7の減少を補うように固体
層6を溶融する。結晶成長中には結晶の引き上げに伴い
坩堝3内の結晶用原料が減少し、坩堝3内での溶融液表
面のレベルが低下するので、結晶成長装置に対してこの
レベルが一定に保たれるように、結晶の成長速度に応じ
た速度で坩堝3を上昇せしめる。結晶用原料を溶解しな
がら引き上げを行うと原料の隙間に溶融液が落ち込んで
結晶に転位が生じることがあるが、DLCZ法は結晶用
原料を一旦全て溶解しているので、転位はほとんど生じ
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】LSI材料として使用
されるシリコン単結晶のほとんどはCZ法で引き上げら
れており、このSi単結晶の品質には引き上げ途中の熱
履歴が大きく影響することが知られている。引き上げら
れた単結晶をその成長軸に対し垂直にカッティングして
得られたウェーハは、酸化膜形成等を目的として酸化熱
処理が行われる。この熱処理時に生じる、例えば酸化誘
起積層欠陥(OSF)と呼ばれる格子間型の転移ループ
は、単結晶引き上げ時の中温域(800〜1050℃)で成長し
た酸素析出物が核となって発生する。このOSFがデバ
イスの活性領域であるウェーハ表面に発生し成長した場
合、デバイスにおけるリーク電流の原因となり、デバイ
ス特性を劣化させる要因となる。また引き上げ条件によ
っては、ウェーハの面内上でリング状にOSFが密生し
たリングOSF部が発生することがある。
【0012】単結晶引き上げ時において中温域を徐冷す
るとOSF核の生成および成長が促進され、また低温域
を徐冷すると低温酸素析出核の生成および成長が促進さ
れることが知られている。そこでこの対策として、これ
らの温度領域を急冷する装置及び方法が従来から種々提
案されている。しかしながらこのような対策を講じても
リングOSF部の如き非常に高密度なOSFの発生を抑
制することは事実上不可能である。
【0013】一方で、ウェーハ面内におけるリングOS
F部の形成位置は、引き上げ時の最高温域(1412(融
点)〜1200℃)の熱履歴で決定されることが判明しつつ
ある。従って最高温域における成長軸方向の温度勾配と
引き上げ速度を制御する、即ち引き上げ速度が同一であ
れば温度勾配を小さくし、温度勾配が同一であれば引き
上げ速度を大きくすることにより、リングOSF部を、
単結晶8の外周側へ形成させるようにする方法が考えら
れる。外周側に発生したOSFは、ゲッタリング等の熱
処理工程,又は所定直径に整える工程において除去され
る場合が多くウェーハ内に残ることが少ないため、デバ
イス特性への影響が少ない。
【0014】しかしながら温度勾配を小さくすると、単
結晶の引き上げ終了までに長時間を要し、生産性を悪化
させる。従って温度勾配には実際には下限があり、その
範囲内で最適な温度勾配を保持する必要がある。そこで
中温域,低温域においては急冷し、最高温域での温度勾
配は小さくする等、温度勾配を随時変更することが可能
な装置が望まれる。
【0015】本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたも
のであり、単結晶の成長軸方向に移動可能な熱遮蔽体を
備えることにより、各温度領域での温度勾配を最適に調
整し、欠陥の発生を抑制し得る単結晶引き上げ装置及び
これを使用した単結晶引き上げ方法を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
溶融された結晶用原料に種結晶を接触させ、これを引き
上げることにより単結晶を成長させる単結晶引き上げ装
置において、引き上げ途中の単結晶が溶融原料から受け
る輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体と、該熱遮蔽体を単結晶の
成長軸方向に移動させる手段とを備えることを特徴とす
る。
【0017】これにより溶融原料から中温域,低温域に
ある単結晶への輻射熱を遮蔽する一方、最高温域の温度
勾配を小さくすることによって単結晶を徐冷し、リング
OSF部等の欠陥が単結晶の内部へ移行することを抑制
することができる。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記熱遮蔽体は、単結晶の直径より大きい内径を有
する円筒状をなすことを特徴とする。
【0019】これにより単結晶の周方向において均一に
冷却することができる。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
おいて、前記熱遮蔽体を冷却するための手段を備えるこ
とを特徴とする。
【0021】熱遮蔽体を冷却することにより、熱遮蔽体
の近くにある単結晶に対する冷却効果が高まる。そして
所望する部分を冷却することにより、この部分の温度勾
配が大きくなり、徐冷により生成,成長する欠陥を抑制
することが可能である。また最高温域(融点〜1200℃)
の急冷により引き上げ速度が大きくなるため、引き上げ
終了までの時間を短縮することができる。
【0022】請求項4記載の発明は、引き上げ中の特定
部分が最高温域(融点〜1200℃)にある間、引き上げ方
向の上方へ請求項1,2,又は3記載の単結晶引き上げ
装置の熱遮蔽体を移動させ、その後、元の位置へ戻すこ
とを特徴とする。
【0023】上述したように、リングOSF部が形成さ
れる径方向の位置は、最高温域での熱履歴の影響を強く
受ける。最高温域での引き上げ速度が同じであれば、温
度勾配が小さい程、リングOSF部は外側へ移動する。
また温度勾配が同じであれば、引き上げ速度が高い程、
リングOSF部は外側へ移動する。このように最高温域
の温度勾配と引き上げ速度で決定されるといえる。そこ
で本発明では、熱遮蔽体と融液表面との距離を変えるこ
とにより、温度勾配を変更する。特にリングOSF部が
内側へ入り込み易い部分を引き上げているときは、熱遮
蔽体を融液から遠ざけて、その部分により多くの輻射熱
が当たるようにする。これによりこの部分の最高温域で
の温度勾配が小さくなり、リングOSF部が外側へ移動
する。この状態を持続して単結晶全体における最高温域
の温度勾配を小さくすると、引き上げ終了までに長い時
間を要することになり、生産性を悪化させる。そこで温
度勾配を小さくしなくてもリングOSF部が内側へ入り
込み難い部分を引き上げているときは、熱遮蔽体を下げ
る(元の位置へ戻す)。このような方法によれば生産性
を殆ど悪化させることなく、リングOSF部が内側へ入
り込むことを防止することができる。
【0024】請求項5記載の発明は、引き上げ中の特定
部分が、請求項3記載の単結晶引き上げ装置の熱遮蔽体
の近傍にある間、該熱遮蔽体の冷却能を低くすることを
特徴とする。
【0025】請求項6記載の発明は、引き上げ中の特定
部分が所定の温域にある間、その特定部分近傍に請求項
3記載の単結晶引き上げ装置の熱遮蔽体を位置させ、該
熱遮蔽体の冷却能を高くすることを特徴とする。
【0026】また単結晶の引き上げ位置により冷却能を
変化させることにより、熱遮蔽体を移動させなくても温
度勾配を調整することができる。もちろんこれらを併用
してもよい。
【0027】上述した方法の他、本発明装置では、引き
上げ単結晶の中温域まで熱遮蔽体をさらに上昇させ、適
宜位置を急冷することができる。これにより中温域の徐
冷で生成,成長が促進されるOSF核を低減することが
できる。また本発明装置では、引き上げ単結晶の低温域
まで熱遮蔽体をさらに上昇させ、適宜位置を急冷するこ
とができる。これにより低温域の徐冷で生成,成長が促
進される低温核形成酸素析出物を低減することができ
る。以上より、本発明装置では、高温,中温,低温のい
ずれの温度領域をも急冷が可能であり、しかも最高温域
の温度勾配を小さくすることが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に
係る結晶引き上げ装置(以下、本発明装置という)を示
す模式的縦断面図である。図中1は円筒形状の真空容器
であるメインチャンバであり、メインチャンバ1の上に
は同心小径のプルチャンバ2が連設されている。メイン
チャンバ1内中央には、有底円筒形状をなす石英製の内
層容器3aとこの内層容器3aの外側に嵌合されたグラファ
イト製の外層保持容器3bとから構成された坩堝3が配設
されている。坩堝3は、図示しない昇降・回転機構に接
続された支持軸10に連結されて支持されており、昇降お
よび回転が可能なようになっている。坩堝3の外側に
は、坩堝3と同心円筒状であるメインヒータ5a,サブヒ
ータ5bが上下2段に配設され、さらにその外側には保温
筒11が周設されている。またプルチャンバ2内中央に
は、支持軸10と同一軸心で支持軸10と同方向,逆方向の
回転、及び昇降が可能な引き上げ軸(ワイヤ)12が垂設
されている。引き上げ軸12の先端にはシードチャックが
取り付けられており、このシードチャックにて単結晶8
を成長せしめるための種結晶13を脱着するようになして
ある。
【0029】以上は従来と同様の構成であり、本発明装
置はこの構成に加えて、溶融層7からの熱を遮蔽するた
めの円筒状をなす熱遮蔽体20が、単結晶8を囲うように
設けられている。メインチャンバ1の上壁の径方向に対
向する2箇所に、図2に示す如く、鉛直方向に貫通され
たベアリング軸受孔を有する螺子棒支持部材30が固定さ
れており、各螺子棒支持部材30はベアリング軸受孔に貫
挿された螺子棒21を回動自在に垂下支持している。螺子
棒21の上端にはプルチャンバ2の側壁に固定されたモー
タ31の回転軸が連結されており、正,逆両方向に回転可
能になっている。熱遮蔽体20は、単結晶8を所定距離を
隔てて囲うように螺子棒21の下端に取り付けられてお
り、螺子棒21の回転によって単結晶8に対し上下動可能
である。
【0030】図3は熱遮蔽体20を示す拡大横断面図であ
る。図4,5は、夫々図3のIV−IV線,V−V線におけ
る縦断面図である。熱遮蔽体20は、熱伝導性が良好な金
属(例えば高融点金属であるモリブデン)又はカーボン
からなり、その内部には冷媒流路29が形成されている。
冷媒流路29は、その数ヶ所(図3では4ヶ所)において
熱遮蔽体20の外周面への開口部29a を有する。開口部29
a には、冷媒輸送パイプ27を連結するためのパイプ連結
部材23を備え、開口部29a と冷媒輸送パイプ27とは、パ
イプ連結部材23の内部に形成された冷媒流路23a にて連
通されている。冷媒輸送パイプ27の上端にはフレキシブ
ルチューブ28が取り付けてあり、熱遮蔽体20の上下動に
応じて伸縮可能になしてある。装置外部からフレキシブ
ルチューブ28,冷媒輸送パイプ27,冷媒流路23a を介し
て供給されたN2 ガス,冷却水等の冷媒は、冷媒流路29
を循環して熱遮蔽体20を冷却し、冷媒流路23a ,冷媒輸
送パイプ27,フレキシブルチューブ28を経て排出され
る。
【0031】熱遮蔽体20の外周面の、径方向に対向する
2ヶ所には熱遮蔽体支持部材22を備える。熱遮蔽体支持
部材22は、その上面には螺子棒21の下端部を枢動可能に
保持する保持穴を有し、この保持穴の間隔は2本の螺子
棒21の間隔と等しい。モータ31にて螺子棒21を時計回り
に回転させると熱遮蔽体20が上方へ移動し、反時計回り
に回転させると熱遮蔽体20が下方へ移動する。
【0032】図6に示す如く、カーボン等の断熱部材25
で熱遮蔽体20を被覆してもよい。この場合は、熱遮蔽効
果が向上する。
【0033】結晶引き上げ装置の仕様の例は以下のとお
りであり、単結晶成長を行う場合について説明する。 坩堝(内層容器) 直径16インチ,高さ14インチ メインヒータ 直径 550mm,高さ 150mm,発熱長90mm サブヒータ 直径 550mm, 高さ 150mm,発熱長90mm 熱遮蔽体 直径 220mm,高さ 70mm,厚み 20mm
【0034】まず坩堝3に結晶用原料として多結晶シリ
コン65kgを充填し、ドーパント(n型)として、リンが
溶け込んだシリコン 0.6gを添加する。そしてチャンバ
内を10TorrのAr雰囲気にし、メインヒータ5a,サブヒ
ータ5bの出力を50kWとして、坩堝3を1rpm で反時計回
りに回転させながら結晶用原料を溶融する。その後、メ
インヒータ5aの出力を70kWとしサブヒータ5bの出力を0
kWとして坩堝3の底部に固体層6を形成する。そして引
き上げ軸12の先端に取り付けた種結晶13の下端を溶融層
7に浸漬し、10rpm で時計回りに回転させながら上方へ
引き上げる(0.8mm/min)。このように単結晶8の引き上
げに従いヒータパワーを調整し固体層6の溶出量を制御
して、溶融層7の不純物濃度を一定に保ちながら、単結
晶8の直径が 154mmに維持されるメインヒータ5aのパワ
ーを調整しながら溶融原料を順次凝固させて長さ1000mm
の単結晶8を成長させる。
【0035】本発明装置において、リングOSF部の位
置を一定の径に制御するために、所定位置の最高温域に
おける温度勾配を変更して単結晶を引き上げる具体的な
方法について説明する。 《例1》引き上げ初期は、熱遮蔽体20の下端を溶融層7
の表面から15mmの位置に配置する。その結果、固液界面
直上の温度勾配は、従来の 2.7℃/mmから 4.2℃/mmへ
と大きくなる。引き上げの進行に伴い、単結晶8が 100
mmまで成長した時点で、熱遮蔽体20を20mm上昇させる。
その結果、固液界面直上の温度勾配は、 3.4℃/mmとな
る。さらに単結晶8が 200mmまで成長した時点で、熱遮
蔽体20を20mm下降させる。その結果、固液界面直上の温
度勾配は、 4.2℃/mmとなる。この例では冷媒は引き上
げの最初から最後まで流さない。
【0036】本発明装置では、引き上げ途中にある単結
晶8が、その下方にある溶融層7から受ける熱を熱遮蔽
体20によって遮蔽することができる。これにより従来は
固液界面から80mm程度である最高温域(1412(融点)〜
1200℃)が40mm程度になり、中温域,低温域の位置が下
降する。従って引き上げ終了までの時間が短縮され生産
性が向上する。また通常、リングOSF部が内側へ移行
し易い、単結晶8のボディ上端から 100mmの位置近傍を
引き上げているときには、熱遮蔽体20を上方へ移動させ
融液(溶融層7)からの熱を最高温部へ当てている。こ
れにより温度勾配が 4.2℃/mmから 3.4℃/mmへと小さ
くなり、リングOSF部の内側への移行が抑制される。
更に、単結晶8が 200mmまで成長した時点で熱遮蔽体20
を下方へ移動させて温度勾配を元の状態に戻すことがで
きる。
【0037】《例2》一定流量の冷媒を流し、引き上げ
に伴って熱遮蔽体20を移動させてもよい。例えば、引き
上げ初期は、熱遮蔽体20の下端を溶融層7の表面から15
mmの位置に配置し、冷媒を流量40リットル/分で供給す
る。その結果、固液界面直上の温度勾配は、 4.8℃/mm
となる。引き上げの進行に伴い、単結晶8が 100mmまで
成長した時点で、熱遮蔽体20を20mm上昇させるが、冷媒
の流量は変更しない。その結果、固液界面直上の温度勾
配は、 3.8℃/mmとなる。さらに単結晶8が 200mmまで
成長した時点で、冷媒の流量を変更せずに熱遮蔽体20を
20mm下降させる。その結果、固液界面直上の温度勾配
は、 4.8℃/mmとなる。
【0038】《例3》熱遮蔽体20の位置を固定して冷媒
の流量を変更するのみでもい。例えば熱遮蔽体20の下端
を固液界面から15mmの位置に配置する。そして、成長軸
方向において一般にOSFの発生数が多い部位が熱遮蔽
体20の内側を通過するときには、冷媒の供給を停止して
熱遮蔽体20の温度を上昇させる。これにより単結晶8の
最高温域における温度勾配が小さくなりOSFの多発領
域(リングOSF部)を外周側に押しやることができ
る。
【0039】《例4》熱遮蔽体20の配置及び冷媒の流量
を変化させてもよい。引き上げ初期は熱遮蔽体20の下端
を融液表面から15mm上方に設定し、冷媒を流量40リット
ル/分で供給する。その結果、固液界面直上の温度勾配
は、 4.8℃/mmとなる。通常、リングOSF部が内側へ
入り込む、引き上げ長が 100mmのところで、熱遮蔽体20
を10mm上昇させ、冷媒の供給を停止する。その結果、固
液界面直上の温度勾配は、 3.8℃/mmとなる。さらに引
き上げ長が 200mmまで達した時点で、熱遮蔽体20の位置
と冷媒の流量とを元に戻す。これによりリングOSF部
の形成位置を一定の位置に制御することができる。
【0040】上述の例では、ボディ上端から 100mmの位
置近傍におけるリングOSF部の形成位置を制御する場
合について述べたが、他の部位を同様に制御することに
より、リングOSF部の径を一定に維持することができ
る。
【0041】次に、中温域,低温域における冷却速度を
高めることにより、OSF核,低温酸素析出核の生成,
成長を抑制する具体的な方法について述べる。 《例5》冷媒の流量を一定(又は供給せず)とし、引き
上げに伴って熱遮蔽体20を連続的に移動させてもよい。
例えば単結晶8の引き上げ速度と同じ速度で熱遮蔽体20
を上昇させる。単結晶8のボディ上端から 100mmの位置
においてOSFの発生数が多い場合、最初は熱遮蔽体20
を固定しておき、その後、単結晶8(ボディ)が約 200
mm引き上がったところで熱遮蔽体20を引き上げ速度と同
じ速度で上昇させる。これによりボディ 100〜 200mmの
位置に熱遮蔽体20が固定され、この部分が周囲から受け
る熱を遮断することができる。従って従来よりも中温部
が急冷され、OSF核の生成が抑制される。
【0042】《例6》引き上げ軸方向の融液表面から 2
00mmの中温域に熱遮蔽体20を設定し、この温域を通過す
る単結晶領域を急冷することができる。前述した如く、
OSFの発生核は引き上げ時の中温域(1050〜 800℃)
で成長し、この温度領域が徐冷である程、OSFの核と
なる酸素析出物が生成及び成長する。従ってOSFが多
い単結晶となる。そこでこのように中温域に熱遮蔽体20
を配置し、この中温域を急冷することにより、OSFの
発生を抑制することができる。
【0043】《例7》さらに低温域に熱遮蔽体20を設定
し、この温域を通過する単結晶領域を急冷することもで
きる。引き上げ時の低温域における徐冷は、酸素の析出
を促進し、酸素の析出核を形成され易くする。従ってこ
のように低温域に熱遮蔽体20を配置し、この低温域を急
冷することにより、低温酸素析出核の形成を抑制するこ
とができる。
【0044】図7は従来装置と、本発明装置とで引き上
げた単結晶におけるリングOSF部の発生状態を示す縦
断面図である。なお冷媒の供給も行っている。図7より
明らかな如く、従来方法による単結晶では、リングOS
F部が内部側へ進入しているが、本発明による単結晶で
はリングOSF部が外周側のみに形成されている。
【0045】このように熱遮蔽体20の位置を変更し、さ
らには冷媒の流量を調整することにより、単結晶8の適
当な位置の温度勾配を制御し、所望するプロファイルを
得ることができる。従ってOSF核の多発領域が単結晶
8の内部へ進入することが抑制され、OSFが少ない高
品質のシリコンウェーハの製造につながる。なお図1で
は、固体層6と溶融層7とを共存させて単結晶8を引き
上げるDLCZ法を実施している状態を示しているが、
通常のCZ法に適用可能であることはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明は、単結晶の成長軸
方向に移動可能な熱遮蔽体を備えることにより、引き上
げ途中に熱遮蔽体を移動させて所定温度領域での温度勾
配を最適に調整し、欠陥の発生を抑制し得る等、本発明
は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶引き上げ装置を示す模式的
縦断面図である。
【図2】図1に示す熱遮蔽体の移動機構の模式図であ
る。
【図3】図1に示す熱遮蔽体の拡大横断面図である。
【図4】図3のIV−IV線における縦断面図である。
【図5】図3のV−V線における縦断面図である。
【図6】断熱部材で被覆した熱遮蔽体を示す縦断面図で
ある。
【図7】従来装置と、本発明装置とで引き上げた単結晶
におけるリングOSF部の発生状態を示す縦断面図であ
る。
【図8】CZ法に使用される従来の単結晶引き上げ装置
を示す模式的縦断面図である。
【図9】溶融層法に使用される従来の単結晶引き上げ装
置を示す模式的縦断面図である。
【図10】DLCZ法に使用される従来の単結晶引き上
げ装置を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
3 坩堝 5a メインヒータ 5b サブヒータ 6 固体層 7 溶融層 8 単結晶 12 引き上げ軸 13 種結晶 20 熱遮蔽体 25 断熱部材 29 冷媒流路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融された結晶用原料に種結晶を接触さ
    せ、これを引き上げることにより単結晶を成長させる単
    結晶引き上げ装置において、引き上げ途中の単結晶が溶
    融原料から受ける輻射熱を遮蔽する熱遮蔽体と、該熱遮
    蔽体を単結晶の成長軸方向に移動させる手段とを備える
    ことを特徴とする単結晶引き上げ装置。
  2. 【請求項2】 前記熱遮蔽体は、単結晶の直径より大き
    い内径を有する円筒状をなすことを特徴とする請求項1
    記載の単結晶引き上げ装置。
  3. 【請求項3】 前記熱遮蔽体を冷却するための手段を備
    えることを特徴とする請求項1又は2記載の単結晶引き
    上げ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,又は3記載の単結晶引き
    上げ装置を使用して単結晶を引き上げ成長させる方法に
    おいて、引き上げ中の特定部分が最高温域(融点〜1200
    ℃)にある間、引き上げ方向の上方へ前記熱遮蔽体を移
    動させ、その後、元の位置へ戻すことを特徴とする単結
    晶引き上げ方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の単結晶引き上げ装置を使
    用して単結晶を引き上げ成長させる方法において、引き
    上げ中の特定部分が前記熱遮蔽体の近傍にある間、該熱
    遮蔽体の冷却能を低くすることを特徴とする単結晶引き
    上げ方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の単結晶引き上げ装置を使
    用して単結晶を引き上げ成長させる方法において、引き
    上げ中の特定部分が所定の温域にある間、その特定部分
    近傍に前記熱遮蔽体を位置させ、該熱遮蔽体の冷却能を
    高くすることを特徴とする単結晶引き上げ方法。
JP6497596A 1996-03-21 1996-03-21 単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法 Pending JPH09255480A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6497596A JPH09255480A (ja) 1996-03-21 1996-03-21 単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6497596A JPH09255480A (ja) 1996-03-21 1996-03-21 単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09255480A true JPH09255480A (ja) 1997-09-30

Family

ID=13273568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6497596A Pending JPH09255480A (ja) 1996-03-21 1996-03-21 単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09255480A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999037833A1 (fr) * 1998-01-22 1999-07-29 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Appareil de tirage de cristal unique
JP2007182373A (ja) * 2005-12-30 2007-07-19 Siltron Inc 高品質シリコン単結晶の製造方法及びこれを用いて製造されたシリコン単結晶ウェーハ
JP2009242237A (ja) * 1999-05-11 2009-10-22 Sumco Techxiv株式会社 単結晶インゴット製造装置及び方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999037833A1 (fr) * 1998-01-22 1999-07-29 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Appareil de tirage de cristal unique
US6338757B1 (en) 1998-01-22 2002-01-15 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Single crystal pull-up apparatus
JP2009242237A (ja) * 1999-05-11 2009-10-22 Sumco Techxiv株式会社 単結晶インゴット製造装置及び方法
JP2007182373A (ja) * 2005-12-30 2007-07-19 Siltron Inc 高品質シリコン単結晶の製造方法及びこれを用いて製造されたシリコン単結晶ウェーハ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100710700B1 (ko) 실리콘 단결정의 제조 방법, 단결정 잉곳 제조 장치 및실리콘 단결정 웨이퍼의 열처리 방법
KR20180101586A (ko) 실리콘 단결정의 제조 방법
CN114318500A (zh) 一种用于拉制单晶硅棒的拉晶炉、方法及单晶硅棒
EP2045372A2 (en) Method for growing silicon ingot
KR20010101156A (ko) 실리콘 단결정 웨이퍼 및 그 제조방법
KR100331552B1 (ko) 잉곳-용융물 경계의 중앙 및 가장자리에서의 온도구배의 조절에 의한 단결정 실리콘 잉곳의 제조를 위한 초크랄스키 풀러, 상기 초크랄스키 풀러용 열차단체 및 상기 초크랄스키 풀러의 개량방법.
US7582159B2 (en) Method for producing a single crystal
WO2023051616A1 (zh) 一种用于拉制单晶硅棒的拉晶炉
JPH07267776A (ja) 結晶成長方法
JPH09255480A (ja) 単結晶引き上げ装置及び単結晶引き上げ方法
JP4013324B2 (ja) 単結晶成長方法
WO1999037833A1 (fr) Appareil de tirage de cristal unique
JP2007210820A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2011105526A (ja) シリコン単結晶の育成方法
JPH08333189A (ja) 結晶引き上げ装置
JP2007284323A (ja) 半導体単結晶の製造装置及び製造方法
JP4315502B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP3079991B2 (ja) 単結晶の製造装置および製造方法
JP3724535B2 (ja) 高品質シリコン単結晶
JP3564740B2 (ja) 結晶成長装置
JPH0782084A (ja) 単結晶成長方法及び単結晶成長装置
KR100468117B1 (ko) 고품질 실리콘 단결정의 제조방법
JPH11199383A (ja) 結晶育成方法
JPH06340493A (ja) 単結晶育成装置および育成方法
JPH11106292A (ja) 半導体単結晶の製造方法