JPH09254626A - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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Publication number
JPH09254626A
JPH09254626A JP9015496A JP9015496A JPH09254626A JP H09254626 A JPH09254626 A JP H09254626A JP 9015496 A JP9015496 A JP 9015496A JP 9015496 A JP9015496 A JP 9015496A JP H09254626 A JPH09254626 A JP H09254626A
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JP
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current
duty ratio
valve
passage
solenoid
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JP9015496A
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English (en)
Inventor
Osayuki Ichimaru
修之 一丸
Hiroshi Sakai
博史 酒井
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソレノイドの抵抗値やバッテリ電圧のばらつ
きにかかわらず良好なサスペンション制御を果たすこと
ができるサスペンション制御装置を提供する。 【解決手段】 デューティ比を変えてPWM信号をトラ
ンジスタ206 に出力しその時の通電電流Iを計測してあ
らかじめデューティ比−電流マップを求めておき、車両
走行時に、加速度センサ201 からの加速度信号Aに基づ
いて車体の制振に必要な減衰力を発生するために必要な
要求電流を求め、この要求電流をアドレスとして、デュ
ーティ比−電流マップからPWM信号デューティ比を選
定し、選定したデューティ比のPWM信号をトランジス
タ206 に供給する。デューティ比−電流マップのデュー
ティ比は、実測して得られたものであり、このデューテ
ィ比を有するPWM信号を出力することにより、ソレノ
イド38の抵抗値やバッテリ203の電圧のばらつきが
あっても、精度高い減衰力調整を行え、ひいては乗り心
地、操縦安定性の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に用いられる
サスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】サスペンション制御装置の一例として、
特願平7−135854号に示す装置がある。この装置
は、ソレノイド及び該ソレノイドへの通電電流に比例し
て変位する可動体を有し該可動体の変位に応じて油液の
通過量を調整する比例ソレノイドバルブと、車体と車輪
との間に伸縮自在に介装され比例ソレノイドバルブの作
動に応じて伸縮するサスペンション本体とを備え、PW
M信号を用いてソレノイドへの通電電流を調整し、これ
により比例ソレノイドバルブに設けたプランジャの位置
を所望の減衰力が得られる位置に設定するようにしてい
る。また、この場合、PWM信号のデューティ比を変え
ることによりソレノイドへの通電電流にディザ成分を含
めて前記プランジャを微振動(ディザ)させ、プランジ
ャの変位を容易に行えるようにしてサスペンション制御
の良好な応答性を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した特願平7−1
35854号に示される従来技術では、バッテリ電圧
や、比例ソレノイドバルブのソレノイドの抵抗値が一定
であるとして、ソレノイドへの通電量を定めている。こ
のため、バッテリ電圧のばらつきや、比例ソレノイドバ
ルブのソレノイドの抵抗値のばらつきにより、ソレノイ
ドに供給されるべき電流(指令電流)と該ソレノイドに
実際に流れる通電電流(実電流)に差が生じ、得られる
減衰力あるいは車高値が所望値からずれてしまうことが
起こり得た。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、バッテリ電圧やソレノイド抵抗値のばらつきにかか
わらず良好なサスペンション制御を果たすことができる
サスペンション制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ソレノイド及
び該ソレノイドへの通電電流に比例して変位する可動体
を有し該可動体の変位に応じて流体の通過量を調整する
アクチュエータと、該アクチュエータに通電する通電回
路と、車体と車軸との間に伸縮自在に介装され前記アク
チュエータの作動に応じて減衰力の大きさまたは伸縮量
を調整するショックアブソーバとを備え、前記通電回路
は、前記ソレノイドに接続された電源と、PWM信号を
出力するデューティ比可変のPWM信号発生回路と、前
記ソレノイド及び前記電源を含む閉回路中に介装され、
前記PWM信号のレベルに応じて開閉するスイッチング
手段と、前記PWM信号発生回路に接続され、あらかじ
め前記PWM信号のデューティ比を順次変化させて前記
ソレノイドに流れる電流を求めることによりデューティ
比−電流値の対応情報を得ておき、車両の走行時に前記
対応情報に基づいて前記PWM信号のデューティ比を設
定させる制御手段とから構成したことを特徴とする。
【0006】このように構成したことにより、例えば車
両走行に先立って、あらかじめPWM信号のデューティ
比を順次変化させてソレノイドに流れる電流を求めるこ
とによりデューティ比−電流値の対応情報を得ておき、
車両走行時に、加速度センサ等からの信号に基づいて所
望の減衰力または車高値を得るのに必要な電流を求め、
この電流に対応するPWM信号デューティ比を前記デュ
ーティ比−電流値の対応情報から選定し、このPWM信
号に基づいてスイッチング手段を制御する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施の形態のサスペンショ
ン制御装置を図1ないし図9に基づいて説明する。
【0008】図1に示すように、ショックアブソーバ1
は、油液が封入されたシリンダ2内にピストン3が摺動
可能に嵌装されたものになっている。シリンダ2内は、
ピストン3によってシリンダ上室2aとシリンダ下室2bの
2室に画成されている。ピストン3には、ピストンロッ
ド4の一端が連結されており、ピストンロッド4の他端
は、シリンダ2の端部に設けられたロッドガイドおよび
シール部材(図示せず)に挿通されてシリンダ2の外部
まで延ばされている。ピストンロッド4の他端が図示し
ない車体に固定され、またシリンダ2が図示しない車軸
に固定されており、ショックアブソーバ1は車体と車軸
との間に介装されている。ショックアブソーバ1は、車
両の4輪に対応して4本、設けられているが、便宜上、
1本のみを図示している。
【0009】ピストン3には、シリンダ上室2aとシリン
ダ下室2bとを連通させる伸び側通路5および縮み側通路
6が設けられている。伸び側通路5には、シリンダ上室
2a内が所定圧力を越えたときシリンダ上室2a側からシリ
ンダ下室2b側への油液の流通を許容して減衰力を発生さ
せるディスクバルブ等の調圧弁7が設けられており、ま
た、縮み側通路6には、シリンダ下室2b内が所定圧力を
越えたときシリンダ下室2b側からシリンダ上室2a側への
油液の流通を許容して減衰力を発生させるディスクバル
ブ等の調圧弁8が設けられている。
【0010】シリンダ2の外部にシリンダ上室2aとシリ
ンダ下室2bとを連通させる連通路9が設けられている。
連通路9には、シリンダ上室2a側からシリンダ下室2b側
への油液の流通のみを阻止する逆止弁10およびシリンダ
下室2b側からシリンダ上室2a側への油液の流通のみを阻
止する逆止弁11が設けられている。そして、連通路9に
は、逆止弁10をバイパスする伸び側連通路12と、逆止弁
11をバイパスする縮み側連通路13が設けられている。ま
た、連通路9には、ピストンロッド4の伸縮にともなう
シリンダ2内の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補
償するリザーバ(アキュムレータ)14が接続されてい
る。
【0011】伸び側連通路12には、その通路面積を調整
するポペット弁15が設けられている。ポペット弁15は、
ガイド16内に弁体であるポペット17が摺動可能に嵌装さ
れており、ポペット17の移動によって伸び側通路12の通
路面積を調整するようになっている。ポペット17は、伸
び側連通路12内の上流側(シリンダ上室2a側)の圧力を
受けて開弁方向に移動するようになっている。また、ガ
イド16内のポペット17の背面側には、背圧室18が設けら
れている。背圧室18内には、ポペット17を閉弁方向に付
勢するばね19が設けられている。
【0012】同様に、縮み側連通路13には、その通路面
積を調整するポペット弁24が設けられている。ポペット
弁24は、ガイド25内に弁体であるポペット26が摺動可能
に嵌装されており、ポペット26の移動によって縮み側通
路13の通路面積を調整するようになっている。ポペット
26は、縮み側連通路13の上流側(シリンダ下室2b側)の
圧力を受けて開弁方向に移動するようになっている。ま
た、ガイド25内のポペット26の背面側には、背圧室27が
設けられている。背圧室27内には、ポペット26を閉弁方
向に付勢するばね28が設けられている。
【0013】前記ポペット弁15の背圧室18及びポペット
弁24の背圧室27に接続して図2に示す電磁式比例制御弁
33が設けられている。背圧室18には電磁式比例制御弁33
のリリーフ弁35に設けた背圧通路34が連通し、背圧室27
には電磁式比例制御弁33のリリーフ弁37に設けた背圧通
路36が連通している。背圧通路34の途中の部分が、オリ
フィス21を介して連通路9に接続され、背圧通路36の途
中の部分が、オリフィス30を介して連通路9に接続され
ている。
【0014】電磁式比例制御弁33は、図2に示すよう
に、ポペット弁15に接続される背圧通路34をリリーフす
るリリーフ弁35と、ポペット弁24に接続される背圧通路
36をリリーフするリリーフ弁37と、リリーフ弁35,37を
開閉する比例ソレノイド38とから概略構成されている。
【0015】リリーフ弁35は、背圧通路36とリリーフ室
39とをニードル40によって開閉するニードル弁であり、
同様に、リリーフ弁37は、背圧通路36とリリーフ室41と
をニードル42によって開閉するニードル弁である。ニー
ドル40,42は、比例ソレノイド38のプランジャ43に連結
されたロッド44の両端部に設けられており、ロッド44を
移動させてリリーフ弁35,37のどちらか一方を閉じると
他方が開くようになっている。
【0016】比例ソレノイド38には、ロッド44をリリー
フ弁37側へ付勢するばね45が設けられている。比例ソレ
ノイド38は、通電電流に応じてプランジャ43を介してロ
ッド44をばね45の付勢力に抗してリリーフ弁35側へ移動
させる方向の力を発生するようになっている。そして、
通電電流に応じてリリーフ弁37のリリーフ圧力を調整
し、さらに、通電電流を大きくしてロッド44をリリーフ
弁35側へ移動させリリーフ弁35のリリーフ圧力を調整で
きるようになっている。
【0017】リリーフ室39とリリーフ室41は、比例ソレ
ノイド38内の通路46を介して互いに連通されており、さ
らに、リリーフ弁37に設けられたリリーフ通路47を介し
てリザーバ14側に接続されている。
【0018】前記リリーフ弁35は、比例ソレノイド38の
作動によりリリーフ圧を任意に設定できるようになって
おり、リリーフされた油液は後述するリリーフ通路47に
よって伸び側連通路12のポペット弁15の下流側へ流れる
ようになっている。また、オリフィス21によって背圧通
路20へ流れる油液を減圧してリリーフ弁35の負担が小さ
くなるようにしている。
【0019】また、リリーフ弁37は、比例ソレノイド38
の作動によりリリーフ圧を任意に設定できるようになっ
ており、リリーフされた油液はリリーフ通路47によって
縮み側通路13のポペット弁24の下流側(リザーバ14側)
へ流れるようになっている。また、オリフィス30によっ
て背圧通路36へ流れる油液を減圧してリリーフ弁37の負
担が小さくなるようにしている。
【0020】ピストンロッド4の縮み行程時には、ピス
トン3の摺動によってシリンダ下室2b側の油液が連通路
9を通ってシリンダ上室2a側へ流れ、このとき、逆止弁
10が開いて逆止弁11が閉じるので、油液が縮み側連通路
13を流れることによってポペット弁24により減衰力が発
生する。
【0021】ポペット弁24では、シリンダ下室2b側の圧
力が作用してポペット26が開弁方向に移動しようとす
る。一方、背圧室27には、背圧通路36を介してシリンダ
下室2b側の圧力が作用してポペット26を閉弁方向に移動
させようとすると共に、ばね28の付勢力がポペット26を
閉弁方向に移動させようとする。そして、背圧室27の圧
力がリリーフ弁37の設定圧を越えるとリリーフ弁37が開
き背圧通路36の油液がリリーフ通路47を通ってシリンダ
上室2a側へ流れるので、背圧室27の圧力はリリーフ弁3
7、ひいては比例ソレノイド38によって設定することが
できる。そして、ポペット26は、シリンダ下室2b側の圧
力とリリーフ弁37の設定圧およびばね28の付勢力とがバ
ランスする位置まで移動する。したがって、比例ソレノ
イド38の通電電流に応じた開度でポペット弁24が開弁し
て減衰力が決定される。
【0022】ピストンロッド4の伸び行程時には、ピス
トン3の摺動によってシリンダ上室2a側の油液が連通路
9を通ってシリンダ下室2b側へ流れ、このとき、逆止弁
10が閉じて逆止弁11が開くので、油液が伸び側連通路12
を流れることによってポペット弁15により減衰力が発生
する。
【0023】ポペット弁15では、シリンダ上室2a側の圧
力が作用してポペット17が開弁方向に移動しようとす
る。一方、背圧室18には、背圧通路34を介してシリンダ
上室2a側の圧力が作用してポペット17を閉弁方向に移動
させようとすると共に、ばね19の付勢力がポペット17を
閉弁方向に移動させようとする。そして、背圧室18の圧
力がリリーフ弁35の設定圧を越えるとリリーフ弁35が開
き背圧通路34の油液がリリーフ通路47を通ってシリンダ
下室2b側へ流れるので、背圧室18の圧力はリリーフ弁3
5、ひいては比例ソレノイド38によって設定することが
できる。そして、ポペット17は、シリンダ上室2a側の圧
力とリリーフ弁35の設定圧およびばね19の付勢力とがバ
ランスする位置まで移動する。したがって、比例ソレノ
イド38の通電電流に応じた開度でポペット弁15が開弁し
て減衰力が決定される。
【0024】上述したように比例ソレノイド38に通電し
てリリーフ弁37のリリーフ圧を調整することにより、ポ
ペット弁24の開度が調整され、縮み側の減衰力を制御す
ることができる。このとき、リリーフ弁35は開いた状態
となるのでポペット弁15の開度が大きくなり、伸び側の
減衰力が小さくなる。したがって、減衰力特性は、図4
中にで示すようになる。なお、では、縮み側の減衰
力が最大となるように比例ソレノイド38への通電電流I
を最小とした場合を示している。
【0025】さらに、比例ソレノイド38への通電電流I
を大きくしてロッド44をリリーフ弁35側へ移動させ、リ
リーフ弁35のリリーフ圧を調整することにより、ポペッ
ト弁15の開度が調整され、伸び側の減衰力を制御するこ
とができる。このとき、リリーフ弁37は開いた状態とな
るのでポペット弁24の開度が大きくなり、縮み側の減衰
力が小さくなる。したがって、減衰力特性は、図4中に
で示すようになる。なお、では、伸び側の減衰力が
最大となるように比例ソレノイド38への通電電流Iを最
大とした場合を示している。
【0026】このようにして、比例ソレノイド38への通
電電流Iを調整することにより、減衰力特性を図4中の
からの間で連続的に調整することができる。
【0027】本装置には、さらに、エンジンの回転を検
出するACG−L端子あるいはタコメータ等のエンジン
回転センサ200 、車体の上下方向の加速度を検出しこの
検出値を加速度信号Aとして出力する加速度センサ201
が設けられている。比例ソレノイド38は、図3に示すよ
うにシャント抵抗202 を介して電源203 に接続されてお
り、比例ソレノイド38、シャント抵抗202 及び電源203
により閉回路204 が形成されている。比例ソレノイド38
は電源203 からの平均電流に応じた大きさの電磁力を発
生してプランジャ43を変位させる。閉回路204 には、比
例ソレノイド38を流れる電流を検出する電流検出手段と
しての電流センサ205 、及び閉回路204のオン、オフを
行うトランジスタ(スイッチング手段)206 が介装され
ている。図3中、208 はダイオードを示す。
【0028】トランジスタ206 は例えば10KHzのP
WM信号を入力し、PWM信号のハイレベルでオンし、
ローレベルでオフするようになっており、PWM信号の
デューティ比を変えることにより比例ソレノイド38への
通電電流Iの平均値を調整すると共に、通電電流Iにデ
ィザ電流IZ を含められるようにしている。通電電流I
にディザ電流IZ を含めることにより、プランジャ43を
微振動させておき、プランジャ43の変位を容易に行え、
ひいては減衰力調整(サスペンション制御)の応答性が
優れたものになるようにしている。
【0029】PWM信号のデューティ比を変えることに
より、通電電流Iにディザ電流IZが含まれるようにな
ることについて、以下に、説明する。すなわち、例えば
図9左側部分に示すように、時間範囲a−b(例えば3
ms)、時間範囲b−c(例えば3ms)、時間範囲c
−d(例えば3ms)においてPWM信号のデューティ
比を20%、10%、20%としてPWM信号をトラン
ジスタ206 に供給すると、時間範囲a−bでは電流値は
逓増し、時間範囲b−cでは逓減し、時間範囲c−dで
は逓増することになり、通電電流Iは、要求電流I0
(要求電流I01)にディザ電流IZ が重畳された電流、
すなわち通電電流Iにディザ電流IZ が含まれることに
なる。
【0030】また、同様に、図9右側部分に示すよう
に、PWM信号のデューティ比を50%、40%と所定
時間経過毎に変更させると、通電電流Iは、要求電流I
0 (要求電流I02)にディザ電流IZ が重畳された電
流、すなわち通電電流Iにディザ電流IZ が含まれるこ
とになる。なお、この場合、トランジスタ206 のオン時
間が長くなることに伴い、要求電流分、ひいては通電電
流Iの大きさが大きくなる。図9中、時間範囲a−bに
おいてPWM信号のハイ、ローレベルが多数回、トラン
ジスタ206 に入力されることにより、時間範囲a−bで
通電電流Iは増減を繰り返しつつ逓増するが、図9で
は、便宜上、一様に逓増するように記載した。このこと
は時間範囲b−cを含む他の時間範囲についても同様で
ある。
【0031】上述したように、PWM信号のデューティ
比を変えることにより、通電電流Iにディザ電流IZ
含まれると共に、PWM信号のデューティ比に応じた大
きさの電流が比例ソレノイド38に通電されることにな
る。
【0032】本装置には、さらに、トランジスタ206 、
電流センサ205 、比例ソレノイド38、エンジン回転セン
サ200 、加速度センサ201 に接続してコントローラ(制
御手段)207 が設けられている。コントローラ207 は後
述する処理を行うことによりPWM信号発生回路を兼ね
たものになっている。また、本実施の形態では、電源20
3 、トランジスタ206 及びコントローラ207 から通電回
路が構成されている。
【0033】コントローラ207 の演算処理内容につい
て、図5に基づいて説明する。コントローラ207 に主電
源が接続されて、コントローラ207 の制御ソフトウェア
の実行が始まり(ステップS1)、次のステップS2で初期
設定(イニシャライズ)を行う。この初期設定処理にお
いて、マップ作成済フラグはセットされず「0」とさ
れ、またPWMデューティ比は「0」(0%)が設定さ
れる。続いて、制御周期Tms経過したか否かを判定す
る(ステップS3)。ステップS3でNOと判定すると、再
度、制御周期Tms経過したか否かの判定を行う。ステ
ップS3でYES と判定すると、マップ作成済フラグが
「1」である(セットされている)か否かを判定する
(ステップS4)。ステップS4でNOと判定するとデューテ
ィ比−電流マップ作成サブルーチンを実行する(ステッ
プS5)。
【0034】ステップS4でYES と判定すると、後述する
ステップS10 で求められるデューティ比を有するPWM
信号をトランジスタ206 に出力して比例ソレノイドを駆
動する(ステップS6)。ステップS6に続いて、LED等
のその他の部材に信号を出力して各部材を制御する(ス
テップS7)。
【0035】次に、加速度センサ201 を含む各センサ信
号を入力する(ステップS8)。ステップS8に続いて、加
速度センサ201 からの加速度信号に基づいて車体の制振
に必要な減衰力を求めると共に、減衰力を発生するため
に必要な電流(通電電流I)を求める(ステップS9)。
【0036】このステップS9には、図8に示す処理を含
んでいる。すなわち、加速度センサ201 からの加速度信
号Aをブロックで積分して車体の上下方向の速度Vを
算出し、ブロックでこの速度VにゲインKを乗じて目
標減衰力Fを算出する。そして、ブロックで目標減衰
力Fに対応する比例ソレノイド38への要求電流I0 を算
出する。
【0037】ステップS9に続いて、ステップS5であらか
じめ求められたデューティ比−電流マップに対して、ス
テップS9で求めた通電電流Iをアドレスとして、PWM
信号デューティ比を選定する(ステップS10 )。
【0038】前記デューティ比−電流マップ作成サブル
ーチンを図6に基づいて説明する。まず、エンジン回転
センサ200 の検出信号に基づいてエンジンラン(エンジ
ン回転時)であるか否か判定する(ステップS21 )。ス
テップS21 でNOと判定されると、メインルーチンに戻っ
て処理が行われる。ステップS21 でYES と判定すると、
トランジスタ206 にPWM信号を出力する(ステップS2
2 )。この場合、後述するステップS24 で決められたデ
ューティ比を有するPWM信号が出力される。なお、初
回はデューティ比が0%のPWM信号が出力される。
【0039】続くステップS23 で、比例ソレノイドに通
電される電流を電流センサ205 が検出し、この検出デー
タに対してA/D変換を実行し得られる実電流値をデュ
ーティ比に対応させて、図示しない記憶部に格納する。
この場合、実電流値を指定することにより対応するデュ
ーティ比を読み出しし得るようにしておく。そして、次
のステップS24 で、デューティ比を「1」インクリメン
トし、続いてステップS25 でデューティ比が100%よ
り大きいか否かを判定する。
【0040】ステップS25 でYES (デューティ比が10
0%より大きい)と判定すると、マップ作成済フラグを
セット(「1」と)する(ステップS26 )。ステップS2
6 の処理(マップ作成済フラグが1とされる。)後、メ
インサブルーチンに戻ることにより、ステップS4(マッ
プ作成済フラグ=1?)でYES と判定し、ステップS6な
どの処理を行い、比例ソレノイド38を駆動することにな
る。
【0041】また、ステップS25 でNOと判定すると、処
理をメインルーチンに戻って行い、デューティ比が10
0%に達するまで、1%毎にデューティ比−電流値を求
め、これにより例えば図7実線A1 に示されるようなデ
ューティ比−電流マップを得るようにしている。なお、
他の電磁式比例制御弁を対象にして上述した計測をする
ことにより、例えば実線A2 、実線A3 に示すような、
電磁式比例制御弁の特性に応じたデューティ比−電流マ
ップを得ることができる。
【0042】以上のように構成したサスペンション制御
装置の作用について説明する。まず、非走行時における
エンジン回転時(エンジンラン)に、前記ステップS22
〜ステップS26 の処理を行い、デューティ比が0〜10
0%のPWM信号とそのデューティ比のPWM信号を出
力した際に電流センサ205 が検出する電流(比例ソレノ
イドの通電電流I)との対応データ(図7実線A1 )を
求め、このデューティ比−電流値対応データ(マップ)
を記憶部に格納しておく。
【0043】そして、車両が走行しているような場合、
加速度センサ201 からの加速度信号に基づいて車体の制
振に必要な減衰力を求めると共に、減衰力を発生するた
めに必要な電流(要求電流I0 )を求める(ステップS
9)。この要求電流I0 をアドレスとして、前記デュー
ティ比−電流マップからPWM信号デューティ比を選定
し、選定したデューティ比のPWM信号をトランジスタ
206 に供給する。
【0044】この場合、PWM信号のデューティ比は、
比例ソレノイド38に電流供給してこの比例ソレノイド38
への通電電流Iと対応させて求められており、比例ソレ
ノイド38の抵抗値のばらつき及びバッテリ電圧のばらつ
き等が含まれたものになっている。このため、車毎のば
らつきを修正することができ精度の高い減衰力調整(サ
スペンション制御)を行うことができ、ひいては乗り心
地、操縦安定性の向上を図ることが可能となる。また、
デューティ比−電流マップは、デューティ比を1%毎に
変えて比例ソレノイド38に流れる電流を計測し、多数の
デューティ比−電流値対応データに基づいて得ているの
で、デューティ比−電流値の対応データが一つ、あるい
は二つのように少ないものに比して、精度高いものにな
る。なお、デューティ比を1%以下の値、例えば、0.
8%、0.6%毎に変えて電流計測を行い、精度向上を
図るようにしてもよい。
【0045】次に、本発明の他の実施の形態のサスペン
ション制御装置について図10ないし図12に基づき、
図3を参照して説明する。
【0046】このサスペンション制御装置は、図10に
示す減衰力調整式油圧緩衝器(ショックアブソーバ)48
を4輪に対応して4本、備えている。なお、便宜上、図
10には1本のみを示す。この減衰力調整式油圧緩衝器
48にもうけられる比例ソレノイド83,103 は図12のよ
うに、電源203 、トランジスタ206 、シャント抵抗202
により形成される閉回路204 中に介装されている。ま
た、本装置には、上述した図1ないし図9に示す装置の
コントローラ207 と同様に、比例ソレノイド83,103 に
それぞれ対応してデューティ比−電流値マップを求める
コントローラ(制御手段、PWM信号発生回路)207 が
設けられている。
【0047】なお、このコントローラ207 は、図8の演
算処理に代えて、図11の処理を行う。すなわち、加速
度センサ201 からの加速度信号Aをブロックで積分し
て車体の上下方向の速度Vを算出し、ブロックでこの
速度VにゲインKを乗じて目標減衰力Fを算出する。こ
こで、目標減衰力Fは、車体が上方へ移動しているとき
正の値とし、下方へ移動しているとき負の値とする。そ
して、ブロックで目標減衰力Fに対応する伸び側の比
例ソレノイド83への要求電流I1を算出し、また、ブロッ
クで目標減衰力Fに対応する縮み側の比例ソレノイド
103 への要求電流I2を算出する。このとき、ブロック
では、目標減衰力Fが正のとき目標減衰力Fに応じた電
流I1を算出し、負のとき電流I1=0とする。また、ブロ
ックでは、目標減衰力Fが負のとき目標減衰力Fに応
じた電流I2を算出し、正のとき電流I2=0とする。
【0048】ここで、減衰力調整式油圧緩衝器48の構成
を説明する。減衰力調整式油圧緩衝器48は、図10に示
すように、シリンダ49の外側に内筒50を設け、さらに、
内筒50の外側に外筒51を設けた3重筒構造になってお
り、シリンダ49と内筒50との間には環状通路52が形成さ
れ、内筒50と外筒51との間にはリザーバ室53が形成され
ている。
【0049】シリンダ49内には、ピストン54が摺動可能
に嵌装されており、このピストン54によってシリンダ49
内がシリンダ上室49a とシリンダ下室49b との2室に画
成されている。ピストン54には、ピストンロッド55の一
端がナット56によって連結されており、ピストンロッド
55の他端側は、シリンダ49の上端部に設けられたロッド
ガイド57およびシール部材58を貫通してシリンダ49の外
部まで延ばされている。シリンダ49の下端部には、ベー
スバルブ59が設けられており、このベースバルブ59を介
してシリンダ下室49b とリザーバ室53とが適度な流通抵
抗をもって連通されている。そして、シリンダ49内には
油液が封入され、リザーバ室53内には油液およびガスが
封入されており、ピストンロッド55の伸縮によるシリン
ダ49内の容積変化をリザーバ室53内のガスの圧縮、膨張
によって補償するようになっている。
【0050】ピストン54には、シリンダ上室49a とシリ
ンダ下室49b とを連通させる伸び側通路60および縮み側
通路61が設けられている。伸び側通路60には、シリンダ
上室49a 内の圧力が所定値を越えたときシリンダ上室49
a 側からシリンダ下室2b側への油液の流通を許容して減
衰力を発生させるディスクバルブ62が設けられており、
縮み側通路61には、シリンダ下室49b 内の圧力が所定値
を越えたときシリンダ下室49b 側からシリンダ上室49a
側への油液の流通を許容して減衰力を発生させるディス
クバルブ63が設けられている。
【0051】シリンダ49の下端部よりの外周には、略円
筒状の通路部材64が嵌合されており、内筒50および外筒
51の下端部が通路部材64の上端部に嵌合されている。そ
して、シリンダ49と通路部材64の間に環状通路52が延ば
されており、通路部材64の側壁を軸方向に貫通するリザ
ーバ通路65によってリザーバ室53がベースバルブ59を介
してシリンダ下室49b に連通されている。
【0052】通路部材64の側面部には、環状通路52を介
してシリンダ上室49a とシリンダ下室49b とを連通させ
る伸び側連通路を構成する伸び側減衰力調整機構66およ
び環状通路52を介してシリンダ上室49a とシリンダ下室
49b とを連通させる縮み側連通路を構成する縮み側減衰
力調整機構67が設けられている。伸び側減衰力発生機構
66は、通路部材64の側壁に有底筒状のバルブケース68の
底部が結合されており、バルブケース68の開口部に有底
筒状のプラグ69が螺着されてバルブケース68内にバルブ
室68a が形成されている。バルブケース68の底部には、
通路部材64の側壁に設けられた通路70を介してバルブ室
68a と環状通路52とを連通させるバルブ通路71およびガ
イド孔72が設けられており、環状通路52は、シリンダ49
の上端部付近の側壁に設けられた通路73によってシリン
ダ上室49a に連通されている。さらに、バルブケース68
の底部には、通路部材64の側壁に設けられた通路74およ
びシリンダ49の下端部付近の側壁に設けられた通路75を
介してシリンダ下室49b とバルブ室68a とを連通させる
連通路76が設けられている。
【0053】バルブケース68の底部の内側には、バルブ
通路71のシリンダ上室49a 側からバルブ室68a 側への油
液の流通のみを許容して減衰力を発生させる弁体として
ディスクバルブ77が設けられている。ガイド孔72には、
プランジャ78の先端側の小径部が摺動可能に嵌合され、
このプランジャ78の基端側の大径部はプラグ69に設けら
れたガイド穴79に摺動可能に嵌合されており、ガイド穴
79内に背圧室79a が形成されている。プランジャ78に
は、その軸心に沿って背圧通路80が貫通されており、背
圧通路80にはオリフィス81が設けられている。そして、
オリフィス81によって背圧通路80へ流れる油液を減圧し
て後述するリリーフ弁82の負担が小さくなるようにして
いる。
【0054】プラグ69には、背圧室79a 内の圧力をリリ
ーフするリリーフ弁82が設けられている。リリーフ弁82
は、プラグ69の開口部に比例ソレノイド83が取付けられ
てプラグ69内に形成されたリリーフ室84と背圧室79a と
を連通させる連通路85を比例ソレノイド83に連結された
ニードル86によって開閉するニードル弁である。比例ソ
レノイド83は、ニードル86を通電電流Iに応じた力で閉
弁方向に付勢してリリーフ弁82のリリーフ圧力を調整す
るようになっている。リリーフ室84は、リリーフ通路87
によってバルブ室68a に連通されている。
【0055】プランジャ78には、ディスクバルブ77の背
面側に当接する押圧部材88が連結されており、プランジ
ャ78が背圧室79a から受ける圧力によりディスクバルブ
77を閉弁方向に押圧する。
【0056】縮み側減衰力調整機構67は、通路部材64の
側壁に有底筒状のバルブケース89の底部が結合されてお
り、バルブケース89の開口部に有底筒状のプラグ90が螺
着されてバルブケース89内にバルブ室89a が形成されて
いる。バルブケース89の底部には、シリンダ49の下端部
付近の側壁に設けられた通路91および通路部材64の側壁
に設けられた通路92を介してバルブ室89a とシリンダ下
室49b とを連通させるバルブ通路93およびガイド孔94が
設けられている。さらに、バルブケース89の底部には、
通路部材64の側壁に設けられた通路95を介してバルブ室
89a を環状通路52に連通させる連通路96が設けられてい
る。
【0057】バルブケース89の底部の内側には、バルブ
通路93のシリンダ下室49b 側からバルブ室89a 側への油
液の流通のみを許容して減衰力を発生させる弁体として
ディスクバルブ97が設けられている。ガイド孔94には、
プランジャ98の先端側の小径部が摺動可能に嵌合され、
このプランジャ98の基端側の大径部はプラグ90に設けら
れたガイド穴99に摺動可能に嵌合されており、ガイド穴
99内に背圧室99a が形成されている。プランジャ98に
は、その軸心に沿って背圧通路100 が貫通されており、
背圧通路100 にはオリフィス101 が設けられている。そ
して、オリフィス101 によって背圧通路100 へ流れる油
液を減圧して後述するリリーフ弁102 の負担が小さくな
るようにしている。
【0058】プラグ90には、背圧室99a 内の圧力をリリ
ーフするリリーフ弁102 が設けられている。リリーフ弁
102 は、プラグ90の開口部に比例ソレノイド103 が取付
けられてプラグ90内に形成されたリリーフ室104 と背圧
室99a とを連通させる連通路105 を比例ソレノイド103
に連結されたニードル106 によって開閉するニードル弁
である。比例ソレノイド103 は、ニードル106 を通電電
流Iに応じた力で閉弁方向に付勢してリリーフ弁102 の
リリーフ圧力を調整するようになっている。リリーフ室
104 は、リリーフ通路107 によってバルブ室89a に連通
されている。
【0059】プランジャ98には、ディスクバルブ97の背
面側に当接する押圧部材108 が連結されており、プラン
ジャ98が背圧室99a から受ける圧力によりディスクバル
ブ97を閉弁方向に押圧する。
【0060】ピストンロッド55の伸び行程時には、ピス
トン54の摺動によってシリンダ上室49a 側の油液が通路
73、環状通路52を通り、さらに、伸び側減衰力調整機構
66の通路70、バルブ通路71、バルブ室68a 、連通路76、
通路74、通路75を通ってシリンダ下室49b 側へ流れる。
そして、シリンダ上室49a 側の油液の圧力によりディス
クバルブ77が開弁してバルブ通路71の通路面積を調整す
ることによって減衰力が発生する。このとき、ディスク
バルブ77は、押圧部材88により閉弁方向に押圧されるの
で、この押圧荷重に比例した減衰力が発生する。一方、
縮み側減衰調整機構67では、シリンダ上室49a 側の圧力
によってディスクバルブ97およびリリーフ弁102 が閉じ
るので油液が流通しない。
【0061】押圧部材88による押圧荷重は、シリンダ上
室49a 側の油液がプランジャ78の背圧通路80を介して背
圧室79a に伝わり、背圧室79a 内の油液の圧力がプラン
ジャ78の大径部の受圧面に作用することによって生じ
る。このとき、背圧室79a の圧力がリリーフ弁82の設定
圧を越えるとリリーフ弁82が開き背圧室79a の油液がリ
リーフ室84へリリーフされ、リリーフ通路87を通ってシ
リンダ下室49b 側のバルブ室68a へ流れるので、背圧室
79a の圧力はリリーフ弁82によって任意に設定すること
ができる。したがって、比例ソレノイド83への通電電流
Iを調整することによりニードル86の付勢力を調整して
リリーフ弁82のリリーフ圧力を設定することにより減衰
力を制御することができる。
【0062】ピストンロッド55の縮み行程時には、ピス
トン54の摺動によってシリンダ下室49b 側の油液が通路
91を通り、縮み側減衰力調整機構67の通路92、バルブ通
路93、バルブ室89a 、連通路96、通路95、環状通路52、
通路73を通ってシリンダ上室49a へ流れる。そして、シ
リンダ下室49b 側の油液の圧力によりディスクバルブ97
が開弁してバルブ通路93の通路面積を調整することによ
って減衰力が発生する。このとき、ディスクバルブ97
は、押圧部材108 により閉弁方向に押圧されるので、こ
の押圧荷重に比例した減衰力が発生する。一方、伸び側
減衰調整機構66では、シリンダ下室49b 側の圧力によっ
てディスクバルブ77およびリリーフ弁82が閉じるので油
液が流通しない。
【0063】押圧部材108 による押圧荷重は、シリンダ
下室49b 側の油液がプランジャ98の背圧通路100 を介し
て背圧室99a に伝わり、背圧室99a 内の油液の圧力がプ
ランジャ98の大径部の受圧面に作用することによって生
じる。このとき、背圧室99aの圧力がリリーフ弁102 の
設定圧を越えるとリリーフ弁102 が開き背圧室99a の油
液がリリーフ室104 へリリーフされ、リリーフ通路107
を通ってシリンダ上室49a 側のバルブ室89a へ流れるの
で、背圧室99a の圧力はリリーフ弁102 によって任意に
設定することができる。したがって、比例ソレノイド10
3 への通電電流Iを調整することによりニードル106 の
付勢力を調整してリリーフ弁102 のリリーフ圧力を設定
することにより減衰力を制御することができる。
【0064】上述したように比例ソレノイド83,103 へ
の通電電流、ひいてはリリーフ弁87,102 のリリーフ圧
を調整することにより、伸び側と縮み側の減衰力を制御
することができる。
【0065】以上のように構成したサスペンション制御
装置の作用について説明する。まず、非走行時における
エンジン回転(エンジンラン)時に、デューティ比が0
〜100%のPWM信号とそのデューティ比のPWM信
号を出力した際に比例ソレノイド83,103 に流れる電流
を計測し、PWM信号のデューティ比と計測電流との対
応データ(マップ)を求め、このデューティ比−電流マ
ップを記憶部に格納しておく。
【0066】そして、車両が走行しているような場合、
加速度センサ201 からの加速度信号に基づいて車体の制
振に必要な減衰力を求めると共に、減衰力を発生するた
めに必要な要求電流I1 ,I2 を求める。この要求電流
1 ,I2 をアドレスとして、前記デューティ比−電流
マップからPWM信号デューティ比を選定し、選定した
デューティ比のPWM信号をトランジスタ206 に供給す
る。
【0067】この場合、PWM信号のデューティ比は、
比例ソレノイド83,103 に電流供給してこの比例ソレノ
イド83,103 への通電電流Iと対応させて求められてお
り、比例ソレノイド83,103 の抵抗値のばらつきと車毎
のバッテリ電圧のばらつき等が含まれたものになってい
る。このため、所望の減衰力を得るための要求電流I
1 ,I2 をアドレスとしてデューティ比−電流マップか
ら読み出されたデューティ比のPWM信号をトランジス
タ206 に供給すると、仮に比例ソレノイドのばらつき及
びバッテリ電圧が異なっても、前記要求電流I1 ,I2
に一致した通電電流Iが比例ソレノイド83,103 に供給
されて精度高い減衰力調整(サスペンション制御)を行
うことができ、ひいては乗り心地、操縦安定性の向上を
図ることが可能となる。また、デューティ比−電流マッ
プは、デューティ比を1%毎に変えて比例ソレノイド8
3,103 に流れる電流を計測し、多数のデューティ比−
電流値対応データに基づいて得ているので、デューティ
比−電流値の対応データが一つ、あるいは二つのように
少ないものに比して、精度高いものになっている。な
お、デューティ比を1%以下の値、例えば、0.8%、
0.6%毎に変えて電流計測を行い、精度向上を図るよ
うにしてもよい。
【0068】上記実施の形態では、減衰力調整を行う場
合を例にしたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば実開平2−96302号公報に示されるよう
に車高調整する装置に用いてもよい。即ち、この装置
は、ソレノイド及び該ソレノイドへの通電電流に比例し
て変位する可動体を有し該可動体の変位に応じて油液の
通過量を調整する比例ソレノイドバルブと、車体と車輪
との間に伸縮自在に介装され比例ソレノイドバルブの作
動に応じて伸縮するサスペンション本体と、前記ソレノ
イドに通電する通電回路とから大略構成されており、上
記比例ソレノイドバルブの通電制御を適用することがで
きる。
【0069】
【発明の効果】本発明のサスペンション制御装置によれ
ば、例えば車両走行に先立って、あらかじめPWM信号
のデューティ比を順次変化させてソレノイドに流れる電
流を求めることによりデューティ比−電流値の対応情報
を得ておき、車両走行時に、加速度センサ等からの信号
に基づいて所望の減衰力または車高値を得るのに必要な
要求電流を求め、この要求電流に対応するPWM信号デ
ューティ比を前記デューティ比−電流値の対応情報から
選定し、このPWM信号に基づいてスイッチング手段を
制御する。そして、前記PWM信号のデューティ比は、
ソレノイドに電流供給してこのソレノイドへの通電電流
と対応させて求められており、ソレノイドの抵抗値のば
らつきとバッテリ電圧のばらつき等が含まれたものにな
っている。このため、所望の減衰力または車高を得るた
めの要求電流をアドレスとしてデューティ比−電流の対
応情報から読み出されたデューティ比のPWM信号をス
イッチング手段に供給すると、上記ばらつきがあって
も、前記要求電流に一致した通電電流がソレノイドに供
給されて精度高い減衰力調整または車高調整(サスペン
ション制御)を行うことができ、ひいては乗り心地、操
縦安定性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のサスペンション制御装
置を模式的に示す図である。
【図2】同サスペンション制御装置の電磁式比例制御弁
を示す縦断面の正面図である。
【図3】同サスペンション制御装置のコントローラ及び
比例ソレノイドの接続関係を示す回路図である。
【図4】同サスペンション制御装置のショックアブソー
バの減衰力特性を示す図である。
【図5】同サスペンション制御装置の作用を示すフロー
チャートである。
【図6】図5のデューティ比−電流マップ作成のサブル
ーチンを示す図である。
【図7】同サブルーチンで得られるデューティ比−電流
マップの一例を示す図である。
【図8】同サスペンション制御装置のコントローラの制
御内容の一部を示すブロック図である。
【図9】同サスペンション制御装置の作用を示すための
信号波形図である。
【図10】本発明の他の実施の形態のサスペンション制
御装置を示す断面図である。
【図11】同サスペンション制御装置のコントローラの
制御内容の一部を示すブロック図である。
【図12】同サスペンション制御装置のコントローラ及
び比例ソレノイドの接続関係を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ショックアブソーバ 33 電磁式比例制御弁 38 比例ソレノイド 43 プランジャ 203 電源 204 閉回路 205 電流センサ 206 トランジスタ(スイッチング手段) 207 コントローラ(制御手段、PWM信号発生回路)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソレノイド及び該ソレノイドへの通電電
    流に比例して変位する可動体を有し該可動体の変位に応
    じて流体の通過量を調整するアクチュエータと、該アク
    チュエータに通電する通電回路と、車体と車軸との間に
    伸縮自在に介装され前記アクチュエータの作動に応じて
    減衰力の大きさまたは伸縮量を調整するショックアブソ
    ーバとを備え、前記通電回路は、前記ソレノイドに接続
    された電源と、PWM信号を出力するデューティ比可変
    のPWM信号発生回路と、前記ソレノイド及び前記電源
    を含む閉回路中に介装され、前記PWM信号のレベルに
    応じて開閉するスイッチング手段と、前記PWM信号発
    生回路に接続され、あらかじめ前記PWM信号のデュー
    ティ比を順次変化させて前記ソレノイドに流れる電流を
    求めることによりデューティ比−電流値の対応情報を得
    ておき、車両の走行時に前記対応情報に基づいて前記P
    WM信号のデューティ比を設定させる制御手段とから構
    成したことを特徴とするサスペンション制御装置。
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