JP2505231Y2 - 減衰力可変型液圧緩衝装置 - Google Patents

減衰力可変型液圧緩衝装置

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JP2505231Y2
JP2505231Y2 JP1988053301U JP5330188U JP2505231Y2 JP 2505231 Y2 JP2505231 Y2 JP 2505231Y2 JP 1988053301 U JP1988053301 U JP 1988053301U JP 5330188 U JP5330188 U JP 5330188U JP 2505231 Y2 JP2505231 Y2 JP 2505231Y2
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pressure
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rate
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忍 柿崎
史之 山岡
茂 菊島
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、自動車等車両の減衰力可変型液圧緩衝装置
に係り、詳しくは、路面振動のサイクル毎に減衰力を可
変できる減衰力可変型液圧緩衝装置に関する。
(従来の技術) 近時、車両に対する要求の高度化に伴い快適さおよび
走行安定性の両立が求められる傾向にある。そのため、
走行状態に応じて減衰力を増減操作し、通常走行時には
乗心地を良くする低い減衰力を、車体のロール発生時に
は走行安定性を高めるような高い減衰力をそれぞれ発生
する減衰力可変型液圧緩衝装置も普及している。
従来のこの種の減衰力可変型液圧緩衝装置としては、
例えば特開昭61−85210号公報に記載のものが知られて
いる。この装置では、4本のショックアブソーバ内に各
々設けられた単一の圧電素子(すなわち、4個)が路面
振動に応じて発生するシリンダ内の液圧を検出し、コン
トローラが液圧の大きさに基づいて圧電素子に電圧を印
加して減衰力をソフトからハードに切り換える。減衰力
のソフトとハードの切り換えは、車体の変位が生じるよ
うな低い振動周波数で、かつ4個の圧電素子のうち2個
で発生する起電力の大きさが設定値を越えると行われ、
所定時間維持される。
すなわち、減衰力は所定時間内は圧行程、伸行程に拘
らずハードに維持され、所定時間内において液圧は検出
されない。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の減衰力可変型液圧緩
衝装置にあっては、単一の圧電素子を液圧のセンシング
と電圧印加による減衰力増減のアクチュエータとに切り
換えて使用し、かつ検出信号に応じて所定時間は減衰力
特性をハードにする構成となっていたため、上記所定時
間内ではセンシングできないことから、圧行程、伸行程
それぞれに独立した制御が行えず、路面からの連続入力
のうち2つ目以降の入力振動に対して十分な制御が行え
ないという問題点があった。例えば、初回以後の圧側の
入力に対しては高い減衰力が逆に加振源となり、制振性
が悪化し、結局、乗心地と走行安定性の両立が図れな
い。
また、液圧の大きさ、すなわち振動の振幅を振動情報
として利用し、振動の大小判別を行っていたため、液圧
が設定値以上のときハードを維持することから、振幅の
大きな振動(以下、大振動という)が連続して入力され
ると液圧が高いまま維持されてしまい、長時間に亘って
ハードが維持されてしまう。
(考案の目的) そこで本考案は、圧側および伸側の液圧を別個に検出
し、その変化率が所定の不感帯域を越えて極値となるハ
ードを選択し、変化率が所定の不感帯域まで低下すると
ソフトに切り換えることにより、変化率が不感帯域以内
の値となる比較的振幅の小さい振動に対するハードへの
切り換えを防止して、路面振動のサイクル毎に減衰力を
精密に変化させ、連続的な振動入力に対して乗心地と走
行安定性を両立させることを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本考案による減衰力可変型液圧緩衝装置は上記目的達
成のため、その基本概念図を第1図に示すように、減衰
力可変型ショックアブソーバの圧側の液圧を検出する第
1の検出手段aと、減衰力可変型ショックアブソーバの
伸側の液圧を検出する第2の検出手段bと、第1の検出
手段aおよび第2の検出手段bの出力から液圧の変化率
を求め、該変化率が所定の不感帯域を越えて極値となる
と、ショックアブソーバを所定の高減衰力にするととも
に、変化率が所定の不感帯域まで低下すると、所定の低
減衰力とするような制御値を演算する制御手段cと、制
御手段cの出力に基づいて圧側の減衰力を変える第1の
操作手段dと、制御手段cの出力に基づいて伸側の減衰
力を変える第2の操作手段eと、を備えている。
(作用) 本考案では、圧側および伸側の液圧が別個に検出され
て液圧の変化率が求められ、その変化率が所定の不感帯
域を越えて極値となるとその極値以後の行程に対応する
側の操作手段がハードに選択されるとともに、変化率が
所定の不感帯域まで低下するとソフトに切り換えられ
る。変化率は振動の加速度に対応し、振動速度の変曲点
即ち、制振域から加振域の変異点で極大となり、速度が
極値に達すると零になり、再び制振域となる点に着目し
て、主として、加振域をハードにして振動減衰性と乗心
地とを同時に向上させ得る。また、上記不感帯域は、例
えば、高速走行時の小振動による液圧変化を考慮して変
化率のプラス側とマイナス側に夫々又は一方に設けら
れ、この領域内の振動入力に対してはソフトが維持され
る。
したがって、変化率を振動情報として利用すれば、変
化率が上記不感帯域を越える振幅が大きい振動に対して
はハードが選択され、しかもハードへの切換も変化率の
極値に行われ、加振域のみ効果的に減衰して走行安定性
が充たされ、変化率が所定の不感帯域まで低下する小振
動に対してはソフトに戻され、以降制振域ではソフトが
維持され、又その後加振域となって極値に達したとして
も不感帯域に達しない場合にはソフトが維持されて乗心
地が充たされる。この結果、連続的な振動入力に対して
乗心地と走行安定性を両立できる。
(実施例) 以下、本考案を図面に基づいて説明する。
第2〜5図は本考案に係る減衰力可変型液圧緩衝装置
の一実施例を示す図である。
まず、構成を説明する。第2図はショックアブソーバ
の全体構成を示す断面図、第3図はその要部断面図、第
4図はシステムの全体構成図の内、一系統の制御回路を
示す図である。
第2図において、1は減衰力可変型のショックアブソ
ーバである。ショックアブソーバ1は密封された外筒2
と、外筒2に内蔵されたシリンダ3と、シリンダ3の内
壁を軸方向に摺動するピストン4と、シリンダ3の下端
に設けられたボトムバルブ5と、ピストン4を支持する
ピストンロッド6と、外筒2の内壁およびシリンダ3に
よって形成されるリザーバ室7と、ピストンロッド6を
支持するロッドガイド8と、ロッドガイド8の上部に設
けられたピストンシール9と、外筒2の上部を閉止する
ストッパプレート10と、を含んで構成されている。
シリンダ3は下端に連通孔11を有するボトムボディ12
を備え、上記開口部がロッドガイド8で閉塞されてい
る。シリンダ3の内部はピストン4によって上側液室14
および下側液室15の2室に区画され、該2室内の作動液
はピストン4に設けられた後述の連通孔46〜48を介して
相互に流動する。
ピストン4には伸行程で減衰力を発生する伸側バルブ
16および伸側バルブ16を上方に付勢するスプリング17が
設けられている。スプリング17の下端はアジャストナッ
ト18およびロックナット19によってピストン4に固定さ
れ、ピストン4の下端にはアジャストナット20が螺合さ
れている。
ボトムバルブ5は伸行程で開くチェックバルブ21と、
チェックバルブ21が開くとき作動液を流入させるポート
22と、圧行程で開く圧側バルブ23と、圧側バルブ23が開
くとき減衰力を発生させるオリフィス24と、チェックバ
ルブ21の開度を規制するストッパプレート25と、ボトム
ボディ12にチェックバルブ21等を固定するカシメピン26
と、を含んで構成される。伸行程において、リザーバ室
7内の作動液は、下側液室15内の負圧力によりチェック
バルブ21を開き、下側液室15に流入する。このとき、チ
ェックバルブ21はストッパプレート25によってある一定
以上開かないよう規制される。また、圧行程では、下側
液室15内の作動液は圧側バルブ23を開き、オリフィス24
で下側液室15内の正圧力に対応した減衰力を発生し、連
通孔11を通ってリザーバ室7に流入する。上側液室14お
よび下側液室15内の圧力は路面振動の大きさに応じて発
生し、その圧力を検出すれば路面振動の入力状況、すな
わち走行状態を検出できる。
また、ピストンロッド6にはリテーナ27が固定され、
リテーナ27は上部に設けられた弾性体のリバウンドスト
ッパ28とともにピストン4とロッドガイド8との衝突を
緩和させる。
ストッパプレート10はシリンダ3の上端に下部が嵌合
し、中央の貫通孔10a内の図示しないブッシュでピスト
ンロッド6を摺動自在にガイドする。
外筒2は内部にシリンダ3、ロッドガイド8およびピ
ストンシール9を収容し、上端を加締めて形成されてい
る。ピストンシール9の内周部にはピストンロッド6に
弾接し、内部の液密を維持するメインリップ29と、外部
からの泥水等を阻止するダストリップ30とが形成されて
いる。また、外筒2の下端部には、車両の車軸等に取り
付けるためのアイブッシュ31およびアイ32が固着されて
いる。なお、ピストンロッド6の上端から引き出された
配線35はコントロールユニット100と接続されている。
第3図はピストン4周辺の断面を示しており、図中上
方が車体側であり、図中下方が車輪側である。同図にお
いて、ピストンロッド6の中央には配線35を収容する配
線通路41が設けられ、配線通路41は徐々に拡大して下端
のネジ部41aでピストン4と螺合する。ピストン本体42
は外周に大径部と小径部が形成され、大径部にはテフロ
ン等の低摩擦部材からなるシール部材44が嵌着され、こ
れによって前記の如くシリンダ3内を上下の液室14、15
に隔成している。また、小径部先端部には雄ねじが形成
され、これによって前記の如くピストンロッド6に螺着
されている。更にピストン本体42は中空になっており、
前記小径部側の端部にアジャストナット53が螺着された
アジャストスクリュー52が形成され、この下方に、段部
に続いてやや大径の収容孔49が形成されている。該収容
孔49には、上下をキャップ55とスライダ71に挟持された
第1の圧電素子60が嵌挿され、これらは上部が長さ調整
用のプレート54を介して前記段部に係止している。前記
収容孔49の下方には更に2段になった大径凹部45となっ
ており、2段となった肩部に押し当てられてバルブボデ
ィ73が嵌挿され、大径凹部45端側に形成された雌ねじ部
に螺着されたスリーブ43によってバルブボディ73は段部
との間に挟持されている。このバルブボディ73の上面側
に空間79が画成され、ピストン本体42に形成された連通
孔46によって上部液室14と連通する一方、下面側には前
記スリーブ43との間に空間80が画成され、スリーブ43に
形成された連通孔48によって下側液室15に連通してお
り、該連通孔48の下側液室側の開口部は前記伸側バルブ
16に覆われている。前記バルブボディ73の外周には環状
溝73aが形成され、該環状溝73aはピストン本体42に形成
された連通孔47によって下側液室15に連通している。ま
たバルブボディ73には上部の空間79と前記環状溝73aを
連通するオリフィス76と、上部の空間79と下部の空間80
とを連通するオリフィス77とが形成され、これらオリフ
ィス76、77をそれぞれ覆うようにバルブボディ73の上面
には圧側ディスクバルブ74が、下面には伸側ディスクバ
ルブ75が配設されている。
前記スリーブ43は中空に形成されており、その収容孔
50には上部から順に、バルブコア72、第2の圧電素子9
0、キャップ94が嵌挿され、これらはスリーブ43の下端
に螺設されたアジャストナット20によって、上下方向移
動可能に収容孔50内に収容されている。前記バルブコア
72は、収容孔50内に嵌挿される大径部の上面中央に中空
軸部が突設され、該中空軸部はバルブボディ73の中心孔
を貫通して、その上部のスライダ71の中心孔に貫入して
いる。
かくして、圧側ディスクバルブ74はバルブボディ73を
介してスライダ71の下面とスリーブ43の上面との間に挟
持され、前記アジャストナット53の調整に応じてバルブ
ボディ73上面にてセット荷重が調整される。また、伸側
ディスクバルブ75もバルブボディ73を介して、バルブコ
ア72の上面とピストン本体42の大径凹部45の肩部との間
に挟持され、前記アジャストナット20の調整に応じてバ
ルブボディ73下面にてセット荷重が調整される。更に前
記スライダ71の下端には傾斜面71bが設けられて、空間7
9に導入される上側液室14の圧力を受圧して第1の圧電
素子60に圧力を伝達するようになっている。また、前記
アジャストナット20の下面には圧力孔95が形成され下側
液室15の圧力をキャップ94の下面に導き、キャップ94を
押して第2の圧電素子90に伝達するようになっている。
かくして、第1の圧電素子60または第2の圧電素子90
は、伝達された圧力に応じて歪み、この歪みに応じた電
圧を出力して、圧力を検出することとなる。ここで、上
側液室14の圧力はピストンに対してはピストンの断面積
からピストンロッドの断面積を差し引いた環状断面積に
作用するところとなり、この環状面積での受圧によって
ピストンの伸行程が抑制されるので、これが伸側減衰力
と呼ばれている。即ち、上側液室14の圧力を検出するこ
とは伸側減衰力を検出することと等価である。同様に、
下側液室15の圧力を検出することは圧側減衰力を検出す
るのと等価である。
第1および第2の圧電素子60、90にはそれぞれハーネ
ス61、62および91、92が設けられ、これらはバルブコア
72、ピストン本体42、キャップ55、アジャストナット53
の各中空部を通って、配線通路41からピストンロッド6
の上方から外部へ導出されて、ハーネス61、91は接地さ
れ、ハーネス62、92は第4図に示す如くコントロールユ
ニット100のI/Oポート101に接続されている。
110、110′はそれぞれ第1の圧電素子60、第2の圧電
素子90からの検出信号が各コンデンサC、Cによって交
流成分のみ入力されて各バッファ112、112によって交流
成分を増幅して演算回路120に伸側検出信号SP、圧側検
出信号SSとして出力する入力回路である。
演算回路120は例えばマイクロコンピュータ等で構成
され、内部メモリに書き込まれたプログラムに従って外
部データを取り込み、これら取り込まれたデータおよび
内部メモリに書き込まれているデータなどに基づいて、
減衰力の可変制御に必要な処理値を演算する。すなわ
ち、演算回路120は入力信号に基づいて入力信号の変化
率を演算し、伸側検出信号SP又は圧側検出信号SS及びそ
の変化率ΔSP又はΔSSから所定の判断を行い、判断結果
に応じて、伸側制御信号SAまたは圧側制御信号SBのどち
らかを出力する。若しくは何も出力しない。
例えば、駆動回路130はバッファ131に伸側制御信号SA
が入力されるとトランジスタTr1をONとし、駆動用電源
回路140の駆動電圧をI/Oポート101のダイオードD1を介
して第1の圧電素子60に印加し、減衰力をソフトからハ
ードに切換える。また、駆動回路130はバッファ132に伸
側解除信号S′が入力されるとトランジスタTr2をON
とし、第1の圧電素子60の電荷をI/Oポート101のダイオ
ードD2を介して放電し、減衰力をハードからソフトに戻
す。なお、駆動回路130′に圧側制御信号SB、圧側解除
信号S′が入力された場合も同様である。駆動用電源
回路140は例えばDC−DCコンバータで形成され、第1お
よび第2の圧電素子60、90を伸長可能な直流の高電圧
(以下、駆動電圧という)を出力する。
次に第3図によって緩衝装置が伸縮行程を行ったとき
の作動液の流れ、第1、第2の圧電素子60、90の検出お
よび駆動の作用を説明する。
いま、車輪が突起等に乗り上げるなどして車体がバウ
ンドし、ピストンロッド6がシリンダ3に対して下方に
移動する圧行程になると、下側液室15の作動液はピスト
ンロッド6の侵入体積分が上側液室14に流入する。即
ち、下側液室15から連通孔47、環状溝73a、オリフィス7
6を通り、圧側ディスクバルブ74を押し開き、空間79、
連通孔46を通って上側液室42に流入する。
このとき圧側ディスクバルブ74は通過する流量に応じ
て撓むので、通過前後の作動液には撓んだ分、バルブボ
ディ73と圧側ディスクバルブ74との間が開口して、この
開口によりオリフィスが形成され、このオリフィスを下
側液室15の作動液が通過して上側液室14に移動する過程
で、上下液室14,15の間に差圧が生じ、下側液室15がそ
の分高圧となり、これが受圧面(ピストンの断面積に相
当)に作用して、圧側減衰力として作用する。この下側
液室15の圧力は圧力孔95からキャップ94の下面に導入さ
れるので前記の如く、第2の圧電素子90が圧力に応じて
歪み、歪みに応じた電圧を圧側検出信号SSとしてコント
ロールユニット100に出力する。
このとき、バルブボディ73は大径凹部45の肩部に係止
しているので、下方から押圧されても上方の第1の圧電
素子60に力を伝えることはない。従って、このとき第1
の圧電素子60は、一応アクチュエータとして作動できる
状態にある。また、コントロールユニット100に入力さ
れた圧側検出信号SSが演算され、その変化率ΔSSが極大
で圧側信号SSが零であれば、圧行程にあったピストンロ
ッド6が最下点に達したこと、即ち最圧縮状態を意味
し、次の瞬間ピストンロッド6は伸行程に移る。同時
に、圧側検出信号SSが零ということは第2の圧電素子90
も下側液室15からの押圧力が解除され歪みがなくなった
状態になっている。このとき、減衰力をハードにする必
要があると判断した場合には、第2の圧電素子90に伸側
制御信号SBを出力して第2の圧電素子90に印加電圧に応
じた伸び歪みを生じさせ、バルブコア72を上方に押圧し
て伸側ディスクバルブ75のセット荷重を大きくして、開
弁抵抗を大きくする。かくして、前記した圧行程とは逆
に、上側液室14から下側液室15へ流れる作動液が伸側デ
ィスクバルブ75の前後でより高い差圧を発生することと
なり、伸側減衰力がハードになる。このとき空間79の圧
力によってスライダ71が上方に付勢され第1の圧電素子
60が歪んで圧力に応じた電圧を伸側検出信号SPとしてコ
ントロールユニット100に出力する。
以上は、変化率ΔSSが極大で圧側検出信号SSが零の場
合であったが、変化率ΔSSが極大でも、圧側検出信号SS
が零でない場合もある。これは緩衝装置が圧行程にある
ときに、車輪が更なる突起に乗り上げたときなどのよう
な複合入力の場合である。
このようなときに、減衰力をハードにする必要がある
とコントロールユニット100が判断すると、第1の圧電
素子60に圧側制御信号SBを出力する。ここで、前記した
如く、圧行程にあるときには第1の圧電素子60は伸縮の
歪みを生じていないので、圧側制御信号SBに対応する印
加電圧に応じた伸び歪みを生じ、これによってスライダ
71を押圧してバルブボディ73との間で圧側ディスクバル
ブ74をより強く挟持してセット荷重を大きくし、ハード
にする。
なおこのとき、バルブボディ73は、ピストン本体に螺
着されたスリーブ43の上端に支持されているので、検出
手段として作用している第2の圧電素子90に影響を与え
ることはない。
以上のようにして、第1、第2の圧電素子60、90によ
って単一入力の場合も、複合入力の場合も、検出手段又
はアクチュエータとして常時作用させることが可能とな
る。
また、ハードに制御する場合には極値を基準にしてい
るが、これは変化率が極値のときに速度は変曲点にある
ことに対応する。速度が変曲点であることは、振動が制
振域から加振域になることを意味し、ここから減衰力を
ハードに制御することによって、より効果的に振動を減
衰させることができる。
以上のような構成と基本的な作用を有する減衰力可変
型液圧緩衝装置の減衰力の制御について第5図に基づい
て説明する。
図(a)は制御された減衰力を表し、中心線から上方
が伸側、即ちピストンロッドが最圧縮の位置から最伸長
位置まで変位する伸行程の減衰力であり、下方が圧側、
即ちピストンロッドが最伸長位置から最圧縮位置まで変
位する圧行程の減衰力である。
図(b)は図(a)で表される減衰力を第1、第2の
圧電素子60、90にて検出した検出信号で一点鎖線で表さ
れている。この中で破線で表されているのは、アクチュ
エータ側の圧電素子に駆動電圧を印加しなかった場合に
想定されるソフトの検出信号である。
図(c)は図(b)の検出信号を時間微分したもの
で、検出信号が、減衰力を表す圧力であることから、速
度に関係し、この速度を時間微分すると、加速度を表す
こととなる。
そして変化率の極値から不感帯域までは振動の加振域
で、不感帯域から極値までは振動の制振域である。そこ
で加振域であるAB、GH、IJにて、その時検出していない
方の圧電素子をアクチュエータとして駆動し、ハードH
にして効果的に振動を減衰するようにしている。ここで
区間EFも加振域ではあるが、加速度の小さい領域は良路
走行中の微振動域などで、この領域をハードにすると乗
心地を著しく損ねる。このため変化率が不感帯域以下で
はハード制御をしないようにしている。そこでEF区間は
加振域ではあってもハードHには制御されない。
また、AG区間、JK区間は伸行程であり、検出は第1の
圧電素子60で行われるので、AB区間,IJ区間は第2の圧
電素子90がアクチュエータとして作用し、逆に圧行程の
GI区間は第2の圧電素子90にて検出されるので、GJ区間
では第1の圧電素子60をアクチュエータとして駆動す
る。
(効果) 本考案によれば、圧側および伸側の液圧が別個に検出
されて液圧の変化率が求められ、その変化率が所定の不
感帯域を越えて極値となるとその極値以後の行程に対応
する側の操作手段がハードに選択されるとともに、変化
率が不感帯域まで低下するとソフトに切り換えられる。
変化率は振動の加速度に対応し、振動速度の変曲点即
ち、制振域から加振域の変異点で極大となり、速度が極
値に達すると零になり、制振域となる点に着目して、主
として、加振域をハードにして振動減衰特性と乗心地と
を同時に向上させ得る。また、上記不感帯域は、例え
ば、高速走行時の小振動による液圧変化を考慮して変化
率のプラス側とマイナス側に夫々又は一方に設けられ、
この領域内の振動入力に対してはソフトが維持される。
したがって、変化率を振動情報として利用すれば、変
化率が上記不感帯域を越える振幅が大きい振動に対して
はハードが選択され、しかもハードへの切り換えも変化
率の極値に行われ、加振域のみ効果的に減衰して走行安
定性が充たされ、変化率が所定の不感帯域まで低下する
小振動に対してはソフトに戻され、以降制振域ではソフ
トが維持され、又その後加振域となって極値に達したと
しても不感帯域に達しない場合にはソフトが維持されて
乗心地が充たされる。この結果、連続的な振動入力に対
して乗心地と走行安定性を両立できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の基本概念図、第2図〜第5図は本考案
に係る減衰力可変型液圧緩衝装置の一実施例を示す図で
あり、第2図はそのショックアブソーバの全体構成を示
す断面図、第3図はその要部断面図、第4図はシステム
構成図の一部分を示す回路図、第5図はその作用を示す
ための図である。 1…ショックアブソーバ、3…シリンダ、4…ピスト
ン、60…第1の圧電素子(第1の検出手段、第2の操作
手段)、71…スライダ、72…バルブコア、73…バルブボ
ディ、74…圧側ディスクバルブ、75…伸側ディスクバル
ブ、76,77…オリフィス、90…第2の圧電素子(第2の
検出手段、第1の操作手段)、100…コントロールユニ
ット(制御手段)、101…I/Oポート、110…入力回路、1
20…演算回路、130…駆動回路、140…駆動用電源回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−198513(JP,A) 特開 昭61−85210(JP,A) 実開 昭63−24005(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)減衰力可変型ショックアブソーバの圧
    側の液圧を検出する第1の検出手段と、 b)減衰力可変型ショックアブソーバの伸側の液圧を検
    出する第2の検出手段と、 c)第1の検出手段および第2の検出手段の出力から液
    圧の変化率を求め、該変化率が所定の不感帯域を越えて
    極値となると、ショックアブソーバを所定の高減衰力と
    し、変化率が所定の不感帯域まで低下すると、所定の低
    減衰力とするような制御値を演算する制御手段と、 d)制御手段の出力に基づいて圧側の減衰力を変える第
    1の操作手段と、 e)制御手段の出力に基づいて伸側の減衰力を変える第
    2の操作手段と、 を備えたことを特徴とする減衰力可変型液圧緩衝装置。
JP1988053301U 1988-04-19 1988-04-19 減衰力可変型液圧緩衝装置 Expired - Lifetime JP2505231Y2 (ja)

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JPS6324005U (ja) * 1986-07-31 1988-02-17

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