JPH09254624A - 車輌のショックアブソーバ制御装置 - Google Patents

車輌のショックアブソーバ制御装置

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Publication number
JPH09254624A
JPH09254624A JP9313896A JP9313896A JPH09254624A JP H09254624 A JPH09254624 A JP H09254624A JP 9313896 A JP9313896 A JP 9313896A JP 9313896 A JP9313896 A JP 9313896A JP H09254624 A JPH09254624 A JP H09254624A
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JP
Japan
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control
shock absorber
stage
switching
control device
Prior art date
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Application number
JP9313896A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Kawahara
邦裕 川原
Masahiro Murata
正博 村田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ショックアブソーバの制御段切り換え時の異
音の発生を防止しつつ、できるだけ応答性よくショック
アブソーバの減衰力を制御する。 【解決手段】 評価ブロック14Aにより制御パラメー
タとしての制御段切り換えの通電時間Te 、最大許容切
り換え段数Sg 、駆動電圧Vd について異音発生防止効
果及び車体振動減衰効果を評価し、変更ブロック14B
により制御パラメータを変更し、選定ブロック14Cに
より評価結果に基づき変更前及び変更後の制御パラメー
タのうち最適の制御パラメータを選定する減衰力制御装
置10。各ブロックの作動は好ましくは遺伝的アルゴリ
ズムに基づいて行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌のショックア
ブソーバに係り、更に詳細にはショックアブソーバの制
御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のサスペンションに組み
込まれたショックアブソーバの制御装置の一つとして、
例えば特開平5−294122号公報に記載されている
如く、スカイフック理論に基づきばね上速度、ばね上及
びばね下の相対速度、スカイフック減衰係数よりショッ
クアブソーバに要求される減衰係数を求め、該要求され
る減衰係数に基づいてショックアブソーバの目標制御段
を求め、アクチュエータを介してショックアブソーバの
制御段を目標制御段に制御する装置が従来より知られて
いる。
【0003】かかるショックアブソーバの減衰力制御装
置によれば、ショックアブソーバの減衰係数がスカイフ
ック理論に基づき求められる所定の減衰係数に近い値に
なるようショックアブソーバの制御段が制御されるの
で、かかる制御が行われない場合に比してショックアブ
ソーバの減衰力を良好に制御し、これにより車体の振動
を最小限に抑えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スカイフック理論に基
づく減衰力の制御の如きショックアブソーバの制御に於
いては、車輌の走行状態に応じて幅広い制御範囲に亘り
ショックアブソーバの減衰係数を迅速に切り換え制御す
る必要がある。しかしショックアブソーバの減衰係数が
迅速に切り換えられると、ピストンにより区画される二
つのシリンダ室の間の差圧が急激に変化することに起因
して異音が発生し、乗員が違和感を覚えることがある。
逆に異音の発生を防止すべくショックアブソーバの減衰
係数の切り換え速度を低く設定すると、ショックアブソ
ーバの減衰力制御の応答性が悪化するため、車体の振動
を良好に制御することができなくなる。
【0005】かかる問題を解消するための手段として、
スカイフック減衰係数やショックアブソーバの各制御段
の切り換えしきい値等を最適化する方法があるが、これ
らの最適値は車輌の走行状況、ショックアブソーバ等の
個体差や経時変化等によって異なるため、あらゆる状況
に於いて異音の発生を防止しつつショックアブソーバの
減衰力制御の良好な応答性を確保し得る一定のスカイフ
ック減衰係数や切り換えしきい値等を求めることはでき
ない。
【0006】本発明は、従来のショックアブソーバ制御
装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の主要な課題は、車輌の走行時にアクチュエ
ータによるショックアブソーバの制御段切り換え制御パ
ラメータを変化させ、その際の異音発生防止効果及び振
動減衰効果に基づいて制御パラメータを最適化すること
により、制御段切り換え時の異音の発生を防止しつつで
きるだけ応答性よくショックアブソーバの減衰力を制御
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち減衰力制御
弁をアクチュエータによって駆動することにより所定の
制御則に従って車輌の走行状態に応じた目標制御段に切
り換える車輌のショックアブソーバ制御装置にして、前
記アクチュエータによる前記ショックアブソーバの制御
段切り換えの急激度合を決定する制御パラメータを変更
する変更手段と、前記制御パラメータについて前記ショ
ックアブソーバの制御段切り換え時の異音発生防止効果
及び車体振動減衰効果を評価する評価手段と、前記評価
手段による評価結果に基づき変更前及び変更後の前記制
御パラメータのうち最適の制御パラメータを選定する選
定手段とを有することを特徴とするショックアブソーバ
制御装置によって達成される。
【0008】請求項1の構成によれば、アクチュエータ
によるショックアブソーバの制御段切り換えの急激度合
を決定する制御パラメータが変更され、その制御パラメ
ータについてショックアブソーバの制御段切り換え時の
異音発生防止効果及び車体振動減衰効果が評価され、そ
の評価結果に基づき変更前及び変更後の制御パラメータ
のうち最適の制御パラメータが選定されるので、最適の
制御パラメータは制御段切り換え時の異音の発生を防止
することができる値であってショックアブソーバの減衰
力制御の応答性をできるだけ高くする値に設定される。
【0009】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記変
更手段及び前記選定手段は遺伝的アルゴリズムに基づき
作動するよう構成される(請求項2の構成)。尚本願に
於ける「遺伝的アルゴリズム」(以下必要に応じて「G
A」と略記する)とは、制御パラメータを遺伝子とする
個体を交配させて新しい個体を誕生させ、新しい個体を
含む新世代を所定の評価関数により評価し、評価が最も
低い個体を抹消させると共に必要に応じて評価が最も高
い個体を選択するアルゴリズムをいう。
【0010】請求項2の構成によれば、変更手段による
制御パラメータの変更及び選定手段による評価結果に基
づく最適の制御パラメータの選定が確実に且つ最適に行
われるので、上述の請求項1の構成による作用効果が確
実に得られる。
【0011】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於いて、
前記アクチュエータはステップモータ式のアクチュエー
タであり、前記制御パラメータは制御段切り換えの通電
時間、最大許容切り換え段数、駆動電圧の少なくとも一
つを含むよう構成される(請求項3の構成)。
【0012】後に図9乃至図11を参照して詳細に説明
する如く、アクチュエータへ供給される制御電流の制御
段切り換えの通電時間が短いほどアクチュエータの制御
段切り換え速度が高くなって、単位時間当りの減衰係数
の変化量が大きくなる。また最大許容切り換え段数が大
きいほど一回の制御段切り換え制御サイクルに於いて変
化可能な切り換え段数が大きくなり、一回の制御段切り
換え制御サイクルに於ける減衰係数の変化量が大きくな
る。更にアクチュエータに対する駆動電圧が高いほど制
御段切り換え時のオーバーシュート発生の虞れ及びオー
バシュート量が高くなり、瞬間的な減衰係数の変化率が
高くなる。従って制御段切り換えの通電時間、最大許容
切り換え段数、駆動電圧が高いほどショックアブソーバ
の減衰力制御の応答性が高くなるが異音が発生し易くな
る。
【0013】請求項3の構成によれば、ステップモータ
式アクチュエータの制御段切り換えの通電時間、最大許
容切り換え段数、駆動電圧の少なくとも一つの制御パラ
メータについて、その異音発生防止効果及び振動減衰効
果が評価され、その評価結果に基づき変更前及び変更後
の制御パラメータのうち最適の制御パラメータが選定さ
れるので、最適の制御パラメータは単位時間当りの減衰
係数の変化量、一回の制御段切り換え制御サイクルに於
ける減衰係数の変化量若しくはオーバシュート量が最適
になる値に設定され、これにより制御段切り換え時の異
音の発生が生じない範囲内にてショックアブソーバの減
衰力制御の応答性ができるだけ高くされる。
【0014】また本発明によれば、上述の詳細な課題を
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於いて、
前記制御則はスカイフック理論に基づく制御則であり、
前記制御パラメータはスカイフック減衰係数及び前記目
標制御段を求めるための各制御段の減衰係数の少なくと
も一方を含むよう構成される(請求項4の構成)。
【0015】スカイフック理論に基づくショックアブソ
ーバの制御則に於いては、スカイフック減衰係数が小さ
いほどショックアブソーバに要求される減衰係数の変化
幅が小さくなり、ショックアブソーバの制御段の切り換
え変化幅が小さくなる。また後に図14を参照して詳細
に説明する如く、目標制御段を求めるための各制御段の
減衰係数の相互の差が大きいほど、ショックアブソーバ
に要求される減衰係数の変化幅に対するショックアブソ
ーバの制御段の切り換え変化幅の比が小さくなる。
【0016】請求項4の構成によれば、スカイフック理
論に基づく制御則のスカイフック減衰係数及び目標制御
段を求めるための各制御段の減衰係数の少なくとも一方
の制御パラメータについて、その異音発生防止効果及び
振動減衰効果が評価され、その評価結果に基づき変更前
及び変更後の制御パラメータのうち最適の制御パラメー
タが選定されるので、最適の制御パラメータはショック
アブソーバに要求される減衰係数の変化幅若しくはショ
ックアブソーバに要求される減衰係数の変化幅に対する
ショックアブソーバの制御段の切り換え変化幅の比が最
適になる値に設定され、これにより制御弁切り換え時の
異音が発生しない範囲内にてショックアブソーバの減衰
力制御の応答性ができるだけ高くされる。
【0017】また本発明によれば、上述の詳細な課題を
効果的に達成すべく、請求項1乃至4の何れかの構成に
於いて、前記ショックアブソーバの制御段切り換え時の
異音発生防止効果は前記ショックアブソーバの車体側部
材の加速度の大きさに基づいて評価されるよう構成され
る(請求項5の構成)。
【0018】一般に車輌の走行時には走行音や周囲の騒
音等のノイズのためにショックアブソーバの制御段切り
換え時の異音のみを検出することが困難である。また上
述の如く制御段切り換え時の異音は二つのシリンダ室の
間の差圧が急激に変化することに起因して発生するの
で、ショックアブソーバの車体側部材の加速度又はその
変化率により異音発生の有無や異音の程度を推定するこ
とができる。また本願発明者が行った実験的研究の結果
によれば、ショックアブソーバの車体側部材の加速度の
変化率よりも車体側部材の加速度の大きさの方が異音に
ついて良好な指標となる。
【0019】請求項5の構成によれば、制御段切り換え
時の異音発生防止効果はショックアブソーバの車体側部
材の加速度の大きさに基づいて評価されるので、ノイズ
の影響を受けることなく異音発生防止効果を確実に評価
することが可能になり、また異音そのものを検出するこ
とも不要になる。
【0020】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、請求項1乃至5の何れかの構成に於い
て、車体振動減衰効果は車体の振動減衰度合、特に所定
時間に於ける車体の上下加速度の大きさの積分値に基づ
いて評価されるよう構成される。
【0021】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、請求項1乃至5の何れかの構成に於いて、ショック
アブソーバの制御段切り換え時の異音発生防止効果はシ
ョックアブソーバの車体側部材の加速度の大きさが高い
ほど小さくなる係数として求められ、車体振動減衰効果
は車体の振動減衰度合として求められ、制御パラメータ
についての評価は前記係数と前記車体の振動減衰度合と
の積に基づいて行われるよう構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を幾つかの実施形態について詳細に説明する。
【0023】第一の実施形態 図1(A)はスカイフック理論に基づく減衰力制御装置
に適用された本発明によるショックアブソーバ制御装置
の第一の実施形態の概略構成図であり、図1(B)は図
1(A)に示されたGA制御装置14のブロック図であ
る。
【0024】図1(A)に於て、減衰力制御装置10は
スカイフック制御装置12及びGA制御装置14を有し
ている。また図1に於て、16は1〜nの制御段を有す
るそれ自身周知の減衰力可変式のショックアブソーバを
示している。ショックアブソーバ16はピストンロッド
16Aの側にて車体に連結され、シリンダの側にてサス
ペンション部材に連結されており、スカイフック制御装
置12によりステップモータ式のアクチュエータ18を
介して制御段が制御されることにより減衰力、厳密には
減衰係数が制御されるようになっている。尚減衰力制御
装置10は実際にはマイクロコンピュータ及び駆動回路
にて構成されていてよい。
【0025】図2に示されている如く、アクチュエータ
18はショックアブソーバの減衰力制御弁に接続され図
には示されていないが周方向に互いに隔置された複数の
永久磁石を有するロータ50と、ロータをその永久磁石
と共働して電磁力により回転させるための複数の相巻線
52A〜52Dを備えたステータ52とを有し、駆動電
流が一対の相巻線に所定の通電時間Te ずつ通電され通
電される相巻線が順次変化されることによりロータが1
ステップずつ回転し、これによりロータが所望のステッ
プ分回転して減衰力制御弁を駆動し位置決めするように
なっている。
【0026】尚アクチュエータ18はロータ50のスト
ッパ54とステータ52のストッパ56とを含むリセッ
ト機構58を有し、制御の開始時にはロータ50のスト
ッパ54がステータ52のストッパ56に当たるよう制
御段低減方向へロータが回転されるリセットによりアク
チュエータ18の初期化が行われる。スカイフック制御
装置12はその初期位置よりの増減段数の履歴に基づき
現在の制御段を判定する。
【0027】図示の実施形態に於いては、スカイフック
制御装置12は後述の如く例えば車高センサ16により
検出され図には示されていないフィルタによりバンドパ
スフィルタ処理された車高Hを微分することによりばね
上とバネ下との間の相対速度、即ちショックアブソーバ
のストローク速度Vp を演算し、また例えば車輪に近接
した位置にて車体に設けられた上下加速度センサ18に
より検出され図には示されていないフィルタによりバン
ドパスフィルタ処理された車体の上下加速度Gz を積分
することによりばね上速度Vz を演算する。
【0028】またスカイフック制御装置12は上述の如
く演算された速度Vp 、Vz に基づきCs をスカイフッ
ク減衰係数として下記の数1に従ってスカイフックの演
算を行うことにより、ショックアブソーバ16に要求さ
れる減衰係数Creq を演算する。
【数1】Creq =Cs ×(Vz /Vp )
【0029】またスカイフック制御装置12は、後述の
如くGA制御装置14より入力されるn個の減衰係数C
i (i=1〜n)のうち数1に従って演算された減衰係
数Creq に最も近い減衰係数Ca を選定し、ショックア
ブソーバ16の目標制御段Sa を選定された減衰係数C
a に対応する制御段に設定し、ショックアブソーバの制
御段を目標制御段Sa に制御するための制御信号をアク
チュエータ18へ出力し、これによりショックアブソー
バの減衰力を制御する。この場合駆動電源12Aよりア
クチュエータ18へ供給される制御信号の駆動電流の駆
動電圧Vd や1段の昇段又は降段ごとの通電時間Te は
後述の如くGA制御装置14より入力される指示値に設
定される。
【0030】更にスカイフック制御装置12は、後述の
如くGA制御装置14より入力される新しい個体を含む
新世代の各個体の遺伝子情報に基づきアクチュエータ1
8へ制御信号の駆動電流を供給することにより、スカイ
フック理論に従って各個体毎にショックアブソーバの制
御を所定時間試行する。
【0031】図1(B)に示されている如く、GA制御
装置14は評価ブロック14Aと制御パラメータ変更ブ
ロック14Bと制御パラメータ選定ブロック14Cとを
有している。制御パラメータ変更ブロック14Bは、図
3に示されている如く、通電時間Te(j)、最大許容切り
換え段数Sg(j)、駆動電圧Vd(j)の組合せを遺伝子とす
るm個の個体I(j) (j=1〜m)よりなる個体群と、
各個体に対応するm個の評価関数としての評価値X(j)
とを記憶手段に記憶している。各遺伝子情報は例えば
「0」と「1」とよりなる8桁の数として表現され、各
遺伝子情報及び評価値の初期値は車輌の出荷時に予め所
定値に設定される。
【0032】また制御パラメータ変更ブロック14Bは
これらの個体をGAに則り交配させて一つの新しい個体
I(m+1) を誕生させ、その新しい個体を含む新世代の各
個体の遺伝子情報に基づきスカイフック制御装置12に
よりショックアブソーバ16の制御が試行された際の車
輌の状態量に基づき各個体の評価値X(j) を演算する。
【0033】更に制御パラメータ選定ブロック14Cは
新しい個体を含むm+1個の個体より評価値X(j) が最
も低い個体を抹消させると共に必要に応じて各個体を順
次繰り上げ、新しいm個の個体、即ち新世代より評価値
X(j) が最も高い個体を選択し、その選択された個体の
遺伝子情報、即ち通電時間Te(j)、最大許容切り換え段
数Sg(j)、駆動電圧Vd(j)の組合せをスカイフック制御
装置12へ出力する。
【0034】特に図示の実施形態に於いては、GA制御
装置14の評価ブロック14Aには運転席の近傍にて車
体に設けられた上下加速度センサ24により検出されバ
ンドパスフィルタ26によりバンドパスフィルタ処理さ
れた車体の上下加速度Gzpを示す信号が入力され、評価
ブロック14Aは車体の上下加速度Gzpの大きさを所定
の試行時間について積分し、その積分値の逆数又はある
正の定数を積分値にて除算した値として評価値Y(j) を
演算する。
【0035】またショックアブソーバ16のピストンロ
ッド16Aの図には示されていない車体との連結部には
ピストンロッドの軸線方向の加速度Gr を検出する加速
度センサ28が組み込まれており、GA制御装置14の
評価ブロック14Aには加速度Gr を示す信号が入力さ
れる。評価ブロック14Aは試行時間内の加速度Grの
ピーク値Grpを求め、ピーク値Grpの大きさが高いほど
評価値K(j) が小さくなるようピーク値に応じて評価値
K(j) を演算し、K(j) 及びY(j) の積として最終的な
評価値X(j) を演算する。尚加速度センサ28は、ショ
ックアブソーバ16がそのシリンダの側にて車体に連結
される場合にはシリンダに設けられる。
【0036】またGAによる個体の交配は、個体間に於
いて遺伝子情報を組み替える任意の操作により行われて
よいが、主として「遺伝子情報の交換による交叉」(一
方の個体のn個の遺伝子の一部が他方の個体の対応する
遺伝子に入れ替えられる)、「一つの遺伝子情報内に於
ける交叉」(二つの個体の互いに対応する遺伝子情報の
一部が相互に入れ替えられる)、「突然変異」(一方の
個体のn個の遺伝子の一部が他方の個体の対応する遺伝
子情報と対立する情報の遺伝子に入れ替えられる)の三
つの態様にて行われる。これらの交叉に於いて、何れの
遺伝子を入れ替えるか、何れの遺伝子の何れの情報部分
を入れ替えるか、何れの個体の組合せについて交叉が行
われるかは予め設定された確率により決定される。
【0037】次に図4のゼネラルフローチャートを参照
して第一の実施形態に於けるショックアブソーバの減衰
力制御のメインルーチンについて説明する。
【0038】まずステップ50に於いてはタイマのカウ
ント値Tが0にリセットされ、ステップ100に於いて
は図5に示されたルーチンに従ってスカイフック理論に
基づくショックアブソーバの減衰力の制御(通常の制
御)が行われ、ステップ150に於いてはタイマのカウ
ント値TがT1 (正の定数)インクリメントされる。
【0039】ステップ200に於いてはタイマのカウン
ト値Tが基準値Tc1(正の定数)を越えているか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ1
00へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ25
0に於いて交配により新しい個体I(m+1) を誕生させる
演算が行われ、ステップ300に於いてタイマのカウン
ト値が0にリセットされると共にjが1にセットされ、
ステップ350に於いて減衰力を制御するための制御パ
ラメータ、即ち通電時間、最大許容切り換え段数、駆動
電圧が個体I(j) の値Te(j)、Sg(j)、Vd(j)に設定さ
れる。
【0040】ステップ400に於いては制御パラメータ
が個体I(j) の値に設定された状態で図5に示されたル
ーチンと同様のルーチンに従ってスカイフック理論に基
づくショックアブソーバの減衰力制御、即ち試行が行わ
れ、ステップ420に於いてはタイマのカウント値Tが
T2 (正の定数)インクリメントされる。
【0041】ステップ440に於いてはタイマのカウン
ト値Tが基準値Tc2(正の定数)を越えているか否かの
判別、即ち試行時間が経過したか否かの判別が行われ、
否定判別が行われたときにはステップ400へ戻り、肯
定判別が行われたときにはステップ460へ進む。ステ
ップ460に於いてはステップ300に於いてタイマの
カウント値が0にリセットされた時点以降の試行時間内
に於ける車体の上下加速度Gzpの絶対値が積分され、そ
の積分値の逆数又はある正の定数を積分値にて除算した
値として評価値Y(j) が演算される。
【0042】ステップ480に於いては試行時間内の加
速度Gr のピーク値Grpが求められると共に、ピーク値
Grpの絶対値に基づき図7に示されたグラフに対応する
マップより評価値K(j) が演算され、ステップ500に
於いてはK(j) 及びY(j) の積として最終的な評価値X
(j) が演算される。尚図7に於いて、Grpo はショック
アブソーバの制限段切り換え時に異音が発生し始める値
であり、例えば実験的に求められる。
【0043】ステップ510に於いてはjが1インクリ
メントされ、ステップ520に於いてはjがm+1を越
えているか否かの判別、即ち新しい個体を含む全ての個
体について試行が行われたか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ350へ戻り、肯定判
別が行われたときにはステップ550へ進む。ステップ
550に於いては新しい個体を含むm+1個の個体のう
ち評価値X(j) が最も高い個体が選択され(jが決定さ
れ)、ステップ600に於いては評価値が最も低い個体
が抹消され、しかる後ステップ50へ戻る。
【0044】次に図5を参照して図4に示されたフロー
チャートのステップ100に於けるスカイフック理論に
基づくショックアブソーバの減衰力制御のルーチンにつ
いて説明する。尚ステップ400に於けるショックアブ
ソーバの減衰力の試行制御のルーチンは、ステップ10
2に対応するステップに於いて減衰力制御のパラメータ
がm+1個の各個体の遺伝子情報に順次設定される点を
除き図5のルーチンと同様である。
【0045】ステップ102に於いては減衰力制御のパ
ラメータがステップ550に於いて選択された個体の遺
伝子情報に設定され、ステップ104に於いては車高セ
ンサ20により検出されバンドパスフィルタ処理された
車高Hを示す信号及び上下加速度センサ22により検出
されバンドパスフィルタ処理された車体の上下加速度G
z を示す信号の読み込みが行われ、ステップ106に於
いては車高Hを微分することによりショックアブソーバ
のストローク速度Vp が演算され、ステップ108に於
いては車体の上下加速度Gz を積分することによりばね
上速度Vz が演算される。
【0046】ステップ110に於いては上記ストローク
速度Vp 及びばね上速度Vz に基づき前記数1に従って
スカイフックの演算が行われることにより、ショックア
ブソーバ16に要求される減衰係数Creq が演算され
る。ステップ112に於いては減衰係数Creq が負であ
るか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには
そのままステップ116へ進み、肯定判別が行われたと
きにはステップ114に於いて減衰係数Creq が0に設
定される。
【0047】ステップ116に於いては目制御段を求め
るための各制御段の減衰係数C1 〜Cn より減衰係数C
req に最も近い減衰係数Ca が選定され、図8に示され
ている如くその選定された減衰係数に対応するショック
アブソーバの制御段が目標制御段Sa として設定され
る。ステップ118に於いては現在の制御段をSp とし
て制御段の変化幅Sa −Sp がステップ102に於いて
選択された個体の最大許容切り換え段数Sg(j)を越えて
いるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときに
はステップ122へ進み、肯定判別が行われたときには
ステップ120に於いて目標制御段Sa がSp +Sg(j)
に設定される。
【0048】ステップ122に於いては、Sa −Sp が
−Sg(j)未満であるか否かの判別が行われ、否定判別が
行われたときにはそのままステップ130へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ124に於いて目標制
御弁Sa がSp −Sg(j)に設定される。ステップ130
に於いては駆動電流の通電時間及び駆動電圧がそれぞれ
102に於いて設定されたTe(j)及びVd(j)に設定され
た状態で、ショックアブソーバの制御段を目標制御段S
a に設定するための駆動電流がアクチュエータ18へ出
力され、これによりショックアブソーバの制御段が目標
制御段に制御される。
【0049】かくして図示の第一の実施形態に於いて
は、ステップ100及び400によりスカイフック制御
装置12の制御が達成され、ステップ50、150〜3
50、420〜600によりGA制御装置14の制御が
達成される。またスカイフック制御装置12及びGA制
御装置14に於ける制御のタイムシーケンスは図6に示
されている通りである。
【0050】即ちステージ1〜4の順に各制御が実行さ
れ、ステージ4が完了するとステージ1〜4が再度繰返
し実行される。尚ステージ1の時間は数時間乃至十数時
間程度に設定され、ステージ3は1時間程度に設定さ
れ、ステージ2及び4は実質的に瞬間的に行われる。ま
たステージ2はステージ1の過程に於いて実行されても
よい。
【0051】以上の説明より解る如く、図示の第一の実
施形態によれば、ステップ250に於いて個体の交配に
より新しい個体が誕生せしめられ、ステップ300〜4
40に於いて各個体が試行され、ステップ460〜50
0に於いて各個体の評価値X(j) が演算され、ステップ
550に於いて新しい個体を含むm+1個の個体より評
価値が最も高い個体が選択され、ステップ600に於い
て評価値が最も低い個体が抹消せしめられ、ステップ5
0〜200に於いて評価値が最も高い個体の通電時間T
e 及び駆動電圧Vd によりスカイフック制御によるショ
ックアブソーバの減衰力の制御が実行され、またこの場
合制御段の最大切り換え幅が評価値が最も高い個体の最
大許容切り換え段数に制限される。
【0052】特にステップ460に於いてショックアブ
ソーバの振動減衰効果の指標としての評価値Y(j) が演
算され、ステップ480に於いてピストンロッドの軸線
方向の加速度Gr のピーク値Grpの絶対値が高いほど評
価値K(j) が小さくなるよう、ショックアブソーバの制
御段切り換え時の異音発生防止効果の指標として評価値
K(j) が演算され、ステップ500に於いてK(j) 及び
Y(j) の積として最終的な評価値X(j) が演算される。
【0053】従って評価値X(j) は異音発生防止効果及
び振動減衰効果の両方についての指標であり、この指標
に基づいて新しい個体を含む新世代が評価されるので、
ステップ102に於いて選択される個体は両者の効果に
優れたものであり、従ってスカイフック理論に基づくシ
ョックアブソーバの減衰力制御に於いて、制御段切り換
え時の異音の発生を防止しつつできるだけ応答性よくシ
ョックアブソーバの減衰力を制御することができる。
【0054】またステップ118〜124により制御段
の変化幅Sa −Sp が最大許容切り換え段数Sg(j)以下
になるよう目標制御弁Sa が補正され、またステップ1
26に於いて通電時間Te 及び駆動電圧Vd がステップ
550に於いて選択された最適の個体の値に設定され
る。
【0055】図9に於いて破線にて示されている如く、
例えば現在の制御段Sp が3段であり補正前の目標制御
段Sa が8段とすれば、その場合の制御段の変化幅ΔS
1 は5段になる。これに対し図9に於いて実線にて示さ
れている如く、最大許容切り換え段数Sg(j)が3段とす
れば、補正後の目標制御段Sa は6段になり、従って一
回の制御段制御サイクルに於ける制御段の変化幅ΔS2
は小さくなり、これに対応してショックアブソーバの減
衰係数変化幅も小さくなる。
【0056】また図10に於いて破線にて示されている
如く、通電時間Te が小さい場合には一回の制御段制御
サイクルの早い時期に制御段を現在の制御段Sp より目
標制御段Sa に到達させることができるが、その場合に
は単位時間当りの制御段の変化量が高くなって減衰係数
の変化速度が高くなり、異音が発生し易くなる。これに
対し図10に於いて実線にて示されている如く、通電時
間Te が長く設定されれば、単位時間当りの減衰係数の
変化率を小さくすることができる。
【0057】更に図11に於いて破線にて示されている
如く、駆動電圧Vd が高い場合には実際の制御段が瞬間
的に目標制御段を越える所謂オーバシュートが発生し易
くなる。これに対し図11に於いて実線にて示されてい
る如く、駆動電圧Vd が低い適度な値に設定されれば、
かかるオーバシュートを防止し、これにより瞬間的な減
衰係数の変化率の急増を防止することができる。
【0058】従ってこの実施形態によれば、減衰係数の
変化幅、単位時間当りの減衰係数の変化量、制御段のオ
ーバシュートの程度が最適になるよう、最大許容切り換
え段数Sg(j)、通電時間Te 、駆動電圧Vd が最適化さ
れるので、制御段切り換え時の異音の発生を確実に防止
しつつショックアブソーバの減衰力制御の応答性を高く
することができる。
【0059】第二の実施形態 この実施形態に於ける個体群は、図12に示されている
如く、スカイフック減衰係数Cs(j)と、許容上限制御段
Sm(j)と、ショックアブソーバの目標制御段を求めるた
めの各制御段のn個の減衰係数C1(j)〜Cn(j)との組合
せを遺伝子とするm個の個体I(j) (j=1〜m)より
なる個体群である。尚許容上限制御段Sm(j)とは、1段
〜n段のうち許容される最も高い制御段である。
【0060】またこの実施形態に於けるショックアブソ
ーバの減衰力制御のメインルーチンは、上述の第一の実
施形態に於けるメインルーチンと実質的に同一である。
また図13に示されている如く、この実施形態に於ける
スカイフック理論に基づくショックアブソーバの減衰力
制御のサブルーチンも、第一の実施形態に於けるサブル
ーチンと実質的に同一であるが、以下の点で異なる。
【0061】即ちステップ110に於いては、スカイフ
ック減衰係数Cs がステップ102に於いて設定された
値Cs(j)に設定されることにより、スカイフックの演算
が前記数1に対応する下記の数2に従って行われる。ま
たステップ116に於いてはステップ102に於いて設
定された各制御段の減衰係数C1(j)〜Cn(j)に基づき目
標制御段Sa が選定される。
【数2】Creq =Cs(j)×(Vz /Vp )
【0062】更にステップ116の次にはステップ12
6に於いて目標制御段Sa がステップ102に於いて設
定された許容上限制御段Sm(j)を越えているか否かの判
別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステ
ップ130へ進み、肯定判別が行われたときにはステッ
プ128に於いて目標制御段Sa がSm(j)に補正され
る。
【0063】前述の如く、スカイフック理論に基づくシ
ョックアブソーバの制御則に於いては、スカイフック減
衰係数Cs(j)が小さいほど制御ゲインが小さくなること
により、ショックアブソーバに要求される減衰係数の変
化幅が小さくなり、ショックアブソーバの制御段の切り
換え変化幅が小さくなる。また目標制御段を求めるため
の各制御段の減衰係数C1(j)〜Cn(j)の相互の差が大き
いほど、換言すれば図14に於いて実線にて示された状
態より破線にて示された状態の如く傾斜が大きくなる
程、ショックアブソーバに要求される減衰係数の変化幅
に対するショックアブソーバの制御段の切り換え変化幅
の比が小さくなる。
【0064】更に制御段切り換え時の異音は、同一の減
衰係数の変化率について見て、許容上限制御段Sm(j)が
低いほど、減衰係数の増大時に現在の制御段より実際に
切換え制御される制御段までの変化幅が小さくなるの
で、許容上限制御段Sm(j)が低いほど異音は発生しにく
くなる。
【0065】この実施形態によれば、異音が発生しない
範囲内にてできるだけ迅速な減衰係数の増減制御が行わ
れるよう、スカイフック減衰係数Cs(j)、許容上限制御
段Sm(j)、C1(j)〜Cn(j)が最適化されるので、制御段
切り換え時の異音の発生を確実に防止しつつショックア
ブソーバの減衰力制御の応答性を高くすることができ
る。
【0066】またこの第二の実施形態によれば、サスペ
ンションスプリング等に経時変化が生じても、その経時
変化に応じてスカイフック減衰係数Cs(j)が最適化さ
れ、またショックアブソーバ等に経時変化が生じても、
その経時変化に伴うショックアブソーバの実際の各段の
減衰係数の変化に対応して減衰係数Ci(j)が最適に設定
されるので、ショックアブソーバ等の経時変化に拘らず
スカイフック理論に基づくショックアブソーバの制御を
最適に実行して車体の振動を最適に制御することができ
る。
【0067】尚この実施形態に於いては、目標制御段を
求めるための各制御段の減衰係数C1(j)〜Cn(j)の遺伝
子情報がショックアブソーバの各制御段の基準減衰係数
Co1〜Conに対する増減補正値A1(j)〜An(j)に設定さ
れ、ショックアブソーバの目標制御段Sa が補正後の各
制御段の減衰係数Co1+A1(j)、Co2+A2(j)……Con
-1+An-1(j)、Con+An(j)に基づいて求められるよう
構成されてもよく、また遺伝子情報が基準減衰係数Co1
〜Conに対する補正係数K1(j)〜Kn(j)に設定され、シ
ョックアブソーバの目標制御段Sa が補正後の各制御段
の減衰係数K1(j)・Co1、K2(j)・Co2……Kn-1(j)・
Con-1、Kn(j)・Conに基づいて求められるよう構成さ
れてもよい。
【0068】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0069】例えば上述の二つの実施形態に於いては、
交配により誕生せしめられる新しい個体は一つである
が、複数の個体が誕生せしめられてもよく、また評価は
m+1個全ての新世代について行われるようになってい
るが、新しい個体と元の評価が高いM個(M<m)の個
体についてのみ評価が行われてもよく、更には制御パラ
メータの変更及び最適の制御パラメータの選定は遺伝的
アルゴリズム以外の態様にて行われてもよい。
【0070】また第一の実施形態に於ける最大許容切り
換え段数Sg(j)、通電時間Te 、駆動電圧Vd や、第二
の実施形態に於けるスカイフック減衰係数Cs(j)、許容
上限制御段Sm(j)、目標制御段を求めるための各制御段
の減衰係数C1(j)〜Cn(j)にそれぞれ上限値及び下限値
が設定され、新しい個体の制御パラメータがこれらの値
を越えるときには上限値又は下限値に補正され、これに
より各制御パラメータがより一層早くそれらの最適値に
到達するよう構成されてもよい。
【0071】また図示の各実施形態に於ける評価値Y
(j) は車体の上下加速度Gzpの絶対値の積分値に基づき
演算されるようになっているが、この評価値は車体のロ
ールレートの絶対値の積分値又は車体のピッチレートの
絶対値の積分値に基づき演算されてもよく、或いは車体
の上下加速度の絶対値の積分値と車体のロールレートの
絶対値の積分値との線形和や、車体の上下加速度の絶対
値の積分値と車体のピッチレートの絶対値の積分値との
線形和に基づき演算されてもよく、更には三つの積分値
の線形和に基づき演算されてもよい。
【0072】また上述の各実施形態に於いては、ショッ
クアブソーバの減衰力を制御するための制御則はスカイ
フック理論に基づく制御則であるが、本発明の装置に於
ける制御則は任意の制御則であってよく、例えば車体の
前後加速度や横加速度の大きさに応じてショックアブソ
ーバの制御段を切り換えるアダプティブ制御の制御則で
あってもよい。
【0073】更に上述の第一及び第二の実施形態の構成
が組み合わされ、これにより第一又は第二の実施形態の
場合よりも一層好ましくショックアブソーバの減衰力が
制御されるよう構成されてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、選定される最適の制御パ
ラメータは制御段切り換え時の異音の発生を防止するこ
とができる値であってショックアブソーバの減衰力制御
の応答性をできるだけ高くする値に設定されるので、制
御段切り換え時の異音の発生を防止しつつできるだけ応
答性よくショックアブソーバの減衰力を制御して車体の
振動を効果的に減衰させることができる。
【0075】また請求項2の構成によれば、変更手段に
よる制御パラメータの変更及び選定手段による評価結果
に基づく最適の制御パラメータの選定を確実に且つ最適
に行わせることができるので、上述の請求項1の構成に
よる作用効果を確実に得ることができる。
【0076】また請求項3の構成によれば、選定される
最適の制御パラメータは単位時間当りの減衰係数の変化
量、一回の制御段切り換え制御サイクルに於ける減衰係
数の変化量若しくはオーバシュート量が最適になる値に
設定されるので、制御段切り換え時の異音の発生が生じ
ない範囲内にてショックアブソーバの減衰力制御の応答
性をできるだけ高くすることができる。
【0077】また請求項4の構成によれば、選定される
最適の制御パラメータはショックアブソーバに要求され
る減衰係数の変化幅若しくはショックアブソーバに要求
される減衰係数の変化幅に対するショックアブソーバの
制御段の切り換え変化幅の比が最適になる値に設定され
るので、制御弁切り換え時の異音が発生しない範囲内に
てショックアブソーバの減衰力制御の応答性をできるだ
け高くすることができる。
【0078】また請求項5の構成によれば、制御段切り
換え時の異音発生防止効果はショックアブソーバの車体
側部材の加速度の大きさに基づいて評価されるので、ノ
イズの影響を受けることなく異音発生防止効果を確実に
評価することができ、また異音を検出するセンサやノイ
ズ除去装置等の必要性を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スカイフック理論に基づく減衰力制御装置に適
用された本発明によるショックアブソーバ制御装置の第
一の実施形態の概略構成図(A)及び(A)に示された
GA制御装置14のブロック図(B)である。
【図2】アクチュエータの解図的平断面図である。
【図3】第一の実施形態に於ける個体群を示す説明図で
ある。
【図4】第一の実施形態に於ける減衰力制御のメインル
ーチンを示すゼネラルフローチャートである。
【図5】図4のステップ100に於けるスカイフック理
論に基づく減衰力制御のサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図6】スカイフック制御装置12及びGA制御装置1
4に於ける制御を示すタイムチャートである。
【図7】加速度のピーク値Grpの絶対値と評価地Kj と
の間の関係を示すグラフである。
【図8】減衰係数Ca に基づき目標制御段Sa を求める
要領を示す説明図である。
【図9】補正により制御段の変化幅が減少することを示
す説明図である。
【図10】補正により単位時間当りの制御段の変化量が
低減されることを示す説明図である。
【図11】制御段切り換え時のオーバシュートがない場
合(実線)及びオーバシュートがある場合(破線)を示
す説明図である。
【図12】第二の実施形態に於ける個体群を示す説明図
である。
【図13】本発明によるショックアブソーバ制御装置の
第二の実施形態に於けるスカイフック理論に基づく減衰
力制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】補正前(実線)及び補正後(補正後)の各制
御段の減衰係数を示す説明図である。
【符号の説明】
10…減衰力制御装置 12…スカイフック制御装置 14…GA制御装置 14A…評価ブロック 14B…制御パラメータ変更ブロック 14C…制御パラメータ選定ブロック 16…ショックアブソーバ 18…アクチュエータ 20…車高センサ 22、24…上下加速度センサ 28…加速度センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減衰力制御弁をアクチュエータによって駆
    動することにより所定の制御則に従って車輌の走行状態
    に応じた目標制御段に切り換える車輌のショックアブソ
    ーバ制御装置にして、前記アクチュエータによる前記シ
    ョックアブソーバの制御段切り換えの急激度合を決定す
    る制御パラメータを変更する変更手段と、前記制御パラ
    メータについて前記ショックアブソーバの制御段切り換
    え時の異音発生防止効果及び車体振動減衰効果を評価す
    る評価手段と、前記評価手段による評価結果に基づき変
    更前及び変更後の前記制御パラメータのうち最適の制御
    パラメータを選定する選定手段とを有することを特徴と
    するショックアブソーバ制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1のショックアブソーバ制御装置に
    於いて、前記変更手段及び前記選定手段は遺伝的アルゴ
    リズムに基づき作動することを特徴とするショックアブ
    ソーバ制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のショックアブソーバ制御
    装置に於いて、前記アクチュエータはステップモータ式
    のアクチュエータであり、前記制御パラメータは制御段
    切り換えの通電時間、最大許容切り換え段数、駆動電圧
    の少なくとも一つを含んでいることを特徴とするショッ
    クアブソーバ制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2のショックアブソーバ制御
    装置に於いて、前記制御則はスカイフック理論に基づく
    制御則であり、前記制御パラメータはスカイフック減衰
    係数及び前記目標制御段を求めるための各制御段の減衰
    係数の少なくとも一方を含んでいることを特徴とするシ
    ョックアブソーバ制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかのショックアブソ
    ーバ制御装置に於いて、前記ショックアブソーバの制御
    段切り換え時の異音発生防止効果は前記ショックアブソ
    ーバの車体側部材の加速度の大きさに基づいて評価され
    ることを特徴とするショックアブソーバ制御装置。
JP9313896A 1996-03-22 1996-03-22 車輌のショックアブソーバ制御装置 Pending JPH09254624A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110222432A (zh) * 2019-06-12 2019-09-10 中国科学院沈阳自动化研究所 一种基于遗传算法的局部约束阻尼板参数优化设计方法
KR20200129207A (ko) * 2019-05-07 2020-11-18 현대자동차주식회사 차량의 액티브 서스펜션 제어방법

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