JPH09253580A - 分別・輸送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は送風手段が１つで、かつ分別と分別物
の輸送が可能な装置を提供することを目的としている。 【解決手段】グレートを有する吸引口、被分別物を吸引
口へ輸送し、かつ分別後のプラスチック及び金属等も輸
送するベルトコンベア、グレートに吸い付いたプラスチ
ック等を掻き落とすスクレーパ、吸引された発泡断熱材
を輸送する輸送管及び吸引手段の送風機より構成された
分別・輸送装置。本発明により発泡断熱材、プラスチッ
ク及び金属等が混在する被分別物からの発泡断熱材の分
別しと輸送が１つの送風手段できるため、低価格の分別
と輸送が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、軽量物、中間重量
物及び重量物が混在する被分別物から軽量物を分別し、
かつ分別した軽量物を輸送する装置に係り、特に軽量物
が発泡断熱材（以下、ウレタンという）、中間重量物が
板状のプラスチックである被分別物の分別・輸送装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】分別装置に関しては、各種の風力分別機
が提案されており、特にウレタンと板状とプラスチック
の分別に関しては特開平７ー１４５５号公報がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】被分別物を、金属等の
重量物、板状のプラスチック等の中間重量物、塊状の発
泡断熱材（以下、ウレタンという）等の軽量物が混在し
た破砕片とし、図２のようにＡ点にある破砕片から発泡
断熱材だけを分別してＢ点まで輸送する場合を考える。
まずケース１（図２（Ａ））として分別機をＡ点に設置
した風力分別機とし、風力分別機のダクトをＢ点まで延
長して輸送することが考えられる。しかしの破砕片は通
常、破砕機の下部から排出されるため、風力分別機の投
入口までバケットエレベータのような鉛直方向の輸送手
段が必要になる。すなわち分別機以外の輸送手段が必要
である。

【０００４】次にケース２（図２（Ｂ））としてＢ点へ
風力分別機を設置しＡ点から風力分別機までの輸送手段
を空気輸送で考える。このとき空気輸送のための送風手
段が必要になり、仮りにこの空気輸送の送風手段と風力
分別機の送風手段を１つの送風手段で兼ねることを考え
ると、以下の理由で風力分別機の分別性能が低下する。

【０００５】すなわち風力分別機は通常、風の流路に影
響を与えないように風の流路と投入口はロータリーバル
ブ等でシールされており、このシールを除去すると風の
流路内での投入口付近の風の挙動が、本来の風力分別機
の風の挙動が異なってくる。また空気輸送の風速と風力
分別の風速は全く異なるため、風の流路の内と外でのマ
ッチングが難しい。以上の理由でケース２で風力分別機
と空気輸送の送風手段を１つにし、かつ本来の風力分別
機の性能を期待するのは難しく、この場合も風力分別機
以外に送風手段が必要になる。

【０００６】本発明は送風手段が１つで、かつ分別と分
別物の輸送が可能な装置を提供することを目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】グレートを有する吸引
口、グレートに吸い付いたプラスチック等を掻き落とす
複数個の掻き落とし羽根をベルトコンベアのベルト上に
固定したベルトコンベア、吸引された発泡断熱材を空気
輸送する空気輸送管及び前記空気輸送の吸引手段と風力
分別機の送風手段を兼ねた送風機を有する風力分別機よ
り構成された分別・輸送装置を用いることにより達成さ
れる。

【０００８】ベルトコンベアに供給された被分別物は、
吸引口での風速により重量物は吸い込まれずに分別され
る。またプラスチックは吸い込まれそうになるがグレー
トにひっかかり、掻き落とし羽根で掻き落とされ金属と
いっしょに回収される。従って軽量なウレタンだけが分
別される。

【０００９】

【発明の実施の形態】

実施例１：図１及び図３に本発明の１実施例を示す。図
３は図１のＡ−Ａ断面である。空気輸送は、吸引口１、
配管２、集塵機３に設置された送風機４で構成される。
吸引口１は、５のケーシングと６のグレートより構成さ
れる。ここでグレート６は、図１の帯板（６）を図３の
ように等間隔に並べ、サポート７に固定したものであ
る。８は吸引口へ被分別物である破砕片を供給するベル
トコンベアであるが、本コンベアは被分別物の供給とと
もにグレート６にひかかった板状のプラスチック９を掻
き落とす役目を持つ。そのためベルトコンベアのベルト
１０には、Ｌ形の掻き落とし羽根１１が当板１２を介し
て等間隔に固定されている。またベルトの両側から破砕
片がこぼれるのを防止するため、図３のガイド１３がベ
ルトコンベアのフレーム１４に固定（図１ではガイド等
は省略）されている。また吸引口とベルトコンベアの距
離は、金属は吸い上げられないように、一方ウレタンは
ほぼ全てが吸い上げられるように調整をしておく。ベル
トコンベアに被分別物を供給すると、金属等の重量物は
吸引口の風速でも吸引されずに、そのまま回収部１５へ
回収される。板状のプラスチック９は、吸引口に吸い上
げられるものと吸い上げられずに回収部１５に回収され
るものとの分けられ、吸い上げられたプラスチックは、
大半がグレート６にひっかかる。一方軽量物のウレタン
１６は吸引口に吸い込まれる。上記のグレートにひっか
かったプラスチックをそのまま放置すると吸引口が目づ
まりすることになるが、ベルト上の掻き落とし羽根１１
で常時掻き落とされるため、再びベルト上に落下し、回
収部１５へ回収される。一方、吸い込まれたウレタンは
フィルタ１７を有する集塵機に入りロータリバルブ１８
を介して回収部１９へ回収される。

【００１０】本分別及び輸送装置の用途の１つに、廃冷
蔵庫の破砕片のウレタン、プラスチック及び金属の分別
がある。

【００１１】そこで発明者らが廃冷蔵庫の破砕片を用い
た実験を行った結果、グレートの間隔が５０ｍｍではウ
レタンの一部がグレートにひっかかり掻き落とされるた
めウレタンの回収率が下がり、逆にグレートの間隔が１
００ｍｍ以上になるとプラスチックが吸引されてプラス
チックの混入率が増える。従って５０〜１００ｍｍが適
正な間隔であることが明かになった。

【００１２】実施例２：実施例１の装置では、金属と板
状のプラスチックの大半を分別することができ、分別さ
れたウレタン中に混入するプラスチックは、グレート６
を通過した小さなプラスチックのみである。しかしさら
に分別性能が要求される場合は、実施例１と風力分別機
を組み合わせて、より完全な分別物が得られる。以下、
図４により述べる。なお本実施例では集塵機の送風機
が、風力分別機の送風と空気輸送のための送風を兼ねて
いる点に特徴である。

【００１３】図４において吸引口１から吸い込まれた空
気は空気輸送管２及び風力分別機２０の風胴を通って集
塵機３へ抜ける。風力分別機２０の風胴内の風速は、空
気輸送管の断面積に比べ風胴の断面積が大きいため風力
分別機の投入口２１で急激に低下する。そして空気取入
口２２に設けられたバルブにより風力分別機に最適な風
速に微調整される。以下、作用について説明する。破砕
機の排出口２３より排出された破砕片はホッパ２４を介
して実施例１のベルトコンベア上に載せられ、吸引口で
金属とプラスチックが分別される。ここでの機能は実施
例１と同じなため省略する。吸引されたウレタンとプラ
スチックの一部は投入口２１から風力分別機に入る。こ
こで軽いウレタンはそのまま風に飛ばされ集塵機に入
り、ロータリバルブを経由して回収部１５へ回収され
る。

【００１４】本実施例の場合、吸引口で吸引されたプラ
スチックの小片も風力分別機で分別されるため高精度の
分別が可能になる。

【００１５】

【発明の効果】本発明により発泡断熱材、プラスチック
及び金属等が混在する被分別物からの発泡断熱材の分別
と輸送が１つの送風手段できるため、低価格の分別と輸
送が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による分別・輸送装置の一実施例を示す
正面図である。

【図２】本発明の分別・輸送の例を示す概念説明図であ
る。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である

【図４】本発明による分別・輸送装置の他の実施例を示
す構成図である

【符号の説明】

１…吸引口、２…空気輸送管、４…送風機、６…グレー
ト、８…ベルトコンベア、９…プラスチック、１０…ベ
ルト、１１…スクレーパの羽根。

フロントページの続き (72)発明者 上田 博信 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 藤森 幹治 山口県下松市大字東豊井794番地 日立テ クノエンジニアリング株式会社笠戸事業所 内 (72)発明者 山口 修司 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軽量物と中間重量物が混在する被分別物、
   あるいは軽量物と中間重量物と重量物とが混在する被分
   別物から軽量物を分別して輸送する装置において、グレ
   ートを有する吸引口、吸引によりグレートに吸い付いた
   中間重量物等を掻き落とすスクレーパ、吸引された軽量
   物を空気輸送する空気輸送管及び吸引手段である送風機
   より構成された分別・輸送装置。
2. 【請求項２】発泡断熱材と板状のプラスチックあるいは
   これらに金属等が混在する被分別物から発泡断熱材を分
   別して輸送する装置において、グレートを有する吸引
   口、グレートに吸い付いたプラスチック等を掻き落とす
   スクレーパ、吸引された発泡断熱材を空気輸送する空気
   輸送管及び吸引手段の送風機より構成された分別・輸送
   装置。
3. 【請求項３】発泡断熱材と板状のプラスチックあるいは
   これらに金属等が混在する被分別物から発泡断熱材を分
   別して輸送する装置において、グレートを有する吸引
   口、グレートに吸い付いたプラスチック等を掻き落とす
   複数個の掻き落とし羽根をベルトコンベアのベルト上に
   固定したベルトコンベア、吸引された発泡断熱材を空気
   輸送する空気輸送管及び吸引手段の送風機より構成され
   た分別・輸送装置。
4. 【請求項４】発泡断熱材と板状のプラスチックあるいは
   これらに金属等が混在する被分別物から発泡断熱材を分
   別して輸送する装置において、グレートを有する吸引
   口、グレートに吸い付いたプラスチック等を掻き落とす
   複数個の掻き落とし羽根をベルトコンベアのベルト上に
   固定したベルトコンベア、吸引された発泡断熱材を空気
   輸送する空気輸送管及び前記空気輸送の吸引手段と風力
   分別機の送風手段を兼ねた送風機を有する風力分別機よ
   り構成された分別・輸送装置。
5. 【請求項５】請求項１〜４のいずれか記載の分別・輸送
   装置において、上記グレートが、帯板をベルトの進行方
   向と直角方向に複数個並べて吸引口に固定されたもの
   で、かつが５０〜１００ｍｍであることを特徴とする分
   別・輸送装置。