JPH09253430A - 装飾脱臭抗菌シート - Google Patents

装飾脱臭抗菌シート

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JPH09253430A
JPH09253430A JP8065973A JP6597396A JPH09253430A JP H09253430 A JPH09253430 A JP H09253430A JP 8065973 A JP8065973 A JP 8065973A JP 6597396 A JP6597396 A JP 6597396A JP H09253430 A JPH09253430 A JP H09253430A
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JP
Japan
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decorative
fiber
dyed
fibers
antibacterial sheet
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JP8065973A
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Katsushi Ogami
勝志 大上
Yuji Iguchi
裕二 井口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光反応性半導体の光触媒作用により悪臭物質
や細菌などの有害物質を分解除去可能であり、かつ意匠
性にも優れた装飾脱臭抗菌シートを提供する。 【解決手段】 チョップ状の繊維を染色してなる染色繊
維を必須成分として含有する着色基材中に、光反応性半
導体および微細繊維、またはそれらと白色顔料とからな
る凝集複合体を内添してなり、かつ湿式抄紙法で製造さ
れたものであることを特徴とする装飾脱臭抗菌シート。
凝集複合体中に着色基材とは異なる色で染色された微細
繊維を含有しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は装飾脱臭抗菌シート
に関し、さらに詳しくは、光反応性半導体の光触媒作用
により悪臭物質や細菌などの有害物質を分解除去可能な
ばかりでなく、意匠性にも優れた装飾脱臭抗菌シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工場などにおける工業的に発生す
る悪臭や、多量の廃棄物を排出する飲食店やホテルなど
のサービス産業における廃棄物に起因した悪臭が問題と
なっていたが、最近では、自動車内や一般室内などの日
常生活空間における悪臭もクローズアップされてきてい
る。従って、これら悪臭などの有害物質の除去に対する
ニーズが高まっており、悪臭除去装置や悪臭除去フィル
ターなどを組み込んだ空気清浄機の開発が盛んに行なわ
れている。
【0003】一般の空気清浄機には、活性炭を含有する
フィルターが使用されており、活性炭に悪臭などの有害
物質を吸着させる方法がとられている。しかしながら、
活性炭は大部分の有害物質に対して吸着作用しか示さ
ず、一定量の有害物質を吸着するとフィルターの交換を
要する、あるいは、周囲の温度上昇や有害物質の濃度上
昇などにより、一度吸着した有害物質が離脱し易いとい
う問題点があった。
【0004】近年、このような問題を解決するために、
有害物質を分解し得る触媒を用いた材料、あるいは該触
媒と活性炭のような吸着剤とを組み合わせた材料が開発
されてきている。例えば、特開平1−234729号公
報では、ハニカム状活性炭表面に光触媒能を有する二酸
化チタンの層を形成してなる脱臭剤を組み込んだ空気調
和機が開示されている。該空気調和機には紫外線ランプ
が装着されており、該脱臭剤に紫外線を照射することに
よって、二酸化チタンの光触媒作用で活性炭に吸着した
有害物質を分解除去する。
【0005】その他にも、特開平2−253848号公
報では、無機質繊維状担体にアナターゼ型酸化チタン、
活性炭、並びにマンガン、鉄、銅、コバルト、ニッケル
などのオゾン分解能を有する成分を担持したオゾン分解
触媒、特開平3−233100号公報では、二酸化チタ
ン、活性炭、鉄系金属化合物の混合物と、これに300
nm以上の波長の光を照射する光源とからなる自動車道
トンネル用換気設備、特開平4−256755号公報で
は、二酸化チタンなどの光反応性半導体を担持させた粒
状パルプからなる光反応性有害物質除去材といった具合
に実に様々な有害物質を分解除去可能な材料が開示され
ている。
【0006】このように有害物質を分解し得る触媒を用
いた材料や、該触媒と活性炭のような吸着剤とを複合化
した材料を用いることによって、吸着剤を単独で使用し
た場合に比べて、より効果的な脱臭が可能となる。しか
しながら、これらの従来技術においては、有害物質の除
去にのみ重点が置かれており、当該材料を例えば車載材
料、ランプシェード、壁紙などの人目に触れる意匠性を
要求される用途に転用することは困難な状況にあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光反
応性半導体の光触媒作用により悪臭物質や細菌などの有
害物質を分解除去可能なばかりでなく、意匠性にも優れ
た装飾脱臭抗菌シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、装飾脱臭抗菌シ
ートを発明するに至った。
【0009】即ち、本発明の装飾脱臭抗菌シートは、チ
ョップ状の繊維を染色した染色繊維を必須成分として含
有する着色基材中に、光反応性半導体および微細繊維の
凝集複合体を内添してなり、かつ湿式抄紙法で製造され
たものである。
【0010】チョップ状の繊維を染色することによっ
て、繊維側面および断面が均一に染色された染色繊維を
得ることが可能であり、該染色繊維を必須成分として含
有する基材が湿式抄紙法によって製造されているため
に、染色繊維が基材中に均一に分散した均一な色調を有
する装飾感溢れる着色基材が得られる。加えて、湿式抄
紙法においては、上記の凝集複合体を基材中に均一に内
添することが可能であり、かつ内添を容易に行なえるの
で生産性にも優れるという利点がある。これらの結果、
光反応性半導体の光触媒作用により悪臭物質や細菌など
の有害物質を分解除去可能なばかりでなく、意匠性にも
優れた装飾脱臭抗菌シートを得ることが可能となる。
【0011】また、本発明の装飾脱臭抗菌シートでは、
凝集複合体中に、白色顔料を含有しても良い。
【0012】白色顔料は光反応性半導体を担持する担体
として作用し、光反応性半導体の光触媒作用による着色
基材の劣化(強度低下、退色による意匠性の低下など)
の抑制に寄与し、それ自体は白色であるが故に装飾脱臭
抗菌シートの意匠性を損なうことはない。また、白色顔
料として、有害物質に対して吸着能や触媒能を有する材
料を使用すれば、有害物質除去材としての装飾脱臭抗菌
シートの一層の高機能化も可能である。
【0013】さらに、本発明の装飾脱臭抗菌シートで
は、凝集複合体中に、着色基材とは異なる色で染色した
微細繊維を含有しても良い。
【0014】凝集複合体中に、着色基材とは異なる色で
染色した微細繊維を含有させることによって、装飾脱臭
抗菌シートに様々な色柄を付与することが可能であり、
意匠性向上のバリエーションを一層広げることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
【0016】以下、本発明の装飾脱臭抗菌シートについ
て、詳細に説明する。
【0017】まず、染色繊維について、以下に具体的に
説明する。本発明で用いられる染色繊維は、チョップ状
の繊維、即ちトウあるいはマルチフィラメントの状態で
紡糸された繊維を集束してチョップ状にカットした繊維
を染色してなるものである。湿式抄紙時の繊維の水中で
の離解・分散性を考慮した場合、繊維のカット長として
は20mm以下であることが好ましい。
【0018】繊維の種類としては、ポリエステル繊維、
ポリアクリロニトリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ
アミド繊維などの有機合成繊維、アセテート系繊維など
の半合成繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、木材パル
プ、綿、麻などのセルロース系天然繊維、絹、羊毛、カ
シミアなどのタンパク質系天然繊維が例示され、フィラ
メント状のものはそのままカットして使用され、ステー
プルはスライバーを集束し、カットしたものを使用でき
る。
【0019】使用する染料は、分散染料、カチオン染
料、酸性染料、直接染料、反応性染料などを繊維の種類
にあわせ、助剤と共に使用することができる。染色濃度
に特に制限はないが、繊維重量に対して0.01〜10
重量%の範囲で染料を用いるのが適当である。
【0020】本発明の染色繊維は、このような染料が繊
維の側面だけでなく、繊維の断面にも染着したものであ
る。フィラメントやトウを染色した場合には、繊維の側
面からしか染料が入り込めないが、チョップ状にカット
されているために、(1)繊維の側面のみならずカット
断面からも染料が入り込めること、(2)隣接した繊維
間に微妙なズレが多数生じ、そこからも染料が入り込め
ることから染色ムラが格段に減少した均一な染色状態の
繊維が得られる。
【0021】チョップ状の繊維の染色には、従来公知の
方法を広く使用することができるが、液流型の染色機を
用いて染色を行なうことが好ましい。代表的な例として
は、オーバーマイヤー型の染色機が挙げられる。ここ
で、繊維のキャリヤへの充填密度は、0.3〜0.7g
/cm3であることが好ましい。0.3g/cm3未満であ
ると、繊維間でクラックが生じ、染液が選択的にクラッ
ク間を流れ、染色ムラが発生し易くなり好ましくない。
一方、0.7g/cm3を超えると、染色中に繊維の膨潤
で染液が流れにくくなり、やはり染色ムラが発生し易く
なる。
【0022】染液流量は、染色を開始した当初は5L/
分・kg以上が好ましい。但し、染色中に染液の温度が
繊維のガラス転移点を超えると、繊維が膨潤して染液の
通路が狭くなり、染液流量が小さくなるので注意を要す
る。
【0023】繊維を充填するキャリヤとして、目の粗い
ものを使用すると繊維が流出するため、染液の通液性を
阻害しない範囲で目の細かいものを使用するのが好まし
い。具体的には、通気度が300〜1000cc/cm2/sec
の範囲のものを用いるのが適当である。あるいは該通気
度のもので目の粗いキャリヤの内側を覆うことでも目的
を達成できる。
【0024】染色時の温度制御は、繊維のガラス転移点
までは急速に昇温し、その後は緩やかに昇温する。最高
到達温度は繊維によって異なるが、例えば、ポリエステ
ル繊維は120〜140℃、アクリル繊維は95〜10
5℃、再生繊維は80〜95℃が好ましい温度である。
極端に高い温度で染色を行なうと熱によって繊維がセッ
トされ、繊維の水中での離解・分散性が悪くなるので好
ましくない。一方、極端に低い温度で染色を行なうと染
料の繊維への染着量が減少し、染色濃度が低くなった
り、堅牢性が低くなるので好ましくない。最高到達温度
を適当時間キープして染料を染着させた後、冷却する。
冷却後あるいは冷却中、必要に応じて定着剤や油剤を付
与しても良い。
【0025】均一な染色状態の繊維を得る方法として、
染料や顔料を予め樹脂に練り込んで紡糸する方法などを
挙げることもできるが、この場合、染色ロットが非常に
大きくなり、昨今の小ロット・多品種のニーズを考慮し
た場合、効率的な方法であるとは言い難い。それに対し
て、本発明の染色繊維は簡便な方法で得られ、小ロット
・多品種のニーズに対応可能なばかりでなく、該染色繊
維を湿式不織布に用いる場合には、特に乾燥を行なう必
要もなく、そのまま繊維の離解・分散工程に使用するこ
とが可能であり、コスト面でも大きな利点がある。
【0026】本発明の染色繊維は、基材を装飾感溢れる
色に着色するために、基材を構成する必須成分として用
いられる。均一な染色状態を有する本発明の染色繊維を
基材中に均一に分散させることができれば、見る角度に
よって白けた感じに見えることのない均一な色調で着色
された基材を得ることが可能であるばかりでなく、異な
る色の染色繊維をさながら絵の具のように複数組み合わ
せて用いることによって、基材を様々な色に着色するこ
とも可能である。染色繊維を基材中に均一に分散させる
のに最も好ましい方法は湿式抄紙法であり、該方法を用
いることによって、上記の染色繊維の効用が十分に発現
した着色基材を得ることができる。
【0027】次に、光反応性半導体について、以下に具
体的に説明する。本発明で用いられる光反応性半導体と
は、0.5〜5eV、好ましくは1〜3eVの禁止帯幅
を有する光触媒反応を生ずる半導体であって、光反応性
半導体で生成したOHラジカルにより有害物質が分解さ
れる。光反応性半導体の形状としては、粒子状のものが
好ましく、比表面積が10〜500m2/gの粒子を適宜
選択して用いる。
【0028】このような光反応性半導体としては、特開
平2−273514号公報に開示されているものを挙げ
ることが可能であり、酸化亜鉛、三酸化タングステン、
酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好まし
く、これらの中でも、酸化チタンは、構造安定性、光反
応性半導体としての能力、取扱い上の安全性などを考慮
した場合、特に好ましい材料である。酸化チタンとして
は、二酸化チタンのほか、含水酸化チタン、水和酸化チ
タン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンな
どを使用することが可能であり、その結晶形については
特に制限はない。
【0029】光反応性半導体の配合量は、装飾脱臭抗菌
シートの総重量の1〜30重量%であることが好まし
い。1重量%未満では、光触媒能に不足し、有害物質の
分解除去能が低下するので好ましくない。一方、30重
量%を超えて多いと、有害物質の分解除去能は向上する
が、光反応性半導体を装飾脱臭抗菌シート中に強固に保
持することが困難になり、粉落ちなどによる生産性や加
工性の低下、あるいは脱落した光反応性半導体が装飾脱
臭抗菌シートの他の場所に飛散し、基材の劣化、変色を
招くので好ましくない。
【0030】次に、微細繊維について、以下に説明す
る。本発明で用いられる微細繊維としては、例えば、以
下に示す方法で加工されたものが挙げられる。 (1)合成高分子溶液を該高分子の貧溶媒中にせん断力
をかけながら流下させ、繊維状フィブリルを沈澱させる
方法(フィブリッド法、特公昭35−11851号公
報)。 (2)合成モノマーを重合させながらせん断力をかけ、
フィブリルを析出させる方法(重合せん断法、特公昭4
7−21898号公報)。 (3)2種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押し出
し、または紡糸し、切断後、機械的な手段で繊維状にフ
ィブリル化する方法(スプリット法、特公昭35−96
51号公報)。 (4)2種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押し出
し、または紡糸し、切断後、溶剤に浸漬して一方の高分
子を溶解し、繊維状にフィブリル化する方法(ポリマー
ブレンド溶解法、米国特許3、382、305号)。 (5)合成高分子をその溶媒の沸点以上で、かつ高圧側
から低圧側へ爆発的に噴出させた後、繊維状にフィブリ
ル化する方法(フラッシュ紡糸法、特公昭36−164
60号公報)。 (6)ポリエステル系高分子に該ポリエステルに非相溶
のアルカリ可溶成分をブレンドし、成形後、アルカリに
より減量後叩解し、繊維状にフィブリル化する方法(ア
ルカリ減量叩解法、特公昭56−315号公報)。 (7)セルロース繊維、ケブラー繊維などの高結晶性、
高配向性繊維を適当な繊維長に切断後、水中に分散さ
せ、ホモジナイザー、叩解機などを用いてフィブリル化
する方法(特開昭56−100801号公報)。
【0031】本発明で用いられる微細繊維は、特殊な方
法を用いてフィブリル化した繊維であり、該繊維を構成
するフィブリルの平均直径は1μm以下と極めて小さい
ものである。従って、該繊維の比表面積は極めて大き
く、その表面に光反応性半導体を多数保持することが可
能であり、かつ該繊維同士が絡み合うために、該繊維を
含有してなる凝集複合体の機械的強度は大きい。さら
に、該微細繊維を基材とは異なる色で染色することによ
り、様々な色柄の装飾脱臭抗菌シートを得ることも可能
である。
【0032】微細繊維の配合量は、光反応性半導体の総
量(後述の白色顔料を使用する場合には、白色顔料も該
総量に含む)100重量部に対して、5〜50重量部が
好ましく、さらに好ましくは10〜30重量部である。
5重量部未満では、光反応性半導体(並びに白色顔料)
の保持能力に不足し、微細繊維の使用による上述の効果
を十分に発現することができないので好ましくない。一
方、50重量部を超えて多いと、凝集複合体が緻密にな
り、有害物質との接触効率が低下し、有害物質除去能が
低下するので好ましくない。
【0033】次に、白色顔料について、以下に説明す
る。本発明で用いられる白色顔料は、光反応性半導体を
担持させる担体としての役割を担うものである。担体と
しては、様々な材料を使用することができるが、装飾脱
臭抗菌シートの意匠性を損なわない点で、白色顔料が特
に好ましい材料である。光反応性半導体は、光触媒作用
により悪臭などの有害物質を除去できる反面、該光反応
性半導体と接触する有機成分を劣化せしめ、装飾脱臭抗
菌シートの強度低下や意匠性の低下(退色、黄変)を促
進するという短所を併せ持っている。しかしながら、白
色顔料に光反応性半導体を担持させることによって、光
反応性半導体と有機成分との接触部分を減少させること
が可能であり、装飾脱臭抗菌シートの劣化防止に大きな
効果を発揮する。
【0034】さらには、有害物質に対して吸着能を有す
る白色顔料を使用することも可能であり、この場合、白
色顔料で吸着した有害物質を光反応性半導体で分解除去
することができるため、極めて高い有害物質除去能を得
ることができる。他に、触媒作用を有する白色顔料も好
ましい材料の一つである。
【0035】具体的な例としては、酸化亜鉛、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、複合フィロケイ酸塩、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。これらの白色顔料
の形状は特に限定されるものではないが、光反応性半導
体の担持能力を考慮した場合、粒子状のものが好まし
い。
【0036】白色顔料の配合量は、光反応性半導体の総
重量の100重量部に対して、10〜200重量部が好
ましく、さらに好ましくは50〜100重量部である。
10重量部未満では、光反応性半導体の担持能力に不足
し、白色顔料の使用に伴う上記の効果を十分に発現する
ことができないので好ましくない。一方、200重量部
を超えて多いと、光反応性半導体の担持能力は大きい
が、光反応性半導体表面の白色顔料被覆部分が増大し、
光触媒能が低下するので好ましくない。
【0037】次に、本発明の装飾脱臭抗菌シートの製造
方法について、以下に具体的に説明する。
【0038】本発明の装飾脱臭抗菌シートは、湿式抄紙
法によって製造されたものであることを特徴とする。湿
式抄紙法は染色繊維を基材中に均一に分散させるのに最
も好ましい方法であると先に述べたが、その他にも、凝
集複合体を着色基材中に均一に内添することが可能であ
り、かつ内添を容易に行なえるので生産性の面でも非常
に優れているという利点がある。
【0039】乾式法で染色繊維を基材中に均一に分散さ
せることは難しく、均一な色調の着色基材を得ることは
容易ではない。また、凝集複合体の内添も難しく、含浸
やスプレーなどの後加工で基材に固定する場合が殆ど
で、工程が煩雑となり生産性に劣るばかりでなく、後加
工による風合いや意匠性の低下も避け難い。織物基材で
あれば、均一な色調を得ることは可能だが、凝集複合体
の内添の点で乾式法と同様の問題を抱えており、やはり
湿式抄紙法には及ばない。
【0040】本発明の装飾脱臭抗菌シートは、チョップ
状の繊維を染色してなる染色繊維を必須成分として含有
する着色基材中に、光反応性半導体および微細繊維の凝
集複合体(白色顔料を含んでも良く、また、着色基材と
は異なる色で微細繊維を染色しても良い)を内添してな
るものであり、その湿式抄紙法による製造方法の一例を
以下に具体的に説明する。
【0041】まず、着色基材構成繊維の水分散液を調製
する。染色繊維(染色方法は先述の通り)を必須成分と
して含有する着色基材構成繊維を水中に添加した後、パ
ルパーなどの撹拌機を用いて繊維を離解して水分散液を
調製する。この時、必要に応じて適当な分散剤を用いて
も構わない。
【0042】次に、凝集複合体の水分散液を調製する。
光反応性半導体および微細繊維(並びに白色顔料)を水
中に添加混合した後、適当な凝集剤を用いて光反応性半
導体および微細繊維(並びに白色顔料)の凝集複合体を
形成する。
【0043】凝集剤としては、カチオン性高分子凝集
剤、例えばカチオン性ポリアクリルアマイド、ポリ塩化
アルミニウムなどを使用することができる。凝集剤の添
加量は、使用する光反応性半導体および微細繊維(並び
に白色顔料)の種類や配合量によって異なるが、光反応
性半導体および微細繊維(並びに白色顔料)の総量10
0重量部に対して0.01〜10重量部添加するのが適
当である。
【0044】さらに、これらのカチオン性高分子凝集剤
と複合体を形成し、凝集を強化するようなアニオン性高
分子凝集剤、例えばアニオン性ポリアクリルアマイドな
ど、あるいはアニオン性無機微粒子、例えばコロイダル
シリカやベントナイト水分散物などを併用することもで
きる。
【0045】上記の着色基材構成繊維の水分散液と凝集
複合体の水分散液とを混合して水性スラリーを調製す
る。水中での均一な分散のために、水性スラリーの固形
分濃度は0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0046】一般紙や湿式不織布を製造するための抄紙
機、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式
抄紙機などを用いて、該水性スラリーよりウェブを形成
し、プレス、乾燥して装飾脱臭抗菌シートを製造するこ
とができる。ウェブの乾燥には、シリンダドライヤー、
ヤンキードライヤー、エアドライヤーなどを使用するこ
とができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0048】実施例1 <染色繊維Aの作製>まず、容量440ccのステンレ
ス製のポット内に、キャリアに見立てたステンレス製の
穴あき間仕切り板を縦方向に挿入してポット内を2分
し、2分した片方の側(容量220cc)にチョップ状
の繊維として、ポリエステル繊維(クラレ社製、EPT
C203×5、繊度2デニール、繊維長5mm)を10
0g充填した(詰め込み密度約0.5g/cm3)。次い
で、ポリエステル繊維の総重量に対して、分散染料(日
本化薬社製、Kayalon Polyester B
lue PAL−E)を0.5重量%、染液1Lにつ
き、分散剤(日華化学社製、サンソルトRM−340)
を2g、均染剤(日華化学社製、テキスポートD−33
4)を3g、酢酸を0.3g、酢酸ナトリウムを1g添
加し、染料濃度で約0.2重量%の染液を300g調製
した。繊維が充填された上記のポット内に該染液を投入
した後、12色回転ポット染色機(テクサム技研社製、
MINI−COLOUR 12E)に装着し、昇温速度
2℃/分で120℃に加熱、該温度を30分間キープし
た後、冷却・洗浄して染色繊維Aを作製した。ポリエス
テル繊維の側面および断面は共に綺麗な水色に均一に染
色されており、染色状態は良好であった。
【0049】<染色繊維Bの作製>チョップ状の繊維と
して、ポリエステル繊維(帝人社製、テピルス、繊度
0.5デニール、繊維長5mm)を上記と同様の方法で
染色し、染色繊維Bを作製した。上記染色繊維Aと同
様、染色状態は良好で、綺麗な水色に染色されていた。
【0050】<基材原料の水分散液の調製>染色繊維A
100重量部、染色繊維B150重量部、芯鞘型熱融着
性ポリエステル繊維(ユニチカ社製、メルティ408
0、繊度2デニール、繊維長5mm)250重量部を水
中に添加混合し、基材原料の水分散液を調製した。
【0051】<凝集複合体の水分散液の調製>光反応性
半導体として、酸化チタン粉末(日本アエロジル社製、
P25S6)100重量部、微細繊維として、微細セル
ロース(ダイセル化学工業社製、セリッシュKY−10
0S)30重量部を水中に添加混合した後、凝集剤とし
て、ポリ塩化アルミニウム(水澤化学工業社製、PA
C)1重量部を添加し、凝集複合体の水分散液を調製し
た。
【0052】<装飾脱臭抗菌シートの作製>基材原料1
00重量部に対して、凝集複合体が15重量部となるよ
うに該基材原料の水分散液と該凝集複合体の水分散液を
混合し、水性スラリーを調製した。次いで、該水性スラ
リーから角型手抄機を用いて坪量100g/m2の実施例
1の装飾脱臭抗菌シートを作製した。該装飾脱臭抗菌シ
ートは、染色繊維Aおよび染色繊維Bによって、均一な
色調で綺麗な水色に着色されており、高い装飾感を有す
るものであった。
【0053】参考例1 実施例1における染色繊維Aおよび染色繊維Bに代え
て、染色前のポリエステル繊維2種を用いた以外は、実
施例1と同様の方法で参考例1の装飾脱臭抗菌シートを
得た。
【0054】比較例1 まず、参考例1の装飾脱臭抗菌シートを裁断して10g
採取し、筒状に丸めてステンレス製のポットに挿入し
た。染料濃度を約10分の1とした点を除いて、実施例
1記載の方法で参考例1の装飾脱臭抗菌シートを染色
し、比較例1の装飾脱臭抗菌シートを得た。該装飾脱臭
抗菌シートは、参考例1の装飾脱臭抗菌シートと比較し
て明らかに強度が低下しており、凝集複合体が染液中に
多量に脱落しているのも観察された。また、染色状態そ
のもは良好であるにもかかわらず、色調が不均一で装飾
感に乏しいものであった。
【0055】実施例2 <染色繊維Cの作製>まず、チョップ状の繊維として、
アクリル繊維(三菱レイヨン社製、ボンネル、繊度0.
1デニール、繊維長6mm)の100gを実施例1記載
の方法でポット内に充填した(詰め込み密度約0.5g
/cm3)。次いで、アクリル繊維の総重量に対して、カ
チオン染料(日本化薬社製、Kayacryl Lig
ht Blue 4GSL)を0.5重量%、緩染剤
(日華化学社製、ネオカチオンG)を0.5重量%、均
染剤(日華化学社製、サンソルトAN)を0.25重量
%、染液1Lにつき、酢酸を0.3g、酢酸ナトリウム
を1g添加し、染料濃度で約0.2重量%の染液を30
0g調製した。繊維が充填された上記のポット内に該染
液を投入した後、12色回転ポット染色機(テクサム技
研社製、MINI−COLOUR 12E)に装着し、
昇温速度1℃/分で95℃に加熱、該温度を30分間キ
ープした後、冷却・洗浄して染色繊維Cを作製した。ア
クリル繊維の側面および断面は共に綺麗な水色に均一に
染色されており、染色状態は良好であった。
【0056】<基材原料の水分散液の調製>実施例1に
よる染色繊維A100重量部、染色繊維C150重量
部、芯鞘型熱融着性ポリエステル繊維(ユニチカ社製、
#4080、繊度2デニール、繊維長5mm)250重
量部を水中に添加混合し、基材原料の水分散液を調製し
た。
【0057】<装飾脱臭抗菌シートの作製>基材原料1
00重量部に対して、実施例1と同様の凝集複合体が1
5重量部となるように該基材原料の水分散液と該凝集複
合体の水分散液を混合し、水性スラリーを調製した。次
いで、該水性スラリーから角型手抄機を用いて坪量10
0g/m2の実施例2の装飾脱臭抗菌シートを作製した。
該装飾脱臭抗菌シートは、染色繊維Aおよび染色繊維C
によって、均一な色調で綺麗な水色に着色されており、
高い装飾感を有するものであった。
【0058】実施例3 <凝集複合体の水分散液の調製>光反応性半導体とし
て、酸化チタン粉末(日本アエロジル社製、P25S
6)100重量部、白色顔料として、複合フィロケイ酸
塩粉末(水澤化学工業社製、ミズカナイトAP)100
重量部、微細繊維として、微細セルロース(ダイセル化
学工業社製、セリッシュKY−100S)30重量部を
水中に添加混合した後、凝集剤として、ポリ塩化アルミ
ニウム(水澤化学工業社製、PAC)1重量部を添加
し、凝集複合体を調製した。
【0059】<装飾脱臭抗菌シートの作製>実施例1と
同様の基材原料100重量部に対して、上記の凝集複合
体が30重量部となるように該基材原料の水分散液と該
凝集複合体の水分散液を混合し、水性スラリーを調製し
た。次いで、該水性スラリーから角型手抄機を用いて坪
量100g/m2の実施例3の装飾脱臭抗菌シートを作製
した。該装飾脱臭抗菌シートは、染色繊維Aおよび染色
繊維Bによって、均一な色調で綺麗な水色に着色されて
おり、高い装飾感を有するものであった。
【0060】実施例4 白色顔料として、酸化亜鉛粉末(堺化学工業社製、微細
亜鉛華)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で実施
例4の装飾脱臭抗菌シートを作製した。該装飾脱臭抗菌
シートは、染色繊維Aおよび染色繊維Bによって、均一
な色調で綺麗な水色に着色されており、高い装飾感を有
するものであった。
【0061】実施例5 <微細繊維の染色>まず、微細繊維として、微細セルロ
ース(ダイセル化学工業社製、セリッシュKY−100
S)の100gを実施例1記載の方法でポット内に充填
した(詰め込み密度約0.5g/cm3)。次いで、微細
セルロースの総重量に対して、直接染料(日本化薬社
製、Kayarus Supra Red BWS)を
0.5重量%、染液1Lにつき、硫酸ナトリウムを15
g添加し、染料濃度で約0.2重量%の染液を300g
調製した。繊維が充填された上記のポット内に該染液を
投入した後、12色回転ポット染色機(テクサム技研社
製、MINI−COLOUR 12E)を用いて、昇温
速度1℃/分で95℃に加熱、該温度で30分間キープ
した後、冷却・洗浄して微細繊維を染色した。微細繊維
は綺麗なピンク色に均一に染色されており、染色状態は
良好であった。
【0062】<装飾脱臭抗菌シートの作製>実施例1に
よる微細繊維に代えて、上記により染色した微細繊維を
用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例5の装飾
脱臭抗菌シートを作製した。該装飾脱臭抗菌シートは、
染色繊維Aおよび染色繊維Bによって水色に着色した基
材中に、染色された微細繊維によるピンク色の凝集複合
体が均一に分散しており、実施例1〜4の装飾脱臭抗菌
シートとはひと味違った意匠性を有するものであった。
【0063】比較例2 <染色繊維Dの作製>まず、再生繊維(ダイワボウレー
ヨン社製、コロナ、繊度0.5デニール)のトウを長さ
300mmにカットし、その100gを実施例1記載の
方法でポット内に充填した(詰め込み密度約0.5g/
cm3)。次いで、再生繊維の総重量に対して、直接染
料(日本化薬社製、Kayarus Supra Bl
ue 4BL)を0.5重量%、染液1Lにつき、硫酸
ナトリウムを15g添加し、染料濃度で約0.2重量%
の染液を300g調製した。繊維が充填された上記のポ
ット内に該染液を投入した後、12色回転ポット染色機
(テクサム技研社製、MINI−COLOUR 12
E)に装着し、昇温速度1℃/分で95℃に加熱、該温
度を30分間キープした後、冷却・洗浄して染色繊維D
を作製した。湿式抄紙可能なように、上記の染色繊維D
をカッターで長さ5mmにカットしてチョップ状とし
た。染色繊維Dは綺麗な水色に均一に染色されていた
が、チョップ状にカットしたものはカット断面に染料が
十分に染着しておらず、染色ムラが見られた。
【0064】<装飾脱臭抗菌シートの作製>染色繊維と
して、再生繊維のトウを染色した染色繊維Dをチョップ
状にカットしたものを用いた以外は、実施例1と同様の
方法で比較例2の装飾脱臭抗菌シートを作製した。該装
飾脱臭抗菌シートは、カット断面に染色ムラのある染色
繊維を使用しているために、斜めから見ると白けた感じ
に見え、装飾感にやや劣るものであった。
【0065】上記実施例1〜5、比較例1および2、参
考例1で作製した装飾脱臭抗菌シートについて、下記性
能試験に従って評価し、その結果を下記表1に示した。
【0066】<脱臭性能>装飾脱臭抗菌シートを10c
m×10cmに裁断し、6Wのブラックランプを備えた
5.6Lの密閉容器の底部に静置した。この容器中に飽
和アセトアルデヒドを0.5mL注入した後(濃度約9
0ppm)、装飾脱臭抗菌シートの上方約2cmから6
Wのブラックランプで紫外線を照射し、紫外線照射30
分後のアセトアルデヒド濃度(ppm)をガスクロマト
グラフィーで測定した。
【0067】<抗菌性能>装飾脱臭抗菌シートを10c
m×10cmに裁断し、これを7万個/mL濃度の緑膿
菌水溶液に浸漬し、装飾脱臭抗菌シートの上方約2cm
から6Wのブラックランプで紫外線を4時間照射した。
照射後、緑膿菌の生菌数を標準寒天培地を用いた混釈平
板培養法(35℃、48時間)により測定し、緑膿菌濃
度を算出した。紫外線照射後の緑膿菌の減少率(%)を
抗菌性の指標とした。
【0068】<引張強度>JIS P8113に準じ
て、装飾脱臭抗菌シートを縦方向および横方向につい
て、幅25mm、長さ200mmに裁断し、テンシロン
測定機(オリエンテック社製、HTM−100)を用い
て引張強度(kg/25mm)を測定した。
【0069】<装飾感>装飾脱臭抗菌シートを様々な角
度から目視し、その装飾感を評価した。基材が染色繊維
によって綺麗に着色されており、色調が均一で装飾感が
高く、人目をひくに十分な効果のあるものを優、一方、
見る角度によって色調が異なったり、白けた感じに見
え、人目をひくに十分な効果のないものを劣として評価
した。
【0070】
【表1】
【0071】実施例1〜5の装飾脱臭抗菌シートの脱臭
性能、抗菌性能、引張強度は、参考例1のそれと遜色な
く、染色繊維の使用に起因する性能低下は見られない。
さらに、チョップ状の繊維を染色してなる染色状態の良
好な染色繊維が、湿式抄紙法により基材中に均一に分散
しているために、該染色繊維を含有してなる基材は均一
な色調で綺麗に着色されており、装飾感の高い人目をひ
くに十分な効果のある装飾脱臭抗菌シートであった。な
お、実施例5の装飾脱臭抗菌シートは、染色繊維により
水色に着色した基材中に、染色微細繊維によりピンク色
に着色した凝集複合体が均一に分散しており、実施例1
〜4の装飾脱臭抗菌シートとはひと味違った意匠性を有
するものであった。
【0072】先染めした染色繊維によって着色した実施
例の装飾脱臭抗菌シートとは対照的に、後染めによって
着色した比較例1の装飾脱臭抗菌シートは、脱臭性能、
抗菌性能、引張強度、装飾感の何れも大きく低下してい
る。染色時の繊維の膨潤や収縮などで繊維間の絡みや接
着点が緩んだことによって、強度が低下したばかりでな
く、繊維マトリクス中に保持されていた凝集複合体が脱
落して脱臭抗菌能力が低下、さらには染色状態そのもの
は良好であるも繊維間隔が広がることで色調の不均一を
招いたものと思われる。
【0073】比較例2の装飾脱臭抗菌シートは、先染め
した染色繊維によって着色したものには相違ないが、チ
ョップ状の繊維を染色した染色繊維ではなく、染色した
トウをチョップ状にカットした染色繊維を使用したもの
である。従って、染色繊維のカット断面に染料が十分に
染着しておらず、一見すると良好な着色状態に見える
が、斜めから見ると白けた感じに見え、装飾感にやや劣
るものであった。
【0074】
【発明の効果】本発明の装飾脱臭抗菌シートは、チョッ
プ状の繊維を染色した染色繊維を必須成分として含有す
る着色基材中に、光反応性半導体および微細繊維の凝集
複合体を内添してなり、かつ湿式抄紙法で製造されたも
のである。
【0075】チョップ状の繊維を染色することによっ
て、繊維側面および断面が均一に染色された染色繊維を
得ることが可能であり、該染色繊維を必須成分として含
有する基材が湿式抄紙法によって製造されているため
に、染色繊維が基材中に均一に分散した均一な色調を有
する装飾感溢れる着色基材が得られる。加えて、湿式抄
紙法においては、上記の凝集複合体を基材中に均一に内
添することが可能であり、かつ内添を容易に行なえるの
で生産性にも優れるという利点がある。これらの結果、
光反応性半導体の光触媒作用により悪臭物質や細菌など
の有害物質を分解除去可能なばかりでなく、意匠性にも
優れた装飾脱臭抗菌シートを得ることが可能となる。
【0076】また、白色顔料に光反応性半導体を担持さ
せることによって、光反応性半導体の光触媒作用による
着色基材の劣化(強度低下、退色による意匠性の低下な
ど)を抑制可能であるばかりでなく、白色顔料として有
害物質に対して吸着能や触媒能を有するものを使用すれ
ば、有害物質除去材としての装飾脱臭抗菌シートの一層
の高機能化も可能である。
【0077】さらに、凝集複合体中に、着色基材とは異
なる色で染色した微細繊維を含有させることによって、
装飾脱臭抗菌シートに様々な色柄を付与することが可能
であり、意匠性向上のバリエーションを一層広げること
もできる。
【0078】従って、本発明の装飾脱臭抗菌シートは、
車載材料、ランプシェード、壁紙などの人目に触れる意
匠性を要求される用途においても、有害物質除去材とし
て有効に活用することができる。また、生産性にも優
れ、通常の抄紙機を用いて容易に製造することが可能で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョップ状の繊維を染色した染色繊維を
    必須成分として含有する着色基材中に、光反応性半導体
    および微細繊維の凝集複合体を内添してなり、かつ湿式
    抄紙法で製造したものであることを特徴とする装飾脱臭
    抗菌シート。
  2. 【請求項2】 凝集複合体中に、白色顔料を含有してな
    ることを特徴とする請求項1記載の装飾脱臭抗菌シー
    ト。
  3. 【請求項3】 凝集複合体中に、着色基材とは異なる色
    で染色した微細繊維を含有してなることを特徴とする請
    求項1または2記載の装飾脱臭抗菌シート。
JP8065973A 1996-03-22 1996-03-22 装飾脱臭抗菌シート Pending JPH09253430A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001047461A1 (fr) * 1999-12-28 2001-07-05 Css., Inc. Procedes, draps, futons, lits, oreillers, et articles de prevention des escarres, et leurs procedes de fabrication
JP2014121699A (ja) * 2012-11-22 2014-07-03 Panasonic Corp エアフィルタ濾材およびその製造方法
JP2017193786A (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 花王株式会社 模様紙の製造方法
JP2018083995A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 花王株式会社 消臭紙の製造方法

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